JP6472685B2 - 回転式治療室 - Google Patents

回転式治療室 Download PDF

Info

Publication number
JP6472685B2
JP6472685B2 JP2015046993A JP2015046993A JP6472685B2 JP 6472685 B2 JP6472685 B2 JP 6472685B2 JP 2015046993 A JP2015046993 A JP 2015046993A JP 2015046993 A JP2015046993 A JP 2015046993A JP 6472685 B2 JP6472685 B2 JP 6472685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irradiation port
moving bed
rotating gantry
moving
link mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015046993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016165397A (ja
Inventor
前田 和孝
和孝 前田
希代彦 北川
希代彦 北川
茂 笠井
茂 笠井
晋弥 松田
晋弥 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Energy Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Energy Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015046993A priority Critical patent/JP6472685B2/ja
Publication of JP2016165397A publication Critical patent/JP2016165397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6472685B2 publication Critical patent/JP6472685B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Description

本発明の実施形態は、回転ガントリに搭載されて治療台の周囲を360度回転し、治療台に載せられた患者の周囲360度の任意の方向から粒子線を照射する照射ポートと、この照射ポートと共に治療台の周囲を移動する移動床群とを備えた回転式治療室に関する。
患者の患部にアイソセンタ(照射目標中心)を設定して、陽子や炭素イオン等のイオンビームを照射する治療方法が知られている。例えば、この治療に用いる粒子線医療装置は、イオンビーム発生装置、ビーム輸送系、及び回転ガントリに照射ポートが設置された回転式治療室を備える。
この粒子線医療装置の回転式治療室には、患者の周りを360度回転する回転ガントリと、この回転ガントリに搭載されて患者周囲の任意の方向から粒子線を照射する照射ポートと、回転ガントリに内装されると共に隧道型の軌道に沿って移動する移動床群と、を備えた従来技術がある。
この従来技術では、移動床群は隧道型の断面形状であり常に水平床面部を形成するが、この水平床面部の長さは、照射ポートの回転角度によって変化する。このため、回転ガントリに搭載された照射ポートの回転角度によっては、照射ポートと移動床群との間に開口が発生する。この開口が発生すると、患者や技師などの治療台へのアクセスが困難になったり、用具落下の危険性があり、安全性及び作業性の観点から課題がある。
上記課題を解決するために、照射ポートと移動床群の連結機構を改良すると共に、移動床群を分割構造とした他の従来技術がある。つまり、この連結機構は、照射ポートの回転角度によって生ずる移動床群の水平床面部の長さの変化に対処するために、移動床群の一部を照射ポートに送り出したり引き寄せたりするための駆動装置(シリンダアーム)と、この駆動装置の動作を制御する制御装置とを備え、制御装置が駆動装置の動作を制御して、駆動装置に連結された移動床群の一部を移動させることで開口が発生しないようにしている。これにより、安全性及び作業性に関する課題を解決している。
しかしながら、上記他の従来技術は駆動装置、制御装置及び動力源を備えるため、構造が複雑であり、部品点数が増加している。そのため、製造性、メンテナンス性及びコストの点で課題があり、経済性及び保守性に改善の余地がある。
上述の他の従来技術の課題を解決するものとして、照射ポートの回転によって生ずる移動床群の水平面部の長さの変化に対処するために、照射ポートと移動床群の端部とを、回転ガントリの半径方向にスライド自在に連結する一対のスライド連結機構を備えた更に他の従来技術がある。この更に他の従来技術では、照射ポートの回転角度に連動してスライド連結機構が動作することで、照射ポートの全ての回転角度において開口が発生しない。しかも、駆動装置、制御装置及び動力源を必要としないので、構造が簡素化されて経済性及び保守性が改善されている。
特開平11−47287号公報 特開2001−353228号公報 特開2011−156263号公報
しかしながら、上述の更に他の従来技術では、一対のスライド連結機構における接触面の擦れによる騒音などの課題がある。また、スライド連結機構のスライドレールが照射ポートの例えば側面に設置されているので、照射ポートの傾斜角度が大きい場合や、非幾何学的形状の照射ポートに対しては適用できないという制限がある。更に、スライドレールを必要とするため、照射ポートの形状が大きくなり、治療空間を圧迫するなどの課題がある。このように更に他の従来技術では、静音性及び汎用性に改善の余地がある。
本発明における実施形態の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、安全性を確保できると共に、経済性及び保守性に優れ、更に静音性及び汎用性を向上できる回転式治療室を提供することにある。
本発明の実施形態における回転式治療室は、横型筒形状の回転ガントリの内側に配置されて患者を載せる治療台と、前記回転ガントリに搭載されて、この回転ガントリと共に前記治療台周りを回転し、この治療台に向けて粒子線を照射する照射ポートと、前記回転ガントリの内側で隧道型の軌道を形成する軌道レールと、互いに屈曲自在に連結された複数枚の移動床から構成され、前記照射ポートの回転により前記軌道レールに沿って移動する移動床群と、を有する回転式治療室において、前記照射ポートと前記移動床群の端部とが、一定長さに保持されたリンクを備えるリンク機構にて連結され、このリンク機構の固定端が前記照射ポートに、自由端が前記移動床群の前記端部それぞれ設けられ、前記回転ガントリの回転に伴う前記照射ポートの回転に連動して前記リンク機構が動作し、このリンク機構の動作により前記移動床群が前記軌道レールに沿って移動することで、前記移動床群の水平面部を、その長さを変化させて形成するよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、安全性を確保できると共に、経済性及び保守性に優れ、更に静音性及び汎用性を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る回転式治療室を示す概略側断面図。 図1のII矢視における回転ガントリの回転角度180度の概略正面図。 図1及び図2の移動床群及びリンク機構等を示す斜視図。 図1及び図2に示すリンク機構の一部を示し、(A)はその一形態の側面図、(B)はその他の形態の側面図。 図1及び図2の回転ガントリ及び照射ポートの回転(回転ガントリの回転角度135度)に伴う移動床群の移動状況を示す図2に対応する概略正面図。 図1及び図2の回転ガントリ及び照射ポートの回転(回転ガントリの回転角度90度)に伴う移動床群の移動状況を示す図2に対応する概略正面図。 図1及び図2の回転ガントリ及び照射ポートの回転(回転ガントリの回転角度0度)に伴う移動床群の移動状況を示す図2に対応する概略正面図。 図1及び図2の照射ポートに対し、側面の傾斜角度が45度以上の照射ポートの場合における図2に対応する概略正面図。 図1及び図2の照射ポートに対し、非幾何学的形状の照射ポートの場合における図2に対応する概略正面図。 本発明の第2実施形態に係る回転式治療室を示す概略正面図。 (A)は図10の部分拡大図、(B)は図11(A)のXI矢視図。 本発明の第3実施形態に係る回転式治療室を示す概略正面図。 図12のXIII矢視図。 特許文献2に記載の回転式治療室を示す概略正面図。 特許文献3に記載の回転式治療性を示す概略正面図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図9)
図1は、本発明の第1実施形態に係る回転式治療室を示す概略側断面図である。また、図2は、図1のII矢視における回転ガントリの回転角度180度の概略正面図である。本第1実施形態の回転式治療室10は、患者1に対し360度の任意の方向から粒子線を照射して患部を治療するための装置であり、回転ガントリ11、治療台12、照射ポート13、軌道レール14、移動床群15、並びに連結機構としてのリンク機構16A及び16Bを有して構成される。
回転ガントリ11は、横型円筒形状であり、前後の両端部に配置されたエンドリング18(図1では一方のエンドリング18のみを示す)を介して、図示しないガントリ回転モータにより軸心周りに回転駆動される。また、治療台12は、建屋19に設置されて、患者1を仰臥させるなどして載せるものである。この治療台12は、移動床群15等により回転ガントリ11の内側に形成される後述の治療空間30内で、且つ照射ポート13から粒子線が照射される粒子線照射位置に患者1を搬送する。
照射ポート13は、回転ガントリ11の内壁に搭載されて、この回転ガントリ11と共に治療台12の周囲を±180度回転する。この照射ポート13は、照射口13Aを備え、この照射口13Aが、回転ガントリ11の回転により治療台12上の患者1へ360度の任意の方向から粒子線を照射する。この照射ポート13において、回転ガントリ11と接する箇所を付け根部13Bと称する。
軌道レール14は、回転ガントリ11の内側でその前後方向(Z方向)の各位置に固定側レール14A、移動側レール14Bが配設されて構成され、これらの固定側レール14A及び移動側レール14Bが回転ガントリ11の回転方向に延びている。これらの固定側レール14A及び移動側レール14Bは、図3に示すように、上部の円弧軌道部21と下部の直線軌道部22とが滑らかに結合された隧道型に構成され、図1に示すように、固定側レール14Aが建屋19に固定される。
また、移動側レール14Bは、サポートローラ23を介して回転ガントリ11の内壁面に支持される。更に、この移動側レール14Bは、回転ガントリ11の回転に対し逆方向に同期して回転する逆転同期駆動装置24により回転駆動される。例えば、回転ガントリ11の時計回りの回転に伴い照射ポート13も時計回りに回転するが、移動側レール14Bが逆転同期駆動装置24により反時計回りに同期して回転されることで、この移動側レール14Bは見かけ上静止し、固定側レール14Aと同様に、直線軌道部21が常に下方に位置づけられる。
移動床群15は、図1〜図3に示すように、互いに屈曲可能に連結された複数枚の移動床25にて構成され、患者1や技師2、操作者などが乗っても変形することがない十分な剛性を有する。この移動床群15は、両側のそれぞれが固定側レール14A、移動側レール14Bに支持されて隧道型に形成され、後述の如くリンク機構16A、16Bにより連結された照射ポート13の回転によって、軌道レール14(固定側レール14A及び移動側レール14B)に沿って移動する。ここで、技師2は医療行為を実施する者であり、操作者はメンテナンスを実施する者、または回転式治療室10を操作可能な施設職員などである。
移動床群15は、固定側レール14A及び移動側レール14B(軌道レール14)により隧道型に形成されることで、図3に示すように、軌道レール14の円弧軌道部21により円弧部26を、軌道レール14の直線軌道部22により水平床面部27をそれぞれ形成する。移動床群15のこれらの円弧部26及び水平床面部27と、移動側レール14Bに固定された背面パネル28とに囲まれて、照射ポート13及び治療台12を内包する治療空間30が形成される。また、図2に示すように、移動床群15の水平床面部27に患者1や技師2、操作者が乗って移動することで治療台12に近寄ることが可能になる。
図2及び図4に示すように、リンク機構16Aは照射ポート13と移動床群15の一方の端部29Aとを連結し、リンク機構16Bは、照射ポート13と移動床群15の他方の端部29Bとを連結する。つまり、リンク機構16Aの固定端31Aとリンク機構16Bの固定端31Bとは、共に照射ポート13の内部に設置される。また、リンク機構16Aの自由端32Aは移動床群15の一方の端部29Aに、リンク機構16Bの自由端32Bは移動床群15の他方の端部29Bにそれぞれ設置される。これらの固定端31Aと自由端32Aとがリンク33Aにより回転自在に接続されてリンク機構16Aが構成される。また、固定端31Bと自由端32Bとがリンク33Bにより回転自在に接続されてリンク機構16Bが構成される。
なお、図4(B)に示すように、固定端31A、31Bと自由端32A、32Bとの間に一または複数の節34が介在され、この節34を介して、固定端31A、31Bと自由端32A、32Bとがリンク33A、33B、リンク35により接続されてもよい。
図2に示すように、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとがリンク機構16A、16Bによりそれぞれ連結されることで、回転ガントリ11の回転に伴う照射ポート13の回転に連動してリンク機構16A、16Bが動作し、移動床群15は軌道レール14に沿って移動する。この際、リンク機構16A、16Bのそれぞれの自由端32A、32Bは、回転ガントリ11の半径方向における照射ポート13の照射口13Aと付け根部13Bとの範囲で、図2の矢印Pに示すように、固定端31A、31B回りに円弧の軌跡を描く。
これにより、移動床群15が隧道型の軌道レール14に沿って移動することで形成される移動床群15の水平床面部27の長さは、照射ポート13(つまり、回転ガントリ11)の回転角度に応じて徐々に変化する。但し、照射ポート13が軌道レール14の円弧軌道部21相当位置を移動しているときには、移動床群15の水平床面部27の長さは一定になる。
例えば、図2に示すように、照射ポート13が治療台12の真下に位置しているときには(回転ガントリ11の回転角度+180度)、リンク機構16Aの自由端32Aとリンク機構16Bの自由端32Bとが、回転ガントリ11の半径方向の最短位置(照射ポート13の照射口13A側)にある。これにより、移動床群15の水平床面部27は、照射ポート13の両側に、開口を生じさせることなく形成される。
また、図5に示すように、照射ポート13が治療台12の斜め下方に位置しているときには(回転ガント11の回転角度+135度)、照射ポート13の一方の付け根部13Bが軌道レール14の円弧軌道部21相当位置に到達しているので、リンク機構16Bの自由端32Bは、固定端31Bを中心に回転して円弧の軌跡を描き、回転ガントリ11の半径方向の最長位置(照射ポート13の付け根部13B側)にある。このとき、リンク機構16Aの自由端32Aは、軌道レール14の直線軌道部22相当位置にあるため、回転ガント21の半径方向の最短位置(照射ポート13の照射口13A側)にある。これにより、移動床群15の水平床面部27は、照射ポート13の片側に、開口を生じさせることなく形成される。
更に、図6に示すように、照射ポート13が治療台12の真横に位置しているときには(回転ガント21の回転角度+90度)、照射ポート13の一方の付け根部13Bが軌道レール14の円弧軌道部21相当位置にあって、リンク機構16Bの自由端32Bは、回転ガントリ11の半径方向の最長位置(照射ポート13の付け根部13B側)にある。このとき、リンク機構16Aの自由端32Aは、軌道レール14の円弧軌道部21相当位置に到達する直前にあるため、固定端31Aを中心に回転して円弧軌跡を描き始め、回転ガントリ11の半径方向の中間位置(照射ポート13の照射口13Aと付け根部13Bとの間)にある。これにより、移動床群15の水平床面部27は、照射ポート13の片側に開口を生じさせることなく、図5の場合よりも長く形成される。
また、図7に示すように、照射ポート13が治療台12の真上に位置しているときには(回転ガントリ11の回転角度0度)、リンク機構16Bの自由端32Bとリンク機構16Aの自由端32Aとは、共に回転ガントリ11の半径方向の最長位置(照射ポート13の付け根部13B側)にある。これにより、移動床群15の水平床面部27は、照射ポート13の下方に、軌道レール14の直線軌道部22の全長と等しい長さで、開口を生じさせることなく形成される。
上述のように、照射ポート13が軌道レール14の円弧軌道部21相当位置を移動しているときには(図7参照)、移動床群25の水平床面部27の長さは一定である。これに対し、照射ポート13が軌道レール14の直線軌道部22相当位置を移動しているときには(回転ガントリ11の回転角度+90度〜+180度;図6、図5及び図2参照)、リンク機構16A及び16Bの動作によって移動床群15の水平床面部27の長さは徐々に変化する。
なお、上述の回転ガントリ11の回転角度の数値は例示的に示したものであり、軌道レール14の円弧軌道部21及び直線軌道部22の長さや照射ポート13の寸法によって変更される。また、上述の例では、回転ガントリ11が+180度〜0度の範囲を回転する場合を述べたが、回転ガントリ11は、0度から−180度の範囲をも回転する。回転ガントリ11及び照射ポート13が基本的に鏡面対称形状であるため、回転ガントリ11が0度〜−180度の範囲を回転する場合についても、リンク機構16A、16B及び移動床群15は上述と同様に動作する。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏する。
(1)本第1実施形態の回転式治療室10によれば、図2及び図5〜図7に示すように、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとを連結するリンク機構16A、16Bは、回転ガントリ11の回転に伴って回転する照射ポート13に連動して動作し、照射ポート13の近傍に移動床群15の一部によって水平床面部27を、開口を設けることなく形成する。従って、この水平床面部27を患者1や技師2、操作者が通ることで、これらの患者1や技師2などを治療台12に安全に近寄らせることができ、または開口に工具等の物品が落下することがないので、安全性及び作業性を確保できる。
(2)図14に示す特許文献2の技術では、移動床群101を分割構造とし、回転ガントリ102の回転に伴う照射ポート103の回転によって生ずる移動床群101の水平床面の長さの変化に対して、図示しない制御装置の制御により駆動装置(シリンダアーム)104を駆動させて、移動床群101の一部を照射ポート103側へ引き寄せまたは送り出し、これにより、水平床面部に開口105が発生しないようにしている。しかしながら、この特許文献2の技術では、駆動装置104、制御装置及び動力源が必要になり、部品点数が増大して構造が複雑化するので、特に経済性及び保守性の点で改善の余地がある。
これに対し、本第1実施形態の回転式治療室10では、図2に示すように、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとを連結するリンク機構16A、16Bが照射ポート13の回転に連動して動作することで、移動床群15の水平床面部27を形成するための駆動装置、制御装置及び動力源が不要になる。このため、回転式治療室10の構造が簡素化されて故障リスクも減少するので、回転式治療室10の経済性及び保守性を向上させることができる。
更に、本第1実施形態の回転式治療室10では、移動床群15に開口のない水平床面部27を形成するため駆動装置を動作させる必要がないので、治療に係る一連の時間が短縮されて作業性を向上させることができる。また、駆動装置の駆動音が発生することもないので、患者1に対し安心感を与えることができる。
(3)図15に示す特許文献3の技術では、照射ポート111の回転によって生ずる移動床群112の水平床面部の長さの変化に対処するために、照射ポート111と移動床群112の端部とを、回転ガントリ113の半径方向にスライド自在に連結する一対のスライド連結機構(スライドレール114及びスライド部材115)を備えている。従って、照射ポート111の回転角度に連動してスライド部材115がスライドレール114に対して動作し、照射ポート111の全ての回転角度において、開口が発生することなく移動床群112に水平床面部を形成でき、安全性を確保できる。しかも、駆動装置及び制御装置等が存在しないので構造が簡素化されて、経済性及び保守性にも優れる。
しかしながら、この特許文献3の技術では、スライドレール114とスライド部材115との間の接触面積が大きく、接触面の擦れにより異音が発生してしまう。また、照射ポート111においてスライドレール114が設置される例えば側面の傾斜角度θが大きい場合や、照射ポート111が非幾何学的形状である場合には、本技術を適用することができない。更に、スライドレール114が設置されるため照射ポート111が大型化され、照射ポート111と移動床群112とに囲まれて形成される治療空間が圧迫されてしまう。このように、特許文献3の技術では、静音性及び汎用性の点で改善の余地がある。
これに対し、本第1実施形態の回転式治療室10では、図2に示すように、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとが、点接触するリンク機構16A、16Bにより連結されたので、接触面積が減少して駆動音が小さくなり、回転式治療室10の静音性を向上させることができる。しかも、リンク機構16A、16Bは、図8に示すような側面や前面の傾斜角度θが大きな照射ポート13、図9に示すような非幾何学的形状の照射ポート13、治療空間30拡大のために高さの低い小型の照射ポート13などのような照射ポート13の形状に拘らず適用できるので、回転式治療室10の汎用性を向上させることができる。
例えば、現在、粒子線治療の進歩に伴い照射技術の更なる改善が求められており、治療効果の高い新たな照射機器の開発や照射機器の改造が行われている。照射ポート13に内蔵される機器の形状・寸法の多様性に伴い、照射ポート13の形状がこれまで主流であった先細り形状や箱型形状でない場合も想定される。従って、図8に示すような照射ポート13の側面または前面の傾斜角度θが45度以上の場合であっても、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとを連結する連結機構がリンク機構16A、16Bであれば、照射ポート13の形状に拘らず容易に適用することができる。
また、これまでは照射性能さえ満足できれば、照射ポート13のデザインに関する要求はなかったが、照射ポート13や移動床群15は治療空間30に隣接しており、患者1の目に触れることから、デザインに配慮した構造を求められることも想定される。従って、図9に示すような非幾何学的形状の照射ポート13であっても、この照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとを連結する連結機構がリンク機構16A、16Bであれば、照射ポート13の形状に拘らず容易に適用できる。更に、高さの低い小型の照射ポート13とすることで、治療空間30を広く設定することができる。
[B]第2実施形態(図10、図11)
図10は、本発明の第2実施形態に係る回転式治療室を示す概略正面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の回転式治療室40が第1実施形態と異なる点は、照射ポート13と移動床群15の端部29A、29Bとがワイヤ巻取機構41A、41Bにて連結されると共に、移動床群15の端部29A及び29Bに、照射ポート13の側面または前面(例えば本第2実施形態では側面)を転動するローラ42が取り付けられた点である。
つまり、ワイヤ巻取機構41A、41Bは、図10及び図11に示すように、ワイヤ43と、このワイヤ43を巻き取り可能な巻取器44とを有して構成される。ワイヤ43は、照射ポート13の側面または前面(例えば 例えば本第2実施形態では側面)の照射ポート13の高さ方向に形成された切欠き45内を挿通して、移動床群15の端部29A、29Bに設置されたシャフト46に接続される。このシャフト46に、ローラ42が回転自在に支持される。
回転ガントリ15の回転に伴う照射ポート13の回転に連動してワイヤ巻取機構41A及び41Bが動作し、巻取器44がワイヤ43を送り出しまたは巻き取り、且つローラ42が照射ポート13の側面を矢印R方向に転動することで、移動床群15は軌道レール14に沿って移動し、照射ポート13の近傍に水平床面部27を、開口を生じさせることなく形成する。
この結果、本第2実施形態においても、照射ポート13近傍に水平床面部27が、開口を生じさせることなく迅速に形成されるので、回転式治療室40の安全性及び作業性を向上させることができる。また、水平床面部27を、開口を生じさせることなく形成するために駆動装置、制御装置及び動力源を必要としないので、回転式治療室40の構造が簡素化されて、この回転式治療室40の経済性及び保守性等を向上させることができる。更に、移動床群15の端部29A、29Bにおけるローラ42が、照射ポート13の側面または前面(本第2実施形態では側面)を転動することで、回転式治療室40の静音性を確保できる。
[C]第3実施形態(図12、図13)
図12は、本発明の第3実施形態に係る回転式治療室を示す概略正面図である。この第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡素化し、または省略する。
本第3実施形態の回転式治療室50が第1実施形態と異なる点は、移動床群15の端部29Aと29Bとがばね部材51(例えばコイルスプリング)にて連結されると共に、これらの端部29A、29Bに、照射ポート13の側面または前面(例えば本第3実施形態では側面)を転動するローラ52が取り付けられた点である。
つまり、ローラ52は、移動床群15の端部29A、29Bに設置されたシャフト53に回転自在に支持される。また、移動床群15の端部29Aのシャフト53と端部29Bのシャフト53とがばね部材51により接続される。このばね部材51は、照射ポート13の側面または前面(例えば本第3実施形態では側面)における照射ポート13の高さ方向に形成された切欠き54内を挿通する。
従って、回転ガントリ15の回転に伴う照射ポート13の回転に連動して、ばね部材51が伸縮動作しつつ照射ポート13の高さ方向Qに移動し、且つローラ52が照射ポート13の側面を矢印R方向に転動することで、移動床群15が軌道レール14に沿って移動し、照射ポート13の近傍に水平床面部27を、開口を生じさせることなく形成する。
この結果、本第3実施形態においても、照射ポート13の近傍に水平床面部27が、開口を生じさせることなく迅速に形成されるので、回転式治療室50の安全性及び作業性を向上させることができる。また、水平床面部27を、開口を生じさせることなく形成するために駆動装置、制御装置及び動力源を必要としないので、回転式治療室50の構造が簡素化されて、この回転式治療室50の経済性及び保守性等を向上させることができる。更に、移動床群15の端部29A、29Bにおけるローラ52が照射ポート13の側面または前面(例えば本第3実施形態では側面)を転動することで、回転式治療室50の静音性を確保できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 回転式治療室
11 回転ガントリ
12 治療台
13 照射ポート
14 軌道レール
15 移動床群
16A、16B リンク機構
25 移動床
27 水平床面部
29A、29B 端部
31A、31B 固定端
32A、32B 自由端
33A、33B リンク
40 回転式治療室
41A、41B ワイヤ巻取装置
42 ローラ
43 ワイヤ
44 巻取器
50 回転式治療室
51 ばね部材
52 ローラ

Claims (2)

  1. 横型筒形状の回転ガントリの内側に配置されて患者を載せる治療台と、
    前記回転ガントリに搭載されて、この回転ガントリと共に前記治療台周りを回転し、この治療台に向けて粒子線を照射する照射ポートと、
    前記回転ガントリの内側で隧道型の軌道を形成する軌道レールと、
    互いに屈曲自在に連結された複数枚の移動床から構成され、前記照射ポートの回転により前記軌道レールに沿って移動する移動床群と、を有する回転式治療室において、
    前記照射ポートと前記移動床群の端部とが、一定長さに保持されたリンクを備えるリンク機構にて連結され、このリンク機構の固定端が前記照射ポートに、自由端が前記移動床群の前記端部それぞれ設けられ、前記回転ガントリの回転に伴う前記照射ポートの回転に連動して前記リンク機構が動作し、このリンク機構の動作により前記移動床群が前記軌道レールに沿って移動することで、前記移動床群の水平面部を、その長さを変化させて形成するよう構成されたことを特徴とする回転式治療室。
  2. 前記リンク機構の自由端は、回転ガントリの径方向の範囲で、固定端周りに円弧状の軌跡を描くよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の回転式治療室。
JP2015046993A 2015-03-10 2015-03-10 回転式治療室 Active JP6472685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015046993A JP6472685B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 回転式治療室

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015046993A JP6472685B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 回転式治療室

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016165397A JP2016165397A (ja) 2016-09-15
JP6472685B2 true JP6472685B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=56897108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015046993A Active JP6472685B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 回転式治療室

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6472685B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6873826B2 (ja) 2017-05-31 2021-05-19 株式会社東芝 粒子線医療装置
CN108175956B (zh) * 2018-01-16 2024-01-26 中国科学院上海应用物理研究所 一种用于质子治疗仪旋转机架的旋转地板
CN108853757A (zh) * 2018-08-01 2018-11-23 合肥中科离子医学技术装备有限公司 一种用于旋转机架内部转动背板的结构
JP6985314B2 (ja) * 2019-02-25 2021-12-22 株式会社日立製作所 放射線治療装置および放射線治療装置の制御方法
CN110227215A (zh) * 2019-07-16 2019-09-13 胡健 一种放疗用便于调节角度的多功能床
CN117122829B (zh) * 2023-08-28 2024-06-04 杭州嘉辐科技有限公司 用于旋转机架的伸缩链式旋转地板

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3748426B2 (ja) * 2002-09-30 2006-02-22 株式会社日立製作所 医療用粒子線照射装置
JP5762975B2 (ja) * 2008-12-31 2015-08-12 イオン・ビーム・アプリケーションズ・エス・アー ガントリー転がりフロア
JP5452262B2 (ja) * 2010-02-03 2014-03-26 株式会社日立製作所 放射線治療ケージ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016165397A (ja) 2016-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6472685B2 (ja) 回転式治療室
CN107802965B (zh) 粒子线医疗装置及其运转方法
KR102147760B1 (ko) 입자선 의료 장치
JP4994499B2 (ja) 回転照射装置
JP2019076650A (ja) 粒子線医療装置
CN105407965A (zh) 多叶光栅、及使用该多叶光栅的放射线治疗装置、放射线治疗系统
JP5452262B2 (ja) 放射線治療ケージ
JP6591886B2 (ja) 粒子線治療装置
JP6895261B2 (ja) 多関節ロボットアームの関節駆動機構、多関節ロボットアームおよびロボット手術台
JP6114409B2 (ja) 放射線治療装置
JP5154896B2 (ja) 回転照射治療装置
JP4113897B2 (ja) 回転照射装置
JP2010075512A (ja) 回転照射型粒子線医療装置
JP4272333B2 (ja) 粒子線治療用回転照射室
JP6586444B2 (ja) ロボット手術台およびハイブリッド手術室システム
JP6012245B2 (ja) 粒子線回転照射装置
JP5351245B2 (ja) 回転照射型粒子線医療装置
JP6050668B2 (ja) 回転照射治療室および回転照射治療装置
JP5701277B2 (ja) 回転照射治療装置
TW202344280A (zh) 粒子束治療裝置
JP4113901B2 (ja) 回転照射装置
JP5420055B2 (ja) 回転照射治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171127

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6472685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150