JP6469053B2 - 組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組成物及びその製造方法に関する。
近年、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する化合物が、様々な用途で注目されている。前記結晶構造には、例えばペロブスカイト構造が挙げられ、例えば3次元ペロブスカイト構造を有する化合物は、一般式としてABX3等で表され、Aサイト及びBサイトのカチオンと、Xサイトのアニオンとから構成される(例えば、CH3NH3PbI3であり、このとき、Aサイトのカチオン:CH3NH3 +、Bサイトのカチオン:Pb2+、Xサイトのカチオン:I-として対応する。Bサイトのカチオンは、Xサイトのアニオンに6配位で結合しており、対称又は非対称な8面体を形成している。上記一般式ABX3は、例えば、層状ペロブスカイト構造などを形成することで、異なる組成を取り得る。異なる組成として、例えば一般式がA2BX4、A227で表される組成も知られている。
例えば非特許文献1では、メチルアミンとヨウ化水素との塩と、ヨウ化鉛との反応物である、ペロブスカイト構造を有する化合物が、半導体材料として用いられていることが記載されている。また、このペロブスカイト構造を有する化合物は、通常液相法により合成される(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。具体的には、非特許文献1には、原料のメチルアミンとヨウ化水素との塩と、ヨウ化鉛とをγブチロラクトン溶媒に溶解した溶液を前駆体とし、この溶液を基板上にスピンコートし、乾燥と加熱することで溶媒を除去し、結晶を析出させることで、ペロブスカイト構造を有する化合物が得られることが記載されている。また、非特許文献2には、ヨウ化鉛の薄膜に、メチルアミンを溶解させたイソプロパノール溶液と反応させ、乾燥と加熱を施すことで、ペロブスカイト構造を有する化合物を得ることが記載されている。
その他には、真空装置を用い、アニリンとヨウ化水素の塩とヨウ化鉛を共蒸着させる方法により、ペロブスカイト構造を有する化合物の薄膜を得る方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
H.J.Snath et al., Science 2012, 338, 644. D. Bi et al., RSC Adv. 2013, 3, 18762. M.Era et al.,Chem. Mater 1997, 9, 8.
しかしながら、液相法では化合物中の残存溶媒を完全に除去することが困難であるため、合成されるペロブスカイト構造を有する化合物は、内部に溶剤が残存していることがある。そのため、例えば従来のペロブスカイト構造を有する化合物を太陽電池の材料、特に光吸収層として用いる際に、半導体特性が低下することで、光変換効率が十分に高くない等に起因して、太陽電池としての高い性能を得ることができないことがある。また、この残存した溶剤は、人体への悪影響が懸念されるため、取り扱い条件が制約されることからも、残留溶剤のより少ない材料の開発が求められている。
また、上記非特許文献1及び上記非特許文献2に記載のペロブスカイト構造を有する化合物の製造方法では、原料の塩基とハロゲン化水素との塩と、ハロゲン化金属とを溶剤に溶解する工程と、これらを溶解させた溶剤から溶媒を除去する工程と、の複数の工程が必要である。よって、より簡便な工程によるペロブスカイト構造を有する化合物の製造方法が望まれる。また、溶液から溶剤を除去し、ペロブスカイト構造を有する化合物を析出させる工程にて、溶剤を回収することが原料の利用効率の観点から望ましいが、再利用する際は、溶剤回収のための設備等を追加することが必要となる。さらに、溶剤は他の原料に比べ蒸気圧が高く、人体に悪影響を与えるものが多いため、化合物製造時の作業者の健康の観点からも、改善が望まれる。以上から、溶剤を用いない化合物の製造方法が望まれている。
上記非特許文献3に記載のペロブスカイト構造を有する化合物の製造方法では、真空装置を用いる蒸着法を用いるが、原料の蒸気を生成するために、真空や加熱が必要であり、大きなエネルギーが必要である。よって、大きなエネルギーを必要としない、より簡便な化合物の製造方法が望まれている。
そこで、本発明は、取り扱いが容易であり、所定の結晶構造を有する固体結晶、を含む組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定の元素組成および所定の形態を有する組成物を用いることで、取り扱いが容易であり、半導体特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記のとおりのものである。
[1]
カチオンA及びカチオンBの2種類のカチオンと、アニオンと、を含む、固体結晶を含み、
前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンAであり、
前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンBであり、
前記アニオンの40モル%以上100モル%以下が、第17族元素アニオンであり、
前記固体結晶中で濃度勾配を有し、
前記固体結晶は、該固体結晶中で前記カチオンAと前記カチオンBとが異なる結晶サイトに存在し、前記アニオンに対し、前記カチオンBが6配位することによる八面体構造を有し、該八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造を有する、
組成物。
[2]
少なくとも一部の形態が、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記粉末状の固体に、ハロゲン化金属を含む、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記粉末状の固体に、前記カチオンAを、該カチオンAにおける前記結晶サイトの化学量論量よりも多く含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記カチオンの20モル%以上80モル%以下が、前記カチオンAである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記カチオンAが存在する前記結晶サイトは、有機分子カチオンを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記有機分子カチオンに、アンモニウム基を有する、[6]に記載の組成物。
[8]
前記有機分子カチオンを構成する炭素数が、1以上10以下である、[6]又は[7]に記載の組成物。
[9]
前記有機分子カチオンを構成する窒素数が、1以上3以下である、[6]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記有機分子カチオンに、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、アニリンカチオン、又はグアニジウムカチオンのいずれかを含む、[6]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]
前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が、前記第17族元素アニオンである、[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記第17族元素アニオンに、ヨウ素アニオン又は塩素アニオンのいずれかを含む、[11]に記載の組成物。
[13]
前記カチオンの20モル%以上80モル%以下が、前記カチオンBである、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
前記カチオンBに、第13族元素〜第15族元素のいずれかの元素を含む、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]
前記カチオンBに、鉛カチオン及び/又は錫カチオンを含む、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]
前記カチオンBに、ビスマスカチオンを含む、[1]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[17]
前記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造が、ペロブスカイト構造である、[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを、不活性気体中で接触させる接触工程を含む、[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[19]
前記接触工程における接触時間が、1.0秒以上30分以下である、[18]に記載の組成物の製造方法。
[20]
前記接触工程における接触温度が、−50℃以上60℃以下である、[18]又は[19]に記載の組成物の製造方法。
[21]
前記接触工程における前記不活性気体中が、窒素である、[18]〜[20]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[22]
前記接触工程は、前記塩を含む固体と、前記ハロゲン化金属を含む固体との界面に、0.01mm/s以上1000km/s以下の速度で摩擦を生じさせる摩擦工程を含む、[18]〜[21]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[23]
前記摩擦工程における摩擦圧力が、1.0Pa以上100MPa以下である、[22]に記載の組成物の製造方法。
[24]
前記塩基が、アミンである、[18]〜[23]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[25]
前記ハロゲン化金属は、該ハロゲン化金属が含むアニオンの総量に対して、ハロゲンを40モル%以上含む、[18]〜[24]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[26]
前記ハロゲン化金属は、第13族元素〜第15族元素のいずれかの金属を含む、[18]〜[25]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[27]
前記塩を含む前記固体は、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、[18]〜[26]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[28]
前記ハロゲン化金属を含む前記固体は、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、[18]〜[27]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[29]
[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の、半導体材料としての使用。
[30]
[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池材料としての使用。
[31]
[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池材料の光吸収材としての使用。
[32]
[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の、発光材料としての使用。
[33]
[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物の、導電性材料としての使用。
本発明に係る組成物は、取り扱いが容易であり、半導体特性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔組成物〕
本実施形態の組成物は、固体結晶を含む組成物であり、当該固体結晶が、カチオンA及びカチオンBの2種類のカチオンと、アニオンとを含む。また、上記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、上記カチオンAであり、上記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、上記カチオンBであり、上記アニオンの40モル%以上100モル%以下が、第17族元素アニオンである。さらに、上記固体結晶中で濃度勾配を有し、上記固体結晶は、上記カチオンAと上記カチオンBが異なる結晶サイトに存在し、上記アニオンに対し、上記カチオンBが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造(以下、「化合物」ともいう。)を有する。本実施形態の組成物は、上述した構成を有することで、取り扱いが容易であり、半導体特性に優れる。本実施形態における「取扱いが容易」とは、該組成物中に残留溶剤が少ないこと、などを意味し、「半導体特性に優れる」とは、組成物中に電界が生じやすいこと、などを意味し、具体的には、組成物中のキャリア濃度に分布を有する、バンドベンディングを有する、などを意味し、より具体的には、光励起について電荷寿命の向上、電荷の拡散距離の向上、などを意味し、さらに具体的には、太陽電池材料として用いた際の、太陽光変換効率の向上や、発光材料としての発光量子収率の向上、導電性材料の電荷移動特性の向上、などを意味する。
本実施形態における組成物には、固体結晶を含み、この固体結晶の少なくとも一部は、カチオンBにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する。上記八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有することで、半導体特性に優れる、結晶構造の形成が容易になる。上記カチオンBに6配位する、上記アニオンは、6配位全て同一種類、または複数種類のアニオンが配位することができる。
本実施形態の組成物において、上記八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造は、ペロブスカイト構造であることが好ましい。「ペロブスカイト構造」とは、3次元構造、層状構造等の2次元構造のいずれの構造をも含む、ペロブスカイト構造を有する結晶構造である。ペロブスカイト構造を有する結晶構造は、例えば一般式ABX3として表すことができ、その場合には、Aサイトのカチオン(以下、単に「Aサイトカチオン」ともいう。)及びBサイトのカチオン(以下、単に「Bサイトカチオン」ともいう。)と、Xサイトのアニオン(以下、単に「Xサイトアニオン」ともいう。)とから構成される。Bサイトカチオンは、Xサイトアニオンに6配位で結合しており、対称又は非対称な8面体を形成している。この一般式は、BサイトカチオンとXサイトアニオンとのユニットの配列が変化することで、異なる組成を取り得るため、一般式がA2BX4、A227等の組成としてABX3以外の組成としても表される。本実施形態における組成物は、ペロブスカイト構造を有する結晶構造を有する固体結晶の化合物を含むことで、さらに電荷の移動に有利とすることができる傾向にある。
ペロブスカイト構造を構成する、Aサイトカチオンの平均価数は0.7価以上1.3価以下であることが好ましく、Bサイトカチオンの平均価数は1.4価以上2.6価以下であることが好ましく、Xサイトアニオンの平均価数が0.7価以上、1.3価以下であることが好ましい。ここにおける「平均価数」とは、ペロブスカイト構造を有する結晶構造において、各サイトに存在するカチオン及びアニオンの価数の平均値である。構成するAサイトカチオン、Bサイトカチオン、及びアニオンは、1種のものに限らず、複数種のカチオン又はアニオンから構成することができる。
本実施形態の組成物のカチオンAは、分子カチオンや、単一元素カチオンが挙げられる。分子カチオンには、有機分子カチオンや金属クラスターなどが挙げられ、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、有機分子カチオンが好ましく、より具体的にはアンモニウム基を含む有機分子カチオンがより好ましい。また、カチオンAが存在する結晶サイトは、有機分子カチオンを含むことが好ましく、アンモニウム基を含む有機分子カチオンを含むことがより好ましい。なお、本実施形態における「有機分子」とは炭素原子を含む分子、などを意味する。ここで、有機分子カチオンを構成する炭素数は、組成物の形成がより容易である観点から、1以上10以下が好ましく、1以上6以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。また、有機分子カチオンを構成する窒素数は、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、1以上3以下が好ましい。上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、一つの分子を構成する炭素と窒素の和が1以上5以下であることがより好ましい。
上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成のために、本実施形態の組成物の全カチオンのうち、カチオンAは、10モル%以上90モル%以下であることが好ましい。上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、80モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましい。
上記有機分子カチオンの具体例としては、以下に限定されないが、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、プロピルアンモニウムカチオン、ブチルアンモニウムカチオン、ペンタアンモニウムカチオン、ヘキサアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、ジエチルアンモニウムカチオン、ジプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオン、グアニジンカチオン、イミダゾールカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体などが挙げられ、有効イオン半径が小さいほど結晶化が容易である観点から、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオン、グアニジンカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体、が好ましく、半導体特性の向上に有利である観点から、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、アニリンカチオン、グアニジンカチオンがより好ましい。
上記単一元素カチオンは、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、第1族〜第3族元素カチオンが好ましく、第1族又は第2族元素カチオンがより好ましく、第1族元素カチオンがさらに好ましい。上記単一元素カチオンは、具体的には、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、スカンジウムなどのカチオンが挙げられ、1価のカチオンであることが、結晶形成に有利である観点から、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなどのカチオンが好ましく、イオン半径が大きいほど光吸収特性に有利である観点から、ルビジウムカチオン、セシウムカチオンがさらに好ましく、セシウムカチオンが最も好ましい。
上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成のために、該組成物の全カチオンのうち、カチオンBは、10モル%以上90モル%以下であることが重要である。上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、20モル%以上が好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がさらに好ましい。
組成物の半導体特性を向上させるために有利である観点や、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、電子配置がs2100となるカチオンを、カチオンBとして含むことが好ましい。具体的には、カチオンBは、第13族元素〜第15族元素のいずれかの元素を含むことが好ましい。上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造、特にペロブスカイト構造の形成に有利である観点から、カチオンBは、第14族元素を含むことが好ましく、具体的には、Ge(ゲルマニウム)カチオン、Sn(錫)カチオン、Pb(鉛)カチオンが好ましく、Snカチオン、Pbカチオンがより好ましく、Pbカチオンがさらに好ましい。より具体的には、Ge2+カチオン、Sn2+カチオン、Pb2+カチオンが好ましく、Sn2+カチオン、Pb2+カチオンがより好ましく、Pb2+カチオンがさらに好ましい。また、電子配置がs2100であり、人体への毒性が少なく、酸化に対し安定である観点から、カチオンBは、Bi(ビスマス)カチオンを含むことが好ましい。より具体的には、上記観点からBi3+カチオンが好ましい。
上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、組成物のアニオンのうち、第17族元素アニオンが40モル%以上100モル%以下であることが重要である。上記観点から、組成物のアニオンのうち、第17族元素アニオンは、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素アニオン、臭素アニオン、塩素アニオン、フッ素アニオン、が挙げられ、八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、ヨウ素アニオン、臭素アニオン、塩素アニオン、が好ましく、結晶の共有結合性が強くなり、組成物に含まれる固体結晶のバンドギャップが小さくなる観点、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、ヨウ素アニオン又は塩素アニオンのいずれかがより好ましく、ヨウ素アニオンがさらに好ましい。また、結晶のイオン結合性が強くなり、組成物の透明性が向上する観点、組成物に含まれる結晶の結晶性が向上する観点から、塩素アニオンが好ましい。なお、本実施形態における「透明性が向上」とは、バンドギャップが大きくなること、具体的には、バンドギャップが3.0eV以上になることなどを意味する。また、上記アニオンには、第17族元素アニオン以外のアニオンもふくむことができ、該組成物の形成に有利である観点から、第16元素アニオンや擬ハロゲンアニオンなどが挙げられる。具体的には、酸素アニオン、硫黄アニオン、セレンアニオン、テルルアニオン、シアネートアニオン、チオシアネートアニオン、セレノシアネートアニオンが挙げられる。
本実施形態の組成物において、少なくとも一部の形態が、平均粒子径が1.0nm以上、1.0mm以下である粉末状の固体(以下、「粉末固体」ともいう。)であることが、取り扱いが容易である観点、バンドベンディングが大きくなる観点から好ましい。粒子径が大きいほど、光キャリアが単位距離を移動するために通過する必要が生じる粒子の平均数を少なくする観点から、平均粒子径は、10nm以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましい。また、該組成物を固定化する際に、より緻密に堆積することができる観点から、平均粒子径は、100μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
本実施形態の組成物に含まれる結晶、例えば、ABX3やA329で表される化合物とした場合に、カチオンA、カチオンB、アニオンX(以降、Aサイトカチオン、Bサイトカチオン、Xサイトアニオンなどとも表記する。)の少なくともいずれが、該固体中で濃度勾配を有している。濃度勾配について、メチルアミン・ヨウ化水素塩を含む固体とヨウ化鉛を含む固体とからCH3NH3PbI3のペロブスカイト構造を有する固体結晶を得る場合を一例として次に挙げる。その濃度勾配は、表面近傍がCH3NH3PbI3の組成であり、中心に向かって原料成分であるヨウ化鉛の濃度が高くなっていき、該粉体の中心部分は原料成分のみの組成となるように勾配を有している。
上記濃度勾配を有する構造であることにより、粉末固体中にバンドベンディングを形成することができる。バンドベンディングが形成されると、例えば、光を照射した際に電子と正孔が生成するが、それらの電荷分離を促進することで再結合を抑制することができる傾向にある。それにより、例えば、該組成物を太陽電池の材料として用いた場合に、生成した電子と正孔を効率よく電極に送ることができることから、光電変換効率の高い太陽電池とすることができる傾向にある。
粉末固体中における上記濃度勾配は、n型特性を強くする観点から、カチオンが化学量論組成よりも多く含まれていることが好ましい。また、価数の変化が少ない観点から、粉末固体は、Aサイトカチオンを、そのAサイトカチオンの化学量論量よりも多く含むことが好ましい。ここで、Aサイトカチオンの化学量論量とは、化合物の一般式における化学組成量と等しい含成量であることを示す。例えば、ABX3で表されるペロブスカイト構造を有する化合物の場合、AとBのモル比が1:1であるものが化学量論量である。
本実施形態の組成物は、価電子帯と伝導帯との間にバンドギャップを有する化合物を含むことが好ましく、また、半導体材料として使用することが好ましい。
なお、上述の濃度勾配を有していることは、プラズマエッチング等のエッチングにより、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の表面を削る操作を伴うX線光電子分光(XPS)等を行い、化合物深さ方向の元素組成比を評価することにより、確認することができる。また、それと同時に生成物である該組成を有する組成物であることや、組成物を形成するカチオン及び/またはアニオンの価数などの化学状態を同定することもできる。さらに、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造において、各種Aサイトカチオン、Bサイトカチオン、Xサイトアニオン、並びにその他のカチオン及びアニオンを同定し、それらのモル量を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
該組成物は、後述する本実施形態の組成物の製造方法によって得ることができる。即ち、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とが接する界面から、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造が形成する。そのため、原料固体の界面から遠い固体内部は、反応の影響が少ないために、より固体原料成分組成の多い固体が得られる。特に、Aサイトが有機物を含む上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の化合物よりも、ハロゲン化金属の方が物理的強度に優れるため、内部にハロゲン化金属が存在すると強度を強くするために有利である観点から、組成物は、その粉末状の固体中にハロゲン化金属を含むことが好ましい。
なお、上述の内部にハロゲン化金属を有することは種々公知の方法により評価することができ、例えば、Aサイトカチオンが化学量論組成よりも多く含まれていることは、X線回折による評価することで、又は透過型電子顕微鏡により、原子像を観測することで確認できる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により確認できる。
上述の濃度勾配を有する構造とするためには、例えば、後述する組成物の製造方法の接触工程における、接触時間、接触温度、接触雰囲気の制御、摩擦工程を含むことによって制御することができる。その他には、一方の固体原料(例えば塩基及びハロゲン化水素の塩である固体粉末)と、他方の原料を溶解した溶液を接触させる、例えば、浸漬、塗布などによっても得ることができる。
本実施形態の組成物は、光電変換素子、発光材料、導電材料等として使用されることができ、より具体的には、太陽電池材料、光センサー、LED、導電性材料等として利用されることができる。製造が他の半導体材料に比べ比較的容易であるため、大面積化に容易である観点から、太陽電池材料として利用することが好ましい。太陽電池材料として利用する際には、ペロブスカイト構造を有する固体結晶を含む組成物は、光吸収層の光吸収剤、集電層の材料、電子輸送材料、正孔輸送材料等として使用されることが挙げられ、太陽光エネルギー変換に適したバンドギャップを有することができる観点から、光吸収層の光吸収剤として使用されることが好ましい。
〔組成物の製造方法〕
本実施形態の組成物の製造方法は、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを、不活性ガス雰囲気下で接触させ、上述した組成物を得る接触工程を有する。
〔接触工程〕
本実施形態の接触工程は、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを接触させる。以下、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体とハロゲン化金属を含む固体とを区別しない場合には、単に「原料固体」、又は「原料」ともいう。
塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体が接する時間、即ち接触工程における接触時間は、所定の時間より短いと上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の生産効率の観点から有利であり、所定の時間より長いと反応をより進行させるために有利である観点や、生成物の濃度勾配を大きくする観点、および固体内部にハロゲン化金属を含ませることに有利である観点から、1.0秒以上30分以下が好ましい。また、生産効率の観点や、生成物の濃度勾配を大きくする観点、および固体内部にハロゲン化金属を含ませることに有利である観点から、接触時間は、20分以下がより好ましく、1.0分以下がさらに好ましい。他方、反応をより進行させるために有利である観点から、接触時間は、2.0秒以上がより好ましく、5.0秒以上がさらに好ましい。
塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを接触させる際の温度、即ち接触工程における接触温度は、−50℃以上200℃以下であることが好ましい。反応速度を促進させる観点から、上記接触温度は、0℃以上が好ましく20℃以上がより好ましい。原料成分の揮発を防ぐ観点や、生成物の濃度勾配を大きくする観点、および固体内部にハロゲン化金属を含ませることに有利である観点から、上記接触温度は、120℃以下が好ましく、60℃以下がさらに好ましい。
塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属の固体とを接触させる雰囲気、即ち接触工程における接触雰囲気は、得られる化合物の純度の観点から、不活性ガス雰囲気又は窒素雰囲気であることが好ましい。また、不活性ガス又は窒素雰囲気であることにより、光電変換効率を低減させる可能性のある水和物等が該組成物中に発生を抑えることができる傾向にある。一方、濃度勾配のある組成物の合成を促進すること及び/又は内部にハロゲン化金属を含む組成物の粒子の合成を促進すること、及び水蒸気等が融材として機能し各構成アニオン及びカチオンの拡散を促進することに起因して該組成物の組成を均一化することを抑制することの観点からは、接触雰囲気は不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
それぞれの原料の表面でより均一な反応をさせる観点、摩擦熱や原料固体内部の変形によるひずみエネルギーに起因する熱を生じさせ、反応速度を向上させる観点、及び摩擦を生じさせる際に固体同士の移動などに伴う応力を生じさせることで固相反応を促進させる観点から、本実施形態の接触工程は、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体との界面に、摩擦を生じさせる摩擦工程を含むことが好ましい。摩擦工程における摩擦の速度(摩擦速度)は、それぞれの固体との界面に0.01mm/s以上、1000km/s以下であることが好ましい。摩擦速度が速いほど、固相反応の促進に有利である観点から、摩擦速度は、1.0mm/s以上がより好ましく、1.0cm/s以上がさらに好ましい。また、摩擦速度を大きくするためには、より大きな運動エネルギーを加える必要があるため、必要とするエネルギーを小さくする観点や、生成物の濃度勾配を大きくする観点、および固体内部にハロゲン化金属を含ませることに有利である観点から、摩擦速度は、10km/s以下がより好ましく、1.0km/s以下がさらに好ましく、100m/s以下がよりさらに好ましい。摩擦速度は、後述する実施例で記載する方法により算出して設定することができる。
摩擦工程において、原料の固体に対し圧力を加えることは、原料の内部ひずみや欠陥の生成を促進するために、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造を生成する反応を進行させる観点から好ましい。摩擦工程において加える圧力(摩擦圧力)は、1.0Pa以上、100MPa以下が好ましい。加える圧力が大きいほど、原料の内部ひずみや欠陥の生成を促し、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の生成を促進する観点から、摩擦圧力は、100Pa以上がより好ましく、500Pa以上がさらに好ましい。また、大きな圧力を加えるためには、より大きなエネルギーを必要とする観点や、生成物の濃度勾配を大きくする観点、および固体内部にハロゲン化金属を含ませることに有利である観点から、摩擦圧力は、10MPa以下がより好ましく、5.0MPa以下がさらに好ましい。加える圧力方向は、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体から、アニオンの40モル%以上がハロゲンのアニオンである無機化合物の固体の方向に、又はその逆の方向に圧力をかけることが好ましい。摩擦圧力は、後述する実施例で記載する方法により算出して設定することができる。
(塩基及びハロゲン化水素の塩)
本実施形態の塩基及びハロゲン化水素の塩とは、酸であるハロゲン化水素と、ハロゲン化水素よりも相対的に塩基である化合物との塩である。上記ハロゲン化水素とは、プロトンと、新IUPACの周期表における第17族元素のアニオンとの化合物である。具体的なハロゲン化水素としては、特に限定されないが、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水が挙げられ、イオン結合性が小さいほど、結合解離に有利である観点から、ヨウ化水素、臭化水素、塩素が好ましく、ヨウ化水素、臭化水素がより好ましい。
上記塩基は、塩を形成するハロゲン化水素がブレンステッド酸である観点から、ブレンステッド塩基であることが好ましい。上記塩基は、有機物を含む塩基、無機物のみからなる塩基等のいずれも適用することができる。有機物を含む塩基は、塩基性を有する官能基を含むことが好ましい。具体的な有機物を含む塩基としては、アミン基、チオール基、ホスフィン基等の官能基を有する塩基が挙げられ、においが強くない観点や、爆発の危険性が比較的少ない観点から、アミン基を有するアミンが好ましい。
上記有機物を含む塩基が有する官能基の数は、1以上、4以下が好ましい。生成物にペロブスカイト構造を有する固体結晶を形成するために有利である観点から、塩基が有する官能基の数は、2以下がより好ましく、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の、頂点を共有数が多い結晶構造を形成するのに有利である観点から1以下がさらに好ましい。有機物を含む塩基の炭素鎖は、飽和結合、又は不飽和結合を有していてもよい。上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の、アニオンを6配位するカチオンユニットに対し、電子閉じ込め効果に有利である観点から、飽和結合を有することが好ましい。有機物を含む塩基の炭素数は、1以上、20以下が好ましい。炭素数が少ないほど、固相反応における塩基の拡散に有利である観点から、炭素数は10以下がより好ましく、6以下がさらに好ましく、3以下が最も好ましい。より具体的に、飽和結合又は不飽和結合の炭素鎖を有する塩基は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンタアミン、ヘキサアミン、アニリン、ジメチルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン、グアニジン、及びこれらの異性体が好ましく、上記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造の形成に有利である観点から、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン、グアニジン、及びこれらの異性体が好ましく、メチルアミン、エチルアミン、グアニジン、がさらに好ましい。
上記無機物のみからなる塩基は、電気陰性度が弱く、正に帯電しやすい観点から、水素を除く第1〜3族が好ましく、水素を除く第1及び2族がより好ましく、水素を除く第1族がさらに好ましい。具体的な塩基としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baが好ましく、Rb、Cs、Ca、Sr、Baがより好ましく、Rb、Csがさらに好ましい。
塩基及びハロゲン化水素の塩としては、特に限定されないが、例えば、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、プロピルアミン・ヨウ化水素塩、プロピルアミン・臭化水素塩、プロピルアミン・塩化水素塩、ブチルアミン・ヨウ化水素塩、ブチルアミン・臭化水素塩、ブチルアミン・塩化水素塩、ペンタアミン・ヨウ化水素塩、ペンタアミン・臭化水素塩、ペンタアミン・塩化水素塩、ヘキサアミン・ヨウ化水素塩、ヘキサアミン・臭化水素塩、ヘキサアミン・塩化水素塩、アンモニア・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、ジエチルアミン・ヨウ化水素塩、ジエチルアミン・臭化水素塩、ジエチルアミン・塩化水素塩、ジプロピルアミン・ヨウ化水素塩、ジプロピルアミン・臭化水素塩、ジプロピルアミン・塩化水素塩、トリメチルアミン・ヨウ化水素塩、トリメチルアミン・臭化水素塩、トリメチルアミン・塩化水素塩、トリエチルアミン・ヨウ化水素塩、トリエチルアミン・臭化水素塩、トリエチルアミン・塩化水素塩、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、イミダゾール・塩化水素塩、イミダゾール・ヨウ化水素塩、イミダゾール・臭化水素塩、アニリン・臭化水素塩、アニリン・塩化水素塩、などが挙げられ、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、イミダゾール・塩化水素塩、イミダゾール・ヨウ化水素塩、イミダゾール・臭化水素塩、アニリン・臭化水素塩、アニリン・塩化水素塩、などが好ましく、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、などがより好ましい。
塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体の形態は、固体であれば特に限定されず、粉末状や膜状であっても構わない。固相反応において、比表面積が大きいほど反応の進行に有利である観点から、上記形態は粉末状であることが好ましい。粉末状の固体である場合には、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体の平均粒子径は、1.0nm以上、1.0mm以下であることが好ましい。粒子径が大きいほど、原料を製造するのに容易である観点から、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体の平均粒子径は、10nm以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましい。また、比表面積が高いほど、固相反応の進行に有利である観点から、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体の平均粒子径は、100μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。ここで、平均粒子径とは、電子顕微鏡等において観察される粒子径の平均であり、二次粒子の粒子径であってもよい。具体的には、後述する実施例で記載する方法により測定する。
(ハロゲン化金属)
本実施形態のハロゲン化金属は、アニオン及びカチオンを含み、少なくともアニオンの状態にあるハロゲン及びカチオンの状態にある無機金属種を含む。ハロゲンは、新IUPACの周期表における第17族元素であり、より具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等である。イオン結合性が小さいほど、結合解離に有利である観点から、ハロゲンは、ヨウ素、臭素、塩素であることが好ましく、ヨウ素、臭素であることがより好ましい。
無機金属種は、水素を除く第1族から16族までの元素であり、d軌道に電子を有する金属であると、化合物の形成にd軌道を利用できる観点から、第3族元素〜第16族元素の元素が好ましく、第10族元素〜第16族元素の元素がより好ましく、第13族〜第16族の元素のいずれかの金属であることがよりさらに好ましい。一方、電気陰性度が大きい元素のカチオンである方が、化合物のイオン結合性は小さくなり、イオン結合が弱すぎると、生成したペロブスカイト構造を有する化合物結合解離が容易になりすぎてしまい、不安定になる観点から、無機金属種は、第13族元素〜第15族元素までが好ましく、第13族元素が最も好ましい。具体的に無機金属種としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ化鉛、臭化鉛、塩化鉛、ヨウ化錫、臭化錫、塩化錫、ヨウ化ゲルマニウム、臭化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ヨウ化タリウム、臭化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化インジウム、臭化インジウム、塩化インジウム、ヨウ化ガリウム、臭化ガリウム、塩化ガリウム、ヨウ化ビスマス、臭化ビスマス、塩化ビスマス、ヨウ化アンチモン、臭化アンチモン、塩化アンチモン、が挙げられ、ヨウ化鉛、臭化鉛、塩化鉛、ヨウ化錫、臭化錫、ヨウ化ビスマス、臭化ビスマス、塩化ビスマスが好ましく、ヨウ化鉛、臭化鉛、塩化鉛、ヨウ化ビスマス、臭化ビスマス、塩化ビスマスがより好ましい。
ハロゲン化金属は、それが含むアニオンの総量(100モル%)に対して、ハロゲンを40モル%以上含むことが好ましい。ハロゲンは、電気陰性度が比較的大きく、生成したペロブスカイト構造を有する固体結晶のカチオンとの結合力が比較的大きくなる観点から、ハロゲン化金属は、ハロゲンを60モル%以上含むことがより好ましく、80モル%含むことがさらに好ましく、90モル%含むことがよりさらに好ましい。
ハロゲン化金属を含む固体の形態は、固体であれば特に限定されず、粉末状や膜状であっても構わない。固相反応において、比表面積が大きいほど反応の進行に有利である観点から、ハロゲン化金属を含む固体の形態は、粉末状であることが好ましい。粉末状の固体である場合には、ハロゲン化金属を含む固体の平均粒子径は、1.0nm以上、1.0mm以下であることが好ましい。粒子径が大きいほど、原料を製造するのに容易である観点から、ハロゲン化金属を含む固体の平均粒子径は、10nm以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましい。また、比表面積が高いほど、固相反応の進行に有利である観点から、ハロゲン化金属を含む固体の平均粒子径は、100μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。具体的には、後述する実施例で記載する方法により測定する。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における物性、反応条件、及び生成物の同定は、以下に示す方法により、測定及び設定した。
(物性1)原料の平均粒子径及び生成物粉末の平均粒子径
原料の平均粒子径及び生成物粉末の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって任意の20個の粒子を観測し、それらの個数平均を算出することにより求めた。
(反応条件1)摩擦速度
本実施例における原料固体間の摩擦速度[cm/秒]は、乳鉢中を乳棒が移動する速度[cm/秒]とした。
(反応条件2)摩擦圧力
本実施例における原料固体にかかる圧力は、単位面積あたりにかかる、乳鉢中での乳棒の移動による生成物粒子への応力とし、上記乳棒が移動する速度から、下記の式を用いて算出した。
(圧力[MPa])=(乳棒の質量[g])×(乳棒の移動速度[cm/秒])÷(乳棒から粒子への作用時間[秒])÷(乳鉢と乳棒の接触面積[cm])
上記(乳棒から粒子への作用時間は、下記の式を用いて算出した。
(乳棒から粒子への作用時間[秒])=(粒子の平均粒子径[μm])÷(乳棒の移動速度[cm/秒])
とした。
(同定)生成物の同定
生成物は、実施例で生成した生成物のX線回折を測定し、そのパターンから同定した。測定に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
装置:X線回折測定装置、商品名「D8 ADVANCE」、ブルカー社製
測定条件
X線出力:40kV、40mA
(物性2)結晶化開始時間
結晶化開始時間(秒)は、目視により、各実施例の反応後から、生成物が生成していることを示す変色が開始するのに要した時間とした。なお、塩化物は原料と生成物との色の変化が見られないため、判定不能(−と表記)とした。
(物性3)ハロゲン化金属量
ハロゲン化金属量は、X線回折パターンのPbI2、またはBiI3、またはBiCl3由来する回折ピークの相対強度から求めた。相対強度は、最も大きい回折ピーク(実施例2におけるピーク)の高さを100%として、以下の基準により分類した。
大:70%以上100%以下
中:20%以上70%未満
小:5%以上20%未満
検出されない:5%未満(検出限界)
下記に示す通り、実施例1〜4では、塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体粉末とハロゲン化金属を含む固体とを、種々の条件にて接触させることにより、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する組成物を製造した。
<実施例1>
窒素雰囲気下にて、0.6gのPbI2粉末が入った乳鉢中に、PbI2に対しモル比1:1のCH3NH2・HI(メチルアミン・ヨウ化水素塩)を加え、CH3NH2・HIの添加直後から混合を開始した。乳鉢の質量は100g、乳鉢と乳棒の接触面積は1cm2であった。混合を開始してから2秒後に、サンプルの黒色への変色開始が見られた。15分後混合した黒色粉体をXRDにて同定した結果、ペロブスカイト構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約14°など)が観測された。
<実施例2>
実施例1の摩擦速度を10cm/秒とした以外は同様に反応を行った。
<実施例3>
実施例1の摩擦速度を150cm/秒とした以外は同様に反応を行った。
<実施例4>
CH3NH2・HIをCH3CH2NH2・HI(エチルアミン・ヨウ化水素塩)に替えた以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果、ペロブスカイト構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約12°など)が観測された。
<実施例5>
CH3CH2NH2・HIをC65NH2・HI(アニリン・ヨウ化水素塩)に替えた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果、ペロブスカイト構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約7°など)が観測された。
<実施例6>
CH3NH2・HIをCN35・HI(グアニジン・ヨウ化水素塩)に、ヨウ化鉛をヨウ化ビスマス(BiI3)に替えた以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約11°など)が観測された。
<実施例7>
CH3NH2・HIをCH3NH2・HCl(メチルアミン・塩化水素塩)に、ヨウ化鉛を塩化ビスマス(BiCl3)に替えた以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約14°など)が観測された。
<実施例8>
CH3NH2・HIを(CH32NH・HCl(ジメチルアミン・塩化水素塩)に替えた以外は、実施例7と同様に反応を行った。結果、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶の回折パターン(ピーク位置:2θ=約14°など)が観測された。
実施例1〜8の反応後生成物のXRDパターンから、いずれもPbI2、またはBiI3、またはBiCl3回折ピークがみられたものの、もう一方の原料の塩基及びハロゲン化水素の塩に由来する回折パターンはみられなかった。
<比較例1>
操作を窒素雰囲気下から大気雰囲気下に替えて行った以外は、実施例1と同様に反応を行った。
<比較例2>
窒素雰囲気下にて、パイレックス(登録商標)製のナスフラスコ入れたγブチロラクトン溶媒に、CH3NH2・HIとPbI2とがモル比1:1で、かつCH3NH2・HIとPbI2との和が20質量%となるように加え、オイルバス中で60℃に加熱することで、黄色で透明な液体を得た。その後、エバポレータを用い、100℃のオイルバス中で減圧条件とすることで、溶媒を除去し、黒色粉末を得た。この粉末を実施例1と同様にXRDで同定した。
以上の実施例の結果から、実施例1〜8の反応ではいずれもカチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶の生成及び粉末状の固体中における濃度勾配が確認された。これにより、本実施形態の組成物の製造方法の要件を満たす製造方法を用いることで、カチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶を含む組成物を製造できることが示された。ここで、固体原料同士を窒素雰囲気下で接触させることでカチオンにアニオンが6配位することによる八面体構造を有し、この八面体構造を少なくとも一部頂点を共有する結晶構造を有する固体結晶を含む組成物を得ることができることは驚くべきことである。
なお、比較例1で示されているとおり、大気中で接触を行ってもペロブスカイト構造を有する固体結晶を含む組成物は得られているものの、大気中の水分の影響のためか、得られる固体結晶を含む組成物は水和物を含んでおり、濃度勾配は確認できなかった。
また、摩擦速度及び/又は摩擦圧力が小さくなることでPbI2の量が大きくなり、粒子全体の強度の観点から有利な材料が得られることがわかった。また、原料の仕込み量がペロブスカイト構造を有する固体結晶を含む組成物の化学量論量であったにも関わらず、組成物のXRDパターンはペロブスカイト構造を有する固体結晶を含む組成物及びPbI2のみを示した。この結果から、生成したペロブスカイト構造を有する固体結晶を含む組成物に含まれる塩基及びハロゲン化水素の塩に由来するAサイトカチオンは、化学量論量よりも多く含まれていることがわかり、価数の変化が受けにくい点で有利な材料であることがわかった。
この、カチオンAについて、実施例1、4、5を比較すると、塩基及びハロゲン化水素の塩について、分子カチオンを構成する有機鎖(CH3、CH3CH2、C65)が短いほど、結晶化開始時間が短くなり、結晶化に有利であることがわかった。
実施例6〜8の結果から、カチオンBはPbカチオンだけでなく、人体への安全性に有利なBiカチオンも本実施形態に適用できることが示された。また、実施例7、8の結果から、アニオンは、組成物の透明性に有利となる塩素アニオンも好適に適用できることが示された。
比較例2にて、溶剤を用いて製造した生成物には、PbI2が存在しなかったため、AサイトカチオンとBサイトカチオンとの濃度勾配が見られなかった。

Claims (22)

  1. 塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを、不活性気体中で接触させる接触工程を含む、組成物の製造方法であって、
    前記組成物は、メチルアンモニウムカチオン、エチルアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、又はアニリンカチオンの有機分子カチオンを含むカチオンA及び第13族元素〜第15族元素のいずれかの元素を含むカチオンBの2種類のカチオンと、アニオンと、を含む、固体結晶とハロゲン化金属とを含み、
    前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンAであり、
    前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンBであり、
    前記アニオンの40モル%以上100モル%以下が、第17族元素アニオンであり、
    前記固体結晶は、該固体結晶中で前記カチオンAと前記カチオンBとが異なる結晶サイトに存在し、前記カチオンBに対し、前記アニオンが6配位することによる八面体構造を有し、該八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造を有する、
    組成物の製造方法
  2. 少なくとも一部の形態が、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、請求項1に記載の組成物の製造方法
  3. 前記粉末状の固体に、ハロゲン化金属を含む、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法
  4. 前記粉末状の固体に、前記カチオンAを、該カチオンAにおける前記結晶サイトの化学量論量よりも多く含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  5. 前記カチオンの20モル%以上80モル%以下が、前記カチオンAである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  6. 前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が、前記第17族元素アニオンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  7. 前記第17族元素アニオンに、ヨウ素アニオン又は塩素アニオンのいずれかを含む、請求項に記載の組成物の製造方法
  8. 前記カチオンの20モル%以上80モル%以下が、前記カチオンBである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  9. 前記カチオンBに、鉛カチオン及び/又は錫カチオンを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  10. 前記カチオンBに、ビスマスカチオンを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  11. 前記八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造が、ペロブスカイト構造である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の製造方法
  12. 塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを、不活性気体中で接触させる接触工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  13. 前記接触工程における接触時間が、1.0秒以上30分以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  14. 前記接触工程における接触温度が、−50℃以上60℃以下である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  15. 前記接触工程における前記不活性気体中が、窒素である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  16. 前記接触工程は、前記塩を含む固体と、前記ハロゲン化金属を含む固体との界面に、0.01mm/s以上1000km/s以下の速度で摩擦を生じさせる摩擦工程を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  17. 前記摩擦工程における摩擦圧力が、1.0Pa以上100MPa以下である、請求項16に記載の組成物の製造方法。
  18. 前記ハロゲン化金属は、該ハロゲン化金属が含むアニオンの総量に対して、ハロゲンを40モル%以上含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  19. 前記ハロゲン化金属は、第13族元素〜第15族元素のいずれかの金属を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  20. 前記塩を含む前記固体は、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  21. 前記ハロゲン化金属を含む前記固体は、平均粒子径が1.0nm以上1.0mm以下である粉末状の固体である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  22. 塩基及びハロゲン化水素の塩を含む固体と、ハロゲン化金属を含む固体とを、不活性気体中で接触させる接触工程を含む、組成物の製造方法であって、
    前記組成物は、ホルムアミジンカチオン又はグアニジンカチオンの有機分子カチオンを含むカチオンA及びビスマスを含むカチオンBの2種類のカチオンと、アニオンと、を含む、固体結晶とハロゲン化金属とを含み、
    前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンAであり、
    前記カチオンの10モル%以上90モル%以下が、前記カチオンBであり、
    前記アニオンの40モル%以上100モル%以下が、第17族元素アニオンであり、
    前記固体結晶は、該固体結晶中で前記カチオンAと前記カチオンBとが異なる結晶サイトに存在し、前記カチオンBに対し、前記アニオンが6配位することによる八面体構造を有し、該八面体構造の少なくともいずれかが頂点を共有している結晶構造を有する、
    組成物の製造方法。
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