JP2015161606A - 放射性物質の処理装置及び方法 - Google Patents

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文昌 長谷
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隆光 平岩
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Abstract

【課題】放射性物質の処理装置及び方法において、原子炉内部の放射性物質を適正に分析可能とする。
【解決手段】溶融物Mに形成された検査穴H内に投入される密封線源74と、密封線源74から溶融物Mを透過するγ線(放射線)を検出する検出器75と、検出器75が検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する分析装置76とを設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、原子炉格納容器や原子炉圧力容器の内部にある放射性物質を分析するための放射性物質の処理装置及び方法に関するものである。
原子力発電プラントとして、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)などがある。加圧水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。一方、沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電するものである。
原子炉にて、原子炉格納容器は、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメントが区画されている。そして、このコンパートメントを画成する筒形状をなすコンクリート構造物により、中心部に原子炉容器が垂下して支持され、その下方にキャビティが画成されている。この原子炉は、原子炉容器内に複数の燃料棒と所定数の制御棒が格子状に配列されて格納されている。
原子力発電プラントにて、過酷事故(シビアアクシデント)が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の内部の炉心を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物がキャビティへ落下する。そして、この溶融物は、キャビティで受け止められ、冷却水により冷却して安全性が確保される。その後、冷却されて固化した溶融物は、所定温度まで低下した後に、専用の収納容器などに収納されて外部に搬出される。
原子炉で過酷事故が発生することで炉心が溶融したとき、炉心溶融物がキャビティで冷却水により冷却されるが、溶融物を簡易的に分析することで、原子炉の破損状態を把握する必要がある。このような技術としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された放射性廃棄物の選別装置及びその選別方法は、高速中性子を放射性廃棄物容器に収納した放射性廃棄物に照射し、熱中性子用検出器及び高速中性子用検出器により放射性廃棄物容器内で減速された熱中性子線束及び散乱を受けることなく透過した高速中性子をそれぞれ測定し、両者の比率を測定することにより放射性廃棄物中に含まれる軽元素の成分量を測定するものである。
特開平07−209493号公報
ところで、冷却して固化した溶融物を原子炉から取り出すとき、溶融物を簡易的に分析することで、原子炉の破損状態を把握し、溶融物の搬出方法を決定する必要がある。しか、過酷事故の発生時、溶融物は、所定の大きさの固形物であり、その場で内部にある元素の成分を測定することは困難である。
本発明は上述した課題を解決するものであり、原子炉内部の放射性物質を適正に分析可能とする放射性物質の処理装置及び方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質の処理装置は、溶融物に形成された検査穴内に密封線源を投入する密封線源投入装置と、前記密封線源から前記溶融物を透過する放射線を検出する検出器と、前記検出器が検出した放射線の濃度に基づいて前記溶融物が含有する元素を分析する分析装置と、を有することを特徴とするものである。
従って、密封線源が溶融物に形成された検査穴内に投入されると、この密封線源からの放射線が溶融物を透過するため、検出器はこの放射線を検出する。分析装置は、検出器が検出した放射線の濃度に基づいて溶融物が含有する元素を分析する。即ち、溶融物で吸収される放射線の量に応じて元素の種類及び量を推定することができる。そして、検査穴内の密封線源から溶融物を透過する放射線を検出して溶融物が含有する元素を分析するため、密封線源を移動することなく、検出器を移動するだけで溶融物の広範囲にわたって元素を分析することができる。そのため、原子炉内部にある溶融物(放射性物質)に対して適正な分析を行うことができる。
本発明の放射性物質の処理装置では、原子炉建屋内に周囲が放射線遮へい壁により気密に形成される処理用セルと、前記処理用セル内を移動可能な移動装置と、前記移動装置から原子炉格納容器の開口部を通して内部に侵入可能な支持アームとが設けられ、前記支持アームの先端部に前記検出器が設けられることを特徴としている。
従って、移動装置が処理用セル内を移動し、所定の位置で支持アームにより検出器を原子炉格納容器の開口部を通して内部に侵入し、この検出器を溶融物に接近して放射線を検出することとなり、作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の処理装置では、前記支持アームの先端部に前記溶融物に前記検査穴を形成可能な掘削工具が設けられることを特徴としている。
従って、支持アームの先端部に検出器だけでなく掘削工具を装着可能とすることで、分析作業の作業性を向上することができる。
本発明の放射性物質の処理装置では、前記検査穴は、前記溶融物における水平方向の中央部に鉛直方向に沿って形成され、前記密封線源が前記検査穴の最深部に配置されることを特徴としている。
従って、検査穴を溶融物の中央部に鉛直方向に沿って形成し、密封線源を検査穴の最深部に配置するため、密封線源からの放射線は、溶融物のほぼ全体を透過することができ、検出器を移動するだけで溶融物の広範囲にわたって元素を分析することができる。
また、本発明の放射性物質の処理方法は、溶融物に所定深さの検査穴を形成する工程と、前記検査穴内に密封線源を投入する工程と、前記密封線源から前記溶融物を透過した放射線を検出する工程と、検出した放射線の濃度に基づいて前記溶融物が含有する元素を分析する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、密封線源を移動することなく、検出器だけを移動するだけで溶融物の広範囲にわたって元素を分析することができ、原子炉内部にある溶融物(放射性物質)に対して適正な分析を行うことができる。
本発明の放射性物質の処理装置及び方法によれば、密封線源を溶融物の検査穴内に配置し、検出器が密封線源から溶融物を透過する放射線を検出し、分析装置がこの放射線の濃度に基づいて溶融物が含有する元素を分析するので、密封線源を移動することなく、検出器だけを移動するだけで溶融物の広範囲にわたって元素を分析することができ、原子炉内部にある溶融物(放射性物質)に対して適正な分析を行うことができる。
図1は、本実施形態の放射性物質の処理装置が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図である。 図2は、沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。 図3は、本実施形態の放射性物質の処理装置を表す概略図である。 図4は、放射性物質の処理装置による検査穴の掘削方法を表す概略図である。 図5は、放射性物質の処理装置による密封線源の投入方法を表す概略図である。 図6は、放射性物質の処理装置における溶融物の検査方法を表す概略図である。 図7は、放射性物質の処理装置における溶融物の別の検査方法を表す概略図である。 図8は、溶融物が含有する元素濃度の計測方法を説明するためのグラフである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る放射性物質の処理装置及び方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の放射性物質の処理装置が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図、図2は、沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。
本実施形態の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電する沸騰水型原子炉である。
この沸騰水型原子炉は、図1及び図2に示すように、原子炉格納容器11内に原子炉12が格納されて構成されている。原子炉格納容器11は、原子炉建屋13内に設置されており、上端部に上蓋14が取付けられることで密封されている。原子炉格納容器11は、内部に形成されたドライウェル15と、冷却水が充填された圧力抑制プールが内部に形成される複数の圧力抑制室16とを有している。そして、ドライウェル15は、ベント通路17を介して圧力抑制室16に連結され、このベント通路17の先端部が圧力抑制プールの冷却水中に浸漬されている。
原子炉建屋13は、原子炉格納容器11を支持しており、上蓋14の上方に複数に分割されて放射線遮へい体として機能する複数のシールドプラグ18が配置され、これらのシールドプラグ18により原子炉格納容器11が密閉保持される。
原子炉12は、上蓋19が取付けられて構成される原子炉容器20、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が装荷された炉心21、気水分離器22、蒸気乾燥器23などにより構成されている。この場合、炉心21、気水分離器22、蒸気乾燥器23は、原子炉容器20内に配置されている。原子炉容器20は、内部に炉心シュラウド24が配置され、炉心21を取り囲んでいる。炉心21は、内部に複数の燃料集合体が装荷され、この各燃料集合体は、下端部が炉心支持板25により支持され、上端部が上部格子板26によって保持されている。気水分離器22は、この上部格子板26よりも上方に配置され、蒸気乾燥器23がこの気水分離器22の上方に配置されている。
複数の制御棒27は、下方から炉心21に挿入されるように配置されている。複数の制御棒27は、制御棒案内管(図示略)内に配置されており、上下方向に移動自在となり、炉心21の内部に配置されている燃料集合体間に対して出し入れされて原子炉出力が制御される。制御棒駆動機構28は、原子炉容器20の下鏡に取付けられており、各制御棒案内管内の制御棒27に連結されている。
原子炉容器20は、炉心構造物として、前述した炉心21だけでなく、気水分離器22、蒸気乾燥器23、炉心シュラウド24、炉心支持板25、上部格子板26、制御棒27などが内部に配置されている。
また、原子炉容器20は、原子炉格納容器11内の底部に設けられたコンクリートマット29上に設けられた筒状のペデスタル30上に据付けられている。そして、筒状のγ線遮蔽体31が、ペデスタル30の上端に設置され、原子炉容器20の外側を取り囲んでいる。
従って、この原子炉12で生成された蒸気は、図示しないが、冷却水配管を通して蒸気タービンに送られ、この蒸気により蒸気タービンを駆動して発電機により発電を行う。蒸気タービンを駆動した蒸気は、復水器で海水を用いて冷却されて復水となり、冷却水配管を通して原子炉12に戻される。
ところで、このような原子力発電プラントにて、過酷事故が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器20の内部の炉心21を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心21を冷却することができず、原子炉容器20の内部の炉心21などが溶融し、溶融した燃料などの溶融物(所謂、デブリ)Mが原子炉容器20の底部に堆積したり、原子炉容器20をも溶融してコンクリートマット29に落下したりする。この場合、原子炉格納容器12は、内部に冷却水が噴射されることで冷却され、また、ペデスタル30内に冷却水Wが貯留されることで溶融物Mが冷却されて固化する。
このように炉心21が溶融し、溶融物Mがコンクリートマット29に堆積すると、温度が低下して固化した溶融物Mを分析し、外部に搬出する必要がある。
本実施形態の放射性物質の処理装置60は、炉心21などが溶融してコンクリートマット29に堆積した放射性物質としての溶融物Mに対して簡易的に分析するために使用するものである。この放射性物質の処理装置60は、原子炉格納容器11内に固化した溶融物Mがあるとき、原子炉建屋13内に放射線を遮へいすることができ、且つ、放射性物質が飛散しないように密封できる処理用セル61を設置して各種の作業を行う。
即ち、原子炉建屋13は、中央部に原子炉12(原子炉容器20)を支持する原子炉格納容器11が配置され、その外側に外部の地面Gとほぼ同じ高さを有する部屋51が設けられている。この部屋51は、原子力12の正常運転時には、作業者が被爆することなく安全に立ち入ることができる空間である。この部屋51は、機材などを搬入可能な開口部52が形成され、搬出入路53が設置されている。また、部屋51は、コンクリート構造壁を貫通して原子炉格納容器11内に連通する連通路(開口部)54が設けられ、この連通路54は、機器ハッチ55により開閉可能となっている。
そして、処理用セル61は、原子炉建屋13におけるグランドレベルの部屋51に設置され、周囲が放射線遮へい壁により気密に形成されており、機器ハッチ55を介して原子炉格納容器11の搬出入路53に連結されている。この場合、処理用セル61は、鉄筋コンクリートにより製造することが望ましく、その他、タングステン、ステンレス、鉛、劣化ウランなどを材料として使用してもよい。
この処理用セル61は、複数(本実施形態では、5個)のモジュール62,63,64,65,66が連結されて構成されている。各モジュール62,63,64,65,66は、例えば、搬入用モジュール、メンテナンス用モジュール、放射性物質収納用モジュール、除染及び検査用モジュール、搬出用モジュールなどにより構成される。各モジュール62,63,64,65,66は、直列で、且つ、原子炉格納容器11の周囲に沿って配置されて互いに連結されている。
モジュール63は、内部に放射性物質の処理装置60を搬入可能である。モジュール63は、原子炉格納容器11の連通路54に対して、機器ハッチ55開放することで連通可能である。一方、原子炉格納容器11は、連通路54(機器ハッチ55)が設けられ、原子炉容器20は、ペデスタル30に機器ハッチ55と対向して開口部56(図1参照)形成されている。そして、ペデスタル30内であって、コンクリートマット29上に溶融燃料Mが冷却水Wに浸水した状態で載置されている。
放射性物質の処理装置60は、図3に示すように、移動装置71と、支持アーム72と、掘削工具73(図4参照)と、密封線源投入装置(密封線源74)と、検出器75と、分析装置76とを有している。
移動装置71は、第1台車81と第2台車82が伸縮可能な連結部83により連結されて構成され、各台車81,82は、モジュール64内を自走可能となっている。第1台車81は、各種の設備を搭載しており、電力線84がモジュール64の外部まで延出され、電力線84に電力供給装置85が連結されている。
第2台車82は、支持アーム72の基端部が装着され、支持アーム72の先端部に掘削工具73(図4参照)と検出器75を装着可能となっている。この場合、支持アーム72は、先端部に掘削工具73と検出器75の両方を同時に装着可能としてもよいし、また、掘削工具73と検出器75を着脱自在として、交互に装着可能としてもよい。なお、掘削工具73と検出器75を別の支持アームに装着可能としてもよい。第2台車82は、モジュール64から支持アーム72により原子炉格納容器11の連通路54を通して内部に侵入可能となっている。この支持アーム72は、例えば、テレスコピック式のアームであり、全長を伸縮可能となっているがこの形式に限定されるものではなく、折り畳み式などであってもよい。
図4に示すように、掘削工具73は、例えば、駆動モータ及びドリルあって、支持アーム72の先端部に装着され、電力供給装置85から送られた電力により駆動モータを駆動し、ドリルを回転することができる。掘削工具73は、図5に示すように、コンクリートマット29に堆積した溶融物Mに検査穴Hを形成することができる。この検査穴Hは、溶融物Mにおける水平方向の中央部に上方から鉛直方向に沿って所定深さまで掘削して形成されている。
密封線源74は、放射性物質が漏洩しない容器(例えば、プラスティック、金属、セラミック)に放射線源を密封したものであり、腐食、温度、圧力、機械的な力に対して十分に耐えうるものとなっている。放射線源としては、γ線を発生するRI線源であり、分析する元素に応じて最適なものが設定される。本実施形態では、分析する元素にU(ウラン)が含まれることから、UのK殻吸収帯115.6keVに対して、放射線源としてTa−182(タンタル/114keV)とSe−75(セレン/121keV)の混合物が適用される。また、分析する元素にPu(プルトニウム)が含まれることから、PuのK殻吸収帯121.8keVに対して、放射線源としてSe−75(セレン/121keV)とCo−57(コバルト/122.1keV)の混合物が適用される。
なお、放射線源としては、中性子線を発生するRI線源でもよく、分析する元素にUやPuが含まれることから、U,Puの核分裂を誘発すると共に、中性子線やγ線を発生するCf−252(カリホルニウム)としてもよい。
この密封線源74は、密封線源投入装置としての支持アーム72により溶融物Mに形成された検査穴H内に投入される。この場合、密封線源74は、検査穴Hの最深部に配置されることで、溶融物Mの外方に向けてγ線が放出される。
また、図6に示すように、検出器75は、密封線源74から溶融物Mを透過するγ線(放射線)を検出するものである。この検出器75は、ピンホール91を有するコリメータ92と、Ge(ゲルマニウム)検出部93を有している。検出器75は、制御線94により外部にある分析装置76(図3参照)に接続されている。なお、検出器75は、防水カバー95により被覆されている。
分析装置76は、モジュール64の外部に設置され、検出器75が検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する。即ち、検出器75は、コンクリートマット29の溶融物Mの外方に配置されており、密封線源74から放出されて溶融物Mを貫通する2種類のγ線の強度をGe検出部93により測定し、Ge検出部93の測定信号は、制御線94により分析装置76に送られる。分析装置76は、この測定信号を増幅器により増幅し、増幅出力に基づいてγ線の検出強度からウラン濃度またはプルトニウム濃度が算出される。
具体的に説明すると、図8に示すように、ウランのK軌道吸収帯(115.6keV)より低いエネルギのγ線Aにおける吸収係数Tと、この吸収帯より高いエネルギのγ線Bの吸収係数Tとを求め、吸収係数Tと吸収係数Tとの差Tを求め、既知の濃度換算係数を乗じてウラン濃度を算出する。プルトニウムについても同様である。
また、放射線源が中性子線を発生するRI線源である場合、密封線源74から放出されて中性子線は、ウランやプルトニウムに衝突することで核分裂が起こり、即発中性子、遅発中性子、遅発γ線が発生することから、検出器がこれらのスペクトルを測定し、分せく装置がウランやプルトニウムの核種分析を行うことで、ウラン濃度またはプルトニウム濃度が算出される。但し、この場合、検出器の周囲を遮へいし、中性子のみを測定する構成とする必要がある。また、溶融物にウランやプルトニウムが多量に含まれている場合、臨界が起こらないように溶融物の厚さを確保する必要がある。
なお、支持アーム72の先端部に溶融物Mを撮影可能なカメラを設け、光ファイバを介してモジュール63の外部に設置されたモニタに接続し、作業者がカメラにより溶融物Mの位置、形状、状態などを把握するようにしてもよい。
ここで、本実施形態の放射性物質の処理装置60による溶融物Mの処理方法について説明する。
図1及び図2に示すように、原子炉建屋13の部屋51に処理用セル61を設置する場合、この部屋51に放射性物質が付着していることがあり、部屋51を事前に除染する。各モジュール62〜66は、個別に図示しない工場で製造組立され、例えば、トラックに搭載されて部屋51に搬入される。そして、この部屋51にて、原子炉格納容器11の機器ハッチ55(連通路54)に連結するように、モジュール64を設置した後、このモジュール64に隣接して各モジュール62,63,65,66を設置し、気密が維持されるように連結する。このとき、機器ハッチ55により連通路54が閉止されていることから、作業者は、部屋51から各モジュール62〜66内に入って各種の作業を行うことができる。
部屋51に処理用セル61が設置されると、図3に示すように、モジュール64内に処理装置60を搬入し、作業者は、遠隔操作により処理装置60を操作し、支持アーム72を用いて機器ハッチ55を開放し、掘削工具73や検出器75を原子炉格納容器11内に搬入する。そして、作業者は、モニタによりカメラの画像を見ながら支持アーム72を作動し、ペデスタル30の開口部56(図1参照)を通して溶融物Mに接近し、ここで、溶融物Mに対して分析処理を行う。
本実施形態の放射性物質の処理方法は、溶融物Mに所定深さの検査穴H内を形成する工程と、検査穴H内に密封線源74を投入する工程と、密封線源74から溶融物Mを透過したγ線(放射線)を検出する工程と、検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する工程とを有している。
即ち、作業者は、図4に示すように、モニタにより溶融物Mの位置を確認し、支持アーム72により掘削工具73を所定の位置に配置し、駆動モータによりドリルを回転しながら下降することで、図5に示すように、コンクリートマット29上の溶融物Mに検査穴Hを形成する。そして、作業者は、支持アーム72により密封線源74をこの溶融物Mに形成された検査穴H内に投入し、検査穴Hの最深部に配置させる。この場合、作業者は、支持アーム72の装着された掘削工具73に代えて密封線源74を搬送できる工具を装着して作業をしてもよいし、別の支持アームを用いて作業をしてもよい。
溶融物Mに形成された検査穴H内の密封線源74が配置されると、この密封線源74から溶融物Mの外方に向けてγ線が放出される。作業者は、図6に示すように、支持アーム72により検出器75を所定の位置に配置し、密封線源74から溶融物Mを透過するγ線を検出し、検出結果を分析装置76に出力する。分析装置76は、前述したように、検出器75が検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素の種類を判定すると共に、元素量を分析する。
なお、ここでの説明では、平坦な形状をなすコンクリートマット29上に溶融物Mが山型に堆積した場合について説明したが、図7に示すように、凹形状をなすコンクリートマット29上にほぼ平坦に溶融物Mが堆積した場合であっても、溶融物Mにおける水平方向の中央部に鉛直方向に沿って検査穴Hを形成し、密封線源74をこの検査穴Hの最深部に配置することができる。
なお、分析装置76は、溶融物Mの複数個所に対して分析を行う。その後、溶融物Mに含まれる元素の分析が完了したら、溶融物Mの搬出を開始する。
このように本実施形態の放射性物質の処理装置にあっては、溶融物Mに形成された検査穴H内に密封線源74を投入する支持アーム72と、密封線源74から溶融物Mを透過するγ線(放射線)を検出する検出器75と、検出器75が検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する分析装置76とを設けている。
従って、密封線源74が溶融物Mに形成された検査穴H内に配置されると、この密封線源74からのγ線が溶融物Mを透過するため、検出器75はこのγ線を検出する。分析装置76は、検出器75が検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する。即ち、溶融物Mで吸収されるγ線の量に応じて元素の種類及び量を推定することができる。そして、検査穴H内の密封線源74から溶融物Mを透過するγ線を検出して溶融物Mが含有する元素を分析するため、密封線源74を移動することなく、検出器75を移動するだけで溶融物Mの広範囲にわたって元素を分析することができる。そのため、原子炉格納容器11の内部にある溶融物(放射性物質)Mに対して適正な分析を行うことができる。
本実施形態の放射性物質の処理装置では、原子炉建屋13内に周囲が放射線遮へい壁により気密に形成される処理用セル61と、処理用セル61内を移動可能な移動装置71と、移動装置71から原子炉格納容器11の連通路54を通して内部に侵入可能な支持アーム72とを設け、支持アーム72の先端部に検出器75を設けている。従って、移動装置71が処理用セル内61を移動し、所定の位置で支持アーム72により検出器75を原子炉格納容器11の連通路54を通して内部に侵入し、この検出器75を溶融物Mに接近してγ線を検出することとなり、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の処理装置では、支持アーム72の先端部に溶融物Mに検査穴Hを形成可能な掘削工具73を設けている。従って、支持アーム72の先端部に検出器75だけでなく掘削工具73を装着可能とすることで、分析作業の作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性物質の処理装置では、検査穴Hを溶融物Mにおける水平方向の中央部に鉛直方向に沿って形成し、密封線源74を検査穴Hの最深部に配置している。従って、密封線源74からのγ線が溶融物Mのほぼ全体をわたって透過することとなり、検出器75を移動するだけで溶融物Mの広範囲にわたって元素を分析することができる。
また、本実施形態の放射性物質の処理方法にあっては、溶融物Mに所定深さの検査穴Hを形成する工程と、検査穴H内に密封線源74を投入する工程と、密封線源74から溶融物Mを透過したγ線を検出する工程と、検出したγ線の濃度に基づいて溶融物Mが含有する元素を分析する工程とを有している。従って、密封線源74を移動することなく、検出器75を移動するだけで溶融物Mの広範囲にわたって元素を分析することができる。そのため、原子炉格納容器11の内部にある溶融物(放射性物質)Mに対して適正な分析を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、溶融物Mに1つの検査穴Hを形成したが、複数の検査穴を形成してもよく、この場合、溶融物Mにおける水平方向の中央部に限らずいずれの位置であってもよい。また、溶融物Mに鉛直方向に沿った検査穴Hを形成したが、鉛直方向に沿ったものでなくてもよい。
また、上述した実施形態では、また、検出器75をゲルマニウム検出器としたが、別の検出器(例えば、NaIシンチレータ)などであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明の放射性物質の処理装置を沸騰水型原子炉に適用して説明したが、加圧水型原子炉に適用することもでき、いずれの原子炉に適用してもよい。
11 原子炉格納容器
12 原子炉
13 原子炉建屋
20 原子炉容器
21 炉心
30 ペデスタル
51 部屋
54 連通路
55 機器ハッチ
61 処理用セル
62,63,64,65,66 モジュール
71 移動装置
72 支持アーム(密封線源投入装置)
73 掘削工具
74 密封線源
75 検出器
76 分析装置
M 溶融物
H 検査穴

Claims (5)

  1. 溶融物に形成された検査穴内に密封線源を投入する密封線源投入装置と、
    前記密封線源から前記溶融物を透過する放射線を検出する検出器と、
    前記検出器が検出した放射線の濃度に基づいて前記溶融物が含有する元素を分析する分析装置と、
    を有することを特徴とする放射性物質の処理装置。
  2. 原子炉建屋内に周囲が放射線遮へい壁により気密に形成される処理用セルと、前記処理用セル内を移動可能な移動装置と、前記移動装置から原子炉格納容器の開口部を通して内部に侵入可能な支持アームとが設けられ、前記支持アームの先端部に前記検出器が設けられることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質の処理装置。
  3. 前記支持アームの先端部に前記溶融物に前記検査穴を形成可能な掘削工具が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射性物質の処理装置。
  4. 前記検査穴は、前記溶融物における水平方向の中央部に鉛直方向に沿って形成され、前記密封線源が前記検査穴の最深部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射性物質の処理装置。
  5. 溶融物に所定深さの検査穴を形成する工程と、
    前記検査穴内に密封線源を投入する工程と、
    前記密封線源から前記溶融物を透過した放射線を検出する工程と、
    検出した放射線の濃度に基づいて前記溶融物が含有する元素を分析する工程と、
    を有することを特徴とする放射性物質の処理方法。
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