JP5016504B2 - インダクタンステーブル作成方法、インダクタンステーブル作成装置、シミュレーション装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
一方、図17(a)左図に示すように、ドライバ、インバータ、モータ等から構成されるモータ制御回路の開発には、理想モータモデルを用いた制御回路シミュレータが用いられている。理想モータモデルは、モータの複雑な形状及び電磁特性を理想化、例えば2つのインダクタンスのみで構成された電磁部品として近似したものである。
一方、ダイレクト連成シミュレータでは、1ステップで約7.8秒/ステップの演算時間を要するため、3.0μs刻みで30000回の演算を行ったとしても、シミュレーションの所用時間は65時間となる。
なお、実際に動作する電磁部品においては複数のコイル夫々に電流が流れており、しかも自己インダクタンス及び相互インダクタンスは一般的に電流依存性を有するため、一のコイルにのみ電流を流して得られたインダクタンステーブルを用いても、電磁部品の挙動を詳細かつ正確に再現できないと考えられていた。ところが、実際にシミュレーションを行ってみたところ、意外にもダイレクト連成シミュレータと比べても遜色のないシミュレーション結果を得ることができた(図13乃至図15参照)。
図1は、本発明の実施の形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。図中1は、本発明の実施の形態に係るシミュレーション装置である。シミュレーション装置1は、コンピュータを用いて構成されており、有限要素法を用いたモータ4の電磁界シミュレーション機能、モータ制御回路の挙動を解析する回路シミュレーション機能を兼ね備えている。
また、シミュレーション装置1は、キーボード又はマウス等の入力装置15と、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の出力装置16とを備えており、データの入力等の使用者からの操作を受け付ける構成となっている。
更に、シミュレーション装置1は、通信インタフェース17を備え、通信インタフェース17に接続されている外部のサーバコンピュータ3から本発明に係るコンピュータプログラム20をダウンロードし、CPU11にて処理を実行する形態であってもよい。
なお、永久磁石43aによる鎖交磁束Ψmag_uと、U相コイル42uによる鎖交磁束Ψcor_uの向きが一致した場合、磁気飽和度が最大となり、自己インダクタンスLuは最小の値Lmin1となる。また、鎖交磁束Ψmagu_uと、Ψcor_uとの向きが逆向きになった場合、自己インダクタンスLuは極小値Lmin2をとる。
従って、正の電流Iuの範囲内における自己インダクタンス及び相互インダクタンスに基づいて、負の電流Iuの範囲内における自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出することができる。
ただ、本実施の形態では、電流値Iu、Iv,Iwの二乗和平方根に基づいてインダクタンステーブル[L(I、θm)]を参照する構成であるため、負の範囲における自己インダクタンス及び相互インダクタンスを考慮する必要は無い。
次いで、CPU11は、サブルーチンを呼び出して、モータモデルシミュレーションを行い、各コイル42u、42v、42wに流れる電流Iu,Iv,Iw、及び出力トルクを算出する(ステップS14)。
2 記録媒体
4 モータ
11 CPU
12 RAM
13 外部記憶装置
14 内部記憶装置
15 入力装置
16 出力装置
17 通信インタフェース
20 コンピュータプログラム
41 固定子
42u U相コイル
42v V相コイル
42w W相コイル
43 回転子
43a 永久磁石
Claims (11)
- 複数のコイルを有する電磁部品の形状及び電磁特性を表した解析モデルを内部記憶装置が記憶しており、CPUが、前記内部記憶装置が記憶している解析モデルに基づいて、該複数のコイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを含むインダクタンステーブルを作成するインダクタンステーブル作成方法であって、
CPUは、前記内部記憶装置が記憶している前記解析モデルに基づいて、一のコイルにのみ電流を流した状態における各コイルの鎖交磁束を算出し、
CPUは、算出された鎖交磁束及び前記一のコイルに流した電流に基づいて、各コイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出して、前記内部記憶装置に記憶させる
ことを特徴とするインダクタンステーブル作成方法。 - 複数のコイルを有する電磁部品の形状及び電磁特性を表した解析モデルに基づいて、該複数のコイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを含むインダクタンステーブルを作成するインダクタンステーブル作成装置であって、
前記解析モデルに基づいて、一のコイルにのみ電流を流した状態における各コイルの鎖交磁束を算出する手段と、
算出された鎖交磁束及び前記一のコイルに流した電流に基づいて、各コイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出する手段と
を備えることを特徴とするインダクタンステーブル作成装置。 - 複数のコイルを有する電磁部品の形状及び電磁特性を表した解析モデルに基づいて、該複数のコイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを含むインダクタンステーブルを作成し、作成されたインダクタンステーブルに基づいて前記電磁部品の挙動をシミュレーションするシミュレーション装置であって、
前記解析モデルに基づいて、一のコイルにのみ電流を流した状態における各コイルの鎖交磁束を算出する手段と、
算出された鎖交磁束及び前記一のコイルに流した電流に基づいて、各コイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出する手段と、
前記電磁部品に印加される電圧及び前記インダクタンステーブルに基づいて、各コイルに流れる電流を算出する手段と
を備えることを特徴とするシミュレーション装置。 - コンピュータに、複数のコイルを有する電磁部品の形状及び電磁特性を表した解析モデルに基づいて、該複数のコイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを含むインダクタンステーブルを作成させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記解析モデルに基づいて、一のコイルにのみ電流を流した状態における各コイルの鎖交磁束を算出させるステップと、
コンピュータに、算出された鎖交磁束及び前記一のコイルに流した電流に基づいて、各コイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出させるステップと
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータに、界磁束を発生させる複数のコイルが周方向に略等配された固定子及び永久磁石を有する回転子を備えたモータの形状及び電磁特性を表した解析モデルに基づいて、該モータを構成する複数のコイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを含むインダクタンステーブルを作成させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記解析モデルに基づいて、コイルに電流を流していない状態における各コイルの鎖交磁束を算出させるステップと、
コンピュータに、前記解析モデルに基づいて、一のコイルにのみ電流を流した状態における各コイルの鎖交磁束を算出させるステップと、
コンピュータに、算出された鎖交磁束及び前記一のコイルに流した電流に基づいて、各コイルの自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出させるステップと
を有することを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータに、電流を正の範囲で変動させて複数の自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出させるようにしてある
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のコンピュータプログラム。 - コンピュータに、前記回転子を電気角半周期の範囲で変動させて複数の自己インダクタンス及び相互インダクタンスを算出させるステップを有する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。 - コンピュータに、各コイルに印加される電圧、前記回転子の回転角、及び前記インダクタンステーブルに基づいて、各コイルに流れる電流を算出させるステップを有する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。 - コンピュータに、各コイルを流れている電流の二乗和平方根と、前記回転子の回転角とに基づいて、前記電流が流れている時点以後の電流を算出するためのインダクタンステーブルを選択させるステップを有する
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータプログラム。 - コンピュータに、各コイルに流れる電流、前記回転子の回転角、及びモータの出力トルクを対応付けたトルクテーブルと、算出された電流と、前記回転子の回転角とに基づいてモータの出力トルクを算出させるステップを有する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか一つに記載のコンピュータプログラム。
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