以下に、本発明の実施の形態に係る管理装置及び管理方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る管理装置1の一例を示す図である。管理装置1は、設備100に含まれる機器8を管理する装置である。設備100は、工場の生産設備及び各種のインフラ設備が例示されるが、これらに限定されない。実施の形態1において、設備100はファクトリーオートメーション(Factory Automation:FA)、すなわち工場における生産工程の自動化を図るシステムである。実施の形態1において、設備100は、3台の機器8A,8B,8Cを含むが、設備100は、少なくとも1つの機器8を含んでいればよい。
管理装置1は、複数の機器8、実施の形態1では3台の機器8を管理するが、管理装置1が管理する機器の数に制約はない。設備100において、管理装置1が管理する対象となる機器8は変更され得る。
設備100は、管理装置1と、機器8と、管理装置1及び機器8が接続されたネットワーク9と、機器8によって制御される機械10とを含む。機械10は、機器8によって制御される。機械10は、工場の生産設備で生産に用いられる工作機械、ロボット、組立装置及び搬送装置であるが、これらに限定されない。機械10は、仕分装置、室外機、室内機、ポンプ、バルブ及びファンであってもよい。
管理装置1は、機器8を動作させるためのプログラムを機器8に与えて、機器8をプログラムにしたがって動作させたり、ネットワーク9に対する機器8の接続の状態を管理したりする。機器8に与えられるプログラムは、機器8が機械10を制御するためのプログラムが例示されるが、このようなプログラムには限定されない。
管理装置1は、処理部2と、記憶部3と、受信部4と、表示部5とを含む。実施の形態1において、管理装置1は、パーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータであるが、汎用のコンピュータには限定されない。処理部2は、情報取得部21と、管理部22と、出力制御部23とを含む。
情報取得部21は、設備100に含まれる機器8の固有情報31Aを取得して、機器8を特定する。詳細には、情報取得部21は、設備100において、機器8の固有情報31Aに基づいて、設備100における機器8の接続先を示す接続先情報31Cを得ることによって、機器8を特定する。すなわち、情報取得部21は、固有情報31Aに対応する機器8の接続先情報31Cを得て、機器8を特定する。機器8の接続先とは、設備100のネットワーク9において、機器8が直接接続されている対象の他、機器8と管理装置1との経路において機器8と直接又は間接に接続されている対象を含む。情報取得部21が機器8を特定するために用いる固有情報31Aは、設備100に設置された機器8から得られた固有情報31Aであってもよいし、ユーザによって指定された機器8の固有情報31Aであってもよい。
情報取得部21は、接続先情報31Cを得るにあたって、通信部4Aを介して、特定する機器8を探索する。情報取得部21が実行する探索は、探索対象の機器8へ至るまでに経由した装置の情報を取得する処理である。このような処理としては、pingコマンドが例示されるが、これに限定されない。
固有情報31Aは、ある機器8と、他の機器8とを区別することができる情報である。固有情報31Aは、機器8の名前、製造番号及び型番が挙げられるが、これらに限定されない。接続先情報31Cは、設備100のネットワーク9において、機器8が接続されている場所及び管理装置1から機器8までの経路の少なくとも一方を示す情報である。接続先情報31Cは、ネットワーク9における機器8のアドレス及びネットワーク9において管理装置1から機器8に至るまでの経路の情報が例示されるが、これらには限定されない。前述した経路の情報は、ネットワーク9において管理装置1から機器8に至るまでに経由した装置の情報が例示されるが、これには限定されない。
管理部22は、接続先設定部22Aと、構成設定部22Bと、オプション設定部22Cと、構成編集部22Dとを含む。管理部22は、記憶部3に格納される情報である識別情報31及び構成情報32を管理する処理を実行する。管理部22は、情報取得部21によって得られた接続先情報31Cと固有情報31Aとを対応付けるとともに、固有情報31Aと、設備100の構成を示す構成情報32の中の機器8の構成とを対応付ける。また、管理部22は、接続先情報31Cと固有情報31Aとを対応付け、かつ接続先情報31Cと対応付けられた固有情報31Aを、構成情報32の中の機器8の構成に対応付ける。
構成情報32は、設備100を構成する機器8の固有情報31Aを含む。構成情報32は、設備100の構成を表す構成図を表示部5に表示させるための元となる情報である。構成図は、設備100に含まれるネットワーク9と機器8及び管理装置1との接続状態を示す仮想の図である。構成情報32は、少なくとも構成図を表示部5に表示させる情報であればよく、構成図以外を表示部に表示させる情報であってもよい。
構成情報32は、少なくとも固有情報31Aを含んでいればよい。構成情報32は、固有情報31Aに加えて、管理部22によって固有情報31Aに対応付けられた接続先情報31Cを含んでいてもよい。また、構成情報32は固有情報31Aを含み、さらに、識別情報31に含まれる接続先情報31Cと固有情報31Aとを対応付けるための情報を含んでいてもよい。
管理部22の接続先設定部22Aは、受信部4によって受け付けられた入力に基づいて、ネットワーク9における機器8の接続の経路を示す情報である接続先情報31Cを得て、記憶部3に記憶させる。接続先設定部22Aは、固有情報31Aと、生成した接続先情報31Cとを対応付けて、記憶部3に記憶させる。また、接続先設定部22Aは、情報取得部21による探索処理の結果に基づいて、機器8の接続先が正しく設定されていないと判定された場合に、探索処理の結果に基づいて機器8の接続先を更新する。機器8の接続先の更新は、入力部4Bを介して接続先を更新することを示す入力を受け付けた場合に実行される。接続先設定部22Aは、固有情報31Aに対応付けられている接続先情報31Cを、新たな接続先情報31Cに変更することにより、機器8の接続先を更新する。
構成設定部22Bは、固有情報31Aと構成情報32の中の機器8の構成とを対応付ける。構成設定部22Bは、接続先情報31Cと対応付けられた固有情報31Aを、構成情報32に割り付ける。
管理部22は、情報取得部21によって特定された機器8、詳細には特定された機器8を示す情報を報知する。特定された機器8を示す情報とは、特定された機器8を、図1に示される設備100に含まれる他の機器8から区別するための情報である。この報知は、管理部22の構成設定部22Bによって行われる。詳細には、構成設定部22Bは、情報取得部21が接続先情報31Cを得ることによって特定され、かつ接続先設定部22Aによって接続先情報31Cと固有情報31Aとが対応付けられた機器8を報知する。オプション設定部22Cは、情報取得部21によって特定された機器8を構成図に表示させる場合、他とは異なる態様、例えば構成図に表示される他の機器8とは異なる態様で構成図に表示させることにより、情報取得部21によって特定された機器8を報知する。情報取得部21によって特定された機器8は、情報取得部21によって得られた接続先情報31Cに対応する機器8である。したがって、特定された機器8を示す情報は、情報取得部21によって得られた接続先情報31Cに対応する機器8を示す情報である。
他とは異なる態様の表示とは、構成図において、対象となる機器8を光らせて表示したり、点滅させて表示したり、他の機器8と色を異ならせて表示したり、太線にして表示したりすることが挙げられる。他とは異なる態様の表示は、例示したものに限定されない。このように、管理部22は、表示を制御する。構成編集部22Dは、構成図を表示部5の画面に表示するための表示データを編集する。
出力制御部23は、管理部22からの指示に応じて、表示部5に画像を表示させる。詳細には、出力制御部23は、管理部22の情報取得部21によって特定された機器8を表示部5に表示させる。出力制御部23は、表示部5へ表示させる画像データを生成するとともに、生成した画像データを表示部5に出力して表示させる。詳細には、出力制御部23は、オプション設定部22Cの指示に応じて、設備100の構成図中において、情報取得部21によって特定された機器8を、設備100の他の要素とは異なる態様で表示部5に表示させる。出力制御部23は、構成図を画面表示するための表示データを編集する。
前述したように、管理部22は、出力制御部23を介して、情報取得部21によって特定された機器8を表示部5に表示させることによって報知する。また、管理部22は、出力制御部23を介して、情報取得部21によって特定された機器8を、他の要素とは異なる態様で表示部5に表示させることによって報知する。実施の形態1において、管理部22は、情報取得部21によって特定された機器8を表示部5に表示させることによって報知する以外にも、音声によって報知したり、紙にプリントして報知したりしてもよい。この場合、出力制御部23は、管理部22からの指令に応じて、情報取得部21によって特定された機器8の情報を出力する。
このように、実施の形態1の報知には、表示部5への表示、音声によるもの、及び記録媒体にプリントすることが含まれるが、これらには限定されない。特定された機器8を示す情報を、表示部5へ表示することにより報知する場合、例えば、特定された機器8を示すアイコンが、特定された機器8を示す情報に該当する。特定された機器8を示す情報を、音声で報知する場合、例えば、特定された機器8を示す音声が、特定された機器8を示す情報に該当する。特定された機器8を示す情報を、記録媒体にプリントすることにより報知する場合、例えば、特定された機器8を示す画像、文字又は数字が、特定された機器8を示す情報に該当する。
記憶部3は、識別情報31と、構成情報32とを記憶する。識別情報31は、固有情報31A、制御情報31B及び接続先情報31Cを含む。制御情報31Bは、機器8が実行できる処理の情報である。構成情報32は、設備100に含まれる機器8と、機器8の固有情報31Aとが対応付けられた情報である。構成情報32が設備100の構成図である場合、構成図に含まれる機器8A,8B,8Cの画像に対応する情報に、それぞれ機器8A,8B,8Cの固有情報31Aが対応付けられる。識別情報31のデータフォーマットには特に制約はないが、1台の機器8毎に1エントリが設けられ、1エントリに固有情報31A、制御情報31B及び接続先情報31Cを含むフォーマットが用いられる。
受信部4は、管理装置1への入力を受け付ける。管理装置1への入力は、機器8が有する機器側識別情報31U、機器8の制御対象である機械10の状態に関する情報及び機器8の状態に関する情報が挙げられる。機器側識別情報31Uは、固有情報31A及び制御情報31Bを含むが、少なくとも固有情報31Aを有していればよい。
受信部4は、通信部4A及び入力部4Bを含む。通信部4Aは、携帯端末装置7と通信したり、ネットワーク9に接続されている機器8及び管理装置1以外のコンピュータと通信したりする。通信部4Aは、携帯端末装置7と無線通信によって情報をやり取りするが、有線通信によって携帯端末装置7と情報をやり取りしてもよい。入力部4Bは、管理装置1のユーザからの入力を受け付ける。後述するように、受信部4は、携帯端末装置7によって取得された機器8から取得された機器側識別情報31Uを受け取る。このように、受信部4は、機器8の識別情報、すなわち機器側識別情報31Uを取得する取得部として機能する。入力部4Bは、タッチパネル、キーボード及びポインティングデバイスその他の入力用のデバイスである。
携帯端末装置7は、タブレット端末及びスマートフォンに代表される携帯可能な端末装置である。機器8の設置及び点検を実行する作業者は、機器8が設置された現場へ行く際に、携帯端末装置7を携帯する。携帯端末装置7は、現場へ設置されており、作業者は、携帯端末装置7を使用する場合に、設置場所から携帯端末装置7を持ち出すようにしてもよい。
携帯端末装置7は、通信部7Aと、解析部7Bと、読取り部7Cと、入力部7Dとを有する。携帯端末装置7は、機器8の機器側識別情報31Uを取得して解析し、解析結果を管理装置1に送信する。詳細には、読取り部7Cが機器8の識別情報伝達部8Qを読み取る。読取り部7Cは、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)といったイメージセンサを有する撮像装置である。解析部7Bは、読取り部7Cによって読み取られた識別情報伝達部8Qを解析して、識別情報伝達部8Qから機器側識別情報31Uを復元する。機器側識別情報31Uに固有情報31A及び制御情報31Bの両方が含まれている場合、解析部7Bは、少なくとも機器8の固有情報31Aを復元すればよい。
通信部7Aは、解析部7Bの解析結果である機器側識別情報31U、実施の形態1では少なくとも固有情報31Aを管理装置1に送る。携帯端末装置7から送られた固有情報31Aは、管理装置1の通信部4Aが受け取る。通信部4Aは、受け取った固有情報31Aを、記憶部3に記憶させる。入力部7Dは、ユーザからの入力を受け付ける。
実施の形態1において、機器8は、プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controllers(PLC))を始めとする各種の機器である。実施の形態1において、機器8は、プログラマブルコントローラであるとする。プログラマブルコントローラは、JIS(日本工業規格)においては、JIS B 3502:2011により規定されたものである。機器8には制御対象である機械10が接続されている。機器8は、工場を始めとした現場、すなわち機器8が稼働する場所に設置される。
機器8は、ネットワーク9を介して管理装置1から機械10を制御するためのプログラムを受け取る。そして、機器8は、受け取ったプログラムにしたがって動作することにより、機械10を制御する。機器8は、管理装置1からプログラムを受け取って動作するものであれば、プログラマブルコントローラに限定されない。
図2は、実施の形態1に係る管理装置1が管理する対象である機器8を示す図である。機器8は、通信部8T、処理部8P及び記憶部8Mを有する。通信部8Tは、図1に示されるネットワーク9を介して図1に示される管理装置1と通信したり、機器8に接続されている機械10(図1参照)と通信したりする。処理部8Pは、管理装置1からネットワーク9を介して送られてきたプログラムを実行することにより、機械10を制御する。記憶部8Mは、固有情報31A及び制御情報31Bを含む機器側識別情報31Uを記憶する。
記憶部8Mが記憶している固有情報31Aは、それぞれの機器8に個別に付与されている情報である。実施の形態1において、識別情報伝達部8Qには、機器8の固有情報31A及び制御情報31Bのうち、少なくとも固有情報31Aが埋め込まれている。
識別情報伝達部8Qは、機器8の外部に取り付けられた識別情報伝達部二次元コード、画像、文字列、数字列及びこれらの組合せである。識別情報伝達部8Qは、機器8の筐体に貼り付けられたり、機器8の筐体に直接書き込まれたりする。設備100に含まれる各機器8はいずれも同様の構成であるが、各機器8に対応する固有情報31A及び制御情報31Bは機器8毎に異なる。
図3及び図4は、実施の形態1に係る管理装置1のハードウェア構成を示す図である。図1に示される管理装置1の機能がソフトウェアで実現される場合、図3に示されるように、管理装置1は、入力装置1R、プロセッサ1P、メモリ1M及び出力装置1Dを含む。管理装置1が有する処理部2の機能、詳細には情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能は、プロセッサ1Pによって実現される。プロセッサ1Pは、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう。
この場合、図1に示される情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ1Mに記憶される。プロセッサ1Pは、メモリ1Mに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能を実現する。これらのプログラムは、情報取得部21、管理部22及び出力制御部23が実行する手順及び実施の形態1に係る管理方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。メモリ1Mは、プロセッサ1Pが処理を実行する際の一時記憶装置としても使用される。
メモリ1Mは、図1に示される管理装置1の記憶部3の機能を実現する。メモリ1Mは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった揮発性又は不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、及びDVD(Digital Versatile Disc)が該当する。
入力装置1Rは、図1に示される管理装置1の受信部4の機能を実現する。入力装置1Rは、受信器、タッチパネル、キーボード及びポインティングデバイスである。出力装置1Dは、図1に示される管理装置1の表示部5の機能を実現する。出力装置1Dは、液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、CRT(Cathode Ray Tube)、プリンタ及びスピーカーである。
図1に示される管理装置1が有する情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能は、図4に示される処理回路1Sによって実現されてもよい。処理回路1Sは、情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能を実現するための専用のハードウェアである。処理回路1Sは、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。情報取得部21、管理部22及び出力制御部23のそれぞれの機能を異なる処理回路1Sが実現してもよいし、それぞれの機能をまとめて1つの処理回路1Sが実現してもよい。
情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能は、一部が専用のハードウェアで実現され、一部がソフトウェア又はファームウェアで実現されてもよい。このように、管理装置1は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組合せによって、情報取得部21、管理部22及び出力制御部23の機能を実現することができる。
図5は、実施の形態1に係る携帯端末装置7のハードウェア構成例を示す図である。図5に示されるように、携帯端末装置7は、プロセッサ701、メモリ702、撮像装置703、通信装置704、入力装置705及び表示装置706を備える。プロセッサ701は、CPU及びマイクロプロセッサのうち少なくとも1つである。メモリ702は、ハードディスクドライブ、SSD及びRAMのうち少なくとも1つである。撮像装置703は、カメラである。通信装置704は、受信機及び送信機である。入力装置705は、キーボード、マウス及びタッチパネルのうち少なくとも1つである。表示装置706は、液晶パネル又は有機ELパネルである。
図1に示される通信部7Aは、通信装置704により実現され、図1に示される読取り部7Cは撮像装置703により実現され、図1に示される入力部7Dは入力装置705により実現される。解析部7Bは、プロセッサ701が、メモリ702に格納された、解析部7Bの処理を実行するためのプログラムを実行することにより実現される。メモリ702は、プロセッサ701が処理を実行する際の一時記憶部としても使用される。
図6は、実施の形態1に係る機器8のハードウェア構成例を示す図である。図6に示されるように、機器8は、プロセッサ801、メモリ802、通信装置803及び入力装置804を備える。プロセッサ801は、CPU及びマイクロプロセッサのうち少なくとも1つである。メモリ802は、ハードディスクドライブ、SSD及びRAMのうち少なくとも1つである。通信装置803は、受信機及び送信機である。入力装置804は、キーボード、マウス及びタッチパネルのうち少なくとも1つを有する。図2に示される処理部8Pはプロセッサ801によって実現され、記憶部8Mはメモリ802によって実現され、通信部8Tは通信装置803によって実現される。機器8は、入力装置804を有していなくてもよい。
図7は、実施の形態1に係る管理装置1が実施の形態1に係る管理方法を実行した場合の処理を説明するための図である。図7は、現場に設置された設備100の機器8を示している。管理装置1は、機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとを対応付け、さらに構成情報32の中の機器8に固有情報31Aを対応付けることによって、設備100のネットワーク9における機器8の接続先を管理する。管理装置1は、実施の形態1に係る管理方法を実行することによって、ネットワーク9における機器8の接続先が変更されている場合、管理装置1によって管理されている機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けを更新する。また、管理装置1は、実施の形態1に係る管理方法を実行することによって、ネットワーク9に新たに接続された機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとを対応付けるとともに、構成情報32の中の機器8に固有情報31Aを対応付ける。
設備100が稼動する前に、ユーザが、管理装置1によって管理されている、ネットワーク9における機器8の接続先が正しいか否かを確認する場合がある。ユーザは、新たにネットワーク9に追加した機器8を構成情報32に追加したい場合がある。このような場合、ユーザは、現場へ出向き、携帯端末装置7の読取り部7Cに、接続先を確認する対象の機器8の識別情報伝達部8Qを読み取らせる。
この例では、ユーザが確認又は追加したい機器8は機器8Aであるとする。機器8Aには識別情報伝達部8Qが貼り付けられている。この状態で、ユーザは、携帯端末装置7を操作することにより、携帯端末装置7に識別情報伝達部8Qを読み取らせる。ユーザが確認又は追加したい機器8は、図7のPTで示されている。
識別情報伝達部8Qを読み取った携帯端末装置7は、解析部7Bによって識別情報伝達部8Qを解析する。解析結果7Rは、携帯端末装置7の通信部7Aから管理装置1の通信部4Aに送られる。管理装置1は、携帯端末装置7から解析結果7Rを受け取ると、記憶部3に記憶された識別情報31を検索して、機器8の固有情報31Aに対応付けられた接続先情報31Cが存在するか否かを判定する。機器8の固有情報31Aに対応付けられた接続先情報31Cが存在しない場合、管理装置1は、探索処理を実行する。探索処理は、解析結果7Rに含まれる固有情報31Aに基づいて、管理装置1が機器8Aの接続先情報31Cを得るための処理である。
管理装置1は、機器8の固有情報31Aを基に、管理装置1からアクセス可能な範囲を探索する。アクセス可能な範囲は、USB(Universal Serial Bus)又はEthernet(イーサネット:登録商標)といったネットワークの種別及び最長距離、すなわち経由するネットワークの数に依存する。管理装置1は、アクセス可能な範囲の経路を探索するため、一定時間で、探索のための信号が対象の機器8へ到達したか否かを判断できる。探索において、管理装置1は、探索のための信号を発信した後に、対象の機器8からの応答を受け取ると、対象の機器8の存在及び対象の機器8が接続されている場所を知ることができる。
管理装置1が対象の機器8の探索を開始した時点から対象の機器8の応答を受け取った時点までに要した時間は、管理装置1から対象の機器8までの距離に比例する。このため、管理装置1は、探索を開始した時点から対象の機器8の応答を受け取った時点までに要した時間に基づいて、管理装置1から対象の機器8までの距離を求めることができる。管理装置1は、管理装置1から対象の機器8までの距離と、管理装置1に接続されたネットワーク9の構成とから、ネットワーク9において管理装置1から対象の機器8までの経路及び対象の機器8が接続されている場所を求めることができる。
図8は、実施の形態1において、ネットワーク9f,9s,9tに接続された管理装置1、機器8fs,8sd,8td,8ft,8fi,8si,8sv,8sw,8df,8ds及び対象の機器8TGの一例を示す図である。図9は、実施の形態1において、図8に示される接続関係をツリー構造TSRとして表した図である。図8に示される例において、管理装置1は、ネットワーク9fに接続される。ネットワーク9fには、機器8sd,8fs,8tdが接続される。機器8fsは、ネットワーク9sに接続される。ネットワーク9sには、機器8ft,8fiが接続される。機器8tdにはネットワーク9tが接続される。ネットワーク9tには機器8si,8svが接続される。機器8svには機器8swが接続される。機器8df,8dsは、管理装置1に直接接続される。以下において、機器8fs,8sd,8td,8ft,8fi,8si,8sv,8sw,8df,8dsを区別しない場合は適宜、機器8と称し、ネットワーク9f,9s,9tを区別しない場合は適宜、ネットワーク9と称する。
管理装置1は、管理装置1に接続される対象の設定情報を有する。設定情報は、接続される対象の種別、接続される対象の接続形態及び接続される対象のアドレスを含む。接続される対象の種別は、USB(Universal Serial Bus)又はEthernet(イーサネット:登録商標)といったネットワークの種別が例示される。接続される対象の接続形態は、管理装置1に直接接続されるか、ネットワーク9を介して接続されるかといったことが例示される。接続される対象のアドレスは、管理装置1に直接接続される機器8のアドレス及び管理装置1にネットワーク9を介して接続される機器8のアドレスが例示される。このアドレスは、局番又はIP(Internet Protocol)が例示される。
管理装置1に接続される機器8は、次に示すグループに分類される。それぞれのグループには、1台以上の機器8が属する。
グループ1:管理装置1に直接接続された機器8df,8ds
グループ2:ネットワーク9fを介して管理装置1に接続された機器8fs,8sd,8td
グループ3:ネットワーク9f、機器8fs及びネットワーク9sを介して管理装置1に接続された機器8ft,8fi
グループ4:ネットワーク9f、機器8td及びネットワーク9tを介して管理装置1に接続された機器8si,8sv
グループ5:ネットワーク9f、機器8td、ネットワーク9t及び機器8svを介して管理装置1に接続された機器8sw
グループ1には、管理装置1に直接接続される機器8df,8dsが属する。グループ2には、1つのネットワーク9fを介して管理装置1と接続される機器8fs,8sd,8tdが属する。グループ3には、2つのネットワーク9f,9s及び機器8fsを介して管理装置1と接続される機器8ft,8fiが属する。グループ4には、2つのネットワーク9f,9t及び機器8tdを介して管理装置1と接続される機器8si,8svが属する。グループ5には、2つのネットワーク9f,9t及び2つの機器8td,8svを介して管理装置1と接続される機器8swが属する。
グループ1は、管理装置1との間に介在するネットワーク9の数及び機器8の数の少なくとも一方(以下においては適宜、ネットワーク9等の数と称する)が最も少ない。詳細には、グループ1は、管理装置1との間にネットワーク9及び機器8は存在しないので、ネットワーク9等の数が0である。グループ2は、グループ1の次に、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が多い。グループ3及びグループ4は、グループ2の次に、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が多い。グループ5は、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が最も多い。
実施の形態1において、管理装置1、詳細には情報取得部21は、管理装置1と探索する対象の機器8との間に介在するネットワーク9等の数に基づいた順序で機器8を探索する。詳細には、管理装置1は、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が少ない順に機器8を探索する。図8に示される例においては、管理装置1は、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が少ないグループの順に、グループに属する機器8を探索する。すなわち、管理装置1は、グループ1からグループ5の順に、各グループに属する機器8を探索する。
管理装置1は、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が多い順に機器8を探索してもよいが、管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が少ない順に機器8を探索した方が効率がよい。管理装置1との間に介在するネットワーク9等の数が多い順に機器8が探索される場合、複数のネットワーク9の間に介在する機器8から、この機器8の先に接続されているネットワーク9又は機器8の情報を取得する必要があるからである。
管理装置1は、機器8を探索する場合、管理装置1に接続される対象の設定情報を用いて、管理装置1から探索の対象となっている機器8の経路を得る。管理装置1は、機器8を探索するにあたって、探索の時間を設定する。管理装置1は、設定された探索の時間内に機器8を探索できない場合、探索できなかった機器8はネットワーク9に存在しないとして、探索を終了する。管理装置1が対象の機器8を発見できたということは、次の状態を意味する。すなわち、管理装置1から発信された探索のための信号が、対象の機器8に至るまでの間に存在するネットワーク9及び機器8を通って対象の機器8に到達し、対象の機器8からの応答は、機器8及びネットワーク9を通って管理装置1に到達した状態である。
管理装置1は、機器8を探索する場合、最初に、管理装置1に直接接続されている機器8df,8dsを探索の対象とする。探索の対象の機器8が機器8dsである場合、管理装置1は、対象の機器8dsから取得された固有情報31Aを含む探索指令1BCを、管理装置1に直接接続されている機器8df,8dsに送信する。すると、管理装置1に直接接続されている機器8dsは、応答8ICを管理装置1に送る。機器8dsからの応答8ICは、接続先情報31Cとして、機器8dsのアドレスを含んでいる。管理装置1は、機器8dsが、管理装置1に直接接続されているという、管理装置1から機器8dsに至るまでの経路の情報、及び機器8dsのアドレスを得ることができる。このため、管理装置1は、経路の情報から管理装置1から機器8dsへ至る経路を得ることができる。また、管理装置1は、アドレスから機器8dsが接続されている場所を得ることができる。
管理装置1は、管理装置1に直接接続されている機器8df,8dsからは対象の機器8が発見できなかった場合、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fに接続されている機器8fs,8sd,8tdを探索の対象とする。探索の対象の機器8が機器8sdである場合、管理装置1は、管理装置1に直接接続されている機器8df,8dsからは対象の機器8sdを発見できない。このため、管理装置1は、対象の機器8sdから取得された固有情報31Aを含む探索指令1BCを、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fに接続されている機器8fs,8sd,8tdに送る。
すると、ネットワーク9fに接続されている機器8sdは、応答8ICを管理装置1に送る。機器8sdからの応答8ICは、接続先情報31Cとして、機器8sdのアドレスを含んでいる。管理装置1は、機器8sdが、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fに接続されているという、管理装置1から機器8sdに至るまでの経路の情報、及び機器8sdのアドレスを得ることができる。このため、管理装置1は、経路の情報から管理装置1から機器8sdへ至る経路を得ることができる。また、管理装置1は、アドレスから機器8sdが接続されている場所を得ることができる。
管理装置1は、管理装置1に直接接続されている機器8及び管理装置1に直接接続されているネットワーク9からは対象の機器8が発見できなかった場合、機器8を介して管理装置1と間接的に接続されている機器8及びネットワーク9を探索の対象とする。この場合、管理装置1は、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fに接続されている機器8fs,8sd,8tdから、それぞれの機器8fs,8sd,8tdの接続対象である機器8及びネットワーク9の情報を取得する。この情報は、機器8及びネットワーク9のアドレスが例示される。
図8に示される例では、ネットワーク9fに接続されている機器8fsにはネットワーク9sが接続され、機器8tdにはネットワーク9tが接続されている。機器8fs,8tdは、管理装置1から接続対象の情報を要求する命令を受け付けると、それぞれ、ネットワーク9s,9tが接続されていることを管理装置1に送る。管理装置1は、機器8fs,8tdからそれぞれの接続対象の情報を取得すると、機器8fs,8tdの接続対象を探索する。
探索の対象の機器8が機器8ftである場合、管理装置1は、管理装置1に直接接続されている機器8df,8ds及びネットワーク9fからは対象の機器8ftを発見できない。このため、管理装置1は、対象の機器8ftから取得された固有情報31Aを含む探索指令1BCを、機器8fsを介して管理装置1に接続されているネットワーク9sの機器8ft,8fiに送る。
すると、ネットワーク9sに接続されている機器8ftは、応答8ICを管理装置1に送る。機器8ftからの応答8ICは、接続先情報31Cとして、機器8ftのアドレスを含んでいる。管理装置1は、管理装置1から機器8ftに至るまでの経路には、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fと、ネットワーク9fに接続されている機器8fsと、機器8fsに接続されているネットワーク9sとが存在するという経路の情報、及び機器8ftのアドレスを得ることができる。このため、管理装置1は、経路の情報から管理装置1から機器8ftへ至る経路を得ることができる。また、管理装置1は、アドレスから機器8ftが接続されている場所を得ることができる。
探索の対象の機器8が機器8siである場合、管理装置1は、ネットワーク9f及び機器8fsを介して管理装置1に接続されるネットワーク9sからは対象の機器8siを発見できない。このため、管理装置1は、対象の機器8siから取得された固有情報31Aを含む探索指令1BCを、機器8tdを介して管理装置1に接続されているネットワーク9tの機器8si,8svに送る。
すると、ネットワーク9tに接続されている機器8siは、応答8ICを管理装置1に送る。機器8siからの応答8ICは、接続先情報31Cとして、機器8siのアドレスを含んでいる。管理装置1は、管理装置1から機器8siに至るまでの経路には、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fと、ネットワーク9fに接続されている機器8tdと、機器8tdに接続されているネットワーク9tとが存在するという経路の情報、及び機器8siのアドレスを得ることができる。このため、管理装置1は、経路の情報から管理装置1から機器8siへ至る経路を得ることができる。また、管理装置1は、アドレスから機器8siが接続されている場所を得ることができる。
探索の対象の機器8が機器8swである場合、管理装置1は、ネットワーク9f及び機器8tdを介して管理装置1に接続されるネットワーク9tからは対象の機器8swを発見できない。このため、管理装置1は、ネットワーク9tに接続されている機器8si,8svから、それぞれの接続対象の情報を取得する。図8に示される例においては、機器8svからのみ、接続対象の情報が得られる。管理装置1は、機器8svから接続対象の情報を取得すると、機器8svの接続対象を探索する。
探索において、管理装置1は、対象の機器8swから取得された固有情報31Aを含む探索指令1BCを、ネットワーク9f、機器8td、ネットワーク9t及び機器8svを介して、機器8swに送る。すると、機器8svに接続されている機器8swは、応答8ICを管理装置1に送る。機器8swからの応答8ICは、接続先情報31Cとして、機器8swのアドレスを含んでいる。管理装置1は、管理装置1から機器8swに至るまでの経路には、管理装置1に直接接続されているネットワーク9fと、ネットワーク9fに接続されている機器8tdと、機器8tdに接続されているネットワーク9tと、ネットワーク9tに接続されている機器8svが存在するという経路の情報、及び機器8swのアドレスを得ることができる。このため、管理装置1は、経路の情報から管理装置1から機器8swへ至る経路を得る事ができる。また、管理装置1は、アドレスから機器8swが接続されている場所を得ることができる。
管理装置1は、対象の機器8を発見できた場合、図9に示されるツリー構造TSRを記憶部3に記憶させる。このツリー構造TSRにより、管理装置1は、対象の機器8から管理装置1までの経路を把握することができる。すなわち、対象の機器8が機器8swである場合、管理装置1から対象の機器8swまでの経路は、機器8td及び機器8svを通る経路であることが分かる。機器8siが対象の機器8である場合、管理装置1から対象の機器8siまでの経路は、機器8tdを通る経路であることが分かる。このように、管理装置1は、対象の機器8を探索し、発見することによってツリー構造TSRを作成し記憶部3に記憶させる。管理装置1は、ツリー構造TSRを用いることによって、ネットワーク9f,9s,9tに接続された機器8fs,8sd,8td,8ft,8fi,8si,8sv,8sw,8df,8dsの接続先情報31C(図10参照)を得ることができる。
探索処理において、図1に示される管理装置1の管理部22、詳細には管理部22の接続先設定部22Aは、図8に示される探索指令1BCを生成する。接続先設定部22Aは、ネットワーク9に接続されている機器8に、ネットワーク9を介して探索指令1BCを送る。探索指令1BCは、送信先のアドレス、固有情報31A及び機器8の接続先情報31Cを得るための命令を含む。送信先のアドレスは、ネットワーク9全体を意味するブロードキャストアドレスであってもよいし、ユーザが確認又は追加したい機器8のアドレスが判明している場合は、そのアドレスであってもよい。
図2に示される機器8の通信部8Tが図8に示される探索指令1BCを受け取ると、機器8の処理部8Pは、機器8の記憶部8Mに記憶されている固有情報31Aと、探索指令1BCに含まれる固有情報31Aとを比較する。処理部8Pは、両者が一致した場合に、応答8ICを管理装置1に送る。処理部8Pは、両者が一致しない場合に処理を終了する。この場合、処理部8Pは、応答8ICを管理装置1に送らない。
図7に示される例において、探索指令1BCは、ネットワーク9に接続されているすべての機器8A,8B,8Cに送られる。管理装置1から送られる探索指令1BCは、機器8Aの固有情報31Aを含むので、機器8Aの処理部8Pが応答8ICを管理装置1に送信する。機器8B,8Cの処理部8Pは、応答8ICを管理装置1に送信しない。
応答8ICは、機器8の固有情報31Aと、機器8の接続先情報31Cとを含む。応答8ICに含まれる固有情報31Aと接続先情報31Cとは、同一の機器8の情報である。管理装置1は、応答8ICを受け取ることにより、機器8の固有情報31A及び接続先情報31Cを得る。図7に示される例においては、機器8Aのみから応答8ICが送られる。この応答8ICには、機器8Aの固有情報31Aと接続先情報31Cとが含まれるので、管理装置1は、機器8Aの固有情報31A及び接続先情報31Cを得ることができる。
管理装置1は、機器8Aから受け取った固有情報31Aをキーとして、機器8Aから受け取った接続先情報31Cと、管理装置1によって管理されている機器8Aの接続先情報31C、つまり現時点において記憶部3に記憶されている接続先情報31Cとを比較する。両者が異なる場合、管理装置1は、管理装置1によって管理されている、機器8Aの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けを更新する。
詳細には、管理装置1は、管理装置1によって管理されている機器8Aの固有情報31Aに、機器8Aから受け取った接続先情報31Cを対応付けて、記憶部3に記憶させる。すなわち、管理部22は、管理装置1によって管理されている機器8Aの接続先情報31Cを、情報取得部21によって得られた機器8Aの接続先情報31Cに書き換える。
オプション設定部22Cは、固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けが更新された機器8Aを報知する。この場合、オプション設定部22Cは、前述したように、出力制御部23を介して、機器8A、すなわち情報取得部21によって得られた接続先情報31Cに対応する機器8を、構成図において他とは異なる態様で表示部5に表示させる。
機器8Aから受け取った接続先情報31C、すなわち情報取得部21によって得られた接続先情報31Cと、管理装置1によって管理されている機器8Aの接続先情報31Cとが同一である場合、管理装置1によって管理されている、機器8Aの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けは維持される。この場合、オプション設定部22Cは、固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けに変更がないことを報知する。報知の方法としては、オプション設定部22Cが出力制御部23を介して、機器8Aは正しく接続されていることを表示部5に表示させる方法が挙げられる。報知の方法の一例として、オプション設定部22Cは、情報取得部21によって得られた接続先情報31Cに対応する機器8Aを、他とは異なる態様で構成図に表示させる方法が挙げられる。
情報取得部21が機器8Aの接続先情報31Cを得られない場合、管理部22は、接続先情報31Cが得られなかったことを報知する。次に、管理装置1が実施の形態1に係る管理方法を実行した場合における構成情報32の変化について説明する。
図10は、実施の形態1に係る構成情報32を図の形式で示した図である。図11は、実施の形態1に係る構成情報32を表形式で示した図である。図12及び図14は、実施の形態1に係る、更新後の構成情報32R,32Raを図の形式で示した図である。図13及び図15は、実施の形態1に係る、更新後の構成情報32R,32Raを表形式で示した図である。これらの例において、構成情報32は、図11に示されるように、構成図中における機器8の画像又は名前と、固有情報31Aと、接続先情報31Cとが対応付けられている。機器8の名前は、この例においては機器N8A,N8B,N8C,N8D,・・・,N8Nである。構成情報32,32Rが図の形式で示される場合及び表の形式で示される場合のいずれも、構成情報32,32Rが構成図で示されることに相当する。
図10及び図11に示される構成情報32は、管理装置1によって管理されているものである。図12及び図13に示される構成情報32Rは、図1に示される設備100に含まれる機器8に変更があったために、管理装置1によって管理されている構成情報32が更新されたものである。構成情報32は、ネットワーク9に機器8A,8B,8C,8D,・・・,8Nが接続されている設備100の構成を示す。構成情報32には含まれないが、ネットワーク9を有する設備とは異なる設備のネットワーク9Aには、機器8Iが接続されている。
構成情報32において、機器8Aの固有情報31AはXX1、接続先情報31Cはaa1であり、機器8Bの固有情報31AはXX2、接続先情報31Cはaa2であり、機器8Cの固有情報31AはXX3、接続先情報31Cはaa3であり、機器8Dの固有情報31AはXX4、接続先情報31Cはaa4である。機器8Nの固有情報31AはXXN、接続先情報31Cはaanである。
構成情報32は、設備100が稼動する前に設定されたものである。この状態から、図12及び図13に示されるように、機器8Bと機器8Dとが入れ替えられ、さらにネットワーク9に機器8Eが接続された場合を考える。この場合、管理装置1が管理している機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けと、実際の機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けとが異なる。このため、図1に示される管理装置1は、実施の形態1に係る管理方法を実行して、管理装置1が管理している対応付けと、設備100における実際の対応付けとを一致させる。
ユーザは、図1に示される携帯端末装置7によって、図12及び図13に示される現状の設備100が有する機器8A,8B,8C,8D,8E,・・・,8Nの識別情報伝達部8Qを順に撮像する。携帯端末装置7は、図7に示される識別情報伝達部8Qの解析結果7Rを管理装置1に送る。管理装置1は、携帯端末装置7から解析結果7Rを受け取ったら、ネットワーク9全体に、図7に示される探索指令1BCを送信する。探索指令1BCを受け取った機器8A,8B,8C,8D,8E,・・・,8Nは、探索指令1BCに含まれる固有情報31Aと同一の固有情報31Aを有する場合に、接続先情報31Cを含む応答8IC(図7参照)を管理装置1に送る。管理装置1は、応答8ICに基づいて、図7に示される管理装置1が管理している機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けを更新する。
機器8B及び機器8Dからは、機器8B及び機器8Dの固有情報31A及び接続先情報31Cを含む応答8ICが管理装置1に送られる。管理装置1の記憶部3は、機器8B及び機器8Dの固有情報31A、制御情報31B及び接続先情報31Cを有している。しかし、図11及び図13に示されるように、管理装置1によって管理されている機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けと、実際の機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けとは異なっている。このように、管理装置1によって管理されている機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けが、機器8B及び機器8Dから受け取った情報と異なる場合、管理装置1は、機器8B及び機器8Dの接続先が変更された、又は接続先が間違っていると判断する。管理装置1は、機器8B及び機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けを更新する。
機器8A、機器8C及び機器8Nからは、機器8A、機器8C及び機器8Nの固有情報31A及び接続先情報31Cを含む応答8ICが管理装置1に送られる。図11及び図13に示されるように、管理装置1によって管理されている機器8A、機器8C及び機器8Nの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けと、実際の機器8A、機器8C及び機器8Nの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けとが同一である。このように、管理装置1によって管理されている機器8A、機器8C及び機器8Nの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けが同一である場合、管理装置1は、機器8A、機器8C及び機器8Nの接続先に変更はないと判断する。
図12に示される機器8Eは、設備100のネットワーク9に新たに追加されたものである。機器8Eからは、機器8Eの固有情報31A及び接続先情報31Cを含む応答8ICが、図7に示される管理装置1に送られる。管理装置1の記憶部3は、機器8Eの固有情報31A、制御情報31B及び接続先情報31Cを有していない。また、構成情報32にも、機器8Eの固有情報31Aは存在しない。このように、機器8Eから送られた応答8ICに含まれる固有情報31A及び接続先情報31Cが管理装置1の記憶部3に存在しない場合、管理装置1は、機器8Eがネットワーク9に新規に追加されたものであると判断する。この場合、管理装置1は、機器8Eを構成情報32に追加するとともに、機器8Eと機器8Eの固有情報31Aと接続先情報31Cとを対応付ける。実施の形態1において、新たな機器8Eを構成情報32に追加し、情報を対応付けることも、機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けの更新に該当する。
図10に示される機器8Iは、ネットワーク9とは異なり、かつネットワーク9とは接続されていないネットワーク9Aに接続されている。図7に示される携帯端末装置7が機器8Iの識別情報伝達部8Qを撮像し、解析結果7Rを管理装置1に送り、管理装置1がネットワーク9全体に探索指令1BCを送信した場合、ネットワーク9に接続されていない機器8Iには探索指令1BCは到達しない。このため、管理装置1には、図7に示される応答8ICが戻ってこない。このように、管理装置1が機器8Iの探索指令1BCを送信しても応答8ICが戻ってこない場合、機器8Iはネットワーク9には存在しないと判断できる。
図14及び図15に示される構成情報32Raは、図10及び図11に示される構成情報32から、機器8Cがネットワーク9から取り外され、機器8Dの接続先が変更された状態を示している。この場合、機器8Cの機器側識別情報31Uに基づく探索指令1BCに対して、機器8Cからの応答8ICはないので、管理装置1は、機器8Cがネットワーク9に存在しないと判断する。機器8Dはネットワーク9に接続されているので、機器8Dの機器側識別情報31U(図2参照)に基づく探索指令1BC(図7参照)に対して、機器8Dから応答8ICが戻ってくる。図7に示される管理装置1によって管理されている機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けと、実際の機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けとは異なっている。この場合、管理装置1は、機器8Dの接続先が変更されたと判断して、機器8Dの固有情報31Aと接続先情報31Cとの対応付けを更新する。
更新後の構成情報32Rは、図12及び図13に示されるように、機器8Bの接続先情報31Cがaa1aに更新され、機器8Dの接続先情報31Cがaa2に更新され、機器8Eの固有情報31AであるXX5及び接続先情報31Cであるaa5が追加される。図7に示される管理装置1は、情報が更新された機器8B,8D及び追加された機器8Eを、図7に示される表示部5に示される構成情報32Rの構成図又は表において、他の機器8A,8C,8Nとは異なる態様で表示させる。図12及び図13に示される例において、異なる態様で表示させるとは、情報が更新された機器8B,8D及び追加された機器8Eを強調表示させたり、光らせて表示させたりすることである。
<管理装置1の処理手順>
図16は、実施の形態1に係る携帯端末装置7の処理の一例を示すフローチャートである。図1に示される設備100の機器8のうち、ユーザが接続状態を確認したい機器8又は新たに追加したい機器8がある場合、まず、図1に示される携帯端末装置7は、ユーザの操作により、機器8の識別情報伝達部8Qを読み取る(ステップS1)。詳細には、入力部7Dがユーザからの識別情報の読み取りを要求する入力を受け付けると、読取り部7Cへその旨を報知する。読取り部7Cは、図2に示される機器側識別情報31Uが埋め込まれた識別情報伝達部8Qを含む領域を撮像し、撮像して得られた画像データを解析部7Bへ入力する。
次に、図1に示される解析部7Bは、読み取った識別情報伝達部8Qの画像データを解析する(ステップS2)。解析部7Bは、識別情報伝達部8Qの画像データを解析して機器側識別情報31Uを得る。図1に示される通信部7Aは、解析部7Bの解析により得られた解析結果7R(図7参照)、すなわち機器側識別情報31U(図2参照)を管理装置1へ送信する(ステップS3)。携帯端末装置7から送信された解析結果7R、すなわち機器側識別情報31Uは、無線通信により管理装置1へ伝送される。
図17は、実施の形態1に係る管理装置1が携帯端末装置7から解析結果7Rを受け取った場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、図1に示される管理装置1の受信部4の通信部4Aは、携帯端末装置7から解析結果7R、すなわち機器側識別情報31U(図1及び図2参照)を受信する(ステップS10)。管理装置1の接続先設定部22Aは、受信部4によって受信された機器側識別情報31Uから接続先情報31Cを得て、記憶部3に記憶させる。この処理により、ユーザが確認又は追加したい機器8は、接続先設定部22Aによって特定される。
次に、管理装置1は、機器側識別情報31Uを受信したことを示す情報と、探索を行うか否かの入力を促す情報とを表示する(ステップS11)。詳細には、管理装置1の通信部4Aは、機器側識別情報31Uを受信したことを出力制御部23へ報知する。出力制御部23は、表示部5に、機器側識別情報31Uを受信したことを示す情報と、探索を行うか否かの入力を促す情報とを表示させる。
図18は、実施の形態1において、機器側識別情報31Uを受信したことを示す情報と、探索を行うか否かの入力を促す情報とを表示する表示画面の一例を示す図である。図18に示される例では、探索を行うか否かの入力を促す情報として、「識別情報と一致する機器を探索しますか。」という文字列とともにOKボタン5BY及びキャンセルボタン5BCが表示部5の画面に表示されている。図18を始めとした以下に述べる表示画面は一例であり、実際の表示画面は図示された例に限定されない。
図17の説明に戻り、図1に示される管理装置1は、探索を行うことを示す入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS12)。詳細には、接続先設定部22Aは、入力部4Bを介して図18に示されるOKボタン5BYが押下されたかキャンセルボタン5BCが押下されたかを判断する。管理装置1は、探索を行うことを示す入力を受け付けなかった場合、すなわち、キャンセルボタン5BCが押下された場合(ステップS12,No)、処理を終了する。
管理装置1は、探索を行うことを示す入力を受け付けた場合、すなわち、図18に示されるOKボタン5BYが押下された場合(ステップS12,Yes)、接続先設定部22Aが、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uに対応する機器8を探索する(ステップS13)。
詳細には、接続先設定部22Aは、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uに対して、図7に示される探索指令1BCを送信する。探索指令1BCによって、接続先設定部22Aは、機器側識別情報31Uに対応する機器8の実際の接続状態を取得することができる。すなわち、接続先設定部22Aは、通信部4Aによって取得された機器側識別情報31Uを用いて、機器側識別情報31Uに対応する機器8の接続状態を示す情報である接続先情報31Cを取得する。
接続先設定部22Aは、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uに基づいて送信した探索指令1BCに対して、図7に示される応答8ICが得られたか否かを判断する(ステップS14)。この判断は、ステップS10で受信した機器側識別情報31U、詳細には固有情報31Aと一致する機器8がネットワーク9に存在するか否かの判断である。
応答8ICが得られた場合(ステップS14,Yes)、接続先設定部22Aは、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uと一致する機器8がネットワーク9に存在すると判断する。ステップS15において、接続先設定部22Aは、記憶部3に記憶されている識別情報31から、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uの固有情報31Aに対応する接続先情報31Cを参照する。そして、接続先設定部22Aは、探索によって得られた機器8の接続先情報31Cが、記憶部3に記憶されている、探索によって得られた機器8に対応した接続先情報31Cと一致するか否かを判断する(ステップS15)。
この判断において、接続先設定部22Aは、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uの固有情報31Aをキーとして記憶部3に記憶された識別情報31の接続先情報31Cを検索する。そして、接続先設定部22Aは、記憶部3に記憶されている接続先情報31Cと、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uの接続先情報31Cとが一致する場合、両者が一致すると判断する。また、接続先設定部22Aは、記憶部3に記憶されている接続先情報31Cと、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uの接続先情報31Cとが一致しない場合、両者が一致しないと判断する。
記憶部3に記憶されている接続先情報31Cと、ステップS10で受信した機器側識別情報31Uの接続先情報31Cとが一致しない場合(ステップS15,No)、管理装置1は、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示する(ステップS16)。詳細には、接続先設定部22Aは、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示するように出力制御部23へ指示する。出力制御部23は、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示部5に表示させる。
図19は、実施の形態1において、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面の一例を示す図である。図19に示される例では、探索によって図1に示される機器側識別情報31Uの固有情報31Aと一致する機器8が検出されたことを示す情報とともに、図1に示される接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す情報が表示される。図19に示される例では、「接続先設定を更新しますか?」という文字とともにOKボタン5BY及びキャンセルボタン5BCが表示部5の画面に表示されることにより、ユーザの入力を促している。
次に、接続先設定部22Aは、図1に示される管理装置1の記憶部3に記憶された接続先情報31Cを更新する入力がされたか否かを判断する(ステップS17)。詳細には、接続先設定部22Aは、入力部4Bを介して図19に示されるOKボタン5BYが押下されたかキャンセルボタン5BCが押下されたかを判断する。
接続先情報31Cを更新する情報が入力された場合(ステップS17,Yes)、図1に示される管理装置1は、接続先を更新する処理を実行し(ステップS18)、その後処理を終了する。接続先を更新する処理は、記憶部3に記憶されている接続先情報31C及び構成情報32を、探索によって得られた機器側識別情報31Uに基づいて更新するとともに、更新された構成情報32に基づく構成図を生成して表示部5に表示する処理である。すなわち、接続先設定部22Aは、探索によって得られた接続先情報31Cと記憶部3に記憶されている接続先情報31Cとが異なる場合、探索によって得られた接続先情報31Cに基づいて、記憶部3に記憶されている接続先情報31Cを更新する。
詳細には、接続先を更新する処理として、接続先設定部22Aは、記憶部3に記憶されている機器8の接続先情報31Cのうち、接続先情報31Cを更新する対象となる機器8の固有情報31Aに対応したものを、探索によって得られた接続先情報31Cに更新する。接続先情報31Cが更新されると、構成設定部22Bは、更新された接続先情報31Cに基づいて、記憶部3の構成情報32を変更する。そして、構成設定部22Bは、記憶部3の構成情報32及び固有情報31Aと、更新された接続先情報31Cとに基づいて、構成図を画面に表示するための表示データを生成して出力制御部23へ渡す。出力制御部23は、表示部5の画面に表示データを表示させる。このとき、オプション設定部22Cは、接続先情報31Cが更新された機器8を、他の機器8とは異なる態様で構成図に表示させることにより、接続先情報31Cが更新された機器8を報知する。
図20は、実施の形態1における構成図の表示画面の一例を示す図である。図20の構成図表示画面401は、表示部5に表示された画面である。構成図表示画面401は、ツリー表示部分402と、システム構成図表示部分403とを含む。
ツリー表示部分402は、システム構成名(project nameが相当)と、構成図の種別(network/module configurationが相当)と、構成図名(network/module configuration nameが相当)と、プロジェクト名(PLC project nameが相当)とを含む。ツリー表示部分402は、各構成図の関係、すなわち種別及び内包する情報が何かを示す。このため、構成情報32には、構成図自身の情報と、ツリー表示部分402の情報とが必要になる。
図20に示される例では、ツリー表示部分402には、最初に、プロジェクト名(PLC project name)が表示されている。プロジェクト名とは、設備100を識別するための名称である。プロジェクト名の下には、各コンフィギュレーションが表示される。コンフィギュレーションには、ネットワークコンフィギュレーション(network configuration)とモジュールコンフィギュレーション(module configuration)とが含まれる。ネットワークコンフィギュレーションにはネットワークコンフィギュレーション名(network configuration name)が含まれる。モジュールコンフィギュレーションには、各モジュールのモジュールコンフィギュレーションが表示される。
図20に示される例では、図1に示される機器8AのモジュールコンフィギュレーションであるモジュールコンフィギュレーションAと機器8BのモジュールコンフィギュレーションであるモジュールコンフィギュレーションBとが表示されている。ここでは、機器8Aの名称がAであるとし、機器8Bの名称がBであるとする。図20においてツリー表示部分402として示された文字列は、システム構成図表示部分403の作画のための元になるデータであり、記憶部3に記憶されている構成情報32に対応するデータである。
各機器8のモジュールコンフィギュレーションは、図1に示される記憶部3に格納されている制御情報31B及び接続先情報31Cを含む。したがって、ツリー表示部分402は、記憶部3に記憶されている識別情報31に基づいて表示される。ツリー表示部分402では、探索によって更新された部分、すなわち図20ではネットワークコンフィギュレーション名及びモジュールコンフィギュレーションBが、他とは異なる態様で表示される。図20に示される十字印を付した部分は、ネットワークコンフィギュレーション名及びモジュールコンフィギュレーションBを光らせていることを意味する。
この例では、前述した探索処理により、図1に示される機器8Bの接続先情報31Cが更新されたとしているため、機器8Bに対応するモジュールコンフィギュレーションBが他とは異なる態様で表示される。また、機器8Bの接続先が変更されたことから、ネットワークコンフィギュレーション名も変更されている。
また、図20に示される例では、システム構成図表示部分403には、ツリー状のシステム構成図が表示される。システム構成図表示部分403は、記憶部3の構成情報32に基づいて表示されるが、ツリー表示部分402と同様に、探索によって更新された部分、すなわち通信部4Aによって取得された機器側識別情報31Uに対応する構成要素は、他とは異なる態様で表示される。図20に示される例では、機器8Bが機器8Aとは異なる態様で表示されている。
図17の説明に戻り、図1に示される接続先情報31Cを更新する入力がされなかった場合(ステップS17,No)、すなわち、接続先設定部22Aが、ユーザによりキャンセルボタン5BCが押下されたことを検出した場合、処理を終了する。
図21は、実施の形態1において、接続先情報31Cが正しく設定されていることを示す画面の一例を示す図である。図1に示される接続先情報31Cが正しく設定されていることを示す画面には、OKボタン5BYが表示されている。探索によって得られた接続先情報31Cが記憶部3に記憶されている接続先情報31Cと一致した場合(ステップS15,Yes)、管理装置1は、接続先情報31Cが正しく設定されていることを示す画面を表示する(ステップS19)。
図1に示される管理装置1は、ステップS19で表示された画面のOKボタン5BYが押下されたことを検出すると、次のステップとして、ツリー表示部分402及びシステム構成図表示部分403を表示する(ステップS20)。このときの表示例は、図20に示される例と同様であり、オプション設定部22Cは、識別情報31の固有情報31Aに対応する機器8を強調表示する。この場合は、ネットワークコンフィギュレーションは変更されていないことから、ネットワークコンフィギュレーション名は強調表示しない。また、ステップS18の接続先を更新する処理において更新された機器8を示す表示とステップS19における機器8の表示とで、色を異ならせることによって表示の方法を異ならせてもよい。
図22は、実施の形態1において、機器側識別情報31Uに対応する機器8を検出できなかったことを示す画面の一例を示す図である。図17の説明に戻り、ステップS14で、図7に示される応答8ICが得られなかった場合(ステップS14,No)、図1に示される管理装置1は、機器側識別情報31Uに対応する機器8を検出できなかったことを示す画面を表示する(ステップS21)。接続先設定部22Aは、出力制御部23へ機器側識別情報31Uに対応する機器8を検出できなかったことを示す画面を表示するよう指示する。出力制御部23は、表示部5へ機器側識別情報31Uに対応する機器8を検出できなかったことを示す画面を表示させる。
以上の動作により、管理装置1は、機器8の接続先が異なっていた場合及び新たに機器8を追加した場合に、機器8の接続先を自動で更新する。その結果、管理装置1は、機器8の接続先の入力誤り及び機器8の接続先を示す情報の伝達誤りによって生じる機器8の誤動作を回避できる。
<設備100の機器8の接続先が設定された後に、ユーザが機器8の接続状態を確認する場合>
図1に示される設備100の機器8の接続先が設定された後、ユーザが、機器8の接続を確認する場合がある。この場合、ユーザは、携帯端末装置7を操作することにより、携帯端末装置7に機器8の識別情報伝達部8Qを読み取らせる。携帯端末装置7の動作は、前述した通りである。
管理装置1は、携帯端末装置7から図7に示される解析結果7Rを受け取ると、記憶部3に記憶された識別情報31を検索して、機器8の固有情報31Aに対応付けられた接続先情報31Cが存在するか否かを判定する。機器8の固有情報31Aに対応付けられた接続先情報31Cが存在する場合、管理装置1は、機器8の接続先が設定された後に、ユーザが機器8の接続状態を確認する処理を実行する。
図23は、実施の形態1において、設備100の機器8の接続先が設定された後に、ユーザが機器8の接続状態を確認する場合における管理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS31は、図17に示されるステップS10と同様である。図1に示される管理装置1は、機器側識別情報31Uを受信すると、機器側識別情報31Uの固有情報31A(図2参照)をキーとして、図1に示される記憶部3から接続先情報31C及び構成情報32を取得する(ステップS32)。ステップS33及びステップS34は、図17に示されるステップS11及びステップS12と同様である。
ステップS34においてNoの場合、管理装置1は処理を終了する。ステップS34でYesの場合、管理装置1の接続先設定部22Aは、記憶部3から取得した接続先情報31Cを用いて、機器8にアクセスする(ステップS35)。次に、接続先設定部22Aは、記憶部3から取得した接続先情報31Cを用いた機器8へのアクセスが成功したか否かを判断する(ステップS36)。このアクセスが成功しなかった場合(ステップS36,No)、ステップS37へ進む。ステップS37及びステップS38は、図17に示されるステップS13及びステップS14と同様である。
ステップS38で、一致する機器8が存在しない場合(ステップS38,No)、管理装置1は、ステップS42の処理を実行する。ステップS42の処理は、ステップS21の処理と同様である。
ステップS38において、一致する機器8が存在する場合(ステップS38,Yes)、管理装置1は、記憶部3の接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示する(ステップS39)。詳細には、接続先設定部22Aは、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示するように出力制御部23へ指示する。出力制御部23は、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面を表示部5へ表示させる。
図24は、実施の形態1において、ステップS39において表示される、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す画面の一例を示す図である。図24に示される例では、固有情報31Aと一致する機器8の配置が変更された情報とともに、接続先情報31Cを更新するか否かの入力を促す情報が表示される。図24に示される例では、「接続先設定を更新しますか?」という文字とともにOKボタン5BY及びキャンセルボタン5BCが表示部5の画面に表示されることにより、ユーザの入力を促している。
接続先設定部22Aは、接続先情報31Cを更新する入力がされたか否かを判断する(ステップS40)。詳細には、図1に示される接続先設定部22Aは、入力部4Bを介して、図24に示されるOKボタン5BYが押下されたかキャンセルボタン5BCが押下されたかを判断する。
接続先情報31Cを更新する入力がされた場合(ステップS40,Yes)、図1に示される管理装置1は、ステップS41として、ステップS18と同様の接続先を更新する処理を実行し、その後、処理を終了する。
図25は、実施の形態1における接続先を更新する処理で表示される画面の一例を示す図である。図20に示される画面と同様に、更新された部分は他とは異なる態様で表示される。この例では、システム構成図表示部分403に、機器8A、機器8B及び機器8Cが表示されている。
図26は、実施の形態1において、更新の前の状態のシステム構成図表示部分403の一例を示す図である。実際の機器8A及び機器8Bの接続関係が図26に示された構成となっている場合、ユーザが構成の更新を忘れていると、管理装置1により表示される構成図は図26に示されたような構成図となる。実施の形態1では、以上に述べたように、ユーザが更新すると選択した場合、管理装置1は自動的に構成情報32を更新するため、実際の構成と合致した構成図を画面に表示させることができる。
図23の説明に戻り、接続先情報を更新する入力がされなかった場合(ステップS40,No)、すなわち図24に示されたキャンセルボタン5BCが押下された場合、管理装置1は処理を終了する。
図27は、実施の形態1において、接続先情報31Cと一致する機器8が検出されたことを表示した画面の一例を示す図である。ステップS36において、図1に示される管理装置1の記憶部3から取得された接続先情報31Cを用いて機器8へのアクセスが成功した場合(ステップS36,Yes)、管理装置1は、図27に示される、記憶部3の接続先情報31Cと一致する機器8を検出したことを示す画面を表示部5に表示する。その後、管理装置1は、図25に示されるツリー表示部分402及びシステム構成図表示部分403を表示部5に表示し、ステップS32で得られた接続先情報31Cに対応する箇所を、他とは異なる態様で表示する(ステップS43)。
図23の説明に戻り、図1に示される管理装置1は、編集処理を実施する(ステップS44)。編集処理は、図25に示されるシステム構成図表示部分403における設定対象となる機器8をユーザが入力部4Bを用いてダブルクリックすることにより開始される。管理装置1は、ダブルクリックにより選択された機器8に対して各種の設定を行うための設定画面404(図25参照)を表示する。詳細には、図1に示される構成編集部22Dは、ユーザが入力部4Bを用いてシステム構成図表示部分403の設定対象をダブルクリックしたことを検知すると、設定画面404を表示するよう出力制御部23へ指示する。出力制御部23は、指示にしたがって設定画面404を表示部5へ表示させる。そして、ユーザは、図25に示される設定画面404にしたがって、設定する情報を機器8に入力する。
図28は、実施の形態1において、機器8への更新が完了したことを示す画面の一例を示す図である。図1に示される管理装置1は、編集処理により入力された情報に基づいて情報更新を行い(ステップS45)、処理を終了する。詳細には、構成編集部22Dは、入力部4Bを介して入力された編集処理に必要な情報を受け付け、受け付けた情報に基づいて、制御情報31Bとして記憶部3に記憶させるとともに、受け付けた情報を、ネットワーク9を介して機器8に書き込む。また、構成編集部22Dは、出力制御部23へ、機器8への更新が完了したことを示す画面を表示するよう指示する。出力制御部23は、図28に示されるように、構成編集部22Dからの指示に基づいて機器8への更新が完了したことを示す画面を表示部5へ表示させる。
以上の処理により、機器8へユーザが所望する設定がなされる。すなわち、実施の形態1では、各機器8へ設定される制御情報31Bが設定される際に、図1に示される表示部5の画面において通信部4Aによって得られた機器側識別情報31Uに対応する表示要素が他とは異なる態様で表示される。その後、管理装置1は、制御情報31Bの入力及び編集を受け付ける処理を実行する。これにより、ユーザは、システム構成図表示部分403において、他とは異なる態様で表示された部分をダブルクリックすれば設定対象の機器8を正しく選択することができ、誤った機器8に対して設定を行うことを回避できる。
以上の例では、機器側識別情報31Uが埋め込まれた識別情報伝達部8Qが機器8に貼り付けられ、携帯端末装置7を用いて撮影することにより、携帯端末装置7が各機器8の機器側識別情報31Uを取得するようにしたが、機器側識別情報31Uの取得方法はこの例に限定されない。例えば、識別情報伝達部8Qをタグ装置として、携帯端末装置7の読取り部7Cおよび解析部7Bがタグリーダ装置としての機能を有するように構成する。このようにすることで、携帯端末装置7は、無線通信により、携帯端末装置7が各機器8の機器側識別情報31Uを取得することができる。
実施の形態1では、携帯端末装置7が識別情報伝達部8Qを解析したが、これには限定されない。管理装置1は、携帯端末装置7から識別情報伝達部8Qの画像のデータを取得し、識別情報伝達部8Qの画像のデータを解析することにより、機器側識別情報31Uを得てもよい。
以上のように、実施の形態1において、管理装置1は、管理装置1の管理対象となる機器8の機器側識別情報31Uを取得し、取得した機器側識別情報31Uに含まれる固有情報31Aを元に、機器8の接続先情報31Cを得る。このように、管理装置1は、固有情報31Aを有する機器8をネットワーク9上で探索するので、機器8の固有情報31Aと接続先情報31Cとの正確な関係を得ることができる。このため、管理装置1が設備100の機器8を動作させる場合の誤動作を抑制することができる。すなわち、管理装置1が保持する情報である制御情報31Bを元に、機器8が操作される場合の誤動作を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略及び変更することも可能である。