JP6262049B2 - 放射性物質分析装置および分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉格納容器や原子炉圧力容器の内部にある放射性物質を分析するための放射性物質分析装置および分析方法に関するものである。
原子力発電プラントとして、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)がある。加圧水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する。一方、沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電する。
原子炉にて、原子炉格納容器は、岩盤等の堅固な地盤上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメントが区画されている。そして、このコンパートメントを画成する筒形状をなすコンクリート構造物により、中心部に原子炉容器が垂下して支持され、その下方にキャビティが画成されている。この原子炉は、原子炉容器内に複数の燃料棒と所定数の制御棒が格子状に配列されて格納されている。
ところで、原子力発電プラントにて、過酷事故(シビアアクシデント)が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の内部の炉心を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物がキャビティへ落下する。そして、この溶融物は、キャビティで受け止められ、冷却水により冷却して安全性が確保される。その後、冷却されて固化した溶融物(以下、溶融固化物という)は、所定温度まで低下した後に、専用の収納容器などに収納されて外部に搬出される。
搬出された溶融固化物を分析設備にて分析することで、原子炉の破損状態などを把握することが可能である。ただし、分析設備での溶融固化物の受け入れにおいて、放射性のウラン(U)やプルトニウム(Pu)の受入量を管理することが必要になる。
従来、例えば、特許文献1〜特許文献3には、ウランやプルトニウムの測定について示されている。しかし、特許文献1〜特許文献3において測定対象となる放射性物質は、上述したような溶融固化物ではない。
また、上述したように、分析設備での溶融固化物の受け入れに当たって受入量の管理という観点でウランやプルトニウムの測定をする場合、大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、ある程度の精度をもって測定することが望まれている。しかし、溶融固化物は、形状が不確定でウランやプルトニウムの濃度分布が不均一であり、裁断や成形が必要である。裁断や成形は、測定までに日数を要し、受け入れ時での迅速な測定が困難である。
また、既存の分析手法の問題として、ウランやプルトニウムの定量精度が低いことがある。例えば、γ線スペクトロメトリを用いた分析では、α線核種であるウランやプルトニウムの検出感度が低く、かつ形状不確定のため測定効率の校正が困難である。中性子線計測では、限定された遮蔽空間のなかで長時間の計測を行わなければ検出感度が得られず、短時間ではウランやプルトニウムの識別および同位体の識別ができない。蛍光X線を用いた分析では、ウランやプルトニウム以外の他の放射線核種が存在している場合、検出器が飽和してノイズの影響が大きく、かつ浸透深さに限界があり深部の測定が困難である。従って、溶融固化物の迅速かつ簡易な計測について確立されていないのが現状である。
特開昭61−262689号公報 特開2005−43173号公報 特開2012−220297号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放射性物質である溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くウランやプルトニウムを測定することのできる放射性物質分析装置および分析方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第1の発明の放射性物質分析装置は、溶融固化した放射性物質の重量を計測する秤量部と、前記放射性物質から放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出部と、前記放射性物質の表面にレーザ光を照射して前記放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析部と、前記秤量部による計測結果および前記L−X線検出部による検出結果により前記放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数として前記レーザ分析部による分析結果を補正し、前記放射性物質内のα線核種の濃度を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、放射性物質の重量およびα線核種のL−X線から放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析結果を推定重量比で補正することで、放射性物質内のα線核種の濃度を算出するため、放射性物質である溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くα線核種であるウランやプルトニウムを測定することができる。
第2の発明の放射性物質分析装置は、第1の発明において、前記L−X線検出部は、超伝導転移端マイクロメータ検出器であることを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、超伝導転移端マイクロメータ検出器は、例えば、ゲルマニウム半導体検出器と比較してエネルギー分解能に優れ、数十〜数百eVの分解能を有しており、かつ数〜数十keV程度の低エネルギー範囲のL−X線の検出が可能であり、かつウランやプルトニウム以外の他の放射性核種の高エネルギーγ線のノイズの影響が小さいため、ウランやプルトニウムのエネルギーを弁別することができる。
第3の発明の放射性物質分析装置は、第1または第2の発明において、前記レーザ分析部は、前記放射性物質を載置する載置部と、前記載置部を囲むレーザ照射空間を形成するセルと、前記載置部に向けてレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記セルの外部に前記放射性物質の表面から出る微粒子を移送する微粒子移送管と、前記微粒子移送管により移送された微粒子を元素分析する誘導結合プラズマ質量分析部と、を有することを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、放射性物質の表面における元素分析を行って、放射性物質の表面における元素濃度のマッピングを実施することができる。
第4の発明の放射性物質分析装置は、第3の発明において、前記L−X線検出部は、前記レーザ分析部の前記載置部に載置される前記放射性物質から放射されるL−X線を検出することを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、L−X線検出部によるL−X線の検出と、レーザ分析部による元素分析とを同じ載置部に載置される放射性物質に対して行うことができ、迅速かつ簡易なウランやプルトニウムの測定を実施することができる。
第5の発明の放射性物質分析装置は、第3または第4の発明において、前記載置部は、載置する前記放射性物質を3次元で移動可能に設けられた移動機構を有することを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、移動機構により放射性物質を3次元で移動させることで、不定形状の放射性物質の表面へのレーザ光の照射を行うことができる。
第6の発明の放射性物質分析装置は、第3〜第5のいずれか一つの発明において、前記載置部に載置される前記放射性物質を撮影可能に設けられたカメラを有することを特徴とする。
この放射性物質分析装置によれば、カメラにより放射性物質へのレーザ光の照射位置の確認や焦点合わせを行うことができる。
上述の目的を達成するために、第7の発明の放射性物質分析方法は、溶融固化した放射性物質の重量を計測する秤量工程と、前記放射性物質から放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出工程と、前記放射性物質の表面にレーザ光を照射して前記放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析工程と、前記秤量工程で計測した重量および前記L−X線検出工程で検出したL−X線により前記放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数として前記レーザ分析工程で分析した分析結果を補正し、前記放射性物質内のα線核種の濃度を算出する算出工程と、を含むことを特徴とする。
この放射性物質分析方法によれば、放射性物質の重量およびα線核種のL−X線から放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析結果を推定重量比で補正することで、放射性物質内のα線核種の濃度を算出するため、放射性物質である溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くα線核種であるウランやプルトニウムを測定することができる。
本発明によれば、放射性物質である溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くウランやプルトニウムを測定することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射性物質分析装置の構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る放射性物質分析装置の動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
原子力発電プラントにおいて、過酷事故(シビアアクシデント)が発生した際に、緊急炉心冷却装置が故障し、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物が原子炉容器の下方にあるコンクリート製のキャビティへ落下した場合を想定したものである。溶融物は、キャビティで受け止められ、冷却水により冷却されて安全性が確保される。その後、溶融物は、冷却により固化した溶融固化物となり、所定温度まで低下した後、例えば、分析設備にて分析することが検討されている。本実施形態の放射性物質分析装置は、放射性物質としての溶融固化物の分析設備における受入量の管理のため、溶融固化物に含まれ得る放射性のウラン(U)やプルトニウム(Pu)の濃度を分析するものである。また、分析対象となる放射性物質としての溶融固化物は、キャビティから取り出されたままの状態であり、分析のための裁断や成形が行われていないものである。
図1は、本実施形態に係る放射性物質分析装置の構成図である。放射性物質分析装置1は、主に、秤量部2と、L−X線検出部3と、レーザ分析部4と、カメラ5と、算出部6と、を有する。
秤量部2は、溶融固化した放射性物質Wの重量を計測(秤量)するもので、例えば、ロードセルなどからなる。この秤量部2は、本実施形態ではレーザ分析部4にて放射性物質Wを載置するための後述する載置部41に配置されている。
L−X線検出部3は、放射性物質Wから放射されるL−X線を検出するものである。放射性物質Wにウランやプルトニウムのようなα線核種が含まれる場合において、α崩壊の際にL殻の軌道に電子が遷移して発生する電磁波であるX線であるL−X線が発生する。L−X線検出部3は、超伝導転移端マイクロメータ検出器(TES検出器:Superconducting Phase Transition Edge Sensor Microcalorimeter)であり、超伝導を利用してX線などの微小な熱量を測定する。そのため、L−X線検出部3は、L−X線を検知するX線検出器31と、X線検出器31を冷却するための冷凍機32およびケーシング33と、で構成される。
レーザ分析部4は、放射性物質Wの表面にレーザ光を照射して放射性物質Wの表面から出る微粒子の元素分析を行うものである。レーザ分析部4は、放射性物質Wを載置する載置部41と、載置部41を囲むレーザ照射空間Sを形成するセル42と、載置部41に向けてレーザ光を照射するレーザ照射部43と、セル42の外部に放射性物質Wの表面から出る微粒子を移送する微粒子移送管44と、微粒子移送管44により移送された微粒子を元素分析する誘導結合プラズマ質量分析部(ICP−MS)45と、を有する。
載置部41は、セル42の内部に配置され、放射性物質Wを載置する。上述したように、放射性物質Wとしての溶融固化物は、キャビティから取り出されたままの状態であり、分析のために裁断や成形されていない。そのため、載置部41は、放射性物質Wを保持する保持機構41aを有する。保持機構41aは、例えば、放射性物質Wを挟み持つものである。また、載置部41は、レーザ照射部43からのレーザ光を放射性物質Wに対して所定距離および所定角度で照射させるため、レーザ光と放射性物質Wを相対的に3次元で移動可能に設けられた移動機構41bを有する。移動機構41bは、載置部41に固定される放射性物質Wに対してレーザ光の距離および角度を変えられるようにレーザ照射部43側に設けられていてもよいが、本実施形態における移動機構41bは、X線検出器31に対して載置部41に載置される放射性物質Wを相対的に3次元で移動できるように載置部41に設けられていることが好ましい。
セル42は、レーザ照射空間Sを形成する。本実施形態においてセル42は、アルゴン(Ar)ガスが注入されるガス注入部42aを有し、アルゴンガスが封入されたレーザ照射空間Sを形成する。
レーザ照射部43は、レーザユニット(YAGレーザユニット)43aと、光学系43bを有する。レーザユニット43aは、レーザ光源およびレーザ発振器を有する。光学系43bは、レーザユニット43aから発振されたレーザ光を、載置部41に載置される放射性物質Wに向けて照射させるもので、本実施形態では、ミラーレンズ43baと集光レンズ43bbとを備えるが、ミラーレンズ43baに代えて光ファイバ(図示せず)を用いてもよい。
誘導結合プラズマ質量分析部45は、上述したように、微粒子移送管44により移送された微粒子を元素分析する。レーザ照射部43により載置部41に載置される放射性物質Wの表面にレーザ光を照射させる(レーザアブレーション)。すると、放射性物質Wの表面に存在する元素(微粒子)が瞬間的に気化して電離しプラズマ化する。このプラズマ化された元素を、高周波電圧を印可した電極内に通過させる事によって目的イオンを質量電荷比の違いで分離し、それらのイオン強度を測定することで放射性物質Wの表面に含有する元素濃度を特定する。そして、移動機構41bにより放射性物質Wを3次元で移動させてレーザ光を照射させることで、放射性物質Wの異なる部分の元素濃度を計測でき、この元素濃度をマッピングできる。なお、この誘導結合プラズマ質量分析部45により計測される元素濃度は、放射線核種以外の元素濃度も含む。
カメラ5は、載置部41に載置される放射性物質Wを撮影するものである。
算出部6は、秤量部2で計測される放射性物質Wの重量と、L−X線検出部3で検出される放射性物質Wから放射されるL−X線と、レーザ分析部4で分析される放射性物質Wの表面の元素濃度と、に基づき、対象とする放射性核種(本実施形態ではウランやプルトニウム)の濃度を算出する。具体的に、算出部6は、秤量部2で計測される放射性物質Wの質量、およびL−X線検出部3で検出されるL−X線により放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求める。ある特定の核種の公知の1Bq当たりの重量(Mb(g/Bq)とする)に、L−X線検出部3で検出されるL−X線の検出数である崩壊数をかけると、分析対象である放射性物質Wにおける核種の推定重量(W1(g)=N1×Mbとする)が求められる。そして、この推定重量の計算を各核種で行うことにより、放射性物質W中の放射線核種間の推定重量比が求められる。さらに、算出部6は、この推定重量比を補正係数とし、レーザ分析部4で分析される放射性物質Wの表面の元素濃度を補正することで、マッピングされた放射性物質W内の放射性核種の濃度を算出する。この算出部6は、制御部61に内蔵または接続されている。
制御部61は、コンピュータであって、上述した秤量部2、L−X線検出部3(X線検出器31および冷凍機32)、レーザ分析部4(保持機構41a、移動機構41b、レーザ照射部43、および誘導結合プラズマ質量分析部45)、カメラ5、算出部6に電気的に接続され、放射性物質分析装置1を統括的に制御する。
図2は、本実施形態に係る放射性物質分析装置の動作であって制御部61の制御動作を示すフローチャートである。図2に示すように、制御部61は、秤量部2により載置部41に載置された放射性物質Wの重量を測定した測定結果を取得する(ステップS1[秤量工程])。次に(または同時に)、制御部61は、L−X線検出部3により載置部41に載置された放射性物質Wから放射されるL−X線を検出した検出結果を取得する(ステップS2[L−X線検出工程])。ステップS2の検出において、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)が検出されない場合(ステップS3:No)、制御部61は、この放射性物質Wを計量対象外として(ステップS4)、本制御を終了する。一方、ステップS2の検出において、ウランやプルトニウムが検出された場合(ステップS3:Yes)、制御部61は、算出部6において、秤量部2による計測結果およびL−X線検出部3による検出結果により放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求める(ステップS5[算出工程])。また、ステップS2の検出において、ウランやプルトニウムが検出された場合(ステップS3:Yes)、制御部61は、レーザ分析工程で分析した分析結果を取得する(ステップS6〜ステップS8[レーザ分析工程])。具体的には、ステップS6において、レーザ照射部43により載置部41に載置された放射性物質Wの表面にレーザ光を照射させる(レーザアブレーション)。そして、ステップS7において、レーザアブレーションにより放射性物質Wの表面から瞬間的に気化して電離した元素(微粒子)を、微粒子移送管44で誘導結合プラズマ質量分析部45に移送させる(微粒子の移送)。そして、ステップS8において、移送された元素を誘導結合プラズマ質量分析部45でプラズマ化させ、放射性物質Wの表面に含有する元素濃度を特定する。このレーザ分析工程の後、制御部61は、算出部6において、ステップS5で求めた推定重量比を補正係数とし、レーザ分析工程で分析した分析結果を補正し、放射性物質W内のウランやプルトニウムの濃度を算出し(ステップS9[算出工程])、本制御を終了する。なお、ステップS9では、制御部61は、算出部6において、ウランやプルトニウム以外の元素濃度も算出する。
以上説明したように、本実施形態の放射性物質分析装置1は、溶融固化した放射性物質Wの重量を計測する秤量部2と、放射性物質Wから放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出部3と、放射性物質Wの表面にレーザ光を照射して放射性物質Wの表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析部4と、秤量部2による計測結果およびL−X線検出部3による検出結果により放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数としてレーザ分析部4による分析結果を補正し、放射性物質W内のα線核種の濃度を算出する算出部6と、を備える。
この放射性物質分析装置1によれば、放射性物質Wの重量およびα線核種のL−X線から放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求め、放射性物質Wの表面から出る微粒子の元素分析結果を推定重量比で補正することで、放射性物質W内のα線核種の濃度を算出するため、放射性物質である溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くα線核種であるウランやプルトニウムを測定することができる。
また、本実施形態の放射性物質分析装置1では、L−X線検出部3は、超伝導転移端マイクロメータ検出器であることが好ましい。
この放射性物質分析装置1によれば、超伝導転移端マイクロメータ検出器は、例えば、ゲルマニウム半導体検出器と比較してエネルギー分解能に優れ、数十〜数百eVの分解能を有しており、かつ数〜数十keV程度の低エネルギー範囲のL−X線の検出が可能であり、かつウランやプルトニウム以外の他の放射性核種のノイズの影響が小さいため、ウランやプルトニウムのエネルギーを弁別することができる。
また、本実施形態の放射性物質分析装置1では、レーザ分析部4は、放射性物質Wを載置する載置部41と、載置部41を囲むレーザ照射空間Sを形成するセル42と、載置部41に向けてレーザ光を照射するレーザ照射部43と、セル42の外部に放射性物質Wの表面から出る微粒子を移送する微粒子移送管44と、微粒子移送管44により移送された微粒子を元素分析する誘導結合プラズマ質量分析部45と、を有する。
この放射性物質分析装置1によれば、大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、放射性物質Wの表面における元素分析を行って、放射性物質Wの表面における元素濃度のマッピングを実施することができる。
また、本実施形態の放射性物質分析装置1では、L−X線検出部3は、レーザ分析部4の載置部41に載置される放射性物質Wから放射されるL−X線を検出する。
この放射性物質分析装置1によれば、L−X線検出部3によるL−X線の検出と、レーザ分析部4による元素分析とを同じ載置部41に載置される放射性物質Wに対して行うことができ、迅速かつ簡易なウランやプルトニウムの測定を実施することができる。
また、本実施形態の放射性物質分析装置1では、載置部41は、載置する放射性物質Wを3次元で移動可能に設けられた移動機構41bを有する。
この放射性物質分析装置1によれば、移動機構41bにより放射性物質Wを3次元で移動させることで、不定形状の放射性物質Wの表面へのレーザ光の照射を行うことができる。
また、本実施形態の放射性物質分析装置1では、載置部41に載置される放射性物質Wを撮影可能に設けられたカメラ5を有する。
この放射性物質分析装置1によれば、カメラ5により放射性物質Wへのレーザ光の照射位置の確認や焦点合わせを行うことができる。
また、本実施形態の放射性物質分析方法は、溶融固化した放射性物質Wの重量を計測する秤量工程と、放射性物質Wから放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出工程と、放射性物質Wの表面にレーザ光を照射して放射性物質Wの表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析工程と、秤量工程で計測した重量およびL−X線検出工程で検出したL−X線により放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数としてレーザ分析工程で分析した分析結果を補正し、放射性物質W内のα線核種の濃度を算出する算出工程と、を含む。
この放射性物質分析方法によれば、放射性物質Wの重量およびα線核種のL−X線から放射性物質W内の放射性核種間の推定重量比を求め、放射性物質Wの表面から出る微粒子の元素分析結果を推定重量比で補正することで、放射性物質W内のα線核種の濃度を算出するため、放射性物質Wである溶融固化物について大がかりな加工を要することなく迅速かつ簡易に、精度良くα線核種であるウランやプルトニウムを測定することができる。
1 放射性物質分析装置
2 秤量部
3 L−X線検出部
4 レーザ分析部
41 載置部
41b 移動機構
42 セル
43 レーザ照射部
44 微粒子移送管
45 誘導結合プラズマ質量分析部
5 カメラ
6 算出部
S レーザ照射空間
W 放射性物質

Claims (7)

  1. 溶融固化した放射性物質の重量を計測する秤量部と、
    前記放射性物質から放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出部と、
    前記放射性物質の表面にレーザ光を照射して前記放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析部と、
    前記秤量部による計測結果および前記L−X線検出部による検出結果により前記放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数として前記レーザ分析部による分析結果を補正し、前記放射性物質内のα線核種の濃度を算出する算出部と、
    を備えることを特徴とする放射性物質分析装置。
  2. 前記L−X線検出部は、超伝導転移端マイクロメータ検出器であることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質分析装置。
  3. 前記レーザ分析部は、前記放射性物質を載置する載置部と、前記載置部を囲むレーザ照射空間を形成するセルと、前記載置部に向けてレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記セルの外部に前記放射性物質の表面から出る微粒子を移送する微粒子移送管と、前記微粒子移送管により移送された微粒子を元素分析する誘導結合プラズマ質量分析部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の放射性物質分析装置。
  4. 前記L−X線検出部は、前記レーザ分析部の前記載置部に載置される前記放射性物質から放射されるL−X線を検出することを特徴とする請求項3に記載の放射性物質分析装置。
  5. 前記載置部は、載置する前記放射性物質を3次元で移動可能に設けられた移動機構を有することを特徴とする請求項3または4に記載の放射性物質分析装置。
  6. 前記載置部に載置される前記放射性物質を撮影可能に設けられたカメラを有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の放射性物質分析装置。
  7. 溶融固化した放射性物質の重量を計測する秤量工程と、
    前記放射性物質から放射されるα線核種のL−X線を検出するL−X線検出工程と、
    前記放射性物質の表面にレーザ光を照射して前記放射性物質の表面から出る微粒子の元素分析を行うレーザ分析工程と、
    前記秤量工程で計測した重量および前記L−X線検出工程で検出したL−X線により前記放射性物質内の放射性核種間の推定重量比を求め、かつ当該推定重量比を補正係数として前記レーザ分析工程で分析した分析結果を補正し、前記放射性物質内のα線核種の濃度を算出する算出工程と、
    を含むことを特徴とする放射性物質分析方法。
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