JP6472169B2 - 移動体機器制御装置、携帯端末、移動体機器制御システムおよび移動体機器制御方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、車両内の搭乗者の状態に関する情報を検出し、この検出情報に基づいて搭乗者が車酔い状態であると判定した場合に、車両機器を制御して車両内の環境を変化させることにより車酔いの程度を低減させる装置が開示されている。
しかしながら、車酔いのしやすさは、搭乗者の個々の体質に応じて異なり、また運転中に搭乗者に加わる負荷も車両内の座席位置によって異なる。
一方、車両外の景色が見えやすい助手席に座る搭乗者であっても車酔いしやすい体質であると、負荷がかかることによって車酔いを起こす可能性が高く、この場合は車内環境を変更しなければならない。
このように車酔いは負荷以外の様々な要因によって発生しやすさが変化するため、特許文献1の発明を車酔い対策にそのまま適用することはできない。
一方、特許文献2の発明では、搭乗者が車酔い状態になったことを検出して車内環境を変化させている。このため、車酔いの発生を予防するものではなく、また搭乗者が車酔いになってから車内環境を変化させても充分に体調を回復させることはできない。
図1は、この発明の実施の形態1に係る移動体機器制御システムの構成を示すブロック図であり、車両に搭載された車載機器制御システムを示している。図1のシステムは、車載機器を制御するシステムであり、携帯端末1および車載機器制御装置2を備える。
携帯端末1は、車両内で乗員に携帯される携帯端末であり、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットPCなどが挙げられる。その構成として、入力部10、個人データ取得部11、端末側通信部12、リアルタイムデータ取得部13、センサ部14、ナビゲーション部15、送信可否判定部16および出力部17を備える。
なお、乗員が申告した酔いやすさのレベルとは、乗員が自身の体質を考慮して自己申告する酔いやすさのレベルであり、以降の説明では、“酔いやすい”、“普通”、“酔いにくい”の3段階の情報であるものとする。
また乗員の車両内の座席位置は、この乗員が座る座席位置であって、図3を用いて後述するように、以降の説明では、“運転席”、“助手席”、“後部座席窓側”、“後部座席中央”のうちのいずれかが設定されるものとする。
さらに個人データとして、乗員にとって心地よい音質のメロディ音や楽曲データを設定してもよい。
またセンサ部14は、乗員の心拍数や血圧、体温などの生態情報を検出するセンサであってもよい。この場合、車両の走行中に乗員に加わる振動や加速度によって変化した生態情報が乗員の負荷状態として取得される。
なお、送信可否判定部16は、乗員が個人データを登録済みである場合またはシステムのサービスを不要と考える場合に有効であるが、携帯端末1に必須の構成ではない。
出力部17は、乗員へ情報を出力する構成要素であり、携帯端末1の表示部や、音声を出力するスピーカおよびその制御を行う音声制御部などが挙げられる。
また車側通信部20は、例えば、携帯端末1と狭域無線通信あるいは有線による通信を行う。例えば、WiFi、Bluetoothあるいはインターネットなどの通信ネットワークを介して通信を行うハードウェアとソフトウェアから構成される。
また、状況判定部23は、乗員が酔いやすい状況であると判定した場合に、その時点の乗員の負荷状態と車両の走行場所の特徴を、この乗員の履歴情報として個人データ記憶部22に保存してもよい。この場合、状況判定部23は、リアルタイムデータを履歴情報と照合して両者が合致した時点で直ちに乗員が酔いやすい状況であると判定する。このようにすることで、状況の判定における演算処理を軽減することが可能となる。
車両の動揺、加速、減速およびカーブの際に乗員の体に加わる加速度は、乗員に加わる負荷となる。しかしながら、これらは車両運転の結果として生じるものであるため、車両の運行上、これらの値を都合よく低減することはできない。そこで、機器制御部24は、状況判定部23によって乗員が酔いやすい状況になったと判定された場合に、車載機器に酔い予防動作をさせる。これにより現在の負荷状態による乗員の精神的なストレスが緩和されて車酔いを予防することができる。
このようにすることで、表示画面から乗員の目に入る刺激を緩和することができ、負荷状態の乗員の気分を落ち着かせることが可能となる。
また、個人データ記憶部22は、例えば実施の形態1に係る車載機器制御装置2として機能するコンピュータに搭載されたフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)装置、USBメモリなどに構築される。
図2は、実施の形態1に係る携帯端末の動作を示すフローチャートであり、乗員の個人データとリアルタイムデータを携帯端末1から車載機器制御装置2へ送信するまでの動作を示している。まず、個人データ取得部11は、個人データの入力用画面を出力部17に表示して個人データの入力待ち状態に移行する。このとき、入力部10は、対象者の車酔いしやすさのレベルの入力を受け付ける(ステップST1)。
なお、対象者は携帯端末1を携帯する乗員であり、この乗員が入力用画面に応じて“酔いやすい”、“普通”、“酔いにくい”のいずれかのレベルを入力(申告)する。
入力用画面に応じてデータが入力されると、送信可否判定部16は、端末側通信部12が個人データを送信する前に、出力部17に問い合わせ画面を表示して、乗員に個人データの送信可否を問い合わせる(ステップST3)。この後、送信可否判定部16は、上記問い合わせ画面を基に乗員から入力された送信可否の指示に応じて個人データが送信可であるか否かを判定する(ステップST4)。
一方、個人データの送信可の指示があった場合(ステップST4;YES)、送信可否判定部16は、個人データが送信可であると判定し、その判定結果を端末側通信部12に通知する。これにより、端末側通信部12は個人データを車載機器制御装置2へ送信する(ステップST5)。
リアルタイムデータ取得部13は、センサ部14が計測した乗員の負荷状態およびナビゲーション部15が判別した車両100の移動場所の特徴を取得して端末側通信部12にリアルタイムデータとして出力する。端末側通信部12はリアルタイムデータ取得部13から入力したリアルタイムデータを車載機器制御装置2に送信する(ステップST6)。
まず、データ判別部21は、車載機器制御装置2が起動している間、車側通信部20が携帯端末1からデータを受信したか否かを確認する(ステップST1a)。携帯端末1からデータを受信しない場合(ステップST1a;NO)、ステップST1aに戻り、上記確認を繰り返す。
一方、携帯端末1から受信したデータがリアルタイムデータである場合、データ判別部21は、これを状況判定部23に出力する。
現在の状況が酔いやすい状況であれば(ステップST4a;YES)、状況判定部23は、どの座席に座る乗員が酔いやすい状況であるのかを示す情報を機器制御部24に通知する。機器制御部24は、上記通知で指定された乗員の精神的なストレスを緩和することを目的として、車載機器に酔い予防動作をさせる(ステップST5a)。
この他、乗員が酔いやすい状況になったと判定された場合、機器制御部24が、ヘッドアップディスプレイや車両前方のディスプレイの表示を制御することにより、空気の入れ換えなどを促す通知を行ってもよい。また、状況判定部23が、車側通信部20を介して酔いやすい状況となっている乗員の携帯端末1に対して、酔いやすい状況となっている旨と休憩を促す通知を行ってもよい。
このように構成することで、酔いやすさのレベル、車両内の座席位置、乗員の負荷状態および車両の移動場所の特徴といった様々なパラメータに応じた状況における酔いやすさのレベルによって乗員が酔いそうな状況を予め特定することから、酔い予防を行うことができる。
このようにすることで、表示画面から乗員の目に入る刺激を緩和することができ、負荷状態の乗員の気分を落ち着かせることが可能となる。
図6は、この発明の実施の形態2に係る移動体機器制御システムの構成を示すブロック図であり、車両に搭載された車載機器制御システムを示している。図6のシステムは、車載機器を制御するシステムであり、携帯端末1Aおよび車載機器制御装置2Aを備える。
実施の形態2では、携帯端末1Aが、図1の構成に加えて、個人データ記憶部18および状況判定部19を備える。個人データ記憶部18および状況判定部19は、図1における個人データ記憶部22および状況判定部23と同様に機能する。
なお、携帯端末と車載機器制御装置の双方と通信可能なサーバを設けて、このサーバが個人データ記憶部および状況判定部を備えてもよい。この場合、サーバが、携帯端末から受信した個人データを記憶し、携帯端末から受信したリアルタイムデータから酔いやすい状況であるかどうかを判定し、判定結果を車載機器制御装置へ送信する。車載機器制御装置は、このサーバで乗員が酔いやすい状況になったと判定された場合に、車載機器に酔い予防動作をさせる。
Claims (9)
- 移動体に搭載された移動体機器の動作を制御する移動体機器制御装置であって、
前記移動体に持ち込まれた携帯端末と通信を行う移動体側通信部と、
前記移動体側通信部により受信された前記携帯端末を携帯する乗員が申告した酔いやすさのレベルおよび前記乗員の移動体内の座席位置を含む個人データを記憶する個人データ記憶部と、
酔いやすさのレベル、移動体内の座席位置、乗員の負荷状態および移動体の移動場所の特徴を示す各情報と、この情報の組み合わせに対応した各状況における酔いやすさのレベルが設定された判定用のテーブルデータを参照して、前記移動体側通信部により逐次受信される前記乗員の負荷状態と前記移動体の移動場所の特徴および前記個人データ記憶部から読み出した前記乗員の個人データに対応する状況の酔いやすさのレベルを特定し、特定した酔いやすさのレベルから前記乗員が酔いやすい状況であるか否かを判定する状況判定部と、
前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、酔い予防動作を行うように前記移動体機器を制御する機器制御部とを備える移動体機器制御装置。 - 前記乗員の負荷状態は、前記乗員に加わる振動および加速度のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の移動体機器制御装置。
- 前記移動体の移動場所の特徴は、前記移動体が移動している道路のカーブ数であることを特徴とする請求項1記載の移動体機器制御装置。
- 前記機器制御部は、前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、前記移動体に搭載されたオーディオ機器を、予め定めた高音域および低音域の音量を低下させて音声を出力するように制御することを特徴とする請求項1記載の移動体機器制御装置。
- 前記機器制御部は、前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、前記移動体に搭載された表示装置を、表示画面の輝度または彩度を低下させるように制御することを特徴とする請求項1記載の移動体機器制御装置。
- 前記機器制御部は、前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、前記移動体に搭載された表示装置または点灯装置を、表示画面または表示灯における光の点滅の周期を低下させるように制御することを特徴とする請求項1記載の移動体機器制御装置。
- 移動体の乗員に携帯された携帯端末であって、
前記携帯端末を携帯する乗員が申告した酔いやすさのレベルおよび前記乗員の移動体内の座席位置を含む個人データの入力を受け付ける個人データ取得部と、
前記乗員の負荷状態を計測する負荷状態計測部と、
前記移動体が移動する移動場所の特徴情報を取得する移動場所特徴取得部と、
酔いやすさのレベル、移動体内の座席位置、乗員の負荷状態および移動体の移動場所の特徴を示す各情報と、この情報の組み合わせに対応した各状況における酔いやすさのレベルが設定された判定用のテーブルデータを参照して、逐次取得される前記乗員の負荷状態と前記移動体の移動場所の特徴および前記個人データ取得部で受け付けた前記乗員の個人データに対応する状況の酔いやすさのレベルを特定し、特定した酔いやすさのレベルから前記乗員が酔いやすい状況であるか否かを判定する状況判定部と、
前記移動体に搭載され、前記乗員が酔いやすい状況である場合に酔い予防動作を行うように移動体機器を制御する移動体機器制御装置と通信を行って、前記状況判定部の判定結果を送信する端末側通信部とを備える携帯端末。 - 移動体の乗員が携帯する携帯端末と、前記移動体に搭載された移動体機器の動作を制御する移動体機器制御装置とを備える移動体機器制御システムであって、
前記携帯端末を携帯する乗員が申告した酔いやすさのレベルおよび前記乗員の移動体内の座席位置を含む個人データの入力を受け付ける個人データ取得部と、
前記乗員の負荷状態を計測する負荷状態計測部と、
酔いやすさのレベル、移動体内の座席位置、乗員の負荷状態および移動体の移動場所の特徴を示す各情報と、この情報の組み合わせに対応した各状況における酔いやすさのレベルが設定された判定用のテーブルデータを参照して、前記移動体側の通信部により逐次受信される前記乗員の負荷状態と前記移動体の移動場所の特徴および前記個人データ取得部で受け付けた前記乗員の個人データに対応する状況の酔いやすさのレベルを特定し、特定した酔いやすさのレベルから前記乗員が酔いやすい状況であるか否かを判定する状況判定部と、
前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、酔い予防動作を行うように前記移動体機器を制御する機器制御部とを備える移動体機器制御システム。 - 移動体に搭載された移動体機器の動作を制御する移動体機器制御方法であって、
移動体側通信部が、携帯端末と通信して、前記携帯端末を携帯する乗員が申告した酔いやすさのレベルおよび前記乗員の移動体内の座席位置を含む個人データを受信するステップと、
個人データ記憶部が、前記移動体側通信部により受信された前記個人データを記憶するステップと、
状況判定部が、酔いやすさのレベル、移動体内の座席位置、乗員の負荷状態および移動体の移動場所の特徴を示す各情報と、この情報の組み合わせに対応した各状況における酔いやすさのレベルが設定された判定用のテーブルデータを参照して、前記移動体側通信部により逐次受信される前記乗員の負荷状態と前記移動体の移動場所の特徴および前記個人データ記憶部から読み出した前記乗員の個人データに対応する状況の酔いやすさのレベルを特定し、特定した酔いやすさのレベルから前記乗員が酔いやすい状況であるか否かを判定するステップと、
機器制御部が、前記乗員が酔いやすい状況であると判定された場合に、酔い予防動作を行うように前記移動体機器を制御するステップとを備える移動体機器制御方法。
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