JP6472081B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6472081B2
JP6472081B2 JP2015111861A JP2015111861A JP6472081B2 JP 6472081 B2 JP6472081 B2 JP 6472081B2 JP 2015111861 A JP2015111861 A JP 2015111861A JP 2015111861 A JP2015111861 A JP 2015111861A JP 6472081 B2 JP6472081 B2 JP 6472081B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
rim
bead
arc
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015111861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016222163A (ja
Inventor
弘明 梶田
弘明 梶田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015111861A priority Critical patent/JP6472081B2/ja
Publication of JP2016222163A publication Critical patent/JP2016222163A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6472081B2 publication Critical patent/JP6472081B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤは、リムに装着される。この装着では、タイヤのビードの部分が、リムに嵌め合わされる。リムにおいて、ビードの部分が嵌め合わされる部分はビードシートと称される。このビードシートにおける外径に基づいて、リムのリム径が表される。
タイヤの形状は通常、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。一方のサイドウォールからビードに至るまでの部分(以下、第一サイド部)の長さは、他方のサイドウォールからビードに至るまでの部分(以下、第二サイド部)の長さと同等である。このタイヤが装着されるリムにおいては、左右のリム径は同じである。
高速道路網の発達、そして、車輌の高性能化が進んでいる。車輌は、高速で長時間走行する傾向にある。タイヤは、車輌の性能を路面に伝達する役割を担っている。このタイヤでは、操縦安定性、乗り心地及び高速耐久性の向上に重点を置いた開発が進められている。このタイヤとしては、大きな断面幅と小さな断面高さとを有するタイヤ、すなわち、低い偏平率を有するタイヤが主流である。
タイヤによる燃費への影響を抑え、環境に配慮しようとする動きがある。この動きにおいては、材料又は構造面から、例えば、小さな転がり抵抗を有するタイヤの開発が進められている。
ラベリング制度が導入されたこともあり、タイヤの選定に際し、転がり抵抗を重視するユーザーは多い。タイヤが小さな転がり抵抗を有することが当たり前のように考えられる時代が、到来している。
大きな断面幅を有するタイヤでは、小さな断面幅を有するタイヤと比較して、空気抵抗は大きい。大きな断面幅を有するタイヤは、転がり抵抗の低減に不利である。転がり抵抗のさらなる低減のためには、小さな断面幅を有するタイヤが有利である。
小さな断面幅を有するタイヤでは、大きな断面幅を有するタイヤと比較して、路面との接地幅が小さい。このため、このタイヤでは、操縦安定性が低下する恐れがある。
グリップ力の向上に寄与するゴム組成物をトレッドに適用すれば、操縦安定性の低下を抑えることができる。しかしこのゴム組成物は、転がり抵抗を増加させる恐れがある。この場合、小さな断面幅を採用したことにより得られるメリットが薄れてしまう。
補強部材を追加してタイヤの剛性を上げれば、操縦安定性の低下を抑えることができる。しかし補強部材の追加は、転がり抵抗を増加させる恐れがある。この場合においても、小さな断面幅を採用したことにより得られるメリットが薄れてしまう。このように、転がり抵抗のさらなる低減を図るのは難しい状況にある。
図4には、従来タイヤ2の一例が示されている。図4において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
このタイヤ2は、リム4に組み込まれている。左右のビードの部分6はそれぞれ、リム4のビードシート8に嵌め合わされている。第一サイド部10aのビードの部分6a(第一ビード部6a)は、第一ビードシート8a(第一シート8a)に嵌め合わされている。第二サイド部10bのビードの部分6b(第二ビード部6b)は、第二ビードシート8b(第二シート8b)に嵌め合わされている。
図4から明らかなように、このタイヤ2では、第一サイド部10aは第二サイド部10bよりも長い。このため、このタイヤ2が装着されるリム4においては、第一シート8aにおけるリム径は第二シート8bにおけるリム径よりも小さい。このタイヤ2は、異径ビードタイプである。この異径ビードタイプのタイヤに関する検討例が、例えば、特開平06−092104号公報及び特開平05−139109号公報に開示されている。
タイヤの性能のうち、操縦安定性と乗り心地とは互いに相反する性能として理解されている。操縦安定性を改善すると乗り心地が悪化する。乗り心地を改善すれば操縦安定性が悪化する。操縦安定性と乗り心地とを両立させるのは難しい。操縦安定性及び乗り心地の両立の観点から、異径ビードタイプのタイヤの採用を検討することがある。
特開平06−092104号公報 特開平05−139109号公報
前述したように、転がり抵抗のさらなる低減を図るのは難しい状況にある。転がり抵抗のさらなる低減のために、異径ビードタイプのタイヤも含めた検討が求められている。
図5には、図4のタイヤ2の接地面12の様子が示されている。この図5において、上下方向はタイヤ2の周方向に相当する。左右方向は、このタイヤ2の軸方向に相当する。紙面に対して垂直な方向は、このタイヤ2の半径方向に相当する。この紙面において、左側はタイヤ2の小径側であり、右側はこのタイヤ2の大径側である。
図5に示されているように、異径ビードタイプのタイヤ2では、接地面12が左右非対称な形状を有することがある。この接地面12では、大径側において、接地面12の長さは軸方向外側に向かって長くなる様相を呈している。この接地面12の形状は、特異である。
図5に示されているように、異径ビードタイプのタイヤ2では、矢印Aで示されている箇所において、高い接地圧を観測することがある。この接地面12における接地圧分布には、局所的に接地圧が高い部分が含まれている。このタイヤ2では、接地面12の形状だけでなく、接地圧分布も特異である。このタイヤ2の接地面12は、特異である。
特異な接地面12は、摩耗を促す。異径ビードタイプのタイヤには、耐摩耗性が低下する恐れがある。
本発明の目的は、耐摩耗性の低下を抑えつつ、転がり抵抗の低減及び操縦安定性の向上が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、195mm以下の断面幅を有し、リムに装着して使用する。このタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、上記トレッドの第一端から半径方向略内向きに延びる第一サイドウォールと、半径方向において上記第一サイドウォールよりも内側に位置する第一ビードと、上記トレッドの第二端から半径方向略内向きに延びる第二サイドウォールと、半径方向において上記第二サイドウォールよりも内側に位置する第二ビードと、上記第一サイドウォール、上記トレッド及び上記第二サイドウォールの内側に沿って、上記第一ビードと上記第二ビードとの間に架け渡されたカーカスとを備えている。上記トレッド面のプロファイルは、このタイヤの軸方向中心に位置する基準面から上記トレッドの第一端に向かって延在する第一円弧と、この基準面からこのトレッドの第二端に向かって延在する第二円弧とを含んでいる。上記第一円弧と上記第二円弧とは、上記基準面において接している。上記第一円弧の曲率半径R1は、上記第二円弧の曲率半径R2よりも大きい。上記リムは、上記第一ビードの部分が嵌め合わされる第一シートと、上記第二ビードの部分が嵌め合わされる第二シートとを備えている。上記第一シートにおけるこのリムのリム径を第一リム径とし、上記第二シートにおけるこのリムのリム径を第二リム径としたとき、このタイヤにおける上記第二リム径の呼びは上記第一リム径の呼びよりも大きい。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一円弧の曲率半径R1の上記第二円弧の曲率半径R2に対する比は1.5以上2.5以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第二リム径の呼びと上記第一リム径の呼びとの差は1インチ以上3インチ以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第一リム径の呼びは17インチ以上19インチ以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、断面幅は195mm以下である。このタイヤの断面幅は小さい。小さな断面幅は、空気抵抗及び接地面の面積の低減に寄与する。このタイヤでは、転がり抵抗の低減が達成される。
このタイヤは、異径ビードタイプである。このタイヤは、その大径側が小径側に引っ張られるように膨張する。タイヤの基準面は小径側にシフトし、大径側に位置する第二サイドウォールから第二ビードに至るまでの部分は立ち上がる。これにより、大径側におけるカーカスは概ね半径方向に沿うように延在する。このカーカスのプロファイルは、タイヤの支持に効果的に寄与する。横剛性が増加するので、このタイヤでは、小さな断面幅を採用しているにもかかわらず、操縦安定性の向上が達成される。
しかもこのタイヤでは、トレッド面のプロファイルに含まれる第一円弧及び第二円弧において、小径側の第一円弧の曲率半径R1が大径側の第二円弧の曲率半径R2よりも大きい。このトレッド面のプロファイルは、特異な接地面の形成の防止に寄与する。このタイヤでは、耐摩耗性の低下が抑えられる。
本発明によれば、耐摩耗性の低下を抑えつつ、転がり抵抗の低減及び操縦安定性の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤに空気の充填前後での輪郭の変化が示された模式図である。 図3は、図1のタイヤの接地面の様子が示されたグラフである。 図4は、従来の空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図5は、図4のタイヤの接地面の様子が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ14がリム16と共に示されている。図1において、上下方向がタイヤ14の半径方向であり、左右方向がタイヤ14の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ14の周方向である。図1において、一点鎖線CLは半径方向に延びる。この一点鎖線CLは、このタイヤ14の軸方向中心に位置している。この一点鎖線CLは、この図1に示されたタイヤ14の軸方向中心を表す基準面である。本発明において、この基準面CLは、後述するモールドのキャビティ面に基づいて決められる。図1から明らかなように、このタイヤ14の形状は基準面CLに対して非対称である。この基準面CLは、このタイヤ14の軸方向中心を表している。
タイヤ14において、その半径方向高さが最大となる位置を通る面は赤道面とも称される。赤道面は、基準面CLと平行である。この図1において、基準面CLは、タイヤ14の半径方向高さが最大となる位置を通る。この図1に示された断面においては、この基準面CLはタイヤ14の赤道面でもある。
このタイヤ14は、トレッド18、一対のサイドウォール20、一対のクリンチ22、一対のビード24、カーカス26、ベルト28、バンド30、インナーライナー32及び一対のチェーファー34を備えている。このタイヤ14は、チューブレスタイプである。このタイヤ14は、乗用車用である。
トレッド18は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド18の外面は、路面と接地するトレッド面36を形成する。トレッド18には、溝38が刻まれている。この溝38により、トレッドパターンが形成されている。トレッド18は、ベース層40とキャップ層42とを有している。キャップ層42は、ベース層40の半径方向外側に位置している。キャップ層42は、ベース層40に積層されている。ベース層40は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層40の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層42は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。図1において符号PT1は、このトレッド18の一方の軸方向外端(第一端)を表している。符号PT2は、このトレッド18の他方の軸方向外端(第二端)を表している。
一対のサイドウォール20のうち一方のサイドウォール20a(第一サイドウォール20a)は、トレッド18の第一端PT1から半径方向略内向きに延びている。他方のサイドウォール20b(第二サイドウォール20b)は、トレッド18の第二端PT2から半径方向略内向きに延びている。
それぞれのサイドウォール20の半径方向外側部分は、トレッド18と接合されている。このサイドウォール20の半径方向内側部分は、クリンチ22と接合されている。このサイドウォール20は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール20は、カーカス26の損傷を防止する。
一対のクリンチ22のうち一方のクリンチ22a(第一クリンチ22a)は、第一サイドウォール20aの半径方向略内側に位置している。他方のクリンチ22b(第二クリンチ22b)は、第二サイドウォール20bの半径方向略内側に位置している。
それぞれのクリンチ22は、軸方向において、ビード24及びカーカス26よりも外側に位置している。このクリンチ22は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ22は、リム16のフランジ44と当接する。
一対のビード24のうち一方のビード24a(第一ビード24a)は、第一クリンチ22aの軸方向内側に位置している。第一ビード24aは、半径方向において、第一サイドウォール20aよりも内側に位置している。他方のビード24b(第二ビード24b)は、第二クリンチ22bの軸方向内側に位置している。第二ビード24bは、半径方向において、第二サイドウォール20bよりも内側に位置している。
それぞれのビード24は、内側パート46と外側パート48とを備えている。外側パート48は、軸方向において、内側パート46よりも外側に位置している。
それぞれの内側パート46は、内側コア50と内側エイペックス52とを備えている。詳細には、内側パート46は内側コア50及び内側エイペックス52から構成されている。
内側コア50は、リング状である。図示されていないが、内側コア50は巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。内側エイペックス52は、架橋ゴムからなる。内側エイペックス52は、内側コア50を覆い、かつ、この内側コア50から半径方向略外向きに延在している。内側エイペックス52の半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。
それぞれの外側パート48は、外側コア54と外側エイペックス56とを備えている。詳細には、外側パート48は外側コア54及び外側エイペックス56から構成されている。
外側コア54は、リング状である。図示されていないが、外側コア54は巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。外側エイペックス56は、架橋ゴムからなる。外側エイペックス56は、外側コア54を覆い、かつ、この外側コア54から半径方向略外向きに延在している。外側エイペックス56の半径方向外側部分は、先細りな形状を呈している。
このタイヤ14では、それぞれのビード24の半径方向内側部分では、内側エイペックス52は外側エイペックス56と接合している。この部分において、内側エイペックス52と外側エイペックス56とは一体的に形成されている。
カーカス26は、カーカスプライ58を備えている。このタイヤ14のカーカス26は、一枚のカーカスプライ58からなる。このカーカス26が2枚以上のカーカスプライ58から形成されてもよい。
カーカスプライ58は、第一ビード24aと第二ビード24bとの間に架け渡されている。カーカスプライ58は、第一サイドウォール20a、トレッド18及び第二サイドウォール20bの内側に沿って延在している。図示されていないが、カーカスプライ58は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが基準面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス26はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。高い剛性を有するカーカス26が得られるとの観点から、このコードとしては、アラミド繊維がより好ましい。このカーカス26は、軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与する。
このタイヤ14では、ビード24の内側パート46は軸方向においてカーカスプライ58の内側に位置している。外側パート48は、軸方向において、このカーカスプライ58の外側に位置している。詳細には、カーカスプライ58の端部は内側パート46と外側パート48との間に挟まれている。前述したように、ビード24の半径方向内側部分において、内側エイペックス52と外側エイペックス56とは一体的に形成されている。このタイヤ14では、カーカスプライ58は従来のタイヤのようにビード24の周りにて折り返されていない。本発明においては、端部が内側パート46と外側パート48との間に挟まれたカーカスプライ58から構成されたカーカス26の構造を「インサート構造」とも称することがある。従来のタイヤのように、カーカス26がビード24の周りにて折り返されたカーカスプライ58を有している場合には、このカーカス26の構造を「折り返し構造」と称することがある。
ベルト28は、トレッド18の半径方向内側に位置している。ベルト28は、カーカス26と積層されている。ベルト28は、カーカス26を補強する。ベルト28は、内側層60及び外側層62からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層60の幅は外側層62の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層60及び外側層62のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、基準面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層60のコードの基準面に対する傾斜方向は、外側層62のコードの基準面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。好ましい有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。ベルト28の軸方向幅は、タイヤ14の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト28が、3以上の層を備えてもよい。
バンド30は、ベルト28の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド30の幅はベルト28の幅よりも大きい。図示されていないが、このバンド30は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド30は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト28が拘束されるので、ベルト28のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。高い剛性を有するバンド30が得られるとの観点から、このコードとしては、アラミド繊維がより好ましい。このバンド30は、軽量化及び転がり抵抗の低減に寄与する。
ベルト28及びバンド30は、補強層を構成している。ベルト28のみから、補強層が構成されてもよい。バンド30のみから、補強層が構成されてもよい。
インナーライナー32は、カーカス26の内側に位置している。インナーライナー32は、カーカス26の内面に接合されている。インナーライナー32は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー32の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー32は、タイヤ14の内圧を保持する。
一対のチェーファー34のうち一方のチェーファー34a(第一チェーファー34a)は、第一ビード24aの近傍に位置している。他方のチェーファー34b(第二チェーファー34b)は、第二ビード24bの近傍に位置している。タイヤ14がリム16に組み込まれると、それぞれのチェーファー34はリム16と当接する。この当接により、それぞれのビード24の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー34は、クリンチ22と一体である。従って、チェーファー34の材質はクリンチ22の材質と同じである。チェーファー34が、布とこの布に含浸したゴムとからなってもよい。
このタイヤ14は、リム16に装着し内部に空気を充填して使用する。このリム16としては、例えば、二つ割りリムが用いられる。このリム16は、一対のハーフリム64を備えている。一対のハーフリム64のうち一方のハーフリム64a(第一ハーフリム64a)は、ビードシート66a(第一シート66a)を備えている。他方のハーフリム64b(第二ハーフリム64b)は、別のビードシート66b(第二シート66b)を備えている。このリム16は、第一シート66aと第二シート66bとを備えている。第一シート66aには、第一ビード24aの部分(第一ビード部68a)が嵌め合わされる。第二シート66bには、第二ビード24bの部分(以下、第二ビード部68b)が嵌め合わされる。
図1から明らかなように、このタイヤ14では、第一サイドウォール20aから第一ビード24aに至るまでの部分(第一サイド部70a)は、第二サイドウォール20bから第二ビード24bに至るまでの部分(第二サイド部70b)の長さよりも大きな長さを有している。このため、第一シート66aにおけるリム16のリム径を第一リム径とし、第二シート66bにおけるこのリム16のリム径を第二リム径としたとき、第二リム径は第一リム径よりも大きい。このタイヤ14では、第一サイド部70aが位置する側が小径側であり、第二サイド部70bが位置する側が大径側である。したがってこのタイヤ14では、大径側のリム径の呼び(すなわち、第二リム径の呼びD2)は小径側のリム径の呼び(すなわち、第一リム径の呼びD1)よりも大きい。本発明において「リム径の呼び」は、JATMA規格における「タイヤの呼び」に含まれる「リム径の呼び」と同義である。
本発明において、タイヤ14が装着されるリム16の形状は、左右のリム径が同じ通常のリム(以下、正規リム)の形状と比べて特異である。このリム16は特殊である。本発明のタイヤ14のために、例えば、リム径の異なる、二つ割りタイプの正規リムを2つ準備し、一方の正規リムのハーフリムと、他方の正規リムのハーフリムとを組み合わせることで、リム16を構成することができる。このようにして構成されたリム16は、2つの正規リムを組み合わせて構成しているので、本発明においては、正規リムに準じるリム(以下、準正規リム)として、準正規リムとも称される。さらに本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
以上説明されたタイヤ14は、次のようにして製造される。この製造方法では、中子が準備される。図示されていないが、この中子はトロイダル状の外面を備えている。
このタイヤ14の製造方法では、中子の外面においてインナーライナー32をはじめとする多数の要素が組み合わされて、ローカバー(未加硫タイヤ14)が得られる。この製造方法では、ローカバーは中子の外面において組み立てられる。
この製造方法では、ローカバーは中子とともにモールド(図示されず)に投入される。投入後、モールドは閉じられる。ローカバーの内面は、中子に当接している。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーは、モールドのキャビティ面と中子の外面とに挟まれて加圧される。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ14が得られる。このように、中子を用いたタイヤの製法は、中子工法とも称される。
前述したように、このタイヤ14の形状は基準面CLに対して非対称である。このタイヤ14の形状は、例えば、断面幅の呼びが同じで、偏平比の呼び及びリム径の呼びが異なる2つのタイヤを、それぞれの基準面において組み合わせることにより、構成することができる。具体的には、例えば、155/70R19の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの形状でその小径側の形状を構成し、155/45R22の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの形状でその大径側の形状を構成することにより、図1に示されたタイヤ14の形状を得ることができる。この場合、モールドのキャビティ面には、155/70R19の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの外面と155/45R22の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの外面とが反映される。中子の外面には、155/70R19の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの内面と155/45R22の「タイヤの呼び」で表されるタイヤの内面とが反映される。
図1において、実線BL1は第一ベースラインである。第一ベースラインは、このタイヤ14が装着されるリム16の第一リム径を規定する線に相当する。この第一ベースラインは、軸方向に延びる。実線BL2は、第二ベースラインである。第二ベースラインは、このリム16の第二リム径を規定する線に相当する。この第二ベースラインは、軸方向に延びる。
この図1において、両矢印H1は、第一ベースラインからこのタイヤ14の半径方向高さが最大となる位置までの半径方向高さを表している。この高さH1は、第一ベースラインを基準として得られるこのタイヤ14の断面高さである。両矢印H2は、第二ベースラインからこのタイヤ14の半径方向高さが最大となる位置までの半径方向高さを表している。この高さH2は、第二ベースラインを基準として得られるこのタイヤ14の断面高さである。両矢印Wは、軸方向におけるこのタイヤ14の最大幅を表している。この幅Wは、このタイヤ14の断面幅である。
本発明では、断面高さH1、断面高さH2及び断面幅Wは、タイヤ14に空気を充填した状態で測定される。測定時には、このタイヤ14には荷重がかけられない。測定時におけるタイヤ14の内圧は、用途及び大きさを考慮して、タイヤ14が依拠する規格において定められた正規内圧を参照して決められる。図1に示されたタイヤ14は乗用車用であるので、タイヤ14の内圧が180kPaとなるように空気が充填された状態で、断面高さH1、断面高さH2及び断面幅Wは測定される。なお本明細書において正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」を意味する。
このタイヤ14では、断面幅Wは195mm以下である。言い換えれば、このタイヤ14は195mm以下の断面幅Wを有する。このタイヤ14の断面幅Wは小さい。小さな断面幅Wは、空気抵抗の低減に寄与する。タイヤ14は、路面を踏みしめる。これにより、タイヤ14には接地面が形成される。小さな断面幅Wは、この接地面の面積の低減にも寄与する。このタイヤ14では、転がり抵抗の低減が達成される。この観点から、この断面幅Wは190mm以下が好ましい。
このタイヤ14では、断面幅Wは145mm以上が好ましい。これにより、適切な面積を有する接地面が得られる。このタイヤ14では、操縦安定性、耐摩耗性及び高速耐久性が適切に維持される。この観点から、この断面幅Wは150mm以上がより好ましい。
図2には、図1のタイヤ14の内部に空気を充填した場合における、タイヤ14の輪郭72の変化が示されている。この図2において、点線が空気充填前における輪郭72であり、実線が空気充填後における輪郭72である。この空気充填後の輪郭72は、このタイヤ14を準正規リムに組み込み、内圧を180kPaに調整したタイヤ14において確認されている。
タイヤ14の内部に空気を充填すると、タイヤ14は膨張する。前述したように、このタイヤ14のカーカス26は多数のコードを含んでいる。膨張により、それぞれのコードには張力が作用する。膨張状態にあるタイヤ14では、これらのコードに作用する張力は一様である。
このタイヤ14では、小径側に位置する第一サイド部70aは大径側に位置する第二サイド部70bよりも大きな長さを有している。言い換えれば、このタイヤ14は異径ビードタイプである。このため、このタイヤ14は、図2に示されているように、その大径側が小径側に引っ張られるように膨張する。タイヤ14の基準面CLは小径側にシフトし、第二サイド部70bは立ち上がる。これにより、膨張状態のタイヤ14では、その第二サイド部70bにおけるカーカス26は概ね半径方向に沿うように延在する。このカーカス26のプロファイル(カーカスラインとも称される。)は、タイヤ14の支持に効果的に寄与する。横剛性が増加するので、このタイヤ14では、小さな断面幅を採用しているにもかかわらず、操縦安定性の向上が達成される。
本発明では、半径方向に沿ったタイヤ14の断面に表される、このタイヤ14の外面の輪郭72はプロファイルと称される。本発明では、特に言及がない限り、プロファイルに関する記載は、モールドのキャビティ面を前提としている。図1に示されたタイヤ14のように、トレッド面36に溝38が設けられている場合には、この溝38がないとして得られる仮想トレッド面が、本発明のプロファイルの対象である。図示されていないが、このトレッド面36に突起が設けられている場合には、この突起がないとして得られる仮想トレッド面が、本発明のプロファイルの対象である。
このタイヤ14では、トレッド面36のプロファイルは複数の円弧を含んでいる。これらの円弧は、軸方向に並列されている。言い換えれば、このトレッド面36のプロファイルは軸方向に並列された複数の円弧で構成されている。
このタイヤ14では、トレッド面36のプロファイルは第一円弧と第二円弧とを含んでいる。図1において、矢印R1は第一円弧の曲率半径を表している。矢印R2は、第二円弧の曲率半径を有している。前述したように、本発明では、特に言及がない限り、プロファイルに関する記載は、モールドのキャビティ面を前提としている。したがって、この曲率半径R1及びR2は、モールドのキャビティ面において計測される。
このタイヤでは、第一円弧は基準面CLからトレッド18の第一端PT1に向かって延在している。第二円弧は、基準面CLからトレッド18の第二端PT2に向かって延在している。
図1において、符号PEはトレッド面36上の特定の位置を表している。このタイヤ14では、この位置PEはトレッド面36と基準面CLとの交点である。このタイヤ14では、この第一円弧と第二円弧とは基準面CLにおいて接している。このタイヤ14では、図1に示された断面において、位置PEはトレッド面36と赤道面との交点でもある。したがってこのタイヤ14では、この第一円弧と第二円弧とは赤道面において接している。このタイヤ14では、第一円弧と第二円弧との境界は特異ではない。このタイヤ14のトレッド面36のプロファイルは滑らかである。このプロファイルは、特異な接地面の形成防止に寄与する。
このタイヤ14では、第一円弧の曲率半径R1は第二円弧の曲率半径R2よりも大きい。言い換えれば、第一円弧は大きな曲率半径R1を有し、第二円弧は小さな曲率半径R2を有している。大きな曲率半径R1は、トレッド面36の路面への接触を促す。小さな曲率半径R2は、トレッド面36の路面への接触を適度に抑える。前述したように、大径側が小径側に引っ張られるようにこのタイヤ14は膨張し、このタイヤ14の基準面CLは小径側にシフトし、第二サイド部70bは立ち上がる。このタイヤ14では、第一円弧は小径側に位置し第二円弧は大径側に位置している。このため、このタイヤ14では、充分な接地面が確保されるとともに、第二サイド部70bによる局所的な接地圧の上昇が抑えられる。
図3には、図1のタイヤ14の接地面74の様子が示されている。この接地面74は、タイヤ14を準正規リムに組み込み、内圧を230kPaに調整し、3.0kNの縦荷重を付与した状態において確認されている。この図3において、上下方向はタイヤ14の周方向に相当する。左右方向は、このタイヤ14の軸方向に相当する。紙面に対して垂直な方向は、このタイヤ14の半径方向に相当する。この接地面74の長さは上下方向の長さで表され、接地面74の幅は左右方向の長さで表される。この図3においては、接地面74各部の接地圧が色の濃淡で表されている。色の濃い部分は高い接地圧を表し、色の薄い部分は低い接地圧を表している。なおこの紙面において、左側はタイヤ14の小径側であり、右側はこのタイヤ14の大径側である。
図3に示されているように、この接地面74の形状は概ね左右対称である。この接地面74の形状は、図5に示された従来タイヤ2の接地面12の形状とは相違する。この接地面74の形状は、特異でない。さらにこのタイヤ14の接地面74には、この従来タイヤ2の接地面12において確認されたような、局所的に高い接地圧を有する箇所Aも確認されていない。このタイヤ14の接地面74では、接地圧分布の平準化が促されている。このタイヤ14では、接地面74の形状だけでなく、接地圧分布も特異でない。ここに、第一円弧の曲率半径R1を第二円弧の曲率半径R2よりも大きくしたことによる効果が確認される。
このタイヤ14では、トレッド面36のプロファイルは特異な接地面74の形成の防止に寄与する。このタイヤ14では、図5に示された接地圧分布を有する従来タイヤ2で認められるような、摩耗が抑えられる。言い換えれば、このタイヤ14では、耐摩耗性の低下が抑えられる。前述したように、このタイヤ14では、転がり抵抗の低減及び操縦安定性の向上が達成される。本発明によれば、耐摩耗性の低下を抑えつつ、転がり抵抗の低減及び操縦安定性の向上が達成された空気入りタイヤ14が得られる。
特異な接地面74の形成が防止され、耐摩耗性の低下が効果的に抑えられるとの観点から、このタイヤ14では、第一円弧の曲率半径R1の第二円弧の曲率半径R2に対する比は1.5以上が好ましく、2.5以下が好ましい。この比は、1.7以上がより好ましく、2.3以下がより好ましい。これにより、接地圧分布の平準化がいっそう進み、良好な耐摩耗性を維持した状態で、転がり抵抗のさらなる低減を図ることができる。
このタイヤ14では、耐摩耗性の低下を抑えつつ、転がり抵抗の低減及び操縦安定性の向上を図れるとの観点から、第一円弧の曲率半径R1は400mm以上が好ましく、1200mm以下が好ましい。第二円弧の曲率半径R2は、300mm以上が好ましく、500mm以上が好ましい。
前述したようにこのタイヤ14は、異径ビードタイプである。これにより、膨張状態におけるカーカスラインをコントロールし、操縦安定性の向上が図られている。この観点から、第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)は1インチ以上が好ましい。このカーカスラインが維持され、直進安定性及び耐摩耗性の低下が防止されるとの観点から、この差(D2−D1)は3インチ以下が好ましい。
このタイヤ14では、第一サイド部70aは第二サイド部70bよりも長い。長い第一サイド部70aは、撓みに寄与する。縦剛性の増加が抑えられるので、このタイヤ14では、良好な乗り心地が得られる。長い第一サイド部70aの形成の観点から、第一リム径の呼びD1は19インチ以下が好ましい。長い第一サイド部70aによる操縦安定性への影響が抑えられるとの観点から、この第一リム径の呼びD1は17インチ以上が好ましい。
このタイヤ14では、第二サイド部70bは第一サイド部70aよりも短い。短い第二サイド部70bは縦剛性を効果的に増加させるので、このタイヤ14では、良好な操縦安定性が得られる。この観点から、第二リム径の呼びD2は18インチ以上が好ましい。短い第二サイド部70bによる耐摩耗性への影響が抑えられるとの観点から、この第二リム径の呼びD2は22インチ以下が好ましい。
本発明においては、小径側の偏平比(以下、第一偏平比F1)は断面高さH1の断面幅Wに対する比で表される。大径側の偏平比(以下、第二偏平比F2)は、断面高さH2の断面幅Wに対する比で表される。
このタイヤ14では、第一偏平比F1は0.50以上0.90以下が好ましい。この第一偏平比F1が0.50以上に設定されることにより、適切な面積を有する接地面74が得られる。このタイヤ14では、良好な転がり抵抗が維持される。この観点から、この第一偏平比F1は0.55以上がより好ましい。この第一偏平比F1が0.90以下に設定されることにより、第一サイド部70aによる横剛性への影響が抑えられる。このタイヤ14では、良好な操縦安定性が維持される。さらにこの第一偏平比F1は、0.80以下が好ましい。これにより、転がり抵抗が適切に維持される。この観点から、この第一偏平比F1は0.75以下が特に好ましい。
このタイヤ14では、第二偏平比F2は0.35以上0.80以下が好ましい。この第二偏平比F2が0.35以上に設定されることにより、第二サイド部70bによる耐摩耗性への影響が抑えられる。この観点から、この第二偏平比F2は0.40以上がより好ましい。この第二偏平比F2が0.80以下に設定されることにより、第二サイド部70bが縦剛性に効果的に寄与するので、このタイヤ14では、良好な操縦安定性が得られる。この観点から、この第二偏平比F2は0.75以下がより好ましく、0.70以下がさらに好ましい。
四輪自動車に装着されたタイヤ14では、車輌の幅方向内側部分にその外側部分よりも大きな荷重が作用する傾向にある。特に、赤道面が鉛直線に対して傾斜するように車輌に装着されている場合、詳細には、キャンバー角をネガティブキャンバーで設定した場合において、この傾向は顕著である。このタイヤ14では、第一サイド部70aが主に縦剛性に寄与し、第二サイド部70bが主に横剛性に寄与する。操縦安定性の観点から、第一サイド部70aが車輌の幅方向外側(表側又はS側とも称される。)に位置し、第二サイド部70bがこの車輌の幅方向内側(裏側又はNS側とも称される。)に位置するように、このタイヤ14は四輪自動車に装着されるのが好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたタイヤを製作した。この実施例1では、第一リム径の呼びD1は19インチである。第二リム径の呼びD2は、22インチである。トレッド面のプロファイルにおいては、第一円弧の曲率半径R1は700mmとされ、第二円弧の曲率半径R2は350mmとされた。断面幅W、第一偏平比F1及び第二偏平比F2は、下記の表1の通りである。
この実施例1には、「インサート構造」のカーカスが採用されている。このことが、表の「カーカスの構造」の欄に、「I」で示されている。このカーカスに含まれるコードには、アラミド繊維からなるコードが用いられている。ベルトに含まれるコードには、その材質がスチールとされたコードが用いられている。バンドに含まれるコードには、アラミド繊維からなるコードが用いられている。この実施例1は、中子工法で製作されている。
[比較例1−4]
比較例1−4は、従来のタイヤである。これらのタイヤの形状は、基準面に対して対称である。断面幅W、偏平比F1、第一リム径の呼びD1、曲率半径R1、偏平比F2、第二リム径の呼びD2及び曲率半径R2は、下記の表1の通りである。なお、比較例1及び2には、「折り返し構造」のカーカスが採用されている。このことが、表の「カーカスの構造」の欄に、「F」で示されている。比較例3及び4には、実施例1と同じ、「インサート構造」のカーカスが採用されている。
[比較例5−9]
曲率半径R1、第二リム径の呼びD2及び曲率半径R2を変えて、偏平比F2、曲率半径R1の曲率半径R2に対する比(R1/R2)及び第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、比較例5−9のタイヤを得た。
[実施例2−6及び比較例10]
曲率半径R1を変えて、比(R1/R2)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−6及び比較例10のタイヤを得た。
[実施例7−13]
第一リム径の呼びD1及び第二リム径の呼びD2を変えて、偏平比F1、偏平比F2及び第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)を下記の表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7−13のタイヤを得た。
[実施例14−16及び比較例11]
断面幅Wを変えて、偏平比F1及び偏平比F2を下記の表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例14−16及び比較例11のタイヤを得た。
[転がり抵抗係数(RRC)]
転がり抵抗試験機(ドラム径=1.7m、ドラム表面=smooth steel)を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数(RRC)を測定した。なお、リムには、第一リム径の呼びD1を参照して第一ハーフリム(アルミニウム合金製)を選定し、第二リム径の呼びD2を参照して第二ハーフリム(アルミニウム合金製)を選定して、この第一ハーフリム及び第二ハーフリムを組み合わせて構成した、二つ割りリム(準正規リム)を用いた。このリムでは、リム幅は5インチに設定された。
内圧:210kPa
荷重:3.8kN
速度:80km/h
温度:20℃
慣らし時間:30分
この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど好ましい、つまり転がり抵抗係数(RRC)が小さい。
[タイヤの質量]
タイヤ一本の質量を計測した。この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど好ましい、つまり質量が小さい。
[乗り心地及び操縦安定性]
タイヤをリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、市販のハイブリッドタイプの乗用車に装着した。タイヤの小径側が車両の幅方向外側(S側)に位置し、大径側が車両の幅方向内側(NS側)に位置するように、このタイヤは装着された。リムには、転がり抵抗係数の測定で用いた準正規リムが用いられた。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、乗り心地及び操縦安定性を評価させた。この乗用車には、ドライバー以外は乗車していない。この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[耐摩耗性]
タイヤをリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、市販のハイブリッドタイプの乗用車に装着した。タイヤの小径側が車両の幅方向外側(S側)に位置し、大径側が車両の幅方向内側(NS側)に位置するように、このタイヤは装着された。リムには、転がり抵抗係数の測定で用いた準正規リムが用いられた。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させた。この乗用車には、ドライバー以外は乗車していない。走行距離が120kmである時点での摩耗量を測定した。この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど好ましい、つまり摩耗量が小さい。
Figure 0006472081
Figure 0006472081
Figure 0006472081
Figure 0006472081
Figure 0006472081
表1−5に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
発明者は、実施例1−2及び5並びに比較例1−8について、空気充填後の輪郭において、第一円弧に対応する円弧の曲率半径R1p及び第二円弧に対応する円弧の曲率半径R2pを計測した。この結果が、設計の時点で設定される、第一円弧の曲率半径R1、第二円弧の曲率半径R2、半径R1の半径R2に対する比(R1/R2)及び第二リム径の呼びD2と第一リム径の呼びD1との差(D2−D1)と共に、下記の表6−8に示されている。
Figure 0006472081
Figure 0006472081
Figure 0006472081
表6−8に示されるように、異径ビードタイプであり、比(R1/R2)が1.5から2.5の範囲にある実施例1−2及び5では、充填後の輪郭から得られる、曲率半径R1pの曲率半径R2pに対する比(R1p/R2p)が0.9から1.3の範囲にあることが確認されている。このことは、本発明のタイヤでは、充填後の輪郭において、基準線に対する対称性が高まり、特異な接地面の形成が効果的に防止されることを表している。この結果からも、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々のタイプの四輪自動車にも適用されうる。
2、14・・・タイヤ
4、16・・・リム
6、6a、6b、68a、68b・・・ビードの部分又はビード部
8、8a、8b、66、66a、66b・・・ビードシート又はシート
10a、70a・・・第一サイド部
10b、70b・・・第二サイド部
12、74・・・接地面
18・・・トレッド
20、20a、20b・・・サイドウォール
22、22a、22b・・・クリンチ
24、24a、24b・・・ビード
26・・・カーカス
28・・・ベルト
30・・・バンド
36・・・トレッド面
46・・・内側パート
48・・・外側パート
58・・・カーカスプライ
64、64a、64b・・・ハーフリム
72・・・輪郭

Claims (4)

  1. 195mm以下の断面幅を有し、リムに装着して使用するタイヤであって、
    上記タイヤが、その外面がトレッド面をなすトレッドと、上記トレッドの第一端から半径方向略内向きに延びる第一サイドウォールと、半径方向において上記第一サイドウォールよりも内側に位置する第一ビードと、上記トレッドの第二端から半径方向略内向きに延びる第二サイドウォールと、半径方向において上記第二サイドウォールよりも内側に位置する第二ビードと、上記第一サイドウォール、上記トレッド及び上記第二サイドウォールの内側に沿って、上記第一ビードと上記第二ビードとの間に架け渡されたカーカスとを備えており、
    上記トレッド面のプロファイルが、このタイヤの軸方向中心に位置する基準面から上記トレッドの第一端に向かって延在する第一円弧と、この基準面からこのトレッドの第二端に向かって延在する第二円弧とを含んでおり、
    上記第一円弧と上記第二円弧とが上記基準面において接しており、
    上記第一円弧の曲率半径R1が上記第二円弧の曲率半径R2よりも大きく、
    上記リムが、上記第一ビードの部分が嵌め合わされる第一シートと、上記第二ビードの部分が嵌め合わされる第二シートとを備えており、
    上記第一シートにおけるこのリムのリム径を第一リム径とし、上記第二シートにおけるこのリムのリム径を第二リム径としたとき、
    このタイヤにおける上記第二リム径の呼びが上記第一リム径の呼びよりも大きい、空気入りタイヤ。
  2. 上記第一円弧の曲率半径R1の上記第二円弧の曲率半径R2に対する比が1.5以上2.5以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記第二リム径の呼びと上記第一リム径の呼びとの差が1インチ以上3インチ以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記第一リム径の呼びが17インチ以上19インチ以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2015111861A 2015-06-02 2015-06-02 空気入りタイヤ Active JP6472081B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015111861A JP6472081B2 (ja) 2015-06-02 2015-06-02 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015111861A JP6472081B2 (ja) 2015-06-02 2015-06-02 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016222163A JP2016222163A (ja) 2016-12-28
JP6472081B2 true JP6472081B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=57747132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015111861A Active JP6472081B2 (ja) 2015-06-02 2015-06-02 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6472081B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6903932B2 (ja) * 2017-02-15 2021-07-14 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04271902A (ja) * 1991-02-25 1992-09-28 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JPH05139109A (ja) * 1991-11-20 1993-06-08 Bridgestone Corp 異径ビードタイヤ
JP3313775B2 (ja) * 1992-09-14 2002-08-12 株式会社ブリヂストン 異径ビードタイヤ及び異径ビードタイヤの装着方法
US5301728A (en) * 1993-01-19 1994-04-12 The Goodyear Tire & Rubber Company Dual bead diameter tire
JP3631427B2 (ja) * 2000-09-28 2005-03-23 住友ゴム工業株式会社 重荷重用ラジアルタイヤとリムとの組立体
CN103415405B (zh) * 2011-03-04 2015-12-09 株式会社普利司通 充气轮胎
JP5803360B2 (ja) * 2011-07-11 2015-11-04 横浜ゴム株式会社 インホイールモータ用タイヤ・ホイール組み立て体およびそれに用いるインホイールモータ用の乗用車用空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016222163A (ja) 2016-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4184349B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP6383174B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4728304B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6720537B2 (ja) 空気入りタイヤ
US11383560B2 (en) Tire for two-wheeled automotive vehicle
JP2018069837A (ja) 空気入りタイヤ
KR102590070B1 (ko) 공기 타이어
US20170225523A1 (en) Pneumatic tire
JP6617566B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5145205B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018069836A (ja) 空気入りタイヤ
JP6485907B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6472081B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6610147B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4995560B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5005978B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP6522995B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6848623B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018058437A (ja) 空気入りタイヤ
JP6903932B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2017121848A (ja) 空気入りタイヤ
JP6707863B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6766418B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2016165925A (ja) 空気入りタイヤ
JP6489917B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181225

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6472081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250