JP6485213B2 - 粘着テープ基材用ポリエステルフィルムおよび粘着テープ - Google Patents

粘着テープ基材用ポリエステルフィルムおよび粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、粘着テープ基材用ポリエステルフィルムおよび粘着テープに関し、さらに詳しくは、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器や薄膜表示体等の部材固定用、光ディスクの基板貼り合わせ用、偏光板の固定用、グラファイトシート貼り合わせ用として好適な粘着テープの基材に関するものである。
近年、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子・光学部品などにおいては、高機能化と並行して、薄型化や軽量化、さらには表示体のペーパー化などが図られている。例えば携帯電話は、表示の拡大化と携帯性とを向上させるために、構成される主要部品それぞれが薄膜化傾向にある。また、携帯電話のCPUでの局所的な発熱を分散させるグラファイトシートでは基材の厚さはグラファイトの熱分散性を妨げるため粘着テープの薄膜化が必要となる。
上記の用途において一部では粘着材層を転写するテープを使用して薄型化に対応しているが、この場合、芯材がないため、耐久性に劣るという問題が生じる。そこで、超薄膜の両面テープが多く開発されるようになり、特許文献1および2などには、基材として1〜3μmのポリエステルフィルムに粘着剤層を有する粘着テープが開示されている。
しかしながら、上記文献には、粘着テープの厚さ構成と破断強度、粘着剤層の構成については開示されているが、基材ポリエステルフィルムについては具体的に記載されていない。
特に近年、グラファイトシートの熱分散性上昇のため、例えば、6μmという極めて薄い両面粘着テープが要求される場合があり、所望する粘着力を発揮するためには3μm以下の極めて薄いポリエステルフィルムを基材として使用しなければならない状況にある。
ところが、一般的にポリエステルフィルムの厚さが薄膜化されると、巻取り性を向上させるため、フィルム中に大きな粒子を含有させることが通常行われている。しかしながら、粒径が大きすぎると、粒子によるフィルム表面の突起が大きすぎて、突起周辺の厚さが大きくなり、接着部材に許容されるクリアランスを超える不具合が生じることがある。
一方、巻き取り性が十分に確保できる程度の大きな粒子を、接着部材に許容されるクリアランスを超えない程度に抑えて添加すると、ポリエステルフィルムの表面が平滑すぎて、ポリエステルフィルムの生産時にシワが発生しやすくなる。
このように、両面粘着テープの芯材として用いる粘着テープ基材用ポリエステルフィルムフィルムについては、接着部材に許容されるクリアランスを満たす設計とした場合、ポリエステルフィルムの生産時に十分な生産性を確保することは難しいという課題を抱えている。
特開2005−105212号公報 特開2007−169327号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、巻取り性や作業性を向上させるだけでなく、例えば、6μm以下の極めて薄い厚さを要求される接着部材として好適な粘着テープ基材用ポリエステルフィルムおよび粘着テープを提供することにある。
本発明者らは、上記の解決課題について、鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムを用いれば、前記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、平均粒径が0.3〜0.7μmの粒子を1500〜2500ppm、平均粒径が1.3〜2.0μmの粒子を800〜1500ppm含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルムの厚さが0.8〜3.0μmの範囲であることを特徴とする粘着テープ基材用ポリエステルフィルムフィルム、および当該フィルムの少なくとも一方の面に、厚み0.5〜5.2μmの粘着剤層を有し、総厚さが6μm以下であることを特徴とする粘着テープに存する。
本発明の粘着テープは、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子・光学部品の部材固定用、グラファイトシート用の粘着テープとして極めて薄いクリアランスにも好適に用いることができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明の粘着テープの基材のポリエステルフィルムは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸したフィルムである。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して 重縮合させる方法が採用される。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムには、フィルム製膜時の巻き上げ工程や、粘着テープ作製時や使用時の作業性を向上させるため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性が付与される。
具体的には、本発明におけるポリエステルフィルムには、平均粒径が0.3〜0.7μmの粒子(以下、粒子1と略記することがある)を1500〜2500ppm添加する必要がある。粒子1の平均粒径が0.3μm未満の場合、およびその添加量が1500ppm未満の場合は、ポリエステルフィルムの表面の粗面化が不足し、生産時にシワが発生しやすくなる。一方、粒子1の平均粒径が0.7μmよりも大きい場合、およびその添加量が2500ppmを超える場合は、ポリエステルフィルムの外観が白っぽくなり、その結果、両面テープとしたときの検査性が悪化する。
また、本発明におけるポリエステルフィルムには、平均粒径が1.3〜2.0μmの粒子(以下、粒子2と略記することがある)を800〜1500ppm含有する必要がある。粒子2の平均粒径が1.3μm未満の場合、およびその添加量が800ppm未満の場合は、ポリエステルフィルムの生産時および加工時の巻取性が悪くなる。一方、粒子2の平均粒径が2.0μmを超える場合、およびその添加量が1500ppmを超える場合は、フィルム表面の突起が粘着層を突き抜ける不具合が生じたり、粘着層が2.0μm以下の場合には、突起が粘着層を突き抜け、接着性に不具合が生じたりする。
かかる粒子の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂や架橋高分子微粉体等の有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や加工性を考慮すると、フィルム表面の平均粗さ(Ra)は、0.03〜0.07μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.04〜0.06μmの範囲であり、またフィルムの最大高さ(Rt)は1.4μm以下が好ましく、さらに好ましくは1.1μm以下である。
フィルム表面の平均粗さ(Ra)が0.03μmより小さい場合は、フィルム表面の粗面化が不足し、十分な巻取り作業性が得られないことがある。また、フィルムの表面粗さ(Ra)が0.07μmを超える場合、フィルム表面の粒子による突起が大きすぎて、突起周辺の厚さが大きくなり、接着部材に許容されるクリアランスを超えてしまう不具合が生じることがある。フィルムの最大高さ(Rt)が1.4μmを超える場合も、フィルム表面の突起が粘着層を突き抜ける不具合が生じる場合がある。以上のことより、巻取作業性と粘着性を考慮するとフィルムの平均粗さ(Ra)とフィルムの最大高さ(Rt)の調整が重要となる。
本発明におけるポリエステルフィルムに上記した粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法、ポリエステル製造工程系で粒子を析出させる方法になどによって行われる。
本発明で使用するポリエステルの極限粘度は、通常0.40〜0.90dl/g、好ましくは0.45〜0.80dl/g、さらに好ましくは0.50〜0.75dl/gである。極限粘度が0.40dl/g未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.90を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする場合がある。
本発明におけるポリエステルは、上記したポリエステル原料をエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、スリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては十分な寸法安定性を得るため延伸倍率を面積倍率として8倍以上が好ましく、さらに好ましくは10倍以上である。
本発明で使用するポリエステルフィルムの厚さは、0.8〜3.0μmの範囲であり、好ましくは1.2〜2.0μmの範囲である。ポリエステルフィルムの厚さが3.0μmを超えると、十分な粘着力を備えた粘着層を付与した時に薄膜両面テープを提供する本発明の目的が達せられない。厚さが0.8μmより薄くなるとフィルムの製膜性が著しく低下し製膜が非常に困難となる。
本発明で使用するポリエステルフィルムの収縮率(150℃において3分間熱処理)は、2.0%以下が好ましい。2.0%を超えると粘着基材として使用した時、フィルムの収縮によって部材のずれが生じたり、粘着剤の高温保持力が損なわれたりすることがある。
本発明の両面粘着テープの粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤、クリープ特性改良型粘着剤、放射線硬化型粘着剤などの公知の粘着剤から適宜選択して用いることができる。粘着剤は単独で使用してもよいし、必要に応じて、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
粘着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤は、アクリル系ポリマーを粘着性成分(ベースポリマー)または主剤とし、これに必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、架橋剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの適宜な添加剤が含まれている。前記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、これに必要に応じて前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルに対して、共重合が可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより調整されている。前記(メタ)アルキル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記共重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体またはその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類、酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリルイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体の他、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能基の共重合単量体(多官能基モノマー)などが挙げられる。共重合性単量体は単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
アクリル系ポリマーは、溶液重合法、エマルション重合法、紫外線照射重合法等の慣用の重合方法により調製することができる。
基材ポリエステルフィルムに設ける粘着剤層の厚さ(乾燥後)としては、それぞれ0.5〜5.2μmの範囲であり、かつ、粘着テープの総厚さとして6.0μm以下である。粘着剤層の厚さ(乾燥後)が0.5μm未満では、貼付適性の低下および粘着力の低下などの不具合が生じる。一方、粘着剤層の合計厚さ(乾燥後)が5.2μmを超えると、相対的に粘着テープの総厚みに占める、基材ポリエステルフィルムの厚さが減少し、加工適性の低下などの不具合が生じる。粘着テープの総厚さが6.0μmを超えると、薄膜粘着テープを提供する本発明の目的が達せられない。本発明においては、用途に応じて、基材ポリエステルフィルムの両面に粘着剤層を設けてもよいし、その過程で得られる片面粘着剤層付きポリエステルフィルムの構成であってもよい。
なお、基材ポリエステルフィルムに設けられる粘着剤層の厚さ(乾燥後)は、前記範囲にあれば、フィルム表裏ともにそれぞれ同じ厚さであってもよく、異なる厚さから構成されてもよい。
かくして得られた本発明の粘着テープにおいては、夏期の車内など、高温での使用に耐える耐久性付与を目的として、粘着力は2mN/10mm以上が好ましい。
本発明では、両面粘着テープの構成であって、通常、一方の粘着剤層側に重剥離型剥離フィルムが、他方の側の粘着剤層に軽剥離型剥離フィルムが貼付されている積層体構成が一般的である。重剥離型剥離フィルムの剥離力は、前記軽剥離型剥離フィルムの剥離力よりも大きい。重剥離型剥離フィルムの本発明に係る粘着剤層に対する剥離力は、通常20〜80mN/10mm程度、好ましくは25〜60mN/10mm程度である。
一方、軽剥離型剥離フィルムの本発明に係る粘着剤層に対する剥離力は、通常6〜30mN/10mm程度、好ましくは10〜20mN/10mm程度である。
本発明においては、前記重剥離型剥離フィルムの基材厚さは25〜100μmが好ましい。当該基材厚さが25μm未満であると、例えば、打ち抜き加工時の加工適性が低下することがあり、100μmより大きいと、経済的に不利となる傾向がある。
一方、軽剥離型剥離フィルムの基材厚さは、特に制限はないが、加工適性および経済性の点から、25〜50μmの範囲が好ましい。
前記の重剥離型剥離フィルムや軽剥離型剥離フィルムの材質に特に制限はなく、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムなどが挙げられるが、特に加工適正および経済性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、これらのフィルムの表面に塗布される剥離処理剤としてはシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系などの剥離剤を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系剥離剤が好ましい。
次に、本発明の両面粘着テープを製造する方法について説明する。
まず、前述の粘着剤組成物に、必要に応じて溶剤を加え、塗工に適した粘度に調製し、塗工液を作製する。次に、軽剥離型(または重剥離型)剥離フィルムの剥離処理面に、前記塗工液を乾燥後の膜厚が0.5〜5.2μmになるように、例えばバーコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、グラビアコート法、エアードクターコート法、ドクターブレードコート法など、従来公知の塗工方法により塗工し、80〜120℃程度の温度で数十秒〜数分間乾燥後、基材ポリエステルフィルムを貼合して片面粘着フィルムを作成する。
次いで、重剥離型(または軽剥離型)剥離フィルムの剥離処理面に、前記塗工液を乾燥後の膜厚が0.5〜5.2μmになるように、前記と同様に塗工、乾燥後、前記の片面粘着フィルムの基材ポリエステルフィルム面と貼合することにより、本発明の両面粘着テープが得られる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径、粒度分布
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてスト−クスの抵抗値にもとづく沈降法によって測定した。
(3)平均粗さRa、Rtの測定方法
小坂研究所製表面粗さ測定機SE3500を使用し、JIS−B−0601−1994の方法に準じてRa、Rtを測定した。なおカットオフ値は80μmとして測定した。
(4)基材ポリエステルフィルムの厚さの測定方法
試料の重量、長さ、幅、密度より次式にて測定した。
厚さ=(試料の重量)÷((試料の長さ)×(試料の幅)×(試料の密度))
(6)破断強度の測定方法
インテスコ社製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料サンプルを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により破断強度を求めた。なお、フィルムの縦方向(MD)と幅方向(TD)のそれぞれについて測定した。
破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2
(7)収縮率の測定方法
試料を無張力状態で所定の温度(150℃)に保ったオーブン中、3分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて算出した。なお、フィルムの縦方向(MD)と幅方向(TD)のそれぞれについて測定した。
収縮率={(熱処理前のサンプル長)−(熱処理後のサンプル長)}÷(熱処理前のサンプル長)×100
(8)粘着力の測定方法
実施例、比較例にて得られた粘着テープを25mm幅のサンプルにてJIS Z 1528に準じて測定した。すなわち、試験片の一方の粘着面の25mmの長さの部分をステンレス鋼製金属板に貼合した後に、他の一方の面の剥離フィルムを剥ぎ取り、試験片とほぼ同じ大きさのJIS C 2318に規定する厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて圧着し、JIS Z 0237の10(粘着力)により、試験板(ステンレス鋼製金属板)に対する180°引き剥がし粘着力を求めた。
(9)粘着剤層の厚さ
両面テープ(剥離フィルムA/粘着剤層A/基材ポリエステルフィルム/粘着剤層B/剥離フィルムB)を電子顕微鏡でテープの断面写真を撮影し、粘着剤層の厚さを計測した。測定は10回実施し、10回の平均値を粘着剤層の厚さとした。
(10)剥離フィルムの剥離力
50mm幅のサンプルにて、測定する側と逆側の剥離フィルムを剥ぎ取り、露出した粘着剤面をガラス板に貼付し、測定する側の剥離フィルムについて、引張試験機をもちいて、300mm/分の速度で180°方向に引き剥がす際の抵抗を測定し、剥離力とした。
(11)クリアランスの適合性
両面粘着テープを部品間のクリアランスが6.0μm以下となる部分に適用して、該クリアランスに適合させることができるか否かで判断し、適合できるものを「○」、適合できないものを「×」とした。
(12)作業性
試料フィルムの巻取工程において、フィルムの巻状態を下記判定基準により、判定を行った。
(判定基準)
○:シワが発生せず、かつ、端面のフィルムのズレがJIS1級に準ずるスケールにて測定した場合に1mm未満
×:シワが発生する、または、フィルム端面のズレがJIS1級に準ずるスケールにて測定した場合に1mm以上ずれる
(13)粘着テープの検査性
両面粘着テープを三波長蛍光灯にかざした透過検査で、その粘着層の塗布ムラやキズなどの外観を検査し、下記の判定基準により判定を行った。
(判定基準)
○:粘着テープの透明性が十分にあり、その内部に発生している粘着層の塗布ムラや表面に発生しているキズが十分に検知できる
×:粘着テープ自体が白っぽく見え、透過光が散乱して見えるため、粘着テープの内部に発生している粘着層の塗布ムラや表面に発生しているキズの検知に支障をきたす
以下の実施例および比較例にて使うポリエステル原料は次の方法にて製造した。
<ポリエステルAの製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として、酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェ−ト0.04部を添加した後、平均粒子0.4μmの不活性有機微粒子(ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子)3500ppmおよび三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルBのチップを得た。このポリエステルAの極限粘度は0.61であった。
<ポリエステルBの製造>
ポリエステルAの製造において、添加する粒子の平均粒径を1.7μmとし、3000ppm加える以外は該製造法と同様の方法で、極限粘度0.63のポリエステルBを得た。
<ポリエステルCの製造>
ポリエステルAの製造において、添加する粒子の平均粒径を2.4μmとし、3000ppm加える以外は該製造法と同様の方法で、極限粘度0.64のポリエステルCを得た。
<ポリエステルDの製造>
ポリエステルAの製造において、添加する粒子を平均粒径を0.05μmの酸化アルミニウム粒子とし、3500ppm加える以外は該製造法と同様の方法で、極限粘度0.63のポリエステルDを得た。
実施例1:
<基材フィルムの製造>
原料配合量を、ポリエステルA60%と、ポリエステルB40%とを均一にブレンドし、290℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を40℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に80℃で4.0倍、横方向に95℃で4.0倍に延伸し、さらに225℃で6秒間熱処理を施し、厚み2.0μmの基材フィルムを得た。この基材フィルムの特性を下記表1に示す。
<粘着剤組成物(塗工液)の製造>
重量平均分子量80万のアクリル酸エステル系重合体(アクリル酸ブチル95重量%、アクリル酸2重量%およびメタクリル酸メチル3重量%)、濃度30重量%の酢酸エチル溶液100重量部に対し、粘着性付与剤[荒川化学工業社製、商品名「パインクリスタルKE−359」、ロジンエステル系、軟化点94〜104℃、酸価10〜20mgKOH/g]30重量部、およびイソシアネート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5%]1重量部を加えてトルエンで希釈し、固形分濃度20重量%の粘着剤組成物(塗工液)を製造した。
<両面粘着テープの製造>
軽剥離型ポリエチレンテレフタレート(PET)剥離フィルム[三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイルMRE38」、フィルム厚さ38μm]の剥離処理面に前記塗工液を、乾燥後の膜厚が1.5μmになるようにナイフコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後、前記の厚さ1.5μmのポリエステルフィルムを貼合して、片面粘着フィルムを得た。
次いで重剥離型PET剥離フィルム[三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイルMRV38(V04)」、フィルム厚さ38μm]の剥離処理面に前記塗工液を、乾燥後の膜厚が1.5μmになるようにナイフコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後、前記の片面粘着フィルムのPET面と貼合して両面粘着テープを製造した。得られた両面粘着テープの軽剥離型PET剥離フィルムの剥離力は15mN/10mmであり、重剥離型PETフィルムの剥離力は30mN/10mmであった。この両面テープの特性を下記表1に示す。
実施例2〜3:
基材フィルムの製造において、原料配合量を表1に示す原料配合に変更する以外は実施例1と同様の製造法で基材フィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。この基材フィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
実施例4〜5:
基材フィルムの製造において、フィルムの厚さをそれぞれ、1.0μm、3.0μmに変更する以外は、実施例1の製造法と同様の方法で基材フィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。この基材フィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
比較例1〜4:
基材フィルムの製造において、原料配合量を表2に示す原料配合に変更する以外は実施例1と同様の製造法で基材フィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。この基材フィルムおよび両面粘着テープの特性を下記表2に示す。
比較例5〜6:
基材フィルムの製造において、フィルムの厚さを0.7μm、4.0μmに変えた以外は、実施例1の製造法と同様の方法で基材フィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。この基材フィルムおよび両面粘着テープの特性を表2に示す。ただし比較例2において、フィルムの厚さを0.7μmとして製膜を試みたが製膜性は著しく悪く、フィルムの採取に至らなかった。
Figure 0006485213
Figure 0006485213
本発明の粘着テープ基材用ポリエステルフィルムは、極めて薄いクリアランスを要求される用途において使用される接着部材として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 平均粒径が0.3〜0.7μmの粒子を1500〜2500ppm、平均粒径が1.3〜2.0μmの粒子を800〜1500ppm含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルムの厚さが0.8〜3.0μmの範囲であることを特徴とする粘着テープ基材用ポリエステルフィルムフィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着テープ基材用ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に、厚み0.5〜5.2μmの粘着剤層を有し、総厚さが6μm以下であることを特徴とする粘着テープ。
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