JP6474770B2 - 抽出フィルタ及びホルダ - Google Patents
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Description
これに対して、金属製の抽出フィルタは、コーヒー豆からその良質な油分を吸収することなくコーヒー液を抽出することができることから、近年では広く普及している。
また、浸漬式によるコーヒー液の抽出では一杯のコーヒー液を提供するまでの時間もかかり、短時間で多くのコーヒー液を提供することは困難であった。
図1は、抽出フィルタの斜視図である。図2は、図1に示す抽出フィルタを示す図であり、(a)は抽出フィルタの側面図であり、(b)は抽出フィルタの平面図である。
説明の便宜上、抽出フィルタ1の使用状態において、上側(被抽出物の投入口側)を矢印a方向、下側(底壁側)を矢印b方向とする。
図1に示すように、抽出フィルタ1は、枠体Fと、側周壁11及び底壁15を有する略円筒状の抽出部10とを備える。抽出フィルタ1は、底壁15とは反対側に被抽出物が投入される投入口Oを有する。また、抽出フィルタ1の被抽出物が投入されて収容され投入空間Rは、側周壁11と底壁15とにより略円筒状に画成されている。
ここで「略円筒状」とは、抽出部10の内周面の形状が円筒形状を含め、投入口Oから底壁15に向かって縮径していく略円錐台形状を含むものである。
枠体Fは、抽出フィルタ1の骨格を形成するものであり、例えばプラスチック等の合成樹脂、合成樹脂及びガラス繊維の混合材料、例えばステンレス、プラチナ、金、銀、銅、チタン、ニッケル等の金属材料、又は当該金属材料に、例えば金若しくはニッケルによるめっきを施すことにより形成されている。図1に示すように、枠体Fは、抽出フィルタ1の投入口O側から底壁15に向かって、上枠部F1、側枠部F2及び底枠部F3を有する。上枠部F1、側枠部F2及び底枠部F3は、互いに一体に形成されている。
抽出部10の側周壁11は、側枠部F2によりその周方向が三つの領域に分けられており、例えば、周方向に三等分された側枠部F2の間の部分は、金属薄板よりなる側周フィルタ部12として形成されている。側周フィルタ部12の素材には、防食の観点から、例えばステンレスを使用することが有利である。側周フィルタ部12には、めっき層が形成されており、例えば金をめっきすることが好ましい。
図2(a)に示すように、側周フィルタ部12には、飲料液を流出させる複数の長孔12aが形成されている。長孔12aは、長円形状を有しており、その長軸が高さ方向a,bに、つまり、抽出フィルタ1の軸線X方向に沿って延び、かつ千鳥状に配列されている。側周フィルタ部12におけるメッシュの開孔率は、例えば35〜40%であり、特に37.5%であることが好ましい。
また、側周フィルタ部12には、抽出部10に投入される被抽出物の量の目安となる印12bが形成されている。
底フィルタ部16の素材には、防食の観点から、例えばステンレスを使用することが有利である。底フィルタ部16には、めっき層が形成されており、例えば金をめっきすることが好ましい。底フィルタ部16には、飲料液を流出させる複数の長孔16aが形成されている。
また、他の列を形成する長孔16aの長軸は、底フィルタ部16を等分する仮想線Vl上又は仮想線Vlの近傍で当該仮想線Vlに沿う長孔16aの長軸に対して平行になっている。
さらに、3つの各底フィルタ部16、16、16の長孔16aの長軸は、互いに非平行をなし、つまり、異なる底フィルタ部16における長孔16aの長軸同士が平行になることはない。
底フィルタ部16におけるメッシュの開孔率は、例えば35〜40%であり、特に37.5%であることが好ましい。
なお、側周壁11は、抽出用の所望の面積及び所望の強度が確保されていれば、三等分に限られず、等分されていない場合や、二等分、四等分等に分割されていてもよい。また、必ずしも等分されている必要もない。
側周フィルタ部12に設けられる印12bの高さa、b方向における位置は、投入される被抽出物の量に応じて適宜設計変更される。
側周フィルタ部12及び底フィルタ部16に形成された孔の形状は、長円形状に限られず、円形、楕円形、正方形、長方形等の他の形状であってもよい。
底フィルタ部16における長孔16aにより形成された全て列が、抽出フィルタ1の軸線Xを中心として放射状に形成されていてもよい。
側周フィルタ部12及び底フィルタ部16の素材として、ステンレス以外に、例えば、プラチナ、金、銀、銅、チタン、ニッケル等を使用することも可能である。素材に金を使用した場合には、めっき処理は必要ない。また、側周フィルタ部12、及び、底フィルタ部16の素材をステンレスとした場合、めっき材料として金の他に、例えば、プラチナ、銀、銅、チタン、ニッケル等を選択することもできる。
次に、図3〜図5により抽出フィルタ1を用いて飲料液を抽出する際に当該抽出フィルタ1をカップC(図5参照)上で保持するホルダ5について説明する。図3は、抽出フィルタ1を保持するホルダ5を斜め上方から見た斜視図である。図4は、ホルダ5を示す図であり、(a)はホルダ5の側面図であり、(b)はホルダ5を斜め下方から見た斜視図である。図5は、抽出フィルタ1により飲料液をカップCに抽出する状態を示す図である。
説明の便宜上、ホルダ5をカップCに載置した状態において、上側を矢印c方向、下側(カップC側)を矢印d方向とする。
載置部51は、カップCの飲み口側に載置される部分であり、載置部51の中央には円形の開口51aが設けられている。載置部51は、平面に見て略三角形状を有し、載置部51の3つの角部は、丸味を帯びたR部51bとして形成されている。
また、載置部51は、カップCに載置される面にR部51bの輪郭に沿って湾曲するように形成された突部52を有する。突部52は、下側(矢印d方向)に突出している。
抽出フィルタ1の抽出部10が挿入される保持部53の挿入口53aの内径は、少なくとも抽出フィルタ1の底壁15の外径よりも大きく、抽出フィルタ1の上枠体F1の最大外径よりも小さくなっている。つまり、図5に示すように、保持部53は、抽出フィルタ1の上枠体F1の外周面にその下側(矢印d方向)から接触して抽出フィルタ1を保持する。
また、抽出フィルタ1の底壁15がカップC内に過度に突入して、コーヒー液の抽出時に、底壁15がコーヒー液に沈むことがなければ、抽出フィルタ1の側周壁11の上記高さ方向の寸法は、側周壁11の上記高さ方向の寸法より少し小さくなっていてもよい。
なお、載置部51は、カップCに載置されるようになっていればその平面形状には限定されず、円形状又は四角以上の略多角形状を有していてもよい。
次に、抽出フィルタ1を用いてコーヒー豆粉末からコーヒー液(飲料液)を抽出する工程について説明する。
まず、コーヒー液を溜めるカップCにホルダ5を設置する。ホルダ5の載置部51のR部51bには突部52が設けられているので、カップCにおけるホルダ5の載置位置が不意にずれた場合であっても、突部52がカップCの縁に接触するのでホルダ5がカップCから滑り落ちることを防ぐことができる。
また、側周壁11の側周フィルタ部12の長孔12aは、その長軸が軸線Xに沿う方向に延在しているのでお湯は底壁15へ導かれるので、一定の速度・間隔でコーヒー豆粉末に対してお湯を注ぐことができる。
また、底壁15の各底フィルタ部16に形成された長孔16aによる配列の構成により、抽出フィルタ1の抽出部10に、周方向のどの方向からお湯を注いだとしても、底壁15の底フィルタ部16のいずれかの長孔16aの長軸に沿ってお湯が流れるようになり、一定の速度・間隔でコーヒー液が抽出され、ほぼ同じ抽出時間で均質なコーヒー液を抽出することができる。
側周フィルタ部12及び底フィルタ部16は金属製であるので、コーヒー豆粉末が持つ独特の成分や油分を吸収することはない。
かくして、抽出フィルタ1にはコーヒー液のドリップ毎に、常に同じ量のコーヒー豆粉末を投入することができると共に、抽出フィルタ1に対してお湯を注ぐ方向に関係なく、ほぼ一定の速度でお湯を注ぐことができ、抽出時間及び品質も毎回ほぼ同じである。この点において、抽出フィルタ1は、カップC一杯分のコーヒー液を透過式によりドリップすることに優れている。
側周フィルタ部12及び底フィルタ部16における開孔率は、35〜40%、特に37.5%に設定することにより、コーヒー豆粉末が不都合に多く流出することを抑えつつ、コーヒー液を透過式にドリップするという機能を発揮することができる。
かくして、各抽出フィルタ1に種類の異なるコーヒー豆粉末を投入することで、例えば上段の抽出フィルタ1で抽出されたコーヒー液が、上段の抽出フィルタ1に投入されたコーヒー豆粉末とは異なるコーヒー豆粉末が投入された下段の抽出フィルタ1を透過することになる。これにより、1種類のコーヒー豆粉末から抽出したコーヒー液の場合、又は、異なるコーヒー豆粉末を混ぜて抽出したコーヒー液の場合とは違った風味を備えたコーヒー液を味わうことができる。
10 抽出部
11 側周壁
12 側周フィルタ部
12a 長孔(孔)
12b 印
15 底壁
16 底フィルタ部
16a 長孔(孔)
5 ホルダ
51 載置部
51b R部
52 突部
53 保持部
53a 挿入口
53b 開口
C カップ(飲用容器)
Vl 仮想線
Claims (10)
- 投入された被抽出物に液体を注いで当該被抽出物から飲料液を飲用容器に抽出する、前記飲用容器に載置される金属製の抽出フィルタであって、
前記飲料液が流出する複数の孔が形成された金属製の側周フィルタ部を有する側周壁と、
前記側周壁と共に前記被抽出物が投入される投入空間を画成する、前記飲料液が流出する複数の孔が形成された金属製の底フィルタ部を有する底壁と、
を備え、
前記側周壁の前記複数の孔は長孔であり、当該長孔の長軸は前記側周壁の高さ方向に沿って互いに平行に配列されており、
前記底フィルタ部は、少なくとも三等分に形成されており、
前記底フィルタ部それぞれにおける前記複数の孔は長孔であり、当該長孔の長軸は互いに平行に配列されており、当該長孔の少なくとも一部は、その長軸が前記投入空間の軸線から放射状に延びる仮想線に沿って延びていることを特徴とする抽出フィルタ。 - 前記仮想線は、前記軸線を中心として前記底フィルタ部を等分することを特徴とする請求項1に記載の抽出フィルタ。
- 前記複数の底フィルタ部のうち一の前記底フィルタ部における前記長孔の長軸は、他の前記底フィルタ部における前記長孔の長軸に対して非平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抽出フィルタ。
- 前記側周フィルタ部及び前記底フィルタ部における前記長孔の配列は、千鳥状に形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の抽出フィルタ。
- 前記側周フィルタ部及び前記底フィルタ部における開孔率は、35〜40%であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の抽出フィルタ。
- 前記被抽出物の所望の投入量を規定する印が前記側周フィルタ部に設けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の抽出フィルタ。
- 前記底壁の外径の大きさは、前記底壁とは反対側における前記側周壁の内径以上であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の抽出フィルタ。
- 請求項1から7までのいずれか一項に記載の抽出フィルタを保持するホルダであって、
前記飲用容器に載置にされる、中央に開口を備えた載置部と、該載置部から前記飲用容器とは反対側に前記開口に沿って立設して前記抽出フィルタを収容保持する円筒状の保持部と、を備える
ことを特徴とするホルダ。 - 前記保持部は、側周面に少なくとも1つの開口を有することを特徴とする請求項8に記載のホルダ。
- 前記載置部の縁部の、前記飲用容器の側を臨む面には突部が形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のホルダ。
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