JP6476719B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
入力軸1は、図10中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
上述したように、パワーローラのその回転軸と直交する方向への移動を規制することができないと、トロイダル型無段変速機の組立中に、パワーローラがその回転軸と直交する方向に大きく移動してしまう場合がある。
この場合、例えば特開2012−16774号公報に記載されているように、パワーローラと対向するトラニオンの壁面に、パワーローラのトラクション面へ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射パイプが突出して設けられていると、トロイダル型無段変速機の組立中に、パワーローラがその回転軸と直交する方向に大きく移動して、パワーローラのトラクション面が潤滑油噴射パイプに当たり、当該トラクション面が傷つく虞がある。
また、トラクション面が傷つくとパワーローラの破損に繋がる虞があるため、トラニオンの壁面に潤滑油噴射パイプが設けられていない場合においても、トロイダル型無段変速機の組立中に、パワーローラが所定距離以上移動して他の部品と干渉するのを避ける必要がある。
前記パワーローラの端面側に当接部が設けられ、
前記補強部材に、前記パワーローラがその回転軸と直交する方向に所定距離移動した場合に、前記当接部が当接してそれ以上の前記パワーローラの移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
また、前記当接部を例えばパワーローラの端面に設けられた第1突起で構成し、規制部をこの第1突起を挟んで当該第1突起と所定の隙間をもち、かつ第1突起とパワーローラの回転軸方向においてオーバーラップ(重合)する一対の第2突起で構成してもよいし、また、前記規制部を補強部材に設けられた突起で構成し、当接部を前記突起が所定の隙間をもって挿入される穴で構成してもよい。
図1は第1の実施の形態のダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機のパワーローラユニットの斜視図、図2は同正面図、図3は図2におけるA−A線断面図、図4は図2におけるB−B線断面図、図5はパワーローラ本体の斜視図、図6は補強部材の斜視図である。
トラニオン35は、このトラニオン35を構成する略矩形板状の支持板部36の長手方向(図1および図2において、上下方向)の両端部に、支持板部36の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。この折り曲り壁部20,20のその先端部20a,20aがパワーローラ40の端面(小端面)より突出している。折れ曲がり壁部20,20の外側面にはそれぞれ、枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。また、下方の折れ曲がり壁部20には、パワーローラ40のトラクション面40aへ向けて潤滑油を噴射するための潤滑油噴射パイプ37,37が左右に離間し、かつ突出して設けられている。
この補強部材38は、一対の折れ曲がり壁部20,20の先端部20a,20a間に架設されるように延びており、両端部が折れ曲がり壁部20,20の先端部20a,20aに固定されている。また、補強部材38は、例えば、鋼等の十分な剛性を有する材料に、鍛造加工のように、大きな剛性を得られる加工を施すことにより上下に延在する断面五角形状に成形され、パワーローラ40側を向く面は長方形状に形成されている。
外輪42の中央部には、パワーローラ本体41を回転自在に支持する回転軸45が外輪42と直角に設けられており、この回転軸45にパワーローラ本体(内輪)41がラジアルニードル軸受46を介して回転自在に支持されている。
また、外輪42の端面と支持板部36の内側面との間には、スラストニードル軸受47が設けられており、これによって、パワーローラ40がその回転軸45と直交する方向(図3において左右方向)へ移動(揺動)するのを許容している。
第2突起38a,38aは、図3に示すように、前記凹所41bに入り込んでおり、この状態において当該第2突起38a,38a間の中央部に第1突起41cが位置している。第2突起38a,38aは、第1突起41cを挟んで当該第1突起41cと所定の隙間Aをもち、かつ第1突起41cとパワーローラ40の回転軸方向において長さLだけオーバーラップ(重合)している。
したがって、パワーローラ40が中立位置から左右に隙間Aの分だけ移動して、パワーローラ40の第1突起41cが補強部材38の第2突起38a,38aに当接することによって、それ以上のパワーローラ40の移動が規制される。上述したように、A<Bに設定されているので、パワーローラ40が中立位置から左右に隙間Aの分だけ移動しても、当該パワーローラ40のトラクション面40aが潤滑油噴射パイプ37に衝突することはない。
また、パワーローラ40は第1突起41cを有するが、この第1突起41cは高応力部位でないパワーローラ40の端面に設けられているので問題となることはない。さらに、第1突起41cはパワーローラ40全体に対して非常に小さいため、この第1突起41cに起因するパワーローラ40の重量増の影響は少ない。
図7〜図9は第2の実施の形態を示すもので、図7はトロイダル型無段変速機のパワーローラユニットPUの断面図、図8はパワーローラの内輪の斜視図、図9は補強部材の斜視図である。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、パワーローラ40の端面に設けられる当接部の構成と、補強部材38に設けられる規制部の構成とであるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施の形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
一方、補強部材38の裏面、すなわちパワーローラ40側を向く面には、図7および図9に示すように、突起(規制部)38bが設けられている。この突起38bは円柱状に形成されており、補強部材38の裏面の中央部に設けられている。
また、図7に示すように、パワーローラ40が所定の中立位置にある場合において、突起38bは、前記凹所41bに入り込むとともに、前記穴41dに挿入されている。この状態において、突起38bは、穴41dの内周面との間に所定の隙間Aをもち、かつ穴41dとパワーローラ40の回転軸方向において長さLだけオーバーラップ(重合)している。
したがって、パワーローラ40が左右に隙間Aの分だけ移動して、パワーローラ40の穴41dの内周面が補強部材38の突起38bに当接することによって、それ以上のパワーローラ40の移動が規制されるが、上述したように、A<Bに設定されているので、パワーローラ40のトラクション面40aが潤滑油噴射パイプ37に衝突することがない。
また、本発明はシングルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
3 出力側ディスク
14 枢軸
35 トラニオン
38 補強部材
38a 第2突起(規制部)
38b 突起(規制部)
40 パワーローラ
45 回転軸
41c 第1突起(当接部)
41d 穴(当接部)
Claims (1)
- それぞれの内側面どうしを互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支持するとともに、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動し、かつ前記パワーローラをその回転軸と直交する方向に移動自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラの端面側に配置されるとともに、両端部がそれぞれ前記トラニオンに固定されることで前記トラニオンを補強する補強部材とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラの端面側に当接部が設けられ、
前記補強部材に、前記パワーローラがその回転軸と直交する方向に所定距離移動した場合に、前記当接部が当接してそれ以上の前記パワーローラの移動を規制することで、前記パワーローラが他の部品と干渉するのを防止する規制部が設けられ、
前記規制部は、前記補強部材の前記パワーローラの側を向く面に、前記回転軸と直交する方向に所定間隔離間して設けられた一対の突起によって構成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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JP2014208509A JP6476719B2 (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014208509A JP6476719B2 (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | トロイダル型無段変速機 |
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2014
- 2014-10-10 JP JP2014208509A patent/JP6476719B2/ja active Active
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