JP6479302B2 - 圧縮機およびこれを用いた冷凍サイクルシステム - Google Patents

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Description

本発明は、R32(HFC32)冷媒、またはこれを50%超えて含有する混合冷媒を用いるための圧縮機およびこれを用いた冷凍サイクルシステムに関するものである。
冷凍や、室内の冷暖房を行う空調等の冷凍サイクルシステム用の冷媒として、これまでに用いられていたR410A冷媒等に代わり、R32(HFC32)冷媒の使用が開始されている。元々、R410A冷媒は、性質の似たR32冷媒とR125冷媒とが50%ずつの比率で混合されたものであるが、R32の単一冷媒とすることにより、地球温暖化係数を1/3程度に低減することができ、しかも冷暖房時のエネルギー効率(COP値)を高められるというメリットがある。
反面、R32冷媒は、R410A冷媒に比べて圧縮機からの吐出圧力が高いため、吐出された冷媒の温度がR410A冷媒よりも高くなる。このため、圧縮機および冷媒回路の高温領域においては、R32冷媒自体およびR32冷媒に混合されている潤滑用のオイルが高温になり、この高温化した冷媒やオイルが、冷媒回路を構成する銅を含有した部材類、例えば圧縮機およびこれを駆動する電動機の軸受類や、冷媒回路を構成している配管、バルブ類等の表面に接触した際に、これらの部材類に含有されている銅の成分が無用に活性化されて銅イオンが発生し、オイル中に溶け出す。このように銅イオンが溶けだす現象は、冷媒温度が概ね100℃を超える部位において活発化する傾向がある。
このようにオイル中に含有された銅イオンは、冷媒回路中に露呈している鉄系部品の表面に銅を析出・付着させる、いわゆる銅メッキ現象(Copper Plating)を発生させる。上記の鉄系部品としては、冷媒を圧縮する圧縮機の回転軸や、圧縮機を駆動する電動機の主軸等を例示できる。これらの回転軸の表面に銅メッキ現象が発生すると、その軸受部(ジャーナル)の外周面の面粗度が悪化し、滑り軸受との間の油膜の形成が阻害されてスムーズに回転できなくなり、回転振動や焼き付き等を誘発させる原因となる。
同じく、回転軸が圧縮機のハウジングから外部に突出する箇所に設けられるメカニカルシール部に銅メッキ現象が発生すると、回転軸外周面の面粗度悪化によりオイルシールとの間の気密性が保たれなくなり、外部へのオイル漏れやガス漏れが発生してしまう問題がある。
また、R32冷媒は分子量が小さいため、R32冷媒に混合されたオイルが、R32冷媒による高希釈時に粘度低下を起こしやすく、上述の銅メッキ現象の発生を助長していた。そして、オイルの粘度低下と銅メッキ現象との相乗作用により、電動機や圧縮機の回転軸の潤滑性能を著しく低下させてしまう懸念があった。
そこで、特許文献1に開示されている気体圧縮機のように、オイルを溜める油溜りや、オイルの通路部等に、銅よりもイオン化傾向が大きい材質、例えばアルミニウムで形成した異物除去部材を配置し、オイルがこの異物除去部材の内部を循環する時に、オイルに含有されている銅イオンを異物除去部材に付着させることにより、オイル中の銅イオンを取り除いて銅メッキ現象の進行を防止するようにしたものがある。
特開2000−283080号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている気体圧縮機は、冷媒の循環経路中に銅イオンが発生することを根本的に防止したものではなく、既に発生してしまった銅イオンを所定の場所に形成した異物除去部材に付着させるというものであり、確固たる信頼性を構築できる技術とは言い難いものであった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、R32冷媒を50%超えて含有する冷媒を使用した冷凍サイクルシステムにおいて、冷媒の循環経路中に銅イオンが発生することを根本的に防止し、銅メッキ現象の発生を抑制してシステム全体の信頼性を高めることができる圧縮機およびこれを用いた冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明の態様に係る圧縮機は、R32冷媒を50%超えて含有する冷媒を使用し、少なくとも前記冷媒の温度が100℃以上になる領域において、該冷媒に接触し銅系の材質により形成された構成部品における前記冷媒と接触する表面全てに非銅系のコーティングが施されており、前記構成部品は、冷媒環境下にある回転軸を支持する軸受部であることを特徴とする。
上記構成によれば、圧縮機の構成部品のうち、少なくとも冷媒の温度が100℃を超える領域に配置されている銅系の材質により形成された構成部品における冷媒との接触面全てに非銅系のコーティングが施されているため、この部分に100℃を超える温度の冷媒やオイルが接触しても、銅イオンがオイル中に溶け出すことがない。したがって、冷媒回路中に露呈している圧縮機構や電動機の回転軸といった鉄系部品の表面に銅メッキ現象が発生しない。これにより、冷凍サイクルシステム全体の信頼性を高めることができる。
しかも従来の銅系部品の材質を変更せずに表面に非銅系のコーティングを施す(既製の部品の表面に非銅系のコーティングを施す)だけでよいため、部品全体の材質変更や、既製部品の廃棄等に伴うコストアップを回避することができる。
また、軸受部は、鉄系の部品である回転軸を支持する部分であるため、この軸受部の表面が非銅系の材料で形成されることにより、銅イオンの溶出および銅メッキ現象を有効に抑制することができる。
また、本発明に係る冷凍サイクルシステムは、上記各構成の圧縮機と、前記冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器と、前記冷媒の流れを制御する弁部材と、上記各部材の間を接続する管路部材と、を備えて冷媒回路が構成された冷凍サイクルシステムであって、前記冷媒回路のうち、少なくとも前記冷媒の温度が100℃を超える領域において該冷媒と接触する構成部品が銅系の材質により形成され、該構成部品の表面に非銅系のコーティングが施されたことを特徴とする。
上記構成の冷凍サイクルシステムによれば、冷媒回路のうち、冷媒の温度が100℃を超える領域において冷媒と接触する構成部品が銅系の材質により形成され、該構成部品の表面非銅系のコーティングが施されているため、この部分に100℃を超える温度の冷媒やオイルが接触しても、銅イオンがオイル中に溶け出すことがない。したがって、冷媒回路中に露呈している圧縮機構や電動機の回転軸といった鉄系部品の表面に銅メッキ現象が発生しない。これにより、冷凍サイクルシステム全体の信頼性を高めることができる。
しかも従来の銅系部品の材質を変更せずに表面に非銅系のコーティングを施すだけでよいため、部品全体の変更に伴うコストアップを回避することができる。
以上のように、本発明に係る圧縮機およびこれを用いた冷凍サイクルシステムによれば、R32冷媒を50%超えて含有する冷媒を使用した冷凍サイクルシステムにおいて、冷媒の循環経路中に銅イオンが発生することを根本的に防止し、銅メッキ現象の発生を抑制してシステム全体の信頼性を高めることができる。
本発明の第1実施形態を示す冷暖房空調装置の基本構成を示す回路図である。 電動圧縮機の一例を示すロータリ型圧縮機の縦断面図である。 本発明の第2実施形態を示すスクロール型圧縮機の縦断面図である。
以下、図1〜図3に基づいて本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を示す冷暖房空調装置1(冷凍サイクルシステムの一例)の基本構成を示す回路図である。この冷暖房空調装置1は、住居、事務所、店舗等に適用されるヒートポンプ式の冷暖房空調装置であり、屋外に設置される室外ユニット2と、屋内に設置される室内ユニット3とを備えた一般的な構成のものである。この冷暖房空調装置1の特徴は、冷媒としてR32(HFC32)冷媒、またはこれを50%超えて含有する混合冷媒を用いている点である。
室外ユニット2の内部には、冷媒を圧縮する密閉型の電動圧縮機4(圧縮機)と、冷媒の流れを制御する四方弁5(弁部材)と、冷媒を凝縮又は蒸発させる室外熱交換器6(熱交換器)と、冷媒の水分を除去するレシーバドライヤ7と、冷媒を膨張させる膨張弁8とが、この順番で管路部材10により接続されている。膨張弁8からは管路部材11が延びて室内ユニット3に繋がっている。なお、電動圧縮機4は、例えばロータリ型でアキュムレータ12が添設されており、室外熱交換器6には冷却ファン13が設けられている。
一方、室内ユニット3の内部には、冷媒を凝縮又は蒸発させる室内熱交換器15(熱交換器)が組み込まれ、送風ファン16が併設されている。この室内熱交換器15の一端に、室外ユニット2から延出する管路部材11が接続され、室内熱交換器15の他端から延出する管路部材17が室外ユニット2内の四方弁5を経て電動圧縮機4のアキュムレータ12に繋がっている。
四方弁5が図1の角度になっている時は、冷暖房空調装置1は冷房運転モードとなる。即ち、電動圧縮機4で圧縮され、吐出された高温・高圧の冷媒は、四方弁5を経て室外熱交換器6に流れ、ここで冷却ファン13により外気と熱交換されて冷却されることにより液相状となる。次に、レシーバドライヤ7で水分を除去されてから膨張弁8で膨張して適切な圧力に設定され、その後、管路部材11を経て室内ユニット3の室内熱交換器15に流れ、ここで気化することによって室内熱交換器15の熱を奪い、同時に送風ファン16が作動することにより、室内の空気が室内熱交換器15により冷却されて室内に吹き出され、室内の冷房に供される。室内熱交換器15で気化した冷媒は管路部材17と四方弁5とアキュムレータ12を経て再び電動圧縮機4に吸入される。
また、四方弁5が図1の角度から90度、時計回りまたは反時計回りに回動すると、冷暖房空調装置1は暖房運転モードとなる。即ち、電動圧縮機4で圧縮された冷媒は、四方弁5と管路部材17を経て室内熱交換器15に流れ、ここで送風ファン16により室内の空気と熱交換されて冷却され、液相状となる。この時、冷媒と熱交換されて暖められた空気が送風ファン16により室内に吹き出されて室内の暖房に供される。そして、室内熱交換器15を通過して液相状になった冷媒は、膨張弁8で膨張して適当な圧力に設定された後、レシーバドライヤ7で水分を除去されてから室外熱交換器6に流れ、ここで気化することによって熱を外部に逃がし、再び電動圧縮機4に吸入される。
図2は、上述した電動圧縮機4の第1実施形態を示すロータリ型圧縮機4Aの縦断面図である。このロータリ型圧縮機4Aは、後述する高温部分における材質や表面処理以外は従来のものと同様なツインロータリ型である。即ち、縦型円筒状の密閉容器であるハウジング21の内部に、圧縮機構22と、この圧縮機構22を駆動する電動機23とが上下に収容され(圧縮機構22が下側)、ハウジング21に隣接して前述のアキュムレータ12が設置されている。
ハウジング21は、冷媒の吸入口となる一対の吸入管24,25を下部側面に有し、冷媒の吐出口となる吐出管26を頂部に有する。また、ハウジング21の底部には、圧縮機構22および電動機23の潤滑に供されるオイルを溜める油溜27が設けられている。
電動機23は、金属の導線部材28がコイル状に巻かれた固定子29と、永久磁石である回転子30と、固定子29の内周で回転子30を回転させる回転軸31とを有する。鉛直に延びた回転軸31は圧縮機構22の主軸を兼ねている。圧縮機構22には、その上下に軸受部33,34が設けられており、これら各軸受部33,34に、それぞれメタル軸受331,341が嵌合され、これらのメタル軸受331,341によって回転軸31が回転自在に軸支されている。
例えばハウジング21の頂部に設けられた端子36と、固定子29(導線部材28)との間が導線部材37で結線されており、図示しない電源から端子36に供給される電力によって電磁石である固定子29が励磁され、回転子30が磁力反発して回転し、電動機23が作動して圧縮機構22が回転駆動される。
圧縮機構22は、周知のツインロータリ型圧縮機構であり、軸方向に上下に並ぶ第一圧縮部39および第二圧縮部40を有する。これらの圧縮部39,40は、シリンダ391,401およびその内部で偏心回転するリング状のロータ392,402をそれぞれ有し、回転軸31の軸方向に沿って上下に形成された偏心カム311,312によって偏心駆動されるようになっている。
アキュムレータ12は、冷媒を気液分離するセパレータであり、本体タンク42と、第一吸入管43と、第二吸入管44とを有する。本体タンク42は、密閉構造を有する略円筒形状の容器であり、頂部に冷媒入口45を有する。第一吸入管43は、一方の端部が吸入管24を経て第一圧縮部39のシリンダ391に接続され、他方の端部が本体タンク42の内部上方に開口している。第二吸入管44は、一方の端部が吸入管25を経て第二圧縮部40のシリンダ401に接続され、他方の端部が本体タンク42の内部上方に開口している。
アキュムレータ12の冷媒入口45から本体タンク42の内部に流入した気液混合状態の冷媒は、その液相部が本体タンク42の底部に流下して気化するのを待ち、既に気相状で冷媒入口45から流入した冷媒ガスおよび本体タンク42の底部で気化した冷媒ガスが第一吸入管43および第二吸入管44から、それぞれ第一圧縮部39および第二圧縮部40に供給される。
電動機23が起動すると、回転軸31が偏心カム311,312とともに回転して圧縮機構22の第一圧縮部39および第二圧縮部40を作動させることにより、吸入管24,25から供給された気相状の冷媒ガスが、シリンダ391,401とロータ392,402との間で圧縮される。圧縮された冷媒ガスはシリンダ391,401の外周面に形成された図示しない吐出口から吐出され、電動機23の内部を通り抜けて吐出管26から冷暖房空調装置1の管路部材10に供給される。
圧縮機構22の下部には、鉛直下に延びて油溜27に貯留されたオイル内に没するオイル吸込管46が設けられている。また、回転軸31の軸心部に形成されたオイル通路313がオイル吸込管46に連通している。オイル通路313には、軸受部33,34(メタル軸受331,341)にオイルを供給する複数の給油孔313aが設けられている。
回転軸31が回転すると、オイル吸込管46に掛かる遠心力により、油溜27内のオイルが、オイル吸込管46→オイル通路313→給油孔313aの順に流れ、軸受部33,34(メタル軸受331,341)と回転軸31との間、および圧縮機構22の第一圧縮部39、第二圧縮部40等の内部が潤滑される。
上記のように構成されたロータリ型圧縮機4A、およびこれを用いた冷暖房空調装置1において、少なくとも冷媒(R32)の温度が100℃以上になる各部領域においては、冷媒に接触する各構成部品の少なくとも表面を、以下に説明するように非銅系の材料により形成する。
ロータリ型圧縮機4Aにおいては、冷媒の温度が100℃以上になる可能性がある部分は、圧縮機構22の内部と、圧縮機構22から吐出された高温な冷媒が接触する電動機23の各部と、ハウジング21と、吐出管26と、オイル吸込管46等である。これら各部の材料として、銅系の材質を用いずに、アルミニウム系や鉄系、あるいは他の非銅系の金属材質を用いる。耐熱性および耐薬品性が高いものであれば樹脂材料の適用を検討してもよい。もしくは、これらの部材の表面に非銅系のコーティングを施してもよい。
圧縮機構22において、従来から銅系の材料が用いられている代表的な場所は、軸受部33,34に設けられているメタル軸受331,341である。このメタル軸受331,341を銅系や青銅系の材質から非銅系の材質のものに変更する。好適なのはアルミニウム合金メタルである。中でも銅の含有量が1.5%以下のものが望ましい。また、アルミニウム合金メタル以外に、鉄・ステンレス系等のメタル軸受(メタルブッシュ)を用いることが考えられる。
さらに、軸受部33,34にメタル軸受331,341を設けない、所謂メタルレス構造としてもよい。即ち、軸受部33,34の内周部にメタル軸受331,341を圧入する代わりに、軸受部33,34の内径を、回転軸31の軸支に好適なサイズに形成し、軸受部33,34を形成しているアルミニウム合金等の材料の表面をそのまま軸受面とする。この軸受面には、オイル通路313(給油孔313a)からのオイルが供給されるようにする。
また、変形例として、上記のように非銅系のメタル軸受を用いたりメタルレス構造とする代わりに、ボールベアリングやニードルベアリング等の転がりベアリングを用いることも考えられる。
一方、電動機23において、従来から銅系の材料が用いられている代表的な場所は導線部材28,37である。ここでは、導線部材28,37を銅線から、例えばアルミニウム系材料からなる線材に変更し、銅系の材質を削減する。もしくは、導線部材28,37を銅線で形成し、その表面に樹脂等を厚くコーティングして銅イオンの流出を防止する。
ハウジング21と吐出管26とオイル吸込管46等の管部材については、これまで用いられていた銅系の金属を使用せず、例えば鉄系やアルミニウム系の材料により形成するか、冷媒との接触面に非銅系のコーティング(メッキや塗装も含む)を施す。
冷暖房空調装置1において、電動圧縮機4(ロータリ型圧縮機4A)の他に冷媒(R32)の温度が100℃以上に達する可能性がある部分は、四方弁5、室外熱交換器6、管路部材10、室内熱交換器15、管路部材17等である。これらの部材5,6,10,15,17等の材料も、電動圧縮機4の各部と同じく、銅系の材質を用いずにアルミニウム系や鉄系、あるいは他の非銅系の金属材質を用いるか、これらの部材の表面に非銅系のコーティングを施す。
室外熱交換器6、室内熱交換器15については、銅系の材料で形成されていたものを全てアルミニウム系材料で形成するのが放熱性能の面で好ましい。また、上記のように管路部材10(11),17をアルミニウム系材料、または鉄系材料で形成すればコスト面で有利になる。なお、このようなアルミニウム系や鉄系の材料を用いる場合には、外気に触れる部分にコーティングや塗装等の防錆処理を施す必要がある。
[第2実施形態]
図3は、冷暖房空調装置1に使用される電動圧縮機4の第2実施形態を示すスクロール型圧縮機4Bの縦断面図である。このスクロール型圧縮機4Bは、後述する高温部分における材質や表面処理以外は従来のものと同様である。
スクロール型圧縮機4Bは、縦型円筒状の密閉容器であるハウジング51の内部に、電動機52と、この電動機52の上方に位置し、電動機52によって駆動される圧縮機構53とが収容されている。ハウジング51は、冷媒の吸入口となる吸入管55を側面に有し、冷媒の吐出口となる吐出管56を頂部に有する。なお、ハウジング51の頂部はドーム状のトップカバー57となっており、圧縮機構53との間に冷媒の吐出チャンバ58を画成している。
電動機52は、金属の導線部材60がコイル状に巻かれた固定子61と、永久磁石である回転子62と、固定子61の内周で回転子62を回転させる回転軸63とを有する。鉛直に延びた回転軸63は圧縮機構53の主軸を兼ねており、ハウジング51の底部近くに設けられた軸受部64と、圧縮機構53側に設けられた軸受部65によって回転自在に支承されている。これらの軸受部64,65には、それぞれメタル軸受641,651が嵌合されている。
圧縮機構53は、下側のベース部材67と、上部カバー68とが気密的に組み合わされ、その内部に旋回スクロール69が組み込まれた概略構成を持つ。ベース部材67には先述の軸受部65が一体に設けられるとともに、図示しない吸入口が設けられている。また、ベース部材67には固定スクロール70が固定されている。一方、上部カバー68には固定スクロール70の上部が気密的に嵌合されるとともに、吐出ポート71と、所定の圧力で開弁して吐出ポート71を開くリード弁72とが設けられている。
公知のように、旋回スクロール69は、円板状の端板691に、渦巻き状で所定の高さを有したラップ壁692が一体に形成されている。一方、固定スクロール70は、旋回スクロール69(端板691)に対向する円板状の端板701に、旋回スクロール69のラップ壁692に対向して噛み合う渦巻き状のラップ壁702が一体に形成されている。そして、ラップ壁692とラップ壁702との間に、容積が変化する一対の渦巻き状の圧縮空間75が形成されている。
回転軸63の上端部には、回転軸63の中心軸から所定寸法だけ偏心した位置に偏心ピン631が突出形成されている。また、旋回スクロール69(端板691)の回転軸63側には、偏心ピン631を収容する凹部693が形成されている。偏心ピン631は凹部693にドライブブッシュ76を介して回転自在に挿入されている。なお、旋回スクロール69と回転軸63との間には、旋回スクロール69の自転を抑制する自転防止機構(非図示)が介装されている。
回転軸63の軸心部には、ハウジング51の底部に設けられた油溜78に貯留されたオイルを吸い上げて回転軸63(偏心ピン631)の上端部から偏心ピン631と凹部693とドライブブッシュ76との間にオイルを供給するための潤滑油流路632,633が形成されている。
このように構成されたスクロール型圧縮機4Bにおいて、冷媒はハウジング51側面の吸入管55からハウジング51内に導入され、電動機52の起動により、回転軸63が回転して圧縮機構53の旋回スクロール69が固定スクロール70に対して公転旋回運動し、ベース部材67に設けられた図示しない吸入口から冷媒が圧縮空間75内に吸入され、圧縮される。圧縮された冷媒は、リード弁72を押し開いて吐出ポート71から吐出チャンバ58内に放流され、さらに吐出管56から冷暖房空調装置1の管路部材10に供給される。
上記のように構成されたスクロール型圧縮機4Bにおいても、少なくとも冷媒(R32)の温度が100℃以上になる各部領域においては、冷媒に接触する各構成部品の少なくとも表面を非銅系の材料により形成する。このスクロール型圧縮機4Bにおいて、冷媒の温度が100℃以上になる可能性がある部分は、圧縮機構53の内部と、圧縮機構53から吐出された高温な冷媒が通過するリード弁72と、吐出チャンバ58を画成するトップカバー57と、吐出管56等である。
これら各部の材料として、銅系の材質を用いずに、アルミニウム系や鉄系、あるいは他の非銅系の金属材質や、耐熱性および耐薬品性の高い樹脂材料等を用いる。もしくは、これらの部材の表面に非銅系のコーティングを施す。なお、吐出ガス冷媒をハウジング51内の電動機52が収容されている区画内に一旦吐出するタイプのスクロール型圧縮機の場合は、電動機52に前述のロータリ型圧縮機4Aと同様の対応を施すことにより、同様の効果を得ることができる。
メタル軸受641,651については、その付近を通過する冷媒の温度が100℃未満であれば、従来通り銅系や青銅系のメタル軸受を適用してもよいが、ここは摺動部であり、温度が高まる可能性があることを考慮すれば、第1実施形態と同様にアルミニウム合金や鉄・ステンレス系等の非銅系メタル軸受を用いたり、メタルレス構造や転がりベアリング構造を採用するのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る電動圧縮機4(4A,4B)およびこれを用いた冷暖房空調装置1(冷凍サイクルシステム)は、少なくとも冷媒の温度が100℃以上になる領域において、冷媒に接触する構成部品の表面が全て非銅系の材料により形成されている。このため、この部分に100℃を超える温度の冷媒やオイルが接触しても、表面に銅の成分が存在していないことから、銅イオンがオイル中に溶け出すことがない。
したがって、電動圧縮機4(4A,4B)の構成部品のうち、冷媒回路中に露呈している回転軸31,63や、圧縮機構22,53の内部部品等の鉄系部品の表面に銅メッキ現象が発生しない。これにより、回転軸31,63の回転や、圧縮機構22,53の作動を滑らかにするとともに、上記実施形態には存在しないが、回転軸が外部に突出する部分に設けられるメカニカルシール部におけるオイル漏れやガス漏れを防止し、冷暖房空調装置1全体の信頼性を高めることができる。
また、100℃以上の冷媒に接触する部品の表面に非銅系のコーティングを施すことによって銅メッキ現象を抑制するようにすれば、非銅系の素材で部品を製作した場合と同様な作用・効果が得られ、しかも従来の銅系部品の材質を変更せずに表面にコーティングを施す(既製部品にコーティングを施す)だけでよいため、部品全体の材質変更や、既製部品の廃棄等に伴うコストアップを回避することができる。
電動圧縮機4(4A,4B)の内部で、鉄系の部品である回転軸31,63を軸支している軸受部33,34,64,65のメタル軸受331,341,641,651に非銅系の材質を使用した場合には、鉄系の部品である回転軸31,63を支持する部分の材質が非銅系の材料となることにより、銅イオンの溶出および銅メッキ現象を有効に抑制することができる。
特に、メタル軸受331,341,641,651として、銅の含有率が1.5%以下のアルミニウム合金系メタル軸受を使用すれば、銅イオンの溶出および銅メッキ現象を防止しながら、回転軸31,63をスムーズに支承することができる。元来、アルミニウム合金は、その強度特性を向上させるために微量な銅が配合されているが、その含有率が1.5%以下であれば、銅イオンの溶出および銅メッキ現象を防止することができる。
さらに、軸受部33,34,64,65をメタルレス軸受としても回転軸31,63を有効に軸支できるならば、メタルレス化することによって銅系のメタル軸受を削減し、銅イオンの溶出および銅メッキ現象を有効に防止することができる。
また、ロータリ型圧縮機4Aにおいて、高温な冷媒に晒される電動機23の導線部材28,37を非銅系の材質、好ましくはアルミニウム系の材料で形成することにより、一般に銅線が用いられている導線部材からの銅イオンの溶出を効果的に阻止し、銅メッキ現象を有効に抑制するとともに、電動圧縮機の軽量化およびコストダウンに貢献することができる。
さらに、冷暖房空調装置1における室外熱交換器6や室内熱交換器15といった熱交換器をアルミニウム系材料で形成したり、四方弁5や管路部材10,17をアルミニウム系や鉄系の金属材質によって形成することにより、熱交換器6,15や四方弁5、管路部材10,17に100℃以上の冷媒が流れ込んでも、これら各部品に銅が含まれていないため、銅イオンが冷媒のオイル中に溶け出すことがない。
したがって、圧縮機構や電動機等の鉄系部品における銅メッキ現象を抑制することができる。また、熱交換器6,15をアルミニウム系材料で形成することにより、銅系の材料で形成された熱交換器と同等の熱交換性能を得ることができる。
以上のように、上記実施形態に係る電動圧縮機4(4A,4B)およびこれを用いた冷暖房空調装置1によれば、R32冷媒を50%超えて含有する冷媒を使用した場合であっても、冷媒の循環経路中に銅イオンが発生することを根本的に防止し、銅メッキ現象の発生を抑制してシステム全体の信頼性を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では家屋用の冷暖房空調装置1に本発明を適用した例について説明したが、業務用、GHP用、車載用の空調装置や、低温用、給湯用の装置等にも本発明を適用することができる。
1 冷暖房空調装置(冷凍サイクルシステム)
4 電動圧縮機(圧縮機)
5 四方弁(弁部材)
6 室外熱交換器(熱交換器)
10,11,17 管路部材
15 室内熱交換器(熱交換器)
21,51 ハウジング(密閉容器)
22,53 圧縮機構
23,52 電動機
26 吐出管
28,37 導線部材
31,63 回転軸
33,34,64,65 軸受部

Claims (2)

  1. R32冷媒を50%超えて含有する冷媒を使用し、
    少なくとも前記冷媒の温度が100℃以上になる領域において、該冷媒に接触し銅系の材質により形成された構成部品における前記冷媒と接触する表面全てに非銅系のコーティングが施されており、
    前記構成部品は、冷媒環境下にある回転軸を支持する軸受部であることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1に記載の圧縮機と、
    前記冷媒を凝縮または蒸発させる熱交換器と、
    前記冷媒の流れを制御する弁部材と、
    上記各部材の間を接続する管路部材と、
    を備えて冷媒回路が構成された冷凍サイクルシステムであって、
    前記冷媒回路のうち、少なくとも前記冷媒の温度が100℃を超える領域において該冷媒と接触する構成部品が銅系の材質により形成され、該構成部品の表面に非銅系のコーティングが施されたことを特徴とする冷凍サイクルシステム。
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