JP6484290B2 - 近傍界測定装置及び近傍界測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近傍界測定装置及び近傍界測定方法に関し、特に、アンテナの電界強度分布を近傍界領域で測定する近傍界測定装置及び近傍界測定方法に関する。
近年、移動体通信などの無線通信においては、数GHz以上の高周波帯でかつ数10MHz以上の広帯域な変調波が無線信号として用いられている。さらに、今後は、ミリ波帯のより広帯域な信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した、より広帯域な無線信号を送信する送信装置が求められている。さらに、このような送信装置に搭載されるアンテナの指向性を解析したいという要求が想定される。
アンテナの指向性を算出するためにアンテナの電界強度分布を近傍界領域で測定する装置としては、図17に示すように、被測定アンテナ220と、被測定アンテナ220に高周波の送信信号を給電する送信機210と、被測定アンテナ220の近傍で被測定アンテナ220からの電波を受信する測定用アンテナ51と、ダウンコンバータ53a,53bと、A/D変換部54a,54bと、演算部55と、を備え、測定用アンテナ51を走査して被測定アンテナ220に対向する2次元平面内の近傍電界を測定する近傍電界測定装置200が従来より提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近傍電界測定装置200の演算部55は、測定用アンテナ51の受信信号から位相情報を抽出する。さらに、演算部55は、被測定アンテナ220により発生する電界の振幅を位相と同時に測定できるようになっている。
従来の近傍電界測定装置200では、位相の基準を得るために、送信機210から出力される送信信号を被測定アンテナ220の手前で分岐して、ダウンコンバータ53bとA/D変換部54bを介して、装置内の演算部55に入力していた。このような構成では、測定用アンテナ51用のダウンコンバータ53aと、位相基準用のダウンコンバータ53bと、を装置内に配置する必要がある。
特公平6−16058号公報
しかしながら、従来の近傍電界測定装置は、装置内にダウンコンバータを2つ持つ必要があるため、測定装置が高価となる。
また、送信機からトリガ信号(同期用信号)を出力し、このトリガ信号を基準に位相を測定することによって、ダウンコンバータ53bを省略する構成も考えられるが、トリガ信号をケーブルで引き回すことにより信号の立ち上がりの急峻さが失われるという問題が発生する。これが原因となって位相測定の開始タイミングに誤差が発生し、更には位相測定結果にも誤差が与えられる。複数回測定して平均化すれば誤差を減らすことが可能であるが、測定に時間を要することになる。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、送信装置から出力される同期用信号の劣化を補正したタイミング信号に基づいて位相測定を行うことにより、装置内の周波数コンバータの個数を削減して、誤差の少ない近傍界測定を行うことが可能で安価な近傍界測定装置及び近傍界測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の近傍界測定装置は、送信装置に備えられた複数のアンテナ素子を含む被測定アンテナから送信される無線信号を近傍界で測定する近傍界測定装置であって、所定の走査範囲に含まれる複数の測定位置において、前記無線信号を受信する測定用プローブと、前記複数の測定位置に前記測定用プローブを移動させる移動装置と、ローカル信号を出力するローカル信号源と、前記測定用プローブにより受信された無線信号を前記ローカル信号と混合することにより、前記測定用プローブにより受信された無線信号の周波数を所望の周波数に周波数変換する周波数コンバータと、第1のクロック信号を出力する第1のクロック信号源と、第2のクロック信号を出力する第2のクロック信号源と、前記周波数コンバータにより周波数変換された無線信号を前記第1のクロック信号でサンプリングすることにより、前記周波数コンバータにより周波数変換された無線信号を量子化する第1のA/D変換部と、前記無線信号の送信に同期して前記送信装置から出力される同期用信号を前記第2のクロック信号でサンプリングすることにより、前記同期用信号を量子化する第2のA/D変換部と、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の波形の立ち上がりの鈍りを低減させるように前記同期用信号を補正することで、前記無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成するタイミング処理部と、各前記測定位置について、前記第1のA/D変換部により量子化された無線信号を前記タイミング信号に基づいて取得し、取得した前記無線信号の近傍界での振幅と位相を算出する振幅・位相算出部と、を備える構成である。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、送信装置から出力される同期用信号の劣化を補正したタイミング信号に基づいて位相測定を行うことにより、装置内の周波数コンバータの個数を削減して、誤差の少ない近傍界測定を安価な構成で行うことができる。
また、本発明の請求項2の近傍界測定装置においては、前記送信装置は、基準信号を出力する基準信号源と、前記基準信号に同期した前記無線信号を発生させる無線信号発生部と、前記基準信号に同期した前記同期用信号を発生させるトリガ信号発生部と、を備え、前記ローカル信号、前記第1のクロック信号、及び前記第2のクロック信号は前記基準信号に同期しており、前記ローカル信号の周波数と前記無線信号の周波数が、それぞれ前記同期用信号の周波数の整数倍であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、所定の測定位置において無線信号の位相が一定となるタイミングで、各測定位置において無線信号の位相測定を実行することができる。
また、本発明の請求項3の近傍界測定装置は、前記振幅・位相算出部により算出された振幅及び位相の情報を用いて、遠方界の指向性を算出する遠方界指向性算出部を更に備える構成であってもよい。
また、本発明の請求項4の近傍界測定装置においては、前記タイミング処理部は、前記送信装置から出力される前記同期用信号の情報に基づいて、前記同期用信号のリファレンス信号を生成する信号源と、前記信号源によりある時刻に生成されたリファレンス信号と、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号との相互相関により得られる、前記リファレンス信号を基準とした前記同期用信号の遅延量の情報を含む信号を前記タイミング信号として出力する相関器と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、測定装置内部のリファレンス信号のタイミングを位相測定の基準とすることができる。
また、本発明の請求項5の近傍界測定装置においては、前記タイミング処理部は、前記送信装置から出力される前記同期用信号の情報に基づいて、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号から位相を算出する位相算出部と、前記位相算出部により算出された位相がゼロになるタイミングで立ち上がる前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成部と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、送信装置からの同期用信号の位相情報からタイミング信号を生成することができる。
また、本発明の請求項6の近傍界測定装置においては、前記タイミング処理部は、入力信号に応じて出力信号の周波数を制御する数値制御発振器と、前記数値制御発振器からの出力信号を1/N分周するループ内分周器と、前記ループ内分周器により分周された出力信号と、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号との位相差に応じた誤差信号を出力する位相比較器と、前記誤差信号の低周波成分を通過させて前記数値制御発振器に与えるループフィルタと、を含み、前記数値制御発振器からの前記出力信号が前記タイミング信号として前記振幅・位相算出部に入力される構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、送信装置からの同期用信号と位相同期した信号をタイミング信号として利用することができる。
また、本発明の請求項7の近傍界測定装置においては、前記タイミング処理部は、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタと、前記ローパスフィルタを通過した前記同期用信号に対して、閾値処理により得られる信号を前記タイミング信号として出力する閾値処理部と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、送信装置からの同期用信号を波形整形した信号をタイミング信号として利用することができる。
また、本発明の請求項8の近傍界測定装置においては、前記タイミング処理部は、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の周波数特性を変更する波形整形部と、前記波形整形部により周波数特性が変更された前記同期用信号に対して、閾値処理により得られる信号を前記タイミング信号として出力する閾値処理部と、を含む構成であってもよい。
この構成により、本発明に係る近傍界測定装置は、送信装置からの同期用信号を波形整形した信号をタイミング信号として利用することができる。
また、本発明の請求項9の近傍界測定方法は、上記のいずれかの近傍界測定装置を用いる近傍界測定方法であって、前記送信装置から、無線信号と、前記無線信号の送信に同期した同期用信号とを送信する無線信号送信ステップと、前記測定用プローブを測定位置に移動させる移動ステップと、所定の走査範囲に含まれる複数の測定位置において、前記無線信号を前記測定用プローブにより受信する信号受信ステップと、前記信号受信ステップで受信された無線信号の周波数を前記周波数コンバータにより所望の周波数に周波数変換する周波数変換ステップと、前記周波数変換ステップで周波数変換された無線信号を、前記第1のA/D変換部により量子化する第1のA/D変換ステップと、前記無線信号送信ステップで送信された前記同期用信号を、前記第2のA/D変換部により量子化する第2のA/D変換ステップと、前記第2のA/D変換ステップで量子化された同期用信号の波形の立ち上がりの鈍りを低減させるように前記同期用信号を補正することで、前記無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成するタイミング処理ステップと、各前記測定位置について、前記第1のA/D変換ステップで量子化された無線信号を前記タイミング信号に基づいて取得し、取得した前記無線信号の近傍界での振幅と位相を算出する振幅・位相算出ステップと、前記振幅・位相算出ステップで算出された振幅及び位相の情報を用いて、遠方界の指向性を算出する遠方界指向性算出ステップと、を含む構成である。
この構成により、本発明に係る近傍界測定方法は、送信装置から出力される同期用信号の劣化を補正したタイミング信号に基づいて位相測定を行うことにより、装置内の周波数コンバータの個数を削減して、誤差の少ない近傍界測定を安価な構成で行うことができる。
本発明は、送信装置から出力される同期用信号の劣化を補正したタイミング信号に基づいて位相測定を行うことにより、装置内の周波数コンバータの個数を削減して、誤差の少ない近傍界測定を行うことが可能で安価な近傍界測定装置及び近傍界測定方法を提供するものである。
第1の実施形態に係る近傍界測定装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る近傍界測定装置の測定用アンテナと被測定アンテナとの位置関係を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る近傍界測定装置と送信装置における同期状態を説明するための図である。 無線信号、ローカル信号、トリガ信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 第1の実施形態に係る近傍界測定装置のDSPの構成を示すブロック図である。 (a)はDSP内の信号源から出力されるリファレンス信号の一例を示すグラフであり、(b)は第2のA/D変換部により量子化されたトリガ信号の一例を示すグラフであり、(c)はリファレンス信号とトリガ信号の相互相関を示すグラフである。 測定用プローブの配置と測定位置を示す模式図である。 (a)は振幅・位相算出部により算出される振幅の2次元データの一例を示すグラフであり、(b)は振幅・位相算出部により算出される位相の2次元データの一例を示すグラフである。 遠方界指向性算出部により算出される遠方界の指向性の一例を示すグラフである。 第1の実施形態に係る近傍界測定装置による近傍界測定方法の処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る近傍界測定装置のDSPの構成を示すブロック図である。 (a)はA/D変換部でサンプリングされた同期用デジタル信号の波形の一例を示すグラフであり、(b)はFFT処理部により得られる振幅スペクトルの一例を示すグラフである。 (a)はFFT処理部による処理の時間窓の一例を示すグラフであり、(b)はA/D変換部でサンプリングされた同期用デジタル信号のゼロ位相を示すグラフであり、(c)はFFT処理部により生成されたタイミング信号の一例を示すグラフである。 第3の実施形態に係る近傍界測定装置のDSPの構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る近傍界測定装置のDSPの構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る近傍界測定装置のDSPの他の構成を示すブロック図である。 従来の近傍界測定装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る近傍界測定装置及び近傍界測定方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る近傍界測定装置1は、送信装置100に備えられた複数のアンテナ素子T1〜TNを含む被測定アンテナ110から送信される無線信号を近傍界で測定し、遠方界の指向性を算出するものである。被測定アンテナ110は、例えばMassive−MIMOアンテナを含むアレーアンテナなどである。被測定アンテナ110は、送信装置100と一体化したものであっても、送信装置100から取り外し可能なものであってもよい。
送信装置100は、基準信号を出力する基準信号源120と、基準信号源120から出力された基準信号に同期した無線信号を発生させる無線信号発生部101と、基準信号源120から出力された基準信号に同期した同期用信号としてのトリガ信号を発生させるトリガ信号発生部102と、を含む。
送信装置100が備える無線信号発生部101は、例えば無変調波信号や広帯域信号(例えばOFDM信号)などの無線信号を発生させ、発生させた無線信号を送信装置100の被測定アンテナ110に出力することにより、無線信号を被測定アンテナ110から送信させる。
近傍界測定装置1は、測定用プローブ11、移動装置12、周波数コンバータとしてのダウンコンバータ13、第1のA/D変換部としてのA/D変換部14a、第2のA/D変換部としてのA/D変換部14b、ローカル信号源15、第1のクロック信号源としてのクロック信号源16a、第2のクロック信号源としてのクロック信号源16b、基準信号源17、タイミング処理部としてのDSP(Digital Signal Processor)18、振幅・位相算出部19、遠方界指向性算出部20、走査制御部21、表示部22、操作部23、及び制御部24を主に備える。
これらのうち、ダウンコンバータ13、A/D変換部14a,14b、ローカル信号源15、クロック信号源16a,16b、基準信号源17、DSP18、及び振幅・位相算出部19は、いずれもベクトルネットワークアナライザ(VNA)で構成することが可能である。
測定用プローブ11は、送信装置100の複数のアンテナ素子T1〜TNを含む被測定アンテナ110から放射された電波を近傍界において受信するアンテナであり、例えば、所定周波数範囲の電磁波を伝播させる導波路を有し、先端が開放された導波管で構成される。測定用プローブ11は、近傍界領域の所定の走査範囲に含まれる複数の走査点(以下、「測定位置」ともいう)において、送信装置100の被測定アンテナ110から送信される無線信号を受信するようになっている。これらの測定位置は、例えば平面上に設定される。
図2に示すように、移動装置12は、所定の走査範囲Pに含まれる複数の測定位置に、測定用プローブ11を移動させるものである。移動装置12は、測定用プローブ11を被測定アンテナ110の電磁波放射面110aに対向する近傍の走査範囲P内でX,Y方向に移動させる。
ダウンコンバータ13は、測定用プローブ11により受信された無線信号を、ローカル信号源15からのローカル信号と混合することにより、当該無線信号の周波数を後段の処理に適した所望の周波数に周波数変換するようになっている。
なお、測定用プローブ11は、自身のコネクタ11aに同軸ケーブルなどのケーブル25が接続されることよりダウンコンバータ13に接続される。あるいは、測定用プローブ11をダウンコンバータ13に直結させ、無線信号がケーブルを伝送される前に無線信号の周波数を低下させる構成としてもよい。
ローカル信号源15は、例えばPLL回路を含み、基準信号源17から入力される基準信号の位相に同期したローカル信号を周波数可変に発生させるようになっている。
図1に示すように、A/D変換部14aは、ダウンコンバータ13により周波数変換された無線信号を標本化及び量子化するようになっている。具体的には、A/D変換部14aは、周波数変換後の無線信号を、クロック信号源16aからの第1のクロック信号でサンプリングして、時系列のデジタルデータとしての測定用デジタル信号を生成する。
A/D変換部14bは、無線信号の送信に同期して送信装置100のトリガ信号発生部102から出力されるトリガ信号を標本化及び量子化するようになっている。具体的には、A/D変換部14bは、トリガ信号をクロック信号源16bからの第2のクロック信号でサンプリングして、時系列のデジタルデータとしての同期用デジタル信号を生成する。
基準信号源17は、ローカル信号源15と、クロック信号源16a,16bとの間で同期を取るための基準信号として、送信装置100の基準信号源120から出力される基準信号に同期した、例えば10MHzの無変調波の信号もしくはクロック信号を発生させる。
図3は、送信装置100と近傍界測定装置1における同期状態を説明するための図である。基準信号源17からの周波数f2REFの基準信号は、基準信号源120からの周波数f1REFの基準信号に同期している。さらに、ローカル信号源15からの周波数fLOのローカル信号、クロック信号源16aからの周波数fCLK1の第1のクロック信号、及びクロック信号源16bからの周波数fCLK2の第2のクロック信号は、基準信号源120からの周波数f2REFの基準信号に同期している。
ここで、ローカル信号の周波数fLOと、無線信号発生部101からの無線信号の周波数fRFは、それぞれトリガ信号発生部102からのトリガ信号の周波数fTRGの整数倍である。また、第1のクロック信号の周波数fCLK1と、第2のクロック信号の周波数fCLK2も、それぞれトリガ信号の周波数fTRGの整数倍である。
一例として図4に、周波数fRFが12.5GHzの無線信号の信号波形、周波数fLOが2GHzのローカル信号の信号波形、周波数fTRGが500MHzのトリガ信号の信号波形と、比較例として周波数が1GHzの信号波形のタイミングを示す。なお、これらの周波数の値は説明を分かりやすくするための一例であり、本実施形態の近傍界測定装置1で用いられる周波数の値はこれらに限定されない。また、図4ではタイミングを見やすくするために、それぞれの信号波形を簡略化して表現している。
この場合、トリガ信号の1周期TTRGは2nsである。また、ローカル信号の1周期TLOは0.5nsである。また、無線信号の1周期TRFは0.08nsである。よって、TTRGは、TLOの4倍であり、かつ、TRFの25倍となっている。仮に、fTRGが1GHzの場合には、TTRGはTRFの12.5倍となるため、図4に示すタイミングA,Cにおける無線信号の位相と比較して、タイミングBにおける無線信号の位相が180°ずれてしまうことになる。
図1に示すタイミング処理部としてのDSP18は、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号から、無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成するようになっている。
図5に示すように、DSP18は、送信装置100から出力されるトリガ信号の情報に基づいて、トリガ信号のリファレンス信号を生成する信号源30と、信号源30により生成されたリファレンス信号と、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号との相互相関により得られる信号をタイミング信号として出力する相関器31と、を含む。
本実施形態においては、トリガ信号はパルス信号である。また、送信装置100は、トリガ信号の情報を信号源30に出力するようになっている。信号源30に出力されるトリガ信号の情報としては、例えばパルスのデューティ比と、パルス周期の値等が挙げられる。
図6(a)は、信号源30から出力されるリファレンス信号の一例を示している。ここでは、リファレンス信号がトリガ信号と同様のパルス信号であるとしている。図6(b)は、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号の一例を示している。図6(c)は、図6(a),(b)に示した2つの信号の相互相関を示している。つまり、相関器31は、リファレンス信号を基準としたトリガ信号の遅延量の情報を含むタイミング信号を、振幅・位相算出部19に出力するようになっている。
振幅・位相算出部19は、測定用プローブ11の走査範囲内の各測定位置について、A/D変換部14aにより量子化された無線信号(測定用デジタル信号)を、DSP18から出力されたタイミング信号に基づいて取得し、取得した無線信号の近傍界での振幅と位相を算出するようになっている。
以下、振幅・位相算出部19の処理の具体例について説明する。図7は、走査範囲P内における測定位置(図中の●印)と測定用プローブ11の配置とを示す模式図である。図7に示すように、測定位置は、走査範囲PをX方向にΔx、Y方向にΔyで格子状に分割した場合の格子点として表すことができる。図7では一例として、Δx=d、Δy=dの場合が示されている。なお、d=dとすることもできる。
測定用プローブ11は初期状態では座標(0,0)の位置に存在するものとする。まず、振幅・位相算出部19は、タイミング信号の立ち上がりの時刻t0で測定用プローブ11により受信された無線信号の位相を測定するとともに、測定用プローブ11により受信された無線信号の振幅を測定する。
次に、移動装置12により、位相及び振幅が測定されていない測定位置に測定用プローブ11が走査される。例えば、図7に示すように、測定用プローブ11が座標(1,0)の位置に移動される。
次に、振幅・位相算出部19は、タイミング信号の立ち上がりの時刻t1で測定用プローブ11により受信された無線信号の位相を測定するとともに、測定用プローブ11により受信された無線信号の振幅を測定する。ここで、時刻t1と時刻t0の差はトリガ信号の1周期TTRGの整数倍となっているため、トリガ信号、ローカル信号、及びクロック信号の位相関係を一定に保ちながら、座標(1,0)における無線信号の位相の測定を行うことが可能になる。
以下、移動装置12により測定用プローブ11がX方向又はY方向へ順次走査されている状態で、振幅・位相算出部19は、タイミング信号の立ち上がりの時刻t2,t3,t4,・・・で同様の測定を繰り返す。このようにして、振幅・位相算出部19は、基準の座標位置においてトリガ信号、ローカル信号、及びクロック信号の位相関係を一定に保ちながら、各測定位置における振幅及び位相を測定することができる。なお、全ての測定位置について振幅及び位相の測定が行われるのであれば、移動装置12による走査の順番は任意である。
振幅・位相算出部19は、図8(a)に示すように、近傍界測定データとして振幅の2次元データを生成する。また、振幅・位相算出部19は、図8(b)に示すように、近傍界測定データとして位相の2次元データを生成する。ここで、図8(a)中のu(x,y)は、測定用プローブ11が位置(x,y)において受信した無線信号のデータを表している。
送信装置100の被測定アンテナ110から送信される無線信号が無変調波である場合には、例えば振幅・位相算出部19において相互相関関数を利用するなど処理量を抑えた位相の検出も可能である。
さらに、振幅・位相算出部19は、算出した位相、振幅の情報(以下、「位相情報」、「振幅情報」ともいう)を遠方界指向性算出部20に出力するようになっている。なお、各測定位置における位相情報は、走査範囲内の特定の測定位置での位相を基準(位相ゼロ)とした値に変換されたものであってもよい。
遠方界指向性算出部20は、後述する走査制御部21から出力された測定用プローブ11の位置情報と、振幅・位相算出部19により算出された振幅及び位相の情報を用いて、遠方界の指向性を算出するようになっている。
図9に示すように、遠方界指向性算出部20は、振幅・位相算出部19により算出された振幅及び位相の2次元データに対して2次元逆フーリエ変換処理を実行することにより、送信装置100の被測定アンテナ110の遠方界の指向性を求めることができる。
走査制御部21は、移動装置12に対して、走査範囲P内の全ての測定位置に測定用プローブ11を所定順に移動させる制御を行うようになっている。例えば、これらの測定位置は、走査範囲Pにおいて正方格子の各格子点に対応する位置に配置されている。また、走査制御部21は、測定用プローブ11が存在する測定位置の位置情報を遠方界指向性算出部20に送出するようになっている。
表示部22は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、制御部24からの制御信号に応じて各種表示内容を表示するようになっている。この表示内容には、被測定アンテナ110の近傍界における振幅及び位相の測定結果や、遠方界における指向性の算出結果などが含まれる。さらに、表示部22は、測定条件などを設定するためのソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象を表示するものであってもよい。
操作部23は、ユーザによる操作入力を行うためのものであり、キーボード、タッチパネル、又はマウスのような入力デバイスを含んで構成される。あるいは前述のように、操作部23は、ボタン、ソフトキー、プルダウンメニュー、テキストボックスなどの操作対象が表示部22に表示される構成であってもよい。
制御部24は、例えばCPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等で構成され、近傍界測定装置1を構成する上記各部の動作を制御する。さらに、制御部24は、所定のプログラムを実行することにより、振幅・位相算出部19及び遠方界指向性算出部20をソフトウェア的に構成するようになっている。
以下、本実施形態の近傍界測定装置1を用いる近傍界測定方法について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
送信装置100の無線信号発生部101が無線信号を送信し、かつ、送信装置100のトリガ信号発生部102が無線信号の送信に同期したトリガ信号を送信する(無線信号送信ステップS1)。
次に、走査制御部21が、移動装置12によって、測定用プローブ11を走査範囲内の測定位置に移動させる(移動ステップS2)。
次に、測定用プローブ11が、被測定アンテナ110から出力された無線信号を受信する(信号受信ステップS3)。
次に、ダウンコンバータ13が、信号受信ステップS3で受信された無線信号の周波数を所望の周波数に周波数変換する(周波数変換ステップS4)。
次に、A/D変換部14aが、周波数変換ステップS4で周波数変換された無線信号を標本化及び量子化して測定用デジタル信号を生成する(第1のA/D変換ステップS5)。
次に、A/D変換部14bが、無線信号送信ステップS1で送信されたトリガ信号を標本化及び量子化して同期用デジタル信号を生成する(第2のA/D変換ステップS6)。
次に、DSP18が、第2のA/D変換ステップS6で量子化されたトリガ信号から、無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成する(タイミング処理ステップS7)。
次に、振幅・位相算出部19が、各測定位置について、第1のA/D変換ステップS5で量子化された無線信号をタイミング信号に基づいて取得し、取得した無線信号の近傍界での振幅と位相を算出する(振幅・位相算出ステップS8)。
次に、制御部24が、走査範囲内の全ての測定位置に対して、位置情報、位相情報、及び振幅情報が得られたか否かを判断する(ステップS9)。否定判断の場合には移動ステップS2に戻る。肯定判断の場合にはステップS10に進む。
次に、遠方界指向性算出部20が、全ての測定位置に関する、位置情報、位相情報、及び振幅情報を用いて、遠方界の指向性を算出する(遠方界指向性算出ステップS10)。
以上説明したように、本実施形態に係る近傍界測定装置1は、送信装置100から出力されるトリガ信号の劣化を補正したタイミング信号に基づいて位相測定を行うことにより、装置内の周波数コンバータの個数を削減して、誤差の少ない近傍界測定を安価な構成で行うことができる。
また、本実施形態に係る近傍界測定装置1は、無線信号、トリガ信号、ローカル信号、及びクロック信号の間の同期を取るとともに、無線信号、トリガ信号、及びローカル信号の周波数を適切に設定することにより、各測定位置において、測定のタイミングにおけるトリガ信号、ローカル信号、及びクロック信号の位相関係を一定に保ちながら、無線信号の位相測定を実行することができる。
また、本実施形態に係る近傍界測定装置1は、測定装置内部のリファレンス信号のタイミングを位相測定の基準とすることができる。
また、本実施形態に係る近傍界測定装置1においては、送信装置100の被測定アンテナ110から送信された無線信号がOFDM信号である場合には、サブキャリアごとに位相と振幅が算出されることになる。OFDM等の広帯域信号を用いることにより、広帯域の電界強度信号を一度に測定することができ、高速化に寄与することができる。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る近傍界測定装置2について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態に係る近傍界測定装置1の構成と同一の構成については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態においては、タイミング処理部としてのDSP18は、送信装置100から出力されるトリガ信号の情報に基づいて、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号(同期用デジタル信号)から位相を算出する位相算出部としてのFFT処理部32と、FFT処理部32により算出された位相に基づいて、タイミング信号を生成するタイミング信号生成部33と、を含む。
本実施形態においては、トリガ信号はCW波である。また、送信装置100は、トリガ信号の情報として、CW波の周波数の値をFFT処理部32に出力するようになっている。
図12(a)は、A/D変換部14bでサンプリングされた同期用デジタル信号の波形を示している。図12(b)は、FFT処理部32での高速フーリエ変換(FFT)又は離散フーリエ変換(DFT)により得られる振幅スペクトルを示している。
また、FFT処理部32は、A/D変換部14bでサンプリングされた同期用デジタル信号に対して、図13(a)に示すようなCW波の周波数に基づいた時間窓Tで、図13(b)に示すようにゼロ位相のタイミングΔtを求める。さらに、図13(c)に示すように、タイミング信号生成部33は、Δtから立ち上がるタイミング信号を生成して、振幅・位相算出部19に出力するようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係る近傍界測定装置2は、送信装置100からのトリガ信号の位相情報からタイミング信号を生成することができる。
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態に係る近傍界測定装置3について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態に係る近傍界測定装置1の構成と同一の構成については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態においては、タイミング処理部としてのDSP18は、入力信号に応じて出力信号の周波数を制御する数値制御発振器としてのNCO(Numerically Controlled Oscillator)34と、NCO34からの出力信号を1/N分周するループ内分周器35と、ループ内分周器35により分周された出力信号と、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号との位相差に応じた誤差信号を出力する位相比較器36と、位相比較器36から出力された誤差信号の低周波成分を通過させてNCO34に与えるループフィルタとしてのローパスフィルタ(LPF)37と、を含む。
本実施形態においては、NCO34からの出力信号がタイミング信号として振幅・位相算出部19に入力されるようになっている。
また、本実施形態においては、トリガ信号はCW波である。また、送信装置100は、トリガ信号の情報として、CW波の周波数の値をNCO34に出力するようになっている。これにより、NCO34の発振周波数がCW波の周波数に一致するようになる。
ループ内分周器35は、NCO34の出力を1/N分周して出力するようになっている。ここで、Nは1以上の実数である。
位相比較器36は、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号とループ内分周器35からの出力信号との周波数差及び位相差に応じた誤差信号を出力するようになっている。誤差信号は、例えば、上記周波数差及び位相差に比例したパルス幅の信号である。
LPF37は、位相比較器36の出力を平滑化して、NCO34に出力するようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係る近傍界測定装置3は、送信装置100からのトリガ信号と位相同期した信号をタイミング信号として利用することができる。
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態に係る近傍界測定装置4について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態に係る近傍界測定装置1の構成と同一の構成については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態においては、タイミング処理部としてのDSP18は、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタ(LPF)38と、LPF38を通過したトリガ信号に対して、閾値処理により得られる信号をタイミング信号として出力する閾値処理部39と、を含む。本実施形態においては、トリガ信号はパルス信号である。
あるいは、図16に示すように、タイミング処理部としてのDSP18は、A/D変換部14bにより量子化されたトリガ信号の周波数特性を変更する波形整形部40と、波形整形部40により周波数特性が変更されたトリガ信号に対して、閾値処理により得られる信号をタイミング信号として出力する閾値処理部41と、を含むものであってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る近傍界測定装置4は、送信装置100からのトリガ信号を波形整形した信号をタイミング信号として利用することができる。
1〜4 近傍界測定装置
11 測定用プローブ
12 移動装置
13 ダウンコンバータ
14a,14b A/D変換部
15 ローカル信号源
16a,16b クロック信号源
17,120 基準信号源
18 DSP
19 振幅・位相算出部
20 遠方界指向性算出部
30 信号源
31 相関器
32 FFT処理部
33 タイミング信号生成部
34 NCO
35 ループ内分周器
36 位相比較器
37,38 LPF
39,41 閾値処理部
40 波形整形部
100 送信装置
101 無線信号発生部
102 トリガ信号発生部
110 被測定アンテナ
T1〜TN アンテナ素子

Claims (9)

  1. 送信装置(100)に備えられた複数のアンテナ素子(T1〜TN)を含む被測定アンテナ(110)から送信される無線信号を近傍界で測定する近傍界測定装置(1)であって、
    所定の走査範囲に含まれる複数の測定位置において、前記無線信号を受信する測定用プローブ(11)と、
    前記複数の測定位置に前記測定用プローブを移動させる移動装置(12)と、
    ローカル信号を出力するローカル信号源(15)と、
    前記測定用プローブにより受信された無線信号を前記ローカル信号と混合することにより、前記測定用プローブにより受信された無線信号の周波数を所望の周波数に周波数変換する周波数コンバータ(13)と、
    第1のクロック信号を出力する第1のクロック信号源(16a)と、
    第2のクロック信号を出力する第2のクロック信号源(16b)と、
    前記周波数コンバータにより周波数変換された無線信号を前記第1のクロック信号でサンプリングすることにより、前記周波数コンバータにより周波数変換された無線信号を量子化する第1のA/D変換部(14a)と、
    前記無線信号の送信に同期して前記送信装置から出力される同期用信号を前記第2のクロック信号でサンプリングすることにより、前記同期用信号を量子化する第2のA/D変換部(14b)と、
    前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の波形の立ち上がりの鈍りを低減させるように前記同期用信号を補正することで、前記無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成するタイミング処理部(18)と、
    各前記測定位置について、前記第1のA/D変換部により量子化された無線信号を前記タイミング信号に基づいて取得し、取得した前記無線信号の近傍界での振幅と位相を算出する振幅・位相算出部(19)と、を備えることを特徴とする近傍界測定装置。
  2. 前記送信装置は、
    基準信号を出力する基準信号源(120)と、
    前記基準信号に同期した前記無線信号を発生させる無線信号発生部(101)と、
    前記基準信号に同期した前記同期用信号を発生させるトリガ信号発生部(102)と、を備え、
    前記ローカル信号、前記第1のクロック信号、及び前記第2のクロック信号は前記基準信号に同期しており、
    前記ローカル信号の周波数と前記無線信号の周波数が、それぞれ前記同期用信号の周波数の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の近傍界測定装置。
  3. 前記振幅・位相算出部により算出された振幅及び位相の情報を用いて、遠方界の指向性を算出する遠方界指向性算出部(20)を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近傍界測定装置。
  4. 前記タイミング処理部は、
    前記送信装置から出力される前記同期用信号の情報に基づいて、前記同期用信号のリファレンス信号を生成する信号源(30)と、
    前記信号源によりある時刻に生成されたリファレンス信号と、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号との相互相関により得られる、前記リファレンス信号を基準とした前記同期用信号の遅延量の情報を含む信号を前記タイミング信号として出力する相関器(31)と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の近傍界測定装置。
  5. 前記タイミング処理部は、
    前記送信装置から出力される前記同期用信号の情報に基づいて、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号から位相を算出する位相算出部(32)と、
    前記位相算出部により算出された位相がゼロになるタイミングで立ち上がる前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成部(33)と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の近傍界測定装置。
  6. 前記タイミング処理部は、
    入力信号に応じて出力信号の周波数を制御する数値制御発振器(34)と、
    前記数値制御発振器からの出力信号を1/N分周するループ内分周器(35)と、
    前記ループ内分周器により分周された出力信号と、前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号との位相差に応じた誤差信号を出力する位相比較器(36)と、
    前記誤差信号の低周波成分を通過させて前記数値制御発振器に与えるループフィルタ(37)と、を含み、
    前記数値制御発振器からの前記出力信号が前記タイミング信号として前記振幅・位相算出部に入力されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の近傍界測定装置。
  7. 前記タイミング処理部は、
    前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタ(38)と、
    前記ローパスフィルタを通過した前記同期用信号に対して、閾値処理により得られる信号を前記タイミング信号として出力する閾値処理部(39)と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の近傍界測定装置。
  8. 前記タイミング処理部は、
    前記第2のA/D変換部により量子化された同期用信号の周波数特性を変更する波形整形部(40)と、
    前記波形整形部により周波数特性が変更された前記同期用信号に対して、閾値処理により得られる信号を前記タイミング信号として出力する閾値処理部(41)と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の近傍界測定装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の近傍界測定装置を用いる近傍界測定方法であって、
    前記送信装置から、無線信号と、前記無線信号の送信に同期した同期用信号とを送信する無線信号送信ステップ(S1)と、
    前記測定用プローブを測定位置に移動させる移動ステップ(S2)と、
    所定の走査範囲に含まれる複数の測定位置において、前記無線信号を前記測定用プローブにより受信する信号受信ステップ(S3)と、
    前記信号受信ステップで受信された無線信号の周波数を前記周波数コンバータにより所望の周波数に周波数変換する周波数変換ステップ(S4)と、
    前記周波数変換ステップで周波数変換された無線信号を、前記第1のA/D変換部により量子化する第1のA/D変換ステップ(S5)と、
    前記無線信号送信ステップで送信された前記同期用信号を、前記第2のA/D変換部により量子化する第2のA/D変換ステップ(S6)と、
    前記第2のA/D変換ステップで量子化された同期用信号の波形の立ち上がりの鈍りを低減させるように前記同期用信号を補正することで、前記無線信号の振幅及び位相の測定を開始するためのタイミング信号を生成するタイミング処理ステップ(S7)と、
    各前記測定位置について、前記第1のA/D変換ステップで量子化された無線信号を前記タイミング信号に基づいて取得し、取得した前記無線信号の近傍界での振幅と位相を算出する振幅・位相算出ステップ(S8)と、
    前記振幅・位相算出ステップで算出された振幅及び位相の情報を用いて、遠方界の指向性を算出する遠方界指向性算出ステップ(S10)と、を含むことを特徴とする近傍界測定方法。
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