JP5294035B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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それに対して、ヨーク23A(23B)の揺動の円滑化や各トラニオン15,15の軸方向の変異(パワーローラの変位)の同期性能の向上等を図るために、一対のポスト64,64(68,68)それぞれにおいて、ポスト64,64(68,68)にヨーク23A(23B)を球面軸受ではなくピンで支持する構造とし、ピンの軸周りに揺動可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上述のようにヨークの四隅の支持孔には、トラニオンの枢軸に設けられたラジアルニードル軸受(傾転軸受)が嵌合している。そして、ヨークの中央部の入力軸方向(X軸方向)に沿って並んだ2箇所において、X軸方向に沿ったピンでヨークを当該ピンの軸周りに回転可能とした場合に、中央の2つ並んだピンの軸心が精度高く一致している必要があるとともに、前記2つ並んだピンの軸心を結ぶ線と、ヨークのX軸方向に並んだ2つずつの支持孔の中心(ヨークとトラニオンとが連結されるリンクの支点位置)を結ぶ線とが精度高く配置されている必要がある。
これを避けるためには、高精度の加工が必要であるが、ヨークの支持孔の軸方向(枢軸の軸方向)とピンの軸方向とは直交しているため、加工において高い精度を得ることが非常に難しく加工コストの増大の要因となる。
また、ヨークを高い精度で加工することができたとしても、ヨークをピンで支持するためのポスト等の取り付け側においては、ケーシング50の精度やポストの取り付け時の組立精度等の問題があり、ヨーク側よりも精度の向上が困難である。
前記駆動装置が前記一対のヨークのうちの他方のヨークの前記パワーローラの反対側となる方に配置され、
前記一対のヨークのうちの一方のヨークを揺動自在に支持する1つの係合手段のみが、当該係合手段に支持されるヨークの前記ディスクの回転中心軸方向に沿ったX軸方向の移動と、前記枢軸の軸方向に沿って前記X軸方向に直交するY軸方向の移動と、これらX軸方向およびY軸方向の両方向に直交するZ軸方向の移動とを規制し、かつ、前記ヨークの前記Y軸方向周りの回転と前記Z軸方向周りの回転とを規制するとともに前記X軸方向周りの回転を許容した状態で前記ヨークを支持していることを特徴とする。
上述のようにヨークをシーソー支点で、シーソー移動する構成とした場合に、ヨークとトラニオンとのリンク位置の並びや、2つのシーソ支点の並び等において、高い精度での加工が要求されるが、シーソー支点となる部分が1つしかないので、2つの場合よりも精度を出し易く、低コストで高い精度の加工を行なうことが可能となる。
1つのヨークに係合する係合部材が前記係合手段以外にあってもよいが、その場合に、前記係合手段以外の係合部材は、ヨークのX軸方向周りの回転を許容する必要があるとともに、3軸方向の全ての軸方向移動を規制し、かつ、X軸方向を除く2軸方向周りの回転を全て規制するものであってはならず、少なくとも1軸方向の軸方向移動を許容するか、X軸方向以外の1軸方向周りの回転を許容する必要があり、それ以上の軸方向移動や軸方向周りの回転を許容することが好ましい。
また、ケーシングは、トロイダル型変速機を含む変速機構における動力伝達に伴なう回転トルク以外の力の発生に伴ない変形する可能性がある。
また、ケーシングが変形して係合部材がZ軸方向に移動した場合に、対応するヨークの移動により、パワーローラとディスクとのトラクション接触部の押し付け力が各パワーローラで不均一になる虞があるが、係合手段が1つしかないことで、ヨークへのケーシング変形による入力は従来に対して片側分のみとなり、ケーシング変形による影響が軽減されることになる。
図1〜図3に示すように、この例のダブルキャビティ型のハーフトロイダル型無段変速機においては、従来と同様に、入力側ディスク2と出力側ディスク3と、その間に挟持されるパワーローラ11,11とを備えるキャビティが同軸上に2つ配置されている。また、中央に2枚の出力側ディスク3,3が内側面3a、3aを外側に向けた状態で一体に回転可能に配置され、これら出力側ディスク3,3にそれぞれ対向する位置に入力側ディスク2,2が一体に回転可能に配置されている。
なお、一対の球面ポスト68は、それぞれ下側のヨーク23Bの一対の係止孔19に揺動自在に嵌合しており、下側のヨーク23Bに係合して揺動自在に支持する係合手段となる。
なお、上下のヨーク23A、23Bは、概略矩形状の板体であり、その中央部に入力軸方向にそって、2つ並んで球面ポスト68,68や、第1および第2ポスト110、120等のポストが挿入される係止孔113、121、19,19が形成され、その左右にそれぞれトラニオン15の枢軸14に設けられた傾転軸受(ラジアルニードル軸受30)が揺動自在に嵌合する支持孔18が設けられている。なお、支持孔18は、ヨーク23A、23Bの四隅部分に対応して4つ形成され、その中央に2つの係止孔113、121、19,19が配置された状態となり、Z軸方向にそって、並んだ3つの孔が二列に形成されていることになる。
したがって、ピン111は入力軸1と平行なX軸方向に沿って配置されている。
この状態で、ピン111によりピン111の軸方向周りにヨーク23Aが回転自在(揺動自在)に支持された状態となる。
したがって、第1ポスト110とピン111とを備える係合手段は、当該係合手段に支持されるヨーク23Aの前記ディスク2,3の回転軸方向に沿ったX軸方向の移動と、前記枢軸14の軸方向に沿って前記X軸方向に直交するY軸方向の移動と、これらX軸方向およびY軸方向の両方向に直交するZ軸方向の移動とを規制し、かつ、前記ヨーク23Aの前記Y軸方向周りの回転と前記Z軸方向周りの回転とを規制するとともに前記X軸方向周りの回転を許容した状態で前記ヨーク23Aを支持していることになる。
ここで、トロイダル型無段変速機においては、トラクション力とこれを支える軸力がオフセットしていることによるモーメントによって、同一キャビティ内の2個のパワーローラ11,11のトラクション接触部(パワーローラ11とディスク2,3との油膜を介した接触部)に作用する押し付け力が均一でなくなることを防ぐため、パワーローラ11,11がZ軸方向に移動しないように、トラニオン15,15およびヨーク23A、23Bを拘束する必要がある。
また、ケーシング50の変形には、例えば、ケーシング50の伸縮があるが、たとえば、2つの係合手段にヨーク23A、23Bが係合している状態では、ヨーク23A、23Bの剛性が高いためヨーク23A、23Bがケーシング50の変形を抑制するように作用し、影響が少ない。
図4から図6に示すように、第2実施形態のトロイダル型無段変速機は、第1実施形態において上側のヨーク23Aを支持するように係合する第1ポスト110および第2ポスト120を配置したのに対して、第1ポスト110および第2ポスト120を下側のヨーク23Bを支持するように配置したもので、それに基づいて上側のヨーク23Aの支持構造を従来と同様のものとしたものである。
一方下側のヨーク23Bは、第1実施形態の上側のヨーク23Aと同様の構成を有するものとなっており、従来の2つの係止孔19,19に代えて、上述の第1ポスト110が挿入されるとともにピン孔114,114を備える係止孔113と、第2ポスト120が挿入される係止孔121が形成されている。
そして、下側のヨーク23Bの係止孔113と第1ポスト110およびピン111との作用および係止孔121と第2ポスト120との作用は、第1実施形態の上側のヨーク23Aの場合と同様である。
図7から図9に示すように、第3実施形態のトロイダル型無段変速機は、第1実施形態の上側のヨーク23Aを第1ポスト110および第2ポスト120に係合させて支持している構造と、第2実施形態において下側のヨーク23Bを第1ポスト110および第2ポスト120とに係合させて支持している構造とを組みあせたものである。
そして、上側と下側との一対のヨーク23A,23Bは、それぞれ第1ポスト110とピン111とを備える係合手段によって、X軸方向の移動と、Y軸方向の移動と、Z軸方向の移動とが規制され、かつ、前記Y軸方向周りの回転と前記Z軸方向周りの回転とが規制されるとともに前記X軸方向周りの回転が許容された状態で支持されている。
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力側ディスク
3a 内側面
11 パワーローラ(内輪)
11a 周面
15 トラニオン
23A ヨーク
23B ヨーク
24 スラスト玉軸受(軸受)
31 駆動シリンダ
32 駆動装置
110 第1ポスト(係合手段)
111 ピン(係合手段)
112 貫通孔
113 係止孔
114 ピン孔
120 第2ポスト
121 係止孔
Claims (1)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクを同軸上に複数対備え、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に傾転するとともに、前記各パワーローラを軸受を介して回転自在に支持する複数のトラニオンと、前記各トラニオンを前記枢軸の軸方向に変位させる駆動装置と、前記各トラニオンの前記各枢軸をそれぞれ傾転自在且つ軸方向に変位自在に支持するとともに、前記トラニオンの変位により揺動する一対のヨークと、前記ヨークに係合して前記ヨークを揺動自在に支持する係合手段とを備えるトロイダル型無段変速機において、
前記駆動装置が前記一対のヨークのうちの他方のヨークの前記パワーローラの反対側となる方に配置され、
前記一対のヨークのうちの一方のヨークを揺動自在に支持する1つの係合手段のみが、当該係合手段に支持されるヨークの前記ディスクの回転中心軸方向に沿ったX軸方向の移動と、前記枢軸の軸方向に沿って前記X軸方向に直交するY軸方向の移動と、これらX軸方向およびY軸方向の両方向に直交するZ軸方向の移動とを規制し、かつ、前記ヨークの前記Y軸方向周りの回転と前記Z軸方向周りの回転とを規制するとともに前記X軸方向周りの回転を許容した状態で前記ヨークを支持していることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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JP2009266763A JP5294035B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
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JP2009266763A JP5294035B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
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Family Applications (1)
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JP2009266763A Active JP5294035B2 (ja) | 2009-11-24 | 2009-11-24 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
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2009
- 2009-11-24 JP JP2009266763A patent/JP5294035B2/ja active Active
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