JP6472017B2 - モータ回転子支持体およびその製造方法 - Google Patents

モータ回転子支持体およびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、モータの回転子に使用され、該回転子に配置される磁性体を支持する支持体に関するものである。
通常、モータ用磁石には高い性能を発揮するため、例えばネオジムやジスプロシウムのような希土類(レアアース)が添加された希土類磁石が使用されている。
特許文献1には、回転軸に対して平行な方向に磁極を有する複数の永久磁石を備えた回転子を有するアキシャル型モータが開示されている。
また、特許文献2には希土類磁石に代えてフェライト磁石を有する高性能アキシャルギャップモータが提案されている。
これらのアキシャル型モータあるいはアキシャルギャップモータには、磁石を配置する回転子があり、磁石は回転子に含まれる支持体によって支えられる。この支持体には、一般にオーステナイト系ステンレス鋼からなる非磁性鋼が使用される。
支持体は、高速で回転する回転子に含まれており、磁石を支えてその位置を適正に保持することが必要である。このため支持体は非磁性の性質だけでなく、適正な強度を有することが必要とされる。
ところで、オーステナイト系ステンレス鋼は、冷間で加工することによって強度が高まるが、加工誘起変態によって非磁性特性が損なわれるという問題がある。このため、通常は、熱間鍛造後の素材から機械加工を行って支持体形状を得る工程が採用されている。
さらに、モータでは、高速化や軽量化の要請があり、支持体に対し、強度や使用素材の低減、軽量化の要求が高まっている。また支持体には回転時に生じる慣性力を低減してモータ性能を向上させるという観点からも軽量化が求められている。
国際公開第2011/046108号 特開2011−010375号公報
しかし、上記したように従来の材料では、非磁性特性と高強度化とがトレードオフになっており、非磁性特性を維持したままで強度を高めて使用素材の低減などを図ることができず上記要請に応えることができない。また、従来の材料では、強度を確保するために厚肉化にすると、軽量化が実現できなくなってしまう。
また、従来の製造工程では、剛性を得るために鋼に複雑な製品形状を付与することも可能である。しかし、このような複雑形状を得るためには熱間鍛造素材から機械切削やワイヤーカットなどによる加工が必要になり、作業時間の負担が増大する。例えば、製品形状や大きさにもよるが、加工に2週間もの時間を費やすケースもある。そのため、量産化を考慮した場合、上記した作業負担は非常に大きな問題となる。これを回避しようとしても、上記のように製造工程の制約があるため、生産性を考慮した代替方法を採択することができない。
さらに、支持体には電気抵抗が高いことが望まれる。モータを動作させる際に電磁誘導により支持体に電気が流れると、発熱してモータの効率が下がるためである。しかし、鋼を用い、製造方法に制約がある状況では、電気抵抗を大幅には向上することは難しい。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、非磁性特性を損なうことなく軽量化と電気抵抗の増加を可能にするモータ回転子支持体およびその製造方法を提供することを目的の一つとし、非磁性鋼に加えて樹脂材を用いることで軽量化と支持体全体の電気抵抗の向上を図り、モータの軽量化と高性能化を同時に実現可能とするものである。
すなわち、本発明のモータ回転子支持体の第1の形態は、モータの回転子に配置される磁性体を支持する支持体であって、比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上の非磁性鋼からなる複数の支持体本体と、少なくとも二つの前記支持体本体間に介在する樹脂材とが積層されていることを特徴とする。
本発明では、非磁性鋼が支持体本体に用いられ、支持体として構成された際に、支持体本体は、比透磁率が1.005未満で、室温(例えば5℃〜35℃)における0.2%耐力が650MPa以上の特性を有している。比透磁率が1.005未満であることにより、支持体において磁気に影響を与えることなく磁性体を支持することができる。また、室温における0.2%耐力が650MPa以上であることにより、素材を薄肉化した状態で高回転させても磁性体を確実に支持することができる。なお、支持体本体の0.2%耐力は、さらに700MPa以上であるのが望ましい。
なお、樹脂材は、少なくとも二つの支持体本体間に介在しているものであれば良く、支持体には、それよりも多い支持体本体を有するものであってもよい。その場合、各支持体本体間に樹脂材が介在しているものでもよく、樹脂材を介在させない支持体本体が積層されているものを含むものであってもよい。単材の支持体本体同士を積層することにより、十分な加工率で製造した単材を使用して支持体の剛性を高めることができる。
樹脂材は、樹脂素材において通常、比透磁率が通常1.0であり、比重は、通常0.8〜1.8程度であり、鋼よりも軽量であるため、非磁性特性を損なうことなく支持体の軽量化を図ることができる。また、非磁性鋼の電気抵抗は6〜9×10−Ωcm程度であり、絶縁性の樹脂材では、電気抵抗が10Ωcmを超えるため、支持体全体の電気抵抗を増加させることができる。なお、本発明としては、樹脂の比透磁率や比重、非磁性鋼、樹脂材の電気抵抗が上記記載内容に限定されるものではない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記支持体本体に、前記磁性体が嵌め込まれて前記磁性体周縁を支持する支持部を有し、前記樹脂材は、前記磁性体が貫通して少なくとも前記磁性体外周縁とは非接触である貫通部を有していることを特徴とする。
強度の高い非磁性鋼を用いて支持体を薄肉化し過ぎると、磁石の固定が困難になったり、支持体の軸方向の剛性が低下したりすることが懸念される。磁石の保持は非磁性鋼、保持しない部分には樹脂を採用することで、磁石の固定、軸方向の剛性の確保、回転子の軽量化、電気抵抗の向上に伴うモータの更なる効率向上のすべてを実現することができる。
上記形態では、磁性体は、強度の高い支持体本体の支持部で支持される。
なお、支持部による磁性体の支持は、磁性体外周縁の全周などに亘って行われる必要はないが、支持体本体に対し磁性体が確実に保持されるような支持状態とするように、磁性体周縁の少なくとも複数箇所で支持が行われるのが望ましい。支持部としては、例えば支持穴が挙げられる。支持穴には、上記したように磁性体が嵌め込まれる穴形状を一部または全部で有していればよい。支持穴は、樹脂材を介在させる支持体本体間で対向するように配置されて、他方向側では磁性体が貫通する形状を有しないものであってもよい。すなわち、多方向側では、磁性体よりも小さい貫通孔が形成されたり閉塞されたりしているものであってもよい。なお、支持部による磁性体の支持は、支持部の形状保持などによって行ってもよく、接着などの固定手段を利用してもよい。なお、支持部は、上記のように支持穴に限定されるものではなく、適宜の方法により磁性体を保持することができる。
また樹脂材に設けられる貫通部は、磁性体が貫通し、かつ少なくとも磁性体外周縁と非接触となる形状を有することで、支持体が回転する際に磁性体の遠心応力が樹脂材に加わらず、非磁性鋼に対し比較的強度の低い樹脂材への負荷を軽減して樹脂材の変形、損傷などを防止する。磁性体外周縁と樹脂材とが非接触となるために、磁性体外周縁と樹脂材とが隙間を有するようにしてもよく、また、磁性体外周縁の外側で樹脂材が開放されているものであってもよい。また、貫通部は、磁性体の周縁全体と接触しない形状とすることが望ましい。これによりいずれの方向においても樹脂材に磁性体からの負荷が加わることがない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記非磁性鋼が、質量%で、C:0.07%以下、Si:0.1〜2.0%、Mn:10〜25%、Cr:12〜25%、N:0.25〜0.8%、Al:0.005〜0.02%、Ni:5.0%以下、Mo+1/2W:3.0%以下、V、Nb:0.1%以下、Co:3%以下およびB:0.01%以下を含有し、残部がFeと不可避的不純物とからなる組成を有することを特徴とする。
本発明は非磁性鋼の種別が特定のものに限定されるものではないが、好適には18Mn−18Cr系の材料を用いることができる。以下に、18Mn−18Cr系非磁性鋼について、好適とされる組成の各成分の作用と組成が定められる理由を説明する。なお、化学組成について、「%」は「質量%」を意味するものとする。
Si:0.1〜2.0%
Siは脱酸材として使用するため0.1%以上必要である。しかし、Siはフェライト相形成元素であるため過剰に含有するとフェライト相が析出し、また冷間加工性も悪くなるため上限を2.0%とする。
Mn:10〜25%
Mnはオーステナイト相形成元素であり、N溶解度を高くするのに10%以上が必要である。しかし、過剰に含有すると強度が低下するため上限を25%とする。同様の理由で下限を13%、上限を24%とするのが望ましく、さらに下限を16%、上限を21%とするのが一層望ましい。
Cr:12〜25%
CrはN溶解度を確保するために12%以上必要である。しかし、Crはフェライト形成元素であるため過剰に含有するとフェライト相が析出するため上限を25%とする。なお、同様の理由で下限を14%、上限を23%とするのが望ましく、さらに下限を16%、上限を21%とするのが一層望ましい。
N:0.25〜0.8%
Nは強度を確保するために0.25%以上が必要であるが、過剰に含有するとブローホール生成の原因となるため上限を0.8%とする。
Al:0.005〜0.02%
Alは脱酸材として添加することができるが、過剰に含有すると窒化物を形成し靭性を低下させるため、上限を0.02%として所望により含有するものとする。なお、脱酸材としての作用を十分に得るため0.005%以上含有するのが望ましい。
Ni:5.0%以下
Niは、オーステナイト相形成元素であり、所望により含有する。しかし5.0%を超えると強度が低下することから上限を5.0%とする。また、積極的な含有では、1.0%以上含有するのが望ましく、1.5%以上含有するのが一層望ましい。なお、不可避不純物として1.0%未満するものであってもよい。
Mo+1/2W:3.0%以下
WおよびMoは強度を向上させる成分であり、所望により含有する。ただし、過剰に入れると冷間加工性を悪化させるため、所望によりそれぞれ単独であるいは複合してMo+1/2Wで3.0%以下の範囲で含有することができる。なお、いずれかを含有する場合にはその作用を十分に得るため、Mo+1/2Wで1.0%以上とするのが望ましい。
V、Nb:各0.1%以下
VおよびNbは窒素と結合して窒化物を形成し、熱処理時の結晶粒粗大化を防止するので、所望により含有する。ただし、フェライト相形成元素であるため過剰に含有するとフェライト相が析出する。さらに、過剰に添加すると延靱性の低下を招く。そのため、それぞれ0.1%以下の範囲で含有することができる。なお、含有する場合にはその作用を十分に得るためそれぞれ0.01%以上含有するのが望ましい。
Co:3%以下
Coはオーステナイト相形成元素であり、所望により含有する。ただし、高価な成分であるため3.00%を上限に含有することができる。なお、含有する場合にはその作用を十分に得るためそれぞれ0.5%以上含有するのが望ましい。
B:0.01%以下
Bは固溶強化するとともに微細な窒化物による強化も期待でき強度、靭性を改善するので、所望により含有する。ただし、過剰に含有すると粗大な窒化物となり靭性を低下させる要因となる。そのため、0.01%以下の範囲で含有することができる。なお、含有する場合にはその作用を十分に得るためそれぞれ0.003%以上含有するのが望ましい。
C:0.07%以下
Cは、Nとともに強度向上に寄与するが、耐食性を悪化させるため、その上限を0.07質量%とする。
不可避的不純物
P、S:各0.03%以下
P、Sは延靭性や熱間加工性に影響を及ぼす。そのため、P、Sはそれぞれ0.03%以下とすることが望ましい。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記支持体本体が前記非磁性鋼の冷間加工材からなることを特徴とする。
支持体本体には、冷間加工を経た冷間加工材を用いることができ、冷間加工による加工強化で、一層の高強度化を図ることができる。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材が、樹脂と強化材とを含むことを特徴とする。
樹脂材は、ガラス繊維やナイロン、ビニロン、アラミド繊維やビニロン繊維などの有機繊維などを強化材として加えて成形したもので構成することができる。また、強化材としてカーボン繊維を用いることができるが、絶縁性の点で好ましくない。
また、樹脂素材としては特に限定されるものではなく、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。また、樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
また、樹脂材には、強化材とともに、硬化剤や硬化促進剤などの助材を含むものであってもよい。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材が、1.8MPaの曲げ応力に対し、100℃以上の荷重たわみ温度を示すことを特徴とする。
モータはエンジンやディスクブレーキなど、温度が上昇する装置の周辺に配置される可能性が高い。さらに、モータの動作においては、支持体はモータの動作熱や電磁誘導によって昇温する。その場合、使用する樹脂材は想定される使用環境に耐えうるように、100℃以上でも形状を保持している必要がある。100℃以上の強度、剛性が確保されるか否かを判断する基準としては、JIS K7191などで定められた荷重たわみ温度がある。1.8MPaの荷重を付加した際のたわみ温度が100℃以上の樹脂は好適なものとして使用可能と判断される。
荷重たわみ温度が100℃以上となる樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPSU(ポリフェニルサルホン)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、66ナイロン、PC樹脂などがある。ガラス繊維で強化されたPPSガラス繊維強化樹脂、PEEKガラス繊維強化樹脂、PBTガラス繊維強化樹脂、66ナイロンガラス繊維強化樹脂、6ナイロンガラス繊維強化樹脂などがある。以上の樹脂は一例であり、それらに限定するものではない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材が、射出成形体であることを特徴とする。
高強度の非磁性鋼は高強度ゆえに薄肉化が可能となるが、薄肉化すると支持体の軸方向に沿った方向での剛性が不足する可能性がある。その際には、樹脂材は適宜の複雑な構造とすることで、支持体全体の剛性を確保する役割を担うことができる。樹脂材の形状については軸方向の剛性を確保するためにも、支持体本体間では径方向に沿って多数の梁が配置される構造が有効と考えられる。例えば、配置される磁性体間の一部または全部に梁を有する構造とする。梁は、磁性体の内周側または/および外周側で周方向に沿って設けた樹脂材におけるリング状の部位に連続するのが望ましい。ただし、剛性を確保できる形状であれば、本発明としては樹脂材の形状が特に限定されるものではない。樹脂材は、射出成形体を用いれば各種の形状にすることが容易である。ただし、成形方法がこれに限定されるものではない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記磁性体が、希土類系磁石と非希土類系磁石の少なくとも一方であることを特徴とする。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記非希土類系磁石が、フェライト磁石を含むことを特徴とする。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記磁性体として、圧粉鉄心を含むことを特徴とする。
本発明で支持する磁性体の種別は本発明としては特に限定されるものではなく、希土類系磁石、非希土類系磁石のいずれであってもよい。非希土類系磁石としてはフェライト磁石などを用いることができ、また圧粉鉄心などを用いることもできる。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記支持体本体および前記樹脂材が、カシメ、ねじ、溶接、接着、リング材による外周焼き嵌めの少なくとも一つによって積層固定されていることを特徴とする。
支持体本体および樹脂材は、種々の方向によって積層固定することができる。本発明としては、固定方法は特に限定されない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材は、当該支持体を回転させる回転軸が取り付けられる軸受部の外周側において、前記支持体本体間に介在していることを特徴とする。
樹脂材は、支持体本体間に介在させるが、支持体本体間の一部空間のみに介在させるようにしてもよい。磁性体は、通常、支持体の外周側に周方向に沿って間隔を置いて複数が配置される。この磁性体周辺で支持体には剛性が特に必要とされる。また、支持体では、回転軸が固定されて回転動作がなされるため、軸受部を有したものがあり、樹脂材は少なくともこの軸受部の外周側に配置することができる。さらに、磁性体が配置される周囲に樹脂材を位置させるようにしてもよい。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材が介在している前記支持体本体間に、当該支持体を回転させる回転軸が取り付けられる軸受部を有することを特徴とする。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記軸受部は非磁性特性が要求されず、一般鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金のいずれかで構成されて、前記支持体本体と前記樹脂材の少なくとも一方に固定されていることを特徴とする。
軸受部の材料は、非磁性特性が特に要求されないため、一般的な材料を用いることができる。また、軸受部の素材として、非磁性の材料、絶縁性を有する材料を用いるようにしてもよい。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体は、前記本発明において、前記樹脂材が介在している前記支持体本体の少なくとも一方には、その周縁の一部または全部に、前記樹脂材側に延びて前記樹脂材の外周面外側に位置する曲がり部を有することを特徴とする。
上記曲がり部は、樹脂材の外周側に位置することで樹脂材に破損などが生じた場合に、破損物がモータ内などに飛散するのを防止する。また、樹脂材を保護する機能も有する。
曲がり部は、樹脂材が介在している支持体本体の一方に設けられているものでもよく、また、両方に設けられているものであってもよい。
本発明の一つの形態のモータ回転子支持体の製造方法は、非磁性鋼を冷間加工して比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上の複数の支持体本体を作成し、少なくとも二つの前記支持体本体間に樹脂材を介在させて積層し、互いに固定することを特徴とする。
本発明のモータ回転子支持体は、製造工程が格別なものに限定されるものではなく、熱間加工を経た冷間加工材に機械加工を経て鋼板を製造し、これを樹脂材と積層して結束することでモータ回転子支持体を構成することができる。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体の製造方法は、前記本発明において、前記冷間加工の冷間加工率が10〜40%であることを特徴とする。
冷間加工は、加工率10〜40%で行うことができる。加工率が低いと、加工強化が十分に得られず、加工率が高いと延靭性を十分に得ることができない。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体の製造方法は、前記本発明において、前記冷間加工後に、前記非磁性鋼に、300〜600℃×0.5時間以上の焼鈍処理を行うことを特徴とする。
冷間加工後は、形状を安定化させるため、300〜600℃で0.5時間以上の焼鈍処理を施すことができる。
本発明の他の形態のモータ回転子支持体の製造方法は、前記本発明において、前記支持体本体は、支持体本体となる粗形材に対する機械加工が施されていることを特徴とする。
粗形材に対し、切り出し、冷間打ち抜き加工、切削加工、レーザー加工、ウォータージェット加工、放電加工、深絞り加工および溶接などの1以上の機械加工を施すことができる。
以上説明したように、本発明によれば、非磁性特性を維持したままで高強度化が可能な鋼で磁性体を支持し、樹脂材の採用によってモータを軽量化、高電気抵抗化することができ、モータの軽量化と素材の高電気抵抗に起因するモータ効率の更なる向上を実現できる効果がある。
本発明の一実施形態における支持体本体の平面図(A)およびA図のI−I線断面図(B)である。 同じく、樹脂材の平面図(A)およびA図のII−II線断面図(B)である。 同じく、軸受部の平面図(A)および縦断面図(B)である。 同じく、磁性体が嵌め込まれた支持体本体の平面図である。 同じく、磁性体が嵌め込まれた樹脂材の平面図である。 同じく、結束がされたモータ回転子支持体の断面図である。 同じく、モータ回転子支持体の製造工程を示すフロー図である。 本発明の他の実施形態における支持体本体の平面図(A)およびA図のIV−IV線断面図(B)である。 同じく、樹脂材の平面図(A)およびA図のV−V線断面図(B)である。 同じく、結束がされたモータ回転子支持体の平面図(A)およびA図のVI−VI線断面図(B)である。 本発明の他の実施形態における断面図である。 本発明のさらに他の実施形態における最外層の支持体本体の平面図(A)およびA図のVII−VII線断面図(B)である。 同じく、中央層の支持体本体の平面図(A)およびA図のVIII−VIII線断面図(B)である。 同じく、樹脂材の平面図(A)およびA図のIX−IX線断面図(B)である。 同じく、結束がされたモータ回転子支持体の断面図である。 同じく、支持体本体の変更例における平面図(A)およびA図のX−X線断面図(B)である。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態では、支持体本体と樹脂材とが用意される。
支持体本体の製造工程
支持体本体の製造工程を図7のフロー図を用いて説明する。
支持体本体を得る素材には、好適には18Mn−18Cr系非磁性鋼を選択し、図7に示すように、常法の溶解、凝固過程や連続鋳造を経て得ることができる。具体的には、取鍋精錬法、下注ぎ鋳込み法、上注ぎ鋳込み法、真空鋳造法、エレクトロスラグ再溶解法などの二次精錬法が例示される。
鋼板を得る熱間加工として、熱間圧延、熱間型打ち鍛造などの熱間鍛造を代表例として挙げることができ、これらは常法により行うことができる。その熱間加工温度としては800〜1200℃が例示される。熱間加工により鋼板を取得する方法として、ビレット材もしくは連続鋳造により製造された鋼片を熱間型打ち加工する方法がある。熱間型打ち加工は特に限定されないが、熱間プレスにより1回あるいは複数回の型打ちで加工することができる。また、型打ちする金型も1種類、または数種類の金型を使用してもよい。また、熱間型打ちの型打ち温度は前述の熱間加工温度と同等である。熱間型打ち鍛造などの熱間型打ち加工によって素形材形状にまで加工することができる。素形材形状としたものでは、その後、仕上げ加工によって製品形状とすることができる。例えば、連続鋳造で得たビレットを熱間型打ち鍛造することで効率よく製品を製造することができる。
鋼板を取得する前の熱間加工材または冷間加工する前の熱間加工材には固溶化処理を行ってもよい。固溶化処理条件は特に限定されないが、1000℃以上、保持時間としては5分以上、冷却方法は水冷、油冷、ファン冷却を含む空冷が例示される。固溶化処理によって成分の均一化がなされるとともに、オーステナイトが安定する。なお、本発明としては、固溶化処理を省略することも可能である。
熱間加工材はさらに冷間加工を行うことができる。冷間加工としては、冷間圧延、冷間鍛造などを挙げることができ、常法により行うことができる。冷間加工による加工強化で、支持体本体の一層の高強度化を図ることができる。なお、ここでいう冷間加工とは、非磁性鋼の再結晶温度を超えない温度範囲での加工をいい、例えば450℃以下の範囲で所望により加熱してもよい。再結晶温度を超える温度範囲での加工は熱間加工とする。
冷間加工は、加工率10〜40%で行うのが望ましい。加工率が低いと、加工強化が十分に得られず、加工率が高いと延靭性を十分に得ることができない。
また、冷間圧延では、最終板厚は1〜4mmが例示される。板厚が薄すぎると十分な剛性が得られず、板厚が厚すぎると軽量化が難しくなる。ただし、本実施形態としては支持体本体の板厚が特に限定されるものではない。冷間加工後は形状を安定化させるため、300〜600℃で0.5時間以上の焼鈍処理を施すことができる。焼鈍によっては必要とされる機械的特性は影響を受けない。
冷間加工後には、機械加工を行うことができる。本実施形態としては、機械加工は、特定の内容に限定されるものではなく、素形材の作製から仕上げ加工まで含まれる。例えば、切り出し、冷間打ち抜き加工、切削加工、レーザー加工、ウォータージェット加工、放電加工、深絞り加工、溶接等の工程を挙げることができる。また、機械加工には、部材同士を組み立てて溶接により製品形状を得る工程を有するものであってもよい。ただし、本実施形態としては、機械加工の種別などが特に限定されるものではない。
また、機械加工では、最終製品形状を得るため仕上げ加工を行うことができる。仕上げ加工は、この形態では切削加工、研磨加工などが例示されるが、本発明としては加工の種別が特に限定されるものではない。
樹脂材の製造工程
樹脂部材は射出成形して得るのが適当である。また、通常の射出成形に限らず、発泡成形やブロー成形などを採用することも可能である。ただし、本発明としては樹脂材の製造方法が射出成形に限られるものではない。
樹脂材は押出機で製造した樹脂ペレットを用い、射出成形機により成形することができる。使用可能な樹脂は100℃で形状が変化しないPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPSU(ポリフェニルサルホン)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、66ナイロン、PC樹脂、PPSガラス繊維強化樹脂、PEEKガラス繊維強化樹脂、PBTガラス繊維強化樹脂、66ナイロンガラス繊維強化樹脂、6ナイロンガラス繊維強化樹脂などである。樹脂の成形は溶融した樹脂を金型内に射出することにより行う。成形方法としては樹脂部材内部が蜂の巣状の構造となる発泡成形や、中空となるブロー成形も採用できる。耐熱性としては、JIS K7191の規定に基づき、1.8MPaの曲げ応力に対し、100℃以上の荷重たわみ温度を示すものが挙げられる。
樹脂部材の形状は、回転子組立後に磁石が配置される部分と、回転軸を通し、支持体本体と支持体本体を固定するために別途素材が配される中心部に穴が開いたものとすることができる。ただし、磁性体が配置される部分は必ずしも穴である必要はなく、支持体本体間を梁で支える構造になっていれば良い。
軸受部の製造工程
支持体本体と樹脂材は、カシメ、ねじ、溶接、接着、リング材による外周焼き嵌めにより固定することができる。さらに、回転子の軸を通す軸受部を設けるようにしても良い。軸受部は、磁石の影響を受けないために非磁性の必要がなく、かつ高強度を必要としないため、高強度の非磁性鋼ではなく、一般鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金などを使用できる。各素材の製造は連続鋳造、ダイカスト鋳造、圧延、鍛造、打ち抜きなど常法で実施されたもので良い。軸受部と支持体本体との結合は、カシメ、ねじ、溶接、接着などにより実施することができる。
積層・結束
回転子は上記により製造される支持体本体、樹脂材を積層、結束することにより製造することができる。これに軸受部を含めるものであってもよい。上記各部材の積層結束は、カシメ、ねじ、溶接、接着、リング材による外周焼き嵌めなどの一つまたは組み合わせによって行うことができる。
本回転子は量産化が可能で、コスト的にも廉価に製造できるモータ用回転子、特にアキシャルギャップモータの回転子に適した支持体を製造することが可能となる。支持体では、支持体本体において、比透磁率が1.005未満であり、室温での0.2%耐力が650MPa以上の強度を有している。
(実施形態1)
次に、本実施形態のモータ回転子支持体100を添付図面に基づいて具体的に説明する。
モータ回転子支持体100は、図6に示すように、二つの支持体本体1、1間に樹脂材10が介在し、さらに軸受部20が二つの支持体本体1、1間に介在されて、積層、固定がされている。
支持体本体1は、非磁性鋳鋼で構成されており、好適には、比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上、伸びが10%以上の特性を有している。支持体本体の単材は、室温における伸びが10%以上であるのが望ましい。プレス等の加工性確保のため、さらにロータが回転中に破壊して飛散することを防ぐため、伸びが10%以上であるのが望ましい。
回転子支持体の組成として、好適には18Mn−18Cr系の材料であり、さらに好適には、質量%で、C:0.07%以下、Si:0.1〜2.0%、Mn:10〜25%、Cr:12〜25%、N:0.25〜0.8%、Al:0.005〜0.02%、Ni:5.0%以下、Mo+1/2W:3.0%以下、V、Nb:0.1%以下、Co:3%以下およびB:0.01%以下を含有し、残部がFeと不可避的不純物とからなる組成のものを用いることができる。また、支持体本体1は、比重が7.7〜7.8、電気抵抗が6〜9×10−Ωcmの特性を有している。ただし、本発明としては、支持体本体の比重および電気抵抗がこれらに限定されるものではない。
支持体本体1は、全体が薄板で、10〜40%の冷間加工によって厚さが1〜4mmの円盤形状に形成されており、中心に軸穴3が形成されている。軸穴3の外周側にはネジ留め用の連結孔4が周方向に間隔を置いて複数形成されている。なお、連結孔4は、機械加工時に、合わせて形成することができ、連結孔4のみを後工程で形成してもよい。
さらに、支持体本体1の外周側に、等角度間隔で略四角形状の支持穴2(本実施形態では16個)が形成されている。各支持穴2は、磁性体が嵌め込まれて保持されるため、磁性体の外周形状に沿った形状を有している。なお、支持穴の形状は磁性体に合わせて適宜の形状を選択することができる。支持穴は、本発明の支持部に相当する。
一方、樹脂材10は、全体が薄板で、厚さが1〜30mmの円盤形状に形成されている。樹脂材10は、PPS樹脂、PEEK樹脂、PPSU樹脂、PBT樹脂、66ナイロン、PC樹脂、PPSガラス繊維強化樹脂、PEEKガラス繊維強化樹脂、PBTガラス繊維強化樹脂、66ナイロンガラス繊維強化樹脂、6ナイロンガラス繊維強化樹脂などで構成されており、例えば射出成形により成形されている。樹脂材10は、前記した1.8MPaの加重で100℃以上に荷重たわみ温度を示す。
樹脂材10は、支持体本体1の外周縁とほぼ同じ位置に外周縁を構成する外周側リング部15を有し、その内側に磁性体が貫通する貫通部11(本実施形態では16個)が等間隔で形成されている。貫通部11の内周側には内周側リング部14を有している。リング部14の内側は支持体本体1の軸穴3よりも大径の環状孔13を有している。したがって、樹脂材10は、外周側においてのみ支持体本体1、1間に介在している。
貫通部11は、外周側リング部15と内周側リング部14との間で、等角度間隔で16個が位置するように形成されており、隣接する貫通部11間には、梁部12を有している。貫通部11は、支持体本体1と樹脂材10とを積層した際に、互いの位置合わせによってそれぞれの支持穴2と貫通部11とが同じ位置関係を有している。貫通部11は、支持穴2よりも全体に一回り大きな貫通形状を有しており、支持穴2の外周縁の外側に貫通部11の内周縁が位置する。支持穴2に磁性体を嵌め込んで貫通部11を貫通する場合、磁性体と貫通部11の縁部とは全周に亘って隙間Gを有し、磁性体と貫通部11とは、少なくとも磁性体の外周縁とは非接触の状態になる。なお、隙間は、磁性体の外周縁と貫通部11との間でのみ有するものであってもよい。
上記した梁部12は、支持体の剛性を高めることができ、内周側リング部14、外周側リング部15によって支持体の剛性がさらに高まる。なお、上記では、貫通部11は、孔形状に形成されているが、例えば、外周側や内周側が開放されるなどの形状とすることもできる。
次に、軸受部20は、樹脂材10と同じ厚さで円盤状に形成され、その径は、環状孔13に収まる大きさとされている。軸受部20は、一般鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金のいずれかで構成されており、非磁性であるかは問わない。
この実施形態では、軸受部20は、樹脂材10の環状孔13内にほぼ隙間なく位置している。また、軸受部20では、支持体本体1の連結孔4の位置に合わせて連結孔22が周方向に間隔を置いて複数形成されており、中心部には、支持体本体1の軸穴3の位置に合わせて軸穴21が形成されている。なお、連結孔22は、機械加工時に、支持体本体の形状変更に合わせて形成することができ、連結孔22のみを後工程で形成してもよい。
上記支持体本体1、樹脂材10、軸受部20を積層して支持体100を構成する。
二つの支持体本体1、1間には、軸受部20と樹脂材10が介在するように配置され、互いに位置を合わせて積層される。
位置合わせによって、支持体本体1の支持穴2と樹脂材10の貫通部11とが互いの穴が重なるように位置し、支持体本体1の軸穴3と軸受部20の軸穴21とが同軸に配置され、支持体本体1の各連結孔4と軸受部20の各連結孔22とが同軸に配置される。二つの支持体本体1、1の支持穴2、2間には、磁性体として軸方向両面に異極となる磁極を有する永久磁石30、31が表面の磁極が交互に変わるように、嵌め込まれる。すなわち、支持体本体1は、周方向で隣接している永久磁石30、31は、表面の磁極が交互に変わっている。支持体本体1、1間では、永久磁石30、31の周囲近傍で樹脂材10が位置している。
上記貫通孔4、22、4にねじ25を貫通し、ナット26を螺合することで、支持体本体1、1と、軸受部20とを結束する。なお、貫通孔4、22にねじ溝を形成し、ねじ25をそのままねじ込むようにしてもよい。
なお、樹脂材10は、接着などによって支持体本体1、1と結束することができる。
さらにモータ回転子支持体100の軸穴3、21に図示しない回転軸を取り付けて、回転子に備えるモータ回転子支持体として使用することができる。なお、モータ回転子支持体100をそのまま回転子として用いるものであってもよい。
上記では、モータ回転子支持体に支持される磁性体として永久磁石のみを説明したが、その他に強磁性体を支持する構造を有するものであってもよい。
この実施形態のモータ回転子支持体は、特に出力等が限定されるものでないが、特に5kW以上のモータに好適に使用することができ、量産化が可能でコスト的にも廉価に製造でき、特にアキシャルギャップモータの回転子に適した支持体として使用することができる。
なお、上記実施形態では、樹脂材を1層で構成したが、複数層で構成してもよく、その場合、層間で材質が異なるものであってもよい。相対的に強度の高い材質の樹脂材では、貫通部において永久磁石を支持できる形状としてもよく、相対的に強度の低い材質の樹脂材では、上記で説明したように永久磁石との間で、少なくとも永久磁石の外周側周縁で隙間を有するのが望ましい。
(実施形態2)
次に、他の実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。
この実施形態では、支持体本体1A、1Aと樹脂材10Aとが積層、固定されて、モータ回転子支持体100Aが構成されている。なお、図示しない回転軸が取り付けられる軸受部は適宜の構成により設けることができ、以下では軸受部の説明は省略する。
なお、支持体本体1A、樹脂材10Aは、前記実施形態と同様の製造工程を経て製造することができ、詳細な説明は省略する。
支持体本体1Aは、非磁性鋼で構成されており、好適には、比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上、伸びが10%以上の特性を有している。
支持体本体1Aは、図8に示すように、この実施形態では厚さが1〜2mmの円盤形状に形成されている。外周側には等角度間隔で略四角形状の支持穴2Aが形成され、その内周側に、支持穴2Aよりも小さい形状の支持穴2Bが同じく等角度間隔で形成されており、支持穴2Aと支持穴2Bとは、それぞれ同一径方向に沿って配置されている。支持穴2Bの内周側では、中心に軸穴3Aが形成されている。支持穴2A、支持部2Bは、それぞれ本発明の支持部に相当する。
この実施形態では、各支持穴2A、2Bは、磁性体が嵌め込まれて保持されるため、磁性体の外周形状に沿った形状を有している。
樹脂材10Aは、全体が薄板で、この実施形態では厚さが1〜10mmの円盤形状に形成されている。樹脂材10Aは、支持体本体1Aの外周縁とほぼ同じ位置に外周縁を構成する外周側リング部15Aを有し、その内周側に磁性体が貫通する貫通部11A(本実施形態では8個)が等間隔で形成されている。貫通部11の内周側には第1内周側リング部14Aを有し、その内周側に磁性体が貫通する貫通部11B(本実施形態では8個)が等間隔で形成されている。貫通部11Bは、貫通部11Aよりも小さい形状を有している。貫通部11Bの内周側には第2内周側リング部14Bを有し、その内周側に支持体本体1Aの軸穴3Aと同径の環状孔13Aを有している。したがって、樹脂材10Aは、外周側においてのみ支持体本体1A、1A間に介在している。
貫通部11Aは、外周側リング部15Aと第1内周側リング部14Aとの間で、等角度間隔で8個が位置するように形成されており、隣接する貫通部11A間には、梁部12Aを有している。また、貫通部11Bは、第1内周側リング部14Aと第2内周側リング部14Bとの間で、等角度間隔で8個が位置するように形成されており、隣接する貫通部11B間には、梁部12Bを有している。
貫通部11A、11Bは、支持体本体1Aと樹脂材10Aとを積層した際に、互いの位置合わせによってそれぞれの支持穴2Aと貫通部11Aとが同じ位置関係を有し、支持穴2Bと貫通孔11Bとが同じ位置関係を有するように形成されている。
貫通部11Aは、二つの支持穴2Aを跨ぐ領域よりも全体に一回り大きな貫通形状を有し、貫通部11Bは、二つの支持穴2Bを跨ぐ領域よりも全体に一回り大きな貫通形状を有しており、支持穴2A、2Aの外周縁の外側に貫通部11Aの内周縁が位置し、支持穴2B、2Bの外周縁の外側に貫通部11Bの内周縁が位置する。支持穴2A、2Bに磁性体を嵌め込んで貫通部11A、11Bを貫通する場合、磁性体と貫通部11A、11Bの内周縁とは全周に亘って隙間を有し、磁性体と貫通部11A、11Bとは、少なくとも磁性体の外周縁とは非接触の状態になる。
上記した梁部12A、12Bは、支持体の剛性を高めることができ、第1内周側リング部14A、第2内周側リング14Bおよび外周側リング部15Aによって支持体の剛性がさらに高まる。
上記支持体本体1A、1Aと樹脂材10Aとは、支持体本体1A、1A間に樹脂材を介在させるように積層し、適宜の方法で結束する。
積層に際し、二つの支持穴2A、2Aが各貫通部11Aに重なり、二つの支持穴2B、2Bが各貫通部11Bに重なるように位置合わせを行う。結束方法は、特に限定されるものではなく、カシメ、ねじ、溶接、接着、リング材による外周焼き嵌めのいずれか、または組み合わせなどによって行うことができる。
積層、結束されたモータ回転子支持体100Aでは、二つの支持体本体1A、1Aの支持穴2A、2A間には、磁性体として軸方向両面に異極となる磁極を有する永久磁石30A、31Aが表面の磁極が交互に変わるように、嵌め込まれる。すなわち、支持体本体1Aは、周方向で隣接している永久磁石30A、31Aは、表面の磁極が交互に変わっている。二つの支持体本体1A、1Aの支持穴2B、2B間には、磁性体として軸方向両面に異極となる磁極を有する永久磁石30B、31Bが表面の磁極が交互に変わるように、嵌め込まれる。すなわち、支持体本体1Aは、周方向で隣接している永久磁石30B、31Bは、表面の磁極が交互に変わっている。また、支持穴2A、2Bで同じ径方向に並んでいる永久磁石は、同じ磁極を有するように配置される。
樹脂材10Aでは、各貫通部11Aでは、二つの永久磁石30A、31Aが貫通しており、貫通部11Aの内周縁は、永久磁石30A、31Aとは非接触である。各貫通部11Bでは、二つの永久磁石30B、31Bが貫通しており、貫通部11Bの内周縁は、永久磁石30B、31Bとは非接触である。
なお、この実施形態では、貫通部の大きさが複数の磁性体の周囲に位置するように設定したが、剛性が十分であれば、個別の磁性体毎に貫通部を形成することは必要なく、剛性の程度によって適宜の形状、数の貫通部を形成すればよい。
すなわち、支持体本体1A、1A間では、永久磁石30A、30B、31A、31Bの周囲近傍で樹脂材10Aの一部が位置している。
モータ回転子支持体100Aの軸穴3A、12Aに図示しない回転軸を取り付けて、回転子に備えるモータ回転子支持体として使用することができる。なお、モータ回転子支持体100Aをそのまま回転子として用いるものであってもよい。
この実施形態のモータ回転子支持体においても、特に出力等が限定されるものでないが、特に5kW以上のモータに好適に使用することができ、量産化が可能でコスト的にも廉価に製造でき、特にアキシャルギャップモータの回転子に適した支持体として使用することができる。
なお、各実施形態では、支持体本体、樹脂材、軸受部の形状は軸方向の剛性の確保、軸受部の固定の機能が果たされていれば、形状は問わない。
積層、拘束に際しては、カシメ、ねじ、溶接、接着などの適宜の方法を採用することができる。
(実施形態3)
さらに、他の実施形態を図11に基づいて説明する。
この例では、図6に示されたモータ回転子支持体の変更例としてモータ回転子支持体100Cについて説明する。なお、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
支持体本体1C、1Cは、円盤状の形状の外周縁に介在する樹脂材10側に伸長する曲がり部5を有しており、互いの曲がり部5、5は、組み込み時に接触するか、間隔を有するように形成される。曲がり部5は、介在させた樹脂材10の外周面外側に位置する。その際に樹脂材10と接触するように形成しても良く、また、隙間を有するように形成してもよい。曲がり部5は、支持体本体1の外周縁全周に亘って設けられていてもよく、外周縁の一部に設けられていても良い。曲がり部5は、支持体本体1と一体的に形成されていてもよく、また、溶接などによって固定されたものであってよい。また、リング状に形成されて支持体本体1、1間に嵌め込まれたものであってもよい。
曲がり部5は、樹脂材10を囲むように配置でき、樹脂材10を保護するとともに、樹脂材10の破損などが生じた際に、破損した樹脂が飛散してモータの故障などを招くのを防止する。
(実施形態4)
上記各実施形態では、2枚の支持体本体間に樹脂材を介在させるものとして説明したが、3つ以上の支持体本体を有するものでもよく、その場合、支持体本体間に介在させている樹脂材を2つ以上有するものであってもよい。以下に、2つ以上の樹脂材を有する実施形態を図12〜図15に基づいて説明する。
支持体100Dは、中央層の支持体本体1Dと最外層の支持体本体1E、1Eとを有し、支持体本体1Dと支持体本体1Eとの間に樹脂材10Dがそれそれ介在している。
支持体本体1D、1Eは、非磁性鋳鋼で構成されており、好適には、比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上、伸びが10%以上の特性を有している。支持体本体の単材は、室温における伸びが10%以上であるのが望ましい。 回転子支持体の組成として、好適には18Mn−18Cr系の材料であり、さらに好適には、質量%で、C:0.07%以下、Si:0.1〜2.0%、Mn:10〜25%、Cr:12〜25%、N:0.25〜0.8%、Al:0.005〜0.02%、Ni:5.0%以下、Mo+1/2W:3.0%以下、V、Nb:0.1%以下、Co:3%以下およびB:0.01%以下を含有し、残部がFeと不可避的不純物とからなる組成のものを用いることができる。また、支持体本体1D、1Eは、比重が7.7〜7.8、電気抵抗が6〜9×10−Ωcmの特性を有している。
なお、支持体本体1D、1Eで異なる材質の非磁性鋼を使用することが可能である。例えば、支持体本体1Dで強度の高い材料を使用し、支持体本体1Eでは、強度の低い一般的な非磁性のステンレス鋼(例えばJIS SUS304など)などを用いることができる。また、支持体本体1Eに相当する中間層を強度の高い繊維強化樹脂材で構成することも可能である。この場合、繊維強化樹脂材では、貫通部によって磁性体を保持するのが望ましい。
支持体本体1D、1Eは、全体が薄板で、10〜40%の冷間加工によって厚さが1〜2mmの円盤形状に形成されており、中心に軸穴3Dが形成されている。軸穴3Dの外周側にはネジ留め用の連結孔4Dが周方向に間隔を置いて複数形成されている。
さらに、支持体本体1D、1Eの外周側に、等角度間隔で略四角形状の支持穴2D、2E(本実施形態では各16個)が形成されている。各支持孔2D、2Eは、磁性体が嵌め込まれて保持されるため、磁性体の外周形状に沿った形状を有している。
また、支持体本体1D、1Eでは、支持孔2D、2Eの周辺の一部で非磁性鋼の連続性を欠くための欠け部を設けることができる。支持体本体1Dでは電磁誘導電流が磁性体周辺で発生して鉄損を生じやすくなるため、欠け部を設けることで電流経路を遮断するのが望ましい。
支持体本体1Dでは、支持孔2Dの外周側のリング部に欠け部として切り欠き部6Dがそれぞれ形成されている。なお、切り欠き部6Dは各支持孔2Dに対応して設けてもよく、複数の支持孔2Dに応じて1つの切り欠き部を有するように形成してもよい。
また、支持体本体1Eでは、支持孔2Eの内周側のリング部に欠け部として切り欠き部6Eがそれぞれ形成されている。なお、切り欠き部6Eは各支持孔2Eに対応して設けてもよく、複数の支持孔2Eに応じて1つの切り欠き部を有するように形成してもよい。
切り欠き部6D、6Eは、切断などによって形成することができ、製造方法は特に限定されるものではない。
複数の支持体本体では、上記欠け部の位置を変えることで、支持体全体の剛性を良好に保つことができる。
図16は、支持体本体における欠け部の変更例を示すものである。
この変更例の支持体本体1Fでは、前記実施形態と同様に、非磁性鋼で構成されており、材質、製造工程については格別な変更はない。
支持体本体1Fは、全体が薄板で、10〜40%の冷間加工によって厚さが1〜2mmの円盤形状に形成されており、中心に軸穴3Fが形成されている。軸穴3Fの外周側にはネジ留め用の連結孔4Fが周方向に間隔を置いて複数形成されている。
さらに、支持体本体1Fの外周側に、等角度間隔で略四角形状の支持孔2F(本実施形態では各16個)が形成されている。各支持孔2Fは、磁性体が嵌め込まれて保持されるため、磁性体の外周形状に沿った形状を有している。
また、支持体本体1Fでは、隣接する支持孔2F、2F間の梁部7では、一つおきに切り欠き部6Fが形成されている。梁部7では、強度の点でそれぞれに切り欠き部を設けるのではなく、複数の梁部7で一つの切り欠き部を設けるのが望ましい。ただし、強度面で問題がなければ、各梁部7に切り欠き部を設けるようにしてもよい。
なお、前記した切り欠き部6D、6E、6Fでは、切り欠きのままとせず、その間に絶縁性の樹脂などを介在させて強度の低下を回避するようにしてもよい。
前記した支持体本体1D、1E間に介在させる樹脂材10Dは、全体が薄板で、厚さが1〜10mmの円盤形状に形成されている。樹脂材10Dは、PPS樹脂、PEEK樹脂、PPSU樹脂、PBT樹脂、66ナイロン、PC樹脂、PPSガラス繊維強化樹脂、PEEKガラス繊維強化樹脂、PBTガラス繊維強化樹脂、66ナイロンガラス繊維強化樹脂、6ナイロンガラス繊維強化樹脂などで構成されており、例えば射出成形により成形されている。樹脂材10Dは、前記した1.8MPaの加重で100℃以上に荷重たわみ温度を示す。
樹脂材10Dは、支持体本体1D、1Eの外周縁とほぼ同じ位置に外周縁を構成する外周側リング部15Dを有し、その内側に磁性体が貫通する貫通部11D(本実施形態では16個)が等間隔で形成されている。貫通部11Dの内周側には内周側リング部14Dを有し、リング部14Dの内側は環状孔13Dを有している。したがって、樹脂材10Dは、外周側においてのみ支持体本体1D、1E間に介在している。
貫通部11Dは、外周側Dリング部15Dと内周側リング部14Dとの間で、等角度間隔で16個が位置するように形成され、隣接する貫通部11D間には、梁部12Dを有している。貫通部11Dは、支持体本体1D、1Eと樹脂材10Dとを積層した際に、互いの位置合わせによってそれぞれの支持孔2D、2Eと貫通部11Dとが同じ位置関係を有している。貫通部11Dは、支持孔2D、2Eよりも全体に一回り大きな貫通形状を有しており、支持孔2D、2Eの外周縁の外側に貫通部11Dの内周縁が位置する。支持孔2D、2Eに磁性体を嵌め込んで貫通部11Dを貫通する場合、磁性体と貫通部11Dの縁部とは全周に亘って隙間を有し、磁性体と貫通部11Dとは、少なくとも磁性体の外周縁とは非接触の状態になる。なお、隙間は、磁性体の外周縁と貫通部11Dとの間でのみ有するものであってもよい。
上記した梁部12Dは、支持体の剛性を高めることができ、内周側リング部14D、外周側リング部15Dによって支持体の剛性がさらに高まる。なお、上記では、貫通部11Dは、孔形状に形成されているが、例えば、外周側や内周側が開放されるなどの形状とすることもできる。
上記支持体本体1D、樹脂材10D、支持体本体1E、樹脂材10D、支持体本体1Dを積層して支持体100Dを構成する。
支持体本体1D、1E、1Dの支持孔2D、2E、2D間には、磁性体として軸方向両面に異極となる磁極を有する永久磁石30Dが表面の磁極が交互に変わるように、嵌め込まれる。すなわち、支持体本体1D、1Eは、周方向で隣接している永久磁石30Dは、表面の磁極が交互に変わっている。支持体本体1D、1E間では、永久磁石30Dの周囲近傍で樹脂材10Dが位置している。
支持体本体1D、樹脂材10D、支持体本体1Eは、接着、ねじなどによって互いに結束することができる。
表1に示す組成(残部がFeおよび不可避不純物)のそれぞれで18Mn−18Cr非磁性鋼50kgをVIM(真空誘導溶解)により溶解、金型鋳造し、50kgの試験鋼塊を得た(供試材No.1〜9)。この試験鋼塊の押湯を切断した本体部分を1200℃で熱間鍛造および90%以上の熱間圧延加工率によって熱間圧延し、4〜6mm厚×200mm幅の試験材とした。比較材として、本発明の範囲外の組成を有する試験材(鋼No.10〜13)、SUS304系ステンレス鋼(鋼No.15)、SUS316系ステンレス鋼(鋼No.14)の試験材も同様の方法で得た。
これらの試験材には1050℃×3時間、水冷の固溶化処理を施した。これらの試験材に表2に示すように0〜50%の冷間圧延を施して、1〜4mm厚の試験材を得た。これら試験材から冷間プレスにより室温で冷間打ち抜き加工を行い、支持体本体形状材に相当する供試材を得た。この供試材から上記と同様に試験片を採取し、室温において、引張試験、磁気天秤法による比透磁率測定を行った。また、各試験片の比重は、7.7〜7.8であった。さらに、支持体本体の電気抵抗は、6〜9×10−Ωcmであった。
また、支持体本体間に介在させる樹脂材として、PPS樹脂を用いて射出成形により板厚4〜24mm厚に作成した。この樹脂材の比重は、1.34であり、電気抵抗は1016Ωcmであった。また、JIS K7191などで定められた荷重たわみ温度において、1.8MPaの荷重を付加した際のたわみ温度が108℃であった。
表2に試験結果を示す。試験結果より、発明例の供試材(供試材No.2、3、6、7、10、11、14、15、18、19、22、23、26、27、30、31、34、35)では0.2%耐力が650MPa以上を確保しており、引張伸びが10%以上で、比透磁率も十分に低いことがわかる。一方、比較例の供試材No.37、38、41、45、49、53、54、57、58では0.2%耐力が650MPa以上を確保できておらず、供試材No.40、44、47、48、51、52では引張伸びが10%を下回り、供試材No.39、40、42〜44、45〜48、50〜52、55、56、59、60では比透磁率が1.005以上であり、比較例の材料はモータ回転子支持体には不向きと言える。
また、発明例の供試材の比透磁率は冷間加工を実施しても変化はなく、加工誘起によるフェライトやマルテンサイトへの変態がないことがわかる(供試材No.1〜4、5〜8、9〜12、13〜16、17〜20、21〜24、25〜28、29〜32、33〜36)。一方、比較例の供試材では冷間圧延加工率が高くなるにつれて比透磁率は増加し、加工誘起変態が起こっていることが伺え(供試材No.37〜40、41〜44、45〜48、49〜52、53〜56、57〜60)、比較例の供試材は発明例の供試材よりも比透磁特性が劣ることがわかる。
以上の評価結果に基づいて、0.2%耐力が650MPa以上、伸びが10%以上、比透磁率が1.005未満の基準で、全てクリアしたものを○、一つでもクリアできなかったものを×して評価し、その結果を表2に示した。
なお、供試材では冷間圧延加工率の増加に伴って0.2%耐力が大きくなっているが、本願発明例の供試材は、冷間圧延加工率に拘わらず比較例の供試材よりも大きな0.2%耐力を有しており、強度に優れることが分かる。
さらに、本願発明例の供試材は、冷間圧延加工率が増しても比透磁率の変化は殆どなく、安定した非磁性特性を有している。一方、比較例の供試材では、冷間圧延加工率が増すと、急激に比透磁率が増加しており、比透磁率に悪影響があることが分かる。
これらの点から、比較例の供試材では、非磁性特性を維持したままで冷間加工により強度を高めることは困難であり、本発明例の供試材では、非磁性特性を維持したままで冷間加工により強度を高めることができることが分かる。
Figure 0006472017
Figure 0006472017
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
1 支持体本体
1A 支持体本体
1C 支持体本体
2 支持孔
2A 支持孔
2B 支持孔
3 軸穴
3A 軸穴
4 連結孔
5 曲がり部
10 樹脂材
10A 樹脂材
11 貫通部
11A 貫通部
11B 貫通部
12 梁部
12A 梁部
14 内周側リング部
14A 第1内周側リング部
14B 第2内周側リング部
15 外周側リング部
20 軸受部
21 軸穴
22 連結孔
100 モータ回転子支持体
100A モータ回転子支持体

Claims (19)

  1. モータの回転子に配置される磁性体を支持する支持体であって、比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上の非磁性鋼からなる複数の支持体本体と、少なくとも二つの前記支持体本体間に介在する樹脂材とが積層されていることを特徴とするモータ回転子支持体。
  2. 前記支持体本体に、前記磁性体が嵌め込まれて前記磁性体周縁を支持する支持部を有し、前記樹脂材は、前記磁性体が貫通して少なくとも前記磁性体外周縁とは非接触である貫通部を有していることを特徴とする請求項1記載のモータ回転子支持体。
  3. 前記非磁性鋼が、質量%で、C:0.07%以下、Si:0.1〜2.0%、Mn:10〜25%、Cr:12〜25%、N:0.25〜0.8%、Al:0.005〜0.02%、Ni:5.0%以下、Mo+1/2W:3.0%以下、V、Nb:0.1%以下、Co:3%以下およびB:0.01%以下を含有し、残部がFeと不可避的不純物とからなる組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ回転子支持体。
  4. 前記支持体本体が前記非磁性鋼の冷間加工材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  5. 前記樹脂材が、樹脂と強化材とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  6. 前記樹脂材が、1.8MPaの曲げ応力に対し、100℃以上の荷重たわみ温度を示すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  7. 前記樹脂材が、射出成形体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  8. 前記磁性体が、希土類系磁石と非希土類系磁石の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  9. 前記非希土類系磁石が、フェライト磁石を含むことを特徴とする請求項に記載のモータ回転子支持体。
  10. 前記磁性体として、圧粉鉄心を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  11. 前記支持体本体および前記樹脂材が、カシメ、ねじ、溶接、接着、リング材による外周焼き嵌めの少なくとも一つによって積層固定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  12. 前記樹脂材は、当該支持体を回転させる回転軸が取り付けられる軸受部の外周側において、前記支持体本体間に介在していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  13. 前記樹脂材が介在している前記支持体本体間に、当該支持体を回転させる回転軸が取り付けられる軸受部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  14. 前記軸受部は非磁性特性が要求されず、一般鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金のいずれかで構成されて、前記支持体本体と前記樹脂材の少なくとも一方に固定されていることを特徴とする請求項13に記載のモータ回転子支持体。
  15. 前記樹脂材が介在している前記支持体本体の少なくとも一方には、その周縁の一部または全部に、前記樹脂材側に延びて前記樹脂材の外周面外側に位置する曲がり部を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体。
  16. 非磁性鋼を冷間加工して比透磁率が1.005未満で、室温における0.2%耐力が650MPa以上の複数の支持体本体を作成し、少なくとも二つの前記支持体本体間に樹脂材を介在させて積層し、互いに固定することを特徴とするモータ回転子支持体の製造方法。
  17. 前記冷間加工の冷間加工率が10〜40%であることを特徴とする請求項16に記載のモータ回転子支持体の製造方法。
  18. 前記冷間加工後に、前記非磁性鋼に、300〜600℃×0.5時間以上の焼鈍処理を行うことを特徴とする請求項16または17に記載のモータ回転子支持体の製造方法。
  19. 前記支持体本体は、支持体本体となる粗形材に対する機械加工が施されていることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載のモータ回転子支持体の製造方法。
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