JP6479507B2 - 有機性排水の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、有機性排水の処理装置に関する。
従来、有機性排水を浄化処理する手段として、経済性の観点より微生物による処理が多く用いられている。大別すると、酸素を必要としない嫌気性微生物を利用する嫌気処理と酸素必要とする好気微生物を利用する好気処理に分けられる。一般に嫌気処理は、以下のメリットがある。
・有機汚濁物質を分解する際に酸素を必要としない嫌気性微生物により水処理を行うため、水中に空気を送り込む動力が不要のため、好気微生物を利用した処理方法よりも低コストで処理できる。
・好気微生物は有機物1g除去あたり約0.4〜0.6g増殖するのに対し、嫌気性微生物は有機物1g除去あたり約0.1g程度の増殖であることから、有機物除去あたりの汚泥発生量を大幅に削減できる。
・有機物をメタン生成菌の働きでメタンまで分解するため、出てきた発生ガスからのエネルギー回収が可能である。
一方で、嫌気性微生物は好気微生物に比べ、一般的に増殖が遅く、有機物の摂取速度が遅いことから、嫌気処理には以下のデメリットがある。
・水処理の立上げに時間がかかる。
・一旦、系外に微生物が流出すると、処理の回復に時間がかかる。
・菌体あたりの有機物除去量は好気微生物よりも少なく、リアクタ内に多くの微生物を確保する必要がある。
嫌気性微生物を利用した処理方法としては、嫌気性ろ床法、上向流式嫌気汚泥床法(Upflow Anaerobic Sludge Blanket,以下UASB法という)、膨張粒状汚泥床法(Expand Granular Sludge Blanket,以下EGSB法という)、嫌気流動床法などがある。
これらの方法は嫌気性微生物をできるだけ反応リアクタ内に多く確保するために開発されたものであり、以下の2つに大別される。一つは、UASB法やEGSB法のように嫌気性微生物が集積し、自己造粒作用によって造粒したグラニュールを利用した処理方式である。もう一つは、嫌気性ろ床法や嫌気流動床法のように微生物を保持するための担体に嫌気性微生物を付着させて処理する処理方式である。
後者の処理方式の担体としては、活性炭、プラスチック、セラミック、炭素繊維、ゲル状のポリマー等様々なものが用いられる。形状としては、球状、円柱状、ひも状などがあり、また、微生物の付着面が大きくなるように表面が加工されたものが用いられる場合も多い。
前者のグラニュールを利用した処理方式は、担体を利用しないため、初期コストが安価であるというメリットがある。一方、原水の条件によっては、造粒したグラニュールの崩壊、小粒化により、微生物がリアクタから流出し処理が悪化する場合がある。
また、後者の担体を利用した処理方式に関しては、担体に微生物を担持しているために付着量を適正管理すれば、安定処理が可能であること、廃水種類の適用性が広いというメリットがある。
担体を利用した方式において、安定処理を実現するためには、担体に付着している生物量を適正管理する必要がある。担体への過剰な生物膜の付着は、処理水の濁度低下の要因になる。また、生物の付着過剰により水の流れが不均一になり、担体と被処理液の接触効率が低下し、有機物除去性能が低下する場合がある。一方で、付着している生物膜量が不十分では、生物の絶対量が不足するため、有機物の処理性能が悪化する。
しかしながら担体への生物膜の付着状況の確認は容易ではなく、従来は、処理悪化を招いてから初めて、生物膜の適正な付着量のための対処を行う場合があった。
特開2012−76000号公報
本発明が解決しようとする課題は、担体への生物膜の付着量を適切に制御することができる有機性排水の処理装置を提供することである。
実施形態の有機性排水の処理装置は、嫌気処理リアクタと、微生物付着量判定機構と、流量制御機構と、微生物量制御機構とを持つ。
嫌気処理リアクタは、嫌気性微生物を付着させる担体が貯留され、かつ処理水が通水される。
微生物付着量判定機構は、担体に対する嫌気性微生物の付着量を判定する。
流量制御機構は、微生物付着量判定部の判定結果に基づき、嫌気処理リアクタに対する処理水の流量を制御する。
微生物量制御機構は、微生物付着量判定部の判定結果に基づき、担体への嫌気性微生物の付着を促進させる促進剤を嫌気処理リアクタに供給する。
微生物付着量判定機構は、サンプリング流路と、撮像装置と、付着量判定部と、を備える。
サンプリング流路は、嫌気処理リアクタから担体の一部を取り出す。
撮像装置は、サンプリング流路に備えられて担体を撮像する。
付着量判定部は、撮像装置の解析結果に基づき担体への嫌気性微生物の付着量を判定する。
第1の実施形態の有機性排水の処理装置を示す模式図。 第1の実施形態の有機性排水の処理装置の動作を説明するフローチャート。 第2の実施形態の有機性排水の処理装置を示す模式図。 第3の実施形態の有機性排水の処理装置を示す模式図。 第4の実施形態の有機性排水の処理装置を示す模式図。 第4の実施形態の有機性排水の処理装置の動作を説明するフローチャート。
以下、実施形態の有機性排水の処理装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態の有機性排水の処理装置1は、図1に示すように、嫌気性微生物を付着させる担体12が貯留され、かつ処理水が通水される嫌気処理リアクタ11と、担体12への嫌気性微生物の付着量を判定する微生物付着量判定機構21と、嫌気処理リアクタ11に対する処理水の流量を制御する流量制御機構31と、嫌気性微生物の担体12への付着を促進させる促進剤を供給する微生物量制御機構41と、から構成されている。また、処理装置1には、原水供給部32と、嫌気処理リアクタ11にそれぞれ接続された供給路33及び排出路34と、供給路33と排出路34をバイパスする循環路35とが備えられている。
図1に示す処理装置1においては、処理水の原水が原水供給部32から供給路33を介して嫌気処理リアクタ11に送られ、嫌気処理リアクタ11において嫌気処理された処理水が排出路34に排出され、処理水の一部が循環路35を介して供給路33に戻され、処理水の残部は系外に排出される。また、微生物付着量判定機構21の判定結果に基づき、担体12への微生物の付着量が過剰な場合は流量制御機構31を作動させて担体12から微生物を剥離させるようにし、微生物の付着量が不足する場合は微生物量制御機構41を作動させて担体12に微生物を付着させる。以下、処理装置1の構成について詳細に説明する。
嫌気処理リアクタ11(以下、リアクタ11という場合がある)は、担体12を貯留する中空筒状の容器である。リアクタ11の下端に処理水の流入口11aが設けられ、上部に処理水の排出口11bが設けられている。また、リアクタ11の上端には嫌気処理に伴って発生したガスの排気口11cが設けられている。リアクタ11には、微生物を付着させる担体12が貯留されている。処理水は、リアクタ11の下部から上部に向けて流れるように構成されている。流入口11aから流入された処理水は、担体12を通過する際に嫌気性微生物による嫌気処理が行われる。担体12を通過した処理水は排出口11bから外部に排出される。嫌気処理時に発生したガスは、排気口11cから排出される。
担体12としては、例えば、活性炭、プラスチック、セラミック、炭素繊維、ゲル状のポリマー等様々なものが用いられる。形状としては、球状、円柱状、ひも状などが例示される。また、微生物の付着面が大きくなるように表面が加工されたものを用いることが好ましい。
リアクタ11内の担体12の充填量は、担体12を固定化して使う嫌気ろ床法の場合は、充填量を50%以上にすることが好ましい。担体を流動させて使う流動床法では担体流動のために30〜80%の間で使うことが好ましい。
微生物付着量判定機構21は、リアクタ11の入側における処理水の水圧を測定する圧力計22と、出側における処理水の水圧を測定する圧力計23と、圧力計22、23によって測定された水圧の差に基づいて担体12への嫌気性微生物の付着量を判定する付着量判定部24と、が備えられている。
圧力計22は、リアクタ11の流入口11a近くの供給路33に備えられており、リアクタ11に流入する処理水の水圧を測定できるようになっている。また、圧力計23は、リアクタ11の排出口11b近くの排出路34に備えられており、リアクタ11から排出される処理水の水圧を測定できるようになっている。各圧力計22、23は、信号回線を介して付着量判定部24に接続されており、測定結果を付着量判定部24に出力できるようになっている。
付着量判定部24は、圧力計22、23から出力された水圧の測定値に基づき、リアクタ11の入側及び出側における処理水の水圧差を算出し、この水圧差に基づき、担体12への嫌気性微生物の付着量を判定する。担体12への微生物の付着量が少ないと、処理水の通過抵抗が低くなり、水圧差が小さくなる。一方、担体12への微生物の付着量が多いと、処理水の通過抵抗が高くなり、水圧差が高まる。水圧差を計測することで、担体12への微生物の付着量を判定できる。
また、付着量判定部24には、差圧判定値設定部25が接続されている。差圧判定値設定部25には、水圧差と微生物付着量との関係が処理水の流量別に予め記憶されている。例えば、リアクタ11における処理水の流量がXである場合に、水圧差がP1〜P2の範囲内であれば微生物の付着量は適切であり、水圧差がP1未満では付着量が少なく、P2を超えている場合は付着量が過剰であるといったデータが保存されている。リアクタ11における流量Xに応じて、適正範囲の下限値P1及び上限値P2が付着量判定部24に出力される。
次に、流量制御機構31は、リアクタ11に処理水の原水を供給する原水供給部32と、原水供給部32からリアクタ11に原水を送る原水ポンプ32cと、リアクタ11から排出された処理水の一部を供給路33に戻す循環ポンプ38と、流量調整部36と、から構成されている。
流量制御機構31は、原水供給部32、原水ポンプ32c及び循環ポンプ38と、これらを制御する流量調整部36とから構成され、リアクタ11を通過する原水と循環水の流量を調整する。
原水供給部32は、処理水の原水を貯留する原水槽32aと、原水槽32aから供給路33に原水を送る原水路32bと、原水路32bの途中に設けられた原水ポンプ32cとから構成されている。原水槽32aには、有機性排水の発生源から排出された排水が貯留される。原水ポンプ32cは、通信回線等を介して流量調整部36に接続されており、流量調整部36の指令に基づき原水の供給流量を調整できるようになっている。
供給路33の一端には、原水路32bと循環路35と後述する返送路とが接続されている。また、供給路33の他端は、リアクタ11の流入口11aに接続されている。この構成より、原水供給部32から供給された原水と、循環路35から供給された処理水とが供給路33において合流され、リアクタ11に供給できるようになっている。
排出路34の一端は、リアクタ11の排出口11bに接続されている。また、排出路34の途中には、分離槽37が備えられている。この分離槽37において、排出路34から循環路35が分岐されている。循環路35の途中には、循環ポンプ38が備えられている。循環ポンプ38は、通信回線等を介して流量調整部36に接続されており、流量調整部36の指令に基づき循環路35を流れる処理水の流量を調整できるようになっている。
分離槽37は、処理水に含まれる固形分を沈降させる固液分離槽37aと、上澄み水貯留槽37bと、固液分離槽37a及び上澄み水貯留槽37bを仕切る仕切り板37cとが備えられている。固液分離槽37aの仕切り板37c上端とほぼ同じ高さの位置に、処理水を処理装置1の系外に排出する排出路34が接続されている。また、上澄み水貯留槽37bには循環路35が接続されている。
固液分離槽37aの底部には、返送路39の一端が接続されている。返送路39の他端は、供給路33に接続されている。返送路39の途中には、流量調整部36の指令に基づき作動する返送ポンプ40が備えられている。返送路39によって、固形分をリアクタ11に返送できるようになっている。
流量調整部36は、付着量判定部24の判定結果に基づき、循環ポンプ38によって循環路35を流れる処理水の流量、原水ポンプ32cによって原水路32bを流れる原水の供給量を制御し、更に必要に応じて、促進剤の供給量をも制御する。
微生物量制御機構41には、促進剤が貯留される促進剤タンク42と、流量調整部36の指令に基づいてリアクタ11への促進剤の供給量を制御する促進剤ポンプ44と、が備えられている。
促進剤タンク42には、担体12に対する微生物の付着量を増大させる促進剤が貯留されている。促進剤としては、クオラムセンシング促進剤であるAHL(N-アシル-L-ホモセリンラクトン)類を用いることが好ましい。AHL類のようなクオラムセンシング促進剤を用いることで、グラム陰性の嫌気性菌の相互コミュニケーションが活発となり、菌体からの粘性物質の放出が促進される。この粘性物質によって、担体12への嫌気性菌バイオフィルムの形成が促進される。促進剤は、促進剤供給路43を経由してリアクタ11に供給される。
次に、図1に示す処理装置1の動作を説明する。本実施形態の処理水の動作は、通常運転と、保守運転に分けられる。以下、各動作について説明する。
まず、通常運転について説明する。
通常運転では、流量調整部36からの指令に基づいて原水供給部32の原水ポンプ32c及び循環ポンプ38が運転状態になっている。一方、返送ポンプ40及び促進剤ポンプ44は停止状態になっている。
有機性排水の発生源から集められた有機性排水は、原水槽32aに貯留されて処理水の原水とされる。原水槽32aに貯留された処理水の原水は、原水路32bを通って供給路33に流入する。また、供給路33には、循環路35からの処理水も流入する。供給路33において合流した処理水はリアクタ11に流入し、リアクタ11内の担体12表面に付着した嫌気性微生物によって嫌気処理がなされる。嫌気処理後の処理水は、リアクタ11から排出路34に排出される。嫌気処理に伴って発生したガスは、排気口11cからリアクタ11の外部に排出される。
排出路34に排出された処理水は、固液分離槽37aにおいて固液分離され、処理水の一部は再び排出路34を通って処理装置1の系外に排出され、処理水の残部は上澄み水として仕切り板37cを越えて上澄み水貯留槽37bに流入される。上澄み水貯留槽37bに流入した処理水の上澄み水は、循環ポンプ38によって吸い上げられ、循環路35から供給路33に送られる。固液分離槽37aによって、循環路35に流入する処理水の固形分濃度が低減される。
処理水中の有機物は、リアクタ11中の担体12に付着した嫌気性菌の働きにより、メタンと二酸化炭素まで分解されてバイオガスとなる。発生したバイオガスは排気口11cから排出される。バイオガスはメタンを60%以上含有するものであり、バイオガス中の腐食性成分のガス処理をした後に、ボイラの熱源や発電機のエネルギー源として利用される。
原水の供給とともに循環路35によって処理水を循環させることで、リアクタ11における処理水の通水量を増大させて、リアクタ11内で担体12を流動させる。担体12を流動させることで、嫌気処理が効率よく行なわれ、また、担体12同士の凝集が防止される。更に、処理水を循環させてリアクタ11に何度も通水させることで、嫌気処理の処理効率が高められる。
循環流量及び原水の流量は、担体12の沈降性と流動性や担体の種類等に応じて、適正な流量に設定される。循環流量及び原水の流量が適正流量であれば、リアクタ11から流出する担体12はほとんど発生しないが、一部の担体12にはバイオガスが付着し、担体12の比重が軽くなることにより浮上する。この浮上した担体は、排出路34によってリアクタ11から排出された後、分離槽37に設置された固液分離槽37aにより分離され、ある程度の量が溜められたところで返送路39を介してリアクタ11に戻される。
通常運転の間、圧力計22、23によってリアクタ11の入り側及び出側での処理水の水圧差が常に計測される。循環路35を流れる処理水の流量と原水の流量との和が一定であり、リアクタ11内部の担体量・生物量が一定であれば、リアクタ入側と出側での処理水の水圧の圧力差は一定である。担体12に付着する生物膜量が多くなるとこの圧力差は上昇し、生物膜量が少なくなると圧力差は低下する。処理水の圧力差が所定の範囲にある限り、通常運転を続けることができる。
次に、保守運転について説明する。
リアクタ11の入側での処理水の水圧と出側での処理水の水圧との圧力差が所定の範囲から外れた場合、例えば流量Xにおける水圧差の適正範囲の下限値P1未満になるか、上限値P2を超える場合、付着量判定部24がこれを検知し、処理装置1は通常運転から保守運転に移行する。
付着量判定部24は、リアクタ11の入側と出側の処理水の水圧差と、差圧判定値設定部25にあらかじめ設定された水圧差の下限値及び上限値との比較結果に応じて、図2に示す手順で動作する。
図2のステップ1において、水圧差が適正範囲の上限値P2を超えた場合は、付着判定部24が「付着過剰」と判断してステップ2に進み、担体12の洗浄工程に入る。
ステップ2における担体12の洗浄工程では、まず、付着量判定部24が流量調整部36に対して洗浄工程に移行するように指令する。流量調整部36は、原水供給部32の原水ポンプ32cを停止させるとともに、循環ポンプ38の流量を通常運転量より増大させる。これにより、リアクタ11内の処理水の上昇線流速を向上させて、担体12からの微生物の剥離を促進させる。
微生物の剥離に必要な上昇線流速は担体12の性状により異なるが、通常運転時のリアクタ11における流速に対して、5倍以上の流速で所定時間(1〜10分程度)運転することで剥離が促進される。剥離された微生物は固形分として処理水とともに分離槽37に搬送され、固液分離槽37aの底部に貯留される。貯留された固形分は最終的に、汚泥として排出処理される。
循環ポンプ38の流量を通常運転量より増大させてから所定時間の経過後、水圧差が適切な範囲内に戻ったかどうかを確認するために、リアクタ11を流れる処理水の流量を洗浄開始前の水準に戻す。その後、水圧差の再測定を行う。より具体的には、原水ポンプ32cを停止させたまま、リアクタ11を流れる処理水の流量が、洗浄開始前に水圧差を測定した際の流量になるように、循環ポンプ38の流量を調整する。あるいは、原水ポンプ32cの作動を再開させ、循環ポンプ38の流量及び原水ポンプ32cの流量を洗浄開始前の水準に戻してもよい。
このように流量を制御する理由は、リアクタ11の入り側と出側の水圧差が処理水の流量の影響を受けるため、一定の流量で水圧差を測定する必要があるためである。
次いで、図2のステップ1に戻り、リアクタ11の入側と出側の間における処理水の水圧差を計測し、処理水の水圧差が適正範囲の上限値を超えているかどうかを再判定する。
ステップ1において処理水の水圧差が適正範囲の上限値P2より高い場合は、再びステップ2に進み、循環ポンプ38による処理水の流量を1回目と同程度若しくは1回目よりも上昇させて、所定時間運転する。このように、処理水の水圧差が上限値P2以下になるまで、ステップ1とステップ2の動作を交互に繰り返す。
一方、ステップ1において処理水の水圧差が適正範囲の上限値P2以下であった場合は、ステップ3に進む。ステップ3において処理水の水圧差が適正範囲の下限値P1以上であった場合は、ステップ4に進んで通常運転に復帰する。具体的には、原水の供給量及び循環流量を通常運転の状態に戻す。
次に、洗浄工程の終了後、または通常運転中に、リアクタ11の入側と出側の間における処理水の水圧差が適正範囲の下限値未満になった場合は、ステップ3に進む。ステップ3において、担体12に対する微生物の付着量が「付着不足」であると付着量判定部24が判断した場合は、ステップ5に進む。
ステップ5においては、付着量判定部24が流量調整部36に対して付着促進工程に移行することを指令する。流量調整部36は、原水ポンプ32c及び循環ポンプ38を通常運転の流量にする。また、流量調整部36は、促進剤ポンプ44を作動させて、促進剤をリアクタ11に供給し、担体12への生物膜付着を促進する。促進剤であるAHLの注入率は、数マイクロモル/L〜数ナノモル/Lのオーダーであることが望ましい。付着促進工程の終了後、ステップ1に戻り、制御フローを継続する。
なお、AHLの注入量は、原水ポンプ32cの流量や循環ポンプ38の流量に比べ非常に少量であるため、促進剤の流量が水圧差に与える影響はほとんど無視できる。従って、促進剤の注入中も水圧差を継続して測定し、水圧差が適正範囲の下限値を超えた時点で、促進剤ポンプ44を停止させて付着促進工程を終了し、通常運転に移行してもよい。
以上説明したように、嫌気性微生物が担体12に過剰に付着していると、リアクタ11における処理水の通水量が低下して処理効率が低下するか、または、担体12の層を通過する処理水の通水箇所が特定の箇所に限定されてしまい、担体12の全体を嫌気処理に利用できなくなる。一方、担体12への嫌気性微生物の付着量が不足すると、処理効率が低下する。
そこで、本実施形態有機性排水の処理装置1では、微生物付着量判定機構21により、担体12に対する嫌気性微生物の付着量が判定される。付着量が過剰と判定された場合は、その結果が付着量判定部24から流量制御機構31に伝達され、流量制御機構31はリアクタ11に対する処理水の流量を増大させる。流量が増大された処理水によって担体に剪断応力が印加され、担体12に付着された微生物が除去され、微生物の付着量が適量になる。
一方、微生物付着量判定機構21によって微生物の付着量が不足すると判定された場合は、その結果が微生物付着量判定機構21から微生物量制御機構41に伝達され、微生物量制御機構41は担体12への嫌気性微生物の付着を促進させる促進剤を供給する。これにより、担体12に付着する微生物量が増大し、微生物の付着量が適量になる。
このように本実施形態の処理装置1によれば、微生物付着量判定機構21の判定結果に基づき、流量制御機構31または微生物量制御機構41によって、担体12への微生物の付着量を常に適切な量に制御するので、有機性排水の処理効率を一定に維持することができる。
また、微生物付着量判定機構21には、圧力計22、23と付着量判定部24とが備えられており、リアクタ11の入側及び出側における処理水の水圧差に基づいて担体12への嫌気性微生物の付着量を判定するので、いつでも迅速かつ容易に、微生物の付着量を判定できる。
また、本実施形態の処理装置1では、付着量判定部24において微生物が適量と判定された場合は、原水の流量と循環路35における処理水の流量を定常状態にして、通常運転を継続する。原水の供給量が変動する場合は、循環路35を流れる処理水の流量を調整して、リアクタ11を流れる処理水の通水量を常に一定にする。
付着量判定部24において微生物が過剰と判定された場合は、流量調整部36の指令により循環路35を流れる処理水の流量を定常状態よりも増大させることで、リアクタ11における処理水の通水量を増大させ、微生物を担体から剥離させて、担体への微生物の付着量を適量にする。
付着量判定部24において微生物が不足と判定された場合は、流量調整部36からの指令により促進剤を供給させることで、微生物を増殖させて、担体12への微生物の付着量を適量にする。
以上のように、付着量判定部24の判定結果に基づき、流量調整部36が、循環路35を流れる処理水の流量、原水の供給量、及び促進剤の供給量を制御することで、微生物の量を適量に維持しながら処理水の嫌気処理を進めることができる。
また、流量調整部36は、通常運転及び保守運転の微生物の付着工程において、循環路35を流れる処理水の流量、原水の供給量、及び促進剤の供給量の合計流量を常時一定に制御するので、嫌気処理リアクタの入側と出側での水圧差に基づき、微生物の付着量を適切に監視できる。
また、排出路34の途中に分離槽37を設けることで、リアクタ11から排出された処理水中の微生物を固形分として回収できる。また、上澄みの一部を循環路35に送ることで、処理水中の固形分の濃度を低減でき、リアクタ11への微生物の余分な返送を防止できる。
また、分離槽37によって分離された固形分の一部を供給路33に戻すための返送路39が備えられており、担体12への微生物の付着量が不足する場合、または担体12自体が不足する場合であって、促進剤による微生物の増殖に時間を要する場合は、分離槽37に溜められた固形分を返送路39によってリアクタ11に返送させることで、リアクタ11内の微生物量を迅速に回復させ、早期に嫌気処理を再開させることができる。
また、微生物量制御機構41には、促進剤タンク42と促進剤ポンプ44とが備えられ、流量調整部36を介して微生物付着量判定部24から通知された微生物の過不足の状況に基づき、促進剤ポンプ44によって促進剤の供給量を制御するので、促進剤を適切に供給できる。
なお、本実施形態の微生物量制御機構41は、リアクタ11の処理負荷の上限を超えない範囲で促進剤を供給するように構成されている。促進剤の供給量がリアクタ11の処理負荷の上限を超えると、微生物にとって富栄養化された状態になり、処理水の水質が急速に悪化してしまう。そこで本実施形態では、リアクタ11の処理負荷の上限を超えないように促進剤を供給することで、富栄養化による処理水の水質の悪化を防止できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の処理装置101について図3を参照して説明する。図3に示す処理装置101は、微生物量制御機構の促進剤タンクに貯留される促進剤の種類が、第1の実施形態の処理装置1と異なっている。促進剤の種類が異なること以外は、本実施形態の処理装置の構成は第1の実施形態の処理装置1の構成と同一である。そこで、以下の説明では、図3に示す処理装置101の構成のうち、第1の実施形態の処理装置1と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の処理装置101は、リアクタ11と、微生物付着量判定機構21と、流量制御機構31と、促進剤を供給する微生物量制御機構141と、から構成されている。本実施形態の微生物量制御機構141は、促進剤が貯留される促進剤タンク142と、流量調整部36の指令に基づいてリアクタ11への促進剤の供給量を制御する促進剤ポンプ44と、が備えられている。
促進剤タンク142には、担体12に対する微生物の付着量を増大させる促進剤が貯留されている。本実施形態の促進剤には、炭水化物または糖類を主成分とする液が用いられる。例えば清涼飲料製造工程で排出される廃液等を例示できる。処理水の原水の化学的酸素要求量(CODcr)(有機物濃度)に比べて10倍以上の化学的酸素要求量を有する液が望ましい。
次に、本実施形態の処理装置101の動作について説明する。通常運転及び保守運転のうちの洗浄工程については、第1の実施形態と同様であり、付着促進工程の動作が第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態の付着促進工程について説明する。
付着量判定部24においてリアクタ11の入り側と出側での処理水の水圧差が下限値P1未満になった場合に、担体12に対する微生物の付着量が「付着不足」と判断される。付着量判定部24は流量調整部36に対して、付着促進工程に移行することを指令する。流量調整部36は、原水ポンプ32cを停止させ、循環ポンプ38及び促進剤ポンプ44を作動させる。促進剤ポンプ44を作動させることで、促進剤をリアクタ11に供給し、担体12への生物膜付着を促進する。このときの促進剤の供給流量は、以下の式で算出される流量以下となるようにし、通常の処理負荷量よりも低い有機物負荷で生物膜の付着を促進させる。
Qa<Qin・Sin/Sa … (1)
式1におけるQa、Qin、Sin及びSaは以下の通りである。
Qa:進剤の供給流量[m3/min]
Qin:通常運転時の原水の流量[m3/min]
Sa:促進剤の化学的酸素要求量(CODcr)[g/m3]
Sin:処理水の原水の化学的酸素要求量(CODcr)[g/m3]
また、この工程における循環ポンプの運転流量は以下の式(2)の通りに設定し、リアクタ11の入り側と出側における処理水の流量が、通常運転時の流量と同じになるようにする。リアクタ11に流入する処理水の流量が一定であり、リアクタ11内の生物膜量が一定であれば、差圧は一定になるため、差圧により微生物膜の付着量を判定できる。
Qa_cir=Qcir+(Qin-Qa) … (2)
式2におけるQa_cir=Qcirは以下の通りである。また、Qin及びQaは式(1)と同様である。
Qa_cir:付着促進工程における循環流量[m3/min]
Qcir:通常運転における循環流量[m3/min]
そして、リアクタ11の入り側と出側における処理水の水圧差が所定の差圧に達したところで、促進剤ポンプ44を停止させ、原水ポンプ32cの運転を再開させ、また、循環流量を通常運転における循環流量に戻して、通常運転に戻す。
ここで、付着促進工程においては、水圧差を監視しながら促進剤を投入し、水圧差が適切な範囲になったところで促進剤の注入を停止させる制御を可能にするために、リアクタ11を流れる処理水等の流量を、通常運転の流量と同程度にする必要がある。
その一方で、本実施形態では、促進剤の種類が第1の実施形態と異なるため、促進剤の流量を第1の実施形態の場合より大きくする必要がある。そこで本実施形態では、循環路35を流れる処理水の流量を上記式(2)に従って調整することで、リアクタ11を流れる処理水等の流量を、通常運転の流量と同程度にすることが可能になる。
本実施形態によれば、促進剤として廃液を用いるので、促進剤のコストを抑制できる。
また、付着促進工程におけるリアクタの入り側と出側の処理水の流量を通常運転時の流量と同じになるように管理することで、水差圧の監視のみで、付着促進工程の停止タイミングを判定できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の処理装置201について図4を参照して説明する。図4に示す処理装置201は、リアクタに、ガスによって担体12を撹拌するためのガス供給部が備えられており、この点において第1の実施形態の処理装置1と異なっている。ガス供給部が設けられていること以外は、本実施形態の処理装置の構成は第1の実施形態の処理装置1の構成と同一である。そこで以下の説明では、図4に示す処理装置201の構成のうち、第1の実施形態の処理装置1と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の処理装置201は、リアクタ211と、微生物付着量判定機構21と、流量制御機構31と、促進剤を供給する微生物量制御機構41と、から構成されている。本実施形態のリアクタ211には、ガス供給部212が備えられている。
ガス供給部212は、バイパス配管213と、バイパス配管213の途中に設けられた弁214とから構成されている。バイパス配管213は、排気口11cから排出されたバイオガスの一部を、リアクタ211の下部からリアクタ211内に吹き込むための配管である。また、弁214はバイパス配管213を流れるバイオガスの流量を調整可能な流量調整弁であってもよく、バイオガスの供給を遮断可能な遮断弁でもよい。弁214は通信回線等を介して流量調整部36に接続されている。
次に、本実施形態の処理装置201の動作について説明する。
通常運転と、保守運転のうちの付着促進工程については、第1の実施形態と同様であり、洗浄工程の動作が第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態の洗浄工程について説明する。
付着量判定部24においてリアクタ11の入り側と出側での処理水の水圧差が上限値P2超になった場合に、担体12に対する微生物の付着量が「付着過剰」と判断される。付着量判定部24は流量調整部36に対して、洗浄工程に移行することを指令する。流量調整部36は、原水供給部32の原水ポンプ32cを停止させるとともに、循環ポンプ38の流量を通常運転時の流量より増大させる。これにより、リアクタ11内の処理水の上昇線流速を向上させて、担体12からの微生物の剥離を促進させる。同時に、流量調整部36から弁214を開ける指令を発し、ガス供給部212によってバイオガスをリアクタ11の下部から吹き込ませる。
ガス供給部212のガス吹き出し部は複数の穴が開いた形の配管となっており、気泡流によって、担体12の洗浄を行う。数分(1〜5分)程度洗浄を行った後、弁214を閉とする。その後、通常運転に戻す。剥離された固形分はリアクタ11から流出し、分離槽37にて回収される。
以上の説明では、循環路35からリアクタ11に処理水を流入させながらガス供給部212によってバイオガスを吹き込む例を説明したが、本実施形態ではこれに限らず、循環路35からリアクタ11への処理水の流入を一時的に停止させ、その間にガス供給部212からバイオガスを吹き込ませて微生物膜の剥離を促進させ、バイオガスの吹き込み終了後に循環路35からの処理水の流入を再開させてもよい。このように、ガスの吹き込みと処理水の流入を交互に行ってもよい。
また、ガス供給部212によって供給するガスは、バイオガスに限らず、酸素が含まれないガスであれば、どのような種類のガスでもよい。
また、ガス供給部212は、第2実施形態の処理装置101に適用してもよい。
本実施形態によれば、担体12への微生物の付着量が過剰な場合に、ガス供給部からリアクタ内にガスを供給して担体12を撹拌させることで、担体12に付着した微生物の剥離を促進させることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態の処理装置301について図5を参照して説明する。図5に示す処理装置301では、微生物の付着量を判定する指標として、処理水の水圧差ではなく、担体の撮像データを用いる。すなわち、微生物付着量判定機構の構成が第1の実施形態の処理装置1と異なっている。その他の構成は、第1の実施形態の処理装置1の構成と同一である。以下の説明では、図5に示す処理装置301の構成のうち、第1の実施形態の処理装置1と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の処理装置301は、リアクタ11と、微生物付着量判定機構321と、流量制御機構31と、促進剤を供給する微生物量制御機構41と、から構成されている。本実施形態の微生物付着量判定機構321には、リアクタ11から担体12の一部を取り出すサンプリング流路322と、サンプリング流路322に備えられて担体12を撮像する撮像装置323と、撮像装置323の解析結果に基づき担体12への嫌気性微生物の付着量を判定する付着量判定部324と、が備えられている。
サンプリング流路322は、リアクタ11内部に貯留されている担体12を撮像装置323まで導く配管であり、一端がリアクタ11の側壁に接続され、他端が供給路33に接続されている。サンプリング流路322には遮断弁322aが設けられている。遮断弁322aは通信回線等を介して流量調整部36に接続されている。また、サンプリング流路322にはサンプリングポンプ322bが設けられている。サンプリングポンプ322bは通信回線等を介して流量調整部324に接続されている。サンプリングポンプ322bは、遮断弁322aが解放されている間に作動して、担体12をサンプリング流路322に引き込むようになっている。サンプリングポンプ322bは、定期的に作動すればよく、微生物の成長速度を鑑みると、例えば数時間〜1日の間隔で、判定に必要な時間だけ作動すればよい。
撮像装置323は、撮像カメラ323aと画像解析部323bとから構成されている。撮像カメラ323aは静止画、動画のいずれを撮像するものであってもよい。画像解析部323bは、数十〜数百個分の担体12の形状・色を解析するものであり、解析結果を付着量判定部324に出力する。
画像解析部323bは、微生物の付着量を判定するための判定値を計算する。判定値には、次の2種類の判定値a及び判定値bを例示できる。画像解析部323bにおいてこれらの判定値a、bを算出し、結果を付着量判定部324に出力する。
判定値aは、担体の大きさの変化に着目した判定値である。微生物が付着した状態の担体12の大きさ(直径)が、もとの担体12の大きさよりも1mm以上大きくなっている個数の百分率を判定値aとする。
判定値bは、担体の色の変化に着目した判定値である。微生物が付着することで黒色に変色した担体の個数の百分率を判定値bとする。
微生物の付着量が多くなるほど、判定値a、bがともに高くなる。
付着量判定部324は、画像解析部323bから出力された判定値a、bに基づき、担体12への嫌気性微生物の付着量を判定する。また、付着量判定部324には、判定値設定部325が接続されている。判定値設定部325には、判定値aまたは判定値bの適正範囲の下限値及び上限値が予め記憶されており、これら上限値及び下限値が付着量判定部324に出力される。
例えば、判定値aが下限値a1未満である場合は、微生物の付着量が不足していると判定され、判定値aが上限値a2を超える場合は、微生物の付着量が過剰と判定される。同様に、判定値bが下限値b1未満である場合は、微生物の付着量が不足していると判定され、判定値bが上限値b2を超える場合は、微生物の付着量が過剰と判定される。
担体12の大きさを指標とする判定値aの下限値a1は例えば50%に設定でき、上限値a2は例えば80%に設定できる。
また、担体12の色の変化を指標とする判定値bの下限値b1は例えば50%に設定でき、上限値b2は例えば95%に設定できる。
判定値a、bは、いずれか一方を用いればよい。また、判定値a、bの両方を付着量判定部324に出力して、判定値aを下限値a1の判定に用い、判定値bを上限値b2の判定に用いてもよく、その逆でもよい。
また、微生物の付着量の判定頻度は、サンプリングポンプ322bの作動時間に合わせればよく、例えば数時間〜1日の間隔で実施すればよい。
判定の結果、微生物の付着量が適正であれば通常運転を継続し、付着量が過剰または不足であれば、保守運転に移行する。
保守運転の洗浄工程では、第1の実施形態と同様に、処理水の流量を通常の運転流量(流速)に対して、5倍以上の流量(流速)で所定時間(1〜10分程度)流せばよい。洗浄工程終了後、再度担体12のサンプリング及び撮像を行い、判定値aまたはbが適正範囲ならば、通常運転に戻る。判定値aまたはbが上限値を超えていれば、再度洗浄工程を行う。
また、付着促進工程では、第1の実施形態と同様に、促進剤を添加すればよい。促進剤を添加後の次回のサンプリング時において、判定値aまたはbが適正範囲ならば、通常運転に戻る。判定値aまたはbが下限値未満であれば、再度付着促進工程を行う。
図6に、判定値aを用いた場合の制御フローを示す。
ステップ1において、判定値aが上限値a2を超えていた場合は、ステップ2に進み、洗浄工程を行う。洗浄工程の終了後、再びステップ1に戻り、判定値aが上限値a2を超えていれば、再びステップ2に進んで洗浄工程を行い、判定値aが上限値a2以下であれば、ステップ3に進む。
ステップ3において、判定値aが下限値a1以上であれば、ステップ4に進み、通常運転に戻る。ステップ3において、判定値aが下限値a1未満であれば、ステップ5に進み、付着促進工程を行う。付着促進工程の終了後、再びステップ1に戻る。
以上の制御フローを実施すればよい。
本実施形態は、担体12を直接観察することで担体への微生物の付着量を判定するものであるから、水圧差を指標として判定する場合に比べて、判定時におけるリアクタ11の処理水の流量の制約は少ない。従って、微生物付着量の判定は、通常運転時であっても保守運転時であっても随時行うことができる。従って本実施形態では、洗浄工程中または付着促進工程中であっても、付着量の判定を行うことが可能である。
本実施形態によれば、担体12の撮像結果に基づいて担体12への嫌気性微生物の付着量を判定するので、いつでも迅速かつ容易に、微生物の付着量を判定できる。
なお、本実施形態の微生物付着量判定機構321は、第2実施形態または第3実施形態に適用してもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、微生物付着量判定機構の判定結果に基づき、流量制御機構または微生物量制御機構によって、担体への微生物の付着量を常に適切な量に制御できる。これにより、有機性排水の処理効率を一定に維持することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、101、201、301…処理装置、11…嫌気処理リアクタ(リアクタ)、12…担体、21…微生物付着量判定機構、22、23…圧力計、24、324…付着量判定部、31…流量制御機構、32…原水供給部、33…供給路、34…排出路、35…循環路、36…流量調整部、37…分離槽、39…返送路、41…微生物量制御機構、42…促進剤タンク、43…促進剤供給路、44…促進剤ポンプ、212…ガス供給部、322…サンプリング流路、323…撮像装置。

Claims (11)

  1. 嫌気性微生物を付着させる担体が貯留され、かつ処理水が通水される嫌気処理リアクタと、
    前記担体に対する前記嫌気性微生物の付着量を判定する微生物付着量判定機構と、
    前記微生物付着量判定機構の判定結果に基づき、前記嫌気処理リアクタに対する前記処理水の流量を制御する流量制御機構と、
    前記微生物付着量判定機構の判定結果に基づき、前記担体への前記嫌気性微生物の付着を促進させる促進剤を前記嫌気処理リアクタに供給する微生物量制御機構と、を備え、
    前記微生物付着量判定機構は、
    前記嫌気処理リアクタから前記担体の一部を取り出すサンプリング流路と、前記サンプリング流路に備えられて前記担体を撮像する撮像装置と、前記撮像装置の解析結果に基づき前記担体への前記嫌気性微生物の付着量を判定する付着量判定部と、を備える有機性排水の処理装置。
  2. 前記流量制御機構には、
    前記嫌気処理リアクタに前記処理水の原水を供給する原水供給部と、
    前記原水供給部から前記嫌気処理リアクタに前記原水を送る原水ポンプと、
    前記嫌気処理リアクタから排出された前記処理水の一部を、前記嫌気処理リアクタに前記原水を送る供給路に戻す循環ポンプと、
    前記微生物付着量判定機構の判定結果に基づき、前記循環ポンプによる前記処理水の流量、前記原水の供給量、及び前記促進剤の供給量を制御する流量調整部と、を備える請求項に記載の有機性排水の処理装置。
  3. 前記流量調整部は、前記循環ポンプによる前記処理水の流量、前記原水の供給量、及び前記促進剤の供給量の合計流量を常時一定に制御するように構成された請求項に記載の有機性排水の処理装置。
  4. 前記嫌気処理リアクタから前記処理水を排出する排出路と前記排水路を流れる前記処理水の一部を前記嫌気処理リアクタに戻す循環路との分岐箇所に、前記処理水中の固形分を沈降させ、固形分沈降後の前記処理水の上澄みの一部を前記循環路に送り、上澄みの残部を系外に排出させる分離槽を備える請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の有機性排水の処理装置。
  5. 前記分離槽によって分離された前記固形分の一部を前記供給路に戻すための返送路を備える請求項に記載の有機性排水の処理装置。
  6. 前記嫌気処理リアクタには、ガスによって前記担体から前記嫌気性微生物の剥離を促進するためのガス供給部を備える請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の有機性排水の処理装置。
  7. 前記微生物量制御機構には、
    前記促進剤が貯留される促進剤タンクと、
    前記流量調整部の指令に基づいて前記嫌気処理リアクタへの前記促進剤の供給量を制御する促進剤ポンプと、を備える請求項2乃至請求項の何れか一項に記載の有機性排水の処理装置。
  8. 前記微生物量制御機構は、前記嫌気処理リアクタの処理負荷の上限を超えないように、前記促進剤を供給するように構成された請求項に記載の有機性排水の処理装置。
  9. 前記促進剤が、クオラムセンシング促進剤である請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の有機性排水の処理装置。
  10. 前記クオラムセンシング促進剤がAHL(N-アシル-L-ホモセリンラクトン)類である請求項の有機性排水の処理装置。
  11. 前記促進剤が、前記原水よりも有機物濃度が高く、かつ、炭水化物、糖類のいずれかまたは両方を含有するものである請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の有機性排水の処理装置。
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