JP6472668B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極板と負極板との間にセパレータを介在させ、これらを交互に積層した極板群を電槽に収納してなる鉛蓄電池に関するものであり、特に多孔性樹脂薄膜とガラスマットを組み合わせてなるセパレータの改良に関するものである。
鉛蓄電池は二次電池の中でも安価かつ安全性に優れ、自動車や自動二輪など移動体用の電源として、あるいは産業用の据置電源として等、幅広い分野で使われている。これら鉛蓄電池は、主として鉛合金からなる格子体にペースト状の活物質を充填した正極板及び負極板と、セパレータとが交互に積層された極板群を電槽内に収納し、電解液である希硫酸を注液する工程を経て製造される。
前記鉛蓄電池の性能は、正極板及び負極板は元より、セパレータの構成にも影響される。従来公知のセパレータとしては、図5に示した様に多孔性樹脂薄膜のベース部の片面に設けた複数条のリブ部に、ガラスマット等の平板状多孔板を当接させて形成したものが知られている。該リブ部はスペーサーとしてはたらき、前記ベース部が酸化によって劣化し破断することを抑制し、かつ正負極板間に電解液を保持する空間を作る役割を担う。一方、該平板状多孔板は正極板表面に当接させることで、極板群をスタッキングした際の加圧力(以下、スタッキング圧と称する)を正極板表面に効率よく加え、もって正極活物質の軟化脱落を防止する効果を発揮する。これは、該平板状多孔板が加圧圧縮に対し復元力を生じることを利用したものである。
更に前記のセパレータを改良したものとしては、特許文献1に示される様に、ベース部の片面にリブ部を設けた多孔性樹脂薄膜の該リブ部間にガラスマット等の平板状多孔板を配置して組み合わせ、正極活物質の軟化脱落を抑制するものが知られている。これにより、該平板状多孔板が接点面積の小さいリブ部頂面ではなく、接点面積の大きいベース部で支持されるため、スタッキング圧を均一に正極板表面に加えることが可能だという。
他方、特許文献2には、肉薄シートに平行して設けた複数条のリブ部の間に、低分子からなる発泡樹脂層をリブ部頂面と該発泡樹脂層表面とが面一をなすように形成したセパレータが記載されている。該特許文献2によれば、リブ部と発泡樹脂層とが面一となることで、正極板表面を押圧した状態でも該発泡樹脂層は非圧縮状態となる。したがって長期的な電池の使用においてスタッキング圧が極板群に印加されても、圧縮に伴う発泡樹脂層の復元力の逸失を防ぎ、もって鉛蓄電池の寿命を向上するはたらきがあるという。
実開昭64-46957号公報 特許第437169号公報
然しながら、図5に示した様なリブ部付きの多孔性樹脂薄膜の該リブ部頂面に平板状多孔板を当接して形成したセパレータや、特許文献1の様なセパレータを用いた場合、農地や工事現場等での車載使用時等に鉛蓄電池に加わる振動により、リブ部の根元部にて折れや多孔性樹脂薄膜に破断が起こることが判り、特許文献1に記載の構成では前記の様な振動に晒される用途に耐え得るとは言い難かった。
また特許文献2に記載のセパレータでは、リブ部頂面と発泡樹脂層表面とを面一としたため、正極板表面の加圧圧縮が不十分である。これは極板の製造時に厚み誤差が生じることに因る。正極板又は負極板の厚み分布が不均一となった場合、必然的に夫々の極板の押圧は部分的に不十分となる。斯様な正極表面の押圧が不十分な箇所においては、電池の長期使用に伴う正極活物質の軟化脱落が抑制できない。更に前記の様な振動条件下では、正極活物質の脱落も著しい。
本発明は、鉛蓄電池が振動に晒される場合においても、セパレータがリブ部根元にて破断することを防ぎ、かつ良好なスタッキング圧にて正極板を押圧することで、正極活物質の軟化脱落を抑制することを目的とする。
本発明は上記目的を達成する為に、多孔性樹脂薄膜の片面に複数条のリブ部を設け、夫々のリブ部間には平板状多孔板としてガラスマットを貼付し、且つ両端に位置するリブ部の外側にもガラスマットを貼付し、以って全てのリブ部が該ガラスマットにより夫々挟持される様にすると共に、前記ガラスマットを該多孔性樹脂薄膜のベース部に着接した際、該ガラスマットの表面がリブ部の頂面より高くなる様な厚さとし、該ガラスマットを貼付したセパレータを極板群に挿入し鉛蓄電池の電槽内に収納した際、リブ部が正極板に当接するまで該ガラスマットが加圧圧縮され、そのスタッキング圧が10〜60kPaである様にした。
この様にセパレータのリブ部を側面からガラスマットで補強する構造をとれるため、例えば車載走行中に振動が加わった場合でも、リブ部の付け根にかかる応力に対しガラスマットが両側の支えになるため、これにより従来生じていたリブ部付け根のセパレータ破断をなくし、結果として長期使用時の内部短絡を防ぐことができると共に、スタッキング圧を10〜60kPaとしたので、該ガラスマットは電解液を十分保持でき、かつ正極板表面を十分加圧し正極活物質の軟化脱落を防ぐことができる。
また、リブ部間に厚いガラスマットを備えることで、リブ部が極板に当接するように該ガラスマットを加圧圧縮すれば、極板を常に圧迫することができる。また、極板の一部分の厚みが製造誤差により多少薄くなりリブ高さと比較して部分的に極板間距離が長くなった場合でも、未圧縮状態のガラスマット厚みがリブ高さより長いため、製造誤差を吸収して正極板を圧迫することができる。
以上の通り本発明によれば、正極板と負極板の間に介在されるセパレータを、多孔性樹脂薄膜の一つの面に複数条のリブ部を設け、該リブ部間にガラスマットを貼付し、かつ両端のリブ部の外側にもガラスマットを貼付すると共に、該ガラスマットは平常時リブ部高さよりも厚くし、リブ部先端が正極板に当接する様に積層した極板群を電槽に収納した際に10〜60kPaのスタッキング圧によって圧縮され、リブ部頂面と面一となっているため、鉛蓄電池の使用中に振動が加わる場合でも、リブ部の根元部に集中する応力を、圧縮されたガラスマットによりリブ部を両側から支え挟持するので、リブ部の折れや該リブ部根元部付近のベース部の破断を防ぐことができると共に、例え製造時に極板厚みの誤差が生じた場合であっても、正極表面を均一に十分加圧でき、これにより正極の軟化に伴う脱落が振動によって助長されることを防ぎ、従来例以上に鉛蓄電池の寿命を向上することができる。
本発明実施形態のセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。 比較の為のセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B’線断面図である。 他の比較の為のセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C’線断面図である。 更に他の比較の為のセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D’線断面図である。 従来のセパレータを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E’線断面図である。
以下に図を用いて、本発明の実施形態を説明する。
(セパレータの作製)
図1に示した様に本発明の実施形態で用いられるセパレータ1は、多孔性樹脂薄膜とガラスマットとを組み合わせたものである。該多孔性樹脂薄膜は矩形に形成された薄膜状のベース部2の片面に、該ベース部の長手方向に沿って複数条(例えば4本)のリブ部3が略平行に凸形成されたものを使用した。該多孔性樹脂薄膜の材料はポリオレフィン系やポリスチレン系、PET、ABSなど、耐酸性に優れかつ多孔を形成可能なものが好適である。また該ベース部2の面積は、正負極板の接触による短絡を防ぐため、該正負極板より大きく形成することが望ましい。一方、前記ガラスマット4は、ガラス長繊維を織り合わせたマット状のもの、或いはガラス短繊維を種々の方法で押し固めたフェルト状のもの等のガラス繊維の織布又は不織布を用いることができる。また該ガラスマット4の厚さは、前記リブ部高さよりも大きいものを使用した。すなわち、該ガラスマット4を前記多孔性樹脂薄膜のベース部2に着接した際に、該ガラスマット4表面が該リブ部3の頂面よりも高くなる様にした。
以上の多孔性樹脂薄膜とガラスマットとを次の手順に従って組み合わせた。まずリブ部3間に接着するガラスマット4を、幅がリブ部3間の幅と等しく、長さがリブ部3長さと等しくなる様に裁断した。次いで、両端のリブ部3の外側に接着するガラスマット4を、その幅は少なくとも極板の端部と対向する位置までの幅とするか、或いはセパレータを袋状に閉じる場合には必要な閉じ代を外側ベース部に残す程度の幅とし、長さがリブ部3長さと等しくなる様に裁断した。続いて、ガラスマット4の片面に接着剤を塗布し、塗布面を多孔性樹脂板のベース部2に当接させ、ガラスマット4の端部が丁度リブ部3側面に当接し、該ベース部2からはみ出さない様に全てのリブ部3間と両端のリブ部の外側に接着した。接着には耐酸・耐水性の接着剤として、シリコン樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリオレフィン樹脂系等からなる接着剤が好適である。また、接着剤を用いる代わりにヒートシール等の溶着方法や、ギアシール等の機械的接着方法を用いても良い。以上により、図1に示した様な本発明の実施形態で用いられるセパレータ1を得た。
(鉛蓄電池の作製)
本発明の鉛蓄電池において、セパレータ1以外の要素は常法により製造したものを使用できる。まず、Pb−Ca系やPb−Ca−Sn系の鉛合金からなる格子基板を鋳造し、該格子基板の所定の位置に耳部を形成した。次いで鉛と一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、更に必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて正極及び負極用の活物質ペーストを夫々作製した。これら活物質ペーストを前記格子基板に充填後、熟成・乾燥工程を経て未化成の正極板及び負極板を作製した。
続いて、前記の正極板と負極板との間に上記に説明した多孔性樹脂薄膜とガラスマットとを組み合わせたセパレータ1を介在させ、これらを交互に積層して極板群を形成した。ここで、該セパレータ1は正極活物質の軟化脱落を防止するため、ガラスマット4を接着した面が正極板表面に当接する様にした。続いて、該極板群を所定のスタッキング圧のもとで鉛蓄電池の電槽内に収納した。これによりセパレータ1の該ガラスマット4が加圧圧縮され、多孔性樹脂薄膜に設けたリブ部3が正極板表面に当接し、その際のスタッキング圧が10〜60kPaである様にした。
該スタッキング圧は例えば該ガラスマット4の厚さによって制御可能である。すなわち、スタッキング圧を小さくする場合はガラスマット4を薄くし、スタッキング圧を大きくする場合はガラスマット4を厚くすれば良い。またこの様なスタッキング圧は、一枚のガラスマットの厚さのみによって調節しても良いし、種々の厚さの複数のガラスマットを積層して調整しても良い。
以上により鉛蓄電池の電槽に前記極板群を収納した後、極板群の耳部にストラップ溶接等を施し、注液孔を設けた蓋を該電槽に載置して熱融着し、該注液孔より電槽内へ電解液として希硫酸を注液した。次いで該注液孔に注液栓を螺嵌した後、化成工程にて充放電を行い該極板群を活性化させ、本発明実施形態の鉛蓄電池を得た。
(電池特性の評価方法)
本発明の実施例及び比較例の鉛蓄電池の電池特性については、JIS D 5301(始動用鉛蓄電池)に規定される条件に準拠し、20時間率容量試験と重負荷寿命試験、耐振動性試験を実施した。耐振動性試験は上下方向の単振動を7Gの加速度で2時間印加して行い、試験後に電池を解体してセパレータを取り出し、多孔性樹脂薄膜の変色や破断等の有無を観察した。またこれらの試験は各水準3個ずつ行った。
以下に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
鉛蓄電池の電槽に極板群を収納した際に、セパレータ1のガラスマット4が圧縮されリブ部3が正極板表面に当接した際のスタッキング圧が、20kPaである実施例1の鉛蓄電池を作製した。セパレータ1の多孔性樹脂薄膜としてポリエチレン製のものを使用し、ベース部2の厚さは0.2mm、寸法は122mm×152mm、リブ部3の高さは0.6mm、幅は0.5mmであり、該リブ部3の長さは該ベース部の長手方向の長さと等しく、リブ部3同士は等間隔で18条設けられている。ガラスマット4は幅がリブ部3間の幅と等しく、長さがリブ部3長さと等しくなる様に裁断した。次いで、両端のリブ部3の外側に接着するガラスマット4を、幅が前記多孔性樹脂薄膜を袋状に閉じる際に必要な閉じ代が残る程度に、かつ長さがリブ部3長さと等しくなる様に裁断した。続いて、ガラスマット4の片面に接着剤を塗布し、塗布面を多孔性樹脂板のベース部2に当接させ、ガラスマット4の端部が丁度リブ部3側面に当接し、該ベース部2からはみ出さない様に全てのリブ部3間と両端のリブ部の外側に接着した。最後に前記多孔性樹脂の端をギアシールにて封止し袋状のセパレータを得た。
上記実施例1の構成において、ガラスマットの厚みを薄くしスタッキング圧のみを10kPaに変更したこと以外は同様にした実施例2の鉛蓄電池を作製した。
上記実施例1の構成において、ガラスマットの厚みを厚くしスタッキング圧のみを60kPaに変更したこと以外は同様にした実施例3の鉛蓄電池を作製した。
比較例1
上記実施例1の構成において、ガラスマットの厚みを薄くしスタッキング圧のみを5kPaに変更したこと以外は同様にした比較例1の鉛蓄電池を作製した。
比較例2
上記実施例1の構成において、ガラスマットの厚みを厚くしスタッキング圧のみを65kPaに変更したこと以外は同様にした比較例2の鉛蓄電池を作製した。
比較例3
図2に示した様に、多孔性樹脂薄膜のリブ部3間に丁度収納される様に裁断したガラスマット4を該リブ部間挿入し、実施例1と同様にベース部2とガラスマット4とを接着したが、両端のリブ部の外側にはガラスマット4を使用しないで形成したセパレータ5を使用した以外は実施例1と同様にした比較例3の鉛蓄電池を作製した。
比較例4
図3に示した様に、多孔性樹脂薄膜のリブ部3間に、ガラスマットではなく発泡樹脂6(ポリエチレン樹脂に発泡剤を加え発泡形成したもの)をリブ部3頂面と面一となるように充填し形成したセパレータ7を使用した以外は実施例1と同様にした比較例4の鉛蓄電池を作製した。
比較例5
図4に示した様に、リブ部を設けていない多孔性樹脂薄膜のベース部2の表面に、該ベース部と同程度の面積のガラスマット4を実施例1と同様に接着し形成したセパレータ8を使用した以外は実施例1と同様にした比較例5の鉛蓄電池を作製した。
従来例
図5に示した様に、多孔性樹脂薄膜に設けられたリブ部3にガラスマット4を当接させて形成したセパレータ9を使用した以外は実施例1と同様にした従来例の鉛蓄電池を作製した。
表1は、上記電池特性の評価方法に従って測定した20時間率持続時間、重負荷寿命サイクル数、耐振動性を、実施例1〜3、及び比較例1〜5で作製した鉛蓄電池について夫々3サンプルずつ測定しその結果を示したものである。
※1 重負荷寿命サイクル数は、従来例の平均を100とした場合の相対的なサイクル数である。
※2 耐振動性は、セパレータの変色なし:○、変色有:△、破れ:×とした。
(20時間率容量試験の結果)
20時間率容量試験の結果、表1に示した通り、各水準は略同一の放電容量をもつことを確認した。
(重負荷寿命試験の結果)
重負荷寿命試験の結果、重負荷寿命サイクル数は実施例1~3、及び比較例3が良好な性能を示した。これは、セパレータのリブ部が正極板表面に当接するまでガラスマットが圧縮された際、該ガラスマットの復元力によって10kPa〜60kPaの適正なスタッキング圧が正極板に加わり、活物質の軟化脱落を抑制できたものと考えられる。
一方で試験結果が良好でなかったサンプルについて、比較例1はスタッキング圧を5kPaとした水準であり、正極板表面の加圧が不十分であったため、正極活物質の軟化脱落の抑制効果に乏しかった。一方で比較例2はスタッキング圧を65kPaとした水準であり、過剰なスタッキング圧がガラスマットの弾性を次第に劣化させ、結局、軟化脱落特性効果の逸失を招いたものと推測される。また比較例4は比較的早期に寿命を迎えた。これは製造の誤差によって正負極板のいずれかが部分的に薄くなり、当該箇所での軟化脱落を十分に抑制できなかったものと推測される。比較例5は、リブ部のない多孔性樹脂薄膜にガラスマットを接着した水準であり、リブ部のスペーサーとしての効果が得られなかった。従って、他の水準よりスタッキング圧によってガラスマットが大きく変形してへたり易く、他の水準よりもガラスマットの弾性が早く劣化したものと考えられる。更に、極板間距離が短くなることは十分な電解液を保持できないことでもあり、かかる状態で充放電を繰り返した結果、性能の劣化が十分抑制できなかったものと推定される。従来例については、ガラスマットのリブ部が当接していない部分のスタッキング圧が充放電に伴って徐々に逸失し、正極活物質の軟化脱落を抑制できずに早く寿命を迎えたと考えられる。
(耐振動性試験の結果)
従来例及び比較例3のみ、両端のリブの付け根部が変色し、応力がかかった形跡があった。多孔性樹脂の変色部は破れ易く、係る状況で使用し続けた場合セパレータの破断を招き、該箇所で内部短絡を起こし製品の寿命を短縮しかねない。
以上の実験結果より、本発明の実施例1から3においては、正極活物質の軟化脱落を抑制でき、同時にリブ部の折れや根元部分での破断を防ぐ効果があることを確かめられた。
この様に本発明によれば、正極板と負極板の間に介在されるセパレータを、多孔性樹脂薄膜の片面に複数条のリブ部を設け、該リブ部間にガラスマットを貼付し、かつ両端のリブ部の外側にもガラスマットを貼付してリブ部を挟持すると共に、該ガラスマットは平常時リブ部高さよりも厚くし、リブ部先端が正極板に当接する様に積層した極板群を電槽に収納した際に10〜60kPaのスタッキング圧によって圧縮され、リブ部頂面と面一となっているため、鉛蓄電池の使用中に振動が加わる場合でも、リブ部の根元部に集中する応力をガラスマット及び多孔性樹脂薄膜ベース部に分散させることが可能となり、リブ部の折れや該リブ部根元部付近のベース部の破断を防ぐことができると共に、例え製造時に極板厚みの誤差が生じた場合であっても、正極表面を均一に十分加圧でき、これにより正極の軟化に伴う脱落が振動によって助長されることを防ぎ、従来例以上に鉛蓄電池の寿命を向上することができる。
1 セパレータ
2 ベース部
3 リブ部
4 ガラスマット

Claims (1)

  1. 多孔性樹脂薄膜とガラスマットとを積層したセパレータを正極板と負極板との間に介在させ、これらを交互に積層した極板群を電槽に収納してなる鉛蓄電池において、
    (a)合成樹脂薄膜のベース部の少なくとも片面に複数条のリブ部が設けられ、
    (b)夫々のリブ部間にガラスマットが貼付され、
    (c)且つ両端のリブ部の外側にもガラスマットが貼付されること、
    更に、
    (d)前記ガラスマットが該合成樹脂薄膜のベース部に着接された際、着接面の反対側の該ガラスマット表面が、リブ部の頂面より高くなる厚さを有し、
    (e)該ガラスマットが前記合成樹脂薄膜に貼付されたセパレータが極板群に挿入され、鉛蓄電池の電槽内に収納された際、リブ部が正極板に当接するまで該ガラスマットが加圧圧縮され、そのスタッキング圧が10〜60kPaであること、
    を特徴とした鉛蓄電池。
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