JP6473590B2 - 発泡ブロックおよび壁面材付き発泡ブロック - Google Patents

発泡ブロックおよび壁面材付き発泡ブロック Download PDF

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本発明は、発泡ブロックに関するものであり、また、一部表面に壁面罪を装着してなる壁面材付き発泡ブロックに関するものである。
従来は、発泡ブロックにより構築された構築物の壁面には、支持材によって支持される壁面保護パネルが設けられていた(特許文献1参照)。この技術は、構築物が合成樹脂製の発泡ブロックによって構成されることから、その発泡ブロックに金属製の爪を差し込むように構成された支持材が設けられ、この支持材に壁面保護パネルを固定するものであった。しかし、支持材は下位の発泡ブロックと上位の発泡ブロックの間に設置しなければならず、支持材の設置作業は、発泡ブロックを積み上げる作業中に行わなければならなかった。従って、発泡ブロックの積み上げ作業を終了した後には、壁面保護パネルは設置できず、壁面保護パネルの交換にも苦慮することとなっていた。
また、発泡ブロックの長手方向に沿った縁部を切欠いたブロック体を使用し、その切欠部にパネル支持部材を嵌合させ、前記切欠き部とパネル支持部材とで、直方体を構成するとともに、このパネル支持部材に対してドリルビスで壁面パネルを固定し、当該壁面パネルが垂直状態に吊り下げられる状態で支持するものがあった(特許文献2参照)。この技術によれば、壁面パネルの設置作業は、発泡ブロックの積み上げ作業とは別に行うことができるという利点を有しているが、壁面パネルはドリルビスのみで装着された状態となっており、平面パネルが不安定な状態で固定されることとなっていた。また、交換に際しては同じ位置でのドリルビスは使用できず、交換に苦慮するものとなっていた。
また、上記技術は、ともに発泡ブロックの経年変化による圧縮クリープ変形が考慮されておらず、また、固定部材のせん断力による発泡ブロックの剥離についても考慮がなされていなかった。そこで、発泡ブロックにアンカーを装着し、これに壁面材を固定するとともに、壁面材は隣接する相互間に適度な間隙を有するように構成した技術が提案されている(特許文献3参照)。
特開平10−168909号公報 特開平11−140875号公報 特開2006−169764号公報
前掲の特許文献3に開示される技術は、発泡ブロックに圧縮クリープ変形が生じた場合であっても壁面材が相互に接触しないように、隣接する壁面材の相互間に間隙を設けるものであった。しかしながら、アンカーは、発泡ブロックの表面に設けられることから、発泡ブロックに圧縮クリープ変形が生じた場合、アンカーの位置が変動するという懸念があった。また、同文献には、アンカーを埋設する構成も開示されているが、埋設したとしても、圧縮クリープ変形の作用がアンカーに及ばないというものでもなかった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、発泡ブロックに圧縮クリープ変形が生じた場合であっても、壁面材を装着するための連結部材の位置が変化しないような発泡ブロックおよび壁面材付き発泡ブロックを提供することである。
そこで、発泡ブロックに係る本発明は、壁面材を装着するための少なくとも一つの装着平面を有する合成樹脂発泡体と、この合成樹脂発泡体の内部に一部が埋設され、前記壁面材と連結可能な連結部材とを備える発泡ブロックであって、前記合成樹脂発泡体は、上面または下面の少なくとも一方に、上下方向に隣接する他の部材との間で相互に当接する当接領域と、前記装着平面から適宜な範囲を切欠かれた状態に形成された非当接領域とを備え、前記連結部材は、前記合成樹脂発泡体の内部に埋設される連結基部と、この連結基部に支持され、前記合成樹脂発泡体の装着平面側に先端部が到達するように該連結基部に突設された連結部本体とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、発泡ブロックの本体部分を構成する合成樹脂発泡体は、発泡ブロックを設置するとき、その上下に位置する面の少なくとも一方に非当接領域が形成されることから、圧縮クリープ現象が生じる場合であっても、非当接領域の変形を抑制し、その他の領域(当接領域)において変形させることとなる。そして、当接領域が形成される部分の高さ寸法と、非当接領域が形成される部分の高さ寸法には、必然的に差違を有し、当接領域の高さ寸法が非当接領域の高さ寸法と等しくなるまでの圧縮クリープ変形を許容し得ることとなる。従って、この許容範囲内における変形により、埋設される連結部材のいちの変更を回避し得ることとなる。特に、連結部材の埋設位置が非当接領域の範囲内であれば、連結部材は、圧縮クリープ変形の影響を受けないようにすることができる。
上記構成においては、合成樹脂発泡体の非当接領域を、合成樹脂発泡体の上面および下面の双方に形成してもよい。
このような構成の場合には、上下方向に作用する圧力(荷重による圧縮力)による圧縮クリープ変形を上下により吸収させることが可能となる。
また、上記構成において、合成樹脂発泡体の装着平面を矩形とし、その合成樹脂発泡体の被当接領域が、矩形の装着平面の全周に形成されているように構成してもよい。
このような構成の場合には、横向きの圧縮クリープ変形が生じないとしても、上下方向への圧縮クリープ変形が発生するまでの間は、隣接する他の発泡ブロックの装着平面との間隔を均等な状態とすることができる。また、横方向に整列される発泡ブロックの装着平面の間に形成される間隙によって溝を構成し得ることから、雨水等の流下領域を確保することができることとなる。
さらに、連結部材は、単一の合成樹脂発泡体に複数設けられており、装着平面に連結部本体の先端部が複数個所で到達させるように構成することが好ましい。
このような発泡ブロックの構成により、壁面材を装着する際、複数の位置で当該壁面材を支持することが可能となり、発泡ブロックによって構築される構築物の壁面部分における壁面材の固定状態を安定させることができる。
また、連結部材の連結基部は、長尺な棒状部材で構成され、装着平面から非当接領域が形成される範囲の深さに埋設されるものであることが好ましい。
上記構成によれば、第1に、連結基部が棒状部材で構成されているため、連結基部によって合成樹脂発泡体の一体性を確保し得る。すなわち、広い面積を有する板状のストッパを埋設する場合には、当該ストッパの存在により、合成樹脂発泡体に対しせん断力を与えることとなっていたが、棒状部材の場合には、そのせん断力の発生を抑えることができる。また、適宜長さに構成された連結基部を埋設することにより、当該適宜長さによって引き抜かれることを防ぐことができる。このときの棒状部材は、断面矩形とし、その一部平面を装着平面と平行に設置することにより、引き抜き力に対する抵抗力を付与することができる。さらに、第2には、非当接領域が形成される範囲の深さに連結基部が埋設されるものであることから、合成樹脂発泡体に圧縮クリープ変形が生じた場合であっても、当該連結基部に対して直接的に当該変形の効果が及ばないものとなる。すなわち、上述のように、圧縮クリープ変形は、当接領域おいて吸収されることとなることから、非当接領域の範囲内に埋設される連結基部に対する同変形は作用しないこととなるのである。
他方、壁面材付き発泡ブロックに係る本発明は、壁面材と、この壁面材を装着するための連結部材を備える合成樹脂発泡体によって構成される発泡ブロックとで構成される壁面材付き発泡ブロックであって、前記合成樹脂発泡体は、上面または下面の少なくとも一方には、上下方向に隣接する他の部材との間で相互に当接する当接領域と、前記装着平面から適宜な範囲を切欠かれた状態に形成された非当接領域とを備え、前記連結部材は、前記合成樹脂発泡体の内部に埋設される連結基部と、この連結基部に支持され、前記合成樹脂発泡体の装着平面側に先端部が到達するように該連結基部に突設された連結部本体とを備え、前記壁面材は、前記連結部本体によって連結可能な被連結部によって装着されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、基本的には前掲の発泡ブロックを使用するため、圧縮クリープ変形を壁面材に作用させないものとなり得る。また、連結部材は、合成樹脂発泡体に埋設される連結基部と、連結部本体とで構成されており、この連結部本体の先端が装着平面に到達するように埋設されているため、当該先端と被連結部とを連結することにより壁面材が固定された状態を形成することができるものである。この被連結部による壁面材の固定は、製造過程において予め設置作業を行うことができるほか、発泡ブロックによる構築物の構築現場においても設置作業を行うことも可能である。また、壁面材の交換は、非連結部の着脱によって容易となる。
壁面材付き発泡ブロックの場合においても、合成樹脂発泡体の非当接領域を、合成樹脂発泡体の上面および下面の双方に形成することができ、また、合成樹脂発泡体の装着平面を矩形とし、その矩形の全周に対して、合成樹脂発泡体の被当接領域を形成するように構成してもよい。上下に作用する圧縮クリープ変形を上下の当接領域で吸収させることができるとともに、横方向の両側に溝部を形成し得るからである。
また、上記壁面材付き発泡ブロックは、連結部材の連結基部が、長尺な棒状部材で構成され、前記装着平面から前記非当接領域が形成される範囲の深さに埋設されるものとすることが好ましい。このような構成により、装着平面に装着された壁面材の固定状態を安定させることができるからである。
さらに、上記各構成の壁面材付き発泡ブロックの発明において、合成樹脂発泡体の装着平面は、前記連結部本体の先端部が到達する周辺を凹状に形成された凹部を有し、該先端部は、該凹部の表面に到達するものであり、前記壁面材は、前記装着平面に当接する表面側に前記凹部に嵌合する凸部を有するものとすることができる。
上記構成によれば、壁面材の凸部を発泡ブロックの凹部に嵌合させることによって、当該壁面材の位置決めを容易にすることができる。これらの凸部および凹部が複数形成されれば、一層位置決めが容易となる。さらに、壁面材が軽量モルタルで構成される場合、ガラス繊維などを使用して補強されるものであるが、そのような構成であっても連結部分(被連結部が連結部本体に連結される部分)には荷重が集中することとなり、破損等の原因となり得ることが懸念されていた。そこで、当該部分の裏面側に凸部を形成し、当該部分の肉厚を他の部分よりも厚く構成することとなるため、連結による荷重の集中にも耐え得る構造となるものである。
また、上記各構成の壁面材付き発泡ブロックにおいては、合成樹脂発泡体の装着平面に、該装着平面の縁部から前記凹部を経由して対向する縁部まで連続する溝部が形成されるようにしてもよい。
上記構成の場合には、壁面材と発泡ブロックとの間隙に侵入した雨水を排除させることができる。すなわち、壁面材を発泡ブロックの装着平面に密着させるように装着させたとしても、両者の接触平面が精密に平坦な面として加工させているわけではないことから、少なからず間隙が生じており、この間隙から雨水が浸入することとなるのである。この雨水の浸入により腐食等が進行するため、これを意図的に排除させるのである。特に、発泡ブロックの装着平面には凹部が形成されており、この凹部に雨水が貯留する可能性が高く、この雨水の貯留を解消するために、当該凹部を経由した連続する溝部を形成しているのである。
なお、上記各構成の壁面材付き発泡ブロックにおいては、連結部本体として、内部に雌ネジが刻設されたナット状部材を使用し、被連結部として、前記ナット状部材に螺合するボルトを使用することができる。さらに、壁面材は、前記ボルトを挿通させることができる貫通孔を有するように構成することができる。
上記構成は、発泡ブロック側にナット状部材を埋設することにより、雌ネジ部分の挿通可能な領域を確保し、外方からボルトを挿入することができるようにしたものである。従って、壁面材を発泡ブロックに装着する際、当該発泡ブロックに対する変形または加工(ネジの螺入等によるネジ穴加工等)を行う必要がなく、壁面材の交換をも可能にするものである。すなわち、ボルトとナット状部材とで壁面材を締着させるものであるから、外方のボルト締めを緩めることにより容易に壁面材を撤去することができるのである。なお、貫通孔の形成により壁面材の強度低下が予想される場合は、前述の凸部のほぼ中央に貫通孔を設けることによって強度を保持させることもできる。
また、上記各構成においては、連結部材は、単一の合成樹脂発泡体に複数設けられており、装着平面に前記連結部本体の先端部が複数個所で到達させていることが好ましい。
この場合、複数の位置で壁面材を装着することとなり、当該壁面材が安定した状態で固定されることとなる。ここで、複数とは、少なくとも2個所以上ということであり、装着平面および壁面材の面積が広大であれば、4個所または6個所など増加させることによって、所望の装着強度を得ることができるものである。
発泡ブロックに係る本発明によれば、合成樹脂発泡体には、上下面において当接領域と非当接領域とに区分されており、圧縮クリープ変形は、専ら当接領域において吸収されることとなることから、非当接領域における変形を抑制することができる。そして、主として非当接領域が形成される範囲に連結部材を設けることにより、圧縮クリープ変形が生じた場合であっても連結部材の位置の変動を回避させることとなる。なお、この場合の連結部材は、非当接領域の範囲内に限定的に設置されることを厳格な条件とするものではなく、連結部材の一部が当接領域に配置される状態であってもよい。これは、連結部材の全体が圧縮クリープ変形の作用により位置が変更しなければ壁面材の装着状態が変化しないからである。
そして、壁面材付き発泡ブロックに係る本発明によれば、当該発泡ブロックによって構築される構築物が、重量を受けて圧縮荷重が長期間作用することに伴って、個々の発泡ブロックが圧縮リープ変形を生じさせるとしても、壁面材を保持する領域の変形を抑制させることができることから、一層長期にわたって、壁面材付き発泡ブロックとして機能させることができる。また、ボルトを壁面材に貫通して発泡ブロックに装着する構成の場合には、当該装着が容易であるうえ、壁面材の交換も可能となる。
(a)は発泡ブロックに係る実施形態を示す斜視図であり、(b)はB−B断面図である。 発泡ブロックに係る実施形態の変形例を示す説明図である。 壁面材付き発泡ブロックに係る第1の実施形態を示す説明図である。 壁面材付き発泡ブロックに係る第1の実施形態の詳細を示す説明図である。 壁面材付き発泡ブロックに係る第1の実施形態の使用状態を示す説明図である。 壁面材付き発泡ブロックに係る第2の実施形態を示す説明図である。 壁面材付き発泡ブロックの使用例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、発泡ブロックに係る発明の実施形態を示す図である。この図に示すように、本実施形態は、合成樹脂発泡体1と、この合成樹脂発泡体1に埋設された連結部材2とで構成されている。合成樹脂発泡体1は、そのまま発泡ブロックの外形を形成するものであり、発泡ブロック構築物を構築するために必要な外形寸法を備えたものである。すなわち、合成樹脂発泡体1は、一般的には直方体であり、汎用されるものでは、幅1000mm、高さ500mm、長さ500〜2000mmの立方体であるが、幅寸法および高さ寸法は適宜変更され、断面が長方形の場合と正方形の場合がある。ここでは、基本的な1000×500×2000のブロックとして使用されるものを例示のために図示している。
ところで、本実施形態の発泡ブロックは壁面材を装着することができるものであり、本実施形態に使用される合成樹脂発泡体1には、装着平面11が形成されている。上面12と下面13には、当接領域10aと非当接領域10bとに区分されている。当接領域10aは、上面12および下面13のほぼ全体に形成され、前述の汎用の発泡ブロックの寸法で表記すれば、高さ寸法が500mmとなるように構成されている。これに対し、非当接領域10bは、装着平面11の端縁から所定の幅で帯状に形成された切欠状部分である。切欠状部分とは、現実に切欠いて形成する意味ではなく、外観的に切欠かれているような形状となっていることを意味する。そして、切欠状部分の存在により、当接領域10aと非当接領域10bとの表面には、寸法差による段差が形成され、非当接領域10bは当接領域10aよりも薄肉に形成される。例えば、前記汎用品の寸法によって示せば、当接領域の高さ寸法が500mmであるのに対し、非当接領域10bの高さ寸法を490mmとなるように、両側を各5mmだけ切欠いた状態とするのである。
このように、非当接領域10bの表面が当接領域10aの表面よりも内側に位置することから、他の部材(他の同種ブロックなど)と上下方向に積層されるとき、当接領域10aのみが当該他の部材と当接し得ることとなるのである。これにより、積層による荷重は当接領域10aにのみ作用し、経年変化に伴う圧縮クリープ変形は、当該当接領域10aについて生じることとなる。この当接領域10aについて圧縮クリープ変形が生じることを、当接領域10aが圧縮クリープ変形を吸収するという表現としている。
他方、連結部材2は、連結基部21と連結部本体22とで構成されている。図は2個の連結部材2が埋設された状態を例示しているが、この数は合成樹脂発泡体1の大きさ(すなわち壁面材または装着平面11の大きさ)によって適宜選択されるものである。ここで、連結基部21は、長尺な棒状部材によって構成されている。この棒状部材の形状は任意であるが、本実施形態では角柱状のものが使用されている。そして、その一平面20aが装着平面11と略平行に配置されている。また、この平面20aに連結部本体22が突設され、その先端22aを装着平面11に到達させている。
連結部本体22は、例えば、内部に雌ネジを刻設したナット状部材を使用することができる。標準的なナットを連結基部21に溶接してもよいが、適宜長さを確保するために、雌ネジを有する円筒部材を使用してもよい。このようにナット状部材によって連結部本体22を構成する場合、当該雌ネジ部分が中空(空洞)となり、その先端22aが装着平面11で開口することにより、当該中空部内に雄ネジ(ボルトなど)を螺入することができる。このボルト等の螺入により壁面材を締着させることができるのである。このボルト等の螺入に際しては、前記ナット状部材への螺入となるため、ドリルビス等のように合成樹脂発泡体1に対して部材を侵入させることがないのである。
発泡ブロックに係る本実施形態によれば、装着平面11を壁面側に向けつつ積層することにより、構築物(例えば軽量盛土)の一面に壁面設置用の下地面を構成することができる。そして、この下地面に適宜壁面材を装着することにより、構築物の一面に壁面を構成することができるのである。なお、この壁面材は、発泡ブロックごとに、予め装着面に装着しておくことにより、発泡ブロックの積層によって、壁面を同時に完成させることも可能となる。
なお、発泡ブロックに係る実施形態としては、図2に示すように、装着平面11の全周に非当接領域10bを形成する構成もあり得る。この場合、横方向に隣接する同種の発泡ブロックとの間において、装着平面11が不連続となり、中間に間隙を形成させることができる。この間隙は、上下方向に延出する溝状となるため、雨水等の流下を可能にするものである。また、図2には、連結部材2を4個配設したものを示している。装着平面11が比較的大きい面積の場合、かつ壁面材も同様に大きい面積となる場合には、上下方向および横方向に各2個の連結部材2によって壁面材を固定し、その固定状態を安定させることができる。
次に、壁面材付き発泡ブロックの実施形態について説明する。図3に第1の実施形態を示す。この図に示されるように、発泡ブロック本体部分3は、前述の合成樹脂発泡体1を使用するものであり、この装着平面11に壁面材4を装着したものである。
ただし、本実施形態は、合成樹脂発泡体1の装着平面11に凹部31,32,33,34が設けられ、壁面材4の裏面側に設けられる凸部(後述)が嵌合できるようになっている。この凹部31〜34は、開口部の形状を矩形としており、僅かなテーパを側面に有しつつ底面を略矩形に構成したものである。従って、合成樹脂発泡体1に埋設される連結部材2(図1参照)の各先端部22aは、凹部31〜34に到達させており、連結部本体22(図1参照)をナット状部材で構成する場合は、雌ネジが刻設される中空部が当該底面において開口するように設けられている。
また、壁面材4の表面側40aには、前記合成樹脂発泡体1に設けた凹部31〜34と略同形の凹部41,42,43,44が設けられており、その底部に貫通孔51,52,53,54が穿設されている。この貫通孔51〜54は、前記連結部本体22の雌ネジに螺合するためのボルト51,52,53,54を挿通させるためのものであり、壁面材4の凹部41〜44はボルト51〜54の各頭部を収容させるものである。そのため、この凹部41〜44の深さはボルト51〜54の頭部の大きさに応じて適宜調整されるものである。
ところで、図4(a)に示すように、壁面材4の裏面側40bには、前記合成樹脂発泡体1の装着平面11に設けられた凹部31〜34に嵌合できる凸部45,46,47,48が設けられている。これらの凸部45〜48は、当該装着平面11の凹部31〜34に対向する位置に合致しており、例示の4つの凹部31〜34(図3参照)に同時に全ての凸部45〜48を嵌合させることによって、壁面材4の位置決めが容易に行えるものとなっている。
そして、図4(b)に示すように、4つの凸部45〜48を装着平面11の凹部31〜34に嵌合させた状態で、ボルト51〜54を装着することにより、壁面材4は、当該ボルト51〜54の頭部と合成樹脂発泡体1との間で締着されることとなるのである。
なお、図示のように、壁面材4は、装着平面11と同じ矩形かつ同大の薄肉板状に構成されている。これは、装着平面11が非当接領域10bに形成されることから(図1参照)、壁面材4が装着平面11と一体となり、当接領域10aに圧縮クリープ変形が生じた場合でも、これら壁面材4と装着平面11とが、その影響を受けないようにするためである。また、当接領域10aが変形した場合には、近接する発泡ブロックとの間隙(すなわち非当接領域間の間隙)狭くなるため、隣接する壁面材4の端縁同士を接触させないためでもある。
本実施形態によれば、合成樹脂発泡体1によって構成される発泡ブロックの装着平面11に壁面材4を装着した壁面材付き発泡ブロックを容易に製造でき、その状態で発泡ブロックを積層することにより構築物の壁面を同時に形成させることができる。
その状態を図5に示す。この図に示されるように、各発泡ブロックの一つの表面には、それぞれ壁面材4が装着されており、個々の壁面材4の端縁には適当な間隙を有する状態となるのである。例えば、上層の壁面材4Aa,4Ab,4Acは、個々に横方向に隣接するもの同士で間隙を有し、その下層の壁面材4Ba,4Bb,4Bc,4Bdとの間では、上下方向に隣接するもの同士でも間隙を有するようになっている。さらにこの層(中間層)の壁面材4Ba〜4Bdについても横方向の間隙が形成され、その下層の壁面材4Ca,4Cb,4Ccにおいても同様である。
このように、横方向に隣接するもの同士の間に間隙が形成されることにより、この間隙を溝として雨水等が流下することとなり、下層との間隙を経由してさらに下層へ雨水等を流下させることができる。なお、大きく間隙が形成される場合には、当該間隙から合成樹脂発泡体の内部へ雨水等が侵入することも考えられるため、間隙部分の奥には、バックアップ材および目地材などが充填される。これらバックアップ材および目地材は弾性を有するものを使用することにより、圧縮クリープ変形による間隙の変化に対応できるものである。なお、間隙内を流下する雨水等は目地材によって防水され、合成樹脂発泡体への侵入を防止させるのである。
次に、壁面材付き発泡ブロックの第2の実施形態について説明する。図6に第2の実施形態の主要部分を示す。本実施形態は、この図に示されるように、合成樹脂発泡体1の装着平面11に溝部71,72,73,74が形成されたものである。
それぞれの溝部71〜74は、装着平面11の一方の端縁から他方の端縁まで連続するものであり、その途中において、凹部31〜34を経由するようになっている。このような構成とすることにより、第1に、上下方向の溝部71,72は、装着平面11と壁面材4(図3参照)との間に侵入した雨水等を一旦凹部31〜34に流下させ、さらに下端縁へ案内することができる。この溝部71,72を通過しない雨水等がいずれかの凹部31〜34に流入した場合も、これらの凹部31〜34から下端へ流下させることができる。第2に、横方向に設けた溝部73,74は、隣接する他の発泡ブロックとの間隙(図5参照)に雨水等が侵入し、当該溝部に貯留するような場合に、凹部31〜34へ案内することができる。特に、横風を伴う風雨の場合などでは、効力を発揮することとなる。そして、凹部31〜34へ案内された雨水等は前記上下方向の溝部71,72により下端へ流下させることができるのである。これは、積層した複数の発泡ブロックにおいて順次繰り返されることにより、構築物の最下部において排水されることとなるのである。
このように構成される第1および第2の実施形態は、軽量盛土として傾斜地に積層され、その上端に道路などが構築される。その状態を図7に示す。図中左側が山側Mであり、図中右側に壁面Wが構築されるものである。この図には、壁面Mの下地となるべき発泡ブロック103a,・・・103eが、高さ方向に積層されており、近接する上下の間では、横滑りしないように、L型の連結ピン108またはI型の連結ピン109が使用されている。この連結ピン108,109は、小径の棒状部材で構成されるものである。このように、積層された発泡ブロック103の上端には、コンクリート床版Fが構築され、その上に道路等が構築されるものである。なお、図7は、道路Rが構築されてものであり、谷側にはガードレールGなども設置される。
本発明の実施形態は以上のとおりであるが、これらの実施形態は一例を示すものであって、これらに限定される趣旨ではない。従って、上記実施形態を変形した態様とすることは可能である。例えば、図1に示した発泡ブロックは、上下両面において当接領域10aおよび非当接領域10bを形成したが、圧縮クリープ変形が圧縮荷重に伴う高さ方向の変形であることに着目すれば、上下のいずれか一方にのみ当接領域10aおよび非当接領域10bを構成し、片面に形成される当接領域10aに変形を吸収させるように構成してもよい。
また、図3に示した壁面材付き発泡ブロックについても同様であり、横方向に対する圧縮クリープ変形が生じないとすれば、側面の非当接領域を設けない構成とすることができ、この場合、さらに上下のいずれかの面にのみ当接領域10aと非当接領域10bとを形成させるものでもよい。
さらに、壁面材付き発泡ブロックに係る実施形態においては、装着平面11に凹部31〜34を、平面材4の裏面40bには凸部45〜48を設ける構成を前提としたが、位置決め容易等の効果が不要であれば、これらの構成を設けないものであってもよい。また、連結部本体22をナット状部材とし、被連結部としてボルト61〜64を使用することとしたが、これらは、壁面材4の装着方法を容易にするための例示であり、当然にその他の連結手段を使用してもよい。
また、図5に示した溝部71〜74は、凹部31〜34に対し、縦横方向に各1本を形成する状態としたが、この本数は例えば各2本ずつなどに変更するものであってもよい。
1 合成樹脂発泡体
2 連結部材
3,103a,103b,103c,103d,103e 発泡ブロック
4 壁面材
10a 当接領域
10b 非当接領域
11 装着平面
12 合成樹脂発泡体の上面
13 合成樹脂発泡体の下面
20a 連結基部の一面
21 連結基部
22 連結部本体(ナット状部材)
22a 連結部本体の先端
31,32,33,34 凹部
40a 壁面材の表面
40b 壁面材の裏面
41,42,43,44 壁面材の凹部
45,46,47,48 壁面材の凸部
51,52,53,54 壁面材の貫通孔
61,62,63,64 ボルト(被連結部)
71,72,73,74 溝部
108,109 連結ピン
F コンクリート床版
G ガードレール
M 山側
R 道路
W 壁面

Claims (7)

  1. 壁面材と、この壁面材を装着するための連結部材を備える合成樹脂発泡体によって構成される発泡ブロックとで構成される壁面材付き発泡ブロックであって、
    前記合成樹脂発泡体は、前記壁面材を装着するための少なくとも一つの装着平面を備えるとともに、上面または下面の少なくとも一方には、上下方向に隣接する他の部材との間で相互に当接する当接領域と、前記装着平面から適宜な範囲を切欠かれた状態に形成された非当接領域とを備え、
    前記連結部材は、前記合成樹脂発泡体の内部であって、前記装着平面から前記非当接領域が形成される範囲内に埋設される長尺な棒状部材による連結基部と、この連結基部に支持され、前記合成樹脂発泡体の装着平面側に先端部が到達するように該連結基部に突設された連結部本体とを備え、
    前記装着平面は、前記連結部本体の先端部が到達する周辺を凹状に形成された凹部を有し、該先端部は、該凹部の表面に到達するものであり、
    前記壁面材は、前記装着平面に当接する表面側に前記凹部に嵌合する凸部を形成して、肉厚を他の部分よりも厚くしてなるものであり、該凸部のほぼ中央に貫通孔が設けられ、該貫通孔を挿通する被連結部によって前記連結部本体に装着されていることを特徴とする壁面材付き発泡ブロック。
  2. 前記合成樹脂発泡体の非当接領域は、該合成樹脂発泡体の上面および下面の双方に形成されている請求項に記載の壁面材付き発泡ブロック。
  3. 前記合成樹脂発泡体の装着平面は矩形に形成されており、該合成樹脂発泡体の当接領域は、前記矩形の装着平面の全周に形成されている請求項に記載の壁面材付き発泡ブロック。
  4. 前記連結部材の連結基部は、角柱状に構成され、その一平面が前記装着平面に略平行に配置されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の壁面材付き発泡ブロック。
  5. 前記合成樹脂発泡体の装着平面は、該装着平面の縁部から前記凹部を経由して対向する縁部まで連続する溝部が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の壁面材付き発泡ブロック。
  6. 前記連結部本体は、内部に雌ネジが刻設されたナット状部材であり、前記被連結部は、前記ナット状部材に螺合するボルトである請求項1ないし5のいずれかに記載の壁面材付き発泡ブロック。
  7. 前記連結部材は、単一の合成樹脂発泡体に複数設けられており、前記装着平面に前記連結部本体の先端部が複数個所で到達させている請求項1ないし6のいずれかに記載の壁面材付き発泡ブロック。
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