JP6474680B2 - リニアゲージ - Google Patents

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Description

本発明は、筐体に対するスピンドルの移動をガイドする筒状のボールガイドを備えたリニアゲージに関する。
従来、筒状の筐体と、筐体の内部に挿入されるとともに、筐体の軸方向に沿って移動するスピンドルと、筐体およびスピンドルの間に介在して設けられることによって、筐体に対するスピンドルの移動をガイドする筒状のボールガイドとを備えたリニアゲージが知られている。例えば、特許文献1に記載された変位検出装置(リニアゲージ)は、本体(筐体)と、スピンドルと、軸受(ボールガイド)とを備え、被測定物(ワーク)の測定に伴って本体の内部に押し込まれるスピンドルの移動量を検出することによって、被測定物を測定している。
ここで、ボールガイドは、筐体の内部にスピンドルを押し込むことによって、スピンドルの移動量に対して1/2の移動量となるように筐体の内部に押し込まれる。したがって、高精度のリニアゲージは、筐体の内部に与圧をかけることによって、筐体、スピンドル、およびボールガイドの位置関係を保持している。
特開平5−60501号公報
しかしながら、このような高精度のリニアゲージは、測定を繰り返すことによって、筐体の内部の与圧が変化し、スピンドルに対するボールガイドの位置も変化してしまう場合がある。このような場合には、リニアゲージの測定精度は低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、ボールガイドの位置の変化を矯正することができ、測定精度を向上させることができるリニアゲージを提供することである。
本発明のリニアゲージは、筒状の筐体と、筐体の内部に挿入されるとともに、筐体の軸方向に沿って移動するスピンドルと、筐体およびスピンドルの間に介在して設けられることによって、筐体に対するスピンドルの移動をガイドする筒状のボールガイドとを備えたリニアゲージであって、スピンドルに設けられるとともに、スピンドルの先端側へのボールガイドの移動を規制する先端側規制部と、筐体に設けられるとともに、スピンドルの基端側へのボールガイドの移動を規制する基端側規制部とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、リニアゲージは、スピンドルに設けられるとともに、スピンドルの先端側へのボールガイドの移動を規制する先端側規制部と、筐体に設けられるとともに、スピンドルの基端側へのボールガイドの移動を規制する基端側規制部とを備えるので、筐体の内部にスピンドルを押し込むことによって、先端側規制部および基端側規制部にてボールガイドを挟み込むことができる。このとき、ボールガイドは、スピンドルの移動量に対して1/2の移動量となるように移動した後、先端側規制部および基端側規制部のいずれかに押されることによって、ボールガイドの軸方向の長さに応じて定まる所定の位置まで移動することになる。したがって、リニアゲージは、ボールガイドの位置の変化を矯正することができ、測定精度を向上させることができる。
ところで、従来のリニアゲージは、その構造上、スピンドルの先端側へのスピンドルの移動を筐体にて規制しているので、ボールガイドの位置が変化してしまうと、筐体の内部にスピンドルを引き込んでしまうことになり、ひいてはスピンドルの可動範囲は狭くなってしまうという問題がある。
このため、自動機器に従来のリニアゲージを採用した場合には、筐体の内部にスピンドルを引き込んでしまうと、自動機器に組み込まれたリニアゲージによって測定したい可動部位にスピンドルが接触しなくなってしまうので、その可動部位を適切に測定することができなくなり、ひいては自動機器を適切に動作させることができなくなってしまうことになる。
これに対して、本発明のリニアゲージは、筐体の内部にスピンドルを押し込むというリニアゲージの本来の動作によって、ボールガイドの位置の変化を矯正することができるので、スピンドルの可動範囲も矯正することができる。したがって、本発明のリニアゲージは、自動機器に組み込まれた場合でも、測定したい可動部位の移動量を好適に測定することができる。
本発明の実施形態に係るリニアゲージの断面を示す模式図 ボールガイドの位置がスピンドルの基端側に変化した状態のリニアゲージを示す模式図 ボールガイドの位置がスピンドルの先端側に変化した状態のリニアゲージを示す模式図 スピンドルを押し込んだ状態のリニアゲージを示す模式図である。 ワークを測定している状態のリニアゲージの外観を示す図
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るリニアゲージの断面を示す模式図である。
リニアゲージ1は、図1に示すように、筒状の筐体2と、筐体2の内部に挿入されるとともに、筐体2の軸方向(紙面上下方向)に沿って移動するスピンドル3と、筐体2の内部に収納されるとともに、スピンドル3の移動量を検知する検知部4とを備えている。
筐体2は、スピンドル3を収容すべく筒状に形成されたスピンドル保持部5を備えている。このスピンドル保持部5は、筐体2と同心となるように形成されるとともに、筐体2の端面から突出するように形成されている。
スピンドル3は、その先端に設けられるとともに、リニアゲージ1の測定に際してワークに当接させる測定子31と、その基端に設けられるとともに、検知部4に対向するように設けられるスケール32とを備えている。また、スピンドル3は、測定子31側に設けられた測定子側拡径部33と、スケール32側に設けられたスケール側拡径部34とを備えている。測定子側拡径部33およびスケール側拡径部34は、スピンドル3の外径よりも大きな外径を有している。
このリニアゲージ1は、ワークに測定子31を当接させて筐体2の内部にスピンドル3を押し込むことによって、検知部4に対して相対的に移動するスケール32の移動量を検知部4にて検知し、このスケール32の移動量をスピンドル3の移動量(測定値)として出力する。
なお、検知部4は、例えば、スケール32に向かって光を照射するとともに、スケール32から反射する光を受光することによって、スケール32の相対的な移動を検知する光学センサを採用することができる。
また、スピンドル保持部5は、その先端側に取り付けられた円筒状のガイド部材51と、ガイド部材51およびスピンドル3の間に介在して設けられた円筒状のボールガイド52と、その先端側の端面に取り付けられたスピンドル規制部53と、その基端側の端部に取り付けられるとともに、スピンドル保持部5を閉塞する閉塞部材54と、スピンドル3を先端側に向かって付勢するバネ55とを備えている。
なお、本実施形態では、ボールガイド52は、円筒状に形成されているが、角筒状などの他の筒状に形成してもよい。要するに、ボールガイドは、筒状に形成されていればよい。
ガイド部材51は、その外周面をスピンドル保持部5の内周面に当接させてスピンドル保持部5に固定されている。
また、ガイド部材51は、その基端側の端面に固定された円環状の円環部材51Aを備えている。この円環部材51Aは、その外周面をスピンドル保持部5の内周面に当接させてスピンドル保持部5に固定されている。また、円環部材51Aの内径は、スピンドル3の外径よりも僅かに大きく、ガイド部材51の内径よりも大きく設定されている。
ボールガイド52は、円筒状に形成されたリテーナ52Aと、リテーナ52Aに形成された複数の穴に嵌め込まれた複数のボール52Bとを備えている。ここで、スピンドル3の外周面と、ガイド部材51の内周面との間隔は、スピンドル3の外周面およびガイド部材51の内周面にリテーナ52Aが当接することなく複数のボール52Bが当接する間隔となるように設定されている。
ここで、前述した測定子側拡径部33の外径は、ボールガイド52の先端側への移動を規制できるように設定されている。また、前述した円環部材51Aの内径は、ボールガイド52の基端側への移動を規制できるように設定されている。換言すれば、ボールガイド52は、スピンドル3、ガイド部材51、測定子側拡径部33、および円環部材51Aにて形成された空間内を軸方向に沿って移動することができる。
そして、スピンドル3は、測定子側拡径部33と、円環部材51Aとの間隔をL1とし、ボールガイド52の長さをL2とした場合に、L1−L2の距離(以下、最大ストロークとする)を移動することができる。
したがって、本実施形態では、測定子側拡径部33は、スピンドル3に設けられるとともに、スピンドル3の先端側へのボールガイド52の移動を規制する先端側規制部として機能する。
また、本実施形態では、円環部材51Aは、筐体2に設けられるとともに、スピンドル3の基端側へのボールガイド52の移動を規制する基端側規制部として機能する。
なお、本実施形態では、先端側規制部として測定子側拡径部33を採用し、基端側規制部として円環部材51Aを採用しているが、これら以外の構造を採用してもよい。要するに、先端側規制部は、スピンドルに設けられるとともに、スピンドルの先端側へのボールガイドの移動を規制することができる構造であればよく、基端側規制部は、筐体に設けられるとともに、スピンドルの基端側へのボールガイドの移動を規制することができる構造であればよい。
スピンドル規制部53は、中央にスピンドル3を挿入する穴部53Aを有する中空円盤状に形成されている。この穴部53Aの内径は、スピンドル3の外径よりも大きく、スピンドル3の測定子側拡径部33よりも小さく設定されている。したがって、スピンドル3は、スピンドル規制部53にスピンドル3の測定子側拡径部33が当接することによって、先端側への移動を規制される。
閉塞部材54は、中央にスピンドル3を挿入する穴部54Aを有する中空円盤状に形成されている。この穴部54Aの内径は、スピンドル3の外径よりも僅かに大きく設定されている。換言すれば、スピンドル3は、穴部54Aに摺動自在に挿入されている。
バネ55は、スピンドル3のスケール側拡径部34と、スピンドル保持部5の閉塞部材54との間に取り付けられている。したがって、バネ55は、スピンドル3を先端側に向かって付勢する。
ここで、リニアゲージ1は、バネ55の付勢力にてスピンドル3を最も突出させた状態(スピンドル規制部53に測定子側拡径部33が当接した状態)において、測定子側拡径部33および円環部材51Aの略中央にボールガイド52が位置するように筐体2の内部に与圧をかけている。
しかしながら、リニアゲージ1は、測定を繰り返すことによって、筐体2の内部の与圧が変化し、スピンドル3に対するボールガイド52の位置も変化してしまう場合がある。
図2は、ボールガイドの位置がスピンドルの基端側に変化した状態のリニアゲージを示す模式図である。図3は、ボールガイドの位置がスピンドルの先端側に変化した状態のリニアゲージを示す模式図である。
例えば、リニアゲージ1は、測定を繰り返すことによって、筐体2の内部の与圧が変化し、図2に示すように、スピンドル3の基端側にボールガイド52の位置も変化してしまう場合がある。また、例えば、リニアゲージ1は、測定を繰り返すことによって、筐体2の内部の与圧が変化し、図3に示すように、スピンドル3の先端側にボールガイド52の位置も変化してしまう場合がある。これらのような場合には、リニアゲージ1の測定精度は低下してしまうという問題がある。
以下、リニアゲージ1にてボールガイド52の位置の変化を矯正する方法を説明する。
リニアゲージ1は、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むことによって、ボールガイド52の位置の変化を矯正することができる。筐体2の内部にスピンドル3を押し込むと、ボールガイド52は、スピンドル3の移動量に対して1/2の移動量となるように筐体2の内部に押し込まれるので、スピンドル3を最大ストロークまで押し込む前に測定子側拡径部33または円環部材51Aと接触する。
具体的には、スピンドル3の基端側にボールガイド52の位置が変化していた場合には、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むと、ボールガイド52は、スピンドル3を最大ストロークまで押し込む前に円環部材51Aと接触する。また、スピンドル3の先端側にボールガイド52の位置が変化していた場合には、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むと、ボールガイド52は、スピンドル3を最大ストロークまで押し込む前に測定子側拡径部33と接触する。
図4は、スピンドルを押し込んだ状態のリニアゲージを示す模式図である。具体的には、図4は、最大ストロークまでスピンドル3を押し込んだ状態のリニアゲージ1を示している。
そして、筐体2の内部にスピンドル3を更に押し込み、最大ストロークに達すると、ボールガイド52は、図4に示すように、ボールガイド52の軸方向の長さ(L2)に応じて定まる所定の位置まで移動することになる。
その後、スピンドル3を解放すると、スピンドル3は、バネ55にて付勢されることによって、その先端側に向かって突出する。このとき、ボールガイド52は、スピンドル3の移動量に対して1/2の移動量となるようにスピンドル3の先端側に向かって移動するので、測定子側拡径部33および円環部材51Aの略中央に位置することになる(図1参照)。
したがって、リニアゲージ1は、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むことによって、ボールガイド52の位置の変化を矯正することができる。
図5は、ワークを測定している状態のリニアゲージの外観を示す図である。具体的には、図5(A)は、スピンドル3の測定子31を測定基準面Sに当接させた状態を示す図であり、図5(B)は、測定基準面Sに載置したワークWを測定するために筐体2の内部にスピンドル3を押し込んだ状態を示す図である。
リニアゲージ1にてワークWを測定する場合には、まず、図5(A)に示すように、スピンドル3の測定子31を測定基準面Sに当接させるとともに、リニアゲージ1の測定値(スピンドル3の移動量)をゼロにセットする。このとき、スピンドル3は、筐体2の内部に僅かに押し込まれた状態(スピンドル規制部53に測定子側拡径部33が当接していない状態)となっている。
次に、図5(B)に示すように、高さH1のワークWを測定基準面Sに載置するために、筐体2の内部にスピンドル3を押し込み、測定基準面Sにおけるスピンドル3の測定子31の直下にワークを載置する。このとき、スピンドル3の押し込み量H2は、ワークの高さH1よりも大きくなる。
したがって、リニアゲージ1は、測定を繰り返すことによって、筐体2の内部の与圧が変化し、スピンドル3に対するボールガイド52の位置も変化してしまっていた場合であっても、ボールガイド52は、筐体2の内部にスピンドル3を押し込み、押し込み量H2だけ移動させることによって、高さH1のワークWを測定しているときには測定子側拡径部33および円環部材51Aに接触しなくなる。換言すれば、リニアゲージ1は、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むというリニアゲージ1の本来の動作によって、ボールガイド52の位置の変化を矯正することができる。
なお、前述したように、ボールガイド52の位置の変化は、スピンドル3を最大ストロークまで押し込むことによって、完全に矯正することができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
リニアゲージ1は、スピンドル3に設けられるとともに、スピンドル3の先端側へのボールガイド52の移動を規制する先端側規制部と、筐体2に設けられるとともに、スピンドル3の基端側へのボールガイド52の移動を規制する基端側規制部とを備えるので、筐体2の内部にスピンドル3を押し込むことによって、先端側規制部および基端側規制部にてボールガイド52を挟み込むことができる。このとき、ボールガイド52は、スピンドル3の移動量に対して1/2の移動量となるように移動した後、先端側規制部および基端側規制部のいずれかに押されることによって、ボールガイド52の軸方向の長さに応じて定まる所定の位置まで移動することになる。したがって、リニアゲージ1は、ボールガイド52の位置の変化を矯正することができ、測定精度を向上させることができる。
以上のように、本発明は、筐体に対するスピンドルの移動をガイドする筒状のボールガイドを備えたリニアゲージに好適に利用できる。
1 リニアゲージ
2 筐体
3 スピンドル
4 検知部
5 スピンドル保持部
31 測定子
32 スケール
33 測定子側拡径部(先端側規制部)
34 スケール側拡径部
51 ガイド部材
51A 円環部材(基端側規制部)
52 ボールガイド
53 スピンドル規制部
54 閉塞部材
55 バネ
S 測定基準面
W ワーク

Claims (1)

  1. 筒状の筐体と、前記筐体の内部に挿入されるとともに、前記筐体の軸方向に沿って移動するスピンドルと、前記筐体および前記スピンドルの間に介在して設けられることによって、前記筐体に対する前記スピンドルの移動をガイドする筒状のボールガイドとを備えたリニアゲージであって、
    前記スピンドルに設けられるとともに、前記スピンドルの先端側への前記ボールガイドの移動を規制する先端側規制部と、
    前記筐体に設けられるとともに、前記スピンドルの基端側への前記ボールガイドの移動を規制する基端側規制部とを備えることを特徴とするリニアゲージ。
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