JP5412352B2 - 盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とその積層方法および発泡合成樹脂ブロック - Google Patents

盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とその積層方法および発泡合成樹脂ブロック Download PDF

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Description

本発明は、例えば人工地盤上に植木等の緑化を行うときなどに用いられる盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とその積層方法、およびそこで用いられる発泡合成樹脂ブロックに関する。
近年、コンクリートスラブなどの人工地盤上に植木等での緑化を行うときに、築山などのアンジュレーションをつけたいとの要望もあり、築山全体を土壌で形成すると荷重が大きくなることから、盛土を軽量化する目的で、発泡合成樹脂ブロック(例えば、EPSブロック)が軽量盛土材として使われることがある。
また、緑化では土壌からの排水があり、その排水を逃すために、各発泡合成樹脂ブロックに排水溝を付けて余剰水の排水の効率化を図ることも行われており、そのような目的で使用する発泡合成樹脂ブロック、およびそれを用いて形成した盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造が特許文献1あるいは特許文献2に記載されている。
特許文献1では、複数段に積み重ねられる板状発泡体からなる発泡合成樹脂ブロックにおいて、板状発泡体の上下面に、板状発泡体の隣接する各稜線に対してそれぞれ平行な各排水溝が、平行となる稜線から同一間隔となるようにそれぞれ設けられ、かつ、各排水溝の少なくとも一本に、板状発泡体の少なくとも一方の側面に開口する開口部が設けられている発泡合成樹脂ブロック、およびそれを積み上げた発泡合成樹脂ブロック積層構造が記載されている。
特許文献2には、各層の発泡合成樹脂ブロックの表面および裏面の長辺の方向を揃えると共に、上下に隣接する2層で発泡合成樹脂ブロックの長辺の方向が互いに直交し、かつ上下に隣接する2層の発泡合成樹脂ブロックの凹部同士が上下に隣接するように積層される発泡合成樹脂ブロックにおいて、前記凹部は、発泡合成樹脂ブロックの側面に、発泡合成樹脂ブロックの表面から裏面に至るとともに、最大深さ寸法より最大幅寸法が大きくされている発泡合成樹脂ブロック、および、それを複数個敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって、各層の発泡合成樹脂ブロックの前記凹部同士が上下方向に直線状に連通する通路を形成するようにした発泡合成樹脂ブロック積層構造が記載されている。
実用新案登録公報第2517278号 特許第3470159号公報
現在、軽量盛土として用いられている発泡合成樹脂ブロックは2000×1000×500mm(厚さ)の直方体形状が最も一般的であり、積層構造体を作るときには、構造体としての安定性を考慮して、上下に隣接する各層において、上下に位置する各発泡合成樹脂ブロックの長手方向および短手方向の側面位置が上下方向に一致しないようにして積み上げていくのが通常である。
より具体的には、第1の形態では、その多数個を長手方向に1/4あるいは1/2ずらしながら並列に多列に配置して1段目の層(下位の層)を形成し、その上に、向きを同じにし下位の層の発泡合成樹脂ブロックに対して短手方向に1/2ずらし、同時に長手方向に1/4あるいは1/2ずらしながら並列に多列に配置して2段目の層(上位の層)を積み上げるようにされる。また、第2の形態では、多数個を長手方向に1/4あるいは1/2ずらしながら多列に配置して1段目の層(下位の層)を形成し、その上に、向きを90度変えた姿勢で、下位の層の発泡合成樹脂ブロックの長手方向の側面位置に上位の層の発泡合成樹脂ブロックの短手方向の側面位置が、また下位の層の発泡合成樹脂ブロックの短手方向の側面位置に上位の層の発泡合成樹脂ブロックの短手方向の側面位置が、それぞれ一致しないようにして、2段目の層(上位の層)を積み上げるようにされる。
ところで、人工地盤上に築山など形成する施工現場において、発泡合成樹脂ブロックを積み上げる軽量盛土の高さが3mを超すようなものが求められるようになってきている。この場合、例えば、厚さ500mmの発泡合成樹脂ブロックを用いるときには、積層段数は6段となる。また、最上位の発泡合成樹脂ブロックから落下する水は3mの高さの落差を持つこととなる。
特許文献1に記載の発泡合成樹脂ブロックを用いる場合には、前記した第1の積層形態によっても、また第2の積層形態によっても、上位の発泡合成樹脂ブロックの側面に形成した縦溝を落下する水は、下位の発泡合成樹脂ブロックの面内に落下することとなり、落差が50cmと小さく、また発泡合成樹脂は緩衝性を有することから、発泡合成樹脂ブロックに損傷を与えることはない。さらに、最下位の発泡合成樹脂ブロックの側面に形成した縦溝を落下する水も落差50cmであり落下衝撃力が小さいことから、最下位の発泡合成樹脂ブロックの下に配置されている耐根シートあるいは建物の躯体に損傷を与えることはない。しかし、側面に形成した縦溝の水平断面は、正方形の形状、すなわち幅と奥行きがほぼ等しい形状であり、断面積が限られていることから、多量の降雨があったようなときに、面内に形成した水平溝を流れる雨水(余剰水)の全量を流下させることができないことが起こり、面内で雨水の溢流が発生しやすい不都合がある。
特許文献2に記載される発泡合成樹脂ブロックでは、側面に形成する縦溝(凹部)の形状を最大深さ寸法より最大幅寸法が大きくしたことにより、より大きい断面積の縦溝を形成しやすくなる。しかし、特許文献2に記載の発泡合成樹脂ブロック積層構造では、各層の発泡合成樹脂ブロックの縦溝(凹部)同士が上下方向に直線状に連通する通路を形成するようにしており、断面積が大きいことで多くの量の雨水(余剰水)を流下させることができる一方において、その雨水が大きな落差(例えば3m)で落下することで、最下部に落ちる際の水の勢いが大きくなり、最下位の発泡合成樹脂ブロックの下に配置されている耐根シートあるいは建物の躯体などに損傷を与える恐れがある。
それを避けるために、各層の発泡合成樹脂ブロックの縦溝(凹部)同士が上下方向に直線状に連通しないようにする、すなわち、下層の発泡合成樹脂ブロックの面内に一旦落下した後、面内を水平方向に流れ、その後で当該発泡合成樹脂ブロックの縦溝を流れるように、各層の発泡合成樹脂ブロックを積み上げることが考えられるが、側面に横幅の大きな縦溝(凹部)を有する形態であるために、上記のような態様に積み上げるときの自由度は限られたものとなる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、多くの余剰水を面内での溢流を起こすことなく、最下位の発泡合成樹脂ブロックまで円滑に流すことができながら、最下部に落ちる際の水の勢いを小さくすることができ、最下位の発泡合成樹脂ブロックの下に配置されている耐根シートあるいは建物の躯体などに損傷を与えるのを防止することができ、かつ、複数の発泡合成樹脂ブロックを積み上げるときの配置の自由度も大きくできることで、作業効率も向上させることのできる盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とその積層方法、およびそこで用いる発泡合成樹脂ブロックを提供することを課題とする。
本発明による盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造は、表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝と、を備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックを複数個水平方向に敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって構成される盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造であって、各発泡合成樹脂ブロックに形成される前記縦溝は水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされており、かつ上下方向に隣接する各層において、上位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された縦溝の下端は、下位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された前記縦溝に直接連通することなく下位層を構成する発泡合成樹脂ブロックの面内に位置するように各発泡合成樹脂ブロックが配置されていることを特徴とする。
本発明による盛土用発泡合成樹脂ブロックの積層方法は、表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝と、を備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックを複数個水平方向に敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とする発泡合成樹脂ブロックの積層方法であって、使用する発泡合成樹脂ブロックは前記縦溝が水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされている発泡合成樹脂ブロックであり、その発泡合成樹脂ブロックを、上下方向に隣接する各層において、下位層の発泡合成樹脂ブロックの面内に上位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された縦溝の下端が位置するようにして積み上げていくことを特徴とする。
本発明による盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造では、上下方向に隣接する各層において、上位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された縦溝の下端は、下位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された前記縦溝に直接に連通することなく、下位層を構成する発泡合成樹脂ブロックの面内に位置するように各発泡合成樹脂ブロックが配置されているので、縦溝を流れる水の落差は最大で発泡合成樹脂ブロックの厚さ分であり、落下時の衝撃力は小さい。発泡合成樹脂は緩衝性を備えているので、水の落下によって損傷することはない。また、最下位の発泡合成樹脂ブロックを落下する水の衝撃力も小さいので、最下位の発泡合成樹脂ブロックの下に配置されている耐根シートあるいは建物の躯体などに損傷を与えることもない。
さらに、側面に形成される縦溝は、水平方向の断面で溝深さを溝幅より大きくすることで、必要な流水量を確保するようにしており、面内での溢流を防止できると共に、発泡合成樹脂ブロックを上下に積層したときに、縦溝同士が直接連通してしまう確率を小さくすることができる。そのために、本発明による盛土用発泡合成樹脂ブロックの積層方法を実施するときに、積み上げ時の配置のパターンを多くとりやすくなり、現場での施工条件による配置変更にも容易に対応可能となる。
本発明による発泡合成樹脂ブロックは、表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝とを備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックであって、前記縦溝は水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされており、かつ各側面の横幅の1/4およびその倍数の箇所には前記縦溝が形成されていないことを特徴とする。
本発明による発泡合成樹脂ブロックでは、各側面の横幅の1/4およびその倍数の箇所には前記縦溝が形成されていないことから、前記した第1の態様あるいは第2の態様で発泡合成樹脂ブロックを上下方向に積み上げていくときに、上下に位置する発泡合成樹脂ブロックの各側面に形成した前記縦溝が直接連通状態となるのを確実に回避することができる。
一態様において発泡合成樹脂ブロックは、少なくとも前記表面水平溝の底面には前記側面側に形成した縦溝に向けた配水勾配が形成されている。この態様では、水の流れを円滑化することができ、表面水平溝内に水が滞留するのを防止できる。
また、他の態様において、発泡合成樹脂ブロックは、前記表面水平溝も溝深さが溝幅より大きくされている。この態様では、上載荷重を受ける面を所要に確保しながら所要の流水量を確保することができるので、良好な排水性と発泡合成樹脂ブロックの強度保持を両立することができる。
本発明によれば、多くの余剰水を、面内での溢流を起こすことなく、最下位の発泡合成樹脂ブロックまで円滑に流すことができ、かつ、最下部に落ちる際の水の勢いを小さくすることで、最下位の発泡合成樹脂ブロックの下に配置されている耐根シートあるいは建物の躯体などに損傷を与えることのない盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造が得られる。
本発明による発泡合成樹脂ブロックの一例を示す斜視図。 図1に示す発泡合成樹脂ブロックの平面図。 (a)は図2のa−a線に沿う断面図、(b)は図2のb−b線に沿う断面図、(c)は図2のc−c線に沿う断面図。 図1に示す発泡合成樹脂ブロックを用いて人工地盤上に構築した盛土構造体の一例を示す概略図。 (a)は発泡合成樹脂ブロックの第1の積層形態を示す平面図、(b)は発泡合成樹脂ブロックの第2の積層形態を示す平面図。 第1の積層形態における各発泡合成樹脂ブロックの表面水平溝と縦溝との位置関係を説明するための平面図。 第2の積層形態における各発泡合成樹脂ブロックの表面水平溝と縦溝との位置関係を説明するための平面図。
以下、本発明を実施の形態に基づき説明する。
最初に発泡合成樹脂ブロック1について、図1〜図3を参照しながら説明する。発泡合成樹脂ブロック1は、全体として直方体形状であり、大きさは限定されないが、この例では、長手方向幅2000mm、短手方向幅1000mm、厚さ500mmである。
発泡合成樹脂ブロック1の表面側には、短手方向の側面1aに平行な4本の短手方向表面水平溝21〜24と、長手方向の側面1bに平行な2本の長手方向表面水平溝25、26が、互いに交差するように形成されている。また、発泡合成樹脂ブロック1の裏面側には、図3に示されるように、前記短手方向表面水平溝21〜24と対向する位置に4本の短手方向裏面水平溝31〜34と、長手方向表面水平溝25、26の対向する位置に2本の長手方向裏面水平溝35、36(35は図面には表れていない)が、やはり互いに交差するように形成されている。
4本の短手方向表面水平溝21〜24と2本の長手方向表面水平溝25、26、および4本の短手方向裏面水平溝31〜34と2本の長手方向裏面水平溝35、36の断面形状はすべて同じであり、図3に示すように、その横幅よりも深さ(溝深さ)が大きくされている。また、各溝の底面には面取り加工が施されている。図示の例において、すべての水平溝の溝幅は70mmであり、溝深さは80mmであるが、これに限らない。溝幅と溝深さが同じであってもよい。
短手方向表面水平溝21と短手方向裏面水平溝31、および短手方向表面水平溝24と短手方向裏面水平溝34は、短手方向の左右の側面1a、1aから155mmの位置にその中心位置がくるようにして形成されている。また、短手方向表面水平溝22と短手方向裏面水平溝32、および短手方向表面水平溝23と短手方向裏面水平溝33は、発泡合成樹脂ブロック1の長手方向での中心位置からそれぞれ125mmだけ左右にずれた位置にその中心位置がくるようにして形成されている。すなわち、短手方向表面水平溝21〜24および短手方向裏面水平溝31〜34は、いずれも、発泡合成樹脂ブロック1の長手方向幅の1/4およびその倍数の箇所には形成されていない。なお、発泡合成樹脂ブロック1の長手方向幅の1/4およびその倍数の箇所に形成されていないことを条件に、短手方向表面水平溝21〜24および短手方向裏面水平溝31〜34の本数や形成位置に制限はなく、図示のものと異なっていてもよい。
長手方向表面水平溝25、26および長手方向裏面水平溝35、36は、発泡合成樹脂ブロック1の短手方向での中心位置からそれぞれ385mmだけずれた位置にその中心位置がくるようにして形成されている。すなわち、長手方向表面水平溝25、26および長手方向裏面水平溝35、36は、いずれも、発泡合成樹脂ブロック1の短手方向幅の1/2の場所には形成されていない。なお、発泡合成樹脂ブロック1の短手方向幅の1/2の場所に形成されていないことを条件に、長手方向表面水平溝25、26および長手方向裏面水平溝35、36の本数や形成位置に制限はなく、図示のものと異なっていてもよい。
発泡合成樹脂ブロック1の4つの側面には、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する縦溝が形成されている。すなわち、長手方向の側面1b、1bには、短手方向表面水平溝21〜24および短手方向裏面水平溝31〜34のそれぞれの端部を接続する位置に、第1の縦溝41〜44、および第2の縦溝45〜48が、垂直方向に形成されており、短手方向の側面1a、1aには、長手方向表面水平溝25、26および長手方向裏面水平溝35、36のそれぞれの端部を接続する位置に、第3の縦溝51〜52、および第4の縦溝53〜54が、垂直方向に形成されている。
すべての縦溝41〜44、45〜48、51〜52、53〜54の水平方向での断面形状は長方形であり、図2に示すように、溝深さが溝幅より大きくされている。図示の例において、すべての縦溝の溝幅は70mmであり、溝深さは80mmであるが、これに限らない。好ましくは、溝幅を1としたときに、溝深さは1.1〜2.0倍程度が好ましい。また、縦溝の溝幅は、発泡合成樹脂ブロック1の側面での受圧面積を必要以上に減少させないで所要の排水量が得られるように、より狭くすることが好ましい。
なお、短手方向表面水平溝21〜24および長手方向表面水平溝25、26の底面を、図3では平坦な水平面として描いているが、底面の一部または全部を、前記した縦溝41〜44、45〜48、51〜52、53〜54に向けて配水勾配を持つようにしてもよい。また、後述するように、盛土構造物等を構築する際に、軽量人工土壌と面することとなる側面では、縦溝の全部または一部を形成しないようにしてもよい。
次に、上記の発泡合成樹脂ブロック1を用いて、人工地盤上に構築される盛土構造体の一例を、図4を参照して説明する。最初に、コンクリートスラブのような人工地盤2の上に、耐根シート3を敷詰め、その上に、発泡合成樹脂ブロック1を面方向に必要数だけ配置し、かつ上方に必要段数だけ積み上げる。多数個の発泡合成樹脂ブロック1によって形成される積層体が、本発明でいう「盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造」に相当する。なお、図4では、3段に積み上げた積層構造が示されるが、これに限らない。また、面方向および上下方向に発泡合成樹脂ブロック1を配置する形態については、後述する。
積層構造の最上位に位置する発泡合成樹脂ブロック1の上に、排水マット4および透水シート5等を敷き詰めた後、全体を客土となる例えば軽量人工土壌6で覆い、その上に、芝や地被類などの緑化用植物7を植え込む。なお、この例では、最前端部に発泡合成樹脂ブロック1を配置せずに、人工地盤2の上に直接、排水マット4および透水シート5等を敷き、かつ軽量人工土壌6で覆うようにしているが、このような領域は省略してもよい。また、芝や地被類などの植物7に変えて、あるいはそれに加えて、樹木を含む他の園芸植物を植えることもできる。
図5は、複数の発泡合成樹脂ブロック1を人工地盤の上に積層するときに、通常行われる2つの形態を示している。図5(a)は第1の積層形態であり、最下段の層では、発泡合成樹脂ブロック1の複数個を長手方向に配置して第1下列A1とし、それに並列して長手方向に1/2ずらしながら第2下列A2を形成し、以下、同様にして、第3下列A3、第4下列A4、・・・を形成して、第1層目を構築する。
次に、第1層の上に第2層を形成する。その際に、例えば第1層の第1下列A1に対して長手方向では1/4ずらし、短手方向では1/2ずらして最初の発泡合成樹脂ブロック1を置き、以下、必要個数を長手方向に配置して第1上列B1とする。それに並列して長手方向に1/2ずらしながら第2上列B2を形成し、以下、同様にして、第3上列B3、第4上列B4、・・・を形成して、第2層目を構築する。以下、必要とされる層数を、第1層および第2層と同じパターンに積み重ねる。
図5(b)は第2の積層形態であり、最下段の第1層は第1の形態と同様にして構築する。すなわち、発泡合成樹脂ブロック1の複数個を長手方向に配列して第1下列A1とし、それに並列して長手方向に1/2ずらしながら第2下列A2を形成し、以下、同様にして、第3下列A3、第4下列A4、・・・を形成して、第1層目を構築する。
次に、第1層の上に第2層を形成する。その際に、第2層を形成する発泡合成樹脂ブロック1は、第1層を形成する発泡合成樹脂ブロック1と90度角度を変えて配置する。具体的には、図5(b)の右下に示すように、第1層の第1下列A1を構成する発泡合成樹脂ブロック1Dに対して直交する姿勢とした発泡合成樹脂ブロック1Uを、発泡合成樹脂ブロック1Dの短手方向で1/2ずらした姿勢として発泡合成樹脂ブロック1Dの長手方向の中央部に配置する。次に、発泡合成樹脂ブロック1Dの長手方向に必要数の発泡合成樹脂ブロック1を配置することで、第1上列B1とする。その第1上列B1に対して長手方向に1/2ずらしながら第2上列B2を形成し、以下、同様にして、第3上列B3、第4上列B4、・・・を並列配置することで、第2層目を構築する。以下、必要とされる層数を、第1層および第2層と同じパターンに積み重ねる。
上記のようにして発泡合成樹脂ブロック1を積み重ねた状態の拡大図が図6および図7に示される。図6は図5(a)に対応し、図7は図5(b)に対応する。そして、図5および図6には、各発泡合成樹脂ブロック1に形成した前記した表面水平溝と縦溝とが示されている。なお、図6および図7では、表面水平溝および縦溝に符号を付していないが、対応する符号については、図1〜図3を参照されたい。
図からわかるように、いずれの積層態様であっても、上位の層(第2層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Uの側面に形成された縦溝41〜48、51〜54は、すべて下位の層(第1層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Dの表面側の面内に位置しており、下位の層(第1層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Dの側面に形成された縦溝41〜48、51〜54に直接的に連続していないことがわかる。
また、図6および図7には示されないが、上位の層(第2層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Uの縦溝41〜48、51〜54の下端は、当該発泡合成樹脂ブロック1Uの裏面側形成した裏面水平溝31〜34、35,36に連通しており、縦溝41〜48、51〜54を流下する水は、そこを流れて、下位の層(第1層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Dの表面に形成された表面水平溝に入り込むことができる。そして、水は、その表面水平溝を流れて、下位の層(第1層)を構成する各発泡合成樹脂ブロック1Dの側面に形成された縦溝41〜48、51〜54に流れ込む。そして、本発明による発泡合成樹脂ブロック1において、縦溝41〜48、51〜54の水平方向断面で溝深さが溝幅より大きくされている。
従って、本発明による盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造においては、図4に示したような盛土構造体とし、雨水などの余剰水が上位の層の発泡合成樹脂ブロック1Uの表面側に滞留したときに、水は側面に形成された縦溝を流れて下位に位置する発泡合成樹脂ブロック1Dの表面側の面内に落下し、そこに形成された表面水平溝を通って、当該発泡合成樹脂ブロック1Dの側面に形成された縦溝を流下していく。この流れが、積層構造のすべての層において繰り返される。従って、層数の多い積層構造であっても、最下層の発泡合成樹脂ブロック1の縦溝を流下する水の流れを緩和することができ、最下位の発泡合成樹脂ブロック1の下に配置されている耐根シート3あるいは建物の躯体などに損傷を与えることはなくなる。
また、各縦溝41〜48、51〜54は水平方向断面で溝深さを溝幅より大きくすることで、必要な断面積を確保しており、表面を流れる余剰水の量が多くなっても、円滑に縦溝を通して下方に送りですことができ、面内での溢流を防止できるとともに、発泡合成樹脂ブロック1における側面での受圧面積を大きく低減させることはないので、発泡合成樹脂ブロック1の側圧に対する耐性も確保できる。
さらに、施工現場での積み上げ作業によっては、上下の位置する発泡合成樹脂ブロックの配置態様が、図5あるいは図6に例示した通りには積み上げられないことが起こりうるが、その場合でも縦溝の水平方向の断面が溝深さよりも溝幅が小さくなっており、溝深さよりも溝幅が大きくなっている場合と比較して、上下の発泡合成樹脂ブロックの側面に形成した縦溝同士が直接連通した状態となるのを回避できる確率が大きくなる。そのために、積み上げ時の配置パターンを多くとりやすくなり、現場での施工条件による配置変更にも容易に対応可能となる。
1…盛土用発泡合成樹脂ブロック、
2…人工地盤、
3…耐根シート、
4…排水マット、
5…透水シート、
6…軽量人工土壌、
7…緑化用植物、
1a…短手方向の側面、
1b…長手方向の側面、
21〜24…短手方向表面水平溝、
25、26…長手方向表面水平溝、
31〜34…短手方向裏面水平溝、
35、36…長手方向裏面水平溝、
41〜44、45〜48、51〜52、53〜54…第1〜第4の縦溝。

Claims (5)

  1. 表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝と、を備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックを複数個水平方向に敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって構成される盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造であって、
    各発泡合成樹脂ブロックに形成される前記縦溝は水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされており、かつ上下方向に隣接する各層において、上位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された縦溝の下端は、下位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された前記縦溝に直接連通することなく下位層を構成する発泡合成樹脂ブロックの面内に位置するように各発泡合成樹脂ブロックが配置されていることを特徴とする盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造。
  2. 表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝と、を備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックを複数個水平方向に敷き並べて形成した層を複数層積み重ねることによって盛土用発泡合成樹脂ブロック積層構造とする発泡合成樹脂ブロックの積層方法であって、
    使用する発泡合成樹脂ブロックは前記縦溝が水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされている発泡合成樹脂ブロックであり、その発泡合成樹脂ブロックを、上下方向に隣接する各層において、下位層の発泡合成樹脂ブロックの面内に上位層の発泡合成樹脂ブロックに形成された縦溝の下端が位置するようにして積み上げていくことを特徴とする盛土用発泡合成樹脂ブロックの積層方法。
  3. 表面側に形成した表面水平溝と裏面側に形成した裏面水平溝と、前記表面水平溝と裏面水平溝の端部を接続する側面側に形成した縦溝と、を備える直方体形状の発泡合成樹脂ブロックであって、
    前記縦溝は水平方向の断面で溝深さが溝幅より大きくされており、かつ各側面の横幅の1/4およびその倍数の箇所には前記縦溝が形成されていないことを特徴とする発泡合成樹脂ブロック。
  4. 少なくとも前記表面水平溝の底面には前記側面側に形成した縦溝に向けた配水勾配が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の発泡合成樹脂ブロック。
  5. 前記表面水平溝も溝深さが溝幅より大きくされていることを特徴とする請求項3又は4に記載の発泡合成樹脂ブロック。
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