JP2020101510A - 核分裂性核種の重量比の測定方法、測定装置、及び測定プログラム - Google Patents

核分裂性核種の重量比の測定方法、測定装置、及び測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】核分裂性核種の重量比を測定して評価することができるようにする。【解決手段】測定対象物についてガンマ線スペクトル測定(S1)が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され(S2−S5)、中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が導出され(S6)、遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され(S11)、そして、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が導出される(S12)ようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、核分裂性核種の重量比の測定方法、測定装置、及び測定プログラムに関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば、使用済燃料或いは使用済燃料を含む溶融物や混合物などの放射性物質の計量管理などに用いて好適な技術に関する。
ウラン燃料を原子炉で使用すると、運転の結果、235Uが消費される。また、239Puや241Puといった核分裂性核種が生成されるものの、一部が消費され、全体として核分裂性核種の重量比が減少する。軽水炉においては新燃料と使用済燃料との双方において、重量の9割前後を238Uが占めており、235U,239Pu,及び241Puの合計の重量と238Uの重量との比が例えば誤差0%で求まるなら、核分裂性核種の金属重量(具体的には、ウラン重量とプルトニウム重量との合計)に対する重量比(「濃縮度」とも呼ばれる)は相対誤差数%で得られることになる。
従来技術として、ウラン燃料を例に挙げると、235Uの濃縮度の検認は、235Uの放射性崩壊で生じる186 keV のγ線と238Uのα崩壊後に生成される234mPaの1001 keV の崩壊γ線とを検出する手法が知られている(非特許文献1)。この手法は新燃料については利用可能である。
横山薫ほか「放射性廃棄物中のU−235濃縮度の定量手法の検証」,RADIOISOTOPES,Vol.65,No.11,2016年
しかしながら、使用済燃料中には核分裂生成物(「FP」とも略称される)が生成される。核分裂生成物はγ線を放出し、半減期が一日以上であって強度が低速で減衰する核分裂生成物から放出されるγ線を「FPγ線」と呼ぶ。FPγ線の代表である137Csから放出される662 keV のγ線の強度が大きいため、上記186 keV のγ線のスペクトル測定は困難である。また1001 keV のγ線に関しても、核分裂生成物のうちの154Euが1274 keV のγ線を放出するため、スペクトル測定が困難である。
そこで、本発明は、核分裂性核種の重量比を測定して評価することができ、具体的には例えば使用済燃料や使用済燃料を含む溶融−再凝固・混合物(「燃料デブリ」とも呼ばれる)の核分裂性核種の重量比を非破壊で測定して評価することができる核分裂性核種の重量比の測定方法、測定装置、及び測定プログラムを提供することを目的とする。
放射性物質に中性子を照射すると、照射によって中性子捕獲γ線,核分裂即発γ線,及び遅発γ線が生成され、これらはFPγ線の最大エネルギーである3.4 MeV よりも高い。そこで、本発明者は、十分な強度の中性子源を利用することができれば、FPγ線が存在しても、中性子捕獲γ線,核分裂即発γ線,及び遅発γ線はスペクトル測定が可能であるとの考えのもと、本発明を創作するに至った。
具体的には、本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法は、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され、前記中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が用いられて中性子捕獲反応率が導出され、遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され、そして、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が導出されるようにしている。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法は、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され、中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が計算され、また、ガンマ線波高スペクトルから遅発γ線成分及び中性子捕獲γ線成分が差し引かれて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルが導出されると共に当該波高スペクトルに基づいて核分裂即発γ線の発生率が導出され、遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の遅発γ線の発生数が導出されると共に核分裂即発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数が導出され、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数とに基づいて核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され、そして、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が導出されるようにしても良い。
また、本発明の核分裂性核種の重量比の測定装置は、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を導出する手段と、中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する手段と、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する手段と、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する手段とを有するようにしている。
また、本発明の核分裂性核種の重量比の測定プログラムは、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を導出する処理と、中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する処理と、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する処理と、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する処理とをコンピュータに行わせるようにしている。
したがって、これらの核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムによると、核分裂性核種の重量比が非破壊で測定される。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムは、測定対象物に外部から中性子が照射されてガンマ線スペクトル測定が行われるようにしても良い。この場合には、測定対象物の内部中性子に起因する核反応のγ線に加えて外部中性子に起因する核反応のγ線も生じるので、γ線の計測が容易になる。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムは、測定対象物が、使用済燃料を含む溶融物や混合物である燃料デブリであるようにしても良い。この場合には、燃料デブリについての核分裂性核種の重量比が非破壊で測定される。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムによれば、核分裂性核種の重量比を非破壊で測定して評価することができるので、放射性物質の管理などに対して有用な情報を提供することが可能になる。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムは、中性子を照射するようにした場合には、γ線の計測を容易にすることができ、一層精確な測定を行って核分裂性核種の重量比を一層適切に評価することが可能になる。
本発明の核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,核分裂性核種の重量比の測定プログラムは、測定対象物が燃料デブリであるようにした場合には、燃料デブリについての核分裂性核種の重量比を非破壊で測定して評価することができ、燃料デブリの管理などに対して有用な情報を提供することが可能になる。
本発明に係る核分裂性核種の重量比の測定方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 実施形態の核分裂性核種の重量比の測定方法を核分裂性核種の重量比の測定プログラムを用いて実施する場合の当該プログラムによって実現される核分裂性核種の重量比の測定装置の機能ブロック図である。 実施形態の測定体系を示す概略構成図である(計測槽及び検出器室は縦断面図である)。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図3に、本発明に係る核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,及び核分裂性核種の重量比の測定プログラムの実施形態の一例を示す。
本実施形態の核分裂性核種の重量比の測定方法は、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定(S1)が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され(S2−S5)、中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が導出され(S6)、また、ガンマ線波高スペクトルから遅発γ線成分及び中性子捕獲γ線成分が差し引かれて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルが導出される(S7)と共に当該波高スペクトルに基づいて核分裂即発γ線の発生率が導出され(S8)、遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の遅発γ線の発生数が導出される(S9)と共に核分裂即発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数が導出され(S10)、さらに、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数に基づいて、又は、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数とに基づいて、核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され(S11)、そして、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が導出される(S12)ようにしている(図1参照)。
上記の核分裂性核種の重量比の測定方法は、本発明に係る核分裂性核種の重量比の測定装置によっても実施され得る。
本実施形態の核分裂性核種の重量比の測定装置10は、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を導出する手段(11a−11e)と、中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する手段(11f)と、ガンマ線波高スペクトルから遅発γ線成分及び中性子捕獲γ線成分を差し引いて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルを導出する手段(11g)と、核分裂即発γ線の波高スペクトルに基づいて核分裂即発γ線の発生率を導出する手段(11h)と、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の遅発γ線の発生数を導出する手段(11i)と、核分裂即発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数を導出する手段(11j)と、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数に基づいて、又は、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数とに基づいて、核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する手段(11k)と、さらに、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する手段と(11l)を有する。
上記の核分裂性核種の重量比の測定方法や核分裂性核種の重量比の測定装置は、本発明に係る核分裂性核種の重量比の測定プログラムがコンピュータ上で実行されることによっても実施・実現され得る。
本明細書では、核分裂性核種の重量比の測定プログラムがコンピュータ上で実行されることによって核分裂性核種の重量比の測定方法が実施されると共に核分裂性核種の重量比の測定装置が実現される場合を説明する。
本実施形態の核分裂性核種の重量比の測定プログラム17を実行するためのコンピュータ10(本実施形態では、核分裂性核種の重量比の測定装置10でもある)の全体構成を図2に示す。
このコンピュータ10(核分裂性核種の重量比の測定装置10)は制御部11,記憶部12,入力部13,表示部14,及びメモリ15を備え、これらが相互にバス等の信号回線によって接続されている。
制御部11は、記憶部12に記憶されている核分裂性核種の重量比の測定プログラム17に従ってコンピュータ10全体の制御並びに核分裂性核種の重量比の測定に係る演算を行うものであり、例えばCPU(即ち、中央演算処理装置)である。
記憶部12は、少なくともデータやプログラムを記憶可能な装置であり、例えばハードディスクである。
入力部13は、少なくとも作業者の命令や種々の情報を制御部11に与えるためのインターフェイス(即ち、情報入力の仕組み)であり、例えばキーボードやマウスである。なお、例えばキーボードとマウスとの両方のように複数種類のインターフェイスを入力部13として有するようにしても良い。
表示部14は、制御部11の制御によって文字や図形或いは画像等の描画・表示を行うものであり、例えばディスプレイである。
メモリ15は、制御部11が種々の制御や演算を実行する際の作業領域であるメモリ空間となるものであり、例えばRAM(Random Access Memory の略)である。
そして、コンピュータ10(核分裂性核種の重量比の測定装置10)の制御部11には、核分裂性核種の重量比の測定プログラム17が実行されることにより、測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を計算する処理を行う入力受部11a,ピークデータ取得部11b,光電ピーク選別部11c,捕獲・遅発γ線計数率取得部11d,及び第一発生率導出部11eと、中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する処理を行う捕獲反応率導出部11fと、ガンマ線波高スペクトルから遅発γ線成分及び中性子捕獲γ線成分を差し引いて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルを導出する処理を行う核分裂即発γ線処理部11gと、核分裂即発γ線の波高スペクトルに基づいて核分裂即発γ線の発生率を導出する処理を行う第二発生率導出部11hと、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の遅発γ線の発生数を導出する処理を行う遅発発生数導出部11iと、核分裂即発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数を導出する処理を行う即発発生数導出部11jと、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数に基づいて、又は、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数とに基づいて、核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する処理を行う核種反応率導出部11kと、さらに、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する処理を行う重量比導出部11lが構成される。
核分裂性核種の重量比の測定方法が実施される際の手順として、まず、中性子照射ガンマ線スペクトル測定が行われる(S1)。
本実施形態では図3に示す測定体系により、測定対象物1に関する中性子照射ガンマ線スペクトル測定(「NIGS」とも呼ばれる)が行われる。
測定対象物1は、放射線源であり、図に示す例では使用済燃料としての燃料集合体である(尚、図中の符号1aは燃料棒を表す)。本発明では、種々の放射線源を測定対象とすることができる。測定対象物1は、具体的には例えば、使用済燃料を含む溶融物や混合物(即ち、燃料デブリ)であっても良い。
測定対象物1へと中性子が照射されると、核分裂と捕獲反応とでγ線が生じる。これらのγ線は核種毎に固有のエネルギースペクトルを持ち、測定対象物1から様々なエネルギーのγ線が放射され、ガンマ線スペクトル測定が行われることにより、各種のガンマ線スペクトルが混在したガンマ線波高スペクトルが得られる。
測定対象物1は、図に示す例では、計測槽9内に貯えられた液体8に浸漬される。
液体8は、軽水とホウ素を含む水溶液とのうちの少なくとも一方を含むものであれば良く、具体的には、軽水のみ,ホウ素を含む水溶液のみ,または軽水とホウ素を含む水溶液との混合液でも良く、或いは、軽水とホウ素を含む水溶液とのうちの少なくとも一方と例えば重水などの他の液体との混合液でも良い。なお、測定対象物1は液体8に浸漬されていなくても良く、例えば、コリメータ3の働きに因ったり測定対象物1とコリメータ3との間に個体の中性子吸収体が配設されたりすることによって測定対象物1から発生する中性子捕獲γ線が測定上問題にならない程度の強度になり得る(言い換えると、放射線検出器2におけるγ線計数率が許容範囲になり得る)場合などには、気中の計測であっても構わない。
なお、測定対象物1である放射線源がもともと収容・貯蔵されているプールや貯留槽などが、具体的には例えば測定対象物1としての使用済燃料が貯蔵されている使用済燃料プールが、計測槽9として用いられるようにしても良い。
図に示す例では、測定対象物1は、ワイヤロープ5により、計測槽9内の液体8の中に吊されて配置される。ワイヤロープ5は、例えばクレーンなどのつり上げ機構/保持機構(図示されていない)によって保持される。
放射線検出器2は、測定対象物1から放出(別言すると、放射)される放射線(特に、γ線)を入力部(別言すると、検出部;図示されていない)を介して検出するものである。
放射線検出器2としては、あくまで一例として挙げると、具体的には例えば、高純度ゲルマニウム半導体検出器(「HP−Ge検出器」などとも表記される)やLaBr3(Ce)シンチレーション検出器などが用いられ得る。
放射線検出器2は、図に示す例では、検出器室6内に収容されて計測槽9内の液体8の中に配置される。
検出器室6は、放射線検出器2の入力部側が開口している筐体状に形成され、ワイヤロープ7によって計測槽9内の液体8の中に吊されて配置される。ワイヤロープ7は、例えばクレーンなどのつり上げ機構/保持機構(図示されていない)によって保持される。
検出器室6は、例えば鉛や鉄やステンレス鋼などの放射線遮蔽体によって形成されることが好ましいものの、放射線が完全に遮蔽される必要はない。具体的には例えば、コリメータ3の通過孔3aを通じて透過して放射線検出器2に入射するγ線の時間あたりの入射数が適切であり、それ以外の箇所から放射線検出器2に入射するγ線の時間あたりの入射数がコリメータ3の通過孔3aを通じて透過して放射線検出器2に入射するγ線の時間あたりの入射数の例えば1割程度に遮蔽できれば問題ない。
放射線検出器2の入力部側と測定対象物1との間にコリメータ3が配設される。図に示す例では、コリメータ3は、検出器室6内に収容されて配設される。
コリメータ3は、放射線遮蔽体によって形成されると共に放射線を通過させる通過孔3aを有し、測定対象物1から放出/放射されて放射線検出器2へと入射する放射線を制限するものである。コリメータ3の通過孔3aは、放射線検出器2の入力部と正対する測定対象物1へと向かう方向に通過方向(別言すると、貫通方向,長手方向)が沿うように設けられる。
コリメータ3を形成する放射線遮蔽体としては、具体的には例えば、鉛,鉄,ステンレス鋼,炭素鋼,銅,真鍮,タンタル,タングステンが用いられ得る。
コリメータ3の通過孔3aの長手方向の長さや長手方向直交断面(即ち、開口面)の大きさは、測定対象物の長寿命(具体的には、半減期が1日以上)のγ線の強度として予想される強度に対して放射線検出器2におけるγ線計数率が許容範囲(具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、10,000 計数/秒 程度以下)になり得るように設定される。
コリメータ3の通過孔3aの先端開口面から所定距離離れた位置に、コリメータ3の通過孔3aの貫通方向延長線上において対向するように測定対象物1が配置される。
コリメータ3の通過孔3aの先端開口面と測定対象物1との間の距離は、中性子源4と測定対象物1とから生じる中性子がコリメータ3の手前で液体8に吸収され、コリメータ3における中性子捕獲γ線が測定上問題にならない程度に中性子が吸収され得る寸法に設定される(具体的には例えば、あくまで一例として挙げると、40 cm 程度以上)。
上記とも関連し、本発明の測定体系は、少なくとも放射線検出器2によるγ線(具体的には、下記に挙げる核分裂即発γ線,遅発γ線,及び中性子捕獲γ線)の計測の支障にならない程度に、測定対象物1と放射線検出器2との間において中性子が吸収され得るように構成される。
コリメータ3の通過孔3aの先端開口面と測定対象物1との間の距離は、放射線検出器2におけるγ線計数率が許容範囲になるように、必要に応じ、調節されるようにしても良い。このため、放射線検出器2及びコリメータ3を収容する検出器室6を吊して支持するワイヤロープ7や測定対象物1を吊して支持するワイヤロープ5を保持する仕組みが横方向に移動可能であるように構成されるようにしても良い。
測定対象物1の高さ位置は、必要に応じ、当該の測定対象物1のうち組成を確認したい高さ位置に調節される。測定対象物1に対する放射線検出器2及びコリメータ3の高さ位置が必要に応じて調節されるようにしても良い。このため、放射線検出器2及びコリメータ3を収容する検出器室6を吊して支持するワイヤロープ7や測定対象物1を吊して支持するワイヤロープ5を保持する仕組みがロープ垂下長さを調節可能であるように構成されるようにしても良い。
中性子源4は測定対象物1へと中性子を照射するためのものであり、中性子源4が配置された状態(言い換えると、測定対象物1へと中性子が照射されている状態)で、FPγ線に加えて、下記のi乃至iiiに相当するγ線が検出される。
i)放射性核種(別言すると、核分裂性核種)の核分裂反応で発生する連続型のエネルギースペクトルのγ線(「核分裂即発γ線」とも表記される)
ii)核分裂で生成される核分裂生成物のうち短半減期(具体的には例えば1時間以内)の複数種類の核分裂生成物が崩壊する際に発生する特定のエネルギーのγ線(「遅発γ線」とも表記される)
iii)中性子捕獲反応で発生するγ線(「中性子捕獲γ線」とも表記される)
中性子源4としては、具体的には例えば、自発核分裂で中性子を放出する252Cf,放射線を生じた後に誘導される核反応で中性子を放出する241Am−Be,226Ra−Be,125Sb−Be,核融合反応であるD−D反応やD−T反応で中性子を放出するIEC型若しくはターゲット型中性子放出管などが用いられ得る。
中性子照射ガンマ線スペクトル測定におけるγ線(具体的には、核分裂即発γ線,遅発γ線,及び中性子捕獲γ線)の計数は、中性子の強度に比例すると共に測定対象の核種の重量に概略比例する。このため、中性子源4の強度は、測定対象物1における測定対象の核種の重量や測定にかける時間が考慮されるなどした上で、適宜設定される。
測定対象物1が計測槽9内の液体8中に配置されている状態で計測が行われる際に中性子源4が前記計測槽9の外部から前記測定対象物1の近傍位置へと配置されるようにしても良く、或いは、中性子源4が計測槽9内の液体8中に固定された上で計測が行われる際に測定対象物1が中性子源4の近傍位置へと配置されるようにしても良い。また、電源を投入することで任意の時間で中性子発生を開始することができるD−D反応中性子源やD−T反応中性子源などが中性子源4として利用されるようにしても良い。
中性子源4は、例えば、図に示す例のようにクレーンなどのつり上げ機構/保持機構(図示されていない)によって保持されるワイヤロープなどによって吊されて計測槽9内の液体8の中に配置されるようにしても良く、或いは、鉛直方向のレールに係合して昇降するスライダに取り付けられて計測槽9内の液体8の中に配置されるようにしても良く、更に或いは、計測槽9を構成する壁に固定されることによって計測槽9内の液体8の中に配置されるようにしても良い。
測定対象物1と中性子源4とが相互に近傍位置に配置されて中性子の照射が開始された時刻(或いは、D−D反応中性子源などが用いられて中性子発生が開始された時刻)並びにγ線測定の開始時刻及び終了時刻がそれぞれ計測/記録されると共に、ガンマ線スペクトルが測定されて取得される。前記の各時刻の代わりに、測定対象物1と中性子源4とが相互に近傍位置に配置された時からの経過時間が計測/記録されるようにしても良い。
中性子源4によって測定対象物1へと中性子が照射される時間は、例えば、あくまで一例として挙げると、着目する遅発γ線を生成する核分裂生成物の半減期の3倍以上で、十分な統計精度が得られる時間とすることが考えられる。
放射線検出器2には、制御指令や種々のデータ等の信号の送受信(即ち、出入力)が相互に行われ得るようにコンピュータ10(核分裂性核種の重量比の測定装置10)が電気的に接続される。
放射線検出器2とコンピュータ10(核分裂性核種の重量比の測定装置10)とは、具体的には例えば、ケーブルが用いられる信号送受の仕組みを介して信号の送受信が可能であるように接続されたり、各々に接続された無線信号送受信機が用いられる無線による信号送受の仕組みを介して信号の送受信が可能であるように接続されたりする。
そして、放射線検出器2により、測定対象物1から放出/放射される放射線(特に、γ線)が検出され、その検出値がコンピュータ10(以下、単に「測定装置10」と表記する)に対して出力される。
本実施形態では、測定装置10における核分裂性核種の重量比の測定プログラムが実行される際の処理として、放射線検出器2から測定装置10に対して出力された放射線の検出値としてのガンマ線波高スペクトルデータが入力受部11aへと入力され、続いて、当該入力受部11aによって前記ガンマ線波高スペクトルデータがピークデータ取得部11b及び核分裂即発γ線処理部11gへと転送される。
次に、S1の処理によって測定されて取得されるガンマ線波高スペクトルデータが用いられてガンマ線スペクトル分析としてS2乃至S8の処理が行われる。
ガンマ線スペクトル分析として、まず、ガンマ線波高スペクトルにおけるピーク部の波高及び放射線計数率の取得が行われる(S2)。
この処理では、ピークデータ取得部11bにより、S1の処理において測定されて入力受部11aから転送される放射線の検出値としてのガンマ線波高スペクトルデータが用いられて、ガンマ線波高スペクトルにおけるピーク成分(別言すると、ピーク状の箇所/部分)毎の波高(別言すると、γ線に対応する電気信号の大きさ)と放射線計数率とが全て把握される。
放射線計数率は、所定の時間間隔(別言すると、時間長さ)における放射線の計数の時間平均値として算出され、具体的には放射線計数値を放射線計測時間で除すことによって算出される(単位は、例えば、計数/秒 である)。
スペクトルにおける波高信号を波高毎に分解し(言い換えると、ピーク状の箇所/部分を抽出し)、各ピーク部を積分して各波高の放射線計数率を得る技術は放射線計測の手法として周知の技術であるのでここでは詳細については省略する。
そして、ピークデータ取得部11bにより、計算されたピーク部毎の波高と放射線計数率との組み合わせデータが光電ピーク選別部11cへと転送される。
続いて、S2の処理によって抽出されるピーク部のうちの光電ピークの選別が行われる(S3)。
この処理では、光電ピーク選別部11cにより、S2の処理において抽出されてピークデータ取得部11bから転送される全てのピーク部の中から光電ピークのみが選択されて抽出される。
光電ピークのみの選択は、例えば、S2の処理において抽出される全てのピーク部について光電ピークとシングルエスケープピーク,ダブルエスケープピーク,消滅γ線のピーク,サムピーク,及び後方散乱ピークなどとが選り分けられ、前記ピーク部の中から光電ピーク成分のみが選ばれることによって行われる。
光電ピークとシングル/ダブルエスケープピークなどとを選り分けて光電ピーク成分だけを選ぶ技術は、スペクトル分析の手法として、例えば光電ピーク,シングルエスケープピーク,及びダブルエスケープピークがそれぞれ511 keV ずつ離れて存在するという条件を利用するなどすることによって行われる周知の技術であるのでここでは詳細については省略する。
そして、光電ピーク選別部11cにより、選別された光電ピーク毎の波高と放射線計数率との組み合わせデータが捕獲・遅発γ線計数率取得部11d及び第一発生率導出部11eへと転送される。
続いて、S3の処理によって選別される光電ピークの中から中性子捕獲反応で発生するγ線成分と核分裂に伴って発生する遅発γ線成分とについての波高及び放射線計数率の把握が行われる(S4)。
この処理では、捕獲・遅発γ線計数率取得部11dにより、S3の処理において選別されて光電ピーク選別部11cから転送される光電ピークの中から、中性子捕獲反応で発生するγ線成分(即ち、中性子捕獲γ線成分)と、核分裂に伴って発生する遅発γ線成分とについて放射線計数率が把握される。
中性子捕獲反応で発生するγ線成分としては、具体的には例えば、238U(n,γ)γ線成分(例えば、4060 keV など)が用いられ得る。
ただし、S4の処理において用いられる中性子捕獲反応で発生するγ線成分は、238U(n,γ)γ線成分に限られるものではなく、中性子捕獲反応で発生するγ線成分であり且つ原則としてはFPγ線の最大エネルギーである3.4 MeV よりも高いエネルギーのγ線成分であればいずれのγ線成分であっても良い。具体的には例えば、240Pu(n,γ)γ線成分が用いられるようにしても良く、また、238U(n,γ)γ線成分と240Pu(n,γ)γ線成分との両方が用いられるようにしても良い。
核分裂に伴って発生する遅発γ線成分としては、具体的には例えば、以下の表1に整理されるものが用いられ得る。
Figure 2020101510
ただし、S4の処理において用いられる遅発γ線成分は、表1に整理されるγ線成分に限られるものではなく、核分裂で生成される核分裂生成物のうち短半減期(具体的には例えば1時間以内)の核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線成分であり且つ原則としてはFPγ線の最大エネルギーである3.4 MeV よりも高いエネルギーのγ線成分であればいずれのγ線成分であっても良い。
ただし、FPγ線の中で3.4 MeV のものは数年経過すると放射性崩壊で減衰する。このため、例えば相応の期間保管された使用済燃料について、高エネルギーのFPγ線の発生率が減衰しているために3.4 MeV 近辺の崩壊γ線の影響は残るものの中性子照射ガンマ線スペクトル測定によって短寿命の核分裂生成物のγ線が有意に発生してバックグラウンドのFPγ線を凌駕して測定する(別言すると、FPγ線と比べて多い計数で測定する,区別して測定する)ことができる場合には、エネルギーが3.4 MeV よりも低いγ線(具体的には例えば、表1中の136Teのγ線)が用いられるようにしても良い。
なお、遅発γ線は、当該の遅発γ線を発生させる短寿命の核分裂生成物の溜まり具合によって放射線計数率(また、放射線発生率)が一定にはならない。
具体的には、中性子を照射して測定を開始した時刻を0とすると共に以降の経過時間をtとするとき、遅発γ線を発生する核種iの数密度をNiとすると共に、中性子を照射している際の中性子束をφ、235U,239Pu,及び241Puの濃度をそれぞれn235,n239,及びn241、核分裂断面積(反応断面積)をそれぞれσf,235,σf,239,及びσf,241、各核種のγ線(核種i)を放出する確率をそれぞれκ235,i,κ239,i,及びκ241,iとし、さらに核種iの半減期をTiとすると、崩壊定数を以下の数式1の通りとして、下記の数式2が成り立つ。
(数1) λi = ln(2)/Ti
(数2) dNi/dt= φ(κ235,iσf,235235+κ239,iσf,239239+κ241,iσf,241241)−λiNi
初期において核種iが0であるという初期条件をつけることにより、上記の数式2は下記の数式3のようになる。
(数3) Ni =(1−e-λit)φ(κ235,iσf,235235+κ239,iσf,239239+κ241,iσf,241241)/λi
放射線計数率は、γ線の崩壊数に崩壊当たりのγ線放出数γと検出効率εとを乗じたものになり、下記の数式4によって表される。
(数4) 放射線計数率 = εγ(1−e-λit)φ(κ235,iσf,235235+κ239,iσf,239239+κ241,iσf,241241
ここで、「1時間測定する」などとすると半減期が1分以内の核種は通常はその3倍もあれば(1−e-λit)の値が1に収束するため、それ以降に測定を開始すれば上記の数式4は下記の数式5のようになる。
(数5) 放射線計数率 ≒ εγφ(κ235,iσf,235235+κ239,iσf,239239+κ241,iσf,241241
なお、測定時間と比べて半減期が有意に長い場合には(1−e-λit)の値を適切に考慮し、放射線計数率から(κ235,iσf,235235+κ239,iσf,239239+κ241,iσf,241241)の値を評価する。
そして、捕獲・遅発γ線計数率取得部11dにより、中性子捕獲反応で発生するγ線成分についての波高と放射線計数率との組み合わせデータ、及び、核分裂に伴って発生する遅発γ線成分についての波高と放射線計数率との組み合わせデータが第一発生率導出部11eへと転送される。
続いて、S4の処理において取り上げられて用いられる中性子捕獲反応で発生するγ線成分と核分裂に伴って発生する遅発γ線成分とについてのγ線の発生率の導出が行われる(S5)。
この処理では、第一発生率導出部11eにより、まず、S3の処理において選別されて光電ピーク選別部11cから転送される光電ピークに相当するγ線が測定対象物1で発生すると仮定した場合の放射線検出器2での応答関数と検出効率とが計算される。
この計算には測定対象物1の組成情報とγ線発生率相対分布とが用いられる。
測定対象物1の組成情報については、例えば、全て238Uの二酸化物であると仮定されると共に、一般的に想定される密度であると仮定されるようにしても良い。
測定対象物1のγ線発生率相対分布については、例えば、一様発生が仮定されるようにしても良く、或いは、中性子輸送計算に基づく反応率分布の計算値が用いられるようにしても良い。中性子輸送計算には例えば連続エネルギーモンテカルロ法に基づくコードである「MCNP」(米国ロスアラモス国立研究所開発)などが利用され得る。
上記の仮定や計算によって得られるγ線発生率相対分布からの放射線検出器2での応答関数と検出効率との計算には例えば「MCNP」(前出)やモンテカルロ計算コードである「PHITS」(日本原子力研究開発機構ほか開発)などが利用され得る。
その上で、第一発生率導出部11eにより、S4の処理によって得られる中性子捕獲反応で発生するγ線成分についての放射線計数率が上記の計算によって得られる検出効率で除されて中性子捕獲反応によるγ線の発生率が求められ、また、S4の処理によって得られる核分裂に伴って発生する遅発γ線成分についての放射線計数率が上記の計算によって得られる検出効率で除されて核分裂に伴って発生する遅発γ線の発生率が求められる。なお、γ線の発生率は、所定の時間間隔(別言すると、時間長さ)におけるγ線の発生数の時間平均値である(単位は、例えば、発生数/秒 である)。
そして、第一発生率導出部11eにより、計算された、中性子捕獲反応で発生するγ線成分についてのγ線の発生率データが捕獲反応率導出部11fへと転送され、また、核分裂に伴って発生する遅発γ線成分についてのγ線の発生率データが遅発発生数導出部11iへと転送される。
続いて、S1の処理によって測定されるγ線の発生源に相当する中性子捕獲反応率の導出が行われる(S6)。
この処理では、捕獲反応率導出部11fにより、中性子捕獲反応(具体的には例えば、238Uの中性子捕獲反応、即ち238U(n,γ))について、当該の中性子捕獲反応を起こした中性子のエネルギーが勘案されて中性子捕獲反応あたりのγ線発生数(単位は、例えば、発生数/反応 である)が評価され、当該中性子捕獲反応あたりのγ線発生数によってS5の処理において得られる中性子捕獲反応によるγ線の発生率が除されて中性子捕獲反応率(具体的には例えば、238U(n,γ)反応率)が導出される。なお、中性子捕獲反応率は、所定の時間間隔(別言すると、時間長さ)における中性子捕獲反応数の時間平均値である(単位は、例えば、反応数/秒 である)。
中性子捕獲反応あたりのγ線発生数は、例えば、熱中性子反応が仮定される場合には、「CapGam」データベース(URL https://www.nndc.bnl.gov/capgam/)のγ線発生/反応データベースの値が使用されるようにしても良い。
あるいは、核燃料の組成が仮定されて中性子捕獲反応(具体的には例えば、238U(n,γ)反応)を引き起こす中性子のエネルギーが「MCNP」(前出)や連続エネルギー法に基づく汎用モンテカルロコードである「MVP」(日本原子力研究開発機構開発)などの中性子輸送計算で求められ、求められた発生エネルギーに対して核データや文献値(例えば、「Journal of the Korean Physical Society」,Vol.59,No.2,August 2011,pp.1547−1552)を基に中性子捕獲反応あたりのγ線発生数が評価されるようにしても良い。
さらにあるいは、中性子捕獲反応あたりのγ線発生数が核データで評価されている核種に対しては、核燃料の組成が仮定されて、中性子輸送計算で中性子エネルギー毎の捕獲反応数が求められ、当該捕獲反応数に前記中性子捕獲反応あたりのγ線発生数が乗じられて中性子エネルギー毎のγ線発生数が求められるようにしても良い。
また、上述のS5の処理とS6の処理とがまとめて行われるようにしても良い。具体的には例えば、測定対象物1の組成情報や重量情報とγ線発生率相対分布とが仮定されたり設定されたりした上で、中性子−光子結合輸送計算により、中性子捕獲反応数及びγ線が検出される確率が一連のものとして計算されるようにしても良い。
そして、捕獲反応率導出部11fにより、計算された中性子捕獲反応率データが重量比導出部11lへと転送される。
続いて、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルの導出が行われる(S7)。
中性子捕獲反応では、反応あたりに複数のエネギーのγ線を放出するものがある。遅発γ線にも、複数本のγ線を生じるものがある。しかしながら実際にピークスペクトルとして測定されるのはそれら複数本のγ線のうちの強度の大きいものだけである。
この処理では、核分裂即発γ線処理部11gにより、まず、S5の処理においてγ線の発生率が導出される中性子捕獲反応や短寿命FP核種の崩壊反応と同様の中性子捕獲反応や崩壊反応によって発生するγ線(言い換えると、ピークとして測定されるγ線の生成反応に付随するγ線、或いは、光電ピークを形成することができなかったγ線)の応答関数が計算される。
その上で、核分裂即発γ線処理部11gにより、S1の処理において測定されて入力受部11aから転送されるガンマ線波高スペクトルから、ピークとして測定される成分(具体的には、S4の処理において取り上げられて用いられる中性子捕獲反応で発生するγ線成分及び核分裂に伴って発生する遅発γ線成分)並びに前記成分に対応して計算される応答(言い換えると、ピークとして測定されるγ線の生成反応に付随するγ線成分、或いは、光電ピークを形成することができなかったγ線成分)が全て差し引かれる。これにより、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線成分の波高スペクトルが得られる。
そして、核分裂即発γ線処理部11gにより、核分裂即発γ線成分の波高スペクトルデータが第二発生率導出部11hへと転送される。
続いて、S7の処理によって導出される核分裂反応で発生する核分裂即発γ線成分の波高スペクトルが用いられて核分裂即発γ線成分についてのγ線の発生率の導出が行われる(S8)。
この処理では、第二発生率導出部11hにより、まず、S7の処理において計算されて核分裂即発γ線処理部11gから転送される核分裂即発γ線成分の波高スペクトルデータについて放射線計数率が取得される。
なお、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線はもとの発生スペクトルがピーク状を成していないので、S7の処理において中性子捕獲反応に関連するγ線成分及び核分裂に関連する遅発γ線成分が差し引かれた後の核分裂反応で発生する核分裂即発γ線成分の波高スペクトルはピークがないものになる。
ここで、核分裂即発γ線に関しては、核分裂即発γ線成分についての放射線計数率として、所定の値(「評価対象波高値」と呼ぶ)以上の波高として検出される計数に係る計数率が取得される。
評価対象波高値は、例えば他のγ線に対して核分裂即発γ線の計数率が優位なエネルギー範囲を区分し得ることが考慮されるなどした上で、適当な値に適宜設定される。
続いて、第二発生率導出部11hにより、S1の処理において測定される核分裂即発γ線(即ち、ピーク状態を成していない連続スペクトルのγ線)が測定対象物1で発生すると仮定した場合の放射線検出器2での応答関数と検出効率とが計算される。
応答関数と検出効率とは、測定対象物1の組成情報とγ線発生率相対分布とについて上述のS5の処理におけるものと同様の仮定や条件が用いられると共に同様の手法が利用されて計算される。
ここで、核分裂即発γ線に関しては、核分裂即発γ線の検出効率として、評価対象波高値以上の波高として検出される計数に係る確率が計算される。
その上で、第二発生率導出部11hにより、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線成分についての評価対象波高値以上に関する放射線計数率が評価対象波高値以上に関する検出効率で除されて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の発生率が求められる。
そして、第二発生率導出部11hにより、計算された、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線成分についてのγ線の発生率データが即発発生数導出部11jへと転送される。
次に、上記のガンマ線スペクトル分析(S2乃至S8)によって導出されるγ線の発生率が用いられて核分裂遅発γ線を発生させる核分裂性核種の核分裂比率の分析としてS9乃至S11の処理が行われる。
核分裂性核種の核分裂比率の分析として、まず、核分裂性核種別の核分裂に伴って発生する遅発γ線の発生数の導出が行われる(S9)。
この処理では、遅発発生数導出部11iにより、235U,238U,239Pu,及び241Puについて、S1の処理としての中性子照射ガンマ線スペクトル測定における中性子の照射開始,測定開始,及び測定終了のそれぞれに纏わる時間が考慮された上で、核分裂に伴って発生する遅発γ線の発生数の時間積算値が核分裂生成物生成量−崩壊データベースに従って計算される。
上記のデータベースとしては、例えば、核分裂収率データである「JENDL FP Fission Yields Data File 2011 (JENDL/FPY−2011)」(日本原子力研究開発機構作成)と核分裂生成物の崩壊データである「JENDL FP Decay Data File 2011 (JENDL/FPD−2011)」(同前)との組み合わせなどが挙げられる。
上記の計算により、中性子照射と測定時間との条件に対して平均した、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数の相対値が得られる。
そして、遅発発生数導出部11iにより、計算された核分裂性核種別の遅発γ線の発生数の相対値のデータが核種反応率導出部11kへと転送される。
また、核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数の導出が行われる(S10)。
核分裂即発γ線の発生数も、235U,238U,239Pu,及び241Pu毎に異なる。
この処理では、即発発生数導出部11jにより、235U,238U,239Pu,及び241Puについて、S1の処理としての中性子照射ガンマ線スペクトル測定における中性子の照射開始,測定開始,及び測定終了のそれぞれに纏わる時間が考慮された上で、核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の発生数の時間積算値が、例えば「Simulation of Neutron and Gamma Ray Emission from Fission and Photofission. LLNL Fission Library 2.0.2.」(Jerome M.Verbeke ほか,UCRL−AR−228518−REV−1,Lawrence Livermore National Laboratory,2016年;URL https://nuclear.llnl.gov/simulation/fission.pdf)が用いられて計算される。
上記の計算により、中性子照射と測定時間との条件に対して平均した、核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数の相対値が得られる。
そして、即発発生数導出部11jにより、計算された核分裂性核種別の即発γ線の発生数の相対値のデータが核種反応率導出部11kへと転送される。
続いて、核分裂性核種別の核分裂反応率の導出が行われる(S11)。
この処理では、核種反応率導出部11kにより、S1の処理において測定されるγ線本数のデータに加え、S9の処理において求められる遅発γ線の発生数のみ、または、S9の処理において求められる遅発γ線の発生数及びS10の処理において求められる核分裂即発γ線の発生数をもとに、S5の処理において導出される遅発γ線の発生率のみ、またはそれに加えて、S8の処理で導出される即発γ線の発生率と、S9で計算される核分裂性核種毎の遅発γ線発生本数計算値、S10で計算される核分裂性核種毎の核分裂即発γ線発生本数の計算値と用いて「アンフォールディング(Unfolding)」と呼ばれる数学的操作により、235U,238U,239Pu,及び241Puの核分裂反応率が導出される。なお、核分裂反応率は、所定の時間間隔(別言すると、時間長さ)における核分裂反応数の時間平均値である(単位は、例えば、反応数/秒 である)。
S11の処理としての「アンフォールディング」の考え方の概要は以下の通りである。まず、核分裂を起こす核種である235U,239Pu,及び241Puのそれぞれで反応毎の遅発γ線と核分裂即発γ線との放出本数が異なる。遅発γ線(具体的には例えば、88Br,90Rb,91Rb,95Y,97Y,136Te:表1参照)の発生数や核分裂即発γ線の発生数をベクトルとして持たせることにより、測定されるγ線の発生率のベクトルは下記の数式6のように表せる。
(数6) 235U核分裂反応率×ベクトル(235U)+239Pu核分裂反応率×ベクトル(239Pu)+241Pu核分裂反応率×ベクトル(241Pu)
遅発γ線の発生数のみを用いて数式6から逆算して235U核分裂反応率,239Pu核分裂反応率,及び241Pu核分裂反応率(少なくともこれらの比率)を求めたり、遅発γ線の発生数及び核分裂即発γ線の発生数を用いて数式6から逆算して235U核分裂反応率,239Pu核分裂反応率,及び241Pu核分裂反応率(少なくともこれらの比率)を求めたりする操作がS11の処理としての「アンフォールディング」である。
なお、遅発γ線の発生数よりも核分裂即発γ線の発生数の方が多いので、計測値の統計誤差(言い換えると、ばらつき)の影響が低減して一層良好な精度が確保されることが期待されるという観点からは、遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数との両方が用いられることが好ましい。
そして、核種反応率導出部11kにより、計算された核分裂性核種別の核分裂反応率データが重量比導出部11lへと転送される。
次に、上記のガンマ線スペクトル分析(S2乃至S8)によって導出されるγ線の発生率と上記の核分裂性核種の核分裂比率の分析(S9乃至S11)によって導出される発生数とが用いられて短寿命核分裂生成物γ線を発生させる核分裂性核種の重量比の導出(S12)としてS12−Aの処理又はS12−Bの処理が行われる。
一つの計算方法として、反応断面積が用いられて核分裂性核種の重量比の導出が行われる(S12−A)。
反応率は下記の数式7のように表せる。
(数7) 反応率 = 中性子束×反応断面積×数密度
したがって、ここでは例えば「235U核分裂反応率:239Pu核分裂反応率:241Pu核分裂反応率:238U中性子捕獲反応率」(尚、240U中性子捕獲反応率が考慮されるようにしても良い)が既知であると共に「中性子束は一様に受けた」との仮定が与えられる場合には、反応断面積で除されることにより、前記比の式中の核種毎の数密度比が求められる。さらに、前記核種毎の数密度比に核種毎の原子量が乗じられることにより、核種毎の重量比が求められる。
そこで、S12−Aとしての方法では、重量比導出部11lにより、まず、238Uの中性子捕獲反応と235Uの核分裂反応,239Puの核分裂反応,及び241Puの核分裂反応とを引き起こす中性子の平均反応断面積が仮定され、核分裂性核種別の中性子捕獲反応率/核分裂反応率が前記平均反応断面積で除されることによって数密度が計算される。
あるいは、標準的な燃料集合体について反応断面積が予め計算され、核分裂性核種別の中性子捕獲反応率/核分裂反応率が前記反応断面積で除されることによって数密度が計算されるようにしても良い。
そして、上記の数密度にそれぞれの原子量を乗じ、下記の数式7により、核分裂性核種毎(即ち、235U,239Pu,241Pu,及び238Uのそれぞれ)の重量比が導出される。
(数7) 各核分裂性核種の重量/(235U,239Pu,241Pu,及び238Uの重量の和)
数式7の分母は、ウラン重量とプルトニウム重量との合計であり、すなわち金属重量に相当する。
なお、アクチニド核種である238Pu,240Pu,及び242Puが分母に取り込まれていないものの、これら核種の重量は238Uに比べて十分に小さいため、大きな影響はない。
他の計算方法として、燃焼度計算が行われて核分裂性核種の重量比の導出が行われる(S12−B)。
この方法では、重量比導出部11lにより、まず、測定対象物1の中の燃料の初期組成が種々仮定された上で中性子輸送計算や燃焼度計算が行われるなどして、「各核分裂性核種の重量/金属重量」の比からなる「核分裂性核種重量比ベクトル」と「235U核分裂反応率:239Pu核分裂反応率:241Pu核分裂反応率:238U中性子捕獲反応率」との間の関係式が作成される(言い換えると、核分裂性核種の重量比(複数)が用いられて中性子輸送計算や燃焼度計算が行われるなどして核分裂性核種の核分裂反応率の比が求められ、当該核分裂反応率の比に核分裂性核種それぞれの核分裂当たりの核種の発生数の比(ベクトル)が乗じられて合算される)。なお、金属重量は、ウラン重量とプルトニウム重量との合計のことである。
そして、上記の関係式(言い換えると、核分裂性核種の重量比毎の上記の合算の結果)と実測値(即ち、ガンマ線波高スペクトル)とが比較され、最も近い条件での各核分裂性核種重量比ベクトル(別言すると、各核分裂性核種の重量濃度)が評価値として選択される。
「近い条件」の選定としては、具体的には、235U,239Pu,及び241Puの重量比の比較によって行われることが考えられ、或いは、(235U核分裂反応率:239Pu核分裂反応率:241Pu核分裂反応率:238U中性子捕獲反応率)比のスペクトルの相似性(負の情報エントロピー量)の評価によって行われることが考えられる。
以上のように構成された核分裂性核種の重量比の測定方法,核分裂性核種の重量比の測定装置,及び核分裂性核種の重量比の測定プログラムによれば、核分裂性核種の重量比を非破壊で測定して評価することができるので、放射性物質の管理などに対して有用な情報を提供することが可能になる。
なお、上述の実施形態は本発明を実施する際の好適な形態の一例ではあるものの本発明の実施の形態が上述のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において本発明は種々変形実施可能である。
1 測定対象物
1a 燃料棒
2 放射線検出器
3 コリメータ
3a 通過孔
4 中性子源
5 ワイヤロープ
6 検出器室
7 ワイヤロープ
8 液体
9 計測槽
10 コンピュータ/核分裂性核種の重量比の測定装置
11 制御部
11a 入力受部
11b ピークデータ取得部
11c 光電ピーク選別部
11d 捕獲・遅発γ線計数率取得部
11e 第一発生率導出部
11f 捕獲反応率導出部
11g 核分裂即発γ線処理部
11h 第二発生率導出部
11i 遅発発生数導出部
11j 即発発生数導出部
11k 核種反応率導出部
11l 重量比導出部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 メモリ
17 測定プログラム

Claims (10)

  1. 測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され、前記中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が導出され、前記遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され、そして、前記核分裂反応率及び前記中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が導出されることを特徴とする核分裂性核種の重量比の測定方法。
  2. 測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率が導出されると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率が導出され、前記中性子捕獲γ線の発生率が用いられて中性子捕獲反応率が導出され、また、ガンマ線波高スペクトルから遅発γ線成分及び中性子捕獲γ線成分が差し引かれて核分裂反応で発生する核分裂即発γ線の波高スペクトルが導出されると共に当該波高スペクトルに基づいて核分裂即発γ線の発生率が導出され、遅発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の遅発γ線の発生数が導出されると共に核分裂即発γ線の発生率が用いられて核分裂性核種別の核分裂即発γ線の発生数が導出され、核分裂性核種別の遅発γ線の発生数と核分裂即発γ線の発生数とに基づいて核分裂性核種別の核分裂反応率が導出され、そして、核分裂反応率及び中性子捕獲反応率が用いられて核分裂性核種の金属重量に対する重量比が計算されることを特徴とする核分裂性核種の重量比の測定方法。
  3. 前記測定対象物に外部から中性子が照射されて前記ガンマ線スペクトル測定が行われることを特徴とする請求項1または2記載の核分裂性核種の重量比の測定方法。
  4. 前記測定対象物が、使用済燃料を含む溶融物や混合物である燃料デブリであることを特徴とする請求項1または2記載の核分裂性核種の重量比の測定方法。
  5. 測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を導出する手段と、前記中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する手段と、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する手段と、前記核分裂反応率及び前記中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する手段とを有することを特徴とする核分裂性核種の重量比の測定装置。
  6. 前記ガンマ線波高スペクトルが、前記測定対象物に外部から中性子が照射されて前記ガンマ線スペクトル測定が行われることによって得られたものであることを特徴とする請求項5記載の核分裂性核種の重量比の測定装置。
  7. 前記測定対象物が、使用済燃料を含む溶融物や混合物である燃料デブリであることを特徴とする請求項5記載の核分裂性核種の重量比の測定装置。
  8. 測定対象物についてガンマ線スペクトル測定が行われて得られるガンマ線波高スペクトルに基づいて核分裂で生成される核分裂生成物が崩壊する際に発生する遅発γ線の発生率を導出すると共に中性子捕獲反応で発生する中性子捕獲γ線の発生率を導出する処理と、前記中性子捕獲γ線の発生率を用いて中性子捕獲反応率を導出する処理と、遅発γ線の発生率を用いて核分裂性核種別の核分裂反応率を導出する処理と、前記核分裂反応率及び前記中性子捕獲反応率を用いて核分裂性核種の金属重量に対する重量比を導出する処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする核分裂性核種の重量比の測定プログラム。
  9. 前記ガンマ線波高スペクトルが、前記測定対象物に外部から中性子が照射されて前記ガンマ線スペクトル測定が行われることによって得られたものであることを特徴とする請求項8記載の核分裂性核種の重量比の測定プログラム。
  10. 前記測定対象物が、使用済燃料を含む溶融物や混合物である燃料デブリであることを特徴とする請求項8記載の核分裂性核種の重量比の測定プログラム。
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