JP6474715B2 - 偏心揺動型の減速装置 - Google Patents

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本発明は、偏心揺動型の減速装置に関する。
特許文献1に、外歯歯車と、該外歯歯車と噛合する内歯歯車と、該内歯歯車の軸心からオフセットした位置に配置され外歯歯車を揺動回転させる複数のクランク軸と、を備えた偏心揺動型の減速装置が開示されている。
各クランク軸には、振り分け歯車が設けられている。複数の振り分け歯車は、単一の入力ピニオンと噛合している。複数のクランク軸は、キャリヤによって支持されている。
クランク軸は、キャリヤから軸方向反外歯歯車側に突出する突出部を有している。
振り分け歯車は、各クランク軸の当該突出部に設けられている。
特開2015−161235号公報(図3、図4)
このような偏心揺動型の減速装置にあっては、運転時の騒音が大きくなり易いという問題があった。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、運転時の騒音をより低減することのできる偏心揺動型の減速装置を提供することをその課題としている。
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車と噛合する内歯歯車と、該内歯歯車の軸心からオフセットした位置に配置され前記外歯歯車を揺動回転させる複数のクランク軸と、各クランク軸に設けられる振り分け歯車と、複数の振り分け歯車と噛合する入力ピニオンと、前記クランク軸を支持するキャリヤと、を備えた偏心揺動型の減速装置であって、前記クランク軸は、前記キャリヤから軸方向反外歯歯車側に突出する突出部を有し、前記振り分け歯車は、前記クランク軸の前記突出部に設けられ、前記複数のクランク軸の前記突出部を支持する支持板を有する構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
発明者は、この種の偏心揺動型の減速装置の運転時の騒音が大きくなってしまう要因の一つとして、クランク軸が、歯車荷重や当該偏心揺動型の減速装置の内部荷重により、径方向に変形し、それに伴って入力ピニオンと振り分け歯車との間にミスアライメント(軸心ずれ)が生じる現象があることを突き止めた。
本発明に係る偏心揺動型の減速装置は、複数のクランク軸の突出部を支持する支持板を有している。したがって、支持板によって、複数のクランク軸の突出部が径方向に変形しないように(運転時に振れ回らないように)することができ、入力ピニオンと振り分け歯車との間にミスアライメントが生じるのを抑制することができる。その結果、入力ピニオンと振り分け歯車をより円滑に噛合させることができ、運転時の騒音をより低減させることができる。
本発明によれば、運転時の騒音をより低減することができる偏心揺動型の減速装置が得られる。
本発明の実施形態の一例に係る偏心揺動型の減速装置の断面図 図1の要部拡大断面図 図2の矢視III−III線に沿う断面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る偏心揺動型の減速装置の断面図、図2は、その要部拡大断面図である。また、図3は、図2の矢視III−III線に沿う断面図である。
概略から説明すると、本偏心揺動型の減速装置G1は、外歯歯車12と、該外歯歯車12と噛合する内歯歯車14と、該内歯歯車14の軸心C14からオフセットした位置に配置され外歯歯車12を揺動回転させる複数(この例では3本)のクランク軸20(21〜23)と、を備える。
各クランク軸21〜23には、振り分け歯車30(31〜33)が設けられている。複数の振り分け歯車31〜33は、各振り分け歯車31〜33の中央に配置された単一の入力ピニオン36と噛合している。クランク軸21〜23は、第1キャリヤ41(キャリヤ)および第2キャリヤ42によって支持されている。
クランク軸21〜23は、第1キャリヤ41から軸方向反外歯歯車側に突出する突出部25を有している。振り分け歯車31〜33は、クランク軸21〜23の当該突出部25に設けられている。そして、本減速装置G1は、複数のクランク軸21〜23の突出部25を支持する支持板70を備えている。
以下、詳述する。
減速装置G1は、外歯歯車12を揺動回転させるために、内歯歯車14の軸心C14からr20だけオフセットした位置に複数(3本)のクランク軸20(21〜23)を備えている。各クランク軸21〜23は、外歯歯車12を揺動回転させるために、2個の偏心部26を一体的に備えている。
偏心部26の軸心C26は、それぞれクランク軸21〜23の軸心C20に対して偏心しており、偏心部26は、クランク軸21〜23の軸心C20に対して偏心した外周を有している。2個の偏心部26の偏心位相差は、この例では180度である(互いに離反する方向に偏心している)。
3本のクランク軸21〜23は、それぞれ同様の構成とされ、各クランク軸21〜23の軸方向同位置にある偏心部26同士の偏心位相は同一である。偏心部26の外周には、偏心体軸受50を介して外歯歯車12が配置されている。外歯歯車12は、内歯歯車14に内接噛合している。
内歯歯車14は、内歯歯車本体14Aと、支持ピン14Bと、内歯ローラ14Cとを有している。内歯歯車本体14Aは、減速装置G1のケーシング16と一体化され、複数のピン溝14A1を有している。支持ピン14Bは、円柱状の部材で構成され、ピン溝14A1に嵌入されている。内歯ローラ14Cは、支持ピン14Bの外周に回転自在に組み込まれ、該内歯歯車14の内歯を構成している。内歯歯車14の歯数(内歯ローラ14Cの個数)は、外歯歯車12の歯数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。
外歯歯車12の軸方向反負荷側(入力側)には、第1キャリヤ41(キャリヤ)が配置されている。外歯歯車12の軸方向負荷側には、第2キャリヤ42が配置されている。第1キャリヤ41と第2キャリヤ42はキャリヤピン52を介して連結されている。具体的には、キャリヤピン52は、第2キャリヤ42に圧入されると共に、第1キャリヤ41とキャリヤボルト54を介して連結されている。
第2キャリヤ42は、出力軸56と一体化されている(一つの部材で一体的に構成されている)。出力軸56は、背面合わせで組み込まれた一対のテーパローラ軸受58、59によってケーシング16に支持されている。
外歯歯車12は、該外歯歯車12の軸心C12の位置にセンタ貫通孔12Aを有し、軸心C12からオフセットした位置にキャリヤピン52が挿入されるオフセット貫通孔12Bを有している。キャリヤピン52は、外歯歯車12のオフセット貫通孔12Bを非接触で(隙間を有して)貫通している。
ここで、本減速装置G1のクランク軸21〜23は、正面合わせで組み込まれた一対のテーパローラ軸受61、62を介して第1キャリヤ41および第2キャリヤ42に支持されている。クランク軸21〜23は、第1キャリヤ41から軸方向反外歯歯車側に突出する突出部25を有している。換言するならば、突出部25は、クランク軸21〜23を支持している反負荷側のテーパローラ軸受61から、片持ち状態で反負荷側に延在されている。
クランク軸21〜23の突出部25に、振り分け歯車31〜33が設けられている。振り分け歯車31〜33は、クランク軸21〜23に入力ピニオン36側からの動力を伝達するための歯車で、それぞれキー34を介して突出部25に設けられている。本減速装置G1は、クランク軸21〜23を3本有しているため、振り分け歯車31〜33は、各クランク軸21〜23に1個ずつ、計3個設けられている。
各振り分け歯車31〜33は、中央(内歯歯車14の軸心C14上)に配置された1個の入力ピニオン36と噛合している。入力ピニオン36は、キー17を介して入力軸18に組み込まれている。この減速装置G1の入力ピニオン36および振り分け歯車31〜33は、ヘリカルピニオンおよびヘリカルギヤのセットで構成されている(スパーギヤ等の歯車セットであってもよい)。
入力軸18は、第1キャリヤ41に組み込まれたローラ軸受66およびケーシング16に組み込まれた玉軸受68によって支持されている。入力軸18は、図示せぬモータ等の駆動源の回転によって回転可能である。
本減速装置G1は、複数のクランク軸21〜23の第1キャリヤ41からの突出部25を支持する支持板70を備えている。支持板70は、複数(3本)のクランク軸21〜23の突出部25に跨って支持板軸受90を介して各突出部25に装着される。
より具体的には、支持板70は、円板状の本体部71と、該本体部71の外周端部から曲折し第1キャリヤ41の径方向外側にリング状に延在する延在部72とを有する。つまり、延在部72は、径方向から見たときに、第1キャリヤ41と重なっている。
支持板70は、本体部71の3本のクランク軸21〜23の周囲に、軸方向反負荷側に本体部71の軸方向厚さを拡大したクランク軸厚肉部73を有する。また、支持板70は、本体部71の径方向内歯歯車14の軸心C14の位置に、該クランク軸厚肉部73と連続する中央厚肉部78を有している。中央厚肉部78の軸方向厚さL78は、クランク軸厚肉部73の軸方向厚さL73よりも大きい(L78>L73)。
支持板70のクランク軸厚肉部73には、クランク軸貫通孔74が形成され、クランク軸21〜23は、該クランク軸貫通孔74を貫通している。支持板70(のクランク軸貫通孔74)とクランク軸21〜23の突出部25との間には、支持板軸受90が配置されている。支持板軸受90は、この例では玉軸受によって構成されている。
支持板70の中央厚肉部78には、本体部71の径方向内歯歯車14の軸心C14の位置に(つまり支持板70の径方向中央に)、中央貫通孔75が形成されている。入力軸18は、該中央貫通孔75を貫通している。
支持板70の延在部72の内径D72は、第1キャリヤ41の外径d41と等しく、第1キャリヤ41の外周41Aと支持板70の延在部72の内周72A(支持板70の内周)は当接している。
支持板70の延在部72の外径d72(支持板70の外径d70)は、第1キャリヤ41の外径d41よりも該延在部72の肉厚(径方向厚さ)W72に相当する分だけ大きい。つまり、支持板70の延在部72の外径d72(支持板70の外径d70)は、第1キャリヤ41の外径d41よりも大きい(d70>d41)。
支持板70(の外周72B)とケーシング16(の内周16F)との間には、隙間δ(70−16)が確保されており、支持板70は、外周72Bにおいてケーシング16(あるいは軸受等の他の部材)とは当接していない。換言するならば、支持板70は、外周72Bにおいて、ケーシング16から反力を受けてクランク軸21〜23の突出部25を支持するような構成とはされていない。
また、支持板70の中央貫通孔75の内径D75は、入力軸18の外径(より具体的には入力軸18に外嵌されているブッシュ19の外径d19)よりも大きい。支持板70(の中央貫通孔75)と入力軸18(に外嵌されたブッシュ19)との間には隙間δ(70−19)が確保されており、支持板70は、中央貫通孔75において、入力軸18やブッシュ19(あるいは軸受等の他の部材)とは当接していない。換言するならば、支持板70は、中央貫通孔75において、入力軸18やブッシュ19から反力を受けてクランク軸21〜23の突出部25を支持するような構成ともされていない。
本減速装置G1の支持板70は、クランク軸貫通孔74において、支持板軸受90を介して複数(3本)のクランク軸21〜23の突出部25に跨って装着されている。つまり、支持板70は、クランク軸貫通孔74において、それぞれの突出部25に対して支持板70自体の内部応力を提供することによって、全突出部25を纏めて支持する構成とされている。
支持板70は、さらに、本体部71の外周端部の反負荷側に、(潤滑剤の)掻き上げ部77を有する。掻き上げ部77は、周方向に複数(この例では9個)設けられている。掻き上げ部77は、本体部71から軸方向反負荷側(入力側)に向けて形成されたベース部77Aと、該ベース部77Aの径方向内側および本体部71の反負荷側に連続して形成された掻き上げ体77Bとを有する。掻き上げ体77Bは、軸と平行な断面(図1、図2の断面)が、ほぼ三角形とされ、ベース部77Aおよび本体部71と一体化されている。
前述したように、支持板70は、本体部71の径方向中央に(内歯歯車14の軸心C14の位置に)、中央貫通孔75が形成されている。中央貫通孔75の内径D75は、入力ピニオン36の歯底円径d36Bよりも大きい(D75>d36B)。
さらに具体的には、中央貫通孔75は、入力側端部に向かうに従って内径が(D75から)より拡大する拡径部75Aを有している。拡径部75Aは、軸と平行な断面の形状が、円弧形状とされている。この円弧形状は、通常の面取りのような凸状ではなく、凹状に形成されている。拡径部75Aの最大内径は、D75Aである。この拡径部75Aの最大内径D75Aは、入力ピニオン36の歯先円径d36Tよりも大きい(D75A>d36T)。
次に、この減速装置G1の作用を説明する。
駆動源側の回転によって入力軸18が回転すると、該入力軸18とキー17を介して一体化されている入力ピニオン36が回転する。入力ピニオン36は、3個の振り分け歯車31〜33と同軸に噛合している。したがって、入力ピニオン36の回転により3個の振り分け歯車31〜33が同一の方向に同一の回転速度で回転する。各振り分け歯車31〜33が回転することで、3本のクランク軸21〜23が同一の方向に同一の回転速度で回転し、各クランク軸21〜23の偏心部26が偏心回転することで、偏心体軸受50を介して外歯歯車12が揺動回転する。外歯歯車12は、内歯歯車14に内接噛合しており、かつ、外歯歯車12の歯数は内歯歯車14の歯数よりも1だけ少ない。
そのため、外歯歯車12が1回揺動する毎に(クランク軸21〜23が1回回転する毎に)外歯歯車12は、ケーシング16と一体化されている内歯歯車14に対して歯数差分(1歯分)だけ相対的に回転する(自転する)。
この外歯歯車12の自転によって各クランク軸21〜23は、内歯歯車14の軸心C14の周りで公転する。このクランク軸21〜23の公転により、該クランク軸21〜23を支持している第1、第2キャリヤ41、42が回転し、第2キャリヤ42と一体化されている出力軸56が回転する。
この一連の減速作用がなされるときに、クランク軸21〜23の突出部25は、歯車荷重や減速装置G1の内部荷重により、径方向外側(法線方向からやや傾いた方向の外側)に変形する傾向となる。これによって、入力ピニオン36と振り分け歯車31〜33との間にミスアライメントが生じ、入力ピニオン36と振り分け歯車31〜33が歯幅全体で噛合できない「片当たり」と称される現象および噛み合い誤差が発生する。
入力ピニオン36と振り分け歯車31〜33との間に生じるミスアライメントは、運転騒音がより大きくなる要因となる。また、入力ピニオン36と振り分け歯車31〜33が片当たりで噛合することから、早期の歯面損傷の懸念も生じる。
しかしながら、本減速装置G1においては、各クランク軸21〜23の突出部25は、支持板軸受90を介して1個の支持板70によって支持されている。そのため、各突出部25の変形は、支持板70の内部応力によって抑制され(突出部25の剛性が高められ)、入力ピニオン36と振り分け歯車31〜33とのミスアライメントの発生が抑制される。
その結果、入力ピニオン36は、3個の振り分け歯車31〜33の噛み合い誤差を抑制し、より円滑に噛合することができ、運転騒音がより低減される。また、入力ピニオン36および各振り分け歯車31〜33の片当たりが抑制されることにより、歯面の耐久性をより向上させることができる。
本減速装置G1においては、さらに、支持板70と突出部25との間に支持板軸受90が配置されている。このため、突出部25と支持板70との摺動抵抗を低減することができる。
また、本減速装置G1においては、支持板70の外径d70は、第1キャリヤ41の外径d41よりも大きい(d70>d41)。そのため、支持板70の剛性をより高く維持することができる。
また、本減速装置G1においては、支持板70は、第1キャリヤ41の径方向外側に延在する延在部72を有している。すなわち、延在部72は、径方向から見たときに、第1キャリヤ41と重なっている。これにより、この延在部72が支持板70の強度(剛性)を高める機能を発揮すると共に、減速装置G1の軸方向の大きさが徒に増大するのを抑制することができる。
また、本減速装置G1においては、第1キャリヤ41の外周41Aと延在部72の内周72Bが当接していることから、支持板70は、第1キャリヤ41と一体化され、強度(剛性)を一層高めることができる。さらに、潤滑に関しても、後述するような良好な作用が得られる。
また、本減速装置G1においては、支持板70は、潤滑剤を掻き上げる掻き上げ部77を有している。そのため、支持板70は、各クランク軸21〜23の公転と同一の速さで回転しながら掻き上げ体77Bによって潤滑剤を掻き上げ、減速装置G1内に封入されている潤滑剤を適度に流動させるようになる。そのため、より良好な潤滑作用を得ることができる。
特に、本減速装置G1では、支持板70とケーシング16との間には隙間δ(70−16)が確保されている。また、振り分け歯車31〜33は、ヘリカルギヤで構成されている。そのため、掻き上げ部77によって十分に振り分け歯車31〜33に振りかけられた潤滑剤の一部を、該振り分け歯車31〜33の歯部からケーシング16の内周16Fに沿って、この隙間δ(70−16)側に流し、外歯歯車12と内歯歯車14の噛合部に効率的に供給することができる(矢印A1、A1)。
また、本減速装置G1においては、入力ピニオン36および振り分け歯車31〜33がヘリカルで構成され、支持板70は径方向中央に中央貫通孔75を有し、中央貫通孔75の内径D75は、入力ピニオン36の歯底円径d36Bよりも大きい(D75>d36B)。さらに、中央貫通孔75には入力側端部に向かうに従って内径がより拡大する拡径部75Aが形成されている。拡径部75Aの最大内径D75Aは、入力ピニオン36の歯先円径d36Tよりも大きい(D75A>d36T)。この構成から以下のような潤滑作用が得られる。
入力ピニオン36および振り分け歯車31〜33がヘリカルピニオンで構成されていると、運転時に潤滑剤には軸方向成分を有する流れが発生する。この潤滑剤の流れは、入力ピニオン36の歯先円径d36Tよりも最大内径D75Aが大きい拡径部75Aから中央貫通孔75内に流入する(矢印A2、A2)。中央貫通孔75に流入した潤滑剤は、入力軸18に外嵌されたブッシュ19との隙間δ(70−19)との間を通ってローラ軸受66や偏心体軸受50等を効果的に潤滑可能である。このとき、中央貫通孔75に形成された拡径部75Aでは、入力側端部に向かうに従って内径が拡大している(D75→D75A)。このため、入力ピニオン36および振り分け歯車31〜33によって中央貫通孔75側に向けられた潤滑剤をより効率的に中央貫通孔75内に取り込むことができ、ローラ軸受66や偏心体軸受50等の潤滑効果を一層高めることができる。
その際、前述したように、本減速装置G1においては、第1キャリヤ41の外周41Aと延在部72の内周72Aが当接していることから、当該中央貫通孔75からの潤滑剤が第1キャリヤ41の外周側に抜けるのを防止し、中央貫通孔75を通過した潤滑剤をより効率的にローラ軸受66や偏心体軸受50等の側に導くことができる。
なお、上記減速装置G1においては、支持板軸受90が、玉軸受によって構成されていたが、支持板軸受の構成は、これに限定されない。例えば、ローラ軸受にて構成してもよい。ローラ軸受は、径方向の遊びがないため、支持板70による剛性向上の効果をより高めることが可能である。
また、支持板の形状や径方向の寸法等も、上記構成例に限定されない。例えば、支持板の外径はキャリヤ(第1キャリヤ)の外径よりも小さくてもよい。延在部も掻き上げ部も、なくてもよい。中央貫通孔の大きさや形状等についても、上記構成例に限定されない。
また、上記減速装置G1においては、支持板70とケーシング16が当接しておらず、支持板70はケーシング16から支持反力を受ける構成となっていなかった。また、支持板70は、入力軸18に外嵌されたブッシュ19とも当接しておらず、入力軸18側から支持反力を受ける構成ともなっていなかった。しかし、この部分に、例えば、軸受等を介在させることによって支持板がケーシングや入力軸側から支持反力を受けるように構成することも可能である。この場合には、支持板による剛性向上効果を一層高めることができる。ただし、この場合には、製造誤差や組み付け誤差によって組み付け時の部材同士の干渉が生じ易くなるため、回転の円滑性は必ずしも向上しない場合が発生すると考えられる。このため、支持板は、上記減速装置のように、支持板自体の内部応力によって各突出部を支持するような構成とされるのが好ましい。
また、上記減速装置G1では、入力ピニオン36および振り分け歯車30の軸方向負荷側(入力ピニオン36と第1キャリヤ41との間)に支持板70を配置するようにしていた。しかし、支持板は、入力ピニオンおよび振り分け歯車の軸方向反負荷側に配置するようにしてもよい。この場合、支持板は突出部の軸方向端部付近に配置されるようになり、支持板のクランク軸の反負荷側軸受からの軸方向距離はより長く、かつ入力ピニオンおよび振り分け歯車のクランク軸の反負荷側軸受からの軸方向距離はより短くなる傾向となる。したがって支持板による剛性向上の効果をより高めることが可能である。
G1…減速装置
12…外歯歯車
14…内歯歯車
20(21〜23)…クランク軸
25…突出部
30(31〜33)…振り分け歯車
36…入力ピニオン
41…第1キャリヤ(キャリヤ)
70…支持板
90…支持板軸受

Claims (8)

  1. 外歯歯車と、該外歯歯車と噛合する内歯歯車と、該内歯歯車の軸心からオフセットした位置に配置され前記外歯歯車を揺動回転させる複数のクランク軸と、各クランク軸に設けられる振り分け歯車と、複数の振り分け歯車と噛合する入力ピニオンと、前記クランク軸を支持するキャリヤと、を備えた偏心揺動型の減速装置であって、
    前記クランク軸は、前記キャリヤから軸方向反外歯歯車側に突出する突出部を有し、
    前記振り分け歯車は、前記クランク軸の前記突出部に設けられ、
    前記複数のクランク軸の前記突出部を支持する支持板を有する
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  2. 請求項1において、
    前記支持板と前記突出部との間に軸受が配置される
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記支持板の外径は、前記キャリヤの外径よりも大きい
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  4. 請求項3において、
    前記支持板は、前記キャリヤの径方向外側に延在する延在部を有する
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  5. 請求項4において、
    前記キャリヤの外周と前記延在部の内周が当接する
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、
    前記支持板は、潤滑剤を掻き上げる掻き上げ部を有する
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記入力ピニオンはヘリカルピニオンで、
    前記支持板は径方向中央に中央貫通孔を有し、
    該中央貫通孔の内径は、前記入力ピニオンの歯底円径よりも大きい
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
  8. 請求項7において、
    前記中央貫通孔は、入力側端部に向かうに従って内径が拡大する拡径部を有し、
    該拡径部の最大内径が、前記入力ピニオンの歯先円径よりも大きい
    ことを特徴とする偏心揺動型の減速装置。
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