JP6468826B2 - シミュレーション装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、モータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、該モータ又は発電機の動的な挙動をシミュレートするシミュレーション装置及びコンピュータプログラムに関する。
モータ及び駆動回路の開発に、モータの動的な挙動をシミュレートするシミュレーション装置が利用されている。詳細かつ正確にモータの挙動をシミュレートすべく、電磁界解析によって得られた特性を用いてモータの挙動をシミュレートするモータ挙動シミュレータと、モータの駆動回路の動作をシミュレートする駆動回路シミュレータとを連成することが行われている(例えば、特許文献1)。連成シミュレータにおいては、駆動回路シミュレータは、時系列の各時点に対応するシミュレーションステップ毎に、モータ挙動シミュレータを呼び出してモータの挙動を詳細にシミュレートさせ、そのシミュレーション結果を用いて駆動回路の挙動をシミュレートする。
モータ挙動シミュレータは、複数のコイル、固定子及び回転子を有するモータの形状及び電磁特性を表す解析モデルの数値解析によって、駆動状態に応じたモータのインダクタンス、鎖交磁束等の特性を表す特性データベースを予め作成し、記憶する。モータは、例えば三相永久磁石モータである。数値解析は、有限要素法又は境界要素法等の公知の数値解析シミュレータを用いて行われる。有限要素法は、複雑な形状及び電磁特性を有するモータの回転子及び固定子を単純な形状及び電磁特性を有する小領域(要素)に分割し、単純化された各要素の特性を近似的に演算することでモータ全体の挙動を予測する手法である。モータ挙動シミュレータは、数値解析によって得られた特性データベースを用いてモータの挙動をシミュレートするため、インダクタンスのみで単純化した理想モータモデルを用いたシミュレータに比べて、より詳細にモータの挙動をシミュレートすることができる。
駆動回路シミュレータは、モータのU相、V相及びW相の各コイルに印加される電圧Vu、Vv、Vwをモータ挙動シミュレータに引き渡す。モータ挙動シミュレータは、モータの駆動状態に応じたインダクタンス、鎖交磁束等の特性を特性データベースから抽出し、電圧Vu、Vv、Vwに基づいて、各コイルの電流Iu,Iv,Iw、モータの機械角を算出し、そのシミュレーション結果を駆動回路シミュレータに返す。
モータの電気的な挙動は、例えば下記式(1)で表される。インダクタンス及び鎖交磁束は電流依存性、回転子の機械角依存性を有する。
Figure 0006468826
モータの回転子に作用するトルクは、例えば下記式(2)で表される。モータの運動方程式を解くことによって、回転子の機械角も求まる。なお、特性データベースを作成する際、モータの駆動状態に応じたトルクを表すトルク特性データベースも予め作成しておき、該トルク特性データベースを用いて、トルクを求めることもできる。
Figure 0006468826
駆動回路シミュレータは、モータ挙動シミュレータから返されたシミュレーション結果の電流Iu,Iv,Iw及びモータの機械角に基づいて、次シミュレーションステップにおける電圧Vu、Vv、Vwを算出する。以下、同様の処理を繰り返すことによって、理想モータモデルでは再現することができない詳細かつ正確なモータの動的な挙動をシミュレートすることができる。
発電機の動的な挙動についても、同様にしてシミュレートすることができる。
特許第5016504号公報
しかしながら、従来手法ではモータで発生する鉄損の影響が無視されており、モータの駆動状態によっては回転子に働くトルクが過大評価されるという問題があった。モータの回転数が基底回転数よりも、十分に低い運転状態では鉄損を無視しても大きな問題はないが、回転数が基底回転数に近づくあるいは基底回転数を超えると、鉄損の影響を無視できなくなる。基底回転数は、電圧と誘起電圧とが釣り合う回転数である。
なお、鉄損の影響を考慮したシミュレータも存在するが、無負荷時の鉄損が考慮されているに過ぎず、モータに負荷が掛かっている状態のシミュレーション結果は、実際のモータの挙動から乖離している。
また、理想モータモデルにおいては、単純な電気抵抗を用いて鉄損を表現することが考えられているが、詳細な解析モデルに基づく鉄損を考慮し、モータの挙動を詳細にシミュレートすることは行われていない。
発電機についても同様の問題が存在する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、モータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づく鉄損の影響を考慮し、モータ又は発電機の動的な挙動をシミュレートすることができるシミュレーション装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係るシミュレーション装置は、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、複数時点それぞれにおける該モータ又は発電機の挙動をシミュレートするシミュレーション装置であって、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じた各コイルのインダクタンスを表すインダクタンス特性を算出するインダクタンス算出部と、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じて前記可動子に作用する電磁力を表す電磁力特性を算出する電磁力算出部と、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の速度に応じて生ずる損失を表す損失特性を算出する損失算出部と、各コイルの電流、先行する時点で算出した前記可動子の位置及び速度、前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた各コイルの電流を算出する電流算出部と、該電流算出部にて算出した電流、先行する時点で算出した前記可動子の位置、及び前記電磁力特性に基づいて、前記可動子に作用する電磁力を算出する電磁力算出部と、該電磁力算出部にて算出した電磁力に基づいて、前記可動子の位置及び速度を算出する算出部とを備える。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、複数時点それぞれにおける該モータ又は発電機の挙動をシミュレートさせるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じた各コイルのインダクタンスを表すインダクタンス特性を予め算出するステップと、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じて前記可動子に作用する電磁力を表す電磁力特性を予め算出するステップと、前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の速度に応じて生ずる損失を表す損失特性を予め算出するステップとを実行させ、更に、前記インダクタンス特性、電磁力特性及び損失特性を算出した後、前記コンピュータに、各コイルの電流、先行する時点で算出した前記可動子の位置及び速度、前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた各コイルの電流を算出する電流算出ステップと、該電流算出ステップにて算出した各コイルの電流、先行する時点で算出した前記可動子の位置及び速度並びに前記電磁力特性に基づいて、前記可動子に作用する電磁力を算出する電磁力算出ステップと、該電磁力算出ステップにて算出した電磁力に基づいて、前記可動子の位置及び速度を算出するステップとを反復実行させる。
本発明によれば、モータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づく鉄損の影響を考慮し、モータ又は発電機の動的な挙動をシミュレートすることができる。
本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。 回転軸方向から見たモータを示す模式図である。 モータの回路構成を示す模式図である。 シミュレーション装置が実行する連成解析の概要を示す概念図である。 特性データベースの作成に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 連成解析に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 モータ挙動シミュレーションに係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 鉄損等価抵抗を示す回路図である。 実施形態に係るシミュレーション装置の作用効果を示す実シミュレーションで使用するモータの形状を表す概念図である。 実施形態に係るシミュレーション装置の作用効果を示した解析結果のグラフである。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。図中1は、本発明の実施の形態に係るシミュレーション装置である。シミュレーション装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算部11を備えたコンピュータであり、演算部11にはバスを介して記憶部12が接続されている。記憶部12は、例えば不揮発性メモリ及び揮発性メモリを備える。不揮発性メモリは、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のROMである。不揮発性メモリは、コンピュータの初期動作に必要な制御プログラム、及び本実施形態に係るコンピュータプログラムを記憶している。コンピュータプログラムは、例えばモータ挙動シミュレータプログラム、駆動回路シミュレータプログラム、数値解析シミュレータプログラム等を含む。演算部11は、コンピュータプログラムを実行することによって、モータ4の挙動をシミュレートするモータ挙動シミュレータ、モータ4(図2参照)を駆動する駆動回路の挙動をシミュレートする駆動回路シミュレータ、有限要素法、境界要素法等の数値解析によってモータ4の挙動を電磁界解析する数値解析シミュレータとして機能する。揮発性メモリは、例えばDRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等のRAMであり、演算部11の演算処理を実行する際に不揮発性メモリから読み出された制御プログラム、コンピュータプログラム又は演算部11の演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。
また記憶部12は、モータ4を構成する複数のコイル42、固定子41及び回転子43(図2参照)の二次元又は三次元形状及び電磁特性を表す解析モデル12a、モータ4を駆動する駆動回路モデル等を記憶している。
図2は回転軸方向から見たモータ4を示す模式図、図3はモータ4の回路構成を示す模式図である。シミュレーション対象のモータ4は、例えば、2極3スロットの三相永久磁石同期モータである。モータ4は、界磁束を発生させるU相コイル42u、V相コイル42v及びW相コイル42wが周方向に等配された円筒状の固定子41と、該固定子41の内径側に同心円状に配された回転子43とを備えている。各コイル42は、例えば図3に示すようにスター結線されている。回転子43は、円柱状をなし、一対の永久磁石43aを備えている。なお、説明を簡単にするために2極3スロットの三相永久磁石同期モータを用いた例を説明するが、極数、スロット数及びコイル42の数はこれに限定されない。解析モデル12aは、例えばモータ4を構成する複数のコイル42、固定子41及び回転子43の形状を表す3次元CADデータ等の3次元形状モデル、3次元形状モデルを構成する各部の材料特性等を含む。材料特性としては、磁化特性、電気特性、機械特性、熱特性、鉄損特性等が挙げられる。電気特性は、導電率、比誘電率等である。鉄損特性は、磁束密度の大きさ及び該磁束密度の変動周波数成分と、鉄損との関係を規定する数式、テーブル等である。
シミュレーション対象の駆動回路は、例えばドライバ及びインバータにて構成されている。記憶部12は、前記ドライバ及びインバータを構成する複数の回路素子及び各回路素子の接続状態及び特性を表す駆動回路モデルを記憶している。
更に、記憶部12は、モータ4の動的な挙動をシミュレートするための特性データベースとして、インダクタンス特性DB(Database)12b、鎖交磁束DB12c、トルク特性DB12d及び鉄損特性DB12eを記憶する。各特性データベースは、モータ4の挙動をシミュレートする前段階に作成されるものであり、その詳細は後述する。
なお記憶部12として、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の読み出しが可能なディスクドライブ、及び可搬式の記録媒体2からデータの読み出しが可能なCD−ROMドライブ等の装置を備えても良い。本実施形態に係るコンピュータプログラムは、可搬式メディアであるCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray Disc)(登録商標)等の記録媒体2にコンピュータ読み取り可能に記録されている。なお、光ディスクは、記録媒体2の一例であり、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等にコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録しても良い。演算部11は、記録媒体2からコンピュータプログラムを読み出して、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等に記憶させる。演算部11は、記録媒体2に記録されたコンピュータプログラム又は記憶部12が記憶するコンピュータプログラムを、実行することにより、コンピュータをシミュレーション装置1として機能させる。
また、シミュレーション装置1は、図1に示すようにキーボード又はマウス等の入力装置13と、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の出力装置14とを備えており、データの入力等の使用者からの操作を受け付ける。
更に、シミュレーション装置1は、通信インタフェース15を備え、通信インタフェース15に接続されている外部のサーバコンピュータ3から本発明に係るコンピュータプログラムをダウンロードし、演算部11にて処理を実行する形態であってもよい。
図4はシミュレーション装置1が実行する連成解析の概要を示す概念図である。まず、シミュレーション装置1は、モータ4の挙動をシミュレートする前に、有限要素法モデル等の解析モデル12aに基づく電磁界解析によってモータ4の各種特性を算出する。例えば、演算部11は、モータ4の特性として、インダクタンス、鎖交磁束、トルク、鉄損等の特性を算出し、各種特性を格納した特性データベースを作成する。
そして、シミュレーション装置1は、モータ挙動シミュレータと、駆動回路シミュレータとを連成させて、モータ4の動的な挙動をシミュレートする。駆動回路シミュレータは、モータ4の各コイル42に印加される電圧[V]=[Vu、Vv、Vw]をモータ挙動シミュレータに引き渡す。モータ挙動シミュレータは、モータ4の駆動状態に応じたインダクタンス、鎖交磁束等の特性を特性データベースから抽出し、電圧[V]に基づいて、各コイル42の電流[I]=[Iu,Iv,Iw]、モータ4の機械角θmを算出し、そのシミュレーション結果を駆動回路シミュレータに返す。以下、同様の処理を反復的に実行することによって、モータ4の動的な挙動をシミュレートすることができる。
以下、本実施形態に係るシミュレーション方法として、特性データベースの作成手順、モータ4の挙動シミュレート手順を順に説明する。
図5は特性データベースの作成に係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。シミュレーション装置1の演算部11は、記憶部12が記憶しているコンピュータプログラムに従って、以下の処理を実行する。演算部11は、まずシミュレーション対象であるモータ4の解析モデル12a及び駆動回路モデルの選択、その他各種設定を入力装置13にて受け付ける(ステップS11)。
ステップS11の処理を終えた演算部11は、解析モデル12aに基づいてモータ4のU相コイル42u、V相コイル42v及びW相コイル42wの電気抵抗を算出する(ステップS12)。各コイル42の電気抵抗は、コイル42の巻数、径、導電率等の設定値等に基づいて算出される。
次いで、演算部11は、駆動状態を示すパラメータ、つまり各コイル42を流れる電流の振幅Iam及び位相β、並びに回転子43の機械角θmの値を振りながら、有限要素法による電磁界解析を実行する(ステップS13)。例えば、演算部11は、振幅Iamの値として0,Iam1,Iam2,Iam3,Iam4の5点、位相βの値として、0度,10度〜350度と10度刻みで36点、回転子43の位置を電機角において2度刻みで90点取り、各点の組み合わせ毎に電磁界解析を実行する。なお、鉄損を正確に算出するために、回転子43の回転速度ωも複数点取って電磁界解析を行い、磁気ベクトルポテンシャルの時間変化を算出しても良い。有限要素法では、モータ4の3次元形状モデルを複数の要素に分割する。例えば、演算部11は、モータ4の3次元形状モデルを複数の四面体要素、六面体要素、四角錐要素、三角柱要素等に分割する。演算部11は、マクスウェル方程式から得られる多元一次連立方程式を、特定の境界条件、例えばディリクレ境界条件、ノイマン境界条件の下で数値計算することにより、各要素の磁気ベクトルポテンシャルを算出する。磁気ベクトルポテンシャルから、モータ4の各部の磁界又は磁束密度が得られる。磁界又は磁束密度は、モータ4のインダクタンス、鎖交磁束、トルク、電流密度、鉄損等を算出するための基本的な情報である。
準定常磁場は、下記式(3)に示すマクスウェル方程式で記述され、磁界は下記式(4)で表される。
Figure 0006468826
電流密度[J]は、モータ4のコイル42を流れる強制電流成分と、変動磁場によって発生する渦電流成分とを含み、下記式(5)で表される。また、渦電流密度は、下記式(6)で表される。なお、説明を簡単にすべく、準定常磁場のスカラーポテンシャルφを0として以下説明する。なお、スカラーポテンシャルφに特定の境界条件を与えても良いし、電磁ポテンシャルとして未知数として取り扱っても良い。
Figure 0006468826
上記式(3)に上記式(4)〜(6)を代入することで、上記式(4)に示したマクス
ウェル方程式は、下記式(7)で表される。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、ステップS13の電磁界解析結果に基づいて、各コイル42の電流及び回転子43の位置に応じた各コイル42のインダクタンス及び鎖交磁束を算出する(ステップS14)。各コイル42のインダクタンスは、下記式(8)で表される。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、ステップS13の電磁界解析結果に基づいて、各コイル42の電流及び回転子43の位置に応じて回転子43に作用する電磁力を算出し、該回転子43に働くトルクを算出する(ステップS15)。演算部11は、例えば節点力法等の手法を用いて、回転子43に作用する電磁力を算出する。ここで算出されるトルクは鉄損の影響が考慮されていないものである。鉄損はステップS13の電磁界解析で得られた磁束密度を元に後処理で算出されるためである。
次いで、演算部11は、ステップS13の電磁界解析結果に基づいて、各コイル42に流れる電流の振幅Iam及び位相β、並びに回転子43の回転速度ωに応じたモータ4の鉄損を算出する(ステップS16)。演算部11は、磁束密度の分布、解析モデル12aとして指定された各部の鉄損特性、導電率等に基づいて、モータ4の渦電流損及びヒステリシス損等の鉄損を算出する。鉄損は、磁束密度の大きさと、磁束密度の変動に係る周波数成分とに依存する。演算部11は、磁束密度の大きさ及び周波数成分を求め、鉄損特性に基づいて、該大きさ及び周波数分に応じた鉄損を求める。なお、鉄損を算出する際、必ずしも電磁ポテンシャルの時間微分成分を求める必要は無い。ステップS16で算出される鉄損はモータ4全体における鉄損である。
そして、演算部11は、ステップS14で算出したインダクタンスL(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納したインダクタンス特性DB12bを作成する(ステップS17)。
次いで、演算部11は、ステップS14で算出した各コイル42における鎖交磁束、特に回転子43の永久磁石43aによる鎖交磁束ψmag(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納した鎖交磁束特定DBを作成する(ステップS18)。
次いで、演算部11は、ステップS15で算出したトルクT(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納したトルク特性DB12dを作成する(ステップS19)。
次いで、演算部11は、ステップS16で算出した鉄損Wloss(Iam,β,ω)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の回転速度ωとを対応付けて格納した鉄損特性DB12eを作成し(ステップS20)、処理を終える。
図6は連成解析に係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。演算部11は、コイル42に印加される電圧、電流、回転子43の位置、回転速度等の初期値を設定する(ステップS31)。
次いで、演算部11は、現シミュレーションステップでモータ4に印加される電圧、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流、回転子43の位置及び速度等に基づいて、モータ4の挙動をシミュレートし、各コイル42に流れる電流、回転子43の機械角及び回転速度を算出する(ステップS32)。ステップS32の処理は、モータ挙動シミュレータによって実行され(図4参照)、シミュレーション結果であるコイル42の電流[I]=[Iu,Iv,Iw]及び回転子43の機械角θmは、駆動回路シミュレータに引き渡される。ステップS32の詳細な処理は後述する。
次いで、演算部11は、コイル42の電流及び回転子43の機械角に基づいて、次シミュレーションステップにおいてコイル42に印加される電圧を算出する(ステップS33)。ステップS33の処理は、駆動回路シミュレータによって実行され(図4参照)、シミュレーション結果である電圧[V]=[Vu、Vv、Vw]をモータ挙動シミュレータに与える。ステップS33では、鉄損を考慮したモータ4の動的な挙動をシミュレートすることができる。
次いで、演算部11はシミュレーションの終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS34)。例えば、所定の実時間に相当する所定回数のシミュレーションステップを実行した場合、演算部11はシミュレーションを終了する。シミュレーションの終了条件を満たさないと判定した場合(ステップS34:NO)、演算部11は処理をステップS32へ戻し、ステップS32及びステップS33の処理を反復実行する。シミュレーションの終了条件が満たされたと判定した場合(ステップS34:YES)、演算部11は処理を終了する。
図7はモータ挙動シミュレーションに係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。以下、ステップS32の処理内容を説明する。なお、以下の処理では、各コイル42に流れる電流を振幅及び位相によって表現するものとする。演算部11は、駆動回路シミュレータから各コイル42に印加される電圧を取得する(ステップS51)。例えば、駆動回路シミュレータがシミュレーション結果をファイルとして出力する構成の場合、演算部11は該ファイルから各コイル42の印加電圧を読み出す。
次いで、演算部11は、取得した各コイル42の電圧と、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流と、回転子43の機械角と、インダクタンス特性DB12bの情報と、鎖交磁束DB12cとに基づいて、各コイル42の電流、即ち電流の振幅及び位相を算出する(ステップS52)。具体的には、演算部11は、インダクタンス特性DB12bから、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流の振幅及び位相と、回転子43の機械角とに対応するインダクタンスを特定し、抽出する。なお、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流は、前回のシミュレーションステップにおいて後述するステップS58で算出された電流である。また、演算部11は、鎖交磁束DB12cから、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流の振幅及び位相と、回転子43の機械角とに対応する鎖交磁束を特定し、抽出する。そして、演算部11は、抽出したインダクタンス及び鎖交磁束と、各コイル42に印加される電圧とに基づいて、現シミュレーションステップにおける各コイル42の電流を算出する。各コイル42の電流は、例えば下記式(9)で表される。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、鉄損特性DB12eから、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流の振幅及び位相と、回転子43の回転速度とに対応する鉄損を特定し、抽出する(ステップS53)。
次いで、演算部11は、コイル42に印加されるU相、V相及びW相の電圧[V]=[Vu、Vv、Vw]をdq座標系の電圧[Vc]=[Vcd,Vcq]にdq変換する(ステップS54)。電圧のdq変換は下記式(10)で表される。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、dq変換された電圧と、ステップS53で特定した鉄損とに基づいて、鉄損の原因に相当する鉄損等価抵抗53(図8参照)を算出する(ステップS55)。ここでは、並列型の鉄損等価抵抗53を仮定する。
図8は鉄損等価抵抗53を示す回路図である。モータ4のU相コイル42u、V相コイル42v及びW相コイル42wを、直列接続された一組の電気抵抗51及びコイル52で近似し、鉄損を該コイルに並列接続された鉄損等価抵抗53で近似する。コイル52に接続された交流電源は、磁界によってコイル42に誘起される電圧を表している。図8に示すように、鉄損等価抵抗53に印加される電圧[Vc]によって、鉄損電流[Ic]が流れ、鉄損等価抵抗53によって、鉄損が生ずる。
鉄損等価抵抗53で消費される損失Wiは下記式(11)及び(12)で表される。
Figure 0006468826
演算部11は、鉄損等価抵抗53で消費される損失Wiと、鉄損特性DB12eにて特定した鉄損Wlossとが等しくなるように、鉄損等価抵抗53の値を決定する。このようにして求められる鉄損等価抵抗53は下記式(13)で表される。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、dq座標系における鉄損電流を算出する(ステップS56)。dq座標系における鉄損電流は、dq座標系においてコイル42に印加される電圧の絶対値を、鉄損等価抵抗53の抵抗値で除することによって得られる。また、下記式(14)に示すように、鉄損Wlossを、dq変換されたd軸の電圧Vcd及びq軸の電圧Vcqの二乗和平方根で除することにより、dq座標系における鉄損電流の値を算出することができる。鉄損等価抵抗53に流れる鉄損電流[Ic]の位相は電圧[Vc]の位相に等しいため、電圧[Vc]の位相をβvとすると、d軸における鉄損電流Icd及びq軸における鉄損電流Icqは、下記式(15)にて算出することができる。
Figure 0006468826
次いで、演算部11は、dq座標系における鉄損電流を、U相、V相及びW相の鉄損電流に逆変換し(ステップS57)、ステップS52で算出した電流から、ステップS57で算出した鉄損電流を減じて得た各コイル42の電流を算出する(ステップS58)。つまり、鉄損考慮前の電流[I]から鉄損電流[Ic]を減算することによって、各コイル42に実際に流れる電流を求める。各相における鉄損電流は下記式(16)で表される。
Figure 0006468826
また、演算部11は、ステップS55にて算出した鉄損等価抵抗53の逆変換によって、U相、V相及びW相における鉄損等価抵抗53を算出することもできる。各相における鉄損等価抵抗53は上記式(17)で表される。
上述のステップS52〜ステップS58では、各相の鉄損電流を算出し、各コイル42に実際に流れる電流を、鉄損考慮前の電流[I]から鉄損電流[Ic]を減算することによって算出する例を説明した。しかし、かかる演算方法は一例であり、これに限定されるものでは無い。例えば、各コイル42に印加される電圧と、各コイル42のインダクタンスと、各コイル42の電気抵抗と、上記式(17)で表される各コイル42の鉄損等価抵抗から、上記式(9)の電圧方程式に基づいて、鉄損電流が減算された各コイル42の電流を直接的に算出するように構成しても良い。つまり、上記式(9)の各コイル42の電気抵抗Raに、各コイル42の鉄損等価抵抗をそれぞれ加算して、電圧方程式を解く。なお、この場合、ステップS52の処理は不要である。
次いで、演算部11は、ステップS58で算出した各相の電流と、前回のシミュレーションステップで算出した回転子43の機械角と、トルク特性DB12dの情報とに基づいて、回転子43に作用するトルクを算出する(ステップS59)。つまり、演算部11は、鉄損電流を考慮したトルクを算出する。例えば、演算部11は、ステップS58で算出した各相の電流に近似する振幅及び位相、並びに回転子43の機械角に対応するトルクをトルク特性DB12dから特定し、抽出する。
次いで、演算部11は、ステップS59で算出したトルクと、前回のシミュレーションステップにおける回転子43の機械角及び回転速度とに基づいて、運動方程式を解くことによって、現シミュレーションステップにおける回転子43の機械角及び回転速度を算出する(ステップS60)。
そして、演算部11は、ステップS58で算出して得た各コイル42の電流と、ステップS60で算出して得た回転子43の機械角とを駆動回路シミュレータへ出力し(ステップS61)、処理を終える。なお、現シミュレーションステップにおいて鉄損考慮後のインダクタンスの値が落ち着くまでステップS52〜ステップS58の処理を反復的に実行するように構成しても良い。
図9は実施形態に係るシミュレーション装置1の作用効果を示す実シミュレーションで使用する永久磁石同期モータ104の形状を表す概念図である。実シミュレーションでは、図9に示すような、4極24スロットの埋込磁石型の永久磁石同期モータ(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)104を使用する。永久磁石同期モータ104を構成する固定子141の鉄芯及び回転子143の材料特性としては、鉄損が大きい電磁鋼板の特性を設定する。固定子141のスロットにはコイル142が巻回されている。駆動回路のモデルとしては、電流ベクトル制御を行うPWMインバータ回路を用いる。
図10は実施形態に係るシミュレーション装置1の作用効果を示した解析結果のグラフである。横軸は回転子143の回転速度、縦軸はトルクを示す。トルクの実測値は約3.3〜3.35(N・m)であるが、鉄損を考慮しない従来手法で算出されたトルクは約3.6(N・m)と過大に評価されている。これに対して、鉄損を考慮した本実施形態に係るシミュレーション装置1で算出されたトルクは約3.35〜3.5(N・m)であり、従来手法に比べて永久磁石同期モータ104のトルクが精度良く再現されていることが分かる。
以上の通り、本実施形態に係るシミュレーション装置1、シミュレーション方法及びコンピュータプログラムにあっては、鉄損の影響を考慮し、モータ4の動的な挙動をシミュレートすることができる。
また、鉄損を、解析モデル12aの電磁界解析によって算出された鉄損特性に基づく鉄損等価抵抗53における鉄損として近似することにより、各コイル42における鉄損電流を簡易に算出することができる。
鉄損等価抵抗は、解析モデル12aの数値解析によって算出しているため、単純な理想モータ4モデルにおける鉄損等価抵抗53に比べて、渦電流損及びヒステリシス損による鉄損電流をより正確に算出することができる。従って、モータ4の動的な挙動をより正確に再現することができる。
更に、本実施形態に係るシミュレーション装置1は、dq座標系において鉄損電流を算出し、dq座標系において算出された鉄損電流を各相の鉄損電流に逆変換する処理を行っているため、簡易に各相の鉄損電流を算出することができる。各相の鉄損等価抵抗も同様にして、簡易に算出することができる。
なお、本実施形態に係るシミュレーション装置1に、鉄損の値を補正する機能を更に備えても良い。例えば、シミュレーション装置1に、係数の値を受け付ける係数受付部を備え、ステップS53で特定された鉄損に、前記係数受付部が受け付けた係数を乗算することによって、鉄損の値を補正するように構成しても良い。また、他の構成として、シミュレーション装置1に、鉄損のオフセット値を受け付ける係数受付部を備え、ステップS53で特定された鉄損に、オフセット値を加減算することによって、鉄損の値を補正するように構成しても良い。鉄損の値を適宜補正することによって、鉄損等価抵抗53で表すことができない要因を補正係数及びオフセット値として取り込むことができ、モータ4の動的な挙動をより正確にシミュレートすることが可能になる。
また、本実施形態では可動子が回転する回転機としてのモータ4を説明したが、可動子が直動する直動機としてのモータ4に本発明を適用することによって、鉄損を考慮したモータ4の動的な挙動をシミュレートすることができる。解析モデルの形状が異なるだけで、同様の処理手順で直動機の挙動をシミュレートすることができる。また、固定子及び回転子を有する発電機に本発明を適用することもできる。発電機の挙動をシミュレートする際に使用する解析モデル、処理手順は上述の実施形態と同様である。例えば、各コイルに流れる電流及び回転子に入力するトルクをモータ挙動シミュレータに与え、各コイルに誘起される電圧を算出し、出力するように構成しても良い。更に、3相の永久磁石同期モータについて説明したが、言うまでもなく単相、又はその他の多相交流モータ、誘導機等のモータ、多相交流発電機についても本発明を適用することができる。
更にまた、解析対象として可動子が直線移動又は回転移動する対象を説明したが、可動子の移動態様は特に限定されるものでは無く、可動子が振動するようなモータに対しても本発明を適用することができる。
更にまた、解析対象として回転機及び直動機等、可動子を有する対象を説明したが、構成部材が静止した電磁部品、例えば、トランスの挙動解析にも本発明を適用することができる。
更にまた、本実施形態では、駆動回路シミュレータからモータ挙動シミュレータへ電圧を引き渡し、モータ挙動シミュレータから駆動シミュレータへ電流及び回転子43の機械角を戻す例を説明したが、各シミュレータ間でやり取りする物理量はこれに限定されるものでは無く、やり取りする物理量は適宜選択すれば良い。また、モータ4又は発電機の状態を表す物理定数を交換するように構成しても良い。例えば、モータ挙動シミュレータは、駆動回路シミュレータから電圧及び電流、又は電圧若しくは電流を取得し、コイル42のインダクタンス及び電気抵抗、鉄損等価抵抗を算出し、算出して得たインダクタンス、電気抵抗及び鉄損等価抵抗を駆動回路シミュレータに与えるように構成しても良い。もちろん、各コイル42の電気抵抗及び鉄損等価抵抗に基づいて、鉄損を考慮した各コイル42の電気抵抗を算出し、該電気抵抗を駆動回路シミュレータに与えても良い。駆動回路シミュレータは、更新されたインダクタンス及び電気抵抗を用いて、駆動回路及びモータに流れる電流及び電圧を算出する。このように構成することによって、駆動回路シミュレータ内の閉じた同シミュレーションステップにおいて、電圧及び電流を算出することができる。電圧又は電流を受け渡して解析を行う場合、算出される電圧及び電流の算出タイミングがずれてしまうが、インダクタンス及び電気抵抗等の回路定数を駆動回路シミュレータへ引き渡すように構成すれば、電圧及び電流の算出タイミングのずれを無くすことができ、解析精度を向上させることができる。
更に、本実施形態では各相の鉄損電流を算出する際、電圧及び電流を2次元のdq座標系にdq変換する例を説明したが、他の2次元座標系に変換し、鉄損電流を算出するように構成しても良い。例えば、演算部11は、電圧及び電流のαβ変換及びその逆変換を利用することにより、各相の鉄損電流を算出しても良い。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 シミュレーション装置
2 記録媒体
3 サーバコンピュータ
4 モータ
11 演算部
12 記憶部
12a 解析モデル
12b インダクタンス特性DB
12c 鎖交磁束DB
12d トルク特性DB
12e 鉄損特性DB
13 入力装置
14 出力装置
15 通信インタフェース
41 固定子
42 コイル
42u U相コイル
42v V相コイル
42w W相コイル
43 回転子

Claims (4)

  1. コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、複数時点に対応する各シミュレーションステップにおける該モータ又は発電機の挙動をシミュレートするシミュレーション装置であって、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じた各コイルのインダクタンスを表すインダクタンス特性を算出するインダクタンス算出部と、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じて前記可動子に作用する電磁力を表す電磁力特性を算出する電磁力特性算出部と、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の速度に応じて生ずる損失を表す損失特性を算出する損失算出部と、
    各コイルの電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置及び速度、前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた今回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流を算出する電流算出部と、
    該電流算出部にて算出した電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置、及び前記電磁力特性に基づいて、前記可動子に作用する電磁力を算出する電磁力算出部と、
    該電磁力算出部にて算出した電磁力に基づいて、前記可動子の位置及び速度を算出する算出部と
    を備え
    前記電流算出部は、
    損失電流を減じた前回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置及び速度、損失電流を減じた前回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流に係る前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた今回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流を算出する
    シミュレーション装置。
  2. 前記電流算出部は、
    各コイルの電流、前記可動子の速度及び前記損失特性に基づいて、損失の原因に相当する損失等価抵抗の値を算出する損失等価抵抗算出部を備える
    請求項1に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記モータ又は発電機は3相以上の多相交流モータ又は多相交流発電機であり、
    前記電流算出部は、
    前記損失特性に基づいて、各コイルの電流及び前記可動子の速度に対応する損失を特定する特定部と、
    各コイルの電圧を2次元座標系の電圧に変換する変換部と、
    前記特定部が特定した損失を、前記変換部にて変換された各電圧の二乗和平方根で除することにより、前記2次元座標系における損失電流の大きさを算出する損失電流値算出部と、
    該損失電流値算出部にて算出した前記2次元座標系の損失電流を、各コイルにおける損失電流に逆変換する逆変換部と
    を備える請求項1又は請求項2に記載のシミュレーション装置。
  4. コンピュータに、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、複数時点に対応する各シミュレーションステップにおける該モータ又は発電機の挙動をシミュレートさせるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じた各コイルのインダクタンスを表すインダクタンス特性を予め算出するステップと、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じて前記可動子に作用する電磁力を表す電磁力特性を予め算出するステップと、
    前記解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の速度に応じて生ずる損失を表す損失特性を予め算出するステップと
    を実行させ、
    更に、前記インダクタンス特性、前記電磁力特性及び前記損失特性を算出した後、前記コンピュータに、
    各コイルの電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置及び速度、前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた今回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流を算出する電流算出ステップと、
    該電流算出ステップにて算出した各コイルの電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置及び速度並びに前記電磁力特性に基づいて、前記可動子に作用する電磁力を算出する電磁力算出ステップと、
    該電磁力算出ステップにて算出した電磁力に基づいて、前記可動子の位置及び速度を算出するステップと
    を反復実行させ
    前記電流算出ステップは、
    前記コンピュータに、損失電流を減じた前回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流、前回のシミュレーションステップで算出した前記可動子の位置及び速度、損失電流を減じた前回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流に係る前記インダクタンス特性並びに前記損失特性に基づいて、損失電流を減じた今回のシミュレーションステップにおける各コイルの電流を算出する処理を実行させる
    コンピュータプログラム。
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