JP6357084B2 - 可変剛性装置 - Google Patents

可変剛性装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6357084B2
JP6357084B2 JP2014237850A JP2014237850A JP6357084B2 JP 6357084 B2 JP6357084 B2 JP 6357084B2 JP 2014237850 A JP2014237850 A JP 2014237850A JP 2014237850 A JP2014237850 A JP 2014237850A JP 6357084 B2 JP6357084 B2 JP 6357084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
free piston
pressure
piston
extension
side free
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014237850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016098951A (ja
Inventor
健人 榊原
健人 榊原
隆紀 北
隆紀 北
和敏 高久
和敏 高久
中原 学
学 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kayaba System Machinery Co Ltd
Original Assignee
Kayaba System Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba System Machinery Co Ltd filed Critical Kayaba System Machinery Co Ltd
Priority to JP2014237850A priority Critical patent/JP6357084B2/ja
Publication of JP2016098951A publication Critical patent/JP2016098951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6357084B2 publication Critical patent/JP6357084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

この発明は、可変剛性装置に関する。
建築物の振動を低減する制震装置としては、建築物の層間に設けられる制震ダンパがある。制震ダンパは、建築物の柱と梁からなるラーメン内に配置されて、上下階の梁のずれに対して減衰力を発揮して建築物の振動を抑制するようになっている。
ところで、多階層の建築物では、振動が入力された場合、複数の固有振動数で振動することが知られており、建築物の揺れの主成分である一次の周波数成分のほかに、建築物の質点数により二次、三次というように高次の周波数成分が前記揺れに重畳される。
三次以上の固有振動数は、一次の固有振動数に比較して非常に高く、建築物の振動を抑制するには、二次の固有振動数の振動を考慮すれば足りることがほとんどであり、このことから、減衰係数を可変にすることで、一次の固有振動数の振動のみならず、二次の固有振動数の振動についても低減することができる制震ダンパ(たとえば、特許文献1参照)が開発されるに至っている。
特開2002−54675号公報
しかしながら、前記した制震ダンパでは、減衰係数を最適化することで、二次の固有振動数の振動成分についても低減することができるのであるが、減衰係数を可変にしても揺れの主成分である一次の固有振動数の振動については、パッシブな制震ダンパと同等の低減効果しか得られない。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、建築物の振動を効果的に抑制することができる可変剛性装置を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段における可変剛性装置は、シリンダ内に圧側室を形成する圧側フリーピストンと、シリンダ内に伸側室を形成する伸側フリーピストンと、シリンダの内周に設けたストッパ部と、圧側フリーピストンと伸側フリーピストンとの間に配置されるピストンと、圧側室と伸側室とを連通する通路と、通路に設けられる開閉弁とを備えているので、開閉弁の通路の開閉に応じて伸縮時に発揮する剛性を変化させることができる。したがって、この可変剛性装置を建築物の柱と梁との間や、上下階の梁間に介装して、開閉弁を開いた状態と閉じた状態とで、建築物のラーメンの横方向の見かけ上の剛性を変化させることができる。
さらに、請求項2に対応した課題解決手段における可変剛性装置では、圧側フリーピストンの圧側室の圧力を受ける受圧面積の二乗の値と伸側フリーピストンがストッパ部に当接した状態における伸側室の容積の二乗の値とを乗じた値と、伸側フリーピストンの伸側室の圧力を受ける受圧面積の二乗の値と圧側フリーピストンがストッパ部に当接した状態における圧側室の容積の二乗の値とを乗じた値とが等しいので、通路の閉鎖時に、可変剛性装置が伸長作動しても収縮作動しても可変剛性装置の剛性を等しくすることができる。このように、剛性に偏りがなくなるので、伸縮が継続する場合に、可変剛性装置が建築物を一方側へ偏心させてしまうこともない。
また、請求項3に対応した課題解決手段における可変剛性装置では、圧側フリーピストンと伸側フリーピストンの受圧面積を等しくして、ピストンロッドが伸側フリーピストンに形成される孔に摺動するようにし、さらに、圧側室の容積と伸側室の容積を等しくしてあるため、通路の閉鎖時と開放時の両方で、可変剛性装置が伸長作動しても収縮作動しても可変剛性装置の剛性を等しくすることができる。このように、剛性に偏りがなくなるので、伸縮が継続する場合に、可変剛性装置が建築物を一方側へ偏心させてしまうこともない。
さらに、請求項4に対応した課題解決手段における可変剛性装置では、圧側フリーピストンに圧側室側へ向く凹部を有する圧側Uパッキンを設け、伸側フリーピストンに伸側室側へ向く凹部を有する伸側Uパッキンを設けているので、圧縮されることで高圧となる圧側室および伸側室の圧力を受けて、シリンダと伸側フリーピストンおよび圧側フリーピストンとの間を密にシールすることができ、圧側フリーピストンと伸側フリーピストンの間の空間へ作動油の漏洩を防止することができる。このように前記空間への作動油の漏洩を防止できるから、圧側フリーピストンと伸側フリーピストンからピストンが離間して遊びができ、可変剛性装置の伸縮初期における剛性の低下を阻止することができる。
よって、本発明の可変剛性装置によれば、建築物の振動を効果的に抑制することができる可変剛性装置を提供することである。
一実施の形態における可変剛性装置の概略断面図である。
図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態における可変剛性装置1は、図1に示すように、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されてシリンダ2内の一端側である図1中左方側に圧側室R1を形成する圧側フリーピストン3と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されてシリンダ2内の他端側である図1中右方側に伸側室R2を形成する伸側フリーピストン4と、シリンダ2内であって圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4との間に配置されるピストン5と、ピストン5に連結されるピストンロッド6と、圧側室R1と伸側室R2とを連通する通路7と、通路7に設けられる剛性調整弁としての開閉弁8とを備えて構成されている。
以下、可変剛性装置1の各部について詳細に説明する。シリンダ2は、筒状であって両端が閉塞されており、また、中央に内周側へ突出する環状のストッパ部2aが設けられている。このシリンダ2にあっては、ストッパ部2aの図1中左方側の内径を当該ストッパ部2aの図1中右方側の内径よりも小さくしてある。つまり、シリンダ2の内径は、ストッパ部2aが最小で、ストッパ部2aの図1中左方側の内径がその次に小さく、ストッパ部2aの図1中右方側の内径が一番大きい。なお、ストッパ部2aは、圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4の移動を規制するために設けられていて、この規制機能を発揮できる形状であればよい。よって、ストッパ部2aは、横断面C型であってもよいし、シリンダ2の内周の同一円周上に設けた単数或いは複数の突起で形成されてもよい。
そして、シリンダ2内であってストッパ部2aより図1中左方側には、圧側フリーピストン3が摺動自在に挿入されている。この圧側フリーピストン3は、シリンダ2内であって当該圧側フリーピストン3よりも図1中左方側に圧側室R1を形成している。また、圧側フリーピストン3は、周方向に沿って形成された環状溝3aを備えている。この環状溝3a内には、図1中左方側となる圧側室R1側へ向く凹部9aを有してシリンダ2の内周に摺接する圧側Uパッキン9が装着されている。
シリンダ2内であってストッパ部2aより図1中右方側には、伸側フリーピストン4が摺動自在に挿入されている。この伸側フリーピストン4は、シリンダ2内であって当該伸側フリーピストン4よりも図1中右方側に伸側室R2を形成している。また、伸側フリーピストン4は、周方向に沿って形成された環状溝4bを備えている。この環状溝4b内には、図1中右方側となる伸側室R2側へ向く凹部10aを有してシリンダ2の内周に摺接する伸側Uパッキン10が装着されている。伸側フリーピストン4は、中央に軸方向に貫通する孔4aが設けられている。
圧側フリーピストン3は、ストッパ部2aに当接すると、伸側室R2側への移動が規制される。他方の伸側フリーピストン4は、ストッパ部2aに当接すると、圧側室R1側への移動が規制される。
シリンダ2内であって、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4との間には、ストッパ部2aの内径より小径であって孔4aよりも大径なピストン5が配置されている。ピストン5の軸方向の幅は、ストッパ部2aの軸方向の幅に一致させてあって、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4とがストッパ部2aに当接するとピストン5もこの圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4に当接して両者によって挟まれるようになっている。
ピストンロッド6は、一端がピストン5に連結されており、伸側フリーピストン4に設けた孔4a内に摺動自在に挿通されるとともに、他端がシリンダ2の図1中右端を貫通して外方へと突出している。つまり、ピストンロッド6は、伸側フリーピストン4を摺動自在に貫通している。
したがって、ピストンロッド6が外部入力によってシリンダ2に対して内方へ侵入する方向である図1中左方へ移動する場合、ピストン5が圧側フリーピストン3に接触している状態では、ピストン5が圧側室R1を圧縮する方向へ圧側フリーピストン3を押圧するため、ピストンロッド6と圧側フリーピストン3が共に移動することになる。
なお、この実施の形態の場合、圧側フリーピストン3を軸方向に見た面積と伸側フリーピストン4を軸方向に見た面積とが等しい。したがって、圧側フリーピストン3の圧側室R1内の圧力受ける受圧面積と伸側フリーピストン4の伸側室R2内の圧力受ける受圧面積とが等しくされている。
また、圧側フリーピストン3がストッパ部2aに当接した状態における圧側室R1の容積と、伸側フリーピストン4がストッパ部2aに当接した状態における伸側室R2の容積を等しくしてある。
そして、シリンダ2内には、作動油が充填される。具体的には、シリンダ2内であって、圧側室R1、伸側室R2および圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4との間の空間Sに、作動油が充填される。
通路7は、シリンダ2の両端に設けたポート2b,2cを接続して、圧側室R1と伸側室R2とを連通している。また、通路7には、この通路7を開閉する開閉弁8が設けられている。
可変剛性装置1は、以上のように構成されており、以下のように作動する。通路7が開閉弁8によって閉鎖されている場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通されておらず、圧側室R1と伸側室R2の作動油は互いに行き来することができない。
そして、ピストン5が図1に示す位置にある状態から外力を与えてピストンロッド6を図1中左方へ移動させようとする場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通されていないので、ピストン5が圧側フリーピストン3を押圧して圧側室R1のみを圧縮しようとする。作動油には、気体が溶け込んでいて圧力を加えることで、見かけ上、弾性を示すことから、ピストンロッド6を押圧する外力の大きさに応じて圧側室R1内の作動油が圧縮せしめられて、圧側フリーピストン3が作動油の弾性変形に見合うだけ圧側室R1側へ変位する。ピストンロッド6への外力負荷を停止すれば、作動油の見かけ上の弾発力で圧側フリーピストン3はストッパ部2aに当接する位置へ復帰し、ピストン5も中央に戻されることになる。
対して、通路7が開閉弁8によって開放されている場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通される。この状態で、ピストン5が図1に示す位置にある状態から外力を与えてピストンロッド6を図1中左方へ移動させようとする場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通されているので、ピストン5が圧側フリーピストン3を押圧して圧側室R1および伸側室R2を圧縮しようとする。このピストンロッド6の動きによって、伸側室R2内も圧縮されて圧力が上昇するが、伸側フリーピストン4がストッパ部2aに当接していて、伸側室R2内の容積はそれ以上拡大の余地はない。しかしながら、開閉弁8が閉じていた場合に比べ、今度は、圧側室R1のみならず伸側室R2の作動油もともに圧縮されるため、圧縮される作動油のボリュームは多くなることから、作動油が圧側フリーピストン3による圧縮に対抗して押し返そうとする反発力は小さくなる。なお、ピストンロッド6への外力負荷を停止すれば、作動油の見かけ上の弾発力で圧側フリーピストン3はストッパ部2aに当接する位置へ復帰し、ピストン5も中央に戻されることになる。よって、通路7の閉鎖時と開放時とでピストンロッド6に加える外力を同じにしても、圧側フリーピストン3の変位量は閉鎖時に比べて開放時のほうが大きくなる。つまり、可変剛性装置1の剛性は、通路7の閉鎖時よりも開放時のほうが小さくなり、開閉弁8の開閉によって高剛性と低剛性とを選択することができる。
つづいて、通路7を開閉弁8により閉鎖して、ピストン5が図1に示す位置にある状態から外力を与えてピストンロッド6を図1中右方へ移動させようとする場合を考える。この場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通されていないので、ピストン5が伸側フリーピストン4を押圧して伸側室R2のみを圧縮しようとする。したがって、この場合には、ピストンロッド6を押圧する外力の大きさに応じて伸側室R2内の作動油が圧縮せしめられて、伸側フリーピストン4が作動油の弾性変形に見合うだけ伸側室R2側へ変位する。ピストンロッド6への外力負荷を停止すれば、作動油の見かけ上の弾発力で伸側フリーピストン4はストッパ部2aに当接する位置へ復帰し、ピストン5も中央に戻されることになる。
対して、通路7が開閉弁8によって開放されている場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通される。この状態で、ピストン5が図1に示す位置にある状態から外力を与えてピストンロッド6を図1中右方へ移動させようとする場合、圧側室R1と伸側室R2とが連通されているので、ピストン5が伸側フリーピストン4を押圧して伸側室R2および圧側室R1を圧縮しようとする。このピストンロッド6の動きによって、圧側室R1内も圧縮されて圧力が上昇するが、圧側フリーピストン3がストッパ部2aに当接していて、圧側室R1内の容積はそれ以上拡大の余地はない。しかしながら、開閉弁8が閉じていた場合に比べ、今度は、伸側室R2のみならず圧側室R1の作動油もともに圧縮されるため、圧縮される作動油のボリュームは多くなることから、作動油が伸側フリーピストン4による圧縮に対抗して押し返そうとする反発力は小さくなる。なお、ピストンロッド6への外力負荷を停止すれば、作動油の見かけ上の弾発力で伸側フリーピストン4はストッパ部2aに当接する位置へ復帰し、ピストン5も中央に戻されることになる。よって、通路7の閉鎖時と開放時とでピストンロッド6に加える外力を同じにしても、伸側フリーピストン4の変位量は閉鎖時に比べて開放時のほうが大きくなる。つまり、可変剛性装置1の剛性は、通路7の閉鎖時よりも開放時のほうが小さくなり、開閉弁8の開閉によって高剛性と低剛性とを選択することができる。
つまりこの可変剛性装置1の剛性は、伸縮の両側で通路7の閉鎖時よりも開放時のほうが小さくなり、開閉弁8の開閉によって高剛性と低剛性とを選択することができる。また、可変剛性装置1は、ストッパ部2aで圧側フリーピストン3の伸側室R2側への移動を規制するとともに、伸側フリーピストン4の圧側室R1側への移動を規制している。これにより、通路7を開放する際に圧側室R1および伸側室R2を圧縮することができ、伸長作動時に圧側室R1および伸側室R2が減圧されてシリンダ2外から気体を吸い込んでしまうようなバキュームを起こすこともなく、安定した作動を呈することができる。
前記したように、本発明の可変剛性装置1では、開閉弁8の通路7の開閉に応じて伸縮時に発揮する剛性を変化させることができる。したがって、この可変剛性装置1を建築物の柱と梁との間や、上下階の梁間に介装して、開閉弁8を開いた状態と閉じた状態とで、建築物のラーメンの横方向の見かけ上の剛性を変化させることができる。
このように、可変剛性装置1によれば、建築物に振動が入力された際に、建築物のラーメンの横方向の剛性を変化させることで、建築物の固有振動数を可変にすることができる。具体的には、建築物に振動が入力された際に、可変剛性装置1で建築物のラーメンの横方向の剛性を低くすることで、建築物をしなりやすくして、建築物の一次の固有振動数の振動を効果的に抑制することができる。
さらに、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の受圧面積を等しくして、ピストンロッド6が伸側フリーピストン4を摺動自在に貫通しており、圧側フリーピストン3がストッパ部2aに当接した状態における圧側室R1の容積と、伸側フリーピストン4がストッパ部2aに当接した状態における伸側室R2の容積を等しくしてある。可変剛性装置1が通路7の閉鎖時に伸縮した場合に、圧縮される圧側室R1と伸側室R2内の作動油量は伸縮両側で等しく、その圧力を受ける圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の受圧面積が等しいので、通路7の閉鎖時の伸縮両側で可変剛性装置1の剛性は伸縮両側で等しくなる。また、可変剛性装置1が通路7の開放時に伸縮した場合に、圧縮されるのは圧側室R1と伸側室R2の両方であるから圧縮される作動油量は伸縮両側で等しく、かつ、その圧力を受ける圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の受圧面積が等しいので、通路7の開放時も伸縮両側で可変剛性装置1の剛性は伸縮両側で等しくなる。よって、前記のように設定することで、通路7の閉鎖時と開放時の両方で、可変剛性装置1が伸長作動しても収縮作動しても可変剛性装置1の剛性を等しくすることができる。このように、剛性に偏りがなくなるので、伸縮が継続する場合に、可変剛性装置1が建築物を一方側へ偏心させてしまうこともない。
なお、開閉弁8が閉弁している状態で、可変剛性装置1が伸長作動しても収縮作動しても可変剛性装置1の剛性を等しくするには、以下のように設定してもよい。圧側フリーピストン3の受圧面積をAとし、圧側フリーピストン3がストッパ部2aとピストン5の少なくとも一方に当接した状態における圧側室R1の容積をVとし、伸側フリーピストン4の受圧面積をAとし、伸側フリーピストン4がストッパ部2aとピストン5の少なくとも一方に当接した状態における伸側室R2の容積をVとすると、A ×V=A ×V(条件式)の条件を満たせば、開閉弁8が閉弁している状態で、可変剛性装置1が伸長作動しても収縮作動しても可変剛性装置1の剛性が等しくなる。可変剛性装置1の剛性をKとする。剛性が伸縮両方で等しいので、収縮時に距離xだけ縮んだ際の可変剛性装置1が発揮する力F=K・x(式1)と、伸長時に距離xだけ伸びた際の可変剛性装置1が発揮する力F=K・x(式2)とが等しくなる。また、圧側室R1内の圧力をPとし、伸側室R2の圧力をPとし、前記力を圧力で表現すると、縮側の可変剛性装置1が発揮する力F=A・P(式3)と、伸側の可変剛性装置1が発揮する力F=A・P(式4)とが等しくなる。さらに、収縮時に距離xだけ縮んだ際の圧側室R1の体積変化をΔVとすると、距離xとの関係で、ΔV=A・x(式5)となり、伸長時に距離xだけ伸びた際の伸側室R2の体積変化をΔVとすると、距離xとの関係で、ΔV=A・x(式6)となる。以上、式1から式6の6つの関係式を、可変剛性装置1が伸縮両側で発揮する剛性が等しくなることに着目して整理すると、A ×V=A ×Vの条件式を導き出すことができる。この条件式が要求する条件を満たせば、開閉弁8の閉弁時に可変剛性装置1が伸縮両側で発揮する剛性を等しくできるのである。
なお、前述したところでは、ピストンロッド6がピストン5の一方側へ伸びており、可変剛性装置1は、片ロッド型とされているが、ピストンロッド6をピストン5の両側へ伸ばして、伸側フリーピストン4だけでなく、圧側フリーピストン3にもピストンロッド6を挿通を許容するとともにピストン5より小径の孔を設けて、ピストンロッド6が圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4を摺動自在に貫通するようにしてもよい。この場合、ピストンロッド6の両端は、シリンダ2の左右両端から外方へ突出させておくようにすればよい。このように可変剛性装置1を両ロッド型とするようにしても、ピストンロッド6に外力を与えてシリンダ2に対して軸方向に移動させることで、開閉弁8の閉鎖時には、圧側室R1或いは伸側室R2のみを圧縮することができ、開閉弁8の開放時には、圧側室R1および伸側室R2の双方を圧縮することができ、開閉弁8の開閉によって、可変剛性装置1の剛性を変化させることができる。
さらに、ピストンロッド6を孔4a内に摺動自在に挿入することで、ピストンロッド6がシリンダ2と伸側フリーピストン4の双方に軸支されるから、ピストンロッド6は、シリンダ2に対して傾ぐことなく安定して伸縮作動を呈することができる。
また、孔4aの内径よりもピストン5が大径であって孔4aをピストン5によって閉塞できるから、ピストンロッド6を図1中右方へ移動させる場合にあっても、伸側室R2内の圧力で伸側フリーピストン4がピストン5に押し付けられて密着して、伸側室R2から空間Sへの作動油の漏洩を防止することができる。このように空間Sへの作動油の漏洩を防止できるから、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の一方または両方がストッパ部2aへ当接する位置まで戻ることができなくなってしまい、ピストン5と圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4とが離間して遊びができてしまうことも防止することができる。前述のように遊びが生じると、ピストン5が圧側フリーピストン3或いは伸側フリーピストン4に接触するまで可変剛性装置1の剛性が設定どおりとはならずに低くなる可能性が生じることになるが、前述の手立てで伸縮初期の剛性の低下を阻止することができる。また、ピストンロッド6を孔4a内に摺動自在に挿入しているので、伸側フリーピストン4とピストンロッド6との間の隙間が小さい。そのため、伸側フリーピストン4が伸側室R2を圧縮している状態からピストン5が外力で中央に急に戻されてピストン5から伸側フリーピストン4が離間することがあっても、伸側室R2の作動油がピストンロッド6と伸側フリーピストン4との間を通過して空間Sへ漏洩してしまうことを抑制することができる。なお、空間Sへの作動油の漏洩をより確実に阻止したい場合には、伸側フリーピストン4の内周にピストンロッド6の外周に摺接するシールリングを設けるとよい。また、ピストン5と伸側フリーピストン4の一方にピストン5と伸側フリーピストン4の他方に当接するシールリングを設けて、空間Sへの作動油の漏洩を防止してもよい。
また、圧側フリーピストン3には、圧側室R1側へ向く凹部9aを有してシリンダ2の内周に摺接する圧側Uパッキン9が設けられ、伸側フリーピストン4には、伸側室R2側へ向く凹部10aを有してシリンダ2の内周に摺接する伸側Uパッキン10が設けられている。Uパッキン9,10以外のシールリングを利用することも当然に可能であるが、圧縮されることで高圧となる圧側室R1および伸側室R2に凹部9a,10aを向けた圧側Uパッキン9および伸側Uパッキン10を用いることで、圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4の外周を介して前記空間Sへ作動油が漏洩することを確実に阻止できる。このように空間Sへの作動油の漏洩を防止できるから、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の一方または両方がストッパ部2aへ当接する位置まで戻ることができなくなってしまい、ピストン5と圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4とが離間して遊びができてしまうことも防止することができる。
なお、可変剛性装置1の伸縮時に、圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4の変位量が大きく、空間Sが大きく拡大されて作動油の体積変化では吸収しきれない場合には、図1中破線で示すように、アキュムレータAを設けて、このアキュムレータAを空間Sに接続しておくとよい。アキュムレータA内の圧力は、常に、圧側室R1および伸側室R2の圧力よりも低くしておくことで、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4の一方または両方がストッパ部2aへ当接することができなくなる事態も生じず、ピストン5の動きに遊びも生じることはない。アキュムレータAは、たとえば、ピストン5やピストンロッド6に設けるほか、シリンダ2外へ設けることも可能である。
また、ストッパ部2aの軸方向幅とピストン5の軸方向幅を等しくしておくことで、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4とがストッパ部2aへ当接する位置まで戻ることができ、かつ、その状態で圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4とがピストン5に当接する。そのため、ピストン5と圧側フリーピストン3および伸側フリーピストン4とが離間して遊びができることがなく、開閉弁8が通路7を閉塞しているか開放しているかかかわらず、可変剛性装置1は、伸縮初期から設定どおりに剛性を発揮することができる。
なお、ピストン5の軸方向幅がストッパ部2aの軸方向幅よりも長い場合、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4とが圧側室R1および伸側室R2の圧力でシリンダ2の中央へ戻された場合、ピストン5に当接する状態となるので、開閉弁8が通路7を閉塞する際には、可変剛性装置1は、伸縮初期から設定どおりの剛性を発揮することができる。ピストン5の軸方向幅がストッパ部2aの軸方向幅よりも長く、たとえば、伸側フリーピストン4がストッパ部2aから離間しており、ピストン5が圧側フリーピストン3を押圧して圧側室R1を圧縮する場合、開閉弁8が通路7を開放している状態では、伸側フリーピストン4がピストン5の移動によって、ストッパ部2aに当接するまで移動するため、伸側フリーピストン4がストッパ部2aに当接するまでは可変剛性装置1の剛性が設定よりも低くなるが、その後は、設定どおりに剛性を発揮することになる。逆に、ピストン5の軸方向幅がストッパ部2aの軸方向幅よりも短い場合、圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4とがストッパ部2aに当接した状態で、ピストン5が圧側フリーピストン3と伸側フリーピストン4との間で遊ぶために、開閉弁8の開閉によらず、可変剛性装置1の伸縮初期で剛性が設定よりも低くなる。このように、ピストン5の軸方向幅とストッパ部2aの軸方向幅が異なる場合、剛性を可変にすることができる効果を失うことはないが、伸縮初期で可変剛性装置1の剛性が低くなる場合がある。
また、前述したところでは、通路7に剛性調整弁として開閉弁8を設け、開閉弁8の開閉で可変剛性装置1の剛性を変化させているが、開閉弁8の代わりに通路7を通過する液体の流れに与える抵抗を変更できる減衰弁或いは圧力制御弁を剛性調整弁としてもよい。このように、剛性調整弁に流路面積の可能な減衰弁或いは圧力制御が可能な圧力制御弁を利用すると、通路7の抵抗を無段階に調整でき、可変剛性装置1の剛性を無段階に調整できる。また、剛性調整弁には、開弁圧の設定のあるリリーフ弁の利用も可能である。過大な入力が可変剛性装置1に入力された場合に、リリーフ弁を開弁させて可変剛性装置1内が過剰圧力となるのを防止できる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 可変剛性装置
2 シリンダ
2a ストッパ部
3 圧側フリーピストン
3a 孔
4 伸側フリーピストン
5 ピストン
6 ピストンロッド
7 通路
8 剛性調整弁としての開閉弁
9 圧側Uパッキン
9a 圧側Uパッキンにおける凹部
10 伸側Uパッキン
10a 伸側Uパッキンにおける凹部
R1 圧側室
R2 伸側室

Claims (4)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内の一端側に圧側室を形成する圧側フリーピストンと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内の他端側に伸側室を形成する伸側フリーピストンと、
    前記シリンダ内であって前記圧側フリーピストンと前記伸側フリーピストンとの間に配置されるピストンと、
    前記圧側フリーピストンと前記伸側フリーピストンの一方または両方を貫通して前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記シリンダの内周側へ突出して、前記圧側フリーピストンに当接すると前記圧側フリーピストンの前記伸側室側への移動を規制するとともに、前記伸側フリーピストンに当接されると前記伸側フリーピストンの前記圧側室側への移動を規制するストッパ部と、
    前記圧側室と前記伸側室とを連通する通路と、
    前記通路に設けられる剛性調整弁と
    を備えたことを特徴する可変剛性装置。
  2. 前記圧側フリーピストンの前記圧側室の圧力を受ける受圧面積の二乗の値と、前記伸側フリーピストンが前記ストッパ部に当接した状態における前記伸側室の容積の二乗の値とを乗じた値と、
    前記伸側フリーピストンの前記伸側室の圧力を受ける受圧面積の二乗の値と、前記圧側フリーピストンが前記ストッパ部に当接した状態における前記圧側室の容積の二乗の値とを乗じた値とが
    等しいことを特徴とする請求項1に記載の可変剛性装置。
  3. 前記ピストンロッドは、前記圧側フリーピストンと前記伸側フリーピストンの一方または両方を摺動自在に貫通し、
    前記圧側フリーピストンの前記圧側室の圧力を受ける受圧面積と前記伸側フリーピストンの前記伸側室の圧力を受ける受圧面積とが等しく、
    前記圧側フリーピストンが前記ストッパ部に当接した状態における前記圧側室の容積と、前記伸側フリーピストンが前記ストッパ部に当接した状態における前記伸側室の容積を等しくした
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の可変剛性装置。
  4. 前記圧側フリーピストンは、
    外周に装着されて、前記圧側室へ向く凹部を有して前記シリンダの内周に摺接する圧側Uパッキンを備え、
    前記伸側フリーピストンは、
    外周に装着されて、前記伸側室へ向く凹部を有して前記シリンダの内周に摺接する伸側Uパッキンを備えた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の可変剛性装置。
JP2014237850A 2014-11-25 2014-11-25 可変剛性装置 Active JP6357084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237850A JP6357084B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 可変剛性装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014237850A JP6357084B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 可変剛性装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098951A JP2016098951A (ja) 2016-05-30
JP6357084B2 true JP6357084B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=56077450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014237850A Active JP6357084B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 可変剛性装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6357084B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112595476B (zh) * 2020-11-27 2022-06-28 中国航发四川燃气涡轮研究院 一种航空发动机真空膜盒组件刚度的测量方法及装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068668B2 (ja) * 1985-08-09 1994-02-02 自動車機器株式会社 変速機操作装置
JPH0751857B2 (ja) * 1991-02-26 1995-06-05 鹿島建設株式会社 制震構造物
JP2000272529A (ja) * 1999-03-29 2000-10-03 Kobelco Contstruction Machinery Ltd 走行車両のステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016098951A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100914596B1 (ko) 차량용 단통형 액압 완충기
EP3092420B1 (en) Multi-stage shock absorber
KR101653475B1 (ko) 댐퍼
JP2014015994A (ja) 緩衝器のバルブ構造
KR20110100164A (ko) 완충기
KR102349894B1 (ko) 내장형 전자 제어 댐퍼
KR20130024872A (ko) 완충기
JP3214007U (ja) ガススプリング
JP2011158019A (ja) 緩衝器
JP6487784B2 (ja) 緩衝器
MX2014015358A (es) Amortiguador para bisagras.
JP6463934B2 (ja) サスペンション装置
JP2008232436A (ja) 振幅選別的減衰力を有する振動ダンパ
JP6357084B2 (ja) 可変剛性装置
JP6263032B2 (ja) ダンパ
JP6339716B1 (ja) 圧力緩衝装置
JP2018150952A (ja) 圧力緩衝装置
JP2018204763A (ja) 免震装置
JP7116646B2 (ja) ダンパ
JP5970569B2 (ja) 緩衝器
JP5106347B2 (ja) 液圧緩衝器
CN108138889A (zh) 减震器
JP5746237B2 (ja) ピストン及びピストンを備える緩衝器
JP2015121250A (ja) ツインピストン・ダンパー
JP2010054009A (ja) 緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170720

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6357084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350