JP6488020B2 - 超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具 - Google Patents

超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具 Download PDF

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Description

本発明は、超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具に関する。
超電導現象により磁場を発生させる超電導磁石装置が、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging;MRI)装置や、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)装置等に利用されている。超電導磁石装置に備えられる超電導コイルには、ニオブチタン(NbTi)、ニオブ三スズ(NbSn)等の超電導体の線材が利用されている。また、近年、二ホウ化マグネシウム(MgB)、BSCCO、YBCO(Y123)等の高温超電導体の実用化も進められている。
一般に、超電導コイルの励磁は、所要の電流値の励磁電流を励磁用リードを通じて電源から給電することで行われる。そして、励磁後には、超電導コイルが電源から切り離され、永久電流モードの運転が続けられる。永久電流モードにおいては、閉回路化された超電導コイルを無抵抗で電流が流れ続け、必要とされる磁場を発生させる。その後、超電導コイルを消磁させる際には、再び回路のループが切り替えられる。
超電導コイルが組み込まれた回路の切り替えは、超電導体を利用した素子である永久電流スイッチによって行われている。永久電流スイッチの作動形式としては、機械式、熱式、磁界式等があるが、熱式が主流となっている。熱式の永久電流スイッチは、無誘導巻線とされた超電導体が抵抗線ヒータ等によって加熱可能に構成される。転移温度(臨界温度)以下の超電導状態にある超電導線が、転移温度を超える温度に加熱されることでスイッチがOFFに切り替えられる。
従来、超電導体を転移温度以下に冷却する方法としては、超電導コイルを液体ヘリウム等に浸漬させて沸騰冷却する方法が主流であった。しかしながら、近年では、冷凍技術の進展や高温超電導体の実用化に伴い、冷凍機を使用した伝導冷却型の超電導磁石装置の開発も広く進められるようになっている。超電導コイルや永久電流スイッチは、真空容器内に収容され、真空断熱下に冷凍機によって伝導冷却されて転移温度以下の極低温に保たれる。
超電導磁石装置において超電導コイルの励磁を行う際には、永久電流スイッチが転移温度を超える温度に加熱されてスイッチがOFFの状態とされる。そのため、転移温度以下に保持すべき超電導コイルは、加熱されている永久電流スイッチからの熱負荷に晒される状態となる。また、超電導コイルは、常温下におかれている電源と励磁用リードを介して熱的に接続された状態となる。しかも、電源から励磁用リードを通じて給電される励磁電流は大電流であるため、軽視できない熱量のジュール熱が超電導コイルに伝熱し得る。こうした熱負荷は、超電導コイルの冷却を行う冷凍機に対して、大きな冷却負荷を与えるものとなっている。
永久電流スイッチから超電導コイルへの熱負荷を抑える技術としては、永久電流スイッチを冷却する専用の冷凍機を併設する技術が知られている。例えば、特許文献1には、超電導コイルと、永久電流スイッチと、超電導コイルを冷却する第1極低温冷凍機と、永久電流スイッチを冷却する別の第2極低温冷凍機と、真空容器とを備える冷凍機冷却型超電導磁石装置について開示されている。
また、励磁用リードと超電導コイルとの熱的な接続を遮断する技術が知られている。例えば、特許文献2には、固定コネクタと可動コネクタと中間可動コネクタとで、着脱式の電流リード部を構成する技術が開示されている。
特開2010−283186号公報 特開平4−034905号公報
超電導コイルを液体ヘリウム等に浸漬させて沸騰冷却する形態の超電導磁石装置においては、超電導コイルに対して熱的に接続される励磁用リードを、蒸発したヘリウムの顕熱を利用して冷却することが可能である。これに対して、冷凍機を使用した伝導冷却型の超電導磁石装置においては、超電導コイルに付随して設置される超電導コイル用冷凍機が専ら超電導コイルの冷却に使われており、励磁用リードを冷却する余力が無い場合が多いのが現状である。
特許文献1に記載の技術によると、第2極低温冷凍機と励磁用リード(電流リード)とが熱的に接続されているため、第2極低温冷凍機によって、永久電流スイッチと共に励磁用リードを冷却することが可能である。しかしながら、第2極低温冷凍機の稼働を停止すると、励磁用リードを介して第2極低温冷凍機から超電導コイルに熱が侵入してしまう。そのため、永久電流モードの運転時において、超電導コイル用の冷凍機による運転負荷(冷却負荷)が増大してしまう虞がある。また、第2極低温冷凍機の稼働を常時継続する場合には、冷凍機に費やされる運転動力が膨大なものとなってしまう。
一方、特許文献2に記載の着脱式のリードによると、永久電流モードの運転時には、超電導コイルと電源との熱的な接続を切り離しておくことが可能である。しかしながら、超電導コイルの励磁を行う際には、励磁リードを電源等と熱的に接続された状態にしなければならない。よって、励磁リードを介して侵入してくる侵入熱によって、超電導コイル用冷凍機による冷却負荷が増大する事態は、依然として避けることができない。
そこで、本発明は、励磁用リードを介した超電導コイルへの伝熱を抑制し、超電導コイルのための冷却負荷を低減することが可能な超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る超電導磁石装置は、超電導コイルと、前記超電導コイルが組み込まれた回路の開閉を切り替える永久電流スイッチと、前記超電導コイル及び前記永久電流スイッチを収容した真空容器と、一端が前記超電導コイルに接続されると共に他端が前記真空容器の外側に引き出されており、前記超電導コイルに対する励磁電流を通電可能な超電導コイル用リードと、前記真空容器の外側に引き出されている前記超電導コイル用リードを囲んだ状態で前記真空容器の外面に立設されている伸縮自在なベローズと、前記ベローズの開口を気密に覆うと共に、前記真空容器の外面に面する側に、前記超電導コイル用リードの他端と接続可能な内側端子、反対側に、前記超電導コイルに対する励磁電流を給電する電源に接続される励磁用リードと接続可能な外側端子をそれぞれ有し、前記ベローズの伸縮を伴って前記内側端子及び前記外側端子が接続された状態と接続されていない状態とに進退する可動コネクタ部とを備え、前記可動コネクタ部が備えられる前記真空容器の外面には、前記励磁用リード及び前記励磁用リードに対して熱的に接続されたリード用冷凍機を支持すると共に、前記真空容器の外面に密接して前記励磁用リードを気密状態に保持可能なカバー体を有し、前記カバー体は、開口を有する箱状の覆いであり、且つ、前記箱状の覆いの頂部に前記開口に向かう方向に可動する可動固定部を支持しており、前記可動固定部は、前記励磁用リードが固定されていると共に、前記励磁用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする。
また、本発明に係る超電導磁石励磁用具は、超電導コイルに対する励磁電流を給電する電源に接続される励磁用リードと、前記励磁用リードに対して熱的に接続されたリード用冷凍機と、前記励磁用リード及び前記リード用冷凍機を支持すると共に、前記超電導コイルを備えている超電導磁石装置の外面に密接して、前記励磁用リードを気密状態に保持可能なカバー体とを備え、前記カバー体は、開口を有する箱状の覆いであり、且つ、前記箱状の覆いの頂部に前記開口に向かう方向可動する可動固定部を支持しており、前記可動固定部は、前記励磁用リードが固定されていると共に、前記励磁用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする。
本発明によれば、励磁用リードを介した超電導コイルへの伝熱を抑制し、超電導コイルのための冷却負荷を低減することが可能な超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る超電導磁石装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る超電導磁石励磁用具を拡大して示す断面図である。 超電導磁石励磁用具の使用方法を説明する図である。 超電導磁石励磁用具の使用方法を説明する図である。 超電導磁石励磁用具の使用方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る超電導磁石励磁用具の一例を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る超電導磁石励磁用具の一例を示す断面図である。
[第1実施形態]
はじめに、本発明の第1実施形態に係る超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具について説明する。なお、以下の各図において共通する構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る超電導磁石装置の断面図である。
図1に示すように、超電導磁石装置100は、超電導コイル1と、高熱伝導部材2と、永久電流スイッチ3と、端子板3aと、超電導コイル用冷凍機4と、遮熱シールド5と、積層断熱材6と、真空容器7と、超電導コイル用リード9と、永久電流スイッチ用リード10と、固定コネクタ板(固定コネクタ部)14と、固定ベローズ(ベローズ)16と、可動コネクタ板(可動コネクタ部)18と、超電導コイル用リードアダプタ19と、永久電流スイッチ用リードアダプタ20とを備えている。図1においては、可動コネクタ板18が備えられる真空容器7の外面に、超電導コイル1の励磁を行うための超電導磁石励磁用具200が取り付けられた状態の超電導磁石装置100が示されている。
超電導磁石装置100は、冷凍機を使用した伝導冷却型の超電導磁石装置である。超電導コイル1は、超電導体からなる超電導線がボビンに捲回された構造を有している。超電導体としては、窒素の沸点未満の転移温度を示すニオブチタン(NbTi)等の超電導体、及び、窒素の沸点以上の転移温度を示す二ホウ化マグネシウム(MgB)、BSCCO、YBCO(Y123)等の高温超電導体のいずれも適用され得る。通常、超電導線とボビンとの間や超電導線同士の間には絶縁層が設けられ、電気的に互いに絶縁される。
高熱伝導部材2は、超電導コイル1と熱的に接続されている。高熱伝導部材2は、超電導コイル1と共に、永久電流スイッチ3及び永久電流スイッチ3の端子板3aを支持しており、永久電流スイッチ3や端子板3aとも熱的に接続されている。高熱伝導部材2は、高熱伝導性を有するアルミニウム、銅、これらの合金等によって形成されている。なお、本明細書において、熱的に接続されているとは、主として固相における熱伝導や、互いに接触している固相間の熱伝達を介して伝熱可能とされている状態を意味する。また、高熱伝導性を有するとは、温度4Kにおける熱伝導率が、200W/(m・K)以上であることを意味する。
超電導コイル用冷凍機4は、第1ステージ4aと第2ステージ4bとを備える2段ステージ型とされている。超電導コイル用冷凍機4としては、例えば、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管型冷凍機等が利用可能である。超電導コイル用冷凍機4の冷却性能は、例えば、温度60Kにおいて60W、温度4Kにおいて1Wである。
超電導コイル用冷凍機4は、超電導コイル1と熱的に接続されている。詳細には、超電導コイル用冷凍機4の第2ステージ4bが、高熱伝導部材2と接している。超電導コイル用冷凍機4は、高熱伝導部材2と熱的に接続されている超電導コイル1、永久電流スイッチ3、端子板3aを伝導冷却することができる。
永久電流スイッチ3は、超電導コイル1が組み込まれた回路の開閉を切り替える素子となっている。永久電流スイッチ3は、例えば、無誘電巻きされた超電導線が、ヒータとしての抵抗線と共巻きされた熱式の永久電流スイッチとされる。永久電流スイッチ3の超電導線は、超電導コイル1から引き出された超電導線と接続され、不図示の抵抗線は、端子板3aに引き出されている。
超電導コイル1、高熱伝導部材2、永久電流スイッチ3及び端子板3aは、内面側に遮熱シールド5が積層されている積層断熱材6によって、全面にわたって覆われている。遮熱シールド5と積層断熱材6とによって、外側から超電導コイル1等へ向かう放射熱が遮蔽されるようになっている。また、遮熱シールド5と積層断熱材6とは、超電導コイル用冷凍機4の第1ステージ4aと熱的に接続されている。遮熱シールド5や積層断熱材6は、超電導コイル用冷凍機4によって伝導冷却されるようになっている。
真空容器7は、超電導コイル1、高熱伝導部材2、永久電流スイッチ3及び端子板3aを収容している。詳細には、超電導コイル1等を覆っている積層断熱材6が、真空容器7の内面から離隔した内側に収容されている。真空容器7の内部は、高真空状態とされ、超電導コイル1や高熱伝導部材2や永久電流スイッチ3等は、熱的に接続された箇所が少ない状態で、真空内に断熱的に保持されるようになっている。
超電導コイル用リード9は、一端が、永久電流スイッチ3に引き出されている超電導コイル1に接続されている一方、他端が、真空容器7の外側に引き出されている。なお、超電導コイル用リード9としては、入力側と出力側の一対の電線が備えられているが、以下では、これらを一括して超電導コイル用リード9として説明する。超電導コイル用リード9は、電源と電気的に接続されることによって、超電導コイル1に対する励磁電流を通電可能としている電線である。超電導コイル1と永久電流スイッチ3とは、電源に対して回路上で並列の関係で繋がれる。
永久電流スイッチ用リード10は、一端が、永久電流スイッチ3に付随する端子板3aに接続されている。端子板3aからは、不図示の抵抗線が永久電流スイッチ3に渡されており、永久電流スイッチ3が備える超電導線と共巻きされている。また、永久電流スイッチ用リード10は、他端が、真空容器7の外側に引き出されている。なお、永久電流スイッチ用リード10としては、入力側と出力側の一対の電線が備えられているが、以下では、これらを一括して永久電流スイッチ用リード10として説明する。永久電流スイッチ用リード10は、電源と電気的に接続されることによって、永久電流スイッチ3に対する作動電流、すなわち抵抗線への電流を通電可能としている電線である。
超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10は、高熱伝導性を有する、銅、銅合金等の常伝導体で形成してもよいし、超電導体又は高温超電導体で形成してもよい。超電導コイル1の巻線が高温超電導体であれば、超電導コイル1の動作温度は、15K以上の温度にすることができる。例えば、転移温度が90K以上のYBCOであれば、超電導コイル1の動作温度は、70K以上の温度にすることができる。通常、冷凍機による冷凍能力は被冷却体の温度に比例する。よって、冷凍機による冷凍能力を高くして通電を安定的に行う観点からは、超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10、特に超電導コイル用リード9を高温超電導体で形成することが好ましい。
超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10の材質が銅である場合、温度約4Kにおいて、設計上の許容電流における電流密度は、16A/mm、熱伝導率は、250W/(m・K)となる。これに対して、超電導体のニオブチタン(NbTi)である場合、温度約4Kにおいて、設計上の許容電流における電流密度は、200A/mm、熱伝導率は、0.12W/(m・K)となる。つまり、超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10を常伝導体から超電導体に換装することによって良好な導通が実現されるようになる。そのため、電流密度を確保しつつリードを細径化することも可能となり、超電導体による低い熱伝導率と細径化とによって、リードを介した熱侵入を大幅に低減することができる。その結果、冷凍機への熱負荷も低減されるため、冷凍機の運転動力を削減したり、より冷凍能力が低い冷凍機に換装したりすることが可能となる。
図1に示すように、超電導磁石装置100が備える真空容器7の外面には、超電導コイル1の励磁を行うための超電導磁石励磁用具200が取り付けられる。超電導磁石装置100は、超電導磁石励磁用具200の取り付け位置に、固定コネクタ板14と、固定ベローズ16と、可動コネクタ板18とを有している。
図2は、本発明の第1実施形態に係る超電導磁石励磁用具を拡大して示す断面図である。
図2に示すように、固定コネクタ板14は、真空容器7の壁部に設けられた貫通孔7cを気密に閉塞しており、スクリュ14bによって内部側から真空容器7の壁部に固定されている。そして、超電導コイル用リード9の他端、及び、永久電流スイッチ用リード10の他端のそれぞれは、固定コネクタ板14を貫通して真空容器7の外側に引き出され、固定コネクタ板14の外側に端子接続可能に集約されている。
固定ベローズ16は、真空容器7の外側に引き出されている超電導コイル用リード9の他端、及び、永久電流スイッチ用リード10の他端のそれぞれを囲んだ状態で、真空容器7の外面に立設されている。固定ベローズ16は、伸縮自在な筒状の形状を有すると共に、筒状部に気密性を有しており、例えば、ステンレス鋼等を材質として形成されている。
可動コネクタ板18は、筒状の固定ベローズ16の先端側の開口を気密に覆っている。可動コネクタ板18は、固定ベローズ16の先端側に固定されており、固定ベローズ16の伸縮に伴って、固定コネクタ板14と垂直な方向に可動するようになっている。可動コネクタ板18には、超電導コイル用リードアダプタ19と永久電流スイッチ用リードアダプタ20とが固定されている。なお、超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20としては、入力側と出力側の一対のアダプタが備えられているが、以下では、それぞれを一括して説明する。
超電導コイル用リードアダプタ19は、真空容器7の外面に対向する内側、すなわち固定コネクタ板14を臨む内側に、超電導コイル用リード9の他端と接続可能な内側端子19aを有している。また、その反対の外側に、励磁用リード29と接続可能な外側端子19bを有している。同様に、永久電流スイッチ用リードアダプタ20は、真空容器7の外面に対向する内側に、永久電流スイッチ用リード10の他端と接続可能な内側端子20aを有している。また、その反対側に、通電用リード30と接続可能な外側端子20bを有している。超電導コイル用リードアダプタ19や永久電流スイッチ用リードアダプタ20は、高熱伝導性を有する、銅、銅合金等の常伝導体で形成してもよいし、超電導体又は高温超電導体で形成してもよい。
可動コネクタ板18は、固定ベローズ16の伸縮を伴って固定コネクタ板14に対して垂直方向に進退し、内側端子(19a,20a)や外側端子(19b,20b)のリードとの接続、すなわち、各端子が接続した接続状態と各端子の接続が切れた非接続状態とを切り替えることができる。超電導コイル用リードアダプタ19や永久電流スイッチ用リードアダプタ20は、内側端子(19a,20a)と外側端子(19b,20b)との間が電気的に接続されているため、各端子が接続状態となると、励磁用リード29と超電導コイル用リード9との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ用リード10との間のそれぞれが入出力双方向に導通するようになっている。可動コネクタ板14は、絶縁性の材料によって形成される。或いは、適宜の材料によって形成され、各リードが接する接触面が絶縁テープ、絶縁ワッシャ等によって絶縁される。
図2に示すように、超電導磁石励磁用具200は、カバー体25と、励磁用リード29と、通電用リード30と、リード用冷凍機34とを備えている。超電導磁石励磁用具200は、カバー体25を介して、可動コネクタ板18が備えられる真空容器7の外面に装着されている。
カバー体25は、開口を有する箱状の覆いとされている。カバー体25の開口端は、側方に鍔状に延出してフランジ部(固定部)25aを形成している。フランジ部25aには、螺子孔25bが設けられており、螺子孔25bが真空容器7の外面に設けられている螺子穴7bと面一になるようにカバー体25が配置されている。そして、カバー体25のフランジ部25aは、螺子孔25bと螺子穴7aに螺合するスクリュ26によって真空容器7に着脱自在に固定されている。カバー体25は、励磁用リード29、通電用リード30及びリード用冷凍機34を、真空容器7の外面上に支持している。
カバー体25のフランジ部25aの開口端側の面には、不図示のOリングが介装される。カバー体25は、超電導磁石装置100の外面、すなわち真空容器7の外面にOリングを介して密接し、励磁用リード29の先端側、通電用リード30の先端側、可動コネクタ板18、超電導コイル用リードアダプタ19、永久電流スイッチ用リードアダプタ20等を気密状態に保持することができる。
カバー体25は、壁部に真空排気を行うための排気孔25cを有している。排気孔25cには、真空ポンプのホース(H)を接続可能な不図示のメインバルブ(V1)と、ブレイクバルブ(V2)とが接続されるようになっている(図3参照)。カバー体25の内部は、超電導コイル1の励磁を行う際には、真空ポンプによって真空引きが施される。排気孔25c又はメインバルブ(V1)には、カバー体25の内部の真空度を把握するために、不図示の真空計や連成計を設置してもよい。設置する真空計としては、ピラニ真空計又はイオン真空計が好ましい。
カバー体25は、頂部に貫通孔25dを有している。カバー体25の頂部の外面には、貫通孔25dを囲んだ状態で、基端側ベローズ36が立設されている。基端側ベローズ36は、伸縮自在な筒状の形状を有すると共に、筒状部に気密性を有しており、例えば、ステンレス鋼等を材質として形成されている。基端側ベローズ36の外側の開口は、基端側フランジ板(可動固定部)38によって気密に覆われている。
カバー体25の頂部の外面には、基端側ベローズ36の周囲に複数の螺子軸40が垂設されている。螺子軸40の先端側は、基端側フランジ板38に設けられている貫通孔に緩挿されており、螺子軸40に螺合するナット41によって締結固定されている。基端側フランジ板38は、螺子軸40に沿って可動自在に設けられており、ナット41による固定位置の調節によって、基端側ベローズ36の伸縮を伴って、カバー体25の頂部からの高さが変えられるようになっている。
基端側フランジ板38には、入出力一対の励磁用リード29のそれぞれと、入出力一対の通電用リード30のそれぞれとが固定されている。励磁用リード29及び通電用リード30は、基端側フランジ板38を貫通しており、電源と接続されるそれぞれの基端側において基端側フランジ板38に固定されている。また、励磁用リード29及び通電用リード30は、中間フランジ板42と先端側フランジ板43とを貫通しており、それぞれの先端側に先端側フランジ板43、基端側フランジ板38と先端側フランジ板43との間の中間位置に中間フランジ板42を固定している。
カバー体25の頂部の内面からは、複数の支持軸44が垂下している。支持軸44の基端側は、貫通孔25dの近傍の頂部の内面に固定されている。一方、支持軸44の先端側は、鍔状のフランジ部材45が有する螺子溝に螺合している。フランジ部材45は、先端側フランジ板43に立設されている先端側ベローズ46の開口端に固定されている。支持軸44の材質は、好ましくはガラス繊維強化プラスチック(ガラスFRP(Fiber Reinforced Plastics))又は炭素繊維強化プラスチック(カーボンFRP)である。機械的強度に優れる金属材料等と比較して、低い熱伝導率を兼ね備えているためである。
先端側フランジ板43は、中央が支持軸44によって略固定されるようになっている。そのため、基端側フランジ板38に固定されている励磁用リード29や通電用リード30は、それぞれの先端部が、可動コネクタ板18に設置されている超電導コイル用リードアダプタ19や永久電流スイッチ用リードアダプタ20の外側端子(19b,20b)に対向する所定位置に正確に位置決めされるようになっている。
基端側フランジ板38は、絶縁性の材料によって形成される。或いは、適宜の材料によって形成され、励磁用リード29や通電用リード30が貫通して接する接触面が絶縁テープ、絶縁ワッシャ等によって絶縁される。一方、中間フランジ板42及び先端側フランジ板43は、絶縁性と共に高熱伝導性を有する材料によって形成される。或いは、導電性と共に高熱伝導性を有する材料によって形成され、励磁用リード29や通電用リード30が貫通して接する接触面が絶縁テープ、絶縁ワッシャ等によって絶縁される。絶縁性と共に高熱伝導性を有する材料としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化珪素等が挙げられる。
励磁用リード29は、導電性を有するブスバ等の棒体とされている。入出力一対の励磁用リード29は、図2に示す形態においては、低温側リード29aと、高温側リード29bとが長手方向に接合されてそれぞれ形成されている。高温側リード29bの材質は、優れた導電性を有する点で、銅又は銅合金とすることが好ましい。一方、低温側リード29aの材質は、銅、銅合金等の常伝導体であってもよいが、好ましくは超電導体、より好ましくは高温超電導体とする。低温側リード29aの先端部は、接触抵抗を低減させる観点から、金蒸着又は金めっきを施すことが好ましい。
例えば、低温側リード29aの基端側の温度が約70K以上となる運転の場合、転移温度が90K程度以上の高温超電導体で低温側リード29aを形成しておけば、電気抵抗は略無くなる。つまり、500A程度の励磁電流を通電したとしても、発熱を実質的に生じなくさせることができる。励磁用リード29を伝う侵入熱は、通常、約0.2W程度見込まれるが、微弱であるので問題となることは無い。
入出力一対の励磁用リード29は、基端側フランジ板38からカバー体25の外側に突出している基端側において不図示の励磁電流電源の入出力端子のそれぞれに電気的に接続される。励磁電流電源は、超電導コイル1に対する所要の電流値の励磁電流を給電するための電源である。一方、入出力一対の通電用リード30は、基端側フランジ板38からカバー体25の外側に突出している基端側において不図示の作動電流電源の入出力端子のそれぞれに電気的に接続される。作動電流電源は、永久電流スイッチ3に対する作動電流を給電する、すなわちヒータとしての抵抗線への通電を行うための電源である。
リード用冷凍機34は、第1ステージ34aと第2ステージ34bとを備える2段ステージ型とされている。リード用冷凍機34としては、例えば、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管型冷凍機等が利用可能である。リード用冷凍機34の冷却性能は、例えば、第2ステージ34bの到達最低温度が温度5Kに達するものである。
リード用冷凍機34は、入出力一対の励磁用リード29及び入出力一対の通電用リード30と熱的に接続されている。詳細には、リード用冷凍機34の第2ステージ34bは、板状の第1熱伝導部材51に接している。そして、第1熱伝導部材51に連結された柔軟性と高熱伝導性とを有する第2熱伝導部材52と、第2熱伝導部材52に連結された先端側フランジ板43に立設されている第3熱伝導部材53とを介して先端側フランジ板43と熱的に接続されている。一方、リード用冷凍機34の第1ステージ34aは、環状の第4熱伝導部材54に接している。そして、第4熱伝導部材54に連結された柔軟性と高熱伝導性とを有する第5熱伝導部材55を介して中間フランジ板42と熱的に接続されている。
第1熱伝導部材51、第3熱伝導部材53及び第4熱伝導部材54は、例えば、高熱伝導性を有する、銅、銅合金等の高熱伝導体が板状、筒状、円環状等の所定形状に形成されている。一方、第2熱伝導部材52及び第5熱伝導部材55は、高熱伝導性を有する、銅、銅合金等の高熱伝導体の細線が網状等に成形されて柔軟性を持った状態に形成されている。すなわち、リード用冷凍機34は、柔軟性を有する第2熱伝導部材52や第5熱伝導部材55を介して励磁用リード23に接続されている。そのため、励磁用リード23及び通電用リード28は、リード用冷凍機34によって伝導冷却されている状態で、先端側フランジ板22、中間フランジ板19及び基端側フランジ板24と一体となって固定コネクタ板14からの高さを変えることができる。
ここで、超電導磁石励磁用具200を使用して行う超電導コイル1の励磁方法について説明する。
図3、図4及び図5は、超電導磁石励磁用具の使用方法を説明する図である。図3は、超電導磁石装置に超電導磁石励磁用具を装着した状態、図4は、各リードを結線した状態、図5は、超電導磁石装置から超電導磁石励磁用具を取り外した状態を示している。図3、図4及び図5は、超電導磁石励磁用具の使用方法における操作及び作動を順に示したものである。なお、図4においては、電源や真空ポンプの図示を省略している。
超電導磁石装置100に備えられる超電導コイル1を励磁するにあたっては、図3に示すように、可動コネクタ板18が備えられる真空容器7の外面に、超電導磁石励磁用具200を装着しておく。すなわち、超電導磁石励磁用具200のカバー体25と真空容器7とを、カバー体25の内部が気密状態となるように所定の取り付け位置に密着させて固定する。このとき、基端側フランジ板38は、カバー体25の外側に高さを持って突出した状態、つまり、励磁用リード29の先端部及び通電用リード30の先端部が、カバー体25の頂部寄りに収納されている状態にしておく。また、超電導磁石装置100が備える超電導コイル1、永久電流スイッチ3等については、転移温度以下に十分に冷却しておく。
続いて、カバー体25が有する排気弁25cに設置されているメインバルブV1に、真空ポンプのホースHを接続し、真空ポンプによって、カバー体25の内部に真空引きを施す。このとき、カバー体25の内部の真空度は、10Pa以下とすることが好ましい。カバー体25の内部を高真空状態とすることによって、雰囲気中の水分等による短絡を防止することができる。
続いて、リード用冷凍機34を作動させる。リード用冷凍機34の第1ステージ34aと第2ステージ34bとを、好ましくは励磁用リード29、超電導コイル用リード9等の転移温度以下となる十分な低温に冷やし、カバー体25の内部の励磁用リード29や通電用リード30を冷却しておく。
続いて、図4に示すように、励磁用リード29及び通電用リード30を固定している基端側フランジ板38を押し込み、基端側フランジ板38をカバー体25の側に移動させる。基端側フランジ板38が押し込まれることによって、はじめに、励磁用リード29の先端部及び通電用リード30の先端部のそれぞれが、可動コネクタ板18に固定されている超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの外側端子(19b,20b)に接続される。
図4に示すように、さらに、基端側フランジ板38を深く押し込むと、可動コネクタ板18は、固定ベローズ16の圧縮を伴って、固定コネクタ板14の側に近づく。そして、可動コネクタ板18の反対側に固定されている超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの内側端子(19a,20a)は、固定コネクタ板14に引き出されている超電導コイル用リード9の他端、及び、永久電流スイッチ用リード10の他端のそれぞれに接続される。基端側フランジ板38については、このような接続が行われた状態でナット41によって螺子軸40に締結して高さを固定する。
また、入出力一対の励磁用リード29の基端側に励磁電流電源の入出力端子のそれぞれを電気的に接続すると共に、入出力一対の通電用リード30の基端側に作動電流電源の入出力端子のそれぞれを電気的に接続する。これによって、励磁電流電源から、入力側励磁用リード29、入力側超電導コイル用リードアダプタ19、入力側超電導コイル用リード9、超電導コイル1、出力側超電導コイル用リード9、出力側超電導コイル用リードアダプタ19、出力側励磁用リード29を順に経て、励磁電流電源に戻る回路が結線される。また、同様にして、作動電流電源から、永久電流スイッチ3に付随する端子板3aを経て、作動電流電源に戻る回路が結線される。
超電導コイル1への励磁電流の通電は、永久電流スイッチ3がOFFの状態で開始する。永久電流スイッチ3は、作動電流電源からの給電により、永久電流スイッチ3に付随する端子板3aに作動電流を通電することで作動する。例えば、熱式の永久電流スイッチ3に備えられる超電導線を、抵抗線への通電により転移温度以上に抵抗加熱すると、電気抵抗が生じて永久電流スイッチ3がOFFの状態となる。永久電流スイッチ3がOFFの状態となったら超電導コイル1に、励磁電流電源から必要な電流値の励磁電流を給電する。
励磁電流の給電を終えた後は、永久電流スイッチ3をONの状態に切り替える。永久電流スイッチ3の切り替えは、作動電流電源からの給電を操作することによって作動させる。例えば、作動電流電源からの給電を停止することにより、熱式の永久電流スイッチ3に備えられる超電導線の抵抗加熱を中止すると、超電導コイル用冷凍機4による伝導冷却によって永久電流スイッチ3がONの状態となる。
続いて、超電導コイル1への励磁電流を徐々に低下させて給電を停止する。その結果、超電導コイル1を流れる励磁電流は、ONの状態の永久電流スイッチ3を通って循環的に流れ続け、永久電流モードの運転となる。この状態では、励磁電流電源、作動電流電源、超電導磁石励磁用具200を超電導磁石装置100から撤去することが可能である。
超電導磁石励磁用具200を撤去するにあたっては、はじめに、励磁用リード29及び通電用リード30を固定している基端側フランジ板38を、カバー体25の外側に引き出す。基端側フランジ板38が引き出されることによって、可動コネクタ板18は、固定ベローズ16の伸長を伴って、固定コネクタ板14から離隔する。そして、可動コネクタ板18に固定されている超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの内側端子(19a,20a)は、固定コネクタ板14に引き出されている超電導コイル用リード9の他端、及び、永久電流スイッチ用リード10の他端のそれぞれから引き抜かれ、非接続状態となる。
さらに、基端側フランジ板38を引き出すと、励磁用リード29の先端部及び通電用リード30の先端部のそれぞれは、可動コネクタ板18に固定されている超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの外側端子(19b,20b)から脱し、非接続状態となる。すなわち、励磁用リード29と超電導コイル1との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ3との間のそれぞれは、熱的に接続された状態ではなくなる。その結果、励磁用リード29や通電用リード30を介した外部から超電導コイル1や永久電流スイッチ3への伝熱が遮断される。リード用冷凍機34については、基端側フランジ板38を引き出し、超電導コイル1等への伝熱を遮断した後は稼働を停止してよい。また、引き出した基端側フランジ板38は、ナット41によって螺子軸40に締結固定すればよい。
なお、超電導コイル用リードアダプタ19や永久電流スイッチ用リードアダプタ20の各端子が接続状態にあるか否かは、励磁用リード29や通電用リード30の入出力間の電気抵抗に基いて確認することが可能である。つまり、電気抵抗が無限大になっていれば、非接続状態であると確認できる。また、リード用冷凍機34の第1ステージ34aや第2ステージ34bの温度変化に基いて確認することも可能である。つまり、稼働中のリード用冷凍機34における第1ステージ34aや第2ステージ34bの温度降下速度が速まっていれば、非接続状態に切り替わったと確認できる。また、カバー体25に可動コネクタ板18の高さを目視可能な窓部を設けて確認を行ってもよい。
基端側フランジ板38を引き出し、超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの各端子を非接続状態とした後、ブレイクバルブV2(図3参照)を開放し、カバー体25の内部の真空状態を破る。そして、カバー体25に螺合しているスクリュ26を取り外すことにより、超電導磁石励磁用具200を撤去する。
図5に示すように、超電導磁石励磁用具200が撤去された超電導磁石装置100においては、超電導コイル用リードアダプタ19及び永久電流スイッチ用リードアダプタ20のそれぞれの各端子が外界に露出した状態となる。そこで、各端子を損傷や腐食等から保護し、異物の付着等による接触抵抗の増大を防止するために、必要に応じて、保護カバー58を装着する。保護カバー58は、超電導磁石励磁用具200と同様の取り付け位置に、スクリュ26で締結固定すればよい。
以上の超電導磁石励磁用具200が取り付けられる超電導磁石装置100によれば、永久電流モード時等において、励磁用リード29と超電導コイル1との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ3との間を熱的に接続されていない状態にすることができる。そのため、励磁用リード29や通電用リード30を介した、外部の常温空間から超電導コイル1や永久電流スイッチ3への伝熱を良好に抑制することができる。その結果、超電導コイル用冷凍機4に掛かる熱負荷が抑えられ、超電導コイル1を転移温度以下の所定温度に冷却するのに伴う冷却負荷を低減することができる。
また、超電導磁石励磁用具200は、励磁用リード29や通電用リード30を冷却可能なリード用冷凍機34を備えている。そのため、励磁用リード29と超電導コイル1との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ3との間を結線したとき、これらの間の温度勾配を小さく抑えることができる。また、励磁用リード29や通電用リード30、及び、超電導コイル用リードアダプタ19や永久電流スイッチ用リードアダプタ20を介した伝導冷却によって、超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10、或いは、超電導コイル1や永久電流スイッチ3を伝導冷却することが可能である。
また、超電導磁石励磁用具200は、着脱自在である。そのため、単一機を複数の超電導磁石装置100の励磁に用いることが可能であり、低コストで複数の超電導磁石装置100を運用することができる。また、着脱自在な超電導磁石励磁用具200にリード用冷凍機34が備えられているため、超電導磁石装置100には、超電導コイル用冷凍機4が備えられていれば足りる。よって、製造コストも削減される点で有利である。
また、超電導磁石装置100は、超電導磁石励磁用具200を取り付けたままの状態で運用、搬送、取引などすることも可能である。すなわち、励磁用リード29と、通電用リード30と、リード用冷凍機34と、カバー体25とを付随して備える超電導磁石装置100であれば、基端側フランジ板38の引き出し及び押し込みによって、励磁用リード29や通電用リード30を介した侵入熱を遮断する作用が得られる。
超電導磁石装置100は、MRI装置等に好適に用いることができる。超電導磁石装置100は、励磁用リード29や通電用リード30を介する熱侵入が低減された状態で永久電流モードの運転が可能である。そのため、クエンチが防止されており、且つ、撮像に電源ノイズが入らない優れたMRI装置を実現することができる点で有用である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る超電導磁石励磁用具の一例を示す断面図である。
図6に示すように、第2実施形態に係る超電導磁石装置100Aは、前記の超電導磁石装置100と異なり、真空容器7の外面の取り付け位置に、嵌合凹部18aと、案内部18bとが設けられた可動コネクタ板18Aを有する形態となっている。第2実施形態に係る超電導磁石装置100Aが備える真空容器7の外面には、超電導コイル1の励磁を行うための超電導磁石励磁用具200Aが取り付けられている。
第2実施形態に係る超電導磁石励磁用具200Aは、励磁用リード29や通電用リード30に対してリード用冷凍機34Aが間接的に固定されており、リード用冷凍機34Aが励磁用リード29や通電用リード30と一体となって進退可能に設けられたものである。そして、リード用冷凍機34Aは、可動コネクタ板18Aに対して熱的に接続自在に設けられた伝熱連結部材(伝熱部)60を有する先端側フランジ板43Aと固定された形態となっている。図6に示す形態の超電導磁石励磁用具200Aは、1段ステージ型のリード用冷凍機34Aを備えている。
図6に示すように、真空容器7の外面の超電導磁石励磁用具200Aの取り付け位置には、超電導コイル用リードアダプタ19と永久電流スイッチ用リードアダプタ20とが固定された可動コネクタ板18Aが備えられている。なお、以下の図においては、永久電流スイッチ用リードアダプタ20、通電用リード30、永久電流スイッチ用リード10についての図示を省略している。これらは、超電導コイル用リードアダプタ19、励磁用リード29、超電導コイル用リード9のそれぞれと同様に、別途、設置及び接続がなされる。
可動コネクタ板18Aは、外側の面の中央に円柱状に減肉された嵌合凹部18aを有している。また、嵌合凹部18aの開口端の周縁に、案内部18bを有している。案内部18bは、可動コネクタ板18Aの外側の面から高さを持って環状に設けられており、嵌合凹部18aの周囲を囲んでいる。案内部18bの内周面は、可動コネクタ板18Aの外側から嵌合凹部18aに向けてテーパ状に縮径し、嵌合凹部18aの内周面に連なっている。嵌合凹部18aには、案内部18bの環内周面に沿って伝熱連結部材60の先端部が案内されるようになっている。
図6に示すように、超電導磁石励磁用具200Aは、カバー体25Aと、励磁用リード29と、不図示の通電用リード30と、1段ステージ型のリード用冷凍機34Aとを備えている。カバー体25Aは、前記のカバー体25と同様のフランジ部25a及び排気孔25cを有しており、頂部には貫通孔25dを有している。カバー体25Aの頂部の外面には、基端側ベローズ36Aの周囲に複数の螺子軸40が垂設されており、螺子軸40の先端側は、基端側フランジ板38Aに設けられている貫通孔に緩挿されて締結固定されている。基端側フランジ板38Aには、入出力一対の励磁用リード29のそれぞれと、入出力一対の通電用リード30のそれぞれとが固定されている。
リード用冷凍機34Aは、可動コネクタ板18Aを臨む内側に第1ステージ34aを備えている。リード用冷凍機34Aとしては、例えば、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管型冷凍機等が利用可能である。
リード用冷凍機34Aは、励磁用リード29及び不図示の通電用リード30を固定している基端側フランジ板38Aを貫通して基端側フランジ板38Aに固定されている。基端側フランジ板38Aは、ナット41による固定位置の調節によって、基端側ベローズ36の伸縮を伴って、カバー体25Aの頂部からの高さが可変するようになっている。すなわち、リード用冷凍機34Aは、励磁用リード29や通電用リード30と一体となってカバー体25Aの開口に向けて進退可能に設けられている。
リード用冷凍機34Aの第1ステージ34aには、剛性と高熱伝導性とを有する先端側フランジ板(熱伝導部材)43Aが固定されている。励磁用リード29及び通電用リード30のそれぞれは、先端側フランジ板43Aを貫通しており、それぞれの先端側において先端側フランジ板43Aに固定されている。つまり、剛性と高熱伝導性とを有する先端側フランジ板43Aが、リード用冷凍機34Aと、励磁用リード29や通電用リード30との間を熱的に接続している。
先端側フランジ板43Aは、可動コネクタ板18Aに向けて垂下した伝熱連結部材60を可動コネクタ板18Aに臨む側の面に有している。伝熱連結部材60は、基端が、先端側フランジ板43Aの可動コネクタ板18Aを臨む側の面に固定されており、先端に、可動コネクタ板18Aの嵌合凹部18aに嵌合する嵌合部60aを有している。伝熱連結部材60は、先端側フランジ板43Aに固定されている励磁用リード29や通電用リード30と一体となってカバー体25Aの開口に向けて進退自在に設けられている。そして、伝熱連結部材60の嵌合部60aが、嵌合凹部18aに嵌合することで、リード用冷凍機34Aの第1ステージ34aと可動コネクタ板18Aとが熱的に接続自在とされている。
先端側フランジ板43Aや伝熱連結部材60は、剛性と高熱伝導性とを有する熱伝導部材であって、好ましくは、窒化アルミニウム又は炭化珪素によって形成される。窒化アルミニウムや炭化珪素としては、温度100Kにおいて、熱伝導率が300W/(m・K)以上500W/(m・K)以下、温度50Kにおいて、熱伝導率が200W/(m・K)以上300W/(m・K)以下に達するものが好ましい。或いは、先端側フランジ板43Aや伝熱連結部材60は、導電性を有する、銅、銅合金等の高熱伝導体によって形成し、以下の図において網掛けで示すように、他の部材と接する接触面を絶縁テープ、絶縁ワッシャ等によって絶縁してもよい。
以上の超電導磁石励磁用具200Aが取り付けられる超電導磁石装置100Aによれば、前記の超電導磁石装置100や超電導磁石励磁用具200と同様に、永久電流モード時等において、励磁用リード29と超電導コイル1との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ3との間を熱的に接続されていない状態にすることができる。そのため、外部の常温空間から超電導コイル1や永久電流スイッチ3への、励磁用リード29や通電用リード30を介した伝熱を良好に抑制することができる。その結果、超電導コイル用冷凍機4に掛かる熱負荷が抑えられ、超電導コイル1を転移温度以下の所定温度に冷却するのに伴う冷却負荷を低減することができる。
特に、リード用冷凍機34Aが、カバー体25Aの開口に向けて進退可能に設けられ、剛性と高熱伝導性とを有する熱伝導部材(先端側フランジ板43A)を介して励磁用リード29や通電用リード30と熱的に接続されている。そのため、前記の超電導磁石励磁用具200のように柔軟性を有する熱伝導部材(第2熱伝導部材、第5熱伝導部材)を介した場合と比較して伝熱抵抗が低く抑えられ、励磁用リード29、通電用リード30等の冷却に伴う冷却負荷がより低減される。
また、リード用冷凍機34Aが、励磁用リード29や通電用リード30と一体的にカバー体25Aに支持されている。そのため、前記の超電導磁石励磁用具200と比較して、カバー体25Aの内部の構造が単純化される。つまり、伝熱抵抗を及ぼす接合箇所の総面積や構成部品の点数が削減されて、冷却効率に優れると共に小型化に適した形態となる点で有利である。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る超電導磁石励磁用具の一例を示す断面図である。
図7に示すように、第3実施形態に係る超電導磁石装置100Bは、前記の超電導磁石装置100Aと同様に、真空容器7の外面の取り付け位置に、嵌合凹部18aと、案内部18bとが設けられた可動コネクタ板18Aを有する形態となっている。第3実施形態に係る超電導磁石装置100Bが備える真空容器7の外面には、超電導コイル1の励磁を行うための超電導磁石励磁用具200Bが取り付けられている。
第3実施形態に係る超電導磁石励磁用具200Bは、前記の超電導磁石励磁用具200Aと同様に、励磁用リード29や不図示の通電用リード30に対してリード用冷凍機34Bが間接的に固定されており、リード用冷凍機34Bが励磁用リード29や通電用リード30と一体となって進退可能に設けられたものである。超電導磁石励磁用具200Bが、前記の超電導磁石励磁用具200Aと異なる点は、リード用冷凍機として、2段ステージ型のリード用冷凍機34Bを備えている点である。
図7に示すように、超電導磁石励磁用具200Bは、カバー体25Aと、励磁用リード29と、通電用リード30と、2段ステージ型のリード用冷凍機34Bとを備えている。カバー体25Aは、前記のカバー体25と同様のフランジ部25a及び排気孔25cを有しており、頂部には貫通孔25dを有している。カバー体25Aの頂部の外面には、基端側ベローズ36Aの周囲に複数の螺子軸40が垂設されており、螺子軸40の先端側は、基端側フランジ板38Aに設けられている貫通孔に緩挿されて締結固定されている。基端側フランジ板38Aには、入出力一対の励磁用リード29のそれぞれと、入出力一対の通電用リード30のそれぞれとが固定されている。
リード用冷凍機34Bは、可動コネクタ板18Aを臨む内側に第1ステージ34aと、第2ステージ34bとを備えている。リード用冷凍機34Bとしては、前記のリード用冷凍機34と同様に、例えば、ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管型冷凍機等が利用可能である。
リード用冷凍機34Bは、励磁用リード29及び通電用リード30を固定している基端側フランジ板38Aを貫通して基端側フランジ板38Aに固定されている。基端側フランジ板38Aは、ナット41による固定位置の調節によって、基端側ベローズ36の伸縮を伴って、カバー体25Aの頂部からの高さが可変するようになっている。すなわち、リード用冷凍機34Bは、前記のリード用冷凍機34Aと同様に、励磁用リード29や通電用リード30と一体となってカバー体25Aの開口に向けて進退可能に設けられている。
リード用冷凍機34Bの第1ステージ34aには、剛性と高熱伝導性とを有する先端側フランジ板(熱伝導部材)43Aが固定されている。励磁用リード29及び通電用リード30のそれぞれは、先端側フランジ板43Aを貫通しており、それぞれの先端側において先端側フランジ板43Aに固定されている。つまり、剛性と高熱伝導性とを有する先端側フランジ板43Aが、リード用冷凍機34Aと、励磁用リード29や通電用リード30との間を熱的に接続している。
リード用冷凍機34Bの第2ステージ34bは、先端側フランジ板43Aをさらに貫通して可動コネクタ板18Aを臨む内側に突出している。そして、リード用冷凍機34Bの第2ステージ34bは、可動コネクタ板18Aに向けて垂下した伝熱連結部材60Bと熱的に接続されている。伝熱連結部材60Bは、基端が、リード用冷凍機34Bの第2ステージ34bと固定されており、先端に、可動コネクタ板18Aの嵌合凹部18aに嵌合する嵌合部60aを有している。伝熱連結部材60Bは、先端側フランジ板43Aに固定されている励磁用リード29や通電用リード30と一体となってカバー体25Aの開口に向けて進退自在に設けられている。そして、伝熱連結部材60Bの嵌合部60aが、嵌合凹部18aに嵌合することで、リード用冷凍機34Bの第2ステージ34bと可動コネクタ板18Aとが熱的に接続自在とされている。なお、伝熱連結部材60Bの材質は、前記の伝熱連結部材60についてと同様に選択することができる。
以上の超電導磁石励磁用具200Bが取り付けられる超電導磁石装置100Bによれば、前記の超電導磁石装置100や超電導磁石励磁用具200と同様に、永久電流モード時等において、励磁用リード29と超電導コイル1との間、及び、通電用リード30と永久電流スイッチ3との間を熱的に接続されていない状態にすることができる。そのため、外部の常温空間から超電導コイル1や永久電流スイッチ3への、励磁用リード29や通電用リード30を介した伝熱を良好に抑制することができる。その結果、超電導コイル用冷凍機4に掛かる熱負荷が抑えられ、超電導コイル1を転移温度以下の所定温度に冷却するのに伴う冷却負荷を低減することができる。
特に、リード用冷凍機34Bが、カバー体25Aの開口に向けて進退可能に設けられているため、剛性と高熱伝導性とを有する熱伝導部材(先端側フランジ板43A)を介することによって伝熱抵抗が低く抑えられる。また、カバー体25Aの内部の構造が単純化される点で有利である。さらに、リード用冷凍機34Bが、2段ステージ型とされているため、第1ステージと比較して到達温度が低い第2ステージによって、効果的に励磁用リード29や通電用リード30を伝導冷却することができる。伝熱連結部材60Bは、1段ステージ型に備えられる伝熱連結部材60と比較して短尺化され、熱伝導が良好となるので、可動コネクタ板18Aを介した効果的な吸熱が可能となる点で有利である。
なお、以上の超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具の構成は、本発明の作用効果を妨げない限り種々の構成に置換、変更等することが可能である。
例えば、前記の超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具においては、永久電流スイッチ用リード10が固定コネクタ板14に引き出され、永久電流スイッチ用リードアダプタ20が可動コネクタ板18に固定され、通電用リード30が超電導磁石励磁用具に備えられている。しかしながら、永久電流スイッチ3と作動電流電源とを電気的に接続するこれらの構成については、超電導磁石励磁用具に設けないものとすることもできる。すなわち、永久電流スイッチ3への作動電流は、励磁電流を通電するリードと比較して低電流であるため、他の電気的経路を介して通電してもよい。
また、前記の超電導磁石装置は、冷凍機を使用した伝導冷却型の超電導磁石装置とされている。しかしながら、本発明は、冷媒による浸漬冷却型の超電導磁石装置に適用してもよい。例えば、遮熱シールド5の内部に、液体ヘリウム等の冷媒を収容した冷媒格納容器を配置し、超電導コイル1や永久電流スイッチ3をその冷媒に浸漬させて冷却する形態を採ることができる。このとき、超電導コイル用リード9や永久電流スイッチ用リード10に相当するリードについては、冷媒格納容器を貫通させて外側に引き出した状態とする。超電導コイル用冷凍機4については、設置を省略してもよいし、冷媒の再凝縮を行うために利用してもよい。
浸漬冷却型の超電導磁石装置においても、超電導コイル用リード9と、永久電流スイッチ用リード10と、固定コネクタ板(固定コネクタ部)14と、固定ベローズ(ベローズ)16と、可動コネクタ板(可動コネクタ部)18と、超電導コイル用リードアダプタ19と、永久電流スイッチ用リードアダプタ20とが備えられることによって、前記の超電導磁石励磁用具を着脱自在に取り付けることができる。そのため、前記の超電導磁石装置及び超電導磁石励磁用具と同様の作用効果を得ることが可能である。このような浸漬冷却型の超電導磁石装置は、超電導コイル1にニオブチタン(NbTi)等の超電導体(低温超伝導体)を用いる場合に好適である。
100 超電導磁石装置
200 超電導磁石励磁用具
1 超電導コイル
2 高熱伝導部材
3 永久電流スイッチ
3a 端子板
4 超電導コイル用冷凍機
4a 第1ステージ
4b 第2ステージ
5 遮熱シールド
6 積層断熱材
7 真空容器
7b 螺子穴
7c 貫通孔
9 超電導コイル用リード
10 永久電流スイッチ用リード
14 固定コネクタ板(固定コネクタ部)
14b スクリュ
16 固定ベローズ(ベローズ)
18 可動コネクタ板(可動コネクタ部)
18a 嵌合凹部
18b 案内部
19 超電導コイル用リードアダプタ
19a 内側端子
19b 外側端子
20 永久電流スイッチ用リードアダプタ
20a 内側端子
20b 外側端子
25 カバー体
25a フランジ部(固定部)
25b 貫通孔
25c 排気孔
25d 貫通孔
26 スクリュ
29 励磁用リード
29a 低温側リード
29b 高温側リード
30 通電用リード
34 リード用冷凍機
34a 第1ステージ
34b 第2ステージ
36 基端側ベローズ
38 基端側フランジ板(可動固定部)
40 螺子軸
41 ナット
42 中間フランジ板
43 先端側フランジ板
44 支持軸
45 フランジ部材
46 先端側ベローズ
51 第1熱伝導部材
52 第2熱伝導部材
53 第3熱伝導部材
54 第4熱伝導部材
55 第5熱伝導部材
58 保護カバー
60 伝熱連結部材(伝熱部)

Claims (12)

  1. 超電導コイルと、
    前記超電導コイルが組み込まれた回路の開閉を切り替える永久電流スイッチと、
    前記超電導コイル及び前記永久電流スイッチを収容した真空容器と、
    一端が前記超電導コイルに接続されると共に他端が前記真空容器の外側に引き出されており、前記超電導コイルに対する励磁電流を通電可能な超電導コイル用リードと、
    前記真空容器の外側に引き出されている前記超電導コイル用リードを囲んだ状態で前記真空容器の外面に立設されている伸縮自在なベローズと、
    前記ベローズの開口を気密に覆うと共に、前記真空容器の外面に面する側に、前記超電導コイル用リードの他端と接続可能な内側端子、反対側に、前記超電導コイルに対する励磁電流を給電する電源に接続される励磁用リードと接続可能な外側端子をそれぞれ有し、前記ベローズの伸縮を伴って前記内側端子及び前記外側端子が接続された状態と接続されていない状態とに進退する可動コネクタ部とを備え、
    前記可動コネクタ部が備えられる前記真空容器の外面には、前記励磁用リード及び前記励磁用リードに対して熱的に接続されたリード用冷凍機を支持すると共に、前記真空容器の外面に密接して前記励磁用リードを気密状態に保持可能なカバー体を有し、
    前記カバー体は、開口を有する箱状の覆いであり、且つ、前記箱状の覆いの頂部に前記開口に向かう方向に可動する可動固定部を支持しており
    前記可動固定部は、前記励磁用リードが固定されていると共に、前記励磁用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 前記超電導コイル用リードが、高温超電導体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 一端が前記永久電流スイッチに接続されると共に他端が前記真空容器の外側に引き出されており、前記永久電流スイッチに対する作動電流を通電可能な永久電流スイッチ用リードをさらに備え、
    前記ベローズは、前記真空容器の外側に引き出されている前記永久電流スイッチ用リードを囲んだ状態で前記真空容器の外面に立設されており、
    前記可動コネクタ部は、前記真空容器の外面に面する側に、前記永久電流スイッチ用リードの他端と接続可能な内側端子、反対側に、前記永久電流スイッチに対する作動電流を給電する電源に接続される通電用リードと接続可能な外側端子をさらに有し、
    前記カバー体は、前記通電用リードをさらに支持すると共に、前記真空容器の外面に密接して前記励磁用リード及び前記通電用リードを気密状態に保持可能であり、
    前記可動固定部は、前記通電用リードが固定されていると共に、前記通電用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
  4. 超電導コイルに対する励磁電流を給電する電源に接続される励磁用リードと、
    前記励磁用リードに対して熱的に接続されたリード用冷凍機と、
    前記励磁用リード及び前記リード用冷凍機を支持すると共に、前記超電導コイルを備えている超電導磁石装置の外面に密接して、前記励磁用リードを気密状態に保持可能なカバー体とを備え、
    前記カバー体は、開口を有する箱状の覆いであり、且つ、前記箱状の覆いの頂部に前記開口に向かう方向可動する可動固定部を支持しており
    前記可動固定部は、前記励磁用リードが固定されていると共に、前記励磁用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする超電導磁石励磁用具。
  5. 前記励磁用リードの先端側が、高温超電導体で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石励磁用具。
  6. 前記超電導コイルが組み込まれた回路の開閉を切り替える永久電流スイッチに対する作動電流を給電する電源に接続される通電用リードをさらに備え、
    前記カバー体は、前記通電用リードをさらに支持すると共に、前記超電導コイル及び前記永久電流スイッチを備えている超電導磁石装置の外面に密接して、前記励磁用リード及び前記通電用リードを気密状態に保持可能であり、
    前記可動固定部は、前記通電用リードが固定されていると共に、前記通電用リードを前記カバー体の開口に向かう方向に進退可能であることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石励磁用具。
  7. 前記超電導磁石装置は、
    前記超電導コイルと、
    前記超電導コイルが組み込まれた回路の開閉を切り替える永久電流スイッチと、
    前記超電導コイル及び前記永久電流スイッチを収容した真空容器と、
    一端が前記超電導コイルに接続されると共に他端が前記真空容器の外側に引き出されており、前記超電導コイルに対する励磁電流を通電可能な超電導コイル用リードと、
    前記真空容器の外側に引き出されている前記超電導コイル用リードを囲んだ状態で前記真空容器の外面に立設されている伸縮自在なベローズと、
    前記ベローズの開口を気密に覆うと共に、前記真空容器の外面に面する側に、前記超電導コイル用リードの他端と接続可能な内側端子、反対側に、前記超電導コイルに対する励磁電流を給電する電源に接続される励磁用リードと接続可能な外側端子をそれぞれ有し、前記ベローズの伸縮を伴って前記内側端子及び前記外側端子が接続された状態と接続されていない状態とに進退する可動コネクタ部とを備え、
    前記カバー体は、前記可動コネクタ部が備えられる前記真空容器の外面に対して着脱自在に固定される固定部を有していることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石励磁用具。
  8. 前記リード用冷凍機が、前記カバー体に固定されており、柔軟性と高熱伝導性とを有する熱伝導部材を介して前記励磁用リードと熱的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の超電導磁石励磁用具。
  9. 前記リード用冷凍機が、前記励磁用リードと熱的に接続されたと共に剛性と高熱伝導性とを有する熱伝導部材に固定されており、前記励磁用リードと一体となって進退可能に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の超電導磁石励磁用具。
  10. 剛性と高熱伝導性とを有する前記熱伝導部材が、窒化アルミニウム又は炭化珪素によって形成されていることを特徴とする請求項9に記載の超電導磁石励磁用具。
  11. 前記リード用冷凍機が、前記可動コネクタ部に対して熱的に接続自在に設けられた伝熱部と熱的に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の超電導磁石励磁用具。
  12. 前記伝熱部が、窒化アルミニウム又は炭化珪素によって形成されていることを特徴とする請求項11に記載の超電導磁石励磁用具。
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