以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図4は、ユニット式建物の概要を示す斜視図である。
図4に示すように、建物10は、基礎11上に設けられた建物本体12と、その上方に設けられた屋根部13とを備える。建物本体12は、下階部としての一階部分14と、上階部としての二階部分15とを有する二階建てとなっており、複数の建物ユニット20が互いに連結されることにより構成されている。
図5には建物ユニット20の斜視図を示す。図5に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。
次に、建物10の一階部分14について図1に基づいて説明する。図1は、建物10の一階部分14を示す縦断面図である。
図1に示すように、基礎11の上には、一階部分14を構成する各建物ユニット20が設置されている。これらの建物ユニット20は、その柱21が基礎11上に載置されることで設置されている。一階部分14には、これら建物ユニット20の内部に屋内空間が形成されている。屋内空間としては、リビング16や和室17、収納室18等が設けられている。リビング16は、隣り合う2つの建物ユニット20に跨がって形成されており、詳しくはそれら2つの建物ユニット20の全域に跨がって形成されている。なお、リビング16が「屋内空間部」に相当する。
リビング16は、外壁31により屋外と仕切られており、その外壁31には窓部32が形成されている。窓部32は、いわゆる掃き出し窓となっており、その窓部32にはガラス戸33が設けられている。外壁31の外面には、窓部32よりも上側にシャッタ装置35が設けられている。このシャッタ装置35により窓部32を屋外から遮蔽可能となっている。
リビング16には、窓部32を遮蔽するカーテン38が設けられている。カーテン38は、後述する遮光板75に吊り具45を介して吊り下げられている。遮光板75の下面側には吊り具45を覆い隠すようにしてカーテンボックス46が設けられている。カーテンボックス46は、外壁31の内面において窓部32よりも上側に取り付けられている。
収納室18は、リビング16に隣接して設けられている。収納室18の開口36は、リビング16に向けて開口されており、その開口36には収納扉37が設けられている。開口36は、その上下寸法が床面から天井面までの上下寸法と略同じとなっている。したがって、その開口36に設けられた収納扉37も、その上下寸法が床面から天井面までの上下寸法と略同じとなっている。つまり、収納扉37は、フルハイトドアにより構成されている。
和室17は、収納室18を挟んでリビング16とは反対側に設けられている。和室17は収納室18と隣接しており、間仕切壁39によって収納室18と仕切られている。
続いて、一階部分14の床部及び天井部の構成について説明する。
一階部分14の床部には、床大梁23及び床小梁26の上に床根太41が設けられている。それら床根太41の上には床面材28が設けられている。床面材28は、パーティクルボードよりなる。床面材28の上面には、フローリング等からなる床仕上げ材42が敷設されている。この床仕上げ材42により屋内空間16〜18の床面44が形成されている。また、床面材28の下面側には床下断熱材43が設けられている。
一階部分14の天井部は、その天井高さが和室17及び収納室18よりもリビング16の方が高くなっている。以下、これら天井高さが相違する和室17及び収納室18の天井部とリビング16の天井部とについて図1に加え図2及び図3を用いながら説明する。なお、図2及び図3はいずれも、隣り合う建物ユニット20の天井大梁22同士が対向する対向部周辺を拡大して示す縦断面図である。図2は図1の領域A内を拡大して示しており、図3は図1の領域B内を拡大して示している。
また、以下の説明では、便宜上、和室17及び収納室18を構成する建物ユニット20の符号にAを付し、リビング16を構成する2つの建物ユニット20の符号にそれぞれB及びCを付す。これらの建物ユニット20A〜20Cは同ユニット20A〜20Cの(平面視)短手方向(換言すると天井小梁25の長手方向)に並んで配置されており、リビング16を構成する各建物ユニット20B,20Cのうち建物ユニット20Bが建物ユニット20Aに隣接している。
また、以下の説明では、場合によって、建物ユニット20Aを構成する構成部材の符号にAを付し、建物ユニット20Bを構成する構成部材の符号にBを付し、建物ユニット20Cを構成する構成部材の符号にCを付すことで、各建物ユニット20A〜20Cの構成部材を区別することとする。
まず、和室17及び収納室18の天井部の構成について説明する。図1及び図2に示すように、和室17及び収納室18を構成する建物ユニット20Aには、上述したように、対向する一対の天井大梁22Aの間に複数の天井小梁25Aが架け渡されている。天井小梁25Aは、その上下寸法(高さ寸法)が天井大梁22Aの上下寸法(高さ寸法)の半分よりも小さくなっており、詳しくは天井大梁22Aの上下寸法の1/3程度となっている。天井小梁25Aは、対向する一対の天井大梁22Aの下部に架け渡されており、その下面が天井大梁22Aの下面と同じ高さ位置に設定されている。
天井大梁22Aの下面には野縁47Aが取り付けられており、各天井小梁25Aの下面にもそれぞれ野縁48Aが取り付けられている。野縁47Aは、天井大梁22Aに沿って配設され、野縁48Aは、天井小梁25Aに沿って配設されている。野縁47Aの下面と各野縁48Aの下面とはいずれも同じ高さ位置に設定されており、それら各野縁47A,48Aの下面には天井面材27(27A)がビス等で取り付けられている。天井面材27Aは、二枚重ねされた石膏ボードよりなる。
建物ユニット20Aと、リビング16を構成する建物ユニット20Bとの境界部では、それら両建物ユニット20A,20Bの天井大梁22A,22Bが互いに対向しており、それら各天井大梁22A,22Bの下面にそれぞれ野縁47A,47Bが取り付けられている。これら各野縁47A,47Bの下面には、小幅の天井面材51がビス等で取り付けられている。この天井面材51は、各建物ユニット20A,20Bの境界部を跨ぐように設けられており、施工現場において各建物ユニット20A,20Bが設置された後、取り付けられるものとなっている。天井面材51は、天井面材27Aと同様、二枚重ねされた石膏ボードよりなり、天井面材27Aと横並びで配設されている。この場合、天井面材51の下面と天井面材27Aの下面とは面一の状態とされている。
天井面材27Aの下面と天井面材51の下面とには、それら各下面に跨がって天井仕上げ材49(天井クロス等)が貼り付けられている。この天井仕上げ材49により和室17及び収納室18の天井面52が形成されている。
続いて、リビング16の天井部の構成について説明する。
図1及び図3に示すように、リビング16を構成する各建物ユニット20B,20Cにも、上記建物ユニット20Aと同様、対向する一対の天井大梁22B,22C間に複数の天井小梁25B,25Cが架け渡されている。天井小梁25B,25Cは、建物ユニット20Aの天井小梁25Aと同じ構成からなる。これらの建物ユニット20B,20Cでは、(すべての)各天井小梁25B,25Cが対向する一対の天井大梁22B,22Cの上部に架け渡されており、その上面が天井大梁22B,22Cの上面と同じ高さ位置に設定されている。したがって、各天井小梁25B,25Cの下面は天井大梁22B,22Cの下面よりも高い位置にあり、詳しくは天井大梁22B,22Cの上下方向の中央部と同じ高さ位置か又はそれよりも高い位置にある。なお、各天井小梁25B,25Cがそれぞれ「上天井小梁」に相当する。
各天井小梁25B,25Cの下面にはそれぞれ野縁48B,48Cがビス等で取り付けられている。野縁48B,48Cは、建物ユニット20Aの野縁48Aと同じ構成よりなり、天井小梁25B,25Cに沿って配設されている。それら各野縁48B,48Cの下面には天井面材27(27B,27C)がビス等で取り付けられている。これら天井面材27B,27Cは、二枚重ねされた石膏ボードよりなり、建物ユニット20Aの天井面材27Aと同じ構成からなる。
これらの天井面材27B,27Cは、その下面が天井大梁22B,22Cの下面よりも高い位置にある。詳しくは、天井面材27B,27Cの下面は、天井大梁22B,22Cの上下方向の中央部と同じ高さ位置か又はそれよりも高い位置にある。これにより、これらの天井面材27B,27Cは、建物ユニット20Aの天井面材27Aよりも高い位置にある。なお、この場合、各天井面材27B,27Cが「高天井面材」に相当し、天井面材27A(及び天井面材51)が「通常の天井面材」に相当する。
各天井面材27B,27Cはその下面が同じ高さ位置にあり、それら各天井面材27B,27Cの下面にはそれぞれ天井仕上げ材54(天井クロス等)が貼り付けられている。この天井仕上げ材54によりリビング16の天井面55が形成されている。
上記のように、リビング16(建物ユニット20B,20C)の天井部では、天井面材27B,27Cの下面が天井大梁22B,22Cの上下方向の中央部と同じ高さ位置か又はそれよりも高い位置に設定されていることから、各天井面材27B,27Cの下方にそれぞれ建物ユニット20B,20Cの各天井大梁22B,22Cにより囲まれた内側空間が形成されている。この内側空間は、天井大梁22B,22Cの下面よりも高い位置に形成された高天井下スペース57となっており、リビング16の天井下にはこの高天井下スペース57が各建物ユニット20B,20Cごとにそれぞれ設けられている。リビング16では、この高天井下スペース57が設けられていることで、その分天井高さH1(詳しくは、床面44から天井面55までの上下間距離)が和室17及び収納室18の天井高さH2(詳しくは、床面44から天井面52までの上下間距離)よりも高くなっている(H1>H2)。本実施形態では、和室17及び収納室18の天井高さH2が2400mmとなっているのに対し、リビング16の天井高さH1が2540mmとなっている。この点からすると、リビング16を高天井空間ということもできる。
図2及び図3には、その他の構成として、二階部分15の床部の構成が示されている。その二階部分15の床部の構成について簡単に説明すると、二階部分15を構成する建物ユニット20の床大梁23の上には根太58が設けられている。根太58の上面と床小梁26の上面とは同じ高さ位置にあり、それら根太58及び床小梁26の上にはパーティクルボードよりなる床面材28が設けられている。また、隣り合う建物ユニット20の床面材28の間には、同じくパーティクルボードよりなる床繋ぎ面材59が設けられている。これら床面材28の上面と床繋ぎ面材59の上面とには、これら各上面に跨がってフローリング等からなる床仕上げ材63が敷設されている。
ところで、本建物10では、リビング16の天井下に、高天井下スペース57を利用して間接照明が構築されている。以下、この間接照明に関する構成について説明する。
図1に示すように、リビング16の天井下には、各高天井下スペース57を利用して間接照明が複数箇所に構築されている。間接照明は、各高天井下スペース57においてそれぞれ同スペース57を挟んで対向する長辺側の各天井大梁22(22B,22C)付近に構築されている。この場合、間接照明は、建物ユニット20B,20Cの並ぶ並び方向においてリビング16の周縁部と中央部とにそれぞれ構築されている。
まず、リビング16において収納室18側の周縁部に構築された間接照明について図2を用いながら説明する。
図2に示すように、隣り合う建物ユニット20A,20Bにおいて互いに対向する各天井大梁22A,22Bのうち、天井大梁22Bの溝部開放側(高天井下スペース57側)には、建物ユニット20Bの天井面材27Bと天井面材51との間の段差部に壁板62が設けられている。壁板62は、パーティクルボードよりなり、それら各天井面材27B,51に跨がって上下に延びている。また、壁板62は、天井大梁22Bの長手方向に沿って延びている。
壁板62は、その上端部において建物ユニット20Bの各野縁48Bの端部に固定されている。また、壁板62は、その下端側で野縁47Bに対して下地材61を介して固定されている。下地材61は、壁板62と野縁47Bとの間に設けられており、野縁47Bに沿って延びる長尺の角材よりなる。下地材61は、野縁47Bに対してビス等で固定され、その下地材61に対して壁板62の下端側がビス等で固定されている。なお、下地材61の下面には、天井面材51の端部がビス等で固定されている。
壁板62には、LED(発光ダイオード)からなる照明機器65が取り付けられている。照明機器65は、壁板62の長手方向(換言すると天井大梁22Bの長手方向)において所定の間隔(例えば等間隔)で複数配置されている。各照明機器65にはそれぞれ配線66が接続されている。これらの配線66は、壁板62に形成された配線孔62aと、天井大梁22Bのウェブに形成された配線孔22aとを通じて、対向する天井大梁22A,22B間の梁間隙間68に導かれている。これらの配線孔62a,22aはそれぞれ、各照明機器65(配線66)ごとに設けられている。なお、天井大梁22Bの配線孔22aについては1つだけ形成しその共通の配線孔22aを通じて各配線66をまとめて梁間隙間68に導くようにしてもよい。また、この場合、梁間隙間68は、配線66を配設する配設スペースとなっている。
各照明機器65の下方には、遮光部材としての遮光板71が設けられている。遮光板71は、パーティクルボードからなり、天井大梁22B(壁板62)の長手方向に沿って延びる長尺平板状をなしている。遮光板71は、各照明機器65の下方に跨がって設けられており、その遮光板71により各照明機器65が下方から覆われている。これにより、各照明機器65から照射される光は遮光板71により遮られることになるため、照明機器65からの光は天井面55に反射してから天井下へ照射されることになる。
遮光板71は、壁板62の下端部から側方に突出するように設けられており、その端部が下地材72を介して壁板62に固定されている。下地材72は、壁板62の下端部に沿って延びる長尺の角材よりなり、壁板62を挟んで下地材61とは反対側に設けられている。下地材72は、壁板62を介して下地材61にビス等で固定されている。そして、その下地材72の下面に遮光板71の端部がビス等で固定されている。
遮光板71は、その下面が天井面材51(及び天井面材27A)の下面(換言すると天井面52)と同じ高さ位置に設定されている。これにより、床面44から遮光板71の下面までの上下間距離H3(図1参照)は和室17及び収納室18の天井高さH2と同じとなっている(H2=H3)。
続いて、リビング16において外壁31側の周縁部に構築された間接照明について説明する。
図1に示すように、外壁31の内部には、建物ユニット20Cの天井大梁22Cが配設されており、外壁31の内面においてその天井大梁22Cと同じ高さ位置には照明機器65が取り付けられている。照明機器65は、外壁31の幅方向(天井大梁22Cの長手方向)に沿って所定の間隔(例えば等間隔)で複数配置されている。これら照明機器65の下方には、遮光部材としての遮光板73が設けられている。遮光板73は、パーティクルボードからなり、外壁31の幅方向に沿って延びる長尺平板状をなしている。遮光板73は、外壁31から側方に突出するように設けられ、その端部が下地材76を介して外壁31に固定されている。下地材76は、外壁31の幅方向に延びる長尺材よりなり、外壁31に対してビス等で固定されている。そして、その下地材76の下面に遮光板73の端部がビス等で固定されている。
遮光板73は、その下面が建物ユニット20の天井面材27Aの下面(換言すると天井面52)と同じ高さ位置に設定されている。これにより、床面44から遮光板73の下面までの上下間距離は和室17及び収納室18の天井高さH2と同じとなっている。
続いて、リビング16において中央部に構築された間接照明について図3を用いながら説明する。
図3に示すように、隣り合う建物ユニット20B,20Cにおいて互いに対向する各天井大梁22B,22Cの下面にはそれぞれ野縁74B,74Cがビス等で取り付けられている。これら各野縁74B,74Cはそれぞれ天井大梁22B,22Cに沿って配設されている。各野縁74B,74Cの下面には、遮光部材としての遮光板75がビス等で固定されている。遮光板75は、パーティクルボードからなり、天井大梁22B,22Cの長手方向に沿って延びる長尺平板状をなしている。遮光板75は、その幅方向における一端側が天井大梁22Bから当該一端側へ延出しており、その延出した延出部75aが天井面材27Bと上下に対向している。また、遮光板75は、幅方向における他方側が天井大梁22Cから当該他方側へ延出しており、その延出した延出部75bが天井面材27Cと上下に対向している。
遮光板75は、その下面が天井面材27Aの下面(換言すると天井面52)と同じ高さ位置に設定されている。これにより、床面44から遮光板75の下面までの上下間距離H4(図1参照)は和室17及び収納室18の天井高さH2と同じとなっている(H2=H4)。
対向する各天井大梁22B,22Cを挟んだ両側にはそれぞれ壁板77(77B,77C)が設けられている。壁板77Bは、天井面材27Bと遮光板75との間の段差部に設けられており、壁板77Cは、天井面材27Cと遮光板75との間の段差部に設けられている。壁板77B,77Cはパーティクルボードよりなり、天井大梁22B,22Cの長手方向に沿って延びている。壁板77Bは、天井面材27Bと遮光板75の延出部75aとの間に上下に跨がって設けられており、壁板77Cは、天井面材27Cと遮光板75の延出部75bとの間に上下に跨がって設けられている。これらの壁板77B,77Cは、その上端部において建物ユニット20B,20Cの各野縁48B,48Cの端部に固定され、その下端側で野縁74B,74Cに下地材79B,79Cを介して固定されている。下地材79B,79Cは、壁板77B,77Cと野縁74B,74Cとの間に設けられており、野縁74B,74Cに沿って延びる長尺の角材よりなる。下地材79B,79Cは、野縁74B,74Cに対してビス等で固定され、その下地材79B,79Cに対して壁板77B,77Cの下端部がビス等で固定されている。
また、壁板77B,77Cの下端部を挟んで下地材79B,79Cとは反対側には下地材81B,81Cが設けられている。下地材81B,81Cは、壁板77B,77Cの下端部に沿って延びる長尺の角材よりなり、壁板77B,77Cを介して下地材79B,79Cにビス等で固定されている。また、各下地材79B,79Cの下面と各下地材81B,81Cの下面とにはそれぞれ遮光板75がビス等で固定されている。
各壁板77B,77Cにはそれぞれ照明機器65(65B,65C)が取り付けられている。照明機器65B,65Cは、壁板77B,77Cの長手方向(換言すると天井大梁22B,22Cの長手方向)において所定の間隔(例えば等間隔)で複数配置されている。各照明機器65B,65Cにはそれぞれ配線66が接続されている。これらの配線66は、壁板77B,77Cに形成された配線孔77aと、天井大梁22B,22Cのウェブに形成された配線孔22aとを通じて、それら天井大梁22B,22C間の梁間隙間83に導かれている。これらの配線孔77a,22aはそれぞれ、各照明機器65B,65C(配線66)ごとに設けられている。なお、天井大梁22B,22Cの配線孔22aについては1つだけ形成しその共通の配線孔22aを通じて各配線66をまとめて梁間隙間83に導くようにしてもよい。また、この場合、梁間隙間83は、配線66を配設する配設スペースとなっている。
各照明機器65Bはそれぞれ遮光板75の延出部75aと天井面材27Bとの間に配設されている。これにより、各照明機器65Bは延出部75aにより下方から覆われている。また、各照明機器65Cはそれぞれ遮光板75の延出部75bと天井面材27Cとの間に配設されている。これにより、各照明機器65Cはそれぞれ延出部75bにより下方から覆われている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
建物ユニット20B,20Cの天井部に、下面が天井大梁22の下面よりも高い位置に設定された天井面材27B,27Cを設け、それにより天井面材27B,27Cの下方における天井大梁22の下面よりも高い位置に高天井下スペース57を形成した。そして、その高天井下スペース57を利用して照明機器65を設置するとともに、その照明機器65の下方に遮光板71,73,75を設けた。この場合、照明機器65と遮光板71,73,75とにより間接照明を構築するにあたり、これら照明機器65及び遮光板71,73,75から受ける圧迫感を少なくすることができる。
また、遮光板71,73,75については、天井大梁22Aの下面側に設けられる通常(通常高さ)の天井面材27Aと同じ高さ位置に配置したため、遮光板71,73,75から受ける圧迫感をより一層少なくすることができる。
対向する一対の天井大梁22の上部に天井小梁25B,25Cを架け渡し、その天井小梁25B,25C(高天井小梁)の下面側に天井面材27Bを取り付けた。この場合、既存の天井小梁25を天井大梁22に対して上部に位置させるといった比較的簡単な構成で天井面材27B,27C(高天井面材)を設けることができるため、ユニット天井部に高天井面材を設けるにあたり実用上好ましい構成といえる。
また、ユニット天井部から天井小梁25を取り除けば、高天井面材を設けることが可能とはなるが、その場合、ユニット天井部(天井大梁22等)に座屈が生じるおそれがある。その点、天井小梁25B,25Cを天井大梁22の上部に位置させた上述の構成によれば、天井小梁25B,25Cによりユニット天井部の座屈防止を図りながら、高天井面材を設けることが可能となる。
一対の天井大梁22間に架け渡された各天井小梁25B,25Cをすべて高天井小梁とし、それら高天井小梁とされた各天井小梁25B,25Cの下面側にそれぞれ天井面材27B,27C(高天井面材)を取り付けた。この場合、建物ユニット20B,20Cの天井部において広範囲に高天井下スペース57を形成することができるため、高天井下スペース57を利用して間接照明を構築するにあたり、間接照明の配置の自由度を高めることができる。したがって、例えば、(長辺側の)天井大梁22の長手方向に沿って照明機器65を複数配置し、それによって間接照明を上記長手方向に沿って構築するといったことが可能となる。
天井面材27B,27Cと天井大梁22B,22Cの下面との間の段差部に照明機器65を設けた。具体的には、かかる段差部に壁板62,77を設け、その壁板62,77に照明機器65を取り付けた。この場合、天井面材27B,27Cから下方に延びる垂れ壁を設け、その垂れ壁に照明機器65を取り付ける場合と比べ、垂れ壁を不要とできる分、構成の簡素化を図ることができる。
また、照明機器65の配線66を対向する天井大梁22間の梁間隙間68,83に配設したため、デッドスペースとなりがちな梁間隙間68,83を配線スペースとして有効利用することができる。
照明機器65を高天井下スペース57において天井大梁22B,22C付近に設置し、それら天井大梁22B,22Cの下面側に照明機器65を下方から覆う遮光板75を取り付けた。この場合、天井面材27B,27Cから下方に延びる垂れ壁を設け、その垂れ壁の下面に遮光板を取り付ける場合と比べ、構成の簡素化を図ることができる。
隣り合う建物ユニット20B,20Cに跨がって形成されたリビング16の天井部において、それら両建物ユニット20B,20Cの対向する天井大梁22B,22C付近に照明機器65を設置し、それら天井大梁22B,22Cの下面側に遮光板75を取り付けた。この場合、リビング16の中央側において天井下に間接照明を構築することができる。また、遮光板75がユニット境界部の各天井大梁22B,22Cを利用して取り付けられているため、壁(例えば外壁31)から離れたリビング16の中央側にて間接照明を構築する際にも、垂れ壁を不要とすることができ、構成の簡素化を図ることができる。
具体的には、リビング16の天井部では、隣り合う建物ユニット20B,20Cの対向する各天井大梁22B,22Cを挟んだ両側にそれぞれ高天井下スペース57を形成し、それら各高天井下スペース57においてそれぞれ天井大梁22B,22C付近に照明機器65を設置した。そして、それら両高天井下スペース57の照明機器65を下方から覆うように遮光板75を各天井大梁22B,22Cの下面側に取り付けた。この場合、各高天井下スペース57においてそれぞれ天井大梁22B,22C付近に間接照明が構築されるため、それら各間接照明によりリビング16を中央側から周縁側に向けて広範囲に亘って照らすことが可能となる。
上述したように、リビング16の天井下に間接照明を構築するにあたって、遮光板71,73,75を通常(通常高さ)の天井面材27Aと同じ高さ位置に配置したことで、例えば次のような付随的な効果が得られる。
遮光板71が天井面材27Aと同じ高さ位置に配置されていることで、収納室18の開口36にフルハイトドアからなる収納扉37を設置可能とした。これにより、収納扉37を開けば開口36が床面44から天井面52までの高さ寸法で開口されるため、収納室18へ物品を収納する際には、物品を収納室18の天井付近まで容易に収納することが可能となる。
遮光板73が天井面材27Aと同じ高さ位置に配置されていることで、外壁31の内面において窓部32の上端から遮光板73までの上下寸法が通常通り確保されている。これにより、外壁31の内面において窓部32よりも上方にカーテンボックス46を配置可能とした。また、外壁31の内面において窓部32よりも上方部分に、カーテンボックス46に代えて、ファンコイルユニット式の空調機を配置してもよい。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、照明機器65B,65Cを壁板77B,77Cに対して取り付けたが、例えば図6に示すように、照明機器65B,65Cを遮光板75上に取り付けてもよい。同図6では、照明機器65Bが遮光板75の延出部75a上に取り付けられ、照明機器65Cが遮光板75の延出部75b上に取り付けられている。この場合、照明機器65B,65Cを壁板77B,77Cに取り付ける場合と比べて、天井下から照明機器65B,65Cを見えにくくすることができる。そのため、遮光板75の延出部75a,75bの延出長さを上記実施形態よりも短くすることができる。
(2)上記実施形態では、照明機器65を天井大梁22の近傍に配設したが、図7に示すように、照明機器65を天井大梁22から離間させて配設してもよい。この場合、照明機器65を離間させた分、遮光板91において天井大梁22から延出する延出長さを長くすればよい。
また、図7の例では、遮光板91が2枚重ねされた石膏ボードよりなる天井面材により構成されている。遮光板91は、隣り合う建物ユニット20A,20Bの各天井大梁22A,22Bの下面側に固定された各野縁47A,47Bの下面に跨がって設けられ、それら各野縁47A,47Bに対しビス等で固定されている。そして、遮光板91において天井大梁22Bから延出する延出部91aにより各照明機器65が下方から覆われている。この場合、天井面材を利用して遮光部材が構成されているため、遮光部材を別途設けなくてよい分、部品点数の低減を図ることができる。
(3)上記実施形態では、照明機器65を天井大梁22付近に配設したが、これを変更して、照明機器65を天井大梁22から離間させて配設してもよい。例えば、照明機器65を、建物ユニット20Bの対向する(長辺側の)各天井大梁22Bの間の中央部(換言すると高天井下スペース57の中央部)に配設することが考えられる。この場合、天井大梁22Bを利用して照明機器65や遮光板を取り付けることができないため、例えば天井面材27Bの下面側に垂れ壁を設け、その垂れ壁に対して照明機器65や遮光板を取り付けることになる。この場合にも、照明機器65を高天井下スペース57を利用して設置することができるため、照明機器65から受ける圧迫感を少なくすることができる。
(4)上記実施形態では、建物ユニット20B,20Cの各天井小梁25B,25Cすべてを高天井小梁とすることで、建物ユニット20B,20Cの天井面材27B,27C全部を高天井面材としたが、各天井小梁25B,25Cのうち一部の天井小梁25B,25Cだけを高天井小梁として、天井面材27B,27Cの一部だけを高天井面材としてもよい。その場合にも、その高天井面材の下方には高天井下スペースが形成されるため、そのスペースを利用して照明機器65を設置すれば、照明機器65から受ける圧迫感を少なくすることができる。
(5)上記実施形態では、対向する一対の天井大梁22B,22Cの上部間に天井小梁25B,25Cを架け渡し、その天井小梁25B,25Cの下面側に天井面材27B,27Cを取り付けることで高天井面材(天井面材27B,27C)を配設したが、高天井面材を配設するための構成は必ずしもこれに限らない。例えば、隣り合う(通常高さの)天井小梁25(すなわち天井小梁25Aと同じ高さに配置された天井小梁25)上に所定の間隔で複数の長尺材を架け渡し、それら長尺材の下面に天井面材27を取り付けることで高天井面材(天井面材27)を配設するようにしてもよい。その場合にも、それら隣り合う天井小梁25間において当該高天井面材の下方に高天井下スペースを形成することができる。
また、隣り合う天井小梁25間に長尺状を架け渡すことに代えて、二階部分15の建物ユニット20の隣り合う床小梁26間に複数の長尺材を架け渡し、それら長尺材の下面に天井面材27を取り付けてもよい。その場合にも、天井面材27の下方に高天井下スペースを形成することができる。また、この場合、天井小梁25間に長尺材を架け渡す場合と比べて、天井面材27を高い位置に配置することができるため、高天井下スペースの上下寸法を大きくすることができる。
(6)上記実施形態では、照明機器65としてLEDを用いたが、蛍光灯や白熱灯等、他の照明装置を用いてもよい。また、照明機器65として、光量を調整可能なものや、光の色を調整可能なものを用いてもよい。
(7)上記実施形態では、リビング16の高天井下スペース57を利用して照明機器65(設備機器に相当)を設置したが、高天井下スペース57を利用して音響機器(スピーカ等)や映像機器(テレビ等)、通信機器(送受信器)等、照明機器65以外の設備機器を設置してもよい。また、高天井下スペース57を利用して設備機器を設置する場合、必ずしも設備機器の全体が高天井下スペース57に配置される必要はなく、設備機器の一部のみが高天井下スペース57に配置されるように設備機器を設置してもよい。その場合でも、設備機器を設置するにあたって設備機器から受ける圧迫感を少なくすることができる。
また、上記実施形態では、天井面材27B,27Cと天井大梁22B,22Cとの下面との間の段差部に設けられた壁板77B,77Cに照明機器65を取り付けたが、例えばこの壁板77B,77Cに空調装置から供給される空調空気(冷気又は暖気)をリビング16へ向けて吹き出す吹出口を設けてもよい。この場合、空調空気を側方に向けて吹き出すことができるため、空調空気から吹き出す風(空調空気)が居住者に直接当たるのを抑制することができ、上記風によって居住者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
(8)上記実施形態では、遮光部材として、平板状の遮光板71,73,75を用いたが、遮光部材の構成は必ずしもこれに限定されない。例えば、遮光部材として、遮光板71,73,75の先端部に上方に起立する起立板部を設けたものを用いてもよい。この場合、照明機器65を天井下からより見えにくくすることができる。
(9)例えば、リビング16の天井面材27B,27Cにおいて、その下面側に凹凸部を設け、それによって天井部の意匠性(デザイン性)向上を図ってもよい。その場合、天井面材27B,27Cの下面側に設けられる凹部及び凸部のうち、凸部については下方に突出するように設けられることになるが、天井面材27B,27Cは通常の天井面材27Aよりも高い位置にあるため、その凸部から受ける圧迫感を少なくすることができる。
また、リビング16の天井部において、通常の天井面材27Aと同じ高さ位置に、透過する光を拡散させる(例えば乳白色の)透光性パネルを設けてもよい。その場合、照明機器65からの光はその透光性パネルを透過する際拡散されるため、リビング16の天井部においていわゆる面照明を実現することができる。また、この場合には、間接照明に代えて、照明機器65を天井面55下に取り付け直接照明としてもよい。
さらに、リビング16の高天井下スペース57を利用してシステム天井化を行ってもよい。