JP6482056B2 - 油滴吐出器検査装置、油滴供給装置、及び油滴吐出器検査方法 - Google Patents
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Description
そこで、本願発明者は、ディスペンスノズルから非接触式にて油滴を注油箇所に吐出する方式を社内で検討することにした。
この方式によれば、50〜100ピコリットルの油滴を目標箇所に向けて吐出することが可能であり、目的箇所に所定回数吐出することにより所望の量の油を注油することができる。
ところで非接触式ディスペンサの性能を評価する技術としては、特許文献1の「スペーサ散布方法及びそれを用いて製造した液晶表示素子」がある。
この技術は、非接触式ディスペンサの吐出ノズルから液滴を吐出して、被塗布面上に塗布材を形成する分野において被塗布面上に形成された塗布材(例えばセラミックス)の欠損を検査する方法に関するものである。
しかし、この検査方法は、吐出速度及び吐出方向を検査対象とするものであり、塗布される被塗布面のターゲットに対して塗布材を指定位置に精度よく塗布できるか否かについては検査していない。
(2)請求項2に記載の発明では、前記平面部材に直交する直線に対する前記ノズルの角度を調節する角度調整手段と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載の油滴吐出器検査装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、機械油の油滴の着滴を受ける平面部材と、ヒータの加熱により粘度が下がった50〜100ピコリットルの機械油の油滴を、前記平面部材上の目標点に向けてノズルから吐出する油滴吐出器と、前記平面部材に直交する直線に対する前記ノズルの角度を調節する角度調整手段と、前記油滴吐出器により複数回吐出された機械油の油滴を撮影する撮影手段と、前記撮影した各機械油の油滴の画像によって、前記機械油の油滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得手段と、前記取得した各機械油の油滴の着滴位置の統計に基づいて、前記油滴吐出器が吐出する機械油の油滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得手段と、を具備したことを特徴とする油滴吐出器検査装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記撮影手段は、前記油滴吐出器により複数回吐出された機械油の油滴を、当該機械油の油滴ごとに撮影する、ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は、請求項3に記載の油滴吐出器検査装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記油滴吐出器と前記撮影手段に対する、前記平面部材の平面方向の位置を、所定の量だけ相対移動させる移動手段を備え、前記移動手段は、前記油滴吐出器による機械油の油滴の吐出ごとに相対移動を行うことで、前記平面部材上の目標点を変更する、ことを特徴とする請求項4に記載の油滴吐出器検査装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、請求項1から請求項5のうちの何れか1の請求項に記載の油滴吐出器検査装置と、前記精度取得手段で取得した、前記油滴吐出器が吐出する油滴の着滴位置の目標点に対する精度に基づいて、前記油滴吐出器における前記ノズルの位置を補正する補正手段と、油滴の供給対象である機械部品の油滴供給位置を目標点として、前記ノズルの位置を補正した前記油滴吐出器を移動する油滴吐出器移動手段と、を具備したことを特徴とする油滴供給装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、ヒータの加熱により粘度が下がった50〜100ピコリットルの機械油の油滴を、目標点に向けてノズルから吐出する油滴吐出器を検査する油滴吐出器検査方法であって、前記油滴吐出器により、平面部材上の目標点に向けて前記ノズルから斜め上方に機械油の油滴を複数回吐出する油滴吐出ステップと、前記油滴吐出器により複数回吐出されて前記平面部材に着滴した機械油の油滴を撮影する撮影ステップと、前記撮影した各機械油の油滴の画像によって、前記機械油の油滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得ステップと、前記取得した各機械油の油滴の着滴位置の統計に基づいて、前記油滴吐出器が吐出する機械油の油滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得ステップと、を含むことを特徴とする油滴吐出器検査方法を提供する。
検査装置1は、ノズル5(液滴吐出器)からガラス板xyテーブル6に設置されたガラス板8(平面部材)に対して液滴15を複数回吐出する。
なお、検査装置1は、吐出のたびにガラス板8を移動させ、着滴した液滴15が重ならないようにする。
検査装置1は、このようにガラス板8に着滴した液滴15をガラス板8の裏側からカメラ10で撮影し、その画像から各々の着滴位置を解析する。
そして、検査装置1は、液滴15を着滴させる目標点と実際に着滴(着弾)した位置との誤差を計算し、ノズル5から吐出した液滴15がどちらの方向にどの範囲にどの程度ばらつくかを統計的に計算する。
着滴した液滴15の撮影は、液滴の吐出毎に着滴した液滴を撮影する場合、所定数の液滴を吐出した後に各液滴毎に撮影する場合、所定数の液滴を吐出した後に複数(全てを含む)の液滴を纏めて撮影する場合、のいずれでもよい。
図1(a)は、第1実施形態に係る検査装置1を説明するための模式図である。
検査装置1は、液滴吐出器検査装置として機能し、ノズル検査部2とコンピュータ3を用いて構成されている。
検査装置1は、例えば、ノズル5の製造メーカがノズル5の精度を検査したり、ノズル5の購入を希望するユーザが購入前に精度を評価したり、あるいは、ノズル5を購入したユーザが使用前にノズル5の精度を検査したりするのに用いることができる。
また、後述するように、検査装置1を製造ラインに組み込んで、製造ラインの一部としても使用することができる。
ここで、ノズル5は、目標点に向けてノズルから液滴を吐出する液滴吐出器として機能している。
筐体4は、内部に後述するカメラを内蔵する空洞部を有する箱形形状をしている。
筐体4の上面には、ガラス板xyテーブル6が形成されており、また、図示しない支持機構によりノズル固定部7をガラス板xyテーブル6の上方に保持している。
筐体4の上面には、適当な位置を原点とし、鉛直上方にz軸、水平長手方向にx軸、水平短手方向にy軸が右手系を形成するように設定されている。
ノズル固定部7は、コンピュータ3によって制御される数値制御系(図示せず)によってz方向に移動可能である。これにより、検査装置1は、ノズル5の高さを数値制御することができる。なお、治具によって手動でz方向に移動するように構成することもできる。
このように、ノズル5は、内壁で囲まれており、ノズル5近傍の空間が気流による外乱に対して隔てられている。このため、外気により汚染したり、液滴15が気流により偏向するのを防ぐことができる。
ガラス板xyテーブル6は、コンピュータ3によって制御される数値制御系(図示せず)によってx方向、及びy方向に移動可能である。これにより、検査装置1は、ガラス板xyテーブル6に設置されたガラス板8のxy平面上での位置を制御することができる。
CPUは、記憶装置などに記憶されたプログラムに従って、各種の情報処理や制御を行う。
本実施形態では、記憶装置に記憶したプログラムをCPUで実行して、ノズル検査部2の数値制御、ノズル5による液滴の吐出制御、液滴の撮影、撮影した画像の解析、及び液滴着滴位置の統計処理などを行う。
RAMは、読み書きが可能なメモリであって、CPUが動作する際のワーキングメモリを提供する。
記憶装置は、ハードディスクなどの記憶媒体を用いて構成されており、コンピュータ3を動作させるプログラムや、撮影した画像データ、統計処理結果などを記憶する。
モニタ画面には、検査操作画面やカメラによる画像、検査結果などの情報が表示され、作業者は、これに対してキーボードやマウスから検査に必要な操作を入力したり、検査結果を確認したりできる。
スピーカは、例えば、検査の開始・終了などを音声にて作業者に通知し、プリンタは検査結果をプリントアウトする。
ノズル検査部2は、非接触式ディスペンサ吐出ノズルから液滴を吐出し、被塗布面上に液滴が着弾する位置を計測する液滴着弾位置測定装置を構成している。
ノズル5は、例えば、円筒、又は円錐形状を有する非接触式ディスペンサであり、先端の単穴から液滴を軸線方向に吐出する。
これにより、ノズル5は、ガラス板8の上面と非接触で対向しており、液滴15をガラス板8に設けられた目標点(液滴15が設計上着滴する目標位置)に吐出する。
なお、本実施形態では、液滴15の液体を腕時計用の機械油とし、ノズル5は、油滴を吐出するものとする。このように、液滴吐出器は、液滴として油滴を吐出する。
このような構成により、ガラス板8と筐体4は、下部が開放された略断面コ字状に形成されており、ガラス板8の表面は、ノズル5と対向して液滴15を受ける被塗布面として機能している。
本実施形態では、着滴した液滴15を下方から撮影するほか、液滴15として油滴を用いるため、液滴15を着滴させる平面部材として透明性及び耐溶剤性を有する材料であるガラス板を用いた。
このように、平面部材は、液滴の陰影が透過する透過部材で構成されるとともに、水平に配設されている。
例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロレンフィルム等の透明な樹脂フィルムなどの有機材料を好適に用いることができる。
そして、ノズル5が目標点に液滴15を吐出して着滴すると、コンピュータ3の制御によりガラス板xyテーブル6が所定量移動し、これにともなってガラス板8も移動し、未着滴の次の目標点がノズル5の吐出口に対向するようになっている。
また、ガラス板xyテーブル6は、液滴吐出器と撮影手段(後述のカメラ10)に対する、当該平面部材の平面方向の位置を、所定の量だけ相対移動させる移動手段として機能しており、当該移動手段は、液滴吐出器による液滴の吐出ごとに相対移動を行うことで、前記平面部材上の目標点を変更している。
このように、カメラ10は、ガラス板8によってノズル5から隔離されているため、液滴15によりレンズが汚れるのを防ぐことができる。
また、撮影系と吐出系の機械的な干渉を防ぎつつノズル検査部2を小型化することができる。
カメラ10は、液滴吐出器により複数回吐出された液滴を撮影する撮影手段として機能している。
このように、撮影手段は、平面部材に着滴した液滴を撮像する。
即ち、カメラ10は、ガラス板8を透かしてノズル検査部2を撮影することができ、作業者は、コンピュータ3を操作して、カメラ10の中心位置をノズル5の吐出口直下に移動する。
目標点の座標値が分かれば、着滴した液滴15の中心と目標点の差分から着滴位置のばらつきを求めることができる。
更に、撮影手段は、平面部材の下方に配設され、平面部材に着滴した液滴の陰影を平面部材の裏側から撮影している。
この場合、撮影手段は、平面部材の下方に配設され、平面部材に着滴した液滴の陰影を、鉛直線上で平面部材の裏側から撮影することも可能である。
本実施形態では、着滴した液滴15とガラス板8の間の接触角を考慮し、隣接する液滴15同士が接触しない材質の部材を用いることが好ましい。
そこで、ガラス板8を構成するガラス製のベース部材21の表面には、保油層22が形成されている。
保油層22は、ベース部材21の表面を保油処理することにより形成され、固体の表面自由エネルギーを低下させる(即ち、油をはじくようにする)にコーティング処理がされた層である。
このほか、引張強度と液滴15に対する接触角の最適化のため、異なる種類のフィルムをラミネートしたものを用いることもできる。
また、プラズマ、反応性ガス、UV光等によって表面処理を施したガラス板及びフィルムを用いることもできる。
ノズル5の内部には液滴15となる液体(ここでは、油)を供給する導管33が吐出方向と同軸に配設されている。
導管33の一端側は、吐出口を構成する開口部となっており、他端側は、液体を蓄えるタンクにつながっている。
導管33には、側面にピエゾ素子31が取り付けてある。コンピュータ3からの信号によりピエゾ素子31が変形すると、これにともなって導管33も変形し、これによって液体が吐出する。
加熱温度は、室温より高く、液体が熱によって劣化しはじめる温度より低い温度であり、例えば、摂氏70度である。
このように、ノズル検査部2は、各液滴15が着滴時の衝撃やガラス板8の表面の濡れ性に起因して着滴点の周囲に広がったとしてもお互いに重なり合うことがないような位置に点在させるように液滴15を塗布する。
図では18カ所に液滴15が着滴しているが、後述するように吐出精度を統計処理するため、液滴15は、多いほど(100カ所以上が望ましい)よい。
座標作成用マーカ35は、カメラ10の画像によりコンピュータ3がガラス板8のxy座標を認識するための基準位置を示している。
なお、ガラス板8上に破線36、37が予め印刷したものが利用可能な場合は、これを用いてもよい。
破線36、37は、等間隔の格子状に配設され、その格子点(交点)がノズル5による吐出の目標点となる。
このように、コンピュータ3は、カメラ10で作成された画像データを受信し、これに基づいて着滴状態(着弾状態)を解析する。
コンピュータ3は、液滴15の画像から液滴15の重心点41を求め、破線36と破線37の交点である目標点42からのx軸方向のずれΔxとy軸方向のずれΔyを計算する。即ち、重心点41は、着滴点であり、重心点41の位置が着滴位置となる。
コンピュータ3は、このずれの計算をガラス板8に着滴した各液滴15に対して行い、これによって、ノズル5による液滴15の着滴位置のばらつきのサンプルが得られる。
このように、検査装置1の撮影手段は、液滴吐出器により複数回吐出された液滴を、当該液滴ごとに撮影し、検査装置1は、当該撮影した各液滴の画像によって、液滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得手段を備えている。
液滴ごとの撮影は、液滴が吐出される毎に各液滴を撮影する場合と、所定量の液滴を吐出した後に各液滴毎に撮影する場合のいずれの場合も可能である。
図3(a)は、ノズル5のz座標を一定に保って液滴15の着滴位置のx軸方向のばらつきの分布を示したグラフである。
このグラフは、横軸にΔx、縦軸に当該Δxとなったサンプル数(度数)をプロットしたものである。なお、図では、わかりやすくするために度数を曲線で表してある。
分散をσの自乗とすると、1σ、2σ、3σは、それぞれ液滴15が68.27%、±2σ、99.73%と含まれる範囲である。
以上は、x軸方向のばらつきであるが、コンピュータ3は、y軸方向のばらつきについてもΔYとσを計算する。
コンピュータ3は、ノズル5の計測時のz座標とともに、これらの値を出力する。
このように、検査装置1は、各液滴の着滴位置の統計に基づいて、液滴吐出器が吐出する液滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得手段を備えている。
ノズル5をガラス板8に近づけと、即ち、ノズル5のz座標を小さくすると、ΔX、ΔYは、0に近づき、σの値は小さくなる。
そこで、作業者は、ノズル5のz座標ごとのこれらの値を計測し、ノズル5が油滴の対象となる機械部品との干渉を考慮して、ノズル5の最適のz座標を選択する。
そして、σの値が所定の設定値の範囲にあれば(例えば、3σがDの範囲にあれば)、作業者は、ノズル5を合格品と判断する。
また、液滴15の塗布における最適なz座標値、ΔX、ΔYも知ることができる。
検査方法には、着滴ごとに撮影する方法と、複数着滴させて一度に撮影する方法がある。
図4は、液滴15が着滴するごとにこれを撮影して計測する場合の検査方法を説明するためのフローチャートである。
すると、コンピュータ3は、座標作成用マーカ35の位置から、ガラス板8上にxy座標系を設定する。
次に、コンピュータ3は、ノズル5の先端のz座標値を設定する。これは、例えば、ノズル固定部7にz座標値の基準点が設けてあり、この点からノズル5の先端までの距離をパラメータとして入力することにより行うことができる。
例えば、画像にはカメラの中心を示す十字が表示され、作業者は、ノズル5の先端が十字と一致するようにする。これにより、ノズル5の先端とカメラ10の中心が鉛直線上に並ぶ。
このときのカメラxyテーブル11上でのカメラの位置から目標点(即ち、ノズル5の直下)のxy座標値が得られる。
次に、作業者は、ノズル5の先端のz座標値(適切な初期値)をコンピュータ3に入力する。
まず、検査装置1は、ノズル5の先端からガラス板8の表面までの距離が初期値となるようにz軸を数値制御してノズル5の高さを設定する(ステップ5)。
吐出した液滴15は、ノズル5の精度に基づいて目標点付近に着滴する。
すると、検査装置1は、カメラ10を駆動してガラス板8に着滴した液滴15を撮影し、液滴15の画像データをコンピュータ3に送信する(ステップ20)。
この計算は、液滴15の画像を画像処理して液滴15の重心点を計算し、このxy座標値を着滴位置とする。
コンピュータ3は、先に計算した目標点の座標値と着滴位置の差分を計算し、これを誤差として記憶する。
これにより、ガラス板8の未使用の領域が次の目標点としてノズル5の直下に供給される。
次に、コンピュータ3は、予め設定された所定回数だけノズル5が吐出したか否かを判断する(ステップ35)。
このように、検査装置1は、ガラス板xyテーブル6でガラス板8を一定量平面移動させ、再度誤差を求めることにより、繰り返しによるばらつきを求めることができる。
一方、所定回数に達した場合(ステップ35;Y)、コンピュータ3は、各液滴15の誤差をノズル5のz座標値ごとに集計して統計計算を行い、モニタ画面やプリンタなどの出力装置に出力する(ステップ40)。
これは、例えば、0.1mmずつ合計1mmまでz座標値を増やすなどと予め作業者が設定しておくか、あるいは作業者が手動で行う。
必要がある場合は、この間にガラス板8を手動、又は自動にて交換する。
一方、他のz座標値で計測しない場合(ステップ45;N)、コンピュータ3は、処理を終了する。
以上の検査により、ノズル5の先端から目的位置までの距離に応じたノズル5の着滴精度を統計的に得ることができる。
図4と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明を省略する。
ステップ5、15は、先の説明と同じである。
次に、この方法では、コンピュータ3は、ステップ15の後、撮影と着滴位置の計算は行わずに、ステップ30に移行して、ガラス板8の移動と液滴15の吐出を所定回数行う。
コンピュータ3は、画像に写った座標作成用マーカ35の位置を基準にして各目的点の位置を計算する。
次に、コンピュータ3は、撮影された液滴15の個々について着滴位置を計算し、更に、目的点からの誤差を計算する(ステップ105)。
また、ガラス板8の裏側から全体を一度に撮影すると、レンズの中心から離れるほど画像が歪むが、これを補正する機能を備えるとより測定精度を高めることができる。
説明した第1実施形態では、ノズル5から鉛直下に存在する、平面部材(ガラス板8)上の目標点にむけて液滴を吐出し、ガラス板8の裏側からカメラ10で当該液滴の陰影を撮影する場合について説明した。
これに対し、第2実施形態では、ノズル5から斜め方向に存在する、平面部材上の目標点にむけて斜め方向に液滴を吐出し、平面部材に対してノズル5と同じ側からカメラ10で当該液滴を撮影する。
この第2実施形態によれば、腕時計などの機械部品は、基盤に対して斜め横から油を注油したりなど、複雑な注油技術を必要とする場合に対応することが可能になる。
図6(a)は、ノズル5から斜め下に向けて液滴15を吐出する場合である。
ノズル5は、ノズル固定部7により斜め下方に向けられており、ノズル固定部7とカメラxyテーブル11とガラス板xyテーブル6は、それぞれ筐体4の上面と下面に設けられている。
カメラ10は、鉛直下方を向いており、撮影方向にガラス板8の目標点が位置するようになっている。
そして、カメラ10は、ガラス板8の上面に着滴した液滴15を撮影する。
また、液滴15の塗布対象である平面部材は透明である必要はないため、ガラス板8の代わりに、耐溶剤性を確保する観点から、ステンレス、チタン、アルミニウムなどの金属材料による板材を用いることもできる。
液滴15を複数回吐出してその着滴位置をカメラ10により撮影するなどの構成は、第1実施形態で説明した検査装置1と同様である。
更に、この構成では、筐体4の内部にノズル5やカメラ10が格納されるため、小型化が図れるほか、気流により液滴15が偏向するのを防ぐことができる。
ノズル5は、ノズル固定部7により斜め上方に向けられており、ノズル固定部7とカメラxyテーブル11とガラス板xyテーブル6は、それぞれ筐体4の下面と上面に設けられている。
カメラ10は、鉛直上方を向いており、撮影方向にガラス板8の目標点が位置するようになっている。
そして、カメラ10は、ガラス板8の下面に着滴した液滴15を撮影する。
ノズル5は、ノズル固定部7により斜め下方に向けられており、ノズル固定部7とカメラxyテーブル11とガラス板xyテーブル6は、それぞれ筐体4の対向する側面に設けられている。
カメラ10は、水平を向いており、撮影方向にガラス板8の目標点が位置するようになっている。
そして、カメラ10は、ガラス板8の表面に着滴した液滴15を撮影する。
ノズル5は、ノズル固定部7により斜め上方に向けられており、ノズル固定部7とカメラxyテーブル11とガラス板xyテーブル6は、それぞれ筐体4の対向する側面に設けられている。
カメラ10は、水平を向いており、撮影方向にガラス板8の目標点が位置するようになっている。
そして、カメラ10は、ガラス板8の表面に着滴した液滴15を撮影する。
そして、撮影手段は、平面部材における平面の一方の側に配設され、平面部材に着滴した液滴を、平面部材に直交する直交軸上から撮影している。
この場合、撮影手段は、平面部材における平面の一方の側に配設され、平面部材に着滴した液滴を、目標点を通り平面部材に直交する直交軸上から撮影する、ことも可能である。
また、目標点に対する液滴の吐出方向については、目標点を通り平面部材に直交する直線に対して所定角度で目標点に向けて液滴を吐出する場合の全てを含むものである。
第1実施形態、第2実施形態で説明した検査装置1は、ノズル5の精度を評価するために検査したが、注油装置60は、ノズル5の位置を検査するとともに更正する。
注油装置60は、ノズル検査部2と注油部61、及びコンピュータ3から構成されており、液滴供給装置として機能している。
この調節機構は、数値制御であってもよいし、あるいは、マイクロメータなどの計測機器で数値を読みながら手動で調節するものでもよい。
このように、注油装置60は、精度取得手段で取得した、液滴吐出器が吐出する油滴の着滴位置の目標点に対する精度に基づいて、液滴吐出器におけるノズルの位置を補正する補正手段を備えている。
なお、先に説明した検査装置1では、ノズル5自体の着滴精度を評価したいのに対し、注油装置60では、後述の機械部品62に設定された目標点への着滴精度(油滴を注油する機械系としての精度)を評価したい点が異なる。
即ち、検査装置1では、ノズル5自体の着滴精度を評価するのに対し、注油装置60では、ノズル5自体の着滴精度とノズル固定部7の(組み立て精度などに起因する)機械精度が合成された精度を評価する。
そして、当該ΔX、ΔYにてノズル5の位置を補正すると、数値制御系でねらった点を着滴中心とすることができる。
あるいは、ソフトウェアによってΔX、ΔYだけノズル固定部7の位置をオフセットしてもよい。
そして、注油部61は、調節後のノズル5をx方向、y方向、z方向に数値制御にて駆動し、機械部品62の複数箇所に吐出による注油を行う。
このように、注油装置60は、油滴の供給対象である機械部品の油滴供給位置を目標点として、ノズルの位置を補正した液滴吐出器を移動する液滴吐出器移動手段を備えている。
液滴15の体積はおおよそ一定であるため、必要量に達するまで連続して吐出することにより、注油対象に応じて適量の油を塗布することができる。
また、機械部品62の種類によって注油位置や注油量が異なっても、機械部品62の種類ごとに注油箇所、及び注油量をコンピュータ3に記憶しておき、機械部品62の種類ごとに個別に注油することもできる。
作業者は、以上のように構成された注油装置60により、作業前、及び作業中適宜ノズル5の精度をチェックすることができる。
また、本実施形態では、ノズル検査部2と注油部61を連結して注油装置60を構成したが、ガラス板8を取り除いてガラス板8の位置に機械部品62を設置して注油を行うように、ノズル検査部2と注油部61をまとめてもよい。
この場合、ノズル固定部7を注油部61に移動する必要がないため、着滴精度をより高めることができる。
その結果、カメラ10が液滴15により汚染されることがなく、常に良好な液滴像を撮影することができる。
例えば、上述の実施の形態においては、ガラス板8に着滴した全ての液滴15の液滴像を取り込む(撮影する)場合について説明したが、特定の領域の液滴15の液滴像を取り込む(撮影する)ようにしてもよい。
なお、第1実施形態では、液滴をガラス板8の裏側から撮影するので、より透明度の高いガラス板8を使用することが好ましい。
着滴前の液滴を撮影することで、それぞれの液滴15は、着滴直前に撮影されるため、着滴時の衝撃やガラス板8の表面の濡れ性に起因して着滴点の周囲に広がったとしても、着滴に起因する変形のない液滴15の像を撮影することができる。
(1)構成1
水平又は鉛直に配設された平面部材と、前記平面部材における平面の一方の側に配設され、前記平面部材上の目標点に向けて斜め方向から液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出器と、前記平面部材における平面の前記一方の側に配設され、前記液滴吐出器により複数回吐出され前記平面部材に着滴した液滴を、前記平面部材に直交する直交軸上から撮影する撮影する撮影手段と、前記撮影した各液滴の画像によって、前記液滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得手段と、前記取得した各液滴の着滴位置の統計に基づいて、前記液滴吐出器が吐出する液滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得手段と、を具備したことを特徴とする液滴吐出器検査装置を提供する。
(2)構成2
前記撮影手段は、前記液滴吐出器により複数回吐出された液滴を、当該液滴ごとに撮影する、ことを特徴とする構成1に記載の液滴吐出器検査装置を提供する。
(3)構成3
前記液滴吐出器と前記撮影手段に対する、前記平面部材の平面方向の位置を、所定の量だけ相対移動させる移動手段を備え、前記移動手段は、前記液滴吐出器による液滴の吐出ごとに相対移動を行うことで、前記平面部材上の目標点を変更する、ことを特徴とする構成1又は構成2に記載の液滴吐出器検査装置を提供する。
(4)構成4
前記液滴吐出器は、液滴として油滴を吐出する、ことを特徴とする構成1から構成3のうちの何れか1の構成に記載の液滴吐出器検査装置を提供する。
(5)構成5
構成4に記載の液滴吐出器検査装置と、前記精度取得手段で取得した、前記液滴吐出器が吐出する油滴の着滴位置の目標点に対する精度に基づいて、前記液滴吐出器における前記ノズルの位置を補正する補正手段と、油滴の供給対象である機械部品の油滴供給位置を目標点として、前記ノズルの位置を補正した前記液滴吐出器を移動する液滴吐出器移動手段と、を具備したことを特徴とする液滴供給装置を提供する。
2 ノズル検査部
3 コンピュータ
4 筐体
5 ノズル
6 ガラス板xyテーブル
7 ノズル固定部
8 ガラス板
10 カメラ
11 カメラxyテーブル
15 液滴
21 ベース部材
22 保油層
31 ピエゾ素子
32 ヒータ
33 導管
35 座標作成用マーカ
36、37 破線
41 重心点
42 目標点
60 注油装置
61 注油部
62 機械部品
Claims (7)
- 機械油の油滴の着滴を受ける平面部材と、
ヒータの加熱により粘度が下がった50〜100ピコリットルの機械油の油滴を、前記平面部材上の目標点に向けてノズルから吐出する油滴吐出器と、
前記平面部材に対して前記ノズルと同一側に配設され、前記油滴吐出器により複数回吐出されて前記平面部材に着滴した機械油の油滴を撮影する撮影手段と、
前記撮影した各機械油の油滴の画像によって、前記機械油の油滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得手段と、
前記取得した各機械油の油滴の着滴位置の統計に基づいて、前記油滴吐出器が吐出する機械油の油的の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得手段と、を備え、
前記油滴吐出器は、前記ノズルから斜め上方の前記目標点に向けて機械油の油滴を吐出する、
ことを特徴とする油滴吐出器検査装置。 - 前記平面部材に直交する直線に対する前記ノズルの角度を調節する角度調整手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の油滴吐出器検査装置。 - 機械油の油滴の着滴を受ける平面部材と、
ヒータの加熱により粘度が下がった50〜100ピコリットルの機械油の油滴を、前記平面部材上の目標点に向けてノズルから吐出する油滴吐出器と、
前記平面部材に直交する直線に対する前記ノズルの角度を調節する角度調整手段と、
前記油滴吐出器により複数回吐出された機械油の油滴を撮影する撮影手段と、
前記撮影した各機械油の油滴の画像によって、前記機械油の油滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得手段と、
前記取得した各機械油の油滴の着滴位置の統計に基づいて、前記油滴吐出器が吐出する機械油の油滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得手段と、
を具備したことを特徴とする油滴吐出器検査装置。 - 前記撮影手段は、前記油滴吐出器により複数回吐出された機械油の油滴を、当該機械油の油滴ごとに撮影する、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は、請求項3に記載の油滴吐出器検査装置。 - 前記油滴吐出器と前記撮影手段に対する、前記平面部材の平面方向の位置を、所定の量だけ相対移動させる移動手段を備え、
前記移動手段は、前記油滴吐出器による機械油の油滴の吐出ごとに相対移動を行うことで、前記平面部材上の目標点を変更する、
ことを特徴とする請求項4に記載の油滴吐出器検査装置。 - 請求項1から請求項5のうちの何れか1の請求項に記載の油滴吐出器検査装置と、
前記精度取得手段で取得した、前記油滴吐出器が吐出する油滴の着滴位置の目標点に対する精度に基づいて、前記油滴吐出器における前記ノズルの位置を補正する補正手段と、
油滴の供給対象である機械部品の油滴供給位置を目標点として、前記ノズルの位置を補正した前記油滴吐出器を移動する油滴吐出器移動手段と、
を具備したことを特徴とする油滴供給装置。 - ヒータの加熱により粘度が下がった50〜100ピコリットルの機械油の油滴を、目標点に向けてノズルから吐出する油滴吐出器を検査する油滴吐出器検査方法であって、
前記油滴吐出器により、平面部材上の目標点に向けて前記ノズルから斜め上方に機械油の油滴を複数回吐出する油滴吐出ステップと、
前記油滴吐出器により複数回吐出されて前記平面部材に着滴した機械油の油滴を撮影する撮影ステップと、
前記撮影した各機械油の油滴の画像によって、前記機械油の油滴ごとの着滴位置を取得する着滴位置取得ステップと、
前記取得した各機械油の油滴の着滴位置の統計に基づいて、前記油滴吐出器が吐出する機械油の油滴の着滴位置の目標点に対する精度を取得する精度取得ステップと、
を含むことを特徴とする油滴吐出器検査方法。
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