JP6484874B1 - ストーカ炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィーダ4と、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13と、排出シュート17と、を備えるストーカ炉1において、フィーダ4の上方から乾燥段11または燃焼段12の上方まで延在するフロントアーチ31と、排出シュート17の上方から後燃焼段13または燃焼段12の上方まで延在するリアアーチ32と、被焼却物Bの燃焼により発生する排ガスを導出する四角筒状の炉壁33と、を有し、乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13の各々の主面が、燃焼段12の上方に生成される主燃焼部Mに向くよう、乾燥段11は、搬送方向下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、燃焼段12は、搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、後燃焼段13は、搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されるストーカ炉。
【選択図】図1
Description
また、本発明によれば、ストーカ炉は、フィーダから被焼却物を供給し、複数の固定火格子と複数の移動火格子を備えた乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段で、前記被焼却物を順次搬送しつつ、それぞれ乾燥、燃焼、及び後燃焼を行い、前記後燃焼段に接続された排出シュートから前記後燃焼後の前記被焼却物を排出するストーカ炉において、前記フィーダの上方から前記乾燥段または前記燃焼段の上方まで延在するフロントアーチと、前記排出シュートの上方から前記後燃焼段または前記燃焼段の上方まで延在するリアアーチと、前記フロントアーチと前記リアアーチに接続され、前記被焼却物の燃焼により発生する排ガスを導出する炉壁と、を有し、前記乾燥段、前記燃焼段、及び前記後燃焼段の各々の主面が、前記燃焼段の上方に生成される主燃焼部に向くよう、前記乾燥段は、前記搬送方向下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、前記燃焼段は、前記乾燥段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、前記後燃焼段は、前記燃焼段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されることを特徴とする。
このため、乾燥段では、乾燥効率を向上させ、燃焼段では燃焼効率を向上させることができる。後燃焼段においても、効果的に灰化することができる。
すなわち、本発明のストーカ炉では、被焼却物の性状によらず被焼却物を連続投入でき、かつ、ストーカ全体として燃焼・灰化を効率的に行い、被焼却物の燃え残りを無くすることができる。
以下、本発明の第一実施形態のストーカ炉について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のストーカ炉は、ごみ等の被焼却物燃焼用ストーカ炉であり、図1に示すように、被焼却物Bを一時的に貯留するホッパ2と、被焼却物Bを燃焼させる焼却炉3と、焼却炉3に被焼却物Bを供給するフィーダ4と、焼却炉3の底部側に設けられたストーカ5(乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13の火格子15、16を含む)と、ストーカ5の下方に設けられた風箱6と、を備えている。
風箱6は、送風機(図示せず)からの一次空気をストーカ5の各部に供給する。
焼却炉3は、ストーカ5の上方に設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室からなる燃焼室9を有している。焼却炉3は、燃焼室9に二次空気を供給する二次空気供給ノズル10を有している。
以下、被焼却物Bが搬送される方向を搬送方向Dと呼ぶ。被焼却物Bは、ストーカ5上を搬送方向Dに搬送される。図1、図2、及び図3において、右側が搬送方向下流側D1である。また、火格子15、16が取り付けられる面を据付面と呼び、乾燥段11、燃焼段12、又は後燃焼段13の上流側の端部(11b、12b、13b)を中心として、水平面と据付面とによって形成される搬送方向D側の角度をストーカ傾斜角(据付角度)と呼ぶ。据付面の搬送方向下流側が水平面より上向きの場合は、ストーカ傾斜角は正の値とし、据付面の搬送方向下流側が水平面より下向きの場合は、ストーカ傾斜角は負の値として、ここでは説明する。
固定火格子15と移動火格子16とは、搬送方向Dで交互に配置されている。移動火格子16は、被焼却物Bの搬送方向Dに往復運動する。移動火格子16の往復運動によってストーカ5上の被焼却物Bが搬送されるとともに攪拌される。即ち、被焼却物Bの下層部が動かされ、被焼却物Bの上層部と入れ替えられる。
後燃焼段13の出口には、排出シュート17が設けられている。灰は、排出シュート17を通じて焼却炉3から排出される。
フロントアーチ31及びリアアーチ32は、焼却炉3の炉壁33に接続されている。炉壁33は、四角筒状をなし、被焼却物Bの燃焼により発生する排ガスを導出する。炉壁33は、搬送方向Dを向く前壁34及び後壁35と、搬送方向Dに沿う一対の側壁36と、を有している。前壁34と後壁35との間隔、及び一対の側壁36同士の間隔は、例えば、3m〜4mである。なお、前壁34は後壁35より搬送方向Dの上流側に配置される。
二次空気供給ノズル10は、前壁34及び後壁35に配置されている。二次空気供給ノズル10は、前壁34及び後壁35から炉壁33の中心に向かって二次空気を噴射するように指向されている。
なお、本実施形態では二次空気供給ノズル10を前壁34及び後壁35に配置したが、フロントアーチ31及びリアアーチ32に配置してもよい。
フロントアーチ31は、搬送方向下流側D1の端部31bが搬送方向上流側の端部31aよりも高くなるように傾斜している。即ち、フロントアーチ31は、ストーカ5内の空間が搬送方向下流側D1に向かうに従って広くなるように傾斜している。
リアアーチ32の搬送方向下流側D1の端部32bは、排出シュート17の上方に位置している。リアアーチ32は、搬送方向下流側D1の端部32bが搬送方向上流側の端部32aよりも低くなるように傾斜している。即ち、リアアーチ32は、ストーカ5内の空間が搬送方向下流側D1に向かうに従って狭くなるように傾斜している。
例えば、燃焼段12で十分に燃焼させることが求められる被焼却物Bが投入された場合に、燃焼段12の移動火格子16の駆動の速度を遅くして、燃焼段12上の被焼却物Bの搬送速度を遅くし、十分に燃焼させることができる。
図3に示すように突起付火格子16Pは、板状の火格子本体25と、火格子本体25の先端に設けられた三角形状の突起26とを有している。突起26は、火格子本体25の上面から上方に突出している。突起26の形状は、これに限ることはなく、例えば、台形状や、丸形状とすることもできる。
ここで、図3の固定火格子15は、先端の上面に突起のない火格子であり、この形状をノーマル火格子という。
また、突起付火格子16Pを設ける範囲も上述した範囲に限ることはなく、例えば、乾燥段11の全ての火格子を突起付火格子16Pとしてもよい。
さらに、被焼却物Bの性状や種類によっては、乾燥段におけるすべての火格子(固定火格子及び移動火格子)をノーマル火格子としてもよい。
後燃焼段13の火格子は、図2では移動火格子16及び固定火格子15はいずれも全てノーマル火格子として示しているが、乾燥段11及び燃焼段12と同様に、突起付火格子を採用してもよい。
乾燥段11、燃焼段12、及び後燃焼段13は、その主面が主燃焼部Mに向くように傾斜している。ここで、主燃焼部Mは、被焼却物Bの燃焼により、四角筒状の炉壁33の下端近傍(言い換えれば、フロントアーチ31の端部31b及びリアアーチ32の端部32aの近傍)であって、炉壁33の中心線C近傍且つ被焼却物Bの上方に発生する部位である。主燃焼部Mの火炎からの輻射熱Hは、主燃焼部Mを中心に放射状に発せられる。
これにより、乾燥段11の主面(据付面11a)は、主燃焼部Mに向き、輻射熱Hを効率よく受ける。
これにより、燃焼段12の主面(据付面12a)は、主燃焼部Mに向き、輻射熱Hを効率よく受ける。
後燃焼段13の上流側の端部13bを中心とした水平面と据付面13aの搬送方向側の角度である後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、燃焼段12のストーカ傾斜角θ2と同じである。具体的には、後燃焼段13の上流側の端部13bを中心とした水平面と据付面13aの搬送方向側の角度である後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、+5°(プラス5度)から+15°(プラス15度)の間の角度、望ましくは+8°(プラス8度)から+12°(プラス12度)の間の角度である。
これにより、後燃焼段13の主面(据付面13a)は、主燃焼部Mに向き、輻射熱Hを効率よく受ける。
なお、後燃焼段13のストーカ傾斜角θ3は、θ2≠θ3としてもよく、また、θ2=θ3でもよい。
燃焼段12と後燃焼段13との間には段差(落差壁)がない。即ち、燃焼段12と後燃焼段13とは、連続的に接続されている。換言すれば、燃焼段12と後燃焼段13とは、燃焼段12の搬送方向下流側の端部12cと後燃焼段13の搬送方向上流側の端部13bとが同じ高さになるように形成されている。
これにより、後燃焼段13の端部13cが燃焼段12の端部12cよりも上方に配置される。
乾燥段11の機能は、被焼却物Bの上方にある主燃焼部Mからの輻射熱H及び火格子下からの一次空気の顕熱により効率良く被焼却物B中の水分を乾燥させることである。
ここで、主燃焼部Mの火炎からの輻射熱Hの方が、一次空気の顕熱に比べて乾燥への寄与度が高く、被焼却物Bの上層部の乾燥が進行しやすい。
このため、火格子による撹拌動作によって、被焼却物Bの下層部を上方へ動かし、上層部と入れ替えることで乾燥速度を向上させている。
しかし、撹拌動作を行っても、乾燥段11において、水分蒸発が十分に進むだけの長さの確保は必要となる。長さが長くなればなるほど装置が大型化しコストもかかるので、ストーカ長を可能な限り短くすることが求められる。
ストーカ5による被焼却物Bの搬送量が投入された被焼却物Bの量を下回ると、搬送限界となり処理不能となる。
ここで、必要ストーカ長とは、投入される被焼却物Bの水分の95%が乾燥する距離である。横軸の「安息角」は、被焼却物Bの安息角を示すものである。
投入される被焼却物Bの負荷が最も大きい場合(1)から投入される被焼却物Bの負荷が最も小さい場合(4)までの4つのケースから、被焼却物Bがいかなる性状、量であっても適正に処理でき、かつ、ストーカ長を最も短くできる最適な乾燥段11のストーカ傾斜角は、(1)の曲線の最下点近傍のストーカ長に対応する−15°(マイナス15度)から−25°(マイナス25度)の間の角度が適正範囲であることが分かる。そして、最適値は−20°(マイナス20度)となる。
燃焼段12の機能は、主燃焼部Mの火炎からの輻射熱H、自己燃焼熱により被焼却物Bの層の温度を維持し、揮発分の熱分解による可燃ガスの発生促進、熱分解後に残った固定炭素の燃焼を行うものである。
これにより、被焼却物Bの性状によらず被焼却物Bを連続投入でき、かつ、被焼却物Bの燃え残りを無くすることができる。
以下、本発明の第二実施形態のストーカ炉について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態のストーカ5の燃焼段12と後燃焼段13との間には段差(落差壁)28が形成されている。
なお、上記実施形態では、火格子15、16の先端が搬送方向下流側D1を向くように配置されているが、これに限ることはなく、例えば、乾燥段11の火格子15、16の先端が搬送方向上流側を向くように配置されてもよい。
2 ホッパ
3 焼却炉
4 フィーダ
5 ストーカ
6 風箱
7 フィードテーブル
8 フィーダ駆動装置
9 燃焼室
10 二次空気供給ノズル
11 乾燥段
11a 乾燥段の据付面
12 燃焼段
12a 燃焼段の据付面
13 後燃焼段
13a 後燃焼段の据付面
15 固定火格子
16 移動火格子
16P 突起付火格子
17 排出シュート
18 駆動機構
19 梁
20 油圧シリンダ
21 アーム
22 ビーム
23 ブラケット
25 火格子本体
26 突起
27、28 段差(落差壁)
31 フロントアーチ
32 リアアーチ
33 炉壁
34 前壁
35 後壁
36 側壁
B 被焼却物
C 中心線
D 搬送方向
D1 搬送方向下流側
H 輻射熱
M 主燃焼部
θ1、θ2、θ3 ストーカ傾斜角
Claims (6)
- フィーダから被焼却物を供給し、複数の固定火格子と複数の移動火格子を備えた乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段で、前記被焼却物を順次搬送しつつ、それぞれ乾燥、燃焼、及び後燃焼を行い、前記後燃焼段に接続された排出シュートから前記後燃焼後の前記被焼却物を排出するストーカ炉において、
前記フィーダの上方から前記乾燥段または前記燃焼段の上方まで延在するフロントアーチと、
前記排出シュートの上方から前記後燃焼段または前記燃焼段の上方まで延在するリアアーチと、
前記フロントアーチと前記リアアーチに接続され、前記被焼却物の燃焼により発生する排ガスを導出する四角筒状の炉壁と、を有し、
前記乾燥段、前記燃焼段、及び前記後燃焼段の各々の主面が、前記燃焼段の上方に生成される主燃焼部に向くよう、前記乾燥段は、前記搬送方向下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、前記燃焼段は、前記乾燥段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、
前記後燃焼段は、前記燃焼段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されることを特徴とするストーカ炉。 - 前記四角筒状の炉壁の中心線は、前記燃焼段上にあることを特徴とする請求項1に記載のストーカ炉。
- 前記後燃焼段の前記搬送方向下流側の端部は、鉛直方向において、前記燃焼段の前記搬送方向下流側の端部と同位置、または、前記燃焼段の前記端部よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のストーカ炉。
- 前記固定火格子及び前記移動火格子は、前記乾燥段、前記燃焼段、及び前記後燃焼段の据付面に対して前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されていることを特徴とする請求項3に記載のストーカ炉。
- 前記燃焼段と前記後燃焼段は、段差なく連続的に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のストーカ炉。
- フィーダから被焼却物を供給し、複数の固定火格子と複数の移動火格子を備えた乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段で、前記被焼却物を順次搬送しつつ、それぞれ乾燥、燃焼、及び後燃焼を行い、前記後燃焼段に接続された排出シュートから前記後燃焼後の前記被焼却物を排出するストーカ炉において、
前記フィーダの上方から前記乾燥段または前記燃焼段の上方まで延在するフロントアーチと、
前記排出シュートの上方から前記後燃焼段または前記燃焼段の上方まで延在するリアアーチと、
前記フロントアーチと前記リアアーチに接続され、前記被焼却物の燃焼により発生する排ガスを導出する炉壁と、を有し、
前記乾燥段、前記燃焼段、及び前記後燃焼段の各々の主面が、前記燃焼段の上方に生成される主燃焼部に向くよう、前記乾燥段は、前記搬送方向下流側が下向きとなるように傾斜して配置され、前記燃焼段は、前記乾燥段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置され、
前記後燃焼段は、前記燃焼段に接続され、前記搬送方向下流側が上向きとなるように傾斜して配置されることを特徴とするストーカ炉。
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