JP6487593B1 - 転倒防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全長に対するダンパのストローク範囲の割合をより大きくして取付可能範囲の拡大を図ることができる転倒防止装置を提供する。
【解決手段】転倒防止装置1は、家具Fが傾くことにより天井Cと家具Fとの位置関係が変化することによって、第一移動部材22の一部が第一シリンダ21内を移動する第一移動機構20と、第二液体室30Aの容積を小さくする方向に第二移動部材32を移動させる力を付与する付勢部材33を有する第二移動機構30と、第一液体室20Aから第二液体室30Aへの作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部50と、を備えている。転倒防止装置1は、第二移動部材32が付勢部材33からの力の付与によって移動し、第二液体室30Aに充填された作動流体が第一液体室20Aに流入することで、第一移動機構20が伸長する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転倒防止装置に関する。
従来、天井と家具との間に設けられる転倒防止装置として、ロッドに連結されたピストンと、ピストンに設けられた減衰部と、ピストンを移動させる力を付与する付勢部材としての圧縮コイルばねとを有して構成されたダンパを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の転倒防止装置は、地震の揺れ等により家具が倒れようとするとダンパが収縮して振動を吸収する。詳細には、ダンパが収縮するとき、ロッドがシリンダ内に侵入するように移動し、減衰部により減衰力を発生させる。また、ダンパは、圧縮コイルばねがピストンを移動させる力を作用させていることにより、収縮時にはピストンが圧縮コイルばねを圧縮するとともに、伸長時には圧縮コイルばねがピストンに付勢力を作用させてロッドをシリンダから突出させる方向にピストン及びロッドを付勢して移動させる。
特開2017−169858号公報
特許文献1のような転倒防止装置は、取付可能範囲が大きいことが求められる。例えば、転倒防止装置の全長が小さければ、家具と天井との間のより狭い間隔の場所に適用できる。すなわち、転倒防止装置の全長を小さくすることで取付可能範囲の下限を引き下げることができる。
しかしながら、特許文献1の転倒防止装置の場合、ダンパは、圧縮コイルばねがピストンに直列となるようにシリンダ内に配されている。この場合、圧縮コイルばねを最も収縮させて素線同士を密着させた状態以上にピストンをシリンダの底壁側に移動させることはできない。すなわち、ダンパは、その全長に対してストローク範囲が制限されてしまっているとともに、全長が圧縮コイルばねの密着長分長くなってしまっている。このような構成の転倒防止装置は、適用可能範囲が狭くなってしまっているといえる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、全長に対するダンパのストローク範囲の割合をより大きくして取付可能範囲の拡大を図ることができる転倒防止装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の第1態様の転倒防止装置は、天井と物品との間に設けられる。転倒防止装置は、第一シリンダと、第一シリンダ内に一部が配置され、第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、物品が傾くことにより天井と物品との位置関係が変化することによって、第一移動部材の一部が第一シリンダ内を移動する第一移動機構を備えている。転倒防止装置は、第二シリンダと、第二シリンダ内に配置され、第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、第二シリンダ内に配置され、第二液体室の容積を小さくする方向に第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構を備えている。転倒防止装置は、第一液体室と第二液体室とを接続し、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部を備えている。転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する。減衰力発生部は、第一シリンダまたは第二シリンダのいずれか一方に収容され、第一液体室と第二液体室とを区画する。
本発明の第2態様の転倒防止装置は、天井と物品との間に設けられる。転倒防止装置は、第一シリンダと、第一シリンダ内に一部が配置され、第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、物品が傾くことにより天井と物品との位置関係が変化することによって、第一移動部材の一部が第一シリンダ内を移動する第一移動機構を備えている。転倒防止装置は、第二シリンダと、第二シリンダ内に配置され、第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、第二シリンダ内に配置され、第二液体室の容積を小さくする方向に第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構を備えている。転倒防止装置は、第一液体室と第二液体室とを接続し、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部を備えている。転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する。第一移動部材は、第一シリンダ内を移動自在に配置されたピストンと、ピストンに連結した第二シリンダと、を有する。
本発明の第3態様の転倒防止装置は、天井と物品との間に設けられる。転倒防止装置は、第一シリンダと、第一シリンダ内に一部が配置され、第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、物品が傾くことにより天井と物品との位置関係が変化することによって、第一移動部材の一部が第一シリンダ内を移動する第一移動機構を備えている。転倒防止装置は、第二シリンダと、第二シリンダ内に配置され、第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、第二シリンダ内に配置され、第二液体室の容積を小さくする方向に第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構を備えている。転倒防止装置は、第一液体室と第二液体室とを接続し、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部を備えている。転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する。第二シリンダは、第一シリンダの外周に設けられる。第二移動部材は、第二液体室側にテーパ部を有する環状であり、第一シリンダと第二シリンダとの間を移動自在である。
本発明の第4態様の転倒防止装置は、天井と物品との間に設けられる。転倒防止装置は、第一シリンダと、第一シリンダ内に一部が配置され、第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、物品が傾くことにより天井と物品との位置関係が変化することによって、第一移動部材の一部が第一シリンダ内を移動する第一移動機構を備えている。転倒防止装置は、第二シリンダと、第二シリンダ内に配置され、第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、第二シリンダ内に配置され、第二液体室の容積を小さくする方向に第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構を備えている。転倒防止装置は、第一液体室と第二液体室とを接続し、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部を備えている。転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する。転倒防止装置は、第一シリンダに設けられ、天井または物品の他方に当接する第一取付座と、第一移動部材に設けられ、天井または物品の一方に当接する第二取付座と、をさらに有する。転倒防止装置は、第二移動機構が第一取付座内に設けられ、第一移動機構の第一液体室と第二移動機構の第二液体室とは連通路により連通される。
本発明の第5態様の転倒防止装置は、天井と物品との間に設けられる。転倒防止装置は、第一シリンダと、第一シリンダ内に一部が配置され、第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、物品が傾くことにより天井と物品との位置関係が変化することによって、第一移動部材の一部が第一シリンダ内を移動する第一移動機構を備えている。転倒防止装置は、第二シリンダと、第二シリンダ内に配置され、第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、第二シリンダ内に配置され、第二液体室の容積を小さくする方向に第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構を備えている。転倒防止装置は、第一液体室と第二液体室とを接続し、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部を備えている。転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する。第一シリンダまたは第二シリンダに、第一大気室と第二大気室とを連通するエア抜き通路が開口される。
本発明の第1〜5態様の転倒防止装置は、第二移動部材が付勢部材からの力の付与によって移動し、第二液体室に充填された作動流体が第一液体室に流入することで、第一移動機構が伸長する構成である。そのため、付勢部材は、第二移動部材と作動流体を介し第一移動部材を移動させることになる。これにより、転倒防止装置は、第一移動機構の伸長動作時に、付勢部材によって第一移動部材に直接作用を及ぼす必要がないため、伸縮方向に沿って付勢部材が第一移動部材と直列に設けられなくてもよい。したがって、第一移動部材は、付勢部材の配置によってストローク範囲が制限されることもなく、ストローク範囲を広げることができる。
したがって、本発明の第1〜5態様の転倒防止装置は、全長に対するダンパのストローク範囲の割合をより大きくして取付可能範囲の拡大を図ることができる。
本発明の第1態様の転倒防止装置は、減衰力発生部が、第一シリンダまたは第二シリンダのいずれか一方に収容され、第一液体室と第二液体室とを区画するこれにより、転倒防止装置は、減衰力発生部を第一シリンダ内または第二シリンダ内に収容することができるため、小型化を実現することができる。また、転倒防止装置は、減衰力発生部によって第一液体室と第二液体室とを区画することができるため、区画する部材を別途設ける必要がなく、より小型化を実現することができる。
本発明の第2態様の転倒防止装置は、第一移動部材が、第一シリンダ内を移動自在に配置されたピストンと、ピストンに連結した第二シリンダと、を有するこれにより、転倒防止装置は、第二移動部材および付勢部材が内部に配置される第二シリンダを、第一移動部材の一部として構成されるため、より一層小型化を実現できる。
本発明の第3態様の転倒防止装置は、第二シリンダが第一シリンダの外周に設けられる。第二移動部材は、第二液体室側にテーパ部を有する環状であり、第一シリンダと第二シリンダとの間を移動自在であるこれにより、転倒防止装置は、第二移動部材が第二液体室側にテーパ部を有するため、第二移動部材の第二液体室側が第二シリンダの内壁に当接した場合でも、作動流体から圧力を受ける受圧面を確保することができるため、第二移動部材の往復移動を安定して行わせることができる。
本発明の第4態様の転倒防止装置は、第一シリンダに設けられ、天井または物品の他方に当接する第一取付座と、第一移動部材に設けられ、天井または物品の一方に当接する第二取付座と、をさらに有する。転倒防止装置は、第二移動機構が第一取付座内に設けられ、第一移動機構の第一液体室と第二移動機構の第二液体室とは連通路により連通されるこれにより、転倒防止装置は、第二移動機構が第一取付座内に設けられるため、小型化を実現できる。また、転倒防止装置は、第一移動機構の第一液体室と、第二移動機構の第二液体室と、が連通路を介して連通されているため、それぞれの液体室を別々に設けることができる。そのため、転倒防止装置は、天井と物品との間における取り付けの自由度が向上するとともに、第一移動機構および第二移動機構をそれぞれ簡素な構造とすることができる。
本発明の第5態様の転倒防止装置は、第一シリンダまたは第二シリンダに、第一大気室と第二大気室とを連通するエア抜き通路が開口されるこれにより、転倒防止装置は、互いに拡縮する第一大気室と第二大気室とをエア抜き通路によって連通させることができるため、このエア抜き通路を外部に開口させることなく形成することができる。このため、転倒防止装置は、エア抜き通路から埃等が侵入し難くなる。そして、転倒防止装置は、付勢部材が圧縮される際に、第二大気室から第一大気室にエア抜きを行うことができ、空気の影響を受けることなく動作させることができる。
本発明の第1〜5態様の転倒防止装置は、減衰力発生部が、第一液体室から第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰部と、第二液体室から第一液体室への作動流体の流れを許容する逆止弁と、を有し得る。減衰力発生部は、減衰部と逆止弁とが並列に設けられ得る。この場合、転倒防止装置は、第一移動機構が収縮動作する時、逆止弁によって第一液体室から第二液体室への作動流体の流れを阻止されることで、減衰力を発生させることができる。一方で、付勢部材による力の付与により第一移動部材を移動させる場合は、逆止弁によって第二液体室から第一液体室への作動流体の流れが許容されるため、収縮動作時よりも作動流体の流れに付与される抵抗が小さい状態で第一移動機構を伸長させることができる。

実施形態1の転倒防止装置を家具の上面と天井との間に取り付けた状態を示す側面図である。 (A)図1のダンパの伸長状態を示す断面図である。(B)図1のダンパの収縮状態を示す断面図である。 (A)実施形態2のダンパの伸長状態を示す断面図である。(B)実施形態2のダンパの収縮状態を示す断面図である。 (A)実施形態3のダンパの伸長状態を示す断面図である。(B)実施形態3のダンパの収縮状態を示す断面図である。 (A)実施形態4のダンパの伸長状態を示す断面図である。(B)実施形態4のダンパの収縮状態を示す断面図である。
本発明の転倒防止装置を具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
<実施形態1>
実施形態1の転倒防止装置1は、図1に示すように、ダンパ10、第一取付座41、及び第二取付座42を備えている。転倒防止装置1は、壁面Wの近傍に設置された家具Fの転倒を防止する。この転倒防止装置1は、家具Fの上面と天井Cとの間に少なくとも1個以上が取り付けられる。この家具Fは、床面(図示せず)から鉛直方向に伸びた壁面Wに背面を対向させて床面上に設置されている。また、この家具Fは、直方体形状であり、正面(図1における右側面)に図示しない扉や引き出し等を有し、内部に衣類や装身具等を収納することができる。家具Fは、水平断面形状が左右方向(図1において奥行き方向)に長い直方体形状である。この家具Fは、転倒防止装置1が取り付けられていない場合、地震等の揺れによって、前方向(図1において右方向)に傾いて転倒する虞がある。
ここで、物品の一例として、家具Fを例示するが、家具、ベッド、大型テレビ、冷蔵庫、書棚、ショーケース、サーバラック等、地震等の発生によって転倒する虞のあるものが含まれる。
ダンパ10は、図1に示すように、家具Fの上面と天井Cとの間に配置されている。ダンパ10は、第一移動機構20、第二移動機構30、及び減衰力発生部50を備えている。第一移動機構20は、第一シリンダ21、第一移動部材22、及びロッドガイド23を有している。第一移動機構20は、家具Fが傾くことにより天井Cと家具Fとの位置関係が変化することによって、第一移動部材22の一部が第一シリンダ21内を移動する。図1、図2に示すように、第一シリンダ21は、有底筒状である。ロッドガイド23は、第一シリンダ21の開口部を封鎖している。ロッドガイド23の内周には、Oリングが設けられている。第一移動部材22は、第一シリンダ21内に一部が配置されている。具体的には、第一移動部材22は、ロッドガイド23を挿通して先端側が第一シリンダ21の外部へ突出している。第一移動部材22は、第一シリンダ21内を第一液体室20Aと第一大気室20Bとに区画している。第一液体室20Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第一大気室20Bは、内部が大気圧になっている。第一移動部材22は、第一シリンダ21内を往復移動(往復摺動)する。第一移動部材22は、ピストン24、及び後述する第二シリンダ31を有している。ピストン24は、環状であり、第一シリンダ21内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。第二シリンダ31は、有底筒状である。ピストン24は、第二シリンダ31の開口部に連結されている。後述する減衰力発生部50は、第二シリンダ31の開口部を封鎖し、ピストン24とともに第一移動部材22の平坦な下端面を形成している。ピストン24の外周には、Oリングが設けられている。
第二移動機構30は、図1、図2に示すように、第二シリンダ31、第二移動部材32、及び付勢部材33を有している。第二シリンダ31は、上述したように、第一移動部材22の一部を構成している。このような構成によって、転倒防止装置1は、第一移動部材22の他に別途第二シリンダの構成を設ける必要がないため、小型化を実現できる。第二移動部材32は、第二シリンダ31内を第二液体室30Aと第二大気室30Bとに区画している。第二液体室30Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第二大気室30Bは、内部が大気圧になっている。第二シリンダ31には、第一大気室20Bと第二大気室30Bとを連通するように開口するエア抜き通路31Aが形成されている。エア抜き通路31Aは、第二移動部材32よりも下方に位置しないように(第二液体室30A側に位置しないように)設定されている。第二移動部材32は、第二シリンダ31内を往復移動(往復摺動)する。第二移動部材32は、ピストン35を有している。ピストン35は、第二シリンダ31内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン35の外周には、Oリングが設けられている。
付勢部材33は、図1、図2に示すように、第二シリンダ31内に配置されている。付勢部材33は、一端が第二移動部材32に当接し、他端が第二シリンダ31の底部に当接している。付勢部材33は、第二液体室30Aの容積を小さくする方向に第二移動部材32を移動させる力を付与する。
減衰力発生部50は、図1、図2に示すように、第二シリンダ31に収容されている。減衰力発生部50は、上述したように、第一移動部材22と一体になり、第一移動部材22とともに第一シリンダ21内を往復移動する。減衰力発生部50は、第一液体室20Aと第二液体室30Aとを区画する。このように、転倒防止装置1は、減衰力発生部50によって第一液体室20Aと第二液体室30Aとを区画することで、区画する部材を別途設ける必要がなく、小型化を実現することができる。減衰力発生部50は、第一液体室20Aと第二液体室30Aとを接続し、第一液体室20Aから第二液体室30Aへの作動油Yの流れに抵抗を付与する。減衰力発生部50は、減衰部51、及び逆止弁52を有している。減衰部51及び逆止弁52は、第一液体室20Aと第二液体室30Aを連通する各流路にそれぞれ並列となるように設けられている。減衰部51は、オリフィスとして構成されている。減衰部51は、第一液体室20Aと第二液体室30Aとの間の作動油Yの流れに抵抗を付与して減衰力を発生させる。逆止弁52は、第二液体室30Aから第一液体室20Aへの作動油Yの流れを許容し、その逆の流れを阻止する。
第一取付座41は、図1に示すように、第一シリンダ21にジョイント部11を介して設けられ、家具Fの上面に当接している。第一取付座41は、一方面が湾曲面となっている台座である。第一取付座41は、平面視で長方形状の外形である。第一取付座41は、正面視で(図1では右側面から見た場合に)下端縁よりも上端縁が短い略台形状の外形である。第一取付座41は、側面視で(図1では奥行き方向に見た場合に)下端縁が家具Fの上面に平行に直線状に伸びており、上端縁が下端縁の両側から上方に膨らんだ円弧状の外形である。
ジョイント部11は、図1に示すように、第一取付座41に対して回動可能に支持されている。図1に示すように、ジョイント部11は、ボルト11Aを介して第一取付座41に連結されている。ボルト11Aは、第一取付座41に形成された挿通孔(図示略)に挿通されるとともに、ジョイント部11に形成された貫通孔(図示略)に挿通した状態でナット(図示略)がねじ込まれている。これにより、ボルト11Aは、ダンパ10の回動軸となる。
第二取付座42は、図1に示すように、第一移動部材22にジョイント部12を介して設けられ、天井Cに当接している。ボルト12Aは、ダンパ10の回動軸となる。第二取付座42は、第一取付座41と略同一の構成となっているため、詳しい説明を省略する。
以上のように構成される転倒防止装置1は、第二移動部材32が付勢部材33からの力の付与によって移動し、第二液体室30Aに充填された作動油Yが第一液体室20Aに流入することで、第一移動機構20が伸長する構成である。そのため、付勢部材33は、第二移動部材32と作動油Yを介し第一移動部材22を移動させることになる。これにより、転倒防止装置1は、第一移動機構20の伸長動作時に、付勢部材33によって第一移動部材22に直接作用を及ぼす必要がないため、第一移動部材22に対する付勢部材33の配置の自由度を高めることができる。すなわち、シリンダ内において、第一移動部材22と付勢部材33を直列に配置する必要がなくなる。したがって、転倒防止装置1は、第一移動部材22のストローク範囲を広げることができ、天井Cと家具Fの間における取り付け範囲を広くすることができる。
また、第一シリンダ21は、第一液体室20Aと第一大気室20Bとに区画されており、第一液体室20Aが第一シリンダ21の開口部側とは反対側に設けられている。そのため、第一シリンダ21の内部(第一移動部材22を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。また、第二シリンダ31は、第二液体室30Aと第二大気室30Bとに区画されており、第二液体室30Aが第一シリンダ21内に位置している。そのため、第二シリンダ31の内部(第二移動部材32を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。
次に、転倒防止装置1の動作について説明する。
まず、転倒防止装置1の収縮動作について説明する。上記のようにして家具Fと壁面Wに取り付けられた転倒防止装置1は、地震等の揺れによって、家具Fが前方向(図1において右方向)に傾こうとする。すると、第一移動部材22は、図2(A)に示す伸長状態から、第二取付座42によって押圧されることで、図2(B)に示すように第一シリンダ21内に侵入していく。第一移動部材22が第一シリンダ21内に侵入していくと、第一液体室20A内の作動油Yが減衰力発生部50を通過して第二液体室30Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部50は、逆止弁52が第一液体室20Aから第二液体室30Aへの作動油Yの流れを阻止するため、減衰力を発生させる。そして、第二液体室30Aが拡大することになり、第二移動部材32は、付勢部材33を第一シリンダ21の底部側に押圧して圧縮する。
ここで、第二シリンダ31には、第一大気室20Bと第二大気室30Bとを連通するように開口するエア抜き通路31Aが形成されている。そのため、転倒防止装置1は、このエア抜き通路31Aを外部に開口させることなく形成することができる。このため、転倒防止装置1は、エア抜き通路31Aから埃等が侵入し難くなる。そして、転倒防止装置1は、付勢部材33が圧縮される際に、第二大気室30Bから第一大気室20Bにエア抜きを行うことができ、空気の影響を受けることなく動作させることができる。
次に、転倒防止装置1の伸長動作について説明する。第二移動部材32は、図2(B)に示す収縮状態から、付勢部材33により付勢されることで、図2(A)に示すように第二シリンダ31の減衰力発生部50側に移動する。そして、第二液体室30A内の作動油Yが減衰力発生部50を通過して第一液体室20Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部50は、逆止弁52が第二液体室30Aから第一液体室20Aへの作動油Yの流れを許容するため、伸長動作時よりも小さい減衰力を発生させる。そして、第一液体室20Aが拡大することになり、第一移動部材22は、作動油Yによって第一シリンダ21の開口部側(ロッドガイド23側)に押圧されて、図2(A)に示すように伸長状態に戻る。
以上説明したように、実施形態1の転倒防止装置1は、第二移動部材32が付勢部材33からの力の付与によって移動し、第二液体室30Aに充填された作動流体が第一液体室20Aに流入することで、第一移動機構20が伸長する構成である。そのため、付勢部材33は、第二移動部材32と作動流体を介し第一移動部材22を移動させることになる。これにより、転倒防止装置1は、第一移動機構20の伸長動作時に、付勢部材33によって第一移動部材22に直接作用を及ぼす必要がないため、伸縮方向に沿って付勢部材33が第一移動部材22と直列に設けられなくてもよい。したがって、第一移動部材22は、付勢部材33の配置によってストローク範囲が制限されることもなく、ストローク範囲を広げることができる。
したがって、転倒防止装置1は、全長に対するダンパ10のストローク範囲の割合をより大きくして取付可能範囲の拡大を図ることができる。
また、転倒防止装置1は、減衰力発生部50が、第二シリンダ31に収容され、第一液体室20Aと第二液体室30Aとを区画する。このため、転倒防止装置1は、減衰力発生部50を第二シリンダ31内に収容することができるため、小型化を実現することができる。また、転倒防止装置1は、減衰力発生部50によって第一液体室20Aと第二液体室30Aとを区画することができるため、区画する部材を別途設ける必要がなく、より小型化を実現することができる。
また、転倒防止装置1は、第一移動部材22が、第一シリンダ21内を移動自在に配置されたピストン24と、ピストン24に連結した第二シリンダ31と、
を有する。このため、転倒防止装置1は、第二移動部材32および付勢部材33が内部に配置される第二シリンダ31を、第一移動部材22の一部として構成されるため、より一層小型化を実現できる。
また、転倒防止装置1は、第二シリンダ31に、第一大気室20Bと第二大気室30Bとを連通するエア抜き通路31Aが開口されている。このため、転倒防止装置1は、互いに拡縮する第一大気室20Bと第二大気室30Bとをエア抜き通路31Aによって連通させることができるため、このエア抜き通路31Aを外部に開口させることなく形成することができる。このため、転倒防止装置1は、エア抜き通路31Aから埃等が侵入し難くなる。そして、転倒防止装置1は、付勢部材33が圧縮される際に、第二大気室30Bから第一大気室20Bにエア抜きを行うことができ、空気の影響を受けることなく動作させることができる。
また、転倒防止装置1は、減衰力発生部50が、第一液体室20Aから第二液体室30Aへの作動流体の流れに抵抗を付与する減衰部51と、第二液体室30Aから第一液体室20Aへの作動流体の流れを許容する逆止弁52と、を有する。減衰力発生部50は、減衰部51と逆止弁52とが並列に設けられている。このため、転倒防止装置1は、第一移動機構20が収縮動作する時、逆止弁52によって第一液体室20Aから第二液体室30Aへの作動流体の流れを阻止されることで、減衰力を発生させることができる。一方で、付勢部材33による力の付与により第一移動部材22を移動させる場合は、逆止弁52によって第二液体室30Aから第一液体室20Aへの作動流体の流れが許容されるため、収縮動作時よりも作動流体の流れに付与される抵抗が小さい状態で第一移動機構20を伸長させることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る転倒防止装置について、図3を用いて説明する。実施形態2では、第一移動機構及び第二移動機構の構成が実施形態1と異なっている。なお、実施形態2に係る転倒防止装置1において、上記実施形態1の転倒防止装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態2のダンパ10は、図3に示すように、第一移動機構220、第二移動機構230、及び減衰力発生部250を備えている。第一移動機構220は、第一シリンダ221、第一移動部材222、及びロッドガイド223を有している。第一シリンダ221は、円筒状である。ロッドガイド223は、第一シリンダ221の一端側の開口部を封鎖している。ロッドガイド223は、第一シリンダ221の一端側の開口部よりも大径になっている。ロッドガイド223の内周には、Oリングが設けられている。第一移動部材222は、長尺円柱状に形成され、第一シリンダ221内に一部が配置されている。具体的には、第一移動部材222は、ロッドガイド223を挿通して先端側が第一シリンダ221の外部へ突出している。第一移動部材222は、第一シリンダ221内を第一液体室220Aと第一大気室220Bとに区画している。第一液体室220Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第一大気室220Bは、内部が大気圧になっている。第一移動部材222は、第一シリンダ221内を往復移動(往復摺動)する。第一移動部材222は、後端側にピストン224を有している。ピストン224は、円板状であり、第一シリンダ221内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン224の外周には、Oリングが設けられている。第一シリンダ221の他端側の開口部は、後述する減衰力発生部250によって封鎖されている。また、第一シリンダ221には、第一大気室220Bと後述する第二大気室230Bとを連通するように開口するエア抜き通路221Aが形成されている。エア抜き通路221Aは、第一移動部材222よりも下方に位置しないように設定されている。
第二移動機構230は、図3に示すように、第二シリンダ231、第二移動部材232、及び付勢部材233を有している。第二シリンダ231は、有底筒状である。第二シリンダ231は、第一シリンダ221の外周に設けられている。第二シリンダ231は、ロッドガイド223によって開口部が封鎖されている。ロッドガイド223は、後述するように、付勢部材233のばね受けとなっている。第二移動部材232は、環状であり、第一シリンダ221を挿通するように、第二シリンダ231内に配置されている。第二移動部材232は、第一シリンダ221と第二シリンダ231とによって形成された空間を第二液体室230Aと第二大気室230Bとに区画している。第二液体室230Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第二大気室230Bは、内部が大気圧になっている。第二移動部材232は、第一シリンダ221と第二シリンダ231の間を往復移動(往復摺動)する。第二移動部材232は、第二液体室230A側にテーパ部232A,232Bを有する。テーパ部232Aは、第二移動部材232の内周側に設けられており、内側に向かうにつれて高位置となるように傾斜している。テーパ部232Bは、第二移動部材232の外周側に設けられており、外側に向かうにつれて高位置となるように傾斜している。第二移動部材232は、内周と外周にOリングが設けられている。
付勢部材233は、図3に示すように、第二シリンダ231内において、第一シリンダ221と第二シリンダ231の間に配置されている。付勢部材233は、一端が第二移動部材232に当接し、他端がロッドガイド223に当接している。付勢部材233は、第二液体室230Aの容積を小さくする方向に第二移動部材232を移動させる力を付与する。付勢部材233は、第二移動部材232に設けられたOリングが第一シリンダ221に常に接するように(第一シリンダ221と第二シリンダ231の間がシールされるように)、自由長が設定されている。
減衰力発生部250は、図3に示すように、第一シリンダ221に収容されている。減衰力発生部250は、上述したように第一シリンダ221の他端側の開口部を封鎖している。減衰力発生部250は、第一液体室220Aと第二液体室230Aとを区画する。このように、転倒防止装置1は、減衰力発生部250によって第一液体室220Aと第二液体室230Aとを区画することで、区画する部材を別途設ける必要がなく、小型化を実現することができる。減衰力発生部250は、第一液体室220Aと第二液体室230Aとを接続し、第一液体室220Aから第二液体室230Aへの作動油Yの流れに抵抗を付与する。減衰力発生部250は、減衰部251、及び逆止弁252を有している。減衰部251及び逆止弁252は、第一液体室220Aと第二液体室230Aを連通する各流路にそれぞれ並列となるように設けられている。減衰部251は、オリフィスとして構成されている。減衰部251は、第一液体室220Aと第二液体室230Aとの間の作動油Yの流れに抵抗を付与して減衰力を発生させる。逆止弁252は、第二液体室230Aから第一液体室220Aへの作動油Yの流れを許容し、その逆の流れを阻止する。
第一取付座41(図1参照)は、第二シリンダ231にジョイント部11を介して設けられ、家具Fの上面に当接している。第二取付座42(図1参照)は、第一移動部材222にジョイント部12を介して設けられ、天井Cに当接している。
以上のように構成される転倒防止装置1は、実施形態1と同様に、第二移動部材232が付勢部材233からの力の付与によって移動し、第二液体室230Aに充填された作動油Yが第一液体室220Aに流入することで、第一移動機構220が伸長する構成である。そのため、付勢部材233は、第二移動部材232と作動油Yを介し第一移動部材222を移動させることになる。これにより、転倒防止装置1は、第一移動機構220の伸長動作時に、付勢部材233によって第一移動部材222に直接作用を及ぼす必要がないため、第一移動部材222に対する付勢部材233の配置の自由度を高めることができる。すなわち、シリンダ内において、第一移動部材222と付勢部材233を直列に配置する必要がなくなる。したがって、転倒防止装置1は、第一移動部材222のストローク範囲を広げることができ、天井Cと家具Fの間における取り付け範囲を広くすることができる。
また、実施形態1と同様に、第一シリンダ221は、第一液体室220Aと第一大気室220Bとに区画されており、第一液体室220Aが第一シリンダ221の開口部側(ロッドガイド223側)とは反対側に設けられている。そのため、第一シリンダ221の内部(第一移動部材222を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。また、第二シリンダ231は、第二液体室230Aと第二大気室230Bとに区画されており、第二液体室230Aが第二シリンダ231の開口部側(ロッドガイド223側)とは反対側に設けられている。そのため、第二シリンダ231の内部(第二移動部材232を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。
次に、転倒防止装置1の動作について説明する。
まず、転倒防止装置1の収縮動作について説明する。上記のようにして家具Fと壁面Wに取り付けられた転倒防止装置1(図1参照)は、地震等の揺れによって、家具Fが前方向(図1において右方向)に傾こうとする。すると、第一移動部材222は、図3(A)に示す伸長状態から、第二取付座42によって押圧されることで、図3(B)に示すように第一シリンダ221内に侵入していく。第一移動部材222が第一シリンダ221内に侵入していくと、第一液体室220A内の作動油Yが減衰力発生部250を通過して第二液体室230Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部250は、逆止弁252が第一液体室220Aから第二液体室230Aへの作動油Yの流れを阻止するため、減衰力を発生させる。そして、第二液体室230Aが拡大することになり、第二移動部材232は、付勢部材233を第一シリンダ221の開口部側(ロッドガイド223側)に押圧して圧縮する。ここで、第二移動部材232は、第二液体室230A側にテーパ部232A,232Bを有するため、第二移動部材232の第二液体室230A側が第二シリンダ231の内壁(底部)に当接した場合でも、作動油Yから圧力を受ける受圧面を確保することができるため、第二移動部材232の往復移動を安定して行わせることができる。
ここで、第一シリンダ221には、第一大気室220Bと第二大気室230Bとを連通するように開口するエア抜き通路221Aが形成されている。そのため、実施形態1と同様に、転倒防止装置1は、このエア抜き通路221Aを外部に開口させることなく形成することができる。このため、転倒防止装置1は、エア抜き通路221Aから埃等が侵入し難くなる。そして、転倒防止装置1は、付勢部材233が圧縮される際に、第二大気室230Bから第一大気室220Bにエア抜きを行うことができ、空気の影響を受けることなく動作させることができる。
次に、転倒防止装置1の伸長動作について説明する。第二移動部材232は、図3(B)に示す収縮状態から、付勢部材233により付勢されることで、図3(A)に示すように第二シリンダ231の底部側(ロッドガイド223とは反対側)に移動する。そして、第二液体室230A内の作動油Yが減衰力発生部250を通過して第一液体室220Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部250は、逆止弁252が第二液体室230Aから第一液体室220Aへの作動油Yの流れを許容するため、伸長動作時よりも小さい減衰力を発生させる。そして、第一液体室220Aが拡大することになり、第一移動部材222は、作動油Yによって第一シリンダ221の開口部側(ロッドガイド223側)に押圧されて、図3(A)に示すように伸長状態に戻る。
以上説明したように、実施形態2の転倒防止装置1は、第二シリンダ231が第一シリンダ221の外周に設けられている。第二移動部材232は、第二液体室230A側にテーパ部232A,232Bを有する環状であり、第一シリンダ221と第二シリンダ231との間を移動自在である。このため、転倒防止装置1は、第二移動部材232が第二液体室230A側にテーパ部232A,232Bを有するため、第二移動部材232の第二液体室230A側が第二シリンダ231の内壁に当接した場合でも、作動流体から圧力を受ける受圧面を確保することができるため、第二移動部材232の往復移動を安定して行わせることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係る転倒防止装置について、図4を用いて説明する。実施形態3では、第一移動機構及び第二移動機構の構成が実施形態1と異なっている。なお、実施形態3に係る転倒防止装置1において、上記実施形態1の転倒防止装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態3のダンパ10は、図4に示すように、第一移動機構320、第二移動機構330、減衰力発生部350、及び連通路355を備えている。第一移動機構320は、第一シリンダ321、第一移動部材322、及びロッドガイド323を有している。第一シリンダ321は、有底筒状である。ロッドガイド323は、第一シリンダ321の一端側の開口部を封鎖している。ロッドガイド323の内周には、Oリングが設けられている。第一移動部材322は、ロッド状に形成され、第一シリンダ321内に一部が配置されている。具体的には、第一移動部材322は、ロッドガイド323を挿通して先端側が第一シリンダ321の外部へ突出している。第一移動部材322は、第一シリンダ321内を第一液体室320Aと第一大気室320Bとに区画している。第一液体室320Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第一大気室320Bは、内部が大気圧になっている。第一移動部材322は、第一シリンダ321内を往復移動(往復摺動)する。第一移動部材322は、後端側にピストン324を有している。ピストン324は、環状であり、第一シリンダ321内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン324の外周には、Oリングが設けられている。第一シリンダ321は、側壁における底部寄りの一部を貫通し、後述する連通路355とつながる開口部321Aが形成されている。開口部321Aは、第一移動部材322よりも上方に位置しないように(第一大気室320B側に位置しないように)設定されている。また、第一シリンダ321は、側壁における開口部寄りの一部を貫通する開口部321Bが形成されている。開口部321Bは、ピストン324よりも下方側(底部側)に位置しないようになっている。
第二移動機構330は、図4に示すように、第一取付座41内に設けられている。第二移動機構330は、第二シリンダ331、第二移動部材332、及び付勢部材333を有している。実施形態3の第一取付座41は、内部に空間を有し、下面が家具Fの上面に当接する底壁部41Aを有している。第二移動機構330は、第二移動部材332の移動方向が底壁部41Aの上面に平行となるように、第二シリンダ331が底壁部41Aの上面に載置されている。このように、転倒防止装置1は、第二移動機構330が第一取付座41内に設けられることで、小型化を実現できる。第二シリンダ331は、両端が封鎖された円筒状である。第二シリンダ331は、側壁における一端側(後述する第二液体室330A側)寄りの一部を貫通し、後述する連通路355とつながる開口部331Aが形成されている。また、第二シリンダ331は、側壁における他端側(後述する第二大気室330B側)寄りの一部を貫通したエア抜き部331Bが形成されている。第二移動部材332は、第二シリンダ331内に配置されている。第二移動部材332は、第二シリンダ331内を第二液体室330Aと第二大気室330Bとに区画している。第二液体室330Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第二大気室330Bは、内部が大気圧になっている。第二移動部材332は、ピストン335を有している。ピストン335は、第二シリンダ331内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン335の外周には、Oリングが設けられている。
付勢部材333は、図4に示すように、第二シリンダ331内に配置されている。付勢部材333は、一端が第二移動部材332に当接し、他端が第二シリンダ331の他端側(後述する第二大気室330B側)の底部に当接している。付勢部材333は、第二液体室330Aの容積を小さくする方向に第二移動部材332を移動させる力を付与する。付勢部材333は、第二移動部材332が開口部331Aよりも外側(第二液体室330A側)に移動しないように設定されている。付勢部材333は、第二移動部材332がエア抜き部331Bよりも外側(第二大気室330B側)に移動しないように設定されている。
連通路355は、図4に示すように、第一移動機構320と第二移動機構330との間に配置される配管として構成されている。連通路355は、第一シリンダ321の開口部321Aと、第二シリンダ331の開口部331Aと、につながっている。連通路355は、第一液体室320Aと第二液体室330Aとを連通している。このように、転倒防止装置1は、第一液体室320Aと第二液体室が連通路355を介して連通されているため、それぞれの液体室を別々に設けることができる。そのため、転倒防止装置1は、天井Cと家具Fとの間における取り付けの自由度が向上するとともに、第一移動機構320および第二移動機構330をそれぞれ簡素な構造とすることができる。
減衰力発生部350は、図4に示すように、連通路355に設けられている。減衰力発生部350は、第一液体室320Aと第二液体室330Aとを接続し、第一液体室320Aから第二液体室330Aへの作動油Yの流れに抵抗を付与する。減衰力発生部350は、減衰部351、及び逆止弁352を有している。減衰部351及び逆止弁352は、第一液体室320Aと第二液体室330Aを連通する各流路にそれぞれ並列となるように設けられている。減衰部351は、オリフィスとして構成されている。減衰部351は、第一液体室320Aと第二液体室330Aとの間の作動油Yの流れに抵抗を付与して減衰力を発生させる。逆止弁352は、第二液体室330Aから第一液体室320Aへの作動油Yの流れを許容し、その逆の流れを阻止する。
第一取付座41(図1参照)は、第一シリンダ321にジョイント部11を介して設けられ、家具Fの上面に当接している。第二取付座42(図1参照)は、第一移動部材322にジョイント部12を介して設けられ、天井Cに当接している。
以上のように構成される転倒防止装置1は、実施形態1と同様に、第二移動部材332が付勢部材333からの力の付与によって移動し、第二液体室330Aに充填された作動油Yが第一液体室320Aに流入することで、第一移動機構320が伸長する構成である。そのため、付勢部材333は、第二移動部材332と作動油Yを介し第一移動部材322を移動させることになる。これにより、転倒防止装置1は、第一移動機構320の伸長動作時に、付勢部材333によって第一移動部材322に直接作用を及ぼす必要がないため、第一移動部材322に対する付勢部材333の配置の自由度を高めることができる。すなわち、シリンダ内において、第一移動部材322と付勢部材333を直列に配置する必要がなくなる。したがって、転倒防止装置1は、第一移動部材322のストローク範囲を広げることができ、天井Cと家具Fの間における取り付け範囲を広くすることができる。
また、実施形態1と同様に、第一シリンダ321は、第一液体室320Aと第一大気室320Bとに区画されており、第一液体室320Aが第一シリンダ321の開口部側とは反対側に設けられている。そのため、第一シリンダ321の内部(第一移動部材322を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。また、第二シリンダ331は、第二液体室330Aと第二大気室330Bとに区画されており、内部の一方の空間を大気室としている。そのため、第二シリンダ31の内部(第二移動部材32を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。
次に、転倒防止装置1の動作について説明する。
まず、転倒防止装置1の収縮動作について説明する。上記のようにして家具Fと壁面Wに取り付けられた転倒防止装置1(図1参照)は、地震等の揺れによって、家具Fが前方向(図1において右方向)に傾こうとする。すると、第一移動部材322は、図4(A)に示す伸長状態から、第二取付座42によって押圧されることで、図4(B)に示すように第一シリンダ321内に侵入していく。第一移動部材322が第一シリンダ321内に侵入していくと、第一液体室320A内の作動油Yが連通路355及び減衰力発生部350を通過して第二液体室330Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部350は、逆止弁352が第一液体室320Aから第二液体室330Aへの作動油Yの流れを阻止するため、減衰力を発生させる。そして、第二液体室330Aが拡大することになり、第二移動部材332は、付勢部材333を第二シリンダ331の他端側(第二大気室330B側)に押圧して圧縮する。
次に、転倒防止装置1の伸長動作について説明する。第二移動部材332は、図4(B)に示す収縮状態から、付勢部材333により付勢されることで、図4(A)に示すように第二シリンダ331の一端側(第二液体室330A側)に移動する。そして、第二液体室330A内の作動油Yが連通路355及び減衰力発生部350を通過して第一液体室320Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部350は、逆止弁352が第二液体室330Aから第一液体室320Aへの作動油Yの流れを許容するため、伸長動作時よりも小さい減衰力を発生させる。そして、第一液体室320Aが拡大することになり、第一移動部材322は、作動油Yによって第一シリンダ321の開口部側(ロッドガイド323側)に押圧されて、図4(A)に示すように伸長状態に戻る。
以上説明したように、実施形態3の転倒防止装置1は、第一シリンダ321に設けられ、家具Fに当接する第一取付座41と、第一移動部材322に設けられ、天井Cに当接する第二取付座42と、をさらに有している。転倒防止装置1は、第二移動機構330は第一取付座41内に設けられ、第一移動機構320の第一液体室320Aと第二移動機構330の第二液体室330Aとは連通路355により連通されている。このため、転倒防止装置1は、第二移動機構330が第一取付座41内に設けられるため、小型化を実現できる。また、転倒防止装置1は、第一移動機構320の第一液体室320Aと、第二移動機構330の第二液体室330Aと、が連通路355を介して連通されているため、それぞれの液体室を別々に設けることができる。そのため、転倒防止装置1は、天井Cと家具Fとの間における取り付けの自由度が向上するとともに、第一移動機構320および第二移動機構330をそれぞれ簡素な構造とすることができる。
<実施形態4>
次に、実施形態4に係る転倒防止装置について、図5を用いて説明する。実施形態4では、第一移動機構及び第二移動機構の構成が実施形態1と異なっている。なお、実施形態4に係る転倒防止装置1において、上記実施形態1の転倒防止装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態4のダンパ10は、図5に示すように、第一移動機構420、第二移動機構430、及び減衰力発生部450を備えている。第一移動機構420は、第一シリンダ421、第一移動部材422、及びロッドガイド423を有している。第一移動機構420は、家具Fが傾くことにより天井Cと家具Fとの位置関係が変化することによって、第一移動部材422の一部が第一シリンダ421内を移動する。第一シリンダ421は、有底筒状である。ロッドガイド423は、第一シリンダ421の開口部を封鎖している。ロッドガイド423は、第一移動部材422が挿通する開口部423Aが形成されている。開口部423Aには、Oリングが設けられている。第一移動部材422は、有底筒状であり、第一シリンダ421内に一部が配置されている。具体的には、第一移動部材422は、ロッドガイド423を挿通して先端側が第一シリンダ421の外部へ突出している。第一移動部材422は、側壁における底部寄りの位置に開口通路422Aが形成されている。開口通路422Aは、第一移動部材422の長尺方向と直交する方向に開口している。第一移動部材422は、第一シリンダ421内を第一液体室420Aと第一大気室420Bとに区画している。第一液体室420Aは、外側液体室420C、及び内側液体室420Dから構成されている。外側液体室420Cと内側液体室420Dは、連通路421Aを介して連通している。連通路421Aは、後述する第二シリンダ431の下方において、第二シリンダ431の外周に沿って形成されている。第一液体室420Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第一大気室420Bは、内部が大気圧になっている。第一移動部材422は、第一シリンダ421内を往復移動(往復摺動)する。第一移動部材422は、ピストン424を有している。ピストン424は、環状であり、第一シリンダ421内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン424の外周及び内周には、Oリングが設けられている。また、第一シリンダ421は、側壁における底部寄りの一部を貫通する開口部421Bが形成されている。開口部421Bは、ピストン424よりも下方側(底部側)に位置しないようになっている。
第二移動機構430は、図5に示すように、第二シリンダ431、第二移動部材432、及び付勢部材433を有している。第二移動部材432は、第二シリンダ431内を第二液体室430Aと第二大気室430Bとに区画している。第二液体室430Aは、所定量の作動油Yが封入されている。第二大気室430Bは、内部が大気圧になっている。第二シリンダ431には、第二大気室430Bと、第一移動部材422の内側空間とを連通するように開口するエア抜き通路431Aが形成されている。エア抜き通路431Aは、第二シリンダ431の長尺方向に沿う方向に開口している。第二移動部材432は、第二シリンダ431内を往復移動(往復摺動)する。第二移動部材432は、ピストン435を有している。ピストン435は、第二シリンダ431内に移動自在(摺動自在)に挿入されている。ピストン435の外周には、Oリングが設けられている。
付勢部材433は、図5に示すように、第二シリンダ431内に配置されている。付勢部材433は、一端が第二移動部材432に当接し、他端が第二シリンダ431の底部に当接している。付勢部材433は、第二液体室430Aの容積を小さくする方向に第二移動部材432を移動させる力を付与する。
減衰力発生部450は、図5に示すように、第二シリンダ431に収容されている。減衰力発生部450は、第一液体室420Aと第二液体室430Aとを区画する。このように、転倒防止装置1は、減衰力発生部450によって第一液体室420Aと第二液体室430Aとを区画することで、区画する部材を別途設ける必要がなく、小型化を実現することができる。減衰力発生部450は、第一液体室420Aと第二液体室430Aとを接続し、第一液体室420Aから第二液体室430Aへの作動油Yの流れに抵抗を付与する。減衰力発生部450は、減衰部451、及び逆止弁452を有している。減衰部451及び逆止弁452は、第一液体室420Aと第二液体室430Aを連通する各流路にそれぞれ並列となるように設けられている。減衰部451は、オリフィスとして構成されている。減衰部451は、第一液体室420Aと第二液体室430Aとの間の作動油Yの流れに抵抗を付与して減衰力を発生させる。逆止弁452は、第二液体室430Aから第一液体室420Aへの作動油Yの流れを許容し、その逆の流れを阻止する。
第一取付座41(図1参照)は、第一シリンダ421にジョイント部11を介して設けられ、家具Fの上面に当接している。第二取付座42(図1参照)は、第一移動部材422にジョイント部12を介して設けられ、天井Cに当接している。
以上のように構成される転倒防止装置1は、実施形態1と同様に、第二移動部材432が付勢部材433からの力の付与によって移動し、第二液体室430Aに充填された作動油Yが第一液体室420Aに流入することで、第一移動機構420が伸長する構成である。そのため、付勢部材433は、第二移動部材432と作動油Yを介し第一移動部材422を移動させることになる。これにより、転倒防止装置1は、第一移動機構420の伸長動作時に、付勢部材433によって第一移動部材422に直接作用を及ぼす必要がないため、第一移動部材422に対する付勢部材433の配置の自由度を高めることができる。すなわち、シリンダ内において、第一移動部材422と付勢部材433を直列に配置する必要がなくなる。したがって、転倒防止装置1は、第一移動部材422のストローク範囲を広げることができ、天井Cと家具Fの間における取り付け範囲を広くすることができる。
また、第一シリンダ421は、第一液体室420Aと第一大気室420Bとに区画されており、第一液体室420Aが第一シリンダ421の開口部側とは反対側に設けられている。そのため、第一シリンダ421の内部(第一移動部材422を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。また、第二シリンダ431は、第二液体室430Aと第二大気室430Bとに区画されており、第二液体室430Aが第一シリンダ421内に位置している。そのため、第二シリンダ431の内部(第二移動部材432を挟む両側の空間)が作動油Yで満たされる構成と比べて、外部へと作動油Yが漏れ難くなる。
次に、転倒防止装置1の動作について説明する。
まず、転倒防止装置1の収縮動作について説明する。上記のようにして家具Fと壁面Wに取り付けられた転倒防止装置1は、地震等の揺れによって、家具Fが前方向(図1において右方向)に傾こうとする。すると、第一移動部材422は、図5(A)に示す伸長状態から、第二取付座442によって押圧されることで、図5(B)に示すように第一シリンダ421内に侵入していく。第一移動部材422が第一シリンダ421内に侵入していくと、第一液体室420A内の作動油Yが減衰力発生部450を通過して第二液体室430Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部450は、逆止弁452が第一液体室420Aから第二液体室430Aへの作動油Yの流れを阻止するため、減衰力を発生させる。そして、第二液体室430Aが拡大することになり、第二移動部材432は、付勢部材433を第二シリンダ431の底部側に押圧して圧縮する。
ここで、第二シリンダ431は、第二大気室430Bがエア抜き通路431A及び開口通路422Aを介して外部に連通している。そのため、転倒防止装置1は、付勢部材433が圧縮される際に、第二大気室430Bから外部にエア抜きを行うことができ、空気の影響を受けることなく動作させることができる。
また、第二シリンダ431のエア抜き通路431Aと、第一移動部材422の開口通路422Aとは、異なる方向(それぞれ直交する方向)に開口している。そのため、エア抜き通路431Aと開口通路422Aとが同じ方向で重なるように形成される構成と比べて、仮に開口通路422Aから内部に埃等が侵入した場合であっても、さらにエア抜き通路431Aを通って内部に埃等が浸入し難くすることができる。
次に、転倒防止装置1の伸長動作について説明する。第二移動部材432は、図5(B)に示す収縮状態から、付勢部材433により付勢されることで、図5(A)に示すように第二シリンダ431の減衰力発生部450側に移動する。そして、第二液体室430A内の作動油Yが減衰力発生部450を通過して第一液体室420Aへと導かれる。このとき、減衰力発生部450は、逆止弁452が第二液体室430Aから第一液体室420Aへの作動油Yの流れを許容するため、伸長動作時よりも小さい減衰力を発生させる。そして、第一液体室420Aが拡大することになり、第一移動部材422は、作動油Yによって第一シリンダ421の開口部側(ロッドガイド423側)に押圧されて、図5(A)に示すように伸長状態に戻る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上述の実施形態1では、ピストン24が第二シリンダ31と一体に形成されていたが、第二シリンダ31と別体に形成されていてもよい。
(2)上述の実施形態1では、エア抜き通路31Aが第二シリンダ31に形成されていたが、第一シリンダ21側に外部とつながるエア抜き通路が形成されていてもよい。
(3)上述の実施形態2では、エア抜き通路221Aが第一シリンダ221に形成されていたが、第二シリンダ231側に外部とつながるエア抜き通路が形成されていてもよい。
(4)上述の実施形態3では、減衰力発生部350が連通路355に設けられていたが、連通路355以外の箇所に設けられていてもよい。例えば、減衰力発生部350は、第一シリンダ321や第二シリンダ331における連通路355に隣接する位置に設けられていてもよい。
(5)上述の実施形態3では、第二移動機構330は、第一取付座41内に設けられていたが、第一取付座41内以外の箇所に設けられていてもよい。例えば、第二移動機構330は、第一取付座41の外面や、第一シリンダ321の外面に隣接すように設けられていてもよい。
(6)上述の実施形態1〜4では、物品の上面と壁面Wとの間に取り付ける転倒防止装置1の数は、特に限定されず、物品の種類に応じて適宜選択される。
(7)上述の実施形態1〜4では、第一取付座41は、家具F(物品)の上面に直接的に当接した形態を示したが、第一取付座41は、かさ上げ部材等を介して間接的に家具F(物品)の上面に当接してもよい。この場合、かさ上げ部材等も天井Cの一部として、転倒防止装置1を用いることができる。
1…転倒防止装置、20,220,320,420…第一移動機構、20A,220A,320A,420A…第一液体室、20B,220B,320B,420B…第一大気室、21,221,321,421…第一シリンダ、22,222,322,422…第一移動部材、24…ピストン、30,230,330,430…第二移動機構、30A,230A,330A,430A…第二液体室、30B,230B,330B,430B…第二大気室、31,231,331,431…第二シリンダ、31A,221A…エア抜き通路、32,232,332,432…第二移動部材、33,233,333,433…付勢部材、41…第一取付座、42…第二取付座、50,250,350,450…減衰力発生部、51,251,351,451…減衰部、52,252,352,452…逆止弁、232A,232B…テーパ部、355…連通路、C…天井、F…家具(物品)

Claims (6)

  1. 天井と物品との間に設けられる転倒防止装置であって、
    第一シリンダと、前記第一シリンダ内に一部が配置され、前記第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、前記第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、前記物品が傾くことにより前記天井と前記物品との位置関係が変化することによって、前記第一移動部材の一部が前記第一シリンダ内を移動する第一移動機構と、
    第二シリンダと、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、前記第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二液体室の容積を小さくする方向に前記第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構と、
    前記第一液体室と前記第二液体室とを接続し、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部と、
    を備え、
    前記第二移動部材が前記付勢部材からの力の付与によって移動し、前記第二液体室に充填された作動流体が前記第一液体室に流入することで、前記第一移動機構が伸長し、
    前記減衰力発生部は、前記第一シリンダまたは前記第二シリンダのいずれか一方に収容され、前記第一液体室と前記第二液体室とを区画することを特徴とする転倒防止装置。
  2. 天井と物品との間に設けられる転倒防止装置であって、
    第一シリンダと、前記第一シリンダ内に一部が配置され、前記第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、前記第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、前記物品が傾くことにより前記天井と前記物品との位置関係が変化することによって、前記第一移動部材の一部が前記第一シリンダ内を移動する第一移動機構と、
    第二シリンダと、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、前記第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二液体室の容積を小さくする方向に前記第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構と、
    前記第一液体室と前記第二液体室とを接続し、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部と、
    を備え、
    前記第二移動部材が前記付勢部材からの力の付与によって移動し、前記第二液体室に充填された作動流体が前記第一液体室に流入することで、前記第一移動機構が伸長し、
    前記第一移動部材は、
    前記第一シリンダ内を移動自在に配置されたピストンと、
    前記ピストンに連結した前記第二シリンダと、
    を有することを特徴とする転倒防止装置。
  3. 天井と物品との間に設けられる転倒防止装置であって、
    第一シリンダと、前記第一シリンダ内に一部が配置され、前記第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、前記第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、前記物品が傾くことにより前記天井と前記物品との位置関係が変化することによって、前記第一移動部材の一部が前記第一シリンダ内を移動する第一移動機構と、
    第二シリンダと、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、前記第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二液体室の容積を小さくする方向に前記第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構と、
    前記第一液体室と前記第二液体室とを接続し、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部と、
    を備え、
    前記第二移動部材が前記付勢部材からの力の付与によって移動し、前記第二液体室に充填された作動流体が前記第一液体室に流入することで、前記第一移動機構が伸長し、
    前記第二シリンダは前記第一シリンダの外周に設けられ、
    前記第二移動部材は、前記第二液体室側にテーパ部を有する環状であり、前記第一シリンダと前記第二シリンダとの間を移動自在であることを特徴とする転倒防止装置。
  4. 天井と物品との間に設けられる転倒防止装置であって、
    第一シリンダと、前記第一シリンダ内に一部が配置され、前記第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、前記第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、前記物品が傾くことにより前記天井と前記物品との位置関係が変化することによって、前記第一移動部材の一部が前記第一シリンダ内を移動する第一移動機構と、
    第二シリンダと、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、前記第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二液体室の容積を小さくする方向に前記第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構と、
    前記第一液体室と前記第二液体室とを接続し、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部と、
    を備え、
    前記第二移動部材が前記付勢部材からの力の付与によって移動し、前記第二液体室に充填された作動流体が前記第一液体室に流入することで、前記第一移動機構が伸長し、
    前記第一シリンダに設けられ、前記天井または前記物品の他方に当接する第一取付座と、
    前記第一移動部材に設けられ、前記天井または前記物品の一方に当接する第二取付座と、をさらに有し、
    前記第二移動機構は前記第一取付座内に設けられ、前記第一移動機構の前記第一液体室と前記第二移動機構の前記第二液体室とは連通路により連通されていることを特徴とする転倒防止装置。
  5. 天井と物品との間に設けられる転倒防止装置であって、
    第一シリンダと、前記第一シリンダ内に一部が配置され、前記第一シリンダ内を第一液体室と第一大気室とに区画し、前記第一シリンダ内を往復移動する第一移動部材と、を有し、前記物品が傾くことにより前記天井と前記物品との位置関係が変化することによって、前記第一移動部材の一部が前記第一シリンダ内を移動する第一移動機構と、
    第二シリンダと、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二シリンダ内を第二液体室と第二大気室とに区画し、前記第二シリンダ内を往復移動する第二移動部材と、前記第二シリンダ内に配置され、前記第二液体室の容積を小さくする方向に前記第二移動部材を移動させる力を付与する付勢部材と、を有した第二移動機構と、
    前記第一液体室と前記第二液体室とを接続し、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰力発生部と、
    を備え、
    前記第二移動部材が前記付勢部材からの力の付与によって移動し、前記第二液体室に充填された作動流体が前記第一液体室に流入することで、前記第一移動機構が伸長し、
    前記第一シリンダまたは前記第二シリンダには、第一大気室と前記第二大気室とを連通するエア抜き通路が開口されていることを特徴とする転倒防止装置。
  6. 前記減衰力発生部は、前記第一液体室から前記第二液体室への作動流体の流れに抵抗を付与する減衰部と、
    前記第二液体室から前記第一液体室への作動流体の流れを許容する逆止弁と、を有し、
    前記減衰部と前記逆止弁とは並列に設けられることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の転倒防止装置。
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