JP6482230B2 - 放射性物質の分析装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性物質を分析するための放射性物質の分析装置及び方法に関するものである。
例えば、原子力発電プラントにて、過酷事故(シビアアクシデント)が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の内部の炉心を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物がキャビティへ落下する。そして、この溶融物は、キャビティで受け止められ、冷却水により冷却して安全性が確保される。その後、冷却されて固化した溶融物は、所定温度まで低下した後に、専用の収納容器などに収納されて外部に搬出される。
原子炉で過酷事故が発生することで炉心が溶融したとき、炉心溶融物がキャビティで冷却水により冷却されるが、溶融物を簡易的に分析して原子炉の破損状態を把握したり、溶融物を定量的に分析して炉心溶融物の処理方法を把握したりする必要がある。このような技術としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献1に記載された放射性廃棄物の選別装置及びその選別方法は、高速中性子を放射性廃棄物容器に収納した放射性廃棄物に照射し、熱中性子用検出器及び高速中性子用検出器により放射性廃棄物容器内で減速された熱中性子線束及び散乱を受けることなく透過した高速中性子をそれぞれ測定し、両者の比率を測定することにより放射性廃棄物中に含まれる元素の成分量を測定するものである。
特開平07−209493号公報
ところで、炉心溶融物は、燃料集合体が溶融した後に固化して生成されたものである。そのため、炉心溶融物は、燃料を構成するウランやプルトニウムだけでなく、鉄など他の金属を含有している。炉心溶融物の分析装置としては、非破壊検査が一般的であり、例えば、レーザブレイクダウン法などがある。ところが、このような非破壊検査は、炉心溶融物の表面における発光スペクトルを計測することから、表面の元素を計測することができるものの、炉心溶融物の内部の元素を計測することは困難である。なお、炉心溶融物の一部を採取して溶解して成形してから、元素を計測することも考えられるが、作業が困難となり、多大なコストが必要となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、放射性物質を高精度に分析することができる放射性物質の分析装置及び方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質の分析装置は、試料に対して制動放射線を照射する電子線加速器と、制動放射線の照射による光核反応によって前記試料から発生するガンマ線を検出する第1半導体検出器と、前記第1半導体検出器の検出結果に基づいて前記試料に含有する第1元素を計測する計測装置と、を有することを特徴とするものである。
従って、電子線加速器が試料に対して制動放射線を照射すると、制動放射線の照射による光核反応によって試料からガンマ線が発生し、第1半導体検出器がこのガンマ線を検出して計測装置に出力すると、この計測装置は、検出したガンマ線から試料に含有する第1元素を計測する。そのため、試料の表面に存在する元素だけでなく、内部に存在する元素も計測することができ、また、放射性物質を溶解して成形する必要もなく、試料に対して放射性物質を高精度に分析することができる。
本発明の放射性物質の分析装置では、検体を破砕して粒状物を生成する破砕装置と、前記破砕装置により生成された粒状物を回収してフィルタに担持することで前記試料を形成する回収装置が設けられることを特徴としている。
従って、破砕装置が検体を破砕して粒状物を生成すると、回収装置はこの粒状物を回収してフィルタに担持することで試料を形成するため、検体の一部を容易にフィルタに担持させて試料を形成することができ、作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の分析装置では、前記破砕装置は、パルスレーザを出力するレーザブラスト装置を有し、前記回収装置は、前記フィルタを装着する吸引配管と、前記吸引配管に吸引力を付与する吸引ポンプを有することを特徴としている。
従って、レーザブラスト装置が検体にパルスレーザを照射することでこの検体を破砕して粒状物を生成すると、この粒状物が吸引配管に吸引されてフィルタに回収されることとなり、粒状物を飛散させることなく容易に回収して試料を形成することができ、作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の分析装置では、前記フィルタは、前記吸引配管に対して着脱自在に設けられることを特徴としている。
従って、吸引配管に対してフィルタを着脱自在とすることで、試料の形成及び元素の計測を連続して行うことが可能となり、作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の分析装置では、前記試料に対してエックス線を照射するエックス線照射器と、エックス線の照射によって前記試料から発生する蛍光エックス線を検出する第2半導体検出器とが設けられ、前記計測装置は、前記第2半導体検出器の検出結果に基づいて前記試料に含有する第2元素を計測することを特徴としている。
従って、エックス線照射器が試料に対してエックス線を照射すると、第2半導体検出器がエックス線の照射によって試料から発生する蛍光エックス線を検出して計測装置に出力すると、この計測装置は、第2半導体検出器の検出結果に基づいて試料に含有する第2元素を計測する。そのため、試料に含有する第1元素以外の第2元素を計測することができる。
本発明の放射性物質の分析装置では、前記計測装置は、前記第1半導体検出器の検出結果と前記第2半導体検出器の検出結果に基づいて第1元素と第2元素の濃度を算出することを特徴としている。
従って、試料からのガンマ線計測と蛍光エックス線計測により、この試料に含有する複数の元素の割合を知ることができ、高精度な放射線物質の分析を可能とすることができる。
また、本発明の放射性物質の分析方法は、試料に対して制動放射線を照射する工程と、制動放射線の照射による光核反応によって前記試料から発生するガンマ線を検出する工程と、検出したガンマ線に基づいて前記試料に含有する第1元素を計測する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、試料の表面に存在する元素だけでなく、内部に存在する元素も計測することができ、また、放射性物質を溶解して成形する必要もなく、試料に対して放射性物質を高精度に分析することができる。
本発明の放射性物質の分析方法では、検体に対してパルスレーザを出力し、生成された粒状体を吸引してフィルタに担持させることで試料を形成し、前記フィルタの試料に対して制動放射線を照射することを特徴としている。
従って、検体の一部を容易にフィルタに担持させて試料を形成することができ、作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の分析方法では、前記試料に対してエックス線を照射し、エックス線の照射によって前記試料から発生する蛍光エックス線を検出し、検出したエックス線に基づいて前記試料に含有する第2元素を計測し、第1元素と第2元素の濃度を算出することを特徴としている。
従って、試料からのガンマ線計測と蛍光エックス線計測により、この試料に含有する複数の元素の割合を知ることができ、高精度な放射線物質の分析を可能とすることができる。
本発明の放射性物質の分析装置及び方法によれば、制動放射線を照射する電子線加速器と、試料から発生するガンマ線を検出する第1半導体検出器と、第1半導体検出器の検出結果に基づいて試料に含有する第1元素を計測する計測装置とを設けるので、試料に対して放射性物質を高精度に分析することができる。
図1は、本実施形態の放射性物質の分析装置を表す概略構成図である。 図2は、放射性物質の分析ユニットを表す概略図である。 図3は、フィルタユニットを表す概略図である。 図4は、放射性物質の分析方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、放射性物質の分析結果を表す一覧表である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る放射性物質の分析装置及び方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の放射性物質の分析装置を表す概略構成図、図2は、放射性物質の分析ユニットを表す概略図、図3は、フィルタユニットを表す概略図である。
例えば、原子力発電プラントにて、過酷事故が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の内部の炉心を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の
炉心などが溶融し、溶融した燃料などの溶融物(放射性物質としてのデブリ)が原子炉容器の底部に堆積したり、原子炉容器をも溶融して落下したりする。この場合、原子炉格納容器は、内部に冷却水が噴射されることで冷却され、また、キャビティに冷却水が貯留されることで溶融物が冷却されて固化する。
このように炉心が溶融するような過酷事故が発生したとき、固化して堆積した溶融物を取り出して処理する必要がある。原子炉格納容器内の溶融物を取り出して処理する場合、まず、溶融物を簡易的に分析して原子炉の破損状態を把握し、次に、溶融物の一部を取り出して定量的に分析して処理方法を把握する。
本実施形態では、原子炉格納容器内の溶融物の一部を取り出して密閉容器内に保管し、溶融物が保管された密閉容器を所定の研究センタに持ち込み、このとき、溶融物に含有する放射性物質を簡易的に定量分析する。
第1実施形態において、図1に示すように、放射性物質の分析装置は、破砕装置11と、回収装置12と、分析ユニット13と、計測装置14とを有している。
破砕装置11は、溶融物(検体)Aを破砕して粒状物を生成するものである。この破砕装置11は、パルスレーザを出力するレーザブラスト装置21である。レーザブラスト装置21は、パルスレーザの発振器(図示略)を有し、光ファイバ22を通して溶融物Aの表面にパルスレーザを照射することができる。なお、破砕装置11は、レーザブラスト装置21に限るものではない。例えば、駆動装置の先端部に駆動回転可能なドリルを装着して構成してもよく、他の破砕工具や研磨装置などでもよい。
回収装置12は、破砕装置11により生成された溶融物Aの微粉末(粒状体)を回収してフィルタに担持することで試料を形成するものである。この回収装置12は、フィルタユニット31(図2参照)と、吸引配管32と、吸引ポンプ33を有している。吸引配管32は、先端部に吸引ヘッド34が装着され、基端部に吸引ポンプ33が連結されており、中間部に分析ユニット13が設けられている。なお、吸引配管32は、内部または外部にレーザブラスト装置の光ファイバ22が付設されている。
そのため、破砕装置11は、レーザブラスト装置21がパルスレーザを発振し、光ファイバ22を通して溶融物Aの表面にこのパルスレーザを照射する。すると、溶融物Aは、表面に照射されたパルスレーザにより破砕され、微粉末となる。回収装置12は、吸引ポンプ33を作動して吸引配管32内に吸引力を作用させると、この吸引力が吸引ヘッド34に作用する。すると、吸引ヘッド34は、破砕装置11により生成された溶融物Aの微粉末を吸引し、吸引配管32を通して回収し、フィルタユニット31に担持させて試料B(図2参照)を形成することができる。
分析ユニット13は、試料Bに対して制動放射線を照射する電子線加速器(例えば、ライナック)41と、制動放射線の照射による光核反応によって試料Bから発生するガンマ線(γ線)を検出する第1半導体検出器(例えば、ゲルマニウム検出器)42とを有し、計測装置14は、第1半導体検出器42の検出結果に基づいて試料Bに含有する第1元素としてのウラン(U)とプルトニウム(Pu)を計測する。この電子線加速器41と第1半導体検出器42は、吸引配管32に固定される円筒形状をなすユニット本体45に支持されている。
電子線加速器41が試料Bに制動放射線を照射すると、所定の元素(核種)が(γ,n)反応、(γ,2n)反応、(γ,2p)反応などの光核反応により、短半減期核種に変換されて複数のγ線を放出する。この場合、制動放射線のエネルギを選択することにより
ウランとプルトニウムを選択的に定量することができる。第1半導体検出器42は、この短半減期核種に変換されたγ線を検出し、計測装置14に出力する。計測装置14は、第1半導体検出器42が検出したγ線に基づいて元素を特定する。即ち、計測装置14は、第1半導体検出器42が検出したγ線に基づいて、γ線のエネルギに対するエネルギのγ線が検出された計数値を求める。すると、このエネルギからそのγ線を放出した放射性核種が特定される。
また、分析ユニット13は、試料Bに対してエックス線(X線)を照射するエックス線照射器43と、エックス線の照射によって試料Bから発生する蛍光エックス線を検出する第2半導体検出器(例えば、ゲルマニウム検出器)44とを有し、計測装置14は、第2半導体検出器44の検出結果に基づいて試料Bに含有する第2元素として、ウランとプルトニウム以外の元素を計測する。このエックス線照射器43と第2半導体検出器44は、ユニット本体45に支持されている。
エックス線照射器43が試料BにX線を照射すると、試料Bから蛍光X線が発生する。第2半導体検出器44は、この蛍光X線を検出し、計測装置14に出力する。計測装置14は、第2半導体検出器44が検出した蛍光X線に基づいて元素を特定する。即ち、計測装置14は、蛍光X線のエネルギや強度から、物質の成分元素や構成比率を分析することができる。蛍光X線は、元素ごとにそのエネルギが決まっており、蛍光X線の強度は、試料を構成する元素の量に関係している。
蛍光X線分析は、安易であるが、バックグラウンドが高いために検出下限値が高い。そのため、ウランやプルトニウムにおける計数値のピークが重なり、高精度な測定が困難である。そのため、制動放射線の照射により発生したγ線を検出することにより、試料Bに含有するウランとプルトニウムの高精度な測定が可能となる。一方、ウランやプルトニウム以外の元素における計数値を測定することは容易であり、蛍光X線分析によりウランやプルトニウム以外の元素を計測する。そして、計測装置14は、第1半導体検出器42の検出結果と第2半導体検出器44の検出結果に基づいて試料Bに含有する各元素の濃度を算出する。
ところで、フィルタユニット31は、図2及び図3に示すように、ハウジング51と、支持プレート52と、フィルタ本体53とを有している。ハウジング51は、矩形状をなし、ユニット本体45に固定されており、ユニット本体45の径方向に沿って一対のレール51aが形成されている。支持プレート52は、矩形状をなし、ハウジング51のレール51aに嵌合する一対のスライド部材52aを介して移動自在に支持されている。この支持プレート52は、中央部に開口部52bが形成され、フィルタ本体53が装着されている。そのため、フィルタユニット31にて、フィルタ本体53が支持された支持プレート52は、吸引配管32に固定されたハウジング51に対して着脱自在となっている。
また、吸引配管32におけるフィルタユニット31の上流側と下流側での差圧を検出する差圧検出器61が設けられている。フィルタ本体53に所定量の溶融物Aの微粉末が担持されると、目詰まりすることからフィルタ本体53の上流側と下流側で圧力が相違し、差圧が大きくなる。そのため、フィルタ本体53の上流側と下流側で差圧が所定差圧になることで、フィルタ本体53に十分な量の溶融物Aの微粉末が担持されて適正な試料Bが形成されたものとする。
ここで、本実施形態の放射性物質の分析装置による溶融物Aの分析方法について説明する。図4は、放射性物質の分析方法を説明するためのフローチャート、図5は、放射性物質の分析結果を表す一覧表である。
本実施形態の放射性物質の分析方法は、図1及び図2に示すように、試料Bに対して制動放射線を照射する工程と、制動放射線の照射による光核反応によって試料Bから発生するγ線を検出する工程と、検出したγ線に基づいて試料Bに含有する第1元素としてのウランやプルトニウムを計測する工程を有している。
具体的に説明すると、図4に示すように、ステップS11にて、試料Bを採取する。即ち、ステップS12にて、吸引ポンプ33を作動(ON)し、ステップS13にて、レーザブラスト装置21を作動(ON)する。すると、溶融物Aは、表面に照射されたパルスレーザにより破砕されて微粉末となり、この溶融物Aの微粉末が吸引配管32内に吸引され、この吸引配管32を通してフィルタユニット31のフィルタ本体53に担持させて試料Bが形成される。
ステップS14にて、溶融物Aの微粉末が所定量だけフィルタ本体53に担持され、適正な試料Bが形成されることで採取が完了したかどうかを判定する。この場合、フィルタ本体53に所定量の溶融物Aの微粉末が担持されると、目詰まりすることからフィル本体53の上流側と下流側での差圧が大きくなる。そのため、差圧検出器61が検出した差圧が所定差圧になったら、適正な試料Bが形成されて採取が完了したと判定する。
溶融物Aの微粉末の採取が完了したら、ステップS15にて、レーザブラスト装置21を作動を停止(OFF)する。続いて、ステップS16にて、電子線加速器41を作動して試料Bに対して制動放射線を照射する。すると、試料Bは、ガンマニュートラル反応の光核反応により、短半減期核種に変換されて複数のγ線を放出する。そして、ステップS17にて、第1半導体検出器42は、この短半減期核種に変換されたγ線を検出して計測装置14に出力する。計測装置14は、第1半導体検出器42が検出したγ線に基づいて元素を特定する。即ち、計測装置14は、第1半導体検出器42が検出したγ線に基づいてウランとプルトニウムを計測する。
ステップS18にて、計測装置14は、試料Bからウランとプルトニウムが検出されたかどうかを判定する。試料Bからウランとプルトニウムが検出されないと判定(No)されたら、ここで分析作業は終了する。一方、試料Bからウランとプルトニウムを検出したと判定(Yes)されたら、ステップS19にて、エックス線照射器43により試料BにX線を照射する。すると、試料Bは、蛍光エックス線を放出する。ステップS20にて、第2半導体検出器44は、この蛍光エックス線を検出し、計測装置14は、蛍光エックス線に基づいて試料Bに含有する第2元素として、ウランとプルトニウム以外の元素を計測する。
ステップS21にて、計測装置14は、第1半導体検出器42の検出結果と第2半導体検出器44の検出結果に基づいて試料Bの定量分析を行う。そして、ステップS22にて、計測装置14は、試料Bに含有する各元素の濃度を算出する。この場合、標準固体試料を用いた定量分析結果を適用し、各元素の濃度を算出する。例えば、図5に示すように、試料Bの定量分析結果が表示される。即ち、制動放射線分析により、ウランとプルトニウムの重量比が算出され、蛍光X線分析により、シリカ(Si)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、すず(Sn)の重量比が算出される。
このように本実施形態の放射性物質の分析装置にあっては、試料Bに対して制動放射線を照射する電子線加速器41と、制動放射線の照射による光核反応によって試料Bから発生するγ線を検出する第1半導体検出器42と、第1半導体検出器42の検出結果に基づいて試料Bに含有する第1元素としてのウランとプルトニウムを計測する計測装置14とを設けている。
従って、電子線加速器41が試料Bに対して制動放射線を照射すると、制動放射線の照射による光核反応によって試料Bからγ線が発生し、第1半導体検出器42がこのγ線を検出して計測装置14に出力すると、この計測装置14は、検出したγ線から試料Bに含有するウランとプルトニウムを計測する。そのため、試料Bの表面に存在する元素だけでなく、内部に存在する元素も計測することができ、また、放射性物質を溶解して成形する必要もなく、試料Bに対して放射性物質を高精度に分析することができる。
本実施形態の放射性物質の分析装置では、溶融物Aを破砕して微粉末を生成する破砕装置11と、破砕装置11により生成された微粉末を回収してフィルタユニット31に担持することで試料Bを形成する回収装置12を設けている。従って、破砕装置11が溶融物Aを破砕して微粉末を生成すると、回収装置12はこの微粉末を回収してフィルタユニット31に担持することで試料Bを形成するため、溶融物Aの一部を容易にフィルタユニット31に担持させて試料Bを形成することができ、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の分析装置では、破砕装置11は、パルスレーザを出力するレーザブラスト装置21を有し、回収装置12は、フィルタユニット31を装着する吸引配管32と、吸引配管32に吸引力を付与する吸引ポンプ33を有している。従って、レーザブラスト装置21が溶融物Aにパルスレーザを照射することでこの溶融物Aを破砕して微粉末を生成すると、この微粉末が吸引配管32に吸引されてフィルタユニット31に回収されることとなり、微粉末を飛散させることなく容易に回収して試料Bを形成することができ、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の分析装置では、フィルタ本体53を吸引配管32に対して着脱自在としている。従って、1回の計測が完了すると、直ちにフィルタ本体53を交換して次の計測を行うことができ、試料Bの形成及び元素の計測を連続して行うことが可能となり、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の分析装置では、試料Bに対してX線を照射するエックス線照射器43と、X線の照射によって試料Bから発生する蛍光X線を検出する第2半導体検出器44とを設け、計測装置14は、第2半導体検出器44の検出結果に基づいて試料Bに含有する第2元素を計測する。従って、試料Bに含有する第1元素以外の第2元素を計測することができる。
本実施形態の放射性物質の分析装置では、計測装置14は、第1半導体検出器42の検出結果と第2半導体検出器44の検出結果に基づいて第1元素と第2元素の濃度を算出する。高精度な放射線物質の分析を可能とすることができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析方法にあっては、試料Bに対して制動放射線を照射する工程と、制動放射線の照射による光核反応によって試料Bから発生するγ線を検出する工程と、検出したγ線に基づいて試料Bに含有する第1元素を計測する工程とを有する。
従って、試料Bの表面に存在する元素だけでなく、内部に存在する元素も計測することができ、また、放射性物質を溶解して成形する必要もなく、試料Bに対して放射性物質を高精度に分析することができる。
本実施形態の放射性物質の分析方法では、溶融物Aに対してパルスレーザを出力し、生成された粒状体を吸引してフィルタユニット31に担持させることで試料Bを形成し、フィルタユニット31の試料Bに対して制動放射線を照射する。従って、溶融物Aの一部を
容易にフィルタユニット31に担持させて試料Bを形成することができ、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の分析方法では、試料Bに対してX線を照射し、X線の照射によって試料Bから発生する蛍光X線を検出し、検出したX線に基づいて試料Bに含有する第2元素を計測し、第1元素と第2元素の濃度を算出する。従って、試料Bからのγ線計測と蛍光X線計測により、この試料Bに含有する複数の元素の割合を知ることができ、高精度な放射線物質の分析を可能とすることができる。
なお、上述した実施形態では、本実施形態の放射性物質の分析方法を燃料が溶融して発生した溶融物Aを分節する場合に適用したが、これに限らず、例えば、中間貯蔵施設、最終処分施設、再処理施設などの放射性物質に対しても適用することができる。
11 破砕装置
12 回収装置
13 分析ユニット
14 計測装置
21 レーザブラスト装置
22 光ファイバ
31 フィルタユニット
32 吸引配管
33 吸引ポンプ
34 吸引ヘッド
41 電子線加速器
42 第1半導体検出器
43 エックス線照射器
44 第2半導体検出器
45 ユニット本体
51 ハウジング
52 支持プレート
53 フィルタ本体
61 差圧検出器
A 溶融物(検体)
B 試料

Claims (8)

  1. 粒状物を回収する吸引配管と、
    筒形状をなして前記吸引配管に固定される装置本体と、
    フィルタに粒状物が担持された試料を支持して前記装置本体に固定されるフィルタユニットと、
    前記装置本体に支持されて試料に対して制動放射線を照射する電子線加速器と、
    前記装置本体に支持されて制動放射線の照射による光核反応によって前記試料から発生するガンマ線を検出する第1半導体検出器と、
    前記第1半導体検出器の検出結果に基づいて前記試料に含有する第1元素を計測する計測装置と、
    前記吸引配管における前記フィルタユニットの上流側と下流側での差圧を検出する差圧検出器と、
    を有することを特徴とする放射性物質の分析装置。
  2. 検体を破砕して粒状物を生成する破砕装置と、前記破砕装置により生成された粒状物を回収して前記フィルタに担持することで前記試料を形成する回収装置が設けられることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質の分析装置。
  3. 前記破砕装置は、パルスレーザを出力するレーザブラスト装置を有し、前記回収装置は、前記フィルタを装着する吸引配管と、前記吸引配管に吸引力を付与する吸引ポンプを有することを特徴とする請求項2に記載の放射性物質の分析装置。
  4. 前記フィルタは、前記吸引配管に対して着脱自在に設けられることを特徴とする請求項3に記載の放射性物質の分析装置。
  5. 前記装置本体に支持されて前記試料に対してエックス線を照射するエックス線照射器と、前記装置本体に支持されてエックス線の照射によって前記試料から発生する蛍光エックス線を検出する第2半導体検出器とが設けられ、前記計測装置は、前記第2半導体検出器の検出結果に基づいて前記試料に含有する第2元素を計測することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射性物質の分析装置。
  6. 前記計測装置は、前記第1半導体検出器の検出結果と前記第2半導体検出器の検出結果に基づいて第1元素と第2元素の濃度を算出することを特徴とする請求項5に記載の放射性物質の分析装置。
  7. 試料に対して制動放射線を照射する工程と、
    制動放射線の照射による光核反応によって前記試料から発生するガンマ線を検出する工程と、
    検出したガンマ線に基づいて前記試料に含有する第1元素を計測する工程と、
    試料から含有する第1元素が検出されたかどうかを判定する工程と、
    第1元素が検出されたと判定されると前記試料に対してエックス線を照射する工程と、
    エックス線の照射によって前記試料から発生する蛍光エックス線を検出する工程と、
    検出したエックス線に基づいて前記試料に含有する第2元素を計測する工程と、
    第1元素と第2元素の濃度を算出する工程と、
    を有することを特徴とする放射性物質の分析方法。
  8. 検体に対してパルスレーザを出力し、生成された粒状体を吸引してフィルタに担持させることで試料を形成し、前記フィルタの試料に対して制動放射線を照射することを特徴とする請求項7に記載の放射性物質の分析方法。
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