JP6483148B2 - HPTP−β阻害剤 - Google Patents

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    • C07D417/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings
    • C07D417/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
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    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
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    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/953,680号の利益を主張し、この米国仮特許出願の内容は、その全体が本明細書において参照により援用される。
配列表
本願は、EFS−Webを介してASCII形式で提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に援用される。2015年3月12日に作成された該ASCIIのコピーは、Aerpio45725−713.601_SL.txtという名称であり、そのサイズは4,481バイトである。
参照による援用
本願において引用される各特許、刊行物および非特許文献は、その各々が個別に参照により援用されている場合と同様にその全体が参照により本明細書に援用される。
背景
眼は、視力の維持に不可欠な眼の構成成分を供給している、いくつかの構造的および機能的に異なる血管床を含む。これらには、網膜血管系および脈絡膜血管系(それぞれ、網膜の内側および外側の部分に供給している)、ならびに角膜の末梢に位置する角膜縁血管系が含まれる。これらの血管床の正常な構造または機能を損なう損傷および疾患は、視力障害および失明の主な原因の一つである。例えば、糖尿病性網膜症は、網膜血管系に影響を及ぼす一般的な疾患であり、米国の労働年齢集団の間の視力喪失の主な原因である。損傷または疾患に続発する角膜の血管新生は、重度の視力障害に至り得る眼の血管疾患のさらに別のカテゴリーである。
発明の概要
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の式の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンを提供し、式中、Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または化学結合であり;Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSOもしくはNHCOR(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または
であり、式中、Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の式の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンを提供し、式中、Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または化学結合であり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
いくつかの実施形態において、本発明は、二つのTie−2活性化物質を含む薬学的組成物を提供し、ここで、その二つのTie−2活性化物質は、互いの立体異性体であり、上記薬学的組成物は、単位剤形で存在する。
いくつかの実施形態において、本発明は、Tie−2活性化物質およびそのTie−2活性化物質の立体異性体を含む薬学的組成物を提供し、ここで、上記立体異性体は、Tie−2活性化物質の効力の約0.001%〜約100%の効力でTie−2を活性化する。
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の式の化合物

またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンを、反応混合物と接触させる工程を含む方法を提供し、式中、Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または化学結合であり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり、ここで、上記化合物またはその塩の立体中心が反転し、それによって、上記化合物の立体異性体またはその立体異性体の塩、互変異性体もしくは両性イオンが提供される。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
以下の式の化合物

またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSO もしくはNHCOR (これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、または

であり、ここで、
− Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR 、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオン。
(項目2)
− Aryl が、置換または非置換のフェニルであり;
− Aryl が、置換または非置換のヘテロアリールであり;
− Xが、アルキレンである、
項目1に記載の化合物。
(項目3)
− Aryl が、置換フェニルであり;
− Aryl が、置換ヘテロアリールであり;
− Xが、メチレンである、
項目2に記載の化合物。
(項目4)
前記化合物が、以下の式の化合物

であり、式中、
− Aryl は、パラ置換フェニルであり;
− Aryl は、置換ヘテロアリールであり;
− Xは、メチレンであり;
− Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである、
項目3に記載の化合物。
(項目5)
前記化合物が、以下の式の化合物

である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物が、以下の式の化合物

である、項目4に記載の化合物。
(項目7)
− Aryl が、パラ置換フェニルであり;
− Aryl が、置換チアゾール部分であり;
− Xが、メチレンであり;
− Lが、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;
− R が、置換または非置換のアルキルであり;
− R が、置換または非置換のアリールアルキルであり;
− R が、Hであり;
− R が、Hである、
項目4に記載の化合物。
(項目8)
Aryl が、

であり、式中、
− R は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目7に記載の化合物。
(項目9)
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目8に記載の化合物。
(項目10)
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基であり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目8に記載の化合物。
(項目11)
− Aryl が、4−フェニルスルファミン酸であり;
− R が、置換または非置換のアルキルであり;
− R が、置換または非置換のアリールアルキルであり;
− R が、Hであり;
− R が、ヘテロアリールである、
項目8に記載の化合物。
(項目12)
前記化合物が、

である、項目1に記載の化合物。
(項目13)
前記化合物が、

である、項目1に記載の化合物。
(項目14)
以下の式の化合物

またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR 、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオン。
(項目15)
− Aryl が、置換または非置換のフェニルであり;
− Aryl は、置換または非置換のヘテロアリールであり;
− Xが、アルキレンである、
項目14に記載の化合物。
(項目16)
− Aryl が、置換フェニルであり;
− Aryl が、置換ヘテロアリールであり;
− Xが、メチレンである、
項目15に記載の化合物。
(項目17)
− Aryl が、パラ置換フェニルであり;
− Aryl が、置換ヘテロアリールであり;
− Xが、メチレンであり;
− Lが、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;
− R が、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;
− R が、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである、
項目16に記載の化合物。
(項目18)
− Aryl が、パラ置換フェニルであり;
− Aryl が、置換チアゾール部分であり;
− Xが、メチレンであり;
− Lが、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;
− R が、置換または非置換のアルキルであり;
− R が、置換または非置換のアリールアルキルであり;
− R が、Hであり;
− R が、Hである、
項目17に記載の化合物。
(項目19)
Aryl が、

であり、式中、
− R は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目18に記載の化合物。
(項目20)
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目19に記載の化合物。
(項目21)
− R が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基であり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− R が、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
項目19に記載の化合物。
(項目22)
− Aryl が、4−フェニルスルファミン酸であり;
− R が、置換または非置換のアルキルであり;
− R が、置換または非置換のアリールアルキルであり;
− R が、Hであり;
− R が、ヘテロアリールである、
項目19に記載の化合物。
(項目23)
前記化合物が、

である、項目14に記載の化合物。
(項目24)
二つのTie−2活性化物質を含む薬学的組成物であって、ここで、該二つのTie−2活性化物質は、互いの立体異性体であり、該薬学的組成物は、単位剤形である、薬学的組成物。
(項目25)
前記立体異性体が、互いのエナンチオマーである、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目26)
前記立体異性体が、互いのジアステレオマーである、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目27)
前記二つのTie−2活性化物質が、HPTP−ベータに結合する、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目28)
前記二つのTie−2活性化物質が、HPTP−ベータを阻害する、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目29)
前記Tie−2活性化物質の一方が、他方のTie−2活性化物質の量の1%を超えない量で存在する、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目30)
前記二つのTie−2活性化物質が、有機小分子である、項目24に記載の薬学的組成物。
(項目31)
Tie−2活性化物質および該Tie−2活性化物質の立体異性体を含む薬学的組成物であって、ここで、該立体異性体は、該Tie−2活性化物質の効力の約0.001%〜約100%である効力でTie−2を活性化する、薬学的組成物。
(項目32)
前記Tie−2活性化物質の立体異性体が、前記Tie−2活性化物質のエナンチオマーである、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目33)
前記Tie−2活性化物質の立体異性体が、前記Tie−2活性化物質のジアステレオマーである、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目34)
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約10%の効力でTie−2を活性化する、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目35)
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約1%の効力でTie−2を活性化する、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目36)
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約0.5%の効力でTie−2を活性化する、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目37)
前記立体異性体が、HPTP−ベータに結合する、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目38)
前記立体異性体が、HPTP−ベータを阻害する、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目39)
前記立体異性体が、有機小分子である、項目31に記載の薬学的組成物。
(項目40)
以下の式の化合物

またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR 、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンを、ある試薬と接触させる工程であって、
ここで、該化合物またはその塩の立体中心が反転し、それによって、該化合物の立体異性体または該立体異性体の塩、互変異性体もしくは両性イオンが提供される、工程
を含む、方法。
(項目41)
前記試薬が、塩基である、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記化合物が、

である、項目40に記載の方法。
(項目43)
前記立体異性体が、

である、項目42に記載の方法。
(項目44)
以下の式の化合物

またはその塩および出発物質をある試薬と混合することにより、以下の式の生成物

またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンを得る工程を含む方法であって、式中、
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Aryl は、置換または非置換のアリール基であり;
− Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
− Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR 、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R 、R およびR のいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
− R は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
方法。
(項目45)
前記化合物が、

またはその塩である、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記出発物質が、

またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンである、項目44に記載の方法。
(項目47)
前記出発物質が、

またはその塩であり、式中、N基は、窒素原子を含む官能基である、項目44に記載の方法。
(項目48)
前記出発物質が、

またはその塩である、項目44に記載の方法。
(項目49)
前記生成物が、

またはその塩である、項目44に記載の方法。
図1は、化合物Aの合成の工程1の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図2は、化合物Aの合成の工程1の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図3は、化合物Aの合成の工程1の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図4は、化合物Aの合成の工程3の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図5は、化合物Aの合成の工程3の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図6は、化合物Aの合成の工程3の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図7は、化合物Aの合成の工程4の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図8は、化合物Aの合成の工程4の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図9は、化合物Aの合成の工程4の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図10は、化合物Aの合成の工程5の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図11は、化合物Aの合成の工程5の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図12は、化合物Aの合成の工程5の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図13は、化合物AについてのHPLCデータを示している。
図14は、化合物AについてのLCMSデータを示している。
図15は、化合物AについてのNMRデータを示している。
図16は、化合物Cを合成するための出発物質についてのNMRデータを示している。
図17は、化合物Cを合成するための出発物質についてのHPLCデータを示している。
図18は、化合物Cの合成の工程1の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図19は、化合物Cの合成の工程1の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図20は、化合物Cの合成の工程3の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図21は、化合物Cの合成の工程3の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図22は、化合物Cの合成の工程3の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図23は、化合物Cの合成の工程4の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図24は、化合物Cの合成の工程4の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図25は、化合物Cの合成の工程4の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図26は、化合物Cの合成の工程5の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図27は、化合物Cの合成の工程5の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図28は、化合物Cの合成の工程5の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図29は、化合物CについてのHPLCデータを示している。
図30は、化合物CについてのLCMSデータを示している。
図31は、化合物CについてのNMRデータを示している。
図32は、化合物Bの合成の工程3の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図33は、化合物Bの合成の工程3の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図34は、化合物Bの合成の工程3の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図35は、化合物Bの合成の工程4の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図36は、化合物Bの合成の工程4の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図37は、化合物Bの合成の工程4の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図38は、化合物Bの合成の工程5の最終生成物についてのHPLCデータを示している。
図39は、化合物Bの合成の工程5の最終生成物についてのLCMSデータを示している。
図40は、化合物Bの合成の工程5の最終生成物についてのNMRデータを示している。
図41は、化合物BについてのHPLCデータを示している。
図42は、化合物BについてのLCMSデータを示している。
図43は、化合物BについてのNMRデータを示している。
図44は、Tie2のリン酸化を表しているウエスタンブロットである。
図45は、Aktのリン酸化についてのELISAデータを表している。
図46は、糖尿病性黄斑浮腫を有する患者におけるラニビズマブ(ranibizumab)の硝子体内注射の効果を判定するための二つの第III相研究の結果を表している。
図47は、4人の患者の皮下に5mgの化合物Aを28日間にわたって1日2回投与し、続いて、この研究の研究者の裁量によって、片眼または両眼(合計7つの眼)を硝子体内注射によりラニビズマブ(0.3または0.5mg)またはアフリベルセプト(aflibercept)(2mg)のいずれかで処置した研究の結果を表している。
図48は、糖尿病性黄斑浮腫を有する患者におけるラニビズマブの硝子体内注射の効果を判定するための第III相研究の結果を表している。
図49は、4人の患者の皮下に5mgの本明細書中に開示される化合物を、28日間にわたって1日2回投与し、続いて、硝子体内注射によりラニビズマブ(0.3または0.5mg)またはアフリベルセプト(2mg)のいずれかで処置した研究の視力上昇を表している。
図50は、薬物/抗体の併用で処置された眼の中心窩厚の経時的な変化をグラフで示している。
図51は、薬物/抗体の併用で処置された眼の中心窩厚の経時的な変化をグラフで示している。
図52は、6週齢のC57BL/6マウスにおいて行われたインビボ実験のグラフ表示である。
図53Aは、図52の実験の、FITCで標識されたGriffonia simplicifolia(GSA)で染色されたコントロールサンプルにおいて明らかな脈絡膜新生血管形成の程度を示している。
図53Bは、FITCで標識されたGriffonia simplicifolia(GSA)で染色された、アフリベルセプトで処置された動物の脈絡膜組織における新生血管形成の程度を表している。
図53Cは、FITCで標識されたGriffonia simplicifolia(GSA)で染色された、Tie−2シグナル伝達促進物質で処置された組織における新生血管形成の程度を表している。
図53Dは、FITCで標識されたGriffonia simplicifolia(GSA)で染色された、アフリベルセプトと本明細書中に開示される化合物との併用療法を受けた組織に存在する新生血管形成の程度を表している。
詳細な説明
血管不安定性、血管漏出および新生血管形成を特徴とする眼の障害を処置する化合物および方法が、本明細書中に提供される。HPTP−βは、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPase)のレセプター様ファミリーのメンバーである。HPTP−βは、細胞接着分子(CAM)に対して構造的および機能的類似性を示す、主に内皮細胞に見られる膜貫通タンパク質である。HPTP−βは、単一の触媒ドメインを含むという点で、レセプター様PTPaseの中でもユニークである。HPTP−βの主な機能の一つは、Tie−2を負に制御することである。
Tie−2は、ほぼもっぱら内皮細胞に見られるレセプターチロシンキナーゼである。Tie−2のリン酸化の主要制御因子は、アンジオポエチン−1(Ang−1)およびアンジオポエチン−2(Ang−2)である。Ang−1がTie−2に結合すると、Tie−2レセプターのリン酸化のレベルが上昇する。Tie−2レセプターのリン酸化の持続時間は、ホスフェートを切り離すHPTP−βによって制御される。Tie−2レセプターのリン酸化は、内皮細胞が近接した状態を維持するのを助け;ゆえに、Tie−2レセプターのリン酸化の持続時間は、内皮細胞の近接の重要な決定因子である。例えば、重度の炎症が生じると、毛細血管内皮細胞は分離して、タンパク質が間質腔に入るのを可能にする。毛細血管内皮細胞の分離およびその後の間質腔へのタンパク質の漏出は、血管漏出として知られ、危険な低血圧、浮腫、血液濃縮および低アルブミン血症に至り得る。
本開示は、新生血管形成(neovasculatization)および血管漏出が存在し得る眼疾患などの状態を処置するための組成物および方法に関する。これらの疾患は、眼の血管において高い血管新生応答を示し得る。本開示は、血管安定化をもたらし得るHPTP−β阻害剤を説明する。
ヒトタンパク質チロシンホスファターゼ−ベータ(HPTP−β)阻害剤
本明細書中に開示される化合物は、Tie−2活性化物質として有効であり得る。該化合物は、その活性を、例えば、HPTP−βに結合するかまたはHPTP−βを阻害することによって、発揮し得る。そのような化合物は、例えば、リン酸化された化合物などの天然の基質の結合機序を模倣することによって、HPTP−βに結合し得る。ある化合物は、ホスフェート模倣物またはバイオアイソスター、例えば、スルファミン酸であり得る。また、該化合物は、アミノ酸基本構成要素から誘導されても、合成を効率的にするためおよび節約するためのアミノ酸骨格を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、以下の式の化合物
またはそれらの薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであり、式中、Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または化学結合であり;Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSOもしくはNHCOR(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または
であり、式中、Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
いくつかの実施形態において、Arylは、置換または非置換のフェニルであり、Arylは、置換または非置換のヘテロアリールであり、Xは、アルキレンである。いくつかの実施形態において、Arylは、置換フェニルであり、Arylは、置換ヘテロアリールであり、Xは、メチレンである。
いくつかの実施形態において、ある化合物は、以下の式(fomula)の化合物
であり、式中、Arylは、パラ置換フェニルであり、Arylは、置換ヘテロアリールであり;Xは、メチレンであり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである。
いくつかの実施形態において、Arylは、パラ置換フェニルであり;Arylは、置換チアゾール部分であり;Xは、メチレンであり;Lは、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;Rは、置換または非置換のアルキルであり;Rは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rは、Hであり;Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Arylは、
であり、式中、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
いくつかの実施形態において、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり、Rは、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Arylは、4−フェニルスルファミン酸であり;Rは、置換または非置換のアルキルであり;Rは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rは、Hであり;Rは、ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Arylは、4−フェニルスルファミン酸であり;Rは、置換または非置換のアルキルであり;Rは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rは、Hであり;Rは、アルキルである。
いくつかの実施形態において、Arylは、
であり、式中、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rは、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Arylは、4−フェニルスルファミン酸であり;Rは、置換または非置換のアルキルであり;Rは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rは、Hであり;Rは、ヘテロアリールである。
いくつかの実施形態において、置換フェニル基は、
であり、式中、Rph1、Rph2、Rph3、Rph4およびRph5の各々は、独立して、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、スルファミン酸、トシレート、メシレート、トリフレート、ベシレート、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、スルフヒドリル基、ニトロ基、ニトロソ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
例証的な化合物としては、以下が挙げられる。
化学基に対する任意選択の置換基
任意選択の置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキサルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基、ウレイド基およびエステル基が挙げられる。
アルキルおよびアルキレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルキルおよびアルキレン基が挙げられる。アルキル基は、例えば、置換または非置換の、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
直鎖アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが挙げられる。
分枝状アルキル基には、任意の数のアルキル基で置換された任意の直鎖アルキル基が含まれる。分枝状アルキル基の非限定的な例としては、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルが挙げられる。
環式アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptlyl)およびシクロオクチル基が挙げられる。環式アルキル基には、縮合二環式化合物(bicycles)、架橋二環式化合物およびスピロ二環式化合物、ならびに高次の縮合系、架橋系およびスピロ系も含まれる。環式アルキル基は、任意の数の直鎖、分枝状または環式のアルキル基で置換され得る。
アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基のオレフィン(単数または複数)は、例えば、E、Z、cis、trans、末端またはエキソ−メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換または非置換の、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルキニル基が挙げられる。アルキニル(alkylnyl)またはアルキニレン基の三重結合は、内部または末端に存在し得る。アルキニルまたはアルキニレン基は、例えば、置換または非置換の、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
ハロアルキル基は、任意の数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子で置換された任意のアルキル基であり得る。ハロアルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された任意のアルケニル基であり得る。ハロアルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された任意のアルキニル基であり得る。
アルコキシ基は、例えば、任意のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基で置換された、酸素原子であり得る。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含む。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびイソブトキシが挙げられる。
アリール基は、複素環式または非複素環式であり得る。アリール基は、単環式または多環式であり得る。アリール基は、本明細書中に記載される任意の数の置換基、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン原子で置換され得る。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、トルイル、ナフチル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、チオフェニルおよびフリルが挙げられる。
アリールオキシ基は、例えば、任意のアリール基で置換された酸素原子、例えば、フェノキシであり得る。
アラルキル基は、例えば、任意のアリール基で置換された任意のアルキル基、例えば、ベンジルであり得る。
アリールアルコキシ基は、例えば、任意のアラルキル基で置換された酸素原子、例えば、ベンジルオキシであり得る。
複素環は、炭素ではない環原子、例えば、N、O、S、P、Si、Bまたは他の任意のヘテロ原子を含む任意の環であり得る。複素環は、任意の数の置換基、例えば、アルキル基およびハロゲン原子で置換され得る。複素環は、芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であり得る。複素環の非限定的な例としては、ピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、スクシンアミド、マレイミド、モルホリン、イミダゾール、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピランおよびテトラヒドロピランが挙げられる。
アシル基は、例えば、ヒドロカルビル、アルキル、ヒドロカルビルオキシ、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アリールアルコキシまたは複素環で置換されたカルボニル基であり得る。アシルの非限定的な例としては、アセチル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。
アシルオキシ基は、アシル基で置換された酸素原子であり得る。エステルまたはエステル基は、アシルオキシ基を含む。アシルオキシ基またはエステル基の非限定的な例は、アセテートである。
カルバメート基は、カルバモイル基で置換された酸素原子であり得、ここで、該カルバモイル基の窒素原子は、非置換であるか、または一つもしくは複数のヒドロカルビル、アルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはアラルキルで一置換されるかもしくは二置換される。窒素原子が、二置換されるとき、その二つの置換基は、窒素原子と一体となって、複素環を形成し得る。
本明細書中に記載される化合物は、化学的、光学的、異性体的、鏡像異性的またはジアステレオ異性的に、少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋または少なくとも99.9%純粋であり得る。純度は、例えば、HPLC、MS、LC/MS、融点またはNMRによって評価され得る。
薬学的に許容され得る塩
本発明は、本明細書中に記載される任意の化合物の薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。薬学的に許容され得る塩には、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸であり得る。塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基であり得る。いくつかの実施形態において、薬学的に許容され得る塩は、金属塩である。いくつかの実施形態において、薬学的に許容され得る塩は、アンモニウム塩である。
金属塩は、本発明の化合物への無機塩基の付加によって生じ得る。その無機塩基は、塩基性対イオン、例えば、水酸化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオンまたはリン酸イオンと対になった金属カチオンからなる。その金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属または典型金属元素(main group metal)であり得る。いくつかの実施形態において、上記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウムまたは亜鉛である。
いくつかの実施形態において、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩または亜鉛塩である。
アンモニウム塩は、本発明の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加によって生じ得る。いくつかの実施形態において、上記有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、ピピラゾール(pipyrrazole)、イミダゾール、ピラジンまたはピピラジン(pipyrazine)である。
いくつかの実施形態において、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N−メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N−メチルピペリジン塩、N−エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、ピピラゾール塩、イミダゾール塩、ピラジン塩またはピピラジン塩である。
酸付加塩は、本発明の化合物への酸の付加によって生じ得る。いくつかの実施形態において、上記酸は、有機酸である。いくつかの実施形態において、上記酸は、無機酸である。いくつかの実施形態において、上記酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸またはマレイン酸である。
いくつかの実施形態において、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate salt)、サッカリン酸塩(saccarate salt)、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩またはマレイン酸塩である。
光学活性
光学活性は、キラル分子が偏光面を回転させる能力である。光線を回転させ得る分子は、光学活性である。光線を時計回りに回転させる分子は、右旋性であり、光線を反時計回りに回転させる分子は、左旋性である。一方のエナンチオマーしかサンプル中に存在しない場合、そのサンプルは、光学的に純粋である。両方のエナンチオマー(enatiomers)が等量で存在するとき、旋光性の影響は、合計してゼロになる。エナンチオマーの混合物が存在するが、一方のエナンチオマーが過剰に存在する場合、上記サンプルは、光学活性である。
光学活性は、温度、使用される光の波長および物質の濃度に基づいてその物質の比旋光度を測定する旋光計を用いて計測され得、それは、材料が偏光を回転させる角度として表現され得る。旋光計は、光線が偏光フィルターを介して通過するサンプルチューブを保持する。解析レンズは、その光線がユーザーに可視であるように回転し;そのレンズがその光線を可視にするために回転しなければならない量(度を単位として表現される)は、実測旋光度として知られ、試験されているサンプルの比旋光度を計算するために使用される。
サンプルの比旋光度は、約+1°、約−1°、約+2°、約−2°、約+3°、約−3°、約+4°、約−4°、約+5°、約−5°、約+6°、約−6°、約+7°、約−7°、約+8°、約−8°、約+9°、約−9°、約+10°、約−10°、約+11°、約−11°、約+12°、約−12°、約+13°、約−13°、約+14°、約14°、約+15°、約−15°、約+16°、約−16°、約+17°、約−17°、約+18°、約−18°、約+19°、約−19°、約+20°、約−20°、約+21°、約−21°、約+22°、約−22°、約+23°、約−23°、約+24°、約−24°、約+25°、約−25°、約+26°、約−26°、約+27°、約−27°、約+28°、約−28°、約+29°、約−29°、約+30°、約−30°、約+40°、約−40°、約+50°、約−50°、約+60°、約−60°、約+70°、約−70°、約+80°、約−80°、約+90°、約−90°、約+100°、約−100°、約+110°、約−110°、約+120°、約−120°、約+130°、約−130°、約+140°、約−140°、約+150°、約−150°、約+160°、約−160°、約+170°、約−170°、約+180°、約−180°、約+190°、約−190°、約+200°、約−200°、約+210°、約−210°、約+220°、約−220°、約+230°、約−230°、約+240°、約−240°、約+250°、約−250°、約+260°、約−260°、約+270°、約−270°、約+280°、約−280°、約+290°、約−290°、約+300°、約−300°、約+310°、約−310°、約+320°、約−320°、約+330°、約−330°、約+340°、約−340°、約+350°、約−350°、約+360°または約−360°であり得る。
円偏光二色性(CD)は、左円偏光(L−CPL)と右円偏光(R−CPL)の吸収の差であり、分子が一つまたはそれより多くのキラル光吸収基を含むとき、生じる。光学活性なキラル分子は、一方向の偏光を優先的に吸収し、それにより、異なる偏光光線が光学活性な媒質を異なる速度(velocites)で通過する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される薬学的組成物は、立体異性体の混合物を含む。立体異性体は、全混合物の約0.0001%、約0.0005%、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%または約50%というパーセンテージで存在し得る。
サンプルの光学活性は、例えば、同じサンプル中の化合物のラセミ化、エピマー化または立体中心の反転によって、変化し得る。例えば、以下の式の化合物
が、好適な反応条件に供されるか、または好適な試薬もしくは触媒と接触する場合、その化合物の立体中心が変化して、例えば、以下の式のいずれかの化合物またはそれらの混合物
あるいはその立体異性体、互変異性体または塩を提供し得る。
立体中心を有する化合物および立体中心を有する出発物質は、好適な反応条件下または好適な試薬もしくは触媒の存在下、一つにカップリングし得、その反応中に一つまたは複数の立体中心の反転を起こし得る。例えば、以下の式の化合物
は、以下の式の出発物質
(式中、N基は窒素原子を含む官能基である)とカップリングして、以下の式の生成物
またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩を提供し得る。
好適な試薬および触媒の非限定的な例としては、酸、塩基、カップリング剤および添加物が挙げられる。酸の非限定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、酒石酸、酢酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸およびトリフリン酸が挙げられる。塩基の非限定的な例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二リチウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、アンモニア、トリアルキルアミン、水酸化アンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリベンジルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、DBN、ピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジン、キノリン、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフチレン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンおよびジメチルアミノピリジンが挙げられる。カップリング剤の非限定的な例としては、DCC、DIC、EDCI、HBTU、TBTU、HATU、HCTU、BOP、PyBOP、PyAOP、PyBroP、TSTU、TOTU、TPTU、TDBTU、DEPBT、CDI、T3Pおよび塩化ピバロイルが挙げられる。添加物の非限定的な例としては、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、ゼオライト、活性炭、モンモリロナイト、HOBtおよびHOAtが挙げられる。
抗体
本発明の化合物は、抗体、例えば、抗VEGF剤と共製剤化(co−formulated)または共投与(co−administered)され得る。そのような抗体の非限定的な例としては、ラニビズマブ、ベバシズマブおよびアフリベルセプトが挙げられる。
抗体は、重鎖および軽鎖を含み得る。いくつかの実施形態において、重鎖は、配列番号1:
を含む。
いくつかの実施形態において、重鎖は、配列番号1である。
いくつかの実施形態において、軽鎖は、配列番号2:
を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖は、配列番号2である。
本明細書中で使用される抗体は、配列番号1および2の一方または両方を含み得る。本明細書中で使用される抗体は、配列番号1および2の一方または両方からなり得る。
製剤
開示される可溶化系は、単独でまたは組み合わさって本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を可溶化する1種または複数種の薬学的に許容され得る作用物質を含み得る。
アルコール
可溶化剤の非限定的な例としては、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の非限定的な例としては、アルコール、例えば、C−C直鎖アルキル、C−C分枝状アルキル、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−ヒドロキシプロパノール、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール;置換または非置換アリールおよびベンジルアルコールが挙げられる。
シクロデキストリン
シクロデキストリンの非限定的な例としては、β−シクロデキストリン、メチルβ−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンナトリウム塩および2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(cyclodextirn)が挙げられる。シクロデキストリンは、大きな環式構造を有し得、その構造の中心をチャネルが通っている。シクロデキストリンの内部は、疎水性であり得、疎水性分子と好ましく相互作用する。シクロデキストリンの外部は、バルク溶媒に曝露されたいくつかのヒドロキシル基に起因して、高度に親水性であり得る。本明細書中に開示される化合物などの疎水性分子をシクロデキストリンのチャネルの中に捕捉することにより、非共有結合性の疎水性相互作用によって安定化された複合体が形成され得る。その複合体は、水に可溶性であり得、捕捉された疎水性分子をバルク溶媒に運び得る。
開示される可溶化系は、2−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン(HPβ−CD)を含む。2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン[CAS No.128446−35−5]は、Cavitron(商標)として商業的に入手可能である。2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンまたはHPβCDとしても知られていると説明され、以下の式
のいずれかによって表され得る。
Cavitron(商標)の平均分子量は、およそ1396Daであり、平均置換度は、一つの環グルコース単位あたり約0.5〜約1.3単位の2−ヒドロキシプロピルである。
一つの実施形態において、本明細書中に開示される製剤は、約20部の本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と約1部の可溶化系との比(約20:約1)から、約1部の本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と約20部の可溶化系との比(約1:約20)までを含み得る。例えば、約100mgの本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む製剤は、約5mg〜約2000mgの可溶化剤、例えば、シクロデキストリンを含み得る。別の実施形態において、その比は、可溶化系の数またはモルと比較した数またはモルまたは化合物に基づき得る。
以下は、本明細書中の化合物と、可溶化剤、例えば、シクロデキストリンとの比の非限定的な例である。あるいは、以下の例は、可溶化剤、例えば、シクロデキストリンと本明細書中の化合物との比を記載する。その比は、約20:約1、約19.9:約1、約19.8:約1、約19.7:約1、約19.6:約1、約19.5:約1、約19.4:約1、約19.3:約1、約19.2:約1、約19.1:約1、約19:約1、約18.9:約1、約18.8:約1、約18.7:約1、約18.6:約1、約18.5:約1、約18.4:約1、約18.3:約1、約18.2:約1、約18.1:約1、約18:約1、約17.9:約1、約17.8:約1、約17.7:約1、約17.6:約1、約17.5:約1、約17.4:約1、約17.3:約1、約17.2:約1、約17.1:約1、約17:約1、約16.9:約1、約16.8:約1、約16.7:約1、約16.6:約1、約16.5:約1、約16.4:約1、約16.3:約1、約16.2:約1、約16.1:約1、約16:約1、約15.9:約1、約15.8:約1、約15.7:約1、約15.6:約1、約15.5:約1、約15.4:約1、約15.3:約1、約15.2:約1、約15.1:約1、約15:約1、約14.9:約1、約14.8:約1、約14.7:約1、約14.6:約1、約14.5:約1、約14.4:約1、約14.3:約1、約14.2:約1、約14.1:約1、約14:約1、約13.9:約1、約13.8:約1、約13.7:約1、約13.6:約1、約13.5:約1、約13.4:約1、約13.3:約1、約13.2:約1、約13.1:約1、約13:約1、約12.9:約1、約12.8:約1、約12.7:約1、約12.6:約1、約12.5:約1、約12.4:約1、約12.3:約1、約12.2:約1、約12.1:約1、約12:約1、約11.9:約1、約11.8:約1、約11.7:約1、約11.6:約1、約11.5:約1、約11.4:約1、約11.3:約1、約11.2:約1、約11.1:約1、約11:約1、約10.9:約1、約10.8:約1、約10.7:約1、約10.6:約1、約10.5:約1、約10.4:約1、約10.3:約1、約10.2:約1、約10.1:約1、約10:約1、約9.9:約1、約9.8:約1、約9.7:約1、約9.6:約1、約9.5:約1、約9.4:約1、約9.3:約1、約9.2:約1、約9.1:約1、約9:約1、約8.9:約1、約8.8:約1、約8.7:約1、約8.6:約1、約8.5:約1、約8.4:約1、約8.3:約1、約8.2:約1、約8.1:約1、約8:約1、約7.9:約1、約7.8:約1、約7.7:約1、約7.6:約1、約7.5:約1、約7.4:約1、約7.3:約1、約7.2:約1、約7.1:約1、約7:約1、約6.9:約1、約6.8:約1、約6.7:約1、約6.6:約1、約6.5:約1、約6.4:約1、約6.3:約1、約6.2:約1、約6.1:約1、約6:約1、約5.9:約1、約5.8:約1、約5.7:約1、約5.6:約1、約5.5:約1、約5.4:約1、約5.3:約1、約5.2:約1、約5.1:約1、約5:約1、約4.9:約1、約4.8:約1、約4.7:約1、約4.6:約1、約4.5:約1、約4.4:約1、約4.3:約1、約4.2:約1、約4.1:約1、約4:約1、約3.9:約1、約3.8:約1、約3.7:約1、約3.6:約1、約3.5:約1、約3.4:約1、約3.3:約1、約3.2:約1、約3.1:約1、約3:約1、約2.9:約1、約2.8:約1、約2.7:約1、約2.6:約1、約2.5:約1、約2.4:約1、約2.3:約1、約2.2:約1、約2.1:約1、約2:約1、約1.9:約1、約1.8:約1、約1.7:約1、約1.6:約1、約1.5:約1、約1.4:約1、約1.3:約1、約1.2:約1、約1.1:約1、または約1:約1であり得る。
ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidione)
可溶化剤の別の非限定的な例は、以下の式
を有するポリビニルピロリドン(PVP)であり、式中、添え字nは、約40〜約200である。PVPは、約5500〜約28,000g/molの平均分子量を有し得る。一つの非限定的な例は、およそ10,000g/molの平均分子量を有するPVP−10である。
ポリアルキレンオキシド(Polyakyleneoxides)およびそのエーテル
可溶化剤の別の非限定的な例としては、ポリアルキレンオキシド、およびアルコールまたはポリオールのポリマーが挙げられる。ポリマーは、混合され得るか、または単一のモノマーリピートサブユニットを含み得る。例えば、約200〜約20,000の平均分子量を有するポリエチレングリコール、例えば、PEG200、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1450、PEG1500、PEG4000、PEG4600およびPEG8000である。同じ実施形態において、組成物は、PEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600およびPEG8000から選択される一つまたはそれより多くのポリエチレングリコールを含む。
他のポリアルキレンオキシドは、以下の式
HO[CH(CH)CHO]
を有するポリプロピレングリコールであり、式中、添え字xは、そのポリマー中のプロピレンオキシ単位の平均数を表す。添え字xは、整数または分数によって表され得る。例えば、8,000g/molの平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PEG8000)は、以下の式
HO[CH(CH)CHO]138H または
HO[CH(CH)CHO]137.6
によって表され得るか、またはそのポリプロピレングリコールは、通常の簡易表記:PEG8000によって表され得る。
ポリプロピレングリコールの別の例は、約1200g/mol〜約20,000g/molの平均分子量を有し得、すなわち、約8,000g/molの平均分子量を有するポリプロピレングリコール、例えば、PEG8000であり得る。
別の可溶化剤は、Polysorbate80(Tween(商標)80)であり、これは、ソルビトールおよびソルビトール無水物の1モルに対しておよそ20モルのエチレンオキシドと共重合した、ソルビトールおよびその無水物のオレイン酸エステルである。Polysorbate80は、ソルビタンモノ−9−オクタデカノエートポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)誘導体から構成されている。
可溶化剤には、以下の式
HO(CHCHy1(CHCHCHO)y2(CHCHO)y3OH
を有するポロキサマーも含まれ、これは、二つのポリエチレンオキシ単位に隣接したポリプロピレンオキシ単位から構成される非イオン性ブロック共重合体である。添え字y、yおよびyは、上記ポロキサマーが約1000g/mol〜約20,000g/molの平均分子量を有するような値を有する。
いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約0.1mg/mL〜約100mg/mL、約0.1mg/mL〜約1mg/mL、約0.1mg/mL〜約5mg/mL、約5mg/mL〜約10mg/mL、約10mg/mL〜約15mg/mL、約15mg/mL〜約20mg/mL、約20mg/mL〜約25mg/mL、約25mg/mL〜約30mg/mL、約30mg/mL〜約35mg/mL、約35mg/mL〜約40mg/mL、約40mg/mL〜約45mg/mL、約45mg/mL〜約50mg/mL、約50mg/mL〜約55mg/mL、約55mg/mL〜約60mg/mL、約60mg/mL〜約65mg/mL、約65mg/mL〜約70mg/mL、約70mg/mL〜約75mg/mL、約75mg/mL〜約80mg/mL、約80mg/mL〜約85mg/mL、約85mg/mL〜約90mg/mL、約90mg/mL〜約95mg/mL、または約95mg/mL〜約100mg/mLの量で製剤中に存在する。
いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL 約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL 約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、約30mg/mL、約31mg/mL 約32mg/mL、約33mg/mL、約34mg/mL、約35mg/mL、約36mg/mL、約37mg/mL、約38mg/mL、約39mg/mL、約40mg/mL、約41mg/mL 約42mg/mL、約43mg/mL、約44mg/mL、約45mg/mL、約46mg/mL、約47mg/mL、約48mg/mL、約49mg/mL、約50mg/mL、約51mg/mL 約52mg/mL、約53mg/mL、約54mg/mL、約55mg/mL、約56mg/mL、約57mg/mL、約58mg/mL、約59mg/mL、約60mg/mL、約61mg/mL 約62mg/mL、約63mg/mL、約64mg/mL、約65mg/mL、約66mg/mL、約67mg/mL、約68mg/mL、約69mg/mL、約70mg/mL、約71mg/mL 約72mg/mL、約73mg/mL、約74mg/mL、約75mg/mL、約76mg/mL、約77mg/mL、約78mg/mL、約79mg/mL、約80mg/mL、約81mg/mL 約82mg/mL、約83mg/mL、約84mg/mL、約85mg/mL、約86mg/mL、約87mg/mL、約88mg/mL、約89mg/mL、約90mg/mL、約91mg/mL 約92mg/mL、約93mg/mL、約94mg/mL、約95mg/mL、約96mg/mL、約97mg/mL、約98mg/mL、約99mg/mL、または約100mg/mLの量で製剤中に存在する。
本明細書中に開示される製剤は、ある添加物または作用物質を加えることによって、可溶性が高められ得る。製剤の溶解度の改善によって、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約450%または約500%上昇し得る。
本明細書中に開示される製剤は、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間または約1年間、安定であり得る。本明細書中に開示される製剤は、例えば、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約60℃、約70℃または約80℃において安定であり得る。
賦形剤
本発明の薬学的組成物は、本明細書中に記載される任意の薬学的化合物と、他の化学的構成要素、例えば、キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤および/または賦形剤との組み合わせであり得る。その薬学的組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。薬学的組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経皮、膣、耳、鼻および局所投与をはじめとする、様々な形態および経路によって、薬学的組成物として治療有効量で投与され得る。
薬学的組成物は、必要に応じてデポーまたは徐放製剤として、例えば、器官に化合物を直接注射することによって、局所または全身に投与され得る。薬学的組成物は、急速放出製剤の形態で、持続放出製剤の形態で、または中速度(intermediate)放出製剤の形態で提供され得る。急速放出型は、即時放出を提供し得る。持続放出製剤は、制御放出または持続性の遅延放出を提供し得る。
経口投与の場合、薬学的組成物は、活性な化合物を薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤と組み合わせることによって、容易に製剤化され得る。そのようなキャリアを使用することにより、被験体による経口摂取のための、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤などを製剤化することができる。
経口使用のための薬学的調製物は、1種または複数種の固体賦形剤を本明細書中に記載される化合物の1種または複数種と混合し、得られた混合物を必要に応じて粉砕し、その顆粒の混合物を加工して、所望であれば好適な補助剤を加えた後に、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって、得ることができる。コアは、好適なコーティングを伴って提供され得る。この目的上、濃縮された糖溶液を使用することができ、上記糖溶液は、賦形剤、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。例えば、識別のため、または活性な化合物の用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
経口的に使用され得る薬学的調製物には、ゼラチンから作製された押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールから作製された密封軟カプセルが含まれる。いくつかの実施形態において、上記カプセルは、薬学的ゼラチン、ウシゼラチンおよび植物ゼラチンの一つまたは複数を含む硬ゼラチンカプセルを含む。ゼラチンは、アルカリ処理され得る。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに安定剤と混合した状態で活性成分を含み得る。軟カプセルにおいて、活性な化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶解し得るかまたは懸濁し得る。安定剤が加えられ得る。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した投薬量で提供される。
頬側または舌下投与の場合、組成物は、錠剤、舐剤またはゲル剤であり得る。
非経口注射剤は、ボーラス注射または持続注入用に製剤化され得る。上記薬学的組成物は、油性または水性ビヒクルにおける滅菌された懸濁物、溶液またはエマルジョンとして非経口注射に適した形態であり得、製剤化剤(formulatory agents)、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含み得る。非経口投与のための薬学的製剤には、水溶性の形態の活性な化合物の水溶液が含まれる。活性な化合物の懸濁物は、油性の注射用懸濁物として調製され得る。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を高める物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含み得る。上記懸濁物は、好適な安定剤、または化合物の溶解度を高めることにより高度に濃縮された溶液の調製を可能にする作用物質も含み得る。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌された発熱物質非含有水で構成するための粉末の形態であり得る。
活性な化合物は、局所的に投与され得、種々の局所的に投与可能な組成物、例えば、溶液、懸濁物、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バルム剤(balms)、クリームおよび軟膏に製剤化され得る。そのような薬学的組成物は、可溶化剤、安定剤、張度向上剤、緩衝剤および保存剤を含み得る。
活性な化合物の経皮投与に適した製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを使用し得、ポリマーまたは接着剤に溶解したおよび/または分散した、親油性エマルジョンまたは緩衝水溶液であり得る。そのようなパッチは、薬学的化合物の連続的送達、拍動性送達または応需型送達のために構築され得る。経皮送達は、イオントフォレーシスパッチを用いて達成され得る。さらに、経皮パッチは、制御送達を提供し得る。吸収速度は、律速膜を使用することによって、またはポリマーマトリックス内もしくはゲル内に化合物を捕捉することによって、遅くすることができる。逆に、吸収促進剤を用いることによって、吸収を高めることができる。吸収促進剤またはキャリアには、皮膚を通過するのを助ける吸収性の薬学的に許容され得る溶媒が含まれ得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち材、化合物およびキャリアを含むレザバー、長時間にわたって制御された所定の速度で被験体の皮膚に化合物を送達する律速バリア、ならびにそのデバイスを皮膚または眼に固定する接着剤を含む包帯の形態であり得る。
吸入による投与の場合、活性な化合物は、エアロゾル、ミストまたは粉末としての形態であり得る。薬学的組成物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスを使用して、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレーの提示の形態で便利に送達される。加圧エアロゾルの場合、投薬量の単位は、定量を送達するバルブを提供することによって決定され得る。吸入器または注入器において使用するための、例えばゼラチンの、カプセルおよびカートリッジは、化合物と好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を含んで、製剤化され得る。
化合物は、従来の坐剤基剤、例えば、カカオバターまたは他のグリセリド、ならびに合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンおよびPEGを含む直腸用組成物、例えば、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤または停留浣腸としても、製剤化され得る。坐剤の形態の組成物では、低融点ろう、例えば、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物が使用され得る。
本明細書中に提供される処置または使用の方法を実施する際、治療有効量の本明細書中に記載される化合物が、処置される疾患または状態を有する被験体に薬学的組成物として投与される。いくつかの実施形態において、上記被験体は、哺乳動物、例えば、ヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、ならびに他の因子に応じて大幅に変わり得る。上記化合物は、単独で、または混合物の構成要素として1種もしくは複数種の治療剤と組み合わせて、使用され得る。
薬学的組成物は、活性な化合物を、薬学的に使用され得る調製物に加工するのを容易にする賦形剤および補助剤を含む1種または複数種の生理的に許容され得るキャリアを用いて製剤化され得る。製剤は、選択される投与経路に応じて改変され得る。本明細書中に記載される化合物を含む薬学的組成物は、例えば、混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、湿式粉砕(levigating)、乳化、カプセル封入、捕捉または圧縮プロセスによって、製造され得る。
薬学的組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤または賦形剤、および遊離塩基もしくは薬学的に許容され得る塩の形態の、本明細書中に記載される化合物を含み得る。本明細書中に記載される方法および薬学的組成物には、結晶型(多形としても知られる)および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性な代謝産物の使用が含まれる。
本明細書中で記載される化合物を含む組成物を調製するための方法は、該化合物を1種または複数種の不活性な薬学的に許容され得る賦形剤またはキャリアとともに製剤化して、固体、半固体または液体の組成物を形成する工程を含む。固体の組成物には、例えば、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。液体の組成物には、例えば、化合物を溶解させた溶液、化合物を含むエマルジョン、または本明細書中に開示されるような化合物を含むリポソーム、ミセルもしくはナノ粒子を含む溶液が含まれる。半固体の組成物としては、例えば、ゲル、懸濁物およびクリームが挙げられる。上記組成物は、液体の溶液もしくは懸濁物、使用前の液体への溶解または懸濁に適した固体の形態、またはエマルジョンとして存在し得る。これらの組成物は、微量の無毒性の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤および他の薬学的に許容され得る添加物も含み得る。
本発明において使用するのに適した剤形の非限定的な例としては、飼料、食物、ペレット、舐剤、液剤、エリキシル剤、エアロゾル、吸入剤、スプレー、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、ゲル剤、ゲルタブ(geltab)、ナノ懸濁剤、ナノ粒子、マイクロゲル、坐剤、トローチ剤、水性または油性の懸濁剤、軟膏、パッチ、ローション、歯磨剤、エマルジョン、クリーム、滴剤、分散性の散剤または顆粒剤、硬または軟ゲルカプセル内のエマルジョン、シロップ剤、植物性医薬品(phytoceuticals)、栄養補助食品およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本発明において使用するのに適した薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、滑剤、抗接着剤、帯電防止剤、界面活性物質、抗酸化剤、ゴム、コーティング剤、着色剤、香味剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗菌剤、植物セルロース系材料および球形化剤ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、化合物の迅速な作用を可能にするように製剤化され得る。即時放出製剤の非限定的な例としては、容易に溶解可能な製剤が挙げられる。制御放出製剤は、薬物放出速度および薬物放出プロファイルが、生理学的要求および時間治療学的要求に合致し得るように適合されたか、あるいは、プログラムされた速度で薬物の放出をもたらすように製剤化された、薬学的製剤であり得る。制御放出製剤の非限定的な例としては、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、ヒドロゲル(例えば、合成または天然起源)、他のゲル化剤(例えば、ゲル形成食物繊維)、マトリックスベースの製剤(例えば、少なくとも一つの活性成分が分散したポリマー材料を含む製剤)、マトリックス内の顆粒剤、ポリマー混合物および顆粒塊が挙げられる。
開示される組成物は、必要に応じて、約0.001%〜約0.005%(重量/体積)の薬学的に許容され得る保存剤を含み得る。好適な保存剤の一つの非限定的な例は、ベンジルアルコールである。
いくつかにおいて、制御放出製剤は、遅延放出型である。遅延放出型は、化合物の作用を長時間にわたって遅延させるように製剤化され得る。遅延放出型は、有効用量の1種または複数種の化合物の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16または約24時間遅延させるように製剤化され得る。
制御放出製剤は、徐放型であり得る。徐放型は、例えば、化合物の作用を長時間にわたって持続するように製剤化され得る。徐放型は、有効用量の本明細書中に記載される任意の化合物を約4、約8、約12、約16または約24時間にわたって提供する(例えば、生理的に有効な血液プロファイルを提供する)ように製剤化され得る。
薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)(これらの各々が、その全体が参照により組み込まれる)に見られる。
開示される方法は、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を薬学的に許容され得るキャリアとともに投与する工程を含む。そのキャリアは、活性成分の任意の分解を最小限に抑えるように、かつ被験体における任意の有害な副作用を最小限に抑えるように選択され得る。
別の態様では、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩は、予防的に、すなわち、防止剤として、抗VEGF剤による処置を停止した後に使用され得る。本明細書中のHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩は、1種または複数種の薬学的に許容され得るキャリアから構成される薬学的組成物に便利に製剤化され得る。例えば、本明細書中に記載される化合物の製剤の調製とともに使用され得る、代表的なキャリアおよび薬学的組成物を調製する従来の方法を開示するRemington’s Pharmaceutical Sciences,最新版,E.W.Martin Mack Pub.Co.,Easton,PA(これは、本明細書中に参照により組み込まれる)を参照のこと。そのような医薬は、組成物をヒトおよび非ヒトに投与するための標準的なキャリアであり得、それらには、溶液、例えば、滅菌水、食塩水および生理学的pHの緩衝液が含まれる。他の組成物は、標準的な手順に従って投与され得る。例えば、薬学的組成物は、1種または複数種のさらなる活性成分、例えば、抗菌剤、抗炎症剤および麻酔薬も含み得る。
薬学的に許容され得るキャリアの非限定的な例としては、食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。上記溶液のpHは、約5〜約8であり得、約7〜約7.5であり得る。さらなるキャリアとしては、徐放調製物、例えば、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは、成形された物品、例えば、フィルム、リポソーム、微小粒子またはマイクロカプセルの形態である。
開示される方法は、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を薬学的組成物の一部として投与することに関する。様々な実施形態において、本発明の組成物は、溶液、懸濁物またはその両方の形態の、活性な作用物質を含む液体を含み得る。液体組成物には、ゲルが含まれ得る。一つの実施形態において、液体組成物は、水性である。あるいは、上記組成物は、軟膏の形態をとり得る。別の実施形態において、上記組成物は、インサイチュゲル化可能水性組成物である。いくつかの実施形態において、上記組成物は、インサイチュゲル化可能水溶液である。そのような組成物は、眼の外部において眼または涙液と接触した際にゲル化を促進するのに有効な濃度でゲル化剤を含み得る。本発明の水性組成物は、眼科的に適合性のpHおよび重量オスモル濃度を有する。上記組成物は、結膜下投与のための、活性な作用物質を含む眼科用デポー製剤を含み得る。上記活性な作用物質を含む微小粒子は、生体適合性の薬学的に許容され得るポリマーまたは脂質カプセル化剤に包埋され得る。上記デポー製剤は、長時間にわたってすべてのまたは実質的にすべての活性な材料を放出するように適合させられ得る。上記ポリマーまたは脂質マトリックスは、存在する場合、活性な作用物質のすべてまたは実質的にすべてを放出した後、十分に分解して投与部位から運搬されるように適合させられ得る。上記デポー製剤は、薬学的に許容され得るポリマーおよび溶解したまたは分散した活性な作用物質を含む液体製剤であり得る。上記ポリマーは、注射されると、例えば、ゲル化すること(gelifying)または沈殿することによって、注射部位に貯蔵物を形成する。上記組成物は、眼の好適な位置、例えば、眼と眼瞼の間または結膜嚢(conjuctival sac)に挿入され得る固体の物品を含み得、ここで、上記物品は、活性な作用物質を放出する。眼への埋込みに適した固体の物品は、ポリマーを含み得、生体内分解性または非生体内分解性であり得る。
薬学的製剤は、本明細書中に開示される化合物に加えて、さらなるキャリアならびに増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤および界面活性剤を含み得る。薬学的製剤は、1種または複数種のさらなる活性成分、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬なども含み得る。
賦形剤は、不活性な充填剤と同程度に単純かつ直接的な役割を務め得るか、または本明細書中で使用されるような賦形剤は、上記成分を胃に安全に送達するのを保証するpH安定化系またはコーティングの一部であり得る。
HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩は、活性な治療剤をエアロゾルの形態で、身体の腔、例えば、鼻、咽喉または気管支の通路に送達するための液体、エマルジョンまたは懸濁物としても存在し得る。これらの調製物におけるHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩と他の配合剤との比は、剤形が要求する場合に変わり得る。
意図される投与様式に応じて、開示される方法の一部として投与される薬学的組成物は、固体、半固体または液体の剤形、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、ローション、クリーム、ゲルなどの形態、例えば、正確な投薬量の単一投与に適した単位剤形であり得る。上記組成物は、上で述べたように、有効量のHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を薬学的に許容され得るキャリアとともに含み得、さらに、他の薬剤、医薬品、キャリア、佐剤、希釈剤などを含み得る。
固体組成物の場合、無毒性の固体キャリアとしては、例えば、製薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウムが挙げられる。一つの実施形態において、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を、0.1mLの液体あたりおよそ5mgの量で含む組成物が、調製される。その液相は、滅菌水および適切な量のサッカライドまたは多糖を含む。
投与方法および処置方法
本明細書中に記載される化合物を含む薬学的組成物は、予防的処置および/または治療的処置のために投与され得る。治療的用途において、上記組成物は、疾患または状態にすでに罹患している被験体に、上記疾患もしくは状態を治癒するのに十分か、またはその疾患もしくは状態の徴候を少なくとも部分的に停止するのに十分か、またはその状態を治癒するか、治すか、改善するかもしくは回復させるのに十分な量で、投与され得る。化合物は、状態を発症する可能性、状態にかかる可能性または状態を悪化させる可能性を低下させるためにも投与され得る。この使用にとって有効な量は、上記疾患または状態の重症度および経過、以前の治療、被験体の健康状態、体重、薬物に対する応答、ならびに処置している医師の判断に基づいて変わり得る。
複数種の治療剤が、任意の順序でまたは同時に投与され得る。同時の場合、上記複数種の治療剤は、単一の一体化した形態、または複数の形態、例えば、複数の別個の丸剤として、提供され得る。上記化合物は、単一の包装または複数の包装の中に、共にまたは別々に包装され得る。上記治療剤の1種またはすべてが、複数回投与で投与され得る。同時でない場合、複数回投与の間のタイミングは様々であり得る。
本発明の化合物および組成物は、キットとしてまとめられ得る。いくつかの実施形態において、本発明は、キットを提供し、該キットは、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および本明細書中に記載される状態の処置においてそのキットを使用する際の書面の指示書を備える。いくつかの実施形態において、本発明は、キットを提供し、該キットは、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に許容され得る塩、抗体、および本明細書中に記載される状態の処置においてそのキットを使用する際の書面の指示書を備える。
本明細書中に記載される化合物は、疾患または状態が発生する前、発生している間、または発生した後に投与され得、化合物を含む組成物を投与するタイミングは、様々であり得る。例えば、上記化合物は、予防薬として使用され得、状態または疾患の傾向を有する被験体に、該疾患または状態が発生する可能性を低下させるために連続的に投与され得る。上記化合物および組成物は、該徴候が発生している間、またはその徴候が発生した後できるだけ早く、被験体に投与され得る。上記化合物の投与は、徴候の発生の最初の48時間以内、徴候の発生の最初の24時間以内、徴候の発生の最初の6時間以内または徴候の発生の3時間以内に開始され得る。最初の投与は、任意の実用的な経路を介して、例えば、本明細書中に記載される任意の経路によって、本明細書中に記載される任意の製剤を用いて行われ得る。化合物は、疾患または状態の発生が検出された後または疑われた後にできる限り早く、かつその疾患の処置に必要な長さの時間、例えば、約1ヶ月間〜約3ヶ月間にわたって、投与され得る。処置の長さは、各被験体ごとに異なり得る。
本明細書中に記載される薬学的組成物は、正確な投薬量の単一投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形において、上記製剤は、適切な量の1種または複数種の化合物を含む単位用量に分割される。その単位剤形は、別々の量の製剤を含む包装の形態であり得る。非限定的な例は、包装された注射剤、バイアルまたはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単回投与用の再び密閉できない容器に包装され得る。複数回投与用の再び密閉できる容器も、例えば、保存剤と併用してまたは保存剤なしで、使用され得る。非経口注射用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプルとして、または保存剤を含む複数回投与用の容器の中に、提供され得る。
本明細書中に記載される化合物は、約1mg〜約2000mg、約5mg〜約1000mg、約10mg〜約25mg〜500mg、約50mg〜約250mg、約100mg〜約200mg、約1mg〜約50mg、約50mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約150mg〜約200mg、約200mg〜約250mg、約250mg〜約300mg、約300mg〜約350mg、約350mg〜約400mg、約400mg〜約450mg、約450mg〜約500mg、約500mg〜約550mg、約550mg〜約600mg、約600mg〜約650mg、約650mg〜約700mg、約700mg〜約750mg、約750mg〜約800mg、約800mg〜約850mg、約850mg〜約900mg、約900mg〜約950mg、または約950mg〜約1000mgの範囲内で、組成物中に存在し得る。
本明細書中に記載される化合物は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、または約2000mgの量で、組成物中に存在し得る。
方法
眼の疾患または状態、例えば、糖尿病性黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症(浸出型を含む)、脈絡膜新生血管形成、糖尿病性網膜症、眼虚血、ブドウ膜炎、網膜静脈閉塞(中心または分枝)、眼外傷、手術誘発性浮腫、手術誘発性新生血管形成、類嚢胞黄斑浮腫、眼虚血、中心窩厚の変化およびブドウ膜炎を処置するための方法が、本明細書中に開示される。これらの疾患または状態は、進行性であろうと非進行性であろうと、急性の疾患もしくは状態または慢性の疾患もしくは状態の結果であろうとなかろうと、眼の血管系の変化を特徴とし得る。いくつかの実施形態において、これらの疾患は、血漿血管内皮成長因子(VEGF)のレベルの増加を特徴とし得る。
いくつかの実施形態において、開示される方法は、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩、ならびにHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を含む組成物の投与に関する。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、漏出に対して血管系を安定化させるHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩と1種または複数種の抗VEGF剤との共投与に注目する。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、新生血管形成に対して血管系を安定化させるHPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩と1種または複数種の抗VEGF剤との共投与に注目する。
いくつかの実施形態において、上記阻害剤は、漏出および新生血管形成に対して血管系を安定化させる。
いくつかの実施形態において、少なくとも一つの視覚が損なわれた眼を有するヒト被験体は、皮下または硝子体内注射によって、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩で処置される。臨床徴候の改善は、例えば、倒像眼底検査、眼底撮影法、蛍光眼底血管造影法(fluorescein angiopathy)、網膜電図検査、外眼部検査、細隙灯顕微鏡検査、圧平眼圧測定法、パキメトリー、光干渉断層撮影法および自動屈折(autorefaction)によってモニターされ得る。本明細書中に記載されるように、投薬は、投与者によって決定される任意の頻度で行われ得る。抗VEGF剤の処置を休止した後、その後の投与は、毎週または毎月、例えば、応答に応じて2〜8週間または1〜12ヶ月間空けた頻度で投与され得る。
開示される方法の一態様は、糖尿病、とりわけ、糖尿病性黄斑浮腫および糖尿病性網膜症の直接的または間接的な結果である疾患に関する。糖尿病患者の眼の血管系は、経時的に不安定になり、非増殖網膜症、黄斑浮腫および増殖網膜症などの状態に至る。流体が、鮮明なまっすぐな視野を生じる眼の一部である黄斑の中心に漏出すると、該流体および関連タンパク質の蓄積が始まって、黄斑上または黄斑下に沈着する。これによって、被験体の中心視覚を歪ませる腫脹がもたらされる。この状態は、「黄斑浮腫」と称される。生じ得る別の状態は、非増殖網膜症であり、この非増殖網膜症では、眼の黄斑領域の外側に微小動脈瘤などの血管病変が観察され得る。
これらの状態は、新生血管形成の増加を特徴とする糖尿病性増殖網膜症に進行し得る。これらの新しい血管は、もろく、出血しやすい。その結果は、網膜の瘢痕化、ならびに新しい血管が過剰に形成されたことに起因する眼全体にわたる光の経路の閉塞または完全な封鎖である。糖尿病性黄斑浮腫は、糖尿病性網膜症の増殖段階または非増殖段階のいずれかの間に始まり得る。
糖尿病性網膜症は、労働年齢の米国人における視力喪失の一般的な原因である。重度の視力喪失は、網膜血管新生(NV)を悪化させる牽引性網膜剥離に起因して生じることがあり、中程度の視力喪失は、糖尿病性黄斑浮腫(DME)によって引き起こされ得る。DMEの病原には、低酸素が関わり得る。VEGFは、低酸素によって制御される遺伝子であり、VEGFのレベルは、低酸素または虚血下の網膜において上昇する。VEGFをマウスの眼に注射すると、内側血液網膜関門が破壊され、サルの眼においてVEGFを徐放させると、黄斑浮腫が生じる。
血管内皮細胞に対するVEGFの効果は、血管内皮細胞上に選択的に発現し、胚の血管発生にとって必要なTie2レセプターによって調節される。アンジオポエチン1(Ang1)は、Tie2に高親和性で結合し、リン酸化および下流のシグナル伝達を惹起する。アンジオポエチン2(Ang2)は、Tie2に高親和性で結合するが、培養された内皮細胞においてリン酸化を刺激しない。Ang2は、Ang1の競合的阻害剤として作用し、Ang2を過剰発現するトランスジェニックマウスは、Ang1欠損マウスと同様の表現型を有し、Ang2は、網膜におけるVEGF誘導性の新生血管形成に対する、発生的におよび低酸素によって制御される許容因子である。Ang2は、マトリックスからの安定化シグナルを減少させ、これにより、内皮細胞をVEGFおよび他の可溶性刺激因子に対して依存型にする;VEGFが多いと、新生血管形成が刺激され、VEGFが少ないと、新生血管形成は退行する。対照的に、Ang1は、マトリックスからの安定化シグナルを増加させ、血管系をVEGFのような可溶性刺激因子に対して非応答性にする。
アンジオポエチン2は、Tie2に結合するが、リン酸化を刺激せず、ゆえに、ほとんどの状況下でアンタゴニストとして作用する。眼では、Ang2は、新生血管形成の部位において上方制御され、VEGFに対する許容因子として作用する。網膜におけるVEGFの発現の増加は、網膜または脈絡毛細管板の毛細血管床の表層または中間部からの新生血管形成の発生を刺激しないが、毛細血管床の深部からの発生を刺激する。網膜表面におけるVEGFとAng2との同時発現は、網膜表層毛細血管からの新生血管形成の発生を引き起こす。
黄斑変性症は、網膜の中心における黄斑領域の細胞および組織の変性に起因して視界が徐々に失われるかまたは損なわれることを特徴とする状態である。黄斑変性症は、二つのタイプ、非滲出型(乾燥型)または滲出型(浸出型)のうちの一つとして特徴づけられることが多い。両方のタイプが、両側性および進行性であるが、各タイプは、異なる病理学的プロセスを示し得る。浸出型の加齢性黄斑変性症(AMD)は、最も一般的な形態の脈絡膜新生血管形成であり、高齢者における失明の主な原因である。AMDは、60歳を超える数百万人の米国人が影響を受けており、高齢者の新たな失明の主な原因である。
脈絡膜新生血管膜(CNVM)は、多種多様の網膜疾患に関係する問題であり、通常、AMDに関連する。CNVMがあると、脈絡膜(網膜のすぐ下にある血管が豊富な組織層)から生じる異常な血管が、網膜層の至るところに成長する。これらの新しい血管は、非常にもろく、容易に壊れ、このことにより、血液および体液が網膜の層の中に溜まる。
糖尿病(真性糖尿病)は、膵臓がインスリンを産生できないことまたは産生されたインスリンを使用できないことが原因の代謝疾患である。糖尿病の最も一般的なタイプは、1型糖尿病(若年発症型真性糖尿病と称されることが多い)および2型糖尿病(成人発症型真性糖尿病と称されることが多い)である。1型糖尿病は、インスリン産生細胞の喪失に起因して身体がインスリンを産生しないことによって生じ、やがて本人がインスリンを注射する必要が生じる。2型糖尿病は、一般に、インスリン抵抗性、すなわち細胞がインスリンを適切に使用しない状態によって生じる。
糖尿病は、多数の他の状態と相関することがあり、それらの状態には、ほとんどの先進国における視力喪失および失明の主な原因である、糖尿病性網膜症(DR)および糖尿病性黄斑浮腫(DME)を含む眼の状態または疾患が含まれる。糖尿病を有する個体の数が世界中で増加していることは、DRおよびDMEが、この先何年も視力喪失および関連する機能障害に対する主要原因であり続けることを示唆している。
DRは、眼の裏(網膜)の光感受性組織の血管に対する損傷に起因する糖尿病の合併症である。初期段階では、DRは、徴候が無いかまたは軽度の視覚問題を引き起こすだけであることが多い。最終的には、DRは、失明をもたらし得る。DRは、1型糖尿病または2型糖尿病を有する誰もが発症し得る。
その最も初期の段階である非増殖網膜症では、網膜の小さな血管に微小動脈瘤が生じる。この疾患は進行すると、これらの血管がますます損傷を受けるかまたは封鎖され、これらの網膜の領域は、栄養分のための新しい血管を成長させるように局所組織にシグナルを送る。この段階は、増殖網膜症と呼ばれる。これらの新しい血管は、網膜に沿っておよび眼の内側を満たす透明の硝子体ゲルの表面に沿って成長する。これらの血管は、それらの独力で徴候または視力喪失を引き起こすことはない。しかしながら、時宜を得た処置を行わないと、これらの新しい血管は、血液(全血またはそのいくつかの構成物)を漏出し、重度の視力喪失、さらには失明をもたらし得る。また、流体が、鮮明なまっすぐな視野を生じる眼の一部である黄斑の中心に漏出し得る。上記流体および関連タンパク質は、黄斑上または黄斑下に沈着し始めて、これにより患者の中心視覚が歪められる。この状態は、黄斑浮腫と呼ばれ、糖尿病性網膜症の任意の段階において発生し得るが、疾患が進行すると発生する可能性が高い。増殖網膜症を有する人の約半数が、黄斑浮腫も有する。
ブドウ膜炎は、ブドウ膜が炎症を起こした状態である。眼は、異なる三つの組織層が中心腔を囲んでいる、内側が中空のテニスボールに酷似した形である。最外側が強膜(眼の白い被膜)であり、最内側が網膜である。強膜と網膜との間の中間層は、ブドウ膜と呼ばれる。ブドウ膜は、眼に養分を与える血管の多くを含む。ブドウ膜炎の合併症としては、緑内障、白内障または新しい血管形成(新生血管形成)が挙げられる。
眼外傷は、眼に対する任意の種類の物理的または化学的損傷である。徴候としては、患部の眼における発赤または疼痛が挙げられる。
手術誘発性浮腫は、網膜または眼の他の部分に対する手術の後の眼組織における腫脹の発生である。類嚢胞黄斑浮腫(CME)は、この現象の例である。CMEは、白内障手術を受けた人だけでなく、糖尿病、網膜色素変性症、AMD、または眼に慢性炎症を引き起こす状態を有する人にも生じ得る。CMEの徴候としては、かすんだ中心視覚または中心視力の低下が挙げられる。
眼虚血症候群(OIS)は、慢性血管不全に起因する兆候および徴候を包含する。この状態は、総頚動脈または内頚動脈の閉塞または狭窄に起因する眼の低灌流によって引き起こされる。OISは、一般に、高血圧症または糖尿病などの全身性疾患も有し得る50〜80歳の人が発症する。OISの徴候としては、眼窩痛、視力喪失、視野の変化、非対称性白内障および光に対する鈍い反応が挙げられる。
網膜静脈閉塞(RVO)は、糖尿病性網膜症後の最も一般的な網膜血管疾患である。効果的に閉塞された網膜静脈排出路の領域に応じて、状態は、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、半球状網膜静脈閉塞(HRVO)または網膜静脈分枝閉塞(BRVO)として分類され得る。各タイプは、二つのサブタイプを有する。RVOの提示は、網膜血管蛇行、網膜出血(斑状および火炎状)、綿花状白斑、乳頭腫脹および黄斑浮腫からなる眼底所見の任意の組み合わせを伴う様々な無痛性の視力喪失を伴う。CRVOでは、網膜出血が、眼底の四つの四分円すべてに見られ得るのに対して、HRVOでは、眼底の半球の上部または下部のいずれかに限定される。BRVOでは、出血が、主として、閉塞された網膜静脈分枝によって排出される領域に局在化する。黄斑浮腫または虚血に続発して視力喪失が生じる。
既存の血管から新しい血管を作るプロセスである血管新生は、発生学的な発生、月経、創傷治癒および腫瘍成長を含む広範囲の生理学的および病理学的事象にとって不可欠である。ほとんどの腫瘍が、成長するためおよび増殖するために血管新生を必要とする。VEGFは、血管新生における主要な因子であり、血管透過性を高め、毛細血管の数を増加させ得る。
血管内皮成長因子(VEGF)は、主に内皮細胞に見られ、血管発生、血管新生および血管の透過化における機能を有するタンパク質である。VEGFの発現は、低酸素、活性化された癌遺伝子およびサイトカインによって誘導される。VEGFの活性化は、正常なヒト細胞および組織において血管新生をもたらすだけでなく、腫瘍においても血管新生をもたらし、このことは、腫瘍の進行および成長を可能にする。VEGFの阻害は、腫瘍の成長を阻害し、このことは、腫瘍退縮につながる。
種々の網膜症が、高レベルのVEGFと関連する。眼における虚血は、酸素の欠乏に起因して、VEGFの産生を誘導する。このVEGFの増加は、網膜における血管の過剰増殖を引き起こし、それは、最終的には失明に至り得る。開示されるHPTP−β阻害剤は、眼の血管系を安定化させるように作用し、いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、VEGFおよび罹患網膜に存在し得る他の炎症性の作用物質によって引き起こされる刺激を相殺し得る。
上記化合物は、ユーザーまたは処置を受けている被験体にとって好都合な任意の順序で投与され得る。開示される方法の一つの非限定的な例では、本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩がまず投与され、その後、ラニビズマブが投与される。別の実施形態では、ラニビズマブがまず投与され、その後、本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が投与される。処置の第1の構成要素の投薬または投与の間の時間は、処方者または処置を受けている被験体にとって好都合な任意の時間であり得る。例えば、本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が、ラニビズマブの投与の数分前、数時間前、数日前または数週間前に投与され得るか、または処置されている被験体において治療量を確立するために、本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の1回より多い投薬が行われ得る。
さらなる実施形態において、本明細書中の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、1日に一用量またはそれを超える用量で投与され、ラニビズマブ(ramibizumab)は、別個のスケジュールに従って投与される。例えば、本明細書中の化合物の毎日の投薬に加えて、ラニビズマブが、1ヶ月に1回、2ヶ月おきに1回、3ヶ月おきに1回、4ヶ月おきに1回、6ヶ月おきに1回などで投与され得る。
本明細書中に記載される抗体に対する投薬量は、必要な任意の量であり得る。一つの実施形態において、上記抗体は、約0.05mg〜約1.5mg、約0.1mg〜約1.5mg、約0.1〜約5mg、約0.1mg〜約3mg、約0.5mg〜約3mgまたは約0.5mg〜約2mgの量で投与される。一つの非限定的な例において、上記抗体は、1.2mgの量で投与される。処置1回あたりに投与される抗体の量は、任意の量、例えば、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.11mg、約0.12mg、約0.13mg、約0.14mg、約0.15mg、約0.16mg、約0.17mg、約0.18mg、約0.19mg、約0.2mg、約0.21mg、約0.22mg、約0.23mg、約0.24mg、約0.25mg、約0.26mg、約0.27mg、約0.28mg、約0.29mg、約0.3mg、約0.31mg、約0.32mg、約0.33mg、約0.34mg、約0.35mg、約0.36mg、約0.37mg、約0.38mg、約0.39mg、約0.4mg、約0.41mg、約0.42mg、約0.43mg、約0.44mg、約0.45mg、約0.46mg、約0.47mg、約0.48mg、約0.49mg、約0.5mg、約0.51mg、約0.52mg、約0.53mg、約0.54mg、約0.55mg、約0.56mg、約0.57mg、約0.58mg、約0.59mg、約0.6mg、約0.61mg、約0.62mg、約0.63mg、約0.64mg、約0.65mg、約0.66mg、約0.67mg、約0.68mg、約0.69mg、約0.7mg、約0.71mg、約0.72mg、約0.73mg、約0.74mg、約0.75mg、約0.76mg、約0.77mg、約0.78mg、約0.79mg、約0.8mg、約0.81mg、約0.82mg、約0.83mg、約0.84mg、約0.85mg、約0.86mg、約0.87mg、約0.88mg、約0.89mg、約0.9mg、約0.91mg、約0.92mg、約0.93mg、約0.94mg、約0.95mg、約0.96mg、約0.97mg、約0.98mg、約0.99mg、約1mg、約1.01mg、約1.02mg、約1.03mg、約1.04mg、約1.05mg、約1.06mg、約1.07mg、約1.08mg、約1.09mg、1.1mg、約1.11mg、約1.12mg、約1.13mg、約1.14mg、約1.15mg、約1.16mg、約1.17mg、約1.18mg、約1.19mg、約1.2mg、約1.21mg、約1.22mg、約1.23mg、約1.24mg、約1.25mg、約1.26mg、約1.27mg、約1.28mg、約1.29mg、約1.3mg、約1.31mg、約1.32mg、約1.33mg、約1.34mg、約1.35mg、約1.36mg、約1.37mg、約1.38mg、約1.39mg、約1.4mg、約1.41mg、約1.42mg、約1.43mg、約1.44mg、約1.45mg、約1.46mg、約1.47mg、約1.48mg、約1.49mg、約1.5mg、約1.51mg、約1.52mg、約1.53mg、約1.54mg、約1.55mg、約1.56mg、約1.57mg、約1.58mg、約1.59mg、約1.6mg、約1.61mg、約1.62mg、約1.63mg、約1.64mg、約1.65mg、約1.66mg、約1.67mg、約1.68mg、約1.69mg、約1.7mg、約1.71mg、約1.72mg、約1.73mg、約1.74mg、約1.75mg、約1.76mg、約1.77mg、約1.78mg、約1.79mg、約1.8mg、約1.81mg、約1.82mg、約1.83mg、約1.84mg、約1.85mg、約1.86mg、約1.87mg、約1.88mg、約1.89mg、約1.9mg、約1.91mg、約1.92mg、約1.93mg、約1.94mg、約1.95mg、約1.96mg、約1.97mg、約1.98mg、約1.99mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、または約10mgであり得る。
上記抗体が、本明細書中の他の化合物と同時に投与されない場合、該化合物の投与と該抗体の投与との間の時間は、例えば、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約40分、約50分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約10時間、約20時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間から約4週間までの範囲であり得る。
HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩は、所望の任意の間隔で投与され得る。例えば、上記化合物は、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、1週間に7回、1週間に8回、1週間に9回または1週間に10回投与され得る。1日の投薬の間隔は、任意の時間間隔、例えば、1時間おき、2時間おき、3時間おき、4時間おき、5時間おき、6時間おき、7時間おき、8時間おき、9時間おき、10時間おき、11時間おきまたは12時間おきであり得る。
抗VEGF剤のさらなる非限定的な例としては、デキサメタゾン、フルオシノロンおよびトリアムシノロンが挙げられる。開示される方法は、抗VEGF剤を送達するインプラントを含み得る。例えば、HPTP−β阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩は、本明細書中に記載される疾患または状態に罹患している被験体にインプラントが提供される前、提供されている間、または提供された後に、共投与され得る。例えば、Ozurdex(商標)は、被験体にデキサメタゾンの供給を行う硝子体内(intraviteal)インプラントであり、Retisert(商標)およびIluvien(商標)は、フルオシノロンの供給を行う硝子体内インプラントである。
いくつかの実施形態において、被験体の中心窩厚は、約50μm〜約1000μm、約50μm〜約750μm、約200μm〜約1000μm、約150μm〜約500μm、約50μm〜約500μm、約250μm〜約650μm、約200μm〜約500μmまたは約400μm〜約700μm減少する。
視力
本明細書中に開示されるような疾患または状態を有する被験体の視力を高めるための方法が、さらに本明細書中に開示される。視力(VA)は、視覚の鋭さまたは明瞭度であり、これは、眼の内部の網膜の焦点の鮮明度および脳の解釈機能の感度に依存する。視力は、視覚処理システムの空間分解能の尺度である。VAは、視力を検査されている人に、チャート上の字、代表的には数字または文字を指定の距離から特定させることによって検査される。チャートの字は、白色の背景に対して黒色の符号として表されている。その人の眼と検査用チャートとの距離は、水晶体が焦点を合わせようと試みる方法で無限大に近似するのに十分な距離に設定される。光学的遠近法から、20フィートすなわち6メートルが、本質的に無限大である。
実施例1:HPTP−ベータ阻害剤およびそのジアステレオマーの合成
四つの化合物(A、B、CおよびD)を下記に示す。化合物Aは、S,R配置であり;化合物Bは、R,S配置であり;化合物Cは、R,R配置であり;化合物Dは、S,S配置である。
下記の一般化された反応スキームを用いて、上記化合物を合成した。
上記化合物を合成するための出発物質である化合物S1の合成を下記に詳述する。
0℃の化合物S1−2(5.7mL,44mmol,1.1eq)を、化合物S1−1(12g,38.7mmol,1.0eq)およびEtN(6.1mL,d=0.75g/mL,44mmol,1.1eq)の溶液に滴下添加することによって、化合物S1のR異性体を調製した。添加後、その混合物を0℃でさらに1.5時間撹拌した。TLC解析は、化合物S1−1がほとんど消費されたことを示した。その時点で反応を停止し、反応混合物を濾過した。濾液を、0℃において30分間、CHで処理することにより、ジアゾメチルケトンを生成した。その時点で、その反応混合物は、暗褐色になった。次いで、40%HBr水溶液を0℃においてゆっくり滴下添加し、その反応混合物を30分間撹拌した。飽和NaCO溶液を加えることにより、pHを7〜8に調整した。その混合物をEtOAcで抽出し、乾燥し、濃縮することにより、S1(14.9g)を得た。H−NMR解析は、図16に示されているように74%のS1および26%のメチルエステルを示した。HPLC解析は、図17に示されているように78.2%の純度を示した。その混合物をそのまま次の工程に使用した。化合物BおよびCを合成するために使用された中間体は、化合物Aに対して使用された手順と同じ手順を用いて合成されたので、該中間体については、分析データのみを後の項で提供する。
化合物Aを合成する経路の工程1を、下記の反応スキームに詳述する。
化合物1の合成は、CHCN(200mL)中の、化合物S1(10g,25.8mmol 1.0eq)および化合物S2(3.88g,27.0mmol,1.05eq)の溶液を用いて3時間還流することにより行った。TLC解析は、化合物S1が消費されたことを示した。次いで、その反応混合物を室温に冷却した。固体を濾過により回収し、高真空下で乾燥した。10.2gの1を白色固体として得た。収率は、96%であった。
化合物1についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:約100%(図2);LCMS(ESI+):m/z332(M+H)(図3);H−NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.52 (br s, 3H), 8.15 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.18 (dd, J = 4.2 Hz, J = 3.6 Hz, 1H), 4.85 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 3.40 (d, J = 7.4 Hz, 2H)(図1).
上記スキームの工程2を下記に詳述する。
100mLの三つ口丸底フラスコに化合物S3(3g,18.2mmol,1.0eq)、THF(60mL)、水(60mL)およびNaHCO(2.3g,27.4mmol,1.5eq)を入れることによって、化合物2の合成を行った。得られたスラリーを5℃に冷却した。クロロギ酸メチル(MCF)(2.0g,21.3mmol,1.2eq)を5分間にわたって滴下添加し、得られた混合物をRTで一晩撹拌した。次いで、濃HCl(約15mL)を加えることによって、その反応混合物のpHを<2に調整した。クエンチした反応混合物をEtOAcで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×100mL)、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮することにより、化合物2の粗生成物を得た(4.3g,収率>100%)。化合物2をさらに精製することなく、そのまま次の工程に使用した。
上記スキームの工程3を下記に詳述する。
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(4.8g,27.2mmol,1.1eq)に続いてDIPEA(8.7g,4.28g,3eq)を、0℃の、DMF(70mL)とMTBE(25mL)との混合物中の、化合物1(10.2g,24.7mmol,1.0eq)、化合物2(5.53g,24.8mmol,1eq)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(5.0g,41.6mmol,1.7eq)の溶液に加えることによって、化合物3の合成を行った。得られた混合物を0℃において30分間撹拌し、次いで、RTに加温し、一晩撹拌した。TLC解析は、化合物1が消費されたことを示した。その反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×300mL)。合わせた有機相を、希HCl水溶液(1N,200mL)、5%NaHCO水溶液(200mL)、水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。次いで、有機層をNaSOで乾燥し、濃縮することにより、10gの化合物3を黄色固体として得た。収率は、75%であった。化合物3の粗生成物をさらに精製することなく、そのまま次の工程に使用した。
化合物3についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:97%(図5);LCMS(ESI+):m/z537(M+H)(図6);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.72 (d, J = 8.7 Hz, 1H ), 8.12 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.73 (dd, J = 0.9 Hz, 5.1 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 0.9 Hz, 5.1 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.25−7.10 (m, 6H), 5.23−5.31 (m ,1H), 4.16−4.23 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.34−3.37 (m, 1H), 3.11−3.19 (m, 1H), 2.61−2.66 (m, 1H), 2.49−2.53 (m, 1H)(図4).
上記スキームの工程4を下記に詳述する。
FeCl(0.6g,3.7mmol,0.2eq)および木炭(4.0g)をEtOH(400mL)中の化合物3(10g,18.7mmol,1.0eq)の溶液に加えることによって、化合物4の合成を行った。その混合物を加熱還流し、ヒドラジン水和物(30.0g,600mmol,32.0eq)を加えた。TLCにより示される場合に化合物3が完全に消費されるまで(約2時間)、その反応混合物を加熱還流した。木炭および無機塩をセライトパッドを通して濾別し、そのセライトをEtOHで洗浄した。濾液を濃縮することにより、9.3gの化合物4の粗生成物(収率98.9%)を白色固体として得て、それをさらに精製することなく、そのまま次の工程に使用した。
化合物4についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:96%(図7);LCMS(ESI+):m/z507(M+H)(図8);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.54 (d, J = 8.7 Hz, 1H ), 7.73 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.15−7.32 (m, 8H), 6.89 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.43 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.89−5.05 (m ,1H), 4.84 (s, 2H), 4.19−4.24 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 2.99−3.06 (m, 1H), 2.68−2.83 (m, 2H), 2.54−2.58 (m, 1H)(図9).
上記スキームの工程5を下記に詳述する。
化合物5を生成するために、MeNSO(1.65g,11.9mmol,1.5eq)および次いでNMM(1.45g,14.4mmol,1.8eq)を、RTの乾燥THF(100mL)中の化合物4(4.0g,7.9mmol,1.0eq)の溶液に加えた。得られた混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。その反応混合物のTLC解析は、化合物4が完全に消費されていないことを示した。その反応をその時点で停止させた。その反応混合物を濃縮乾固することにより、化合物5の粗生成物を得た。化合物5の粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物5(3.3g,収率71.7%)を、微量の残留酢酸エチルを含む白色固体として得た。
化合物5についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:99.6%(図10);LCMS(ESI):m/z585(M−H)(図11);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.47 (d, J = 8.7 Hz, 1H ), 7.72 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.24−7.33 (m, 6H), 7.16−7.20 (m, 2H), 6.90 (s, 4H), 5.06−5.08 (m ,1H), 4.20−4.26 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.02−3.09 (m, 2H), 2.86−2.91 (m, 1H), 2.76−2.83 (m, 2H), 2.61−2.65 (m, 1H)(図12).
上記スキームの工程6を下記に詳述する。
化合物Aを生成するために、NaOHの水溶液(245mgのHO中の164mg,4.1mmol,1.2eq)をRTにて5分間にわたって、MeOH(20mL)中の化合物5(2.0g,3.4mmol,1.0eq)の溶液に滴下添加し、得られた反応混合物をRTにて2時間撹拌した。固体生成物を真空濾過によって収集し、EtOAc(100mL)、次いで、EtO(100mL)で洗浄した。1.0gの化合物Aを白色固体として得た。収率は、48.3%であった。
化合物Aについての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:約100%(図13);LCMS(ESI+):m/z587(M−Na+2H)(図14);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H ), 7.72 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.63−7.66 (m, 2H), 7.16−7.33 (m, 8H), 6.90 (s, 4H), 5.03−5.08 (m ,1H), 4.21−4.26 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.03−3.09 (m, 1H), 2.77−2.91 (m, 2H), 2.57−2.65 (m, 1H)(図15).
化合物Cを合成する経路の工程1を、下記の反応スキームにおいて詳述する。
化合物1を生成するために、CHCN(300mL)中の、化合物S1(14.9g,約74%純度,11gのS1としてカウント,28.4mmol,1.0eq)および化合物S2(4.1g,29.8mmol,1.05eq)の溶液を5時間加熱還流した。TLC解析は、化合物S1がほとんど消費されたことを示した。その反応混合物をRTに冷却した。得られた固体を真空濾過によって収集することにより、7.8gの化合物1の粗生成物を得た。
化合物1についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:97.5%(図18);H−NMR (300 MHz, CDOD) δ 8.17 (d, J = 8.7 Hz,2H), 7.63 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.16 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 3.58−3.43 (m, 2H)(図19).
上記スキームの工程3を下記に詳述する。化合物Aを合成するための工程3と同じ手順を用いて、化合物3を合成した。
化合物3についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:97.8%(図20);LCMS(ESI+):m/z537(M+H)(図21);H−NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.07 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.15−7.08 (m, 4H), 7.06−6.98 (m, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.45−6.35 (m, 1H), 5.32−5.21 (m, 2H), 4.42−4.30 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.32−3.20 (m, 1H), 3.18−3.02 (m, 1H), 2.98−2.85 (m, 1H)(図22).
上記スキームの工程4を下記に詳述する。化合物Aを合成するための工程4と同じ手順を用いて、化合物4を合成した。
化合物4についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:95.9%(図23);LCMS(ESI+):m/z507(M+H)(図24);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.44 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.26−7.18 (m, 4H), 7.20−7.11 (m, 2H), 7.03 (s, 1H), 6.84 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.43 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.10−4.92 (m, 1H), 4.35−4.21 (m, 1H), 3.45 (s, 3H), 3.08−2.93 (m, 1H), 2.90−2.78 (m, 2H), 2.75−2.64 (m, 1H)(図25).
上記スキームの工程5を下記に詳述する。化合物Aを合成するための工程5と同じ手順を用いて、化合物5を合成した。
化合物5についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:96.9%(図26);LCMS(ESI−):m/z585(M−H)(図27);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.70 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.28−7.15 (m, 4H), 7.18−7.12 (m, 2H), 7.03 (s, 1H), 6.90 (s, 4H), 5.14−5.02 (m, 1H), 4.35−4.22 (m, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.13−3.01 (m, 1H), 2.98−2.88 (m, 2H), 2.75−2.64 (m, 1H)(図28).
上記スキームの工程6を下記に詳述する。化合物Aについて記載された手順と同じ手順を用いて、化合物Cを合成した。
化合物Cについての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:98.7%(図29);LCMS(ESI+):m/z587(M−Na+2H)(図30);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75−7.61 (m, 3H), 7.36 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.28−7.12 (m, 6H), 7.03 (s, 1H), 6.87 (s, 4H), 5.05 (m, 1H), 4.27 (m, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.10−3.01 (m, 1H), 3.10−2.85 (m, 2H), 2.82−2.65 (m, 1H)(図31).
化合物Bを生成するために用いられた反応の工程3を下記に示される反応スキームにおいて詳述する。化合物Aを合成するための工程3と同じ手順を用いて、化合物3を合成した。
上に示されたような化合物3についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:97.3%(図32);LCMS(ESI+):m/z537(M+H)(図33);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.68 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.73 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.30−7.11 (m, 7H), 5.35−5.18 (m, 1H), 4.28−4.14 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.39−3.32 (m, 1H), 3.22−3.08 (m, 1H), 2.71−2.53 (m, 2H)(図34).
化合物Bを生成するために用いられた反応の工程4を下記の反応スキームにおいて詳述する。化合物Aを合成するための工程4と同じ手順を用いて、化合物4を合成した。
化合物4についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:98.3%(図35);LCMS(ESI+):m/z507(M+H)(図36);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.63 Hz, 1H), 7.38−7.15 (m, 8H), 6.89 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.44 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.11−4.98 (m, 1H), 4.28−4.21 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.08−2.98 (m, 1H), 2.88−2.72 (m, 2H), 2.66−2.57 (m, 1H)(図37).
化合物Bを生成するために用いられた反応の工程5を下記の反応スキームにおいて詳述する。化合物Aを合成するための工程5と同じ手順を用いて、化合物5を合成した。
上に示されたような化合物5についての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:96.1%(図38);LCMS(ESI+):m/z507(M−SO3+H)(図39);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.47 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 7.32−7.22 (m, 6H), 7.23−7.12 (m, 2H), 6.96 (s, 4H), 5.15−5.01 (m, 1H), 4.32−4.20 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.12−3.03 (m, 1H), 2.93−2.85 (m, 1H), 2.83−2.76 (m, 1H), 2.68−2.56 (m, 1H)(図40).
化合物Bを合成するために用いられた経路の工程6を下記の反応スキームにおいて詳述する。化合物Aに対して記載された手順と同じ手順を用いて、化合物Bを合成した。
化合物Bについての分析データは、以下のとおりであった。HPLC:97%(図41);LCMS(ESI+):m/z587(M−Na+2H)(図42);H−NMR (300 MHz, DMSO−d) δ 8.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.68−759 (m, 2H), 7.38−7.12 (m, 8H), 6.89 (s, 4H), 5.14−5.02 (m, 1H), 4.28−4.18 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.11−3.01 (m, 1H), 2.96−2.75 (m, 2H), 2.70−2.55 (m, 1H)(図43).
化合物Bを合成するための完全な反応スキームを下記に詳述する。
実施例2:培養された内皮細胞におけるTie2の活性化およびAktの下流のリン酸化
化合物A〜Dの細胞ベースのアッセイが、本明細書中に記載される。
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を、ヒト胎盤から新たに単離し、内皮成長培地中で生育し、継代数6になる前に使用した。Tie2のリン酸化および下流のシグナル伝達分子に対する上記化合物の効果を評価するために、刺激の前の3時間にわたって成長因子を加えずに、内皮基本培地中で細胞を血清飢餓にした。細胞を、ビヒクル(DMSO)、またはDMSO中の化合物A、B、CもしくはDで10分間処理した。細胞を、RIPA緩衝液(150mM NaCl、1%IGEPAL CA−630、0.05%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、20mM Tris−HCl pH7.6、1mM EDTA、1mM NaF、1mMオルトバナジン酸ナトリウム、5mMベンズアミジン)+完全プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤に溶解させた。次いで、マウスモノクローナル抗体(クローン33)を用いて細胞溶解産物からTie2を免疫沈降し、連続的に、マウスモノクローナル抗ホスホチロシン(クローン4G10)および抗Tie2(クローン33)でプロービングした。全細胞溶解産物を使用し、PathScan Phospho−Akt1(Ser473)Sandwich ELISA Kitを製造者の指示書に従って用いて、ホスホ−AKTを定量した。各実験における相対的なAKTのリン酸化をOD450によって定量した。
図44は、DMSOコントロールまたは示されている化合物(D、C、BまたはA)で処理された内皮細胞から免疫沈降し、次いで連続的に、全Tie2を検出する抗Tie2抗体(下のブロット)およびリン酸化されたTie2を検出する抗ホスホチロシン抗体(上のブロット)でプロービングしたTie2のウエスタンブロットである。このブロットは、Tie2が、相対的に等しい量で免疫沈降したのに対し、Tie2のリン酸化は、処理条件間で異なっていたことを示している。化合物Dによる処理は、DMSOコントロールと比べてTie2のリン酸化を実質的に増加させた。DMSOコントロールと比べたときのTie2のリン酸化の増加は、化合物A、BおよびCに対しては検出されなかった。
図45は、Tie2の活性化の尺度であるAktのリン酸化を測定したELISAからのデータを表している。図44と一致して、化合物Dは、最も低用量の化合物D(1μg/mL)でさえも高レベル(OD450=1.2)の相対的なAktのリン酸化であることによって判断されるように、Tie2の活性化に対して最も強い効果を有した。Aktのリン酸化は、化合物Dを3μg/mLで用いたとき有意に増加し(OD450=3.1)、Aktのリン酸化の最大値に到達したが、これは、最高用量の化合物D(10μg/mL)においてさらに増加することはなかった。化合物Aは、Aktのリン酸化に対して中程度の効果を有し、Aktのリン酸化がわずかに増加した(OD450=0.2)3μg/mLにおいて効果を示し始めた。10μg/mLの化合物Aを使用したとき、Aktのリン酸化は、さらに増加した(OD450=0.45)。化合物BおよびCも、Aktのリン酸化に対して同様の効果を有し、10μg/mLで使用したとき、最も有意にAktのリン酸化を中程度に増加した(OD450およそ0.2)。
実施例3:HPβCDを伴う化合物の製剤
化合物A、B、CおよびDのいずれかの組成物を、約100mgの滅菌された化合物の粉末を100mLの水に希釈して第1の組成物を形成することによって調製する。その第1の組成物に、250mgのヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン(HPβCD)を加える。組成の例を表Iに示す。
実施例4:HPβCDを伴う化合物の製剤
水(85mL)を含む100mLのメスフラスコに、HPβCD(10g)およびデキストロース(1.5g)を入れた。その溶液を20℃で1時間撹拌し、次いで、その体積をさらなる蒸留水で100mLにした。得られた溶液は、10%HPβCDおよび1.5%デキストロースであった。
同様の様式で、15%HPβCD/1.5%デキストロースおよび17.5%HPβCD/1.5%デキストロースを含む溶液を調製した。これらの貯蔵液を以下の実験のために使用した。
25mLのメスフラスコに、10%HPβCD/1.5%デキストロースを含む貯蔵液を加えた後、化合物Dのナトリウム塩(550mg)を加えた。その総体積を、蒸留水を加えることによって、25mLにした。得られた溶液は、分子量補正因子を適用した後、20mg/mLの化合物Dという名目上の濃度を有した。
同様に、10%HPβCD/1.5%デキストロースを含む貯蔵液に化合物D(687mg)を加えた。25mLに希釈した後、得られた溶液は、分子量補正因子を適用した後、25mg/mLの化合物Dという名目上の濃度を有した。
15%HPβCD/1.5%デキストロースならびに687mgおよび825mgの化合物Dを含む組成物も調製した。同様に、17.5%HPβCD/1.5%デキストロースならびに825mgおよび962.5mgの化合物Dのナトリウム塩を含む組成物も調製した。
表IIには、各々合計25mLの試験組成物が記載されている。
上記六つの溶液の各々のおよそ3mLを、3本の1ドラムバイアルに移した。各溶液の1本のバイアルを4℃、20℃および40℃で維持した。それらのバイアルを、1ヶ月間にわたって毎週評価し、次いで、3ヶ月間にわたって毎月評価した。
3ヶ月後、いずれのバイアルも、濁りが見られることもなく、また、いかなる沈殿物も綿状物も有していなかった。次いで、上記組成物を(where)さらに処理し、インビボ試験にまわした。
実施例5:0.75mL使い捨て注射器による皮下送達のための組成物の調製
200mLの脱イオン水を、撹拌しながら2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(50g)に加える。次に、デキストロース(96%)(1.3g)を加え、すべての固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。本明細書中に開示される化合物のうちの一つまたはそれらの混合物を含む製剤を加え、固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。得られる溶液は、7.26のpH値および1.07g/mLの密度を有する。最終的な溶液を、20−0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過する。較正された蠕動ポンプを用いて、0.75mLの最終的な溶液を、27gの固定針(staked needles)および栓を有する0.75mL注射器に分注する。
実施例6:0.75mL使い捨て注射器による皮下送達のための組成物の調製
200mLの脱イオン水を、撹拌しながら2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(43.75g)に加える。次に、デキストロース(96%)(2.61g)を加え、すべての固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。本明細書中に開示される化合物のうちの一つまたはそれらの混合物を含む製剤を加え、固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。得られる溶液は、7.32のpH値を有し、それを、1N HCl(0.5mL)で7.04に調整する。最終的な溶液を、20−0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過する。較正された蠕動ポンプを用いて、0.75mLの最終的な溶液を、27gの固定針および栓を有する0.75mL注射器に分注する。
実施例7:0.75mL使い捨て注射器による皮下送達のための組成物の調製
200mLの脱イオン水を、撹拌しながら2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(56.25g)に加える。次に、デキストロース(96%)(1.3g)を加え、すべての固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。本明細書中に開示される化合物のうちの一つまたはそれらの混合物を含む製剤を加え、固体が溶解するまでその溶液を撹拌する。最終的な溶液を、20−0.22ミクロンのPVDFフィルターを通して濾過する。較正された蠕動ポンプを用いて、0.75mLの最終的な溶液を、27gの固定針および栓を有する0.75mL注射器に分注する。
実施例8:段階的な製造プロセス:溶液1mLあたり20mgの化合物D
1.およそ16.0kgの米国薬局方(USP)滅菌注射用水を適切な大きさのガラス容器に加える。
2.2812.5gの2−ヒドロキシルプロピル−ベータ−シクロデキストリン(HPβCD)(USP)を上記ガラスフラスコに加え、最低5分間または溶解するまで混合する。
3.純度について考慮された450gのナトリウム塩としての化合物D、微量の立体異性体、揮発性物質および水を上記ガラスフラスコに加え、最低30分間またはすべての固体が溶解するまで混合する。
4.450gの無水D−グルコース(デキストロース)(USP)を上記ガラスフラスコに加え、最低5分間またはすべての固体が溶解するまで混合する。
5.蠕動ポンプを用いて、その溶液を36Lのガラス製剤化容器に移す。
6.滅菌注射用水,USPを加えることによってその製剤を22.7kgにQSし、最低30分間または溶解するまで混合する。
7.pHを調整することにより、6.6〜7.0のpHを得る。
8.そのバッチに十分量の滅菌注射用水,USPを加えることにより、23.7kg(22.5L×1.052g/mL(比重))という最終的なバッチ重量を得て、最低10分間またはすべての固体が溶解するまで混合する。
9.直列に接続された2枚のフィルターを通して濾過し、同様の36Lのガラスフィル容器(glass fill vessel)に入れる。
10.様々な注射器:すなわち、0.75mL注射器に充填する。
実施例9:眼疾患を処置するための開示される方法の有効性を判定するための基礎研究
糖尿病性黄斑浮腫に起因して視力を失った4人のヒト被験体(325ミクロンを超える中心網膜厚[CRT]および70レター(letters)未満の最高矯正視力)を、28日間にわたって1日に2回、5mgの4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニル−アミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸の皮下注射で処置した研究が、本明細書中に記載される。これらの被験体における視力の改善が、2ヶ月間(28日目から84日目まで)観察された。この研究の経過中の任意の時点において、研究者が医学的に必要であると考えた場合、その研究者は、抗VEGF剤、例えば、ラニビズマブ、ベバシズマブおよび/またはアフリベルセプトの硝子体内注射のさらなる治療を行うことができた。光干渉断層撮影(ocular coherence tomography)によって計測される網膜厚および標準的な視力検査(ETDRS)によって計測される最高矯正視力を、28日間の積極的処置期(active treatment phase)および2ヶ月間の処置後観察期の間に一定間隔で評価した(スクリーニング時、1日目[ベースライン]、7日目、14日目、21日目、28日目、42日目、56日目および84日目)。この研究に対する主な有効性の成果は、処置による経時的なCRTおよび視力の変化であった。
図46は、糖尿病性黄斑浮腫を有する患者においてラニビズマブの硝子体内注射の効果を判定した二つの第3相研究の結果を表している。この研究では、患者に0.3mg
または0.5mg
のラニビズマブの硝子体内注射を毎月投与したのに対して、コントロール群
にはプラセボを投与した。図46に表されているように、0.3mgと0.5mgの両方のコホートに対する中心窩厚(CFT)の減少は、本質的に同一であった。図46に示されているように、ラニビズマブを投与された二つの群では、ラニビズマブの1回目の注射後の7日目から1ヶ月後までに、中心窩厚がおよそ120〜160μm減少した。
図47は、4人の患者の皮下に、28日間にわたって1日2回、5mgの4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸を投与し、続いて、この研究の研究者の裁量によって、硝子体内注射により片眼または両眼(合計7つの眼)をラニビズマブ(0.3または0.5mg)またはアフリベルセプト(2mg)のいずれかで処置した研究の結果を表している。
図47は、以下のとおり読み取られる。ラニビズマブまたはアフリベルセプト投与の14〜28日後に、患者の一つの眼は、中心窩厚が50〜100μm減少した。患者の一つの眼は、中心窩厚が150〜200μm減少した。患者の一つの眼は、中心窩厚が200〜250μm減少した。患者の一つの眼は、中心窩厚が300〜350μm減少した。患者の二つの眼は、中心窩厚が350〜400μm減少した。患者の一つの眼は、中心窩厚が450〜500μm減少した。中心窩厚の変化の平均値は、図46の研究においてラニビズマブ注射後に見られた減少のおよそ2倍の−289μmであった。
図48は、糖尿病性黄斑浮腫を有する患者におけるラニビズマブの硝子体内注射の効果を判定するために行われた二つの第3相研究の結果を表している。これらの研究の結果を用いることにより、眼疾患を処置するための開示される方法の有効性を判定した。コントロール群は、
によって表されている。眼球注射によって0.5mgのラニビズマブを毎月投与された患者は、
によって表されている。図48に示されているように、ラニビズマブを投与された群は、ラニビズマブの1回目の注射後の7日目から1ヶ月後までに、視力をおよそ4〜6レター増加させた。
図49は、4人の患者の皮下に、28日間にわたって1日2回、5mgの4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸を投与し、続いて、この研究の研究者の裁量によって、硝子体内注射によりラニビズマブ(0.3または0.5mg)またはアフリベルセプト(2mg)で処置した研究の視力の増加を表している。図49は、以下のとおり読み取られる。ラニビズマブまたはアフリベルセプト投与の14〜28日後に、患者の一つの眼は、16〜18レター改善した。患者の二つの眼は、14〜16レター改善した。患者の一つの眼は、10〜12レター改善した。患者の一つの眼は、6〜8レター改善した。患者の一つの眼は、2〜4レター改善した。患者の一つの眼は、2〜4レター減少した。視力の変化の平均値は、図48に表されているラニビズマブのみのベンチマーク研究において見られた結果よりもおよそ3〜5レター改善した、9レターであった。
図50は、1人の患者の結果を表している。より大きい中心窩厚(CFT)を有する眼を、研究対象の眼として選択した。1日目から、その患者に、1日2回、5mgの4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸を皮下投与した。3週目(矢印で示されている21日)に、僚眼を注射によって0.5mgのラニビズマブで処置した。6週目(矢印で示されている42日)に、研究対象の眼を0.5mgのラニビズマブで処置した。
僚眼のCFTは、4週目(28日)までに有意に減少した(350μm)。結果として、CFTの著しい減少が、21日目から28日目までに研究対象の眼において観察された(およそ250μm)。次のモニタリング時点、すなわち6週目までに、全身投与されたラニビズマブの効果は、もはや存在せず、CFTは、およそ775μmに戻った。6週目において、研究対象の眼を0.5mgのラニビズマブの硝子体内注射で処置した。8週目までに、およそ500μmというCFTの全体的な減少が観察され、対象の眼のCFTは、およそ225μmであった。ラニビズマブ注射の1ヶ月後のCFTの変化の平均値がおよそ160mmであった図46に表された研究と比べて、この併用方法は、ラニビズマブ注射の2〜4週間後に実質的により大きな減少をもたらした。
図51は、1人の患者の結果を表している。より大きいCFTを有する眼を、研究対象の眼として選択した。1日目から、その患者に、1日2回、5mgの4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸を皮下投与した。4週目(矢印で示されている28日)に、僚眼を2mgのアフリベルセプトでレスキューした。レスキュー後、僚眼は、CFTがおよそ400μm減少した。6週目(矢印で示されている42日)に、研究対象の眼を2mgのアフリベルセプトでレスキューした。レスキュー後、研究対象の眼は、CFTがおよそ300μm減少した。ラニビズマブのプロトコルに対して表された結果とは異なり、全身送達されたアフリベルセプトの効果は、僚眼では観察されなかった。この研究の開始時から、研究対象の眼および僚眼においてそれぞれおよそ300μmおよび280μmのCFTの減少が観察された。
図52は、アクティブコントロールであるアフリベルセプト(Eylea(商標))、4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸、およびアフリベルセプトと4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸との併用を含む脈絡膜新生血管形成のマウス試験の結果をグラフで表している。眼の3ヶ所においてブルッフ膜(Burch’s membrane)の破裂をレーザーによって誘導した。コントロール動物には、リン酸緩衝食塩水(PBS)の眼内注射を施した。アフリベルセプトで処置される動物には、レーザー処置の当日に40μgの1回用量の薬物を眼内に投与した。次いで、マウスを、1日2回の皮下注射によって20mg/kgにて、4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸で処置するか、または1日2回のPBS注射で処置した。このプロトコルでは、マウスを4群に分けた。眼内および皮下PBSで処置されたネガティブコントロール群、眼内アフリベルセプトおよび皮下PBSで処置された単独療法群;眼内PBSおよび4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸の皮下注射で処置された単独療法群;およびレーザー処置の当日における40μgの薬物の1回の眼内注射および20mg/kgで1日2回皮下注射を施された併用療法群。
図53A〜Dは、FITCで標識されたGriffonia simplicifolia(GSA)で染色された切除された脈絡膜組織のフラットマウントを表している。脈絡膜新生血管形成(choroidal neovasculature)の程度が、コントロールサンプルの図53Aにおいて明らかである。図53Bは、アフリベルセプトで処置された動物の脈絡膜組織における新生血管形成の程度を表している。図53Cは、4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸で処置された動物を表している。図53Dは、アフリベルセプトと4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸との併用療法を受けた動物に存在する新生血管形成の程度を表している。
実施例10:本開示の化合物の溶解度
水、HPβCD、Poloxamer407およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンにおける化合物(4−{(S)−2−[(S)−2−メトキシカルボニルアミノ]−3−フェニルプロパンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸)の室温の水溶解度(mg/mL)を表IIIに提供する。試験化合物の食塩水における溶解度は、通常のイオン効果におそらく起因して、低下する。試験されたすべての可溶化剤が、試験化合物の水溶解度を良好に改善した。
HPβCDとPEG400との混合物における試験化合物の溶解度(mg/mL)を表IVに明示する。HPβCDまたはPEG400のいずれかを使用することにより、個別に溶解度の上昇がもたらされた。しかしながら、試験化合物とHPβCDとの混合物にPEG400を加えると、溶解度が低下し、溶解度は、PEG400の量に反比例した。
表Vは、調製され、50℃において1ヶ月間化学的に安定であり、5℃、外界温度、50℃において物理的に安定であると示された、表示された溶媒を用いた上記の試験化合物の水溶液製剤を含んでいる。上記製剤は、pH4を超えるpH値においてより安定である。これらの製剤に対する目標のpHの範囲は、pH7+/−0.5pH単位である。
5℃および外界温度において短期間の物理的安定性について評価された。
室温において1週間および50℃において1週間、物理的および化学的に安定である。
実施形態
以下は、例証的な実施形態である。
実施形態1.
以下の式の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSOもしくはNHCOR(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、または
であり、ここで、Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオン。
実施形態2.
Arylが、置換または非置換のフェニルであり;Arylが、置換または非置換のヘテロアリールであり;Xが、アルキレンである、実施形態1に記載の化合物。
実施形態3.
Arylが、置換フェニルであり;Arylが、置換ヘテロアリールであり;Xが、メチレンである、実施形態1および2のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態4.
前記化合物が、以下の式の化合物
であり、式中、
Arylは、パラ置換フェニルであり;Arylは、置換ヘテロアリールであり;Xは、メチレンであり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態5.
前記化合物が、以下の式の化合物
である、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態6.
前記化合物が、以下の式の化合物
である、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態7.
Arylが、パラ置換フェニルであり;Arylが、置換チアゾール部分であり;Xが、メチレンであり;Lが、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;Rが、置換または非置換のアルキルであり;Rが、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rが、Hであり;Rが、Hである、実施形態4に記載の化合物。
実施形態8.
Arylが、
であり、式中、
は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態9.
が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態8に記載の化合物。
実施形態10.
が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基であり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態8〜9のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態11.
Arylが、4−フェニルスルファミン酸であり;Rが、置換または非置換のアルキルであり;Rが、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rが、Hであり;Rが、ヘテロアリールである、実施形態8〜10のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態12.
前記化合物が、
である、実施形態1〜5および7〜11のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態13.
前記化合物が、
である、実施形態1〜4および6〜11のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態14.
以下の式の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、化合物またはその薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオン。
実施形態15.
Arylが、置換または非置換のフェニルであり;Arylは、置換または非置換のヘテロアリールであり;Xが、アルキレンである、実施形態14に記載の化合物。
実施形態16.
Arylが、置換フェニルであり;Arylが、置換ヘテロアリールであり;Xが、メチレンである、実施形態14〜15のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態17.
Arylが、パラ置換フェニルであり;Arylが、置換ヘテロアリールであり;Xが、メチレンであり;Lが、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;Rが、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである、実施形態14〜16のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態18.
Arylが、パラ置換フェニルであり;Arylが、置換チアゾール部分であり;Xが、メチレンであり;Lが、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;Rが、置換または非置換のアルキルであり;Rが、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rが、Hであり;Rが、Hである、実施形態14〜17のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態19.
Arylが、
であり、式中、
は、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、ウレイド基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態14〜18のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態20.
が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態19に記載の化合物。
実施形態21.
が、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基であり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Rが、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、実施形態19〜20のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態22.
Arylが、4−フェニルスルファミン酸であり;Rが、置換または非置換のアルキルであり;Rが、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rが、Hであり;Rが、ヘテロアリールである、実施形態19〜21のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態23.
前記化合物が、
である、実施形態14〜21のいずれか一つに記載の化合物。
実施形態24.
二つのTie−2活性化物質を含む薬学的組成物であって、ここで、該二つのTie−2活性化物質は、互いの立体異性体であり、該薬学的組成物は、単位剤形である、薬学的組成物。
実施形態25.
前記立体異性体が、互いのエナンチオマーである、実施形態24に記載の薬学的組成物。
実施形態26.
前記立体異性体が、互いのジアステレオマーである、実施形態24に記載の薬学的組成物。
実施形態27.
前記二つのTie−2活性化物質が、HPTP−ベータに結合する、実施形態24〜26のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態28.
前記二つのTie−2活性化物質が、HPTP−ベータを阻害する、実施形態24〜27のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態29.
前記Tie−2活性化物質の一方が、他方のTie−2活性化物質の量の1%を超えない量で存在する、実施形態24〜28のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態30.
前記二つのTie−2活性化物質が、有機小分子である、実施形態24〜29のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態31.
Tie−2活性化物質および該Tie−2活性化物質の立体異性体を含む薬学的組成物であって、ここで、該立体異性体は、該Tie−2活性化物質の効力の約0.001%〜約100%である効力でTie−2を活性化する、薬学的組成物。
実施形態32.
前記Tie−2活性化物質の立体異性体が、前記Tie−2活性化物質のエナンチオマーである、実施形態31に記載の薬学的組成物。
実施形態33.
前記Tie−2活性化物質の立体異性体が、前記Tie−2活性化物質のジアステレオマーである、実施形態31に記載の薬学的組成物。
実施形態34.
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約10%の効力でTie−2を活性化する、実施形態31〜33のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態35.
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約1%の効力でTie−2を活性化する、実施形態31〜34のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態36.
前記立体異性体が、前記Tie−2活性化物質の効力の約0.01%〜約0.5%の効力でTie−2を活性化する、実施形態31〜35のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態37.
前記立体異性体が、HPTP−ベータに結合する、実施形態31〜36のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態38.
前記立体異性体が、HPTP−ベータを阻害する、実施形態31〜37のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態39.
前記立体異性体が、有機小分子である、実施形態31〜38のいずれか一つに記載の薬学的組成物。
実施形態40.
以下の式の化合物
またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンであって、式中、
Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、化合物またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンを、ある試薬と接触させる工程であって、ここで、該化合物またはその塩の立体中心が反転し、それによって、該化合物の立体異性体または該立体異性体の塩、互変異性体もしくは両性イオンが提供される、工程を含む、方法。
実施形態41.
前記試薬が、塩基である、実施形態40に記載の方法。
実施形態42.
前記化合物が、
である、実施形態40〜41のいずれか一つに記載の方法。
実施形態43.
前記立体異性体が、
である、実施形態40〜42のいずれか一つに記載の方法。
実施形態44.
以下の式の化合物
またはその塩および出発物質をある試薬と混合することにより、以下の式の生成物
またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンを得る工程を含む方法であって、式中、
Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Arylは、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合、ウレイド結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R、RおよびRのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、方法。
実施形態45.
前記化合物が、
またはその塩である、実施形態44に記載の方法。
実施形態46.
前記出発物質が、
またはその塩、互変異性体もしくは両性イオンである、実施形態44〜45のいずれか一つに記載の方法。
実施形態47.
前記出発物質が、
またはその塩であり、式中、N基は、窒素原子を含む官能基である、実施形態44〜46のいずれか一つに記載の方法。
実施形態48.
前記出発物質が、
またはその塩である、実施形態44〜47のいずれか一つに記載の方法。
実施形態49.
前記生成物が、
またはその塩である、実施形態44〜48のいずれか一つに記載の方法。

Claims (10)

  1. 以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. 以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩。
  3. Tie−2活性化物質および該Tie−2活性化物質の立体異性体を含む薬学的組成物であって、ここで、該Tie−2活性化物質の該立体異性体は、以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩もしくは両性イオンであ
    ここで、該立体異性体は、該Tie−2活性化物質の効力の0.001%〜100%である効力でTie−2を活性化する、薬学的組成物。
  4. 前記立体異性体が、HPTP−ベータに結合する、請求項に記載の薬学的組成物。
  5. 前記立体異性体が、HPTP−ベータを阻害する、請求項に記載の薬学的組成物。
  6. Tie−2活性化物質および該Tie−2活性化物質の立体異性体を含む薬学的組成物であって、ここで、該Tie−2活性化物質の該立体異性体は、以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩もしくは両性イオンであり、
    ここで、該立体異性体は、該Tie−2活性化物質の効力の0.001%〜100%である効力でTie−2を活性化する、薬学的組成物。
  7. 前記立体異性体が、HPTP−ベータに結合する、請求項6に記載の薬学的組成物。
  8. 前記立体異性体が、HPTP−ベータを阻害する、請求項6に記載の薬学的組成物。
  9. 以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩を含む薬学的組成物。
  10. 以下の式の化合物

    またはその薬学的に許容され得る塩を含む薬学的組成物。
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