JP6441661B2 - 特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、モータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、該モータ又は発電機の動的な挙動をシミュレートするために必要な特性を表した特性テーブルを作成する特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラムに関する。
モータ及び駆動回路の開発に、モータの動的な挙動をシミュレートするシミュレーション装置が利用されている。詳細かつ正確にモータの挙動をシミュレートすべく、電磁界解析によって得られた特性を用いてモータの挙動をシミュレートするモータ挙動シミュレータと、モータの駆動回路の動作をシミュレートする駆動回路シミュレータとを連成することが行われている(例えば、特許文献1)。連成シミュレータにおいては、駆動回路シミュレータは、時系列の各時点に対応するシミュレーションステップ毎に、モータ挙動シミュレータを呼び出してモータの挙動を詳細にシミュレートさせ、そのシミュレーション結果を用いて駆動回路の挙動をシミュレートする。
モータ挙動シミュレータは、コイル、固定子及び回転子を有するモータの形状及び電磁特性を表す解析モデルの数値解析によって、駆動状態に応じたモータのインダクタンス、鎖交磁束等の特性を表す特性テーブルを予め作成し、記憶する。モータは、例えば三相永久磁石モータである。数値解析は、有限要素法又は境界要素法等の公知の数値解析シミュレータを用いて行われる。有限要素法は、複雑な形状及び電磁特性を有するモータの回転子及び固定子を単純な形状及び電磁特性を有する小領域(要素)に分割し、単純化された各要素の特性を近似的に演算することでモータ全体の挙動を予測する手法である。モータ挙動シミュレータは、数値解析によって得られた特性テーブルを用いてモータの挙動をシミュレートするため、インダクタンスのみで単純化した理想モータモデルを用いたシミュレータに比べて、より詳細にモータの挙動をシミュレートすることができる。
駆動回路シミュレータは、モータのU相、V相及びW相の各コイルに印加される電圧Vu、Vv、Vwをモータ挙動シミュレータに引き渡す。モータ挙動シミュレータは、モータの駆動状態に応じたインダクタンス、鎖交磁束等の特性を特性テーブルから抽出し、電圧Vu、Vv、Vwに基づいて、各コイルの電流Iu,Iv,Iw、モータの機械角を算出し、そのシミュレーション結果を駆動回路シミュレータに返す。
モータの電気的な挙動は、例えば下記式(1)で表される。インダクタンス及び鎖交磁束は電流依存性、回転子の機械角依存性を有する。
Figure 0006441661
モータの回転子に作用するトルクは、例えば下記式(2)で表される。モータの運動方程式を解くことによって、回転子の機械角も求まる。なお、特性テーブルを作成する際、モータの駆動状態に応じたトルクを表すトルク特性テーブルも予め作成しておき、該トルク特性テーブルを用いて、トルクを求めることもできる。
Figure 0006441661
駆動回路シミュレータは、モータ挙動シミュレータから返されたシミュレーション結果の電流Iu,Iv,Iw及びモータの機械角に基づいて、次シミュレーションステップにおける電圧Vu、Vv、Vwを算出する。以下、同様の処理を繰り返すことによって、理想モータモデルでは再現することができない詳細かつ正確なモータの動的な挙動をシミュレートすることができる。
発電機の動的な挙動についても、同様にしてシミュレートすることができる。
特許第5016504号公報
しかしながら、モータの特性テーブルを作成するには、コイルに流れる電流の大きさ及び変動に応じた各振幅及び各位相並びに回転子の各位置におけるインダクタンス、鎖交磁束、トルク等を予め有限要素法等の数値解析シミュレータにより求めておく必要があり、特にモータの3次元解析モデルを用いる場合、特性テーブルの作成に膨大な時間を要するという問題があった。例えば、電流の振幅について磁気飽和現象を考慮すべく異なる電流値5点を扱い、電流の位相を10度刻みで36点とし、回転子の位置を電気角2度刻みで90点計算すると、単純に場合の数として5×36×90件の解析量が必要である。
2次元解析モデルに基づく1件の数値解析に要する時間を5秒と仮定すると、シングルコアでは22.5時間の計算が必要である。この程度の計算量であれば、実用上も問題なく特性テーブルを作成することができる。ところが、モータの回転軸方向の磁束の流れ等がモータの特性に影響する事例が散見される。このような場合は3次元的な現象を考慮する必要がある。
しかし、3次元解析モデルに基づく1件の数値解析に要する時間を15分と仮定しても、シングルコアでは約5ヶ月半の解析時間を要し、大規模な並列計算、例えば100個の計算機を用いた並列計算が必要である。このため、潤沢な計算環境を有さない現場の設計者は、事実上、3次元解析に基づく特性テーブルを用いたシミュレーションを利用することができないと言わざるを得ない。
発電機についても同様の問題が存在する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、2次元解析モデルに基づいて作成されるモータ又は発電機の特性を、3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出することによって、特性テーブルの作成に要する計算量を抑えながら、モータ又は発電機の3次元的要素を反映させた特性を算出することができる特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係る特性テーブル作成装置は、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、前記コイルの電流及び前記可動子の位置毎に前記モータ又は発電機の特性を示す特性テーブルを作成する特性テーブル作成装置であって、前記解析モデルは、前記モータ又は発電機の2次元形状及び3次元形状を表す2次元解析モデル及び3次元解析モデルを有し、密な間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記2次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第1特性算出部と、粗い間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記3次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第2特性算出部と、前記第1特性算出部及び第2特性算出部にて算出した特性に基づいて、前記2次元解析モデルに基づく各特性を、前記3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出する補正係数算出部とを備える。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、前記コイルの電流及び前記可動子の位置毎に前記モータ又は発電機の特性を示す特性テーブルを作成させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、密な間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記モータ又は発電機の2次元形状を表す2次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第1特性算出ステップと、粗い間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記モータ又は発電機の3次元形状を表す3次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第2特性算出ステップと、第2特性算出部と、前記第1及び第2特性算出ステップにて算出した特性に基づいて、前記2次元解析モデルに基づく各特性を、前記3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出するステップとを実行させる。
本発明によれば、2次元解析モデルに基づいて作成されるモータ又は発電機の特性を、3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出することによって、特性テーブルの作成に要する計算量を抑えながら、モータ又は発電機の3次元的要素を反映させた特性を算出することができる。
本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。 解析モデルによって表されるモータを模式的に示す斜視図及び断面図である。 モータの回路構成を示す模式図である。 シミュレーション装置が実行する連成解析の概要を示す概念図である。 特性データベースの作成に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 電流振幅及び電流位相と、平均トルクとの関係を示すコンター図である。 電流振幅及び電流位相と、インダクタンスとの関係を示すコンター図である。 連成解析に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 モータ挙動シミュレーションに係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。 電流位相30度におけるトルクの補正結果を示すグラフである。 電流位相90度におけるトルクの補正結果を示すグラフである。 3次元電磁界解析に対する2次元電磁界解析のコイル線間電圧の振幅誤差を示す棒グラフである。 3次元電磁界解析に対する2次元電磁界解析のコイル線間電圧の位相誤差を示す棒グラフである。 電流位相45度及び電流振幅300Aにおける線間電圧の補正結果を示すグラフである。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施形態に係るシミュレーション装置(特性テーブル作成装置)の構成を示すブロック図である。図中1は、本発明の実施形態に係るシミュレーション装置1である。シミュレーション装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算部11を備えたコンピュータであり、演算部11にはバスを介して記憶部12が接続されている。記憶部12は、例えば不揮発性メモリ及び揮発性メモリを備える。不揮発性メモリは、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のROMである。不揮発性メモリは、コンピュータの初期動作に必要な制御プログラム、及び本実施形態に係るコンピュータプログラムを記憶している。コンピュータプログラムは、例えばモータ挙動シミュレータプログラム、駆動回路シミュレータプログラム、数値解析シミュレータプログラム等を含む。演算部11は、コンピュータプログラムを実行することによって、モータ4の挙動をシミュレートするモータ挙動シミュレータ、モータ4を駆動する駆動回路の挙動をシミュレートする駆動回路シミュレータ、有限要素法、境界要素法等の数値解析によってモータ4の挙動を電磁界解析する数値解析シミュレータとして機能する。揮発性メモリは、例えばDRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)等のRAMであり、演算部11の演算処理を実行する際に不揮発性メモリから読み出された制御プログラム、コンピュータプログラム又は演算部11の演算処理によって生ずる各種データを一時記憶する。
また記憶部12は、モータ4を構成する固定子41、複数のコイル42及び回転子43(図2参照)の二次元又は三次元形状及び電磁特性を表す解析モデル12a、モータ4を駆動する駆動回路モデル等を記憶している。
図2は解析モデル12aによって表されるモータ4を模式的に示す斜視図及び断面図、図3はモータ4の回路構成を示す模式図である。シミュレーション対象のモータ4は、例えば、12極18スロットの埋込磁石型の三相永久磁石同期モータ(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。モータ4は、界磁束を発生させるU相コイル42u、V相コイル42v及びW相コイル42wが周方向に等配された円筒状の固定子41と、該固定子41の内径側に同心円状に配された回転子43とを備えている。各コイル42は、例えば図3に示すようにスター結線されている。回転子43は、円筒状をなし、複数対の永久磁石43aを備えている。なお、説明を簡単にするために12極18スロットの三相永久磁石同期モータを用いた例を説明するが、極数、スロット数及びコイル42の数はこれに限定されない。解析モデル12aは、モータ4の2次元形状及び3次元形状を表す2次元解析モデル及び3次元解析モデルを有する。3次元形状モデルは、例えばモータ4を構成する固定子41、複数のコイル42及び回転子43の3次元形状を表すCADデータ、3次元で表されたモータ4の各部の材料特性等を含む。同様に、2次元形状モデルは、例えばモータ4を構成する固定子41、複数のコイル42及び回転子43の2次元形状を表すCADデータ、2次元で表されたモータ4の各部の材料特性等を含む。材料特性としては、磁化特性、電気特性、機械特性、熱特性、鉄損特性等が挙げられる。電気特性は、導電率、比誘電率等である。
シミュレーション対象の駆動回路は、例えばドライバ及びインバータにて構成されている。記憶部12は、前記ドライバ及びインバータを構成する複数の回路素子及び各回路素子の接続状態及び特性を表す駆動回路モデルを記憶している。
更に、記憶部12は、モータ4の動的な挙動をシミュレートするための特性データベースとして、インダクタンス特性DB(Database)12b、鎖交磁束DB12c、及びトルク特性DB12dを記憶する。各特性データベースは、モータ4の挙動をシミュレートする前段階に作成されるものであり、その詳細は後述する。
なお記憶部12として、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の読み出しが可能なディスクドライブ、及び可搬式の記録媒体2からデータの読み出しが可能なCD−ROMドライブ等の装置を備えても良い。本実施形態に係るコンピュータプログラムは、可搬式メディアであるCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray Disc)(登録商標)等の記録媒体2にコンピュータ読み取り可能に記録されている。なお、光ディスクは、記録媒体2の一例であり、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、半導体メモリ等にコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録しても良い。演算部11は、記録媒体2からコンピュータプログラムを読み出して、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等に記憶させる。演算部11は、記録媒体2に記録されたコンピュータプログラム又は記憶部12が記憶するコンピュータプログラムを、実行することにより、コンピュータをシミュレーション装置1として機能させる。
また、シミュレーション装置1は、図1に示すようにキーボード又はマウス等の入力装置13と、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の出力装置14とを備えており、データの入力等の使用者からの操作を受け付ける。
更に、シミュレーション装置1は、通信インタフェース15を備え、通信インタフェース15に接続されている外部のサーバコンピュータ3から本発明に係るコンピュータプログラムをダウンロードし、演算部11にて処理を実行する形態であってもよい。
図4はシミュレーション装置1が実行する連成解析の概要を示す概念図である。まず、シミュレーション装置1は、モータ4の挙動をシミュレートする前に、有限要素法モデル等の解析モデル12aに基づく電磁界解析によってモータ4の各種特性を算出する。例えば、演算部11は、モータ4の特性として、インダクタンス、鎖交磁束、トルク等の特性を算出し、各種特性を格納した特性データベースを作成する。
そして、シミュレーション装置1は、モータ挙動シミュレータと、駆動回路シミュレータとを連成させて、モータ4の動的な挙動をシミュレートする。駆動回路シミュレータは、モータ4の各コイル42に印加される電圧[V]=[Vu、Vv、Vw]をモータ挙動シミュレータに引き渡す。モータ挙動シミュレータは、モータ4の駆動状態に応じたインダクタンス、鎖交磁束等の特性を特性データベースから抽出し、電圧[V]に基づいて、各コイル42の電流[I]=[Iu,Iv,Iw]、モータ4の機械角θmを算出し、そのシミュレーション結果を駆動回路シミュレータに返す。以下、同様の処理を反復的に実行することによって、モータ4の動的な挙動をシミュレートすることができる。
以下、本実施形態に係るシミュレーション方法として、特性データベースの作成手順、モータ4の挙動シミュレート手順を順に説明する。
図5は特性データベースの作成に係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。シミュレーション装置1の演算部11は、記憶部12が記憶しているコンピュータプログラムに従って、以下の処理を実行する。演算部11は、まずシミュレーション対象であるモータ4の解析モデル12a及び駆動回路モデルの選択、その他各種設定を入力装置13にて受け付ける(ステップS11)。
ステップS11の処理を終えた演算部11は、解析モデル12aに基づいてモータ4のU相コイル42u、V相コイル42v及びW相コイル42wの電気抵抗を算出する(ステップS12)。各コイル42の電気抵抗は、コイル42の巻数、径、導電率等の設定値等に基づいて算出される。
次いで、演算部11は、駆動状態を示すパラメータ、つまり各コイル42を流れる電流の振幅Iam及び位相β、並びに回転子43の機械角θmの値を振りながら、2次元解析モデルに基づく有限要素法による2次元電磁界解析を実行する(ステップS13)。例えば、演算部11は、振幅Iamの値として0,Iam1,Iam2,Iam3,Iam4の5点、位相βの値として、0度,10度〜350度と10度刻みで36点、回転子43の位置を電気角において2度刻みで90点取り、各点の組み合わせ毎に電磁界解析を実行する。有限要素法では、モータ4の2次元形状モデルを複数の要素に分割する。例えば、演算部11は、モータ4の2次元形状モデルを複数の三角形要素、四角形要素等に分割する。演算部11は、マクスウェル方程式から得られる多元一次連立方程式を、特定の境界条件、例えばディリクレ境界条件、ノイマン境界条件の下で数値計算することにより、各要素の磁気ベクトルポテンシャルを算出する。磁気ベクトルポテンシャルから、モータ4の各部の磁界又は磁束密度が得られる。磁界又は磁束密度は、モータ4のインダクタンス、鎖交磁束、トルク、電流密度等を算出するための基本的な情報である。
準定常磁場は、下記式(3)に示すマクスウェル方程式で記述され、磁界は下記式(4)で表される。
Figure 0006441661
電流密度[J]は、モータ4のコイル42を流れる強制電流成分と、変動磁場によって発生する渦電流成分とを含み、下記式(5)で表される。また、渦電流密度は、下記式(6)で表される。なお、説明を簡単にすべく、準定常磁場のスカラーポテンシャルφを0として以下説明する。なお、スカラーポテンシャルφに特定の境界条件を与えても良いし、電磁ポテンシャルとして未知数として取り扱っても良い。
Figure 0006441661
上記式(3)に上記式(4)〜(6)を代入することで、上記式(4)に示したマクス
ウェル方程式は、下記式(7)で表される。
Figure 0006441661
次いで、演算部11は、ステップS13の2次元電磁界解析結果に基づいて、各コイル42の電流及び回転子43の位置に応じた各コイル42のインダクタンス、鎖交磁束、回転子43に作用するトルク等の特性を算出する(ステップS14)。回転子43に作用する電磁力は、例えば節点力法等の手法を用いて算出される。
通常、インダクタンスは、各コイル42の鎖交磁束を電流で除して得られるが、本実施形態では、磁気飽和の影響を考慮すべく、微分インダクタンスを利用する。以下、微分インダクタンスの算出方法を説明する。n相のコイル42が存在する場合の電圧方程式は下記式(8)で表される。
Figure 0006441661
ここで、コイル42の鎖交磁束を、電流による寄与分と、磁石による寄与分との和として表すことができるとすると、コイル42の鎖交磁束は下記式(9)で表される。
Figure 0006441661
上記式(8)の電圧方程式は、上記式(9)を用いて下記式(10)のように表すことができる。
Figure 0006441661
更に、電流による鎖交磁束の寄与分を、インダクタンスと電流との積で表現すると、鎖交磁束は下記式(11)で表される。
Figure 0006441661
次に、上記式(11)を用いた微分インダクタンスの算出方法を説明する。まず、電流[I]=[I1,I2,…,In]が流れているときの各コイル42の鎖交磁束を算出する。そして、下記式(12)に示すように、第1番目のコイル42の電流I1を微増させたときの各コイル42の鎖交磁束を算出する。例えば、第1番目のコイル42の電流I1を5%増加させる。他のコイル42の電流I2,…,Inは増加させない。
Figure 0006441661
そして、上記式(12)から上記式(11)を減算することによって、微分インダクタンスの一部の成分が求まり、該成分は下記式(13)で表される。
Figure 0006441661
同様に他の第m番前(m=2〜n)のコイル42についても電流Imを各別に微増させて各コイル42の鎖交磁束を算出することによって、下記式(14)に示すように微分インダクタンスの他の成分も求まる。
なお、各コイル42に流れる電流Imを5%微増させる例を説明したが、電流Imの大きさが小さい程、電流を増加させる割合を大きく、電流Imの大きさが大きい程、電流を増加させる割合を小さくすると良い。
Figure 0006441661
このようにして、各電流[I]に対応する微分インダクタンスを算出するが、3相のモータ4のように、各相の位相が電気角で120度ずれている場合、1相分計算した結果を、電気角120度ずらすことで3相分のインダクタンスを算出することができる(例えば、特許第5016504号参照)。また、3相交流の場合、インダクタンスは電気角半周期で周期性を有するため、電気角半周期分のインダクタンスを算出すれば良い。
このように算出された微分インダクタンスは、下記式(15)で表すことができ、電圧方程式下記式(16)で表される。微分インダクタンスを用いることによって、磁気飽和の影響を考慮した特性を得ることができ、磁気飽和を加味してモータ4の挙動をシミュレートすることが可能になる。
Figure 0006441661
次いで、演算部11は、3次元電磁界解析を実行する代表点を特定する(ステップS15)。代表点は、2次元電磁界解析で得られる特性と、3次元電磁界解析で得られる特性との乖離を特徴付ける電流の振幅Iam及び位相β、並びに回転子43の電気角の組である。ここでは、インダクタンスを算出するための代表点と、トルクを算出するための代表点とを各別に特定する。鎖交磁束の補正係数を算出するための代表点としては、インダクタンスの補正係数を算出するための代表点を利用する。なお、鎖交磁束の補正係数を算出するための代表点を、トルク及びインダクタンス補正用の代表点とは別に特定しても良い。
トルクの補正係数を算出するための代表点について説明する。
図6は電流振幅及び電流位相と、平均トルクとの関係を示すコンター図である。横軸は電流振幅、縦軸は電流位相を示し、回転子43を電気角1周期分回転させた際の平均トルクを等高線によって表している。電流位相の対称性を考慮して0°〜90°の範囲で代表点を選択すれば十分である。等高線は左上から右下側にかけて平均トルクが徐々に大きくなっている様子を示す。平均トルクは、電流振幅及び電流位相に依存して変動しており、適当な補正係数の値も電流の電流振幅及び電流位相に依存すると考えられる。
図6中、実線の丸印で示した電流振幅及び電流位相の4つの組が、2次元電磁界解析で得られるトルクと、3次元電磁界解析で得られるトルクとの乖離を特徴付ける点である。図6中、破線の丸印で示した電流振幅及び電流位相の組は、2次元電磁界解析で得られるトルクと、3次元電磁界解析で得られるトルクとの乖離が小さい点を示している。各丸印の近傍に示された数値は補正係数である。
図6には一例として、以下の4つの代表点が挙げられている。
第1の代表点P1:(電流位相,電流振幅)=(20°,最大電流)
第2の代表点P2:(電流位相,電流振幅)=(85°,最大電流)
第3の代表点P3:(電流位相,電流振幅)=(20°,磁気飽和開始時の電流)
第4の代表点P4:(電流位相,電流振幅)=(85°,磁気飽和開始時の電流)
但し、最大電流は、使用者によって指定された最大の電流、つまり、解析モデル12aの解析において考慮すべき最大の電流である。図6中、最大電流は550Aである。最大電流の代表点において3次元電磁界解析を実行するのは、電流値が大きいと、トルクも大きく、かかる代表点において補正係数を正確に算出する必要がるためである。
電流位相20°は、電流振幅が最大である場合に平均トルクが最大になるときの位相である。電流位相85°は、電流位相90°近傍の値であり、必ずしも85°に限定されるものでは無い。
トルクは磁気飽和が起きるまで電流に対して線形、又はN乗の関数で増加する。Nは整数である。ところが、磁気飽和が起き始めると、電流に対するトルクの増加量は途端に低下し、磁気飽和開始前と異なる増加率で線形的に増加する。演算部11は、電流振幅に対するトルクの増加傾向の変化点又は該変化点の前後において、磁気飽和開始時の電流を特定する。磁気飽和は徐々に起きるため、磁気飽和が起きる厳密な1点を特定する必要は無く、磁気飽和が全く生じない電流値、及び磁気飽和が完全に生じている電流値を避けて代表点を特定すれば十分である。
具体的には、次のような方法で磁気飽和開始時の電流を特定すれば良い。電流が小さいときのトルクの変化率と、電流が大きい時のトルクの変化率とを算出する。電流が小さいときとは、最大電流よりも最小電流に近い電流が流れているときを意味し、電流が大きいときとは、最小電流よりも最大電流に近い電流が流れているときを意味する。そして、電流が小さいときのトルクの変化率に基づく電流及びトルクの関係と、電流が大きいときのトルクの変化率に基づく電流及びトルクの関係とが合致するときの電流を、磁気飽和開始時の電流として特定すれば良い。言い換えると、横軸を電流、縦軸をトルクとしてグラフを描いた時に、電流が小さいときのトルクの変化率に基づく直線と、電流が大きいときのトルクの変化率に基づく直線とを描き、2直線の交点を磁気飽和開始点とすれば良い。
図6中、電流位相20°における磁気飽和開始時の電流振幅は300A、電流位相85°における磁気飽和開始時の電流振幅は400Aである。
なお図6に示す例では電流位相0°〜90°の範囲で代表点を特定したが、弱め界磁界制御、強め界磁界制御等、制御方法によっては、異なる位相範囲において代表点の選択を行っても良い。
一方、より単純な方法として電流の最大振幅、電流の位相並びに回転子43の電気角をそれぞれ複数に等分した点を代表点として選択しても良い。また、トルクが最大になる電流位相等を代表点として選択しても良い。
次にインダクタンスの補正係数を算出するための代表点について説明する。
図7は電流振幅及び電流位相と、インダクタンスとの関係を示すコンター図である。回転子43は特定の位置にあり、横軸は電流振幅、縦軸は電流位相を示す。電流位相の対称性を考慮して0°〜90°の範囲で代表点を選択すれば十分である。等高線は右下から上側ないし左側にかけてインダクタンスが徐々に大きくなっている様子を示す。コンター図に示したインダクタンスはq軸インダクタンスである。q軸インダクタンスはコイル電流が作る場のインダクタンスと考えることができる。インダクタンスは、電流振幅及び電流位相に依存して変動しており、適当な補正係数の値も電流の電流振幅及び電流位相に依存すると考えられる。
図7中、実線の丸印で示した電流振幅及び電流位相の4つの組が、2次元電磁界解析で得られるインダクタンスと、3次元電磁界解析で得られるインダクタンスとの乖離を特徴付ける点である。図7中、破線の丸印で示した電流振幅及び電流位相の組は、2次元電磁界解析で得られるインダクタンスと、3次元電磁界解析で得られるインダクタンスとの乖離が小さい点を示している。各丸印の近傍に示された数値は補正係数である。
図6には一例として、以下の4つの代表点が挙げられている。
第1の代表点P1:(電流位相,電流振幅)=(20°,最小電流)
第2の代表点P2:(電流位相,電流振幅)=(85°,最小電流)
第3の代表点P3:(電流位相,電流振幅)=(20°,磁気飽和開始時の電流)
第4の代表点P4:(電流位相,電流振幅)=(85°,最大電流)
但し、最小電流は解析モデル12aにおける定格電流の所定割合の値、例えばモータ4の定格電流の1%〜5%の値である。最大電流及び飽和開始時の電流は、図6で説明した最大電流及び飽和開始時の電流と同様である。また、電流位相85°の意味も図6と同様である。但し、第3の代表点P3における磁気飽和開始時の電流として、インダクタンスの特性をより良く表した100Aの電流が採用されている。
そして、演算部11は、ステップS15にて特定した代表点について、3次元解析モデルに基づく有限要素法による3次元電磁界解析を実行する(ステップS16)。3次元の有限要素法では、演算部11は、モータ4の3次元形状モデルを複数の四面体要素、六面体要素、四角錐要素、三角柱要素等の要素に分割し、2次元電磁界解析と同様にして各要素の磁気ベクトルポテンシャルを算出する。
次いで、演算部11は、ステップS16の3次元電磁界解析結果に基づいて、各コイル42の電流及び回転子43の回転状態に応じた各コイル42のインダクタンス、鎖交磁束及びトルク等の特性を算出する(ステップS17)。
次いで、演算部11は、ステップS14及びステップS17にて算出した特性に基づいて、2次元解析モデルに基づく各特性、例えばコイルのインダクタンス、鎖交磁束及びトルクを、3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出する(ステップS18)。代表点における補正係数は、2次元解析モデルに基づく特性を、3次元解析モデルに基づく特性に変換する数値である。例えば、該数値を2次元解析モデルに基づく特性に乗算することによって、3次元解析モデルに基づく特性に変換することができる。
トルクの補正係数Kt、インダクタンスの補正係数Ki及び永久磁石43aによる鎖交磁束の補正係数Kmは、電流振幅及び電流位相に依存する係数である。例えば、インダクタンスの値は回転子43の位置によって変化するが、3次元電磁界解析を行った回転子43の各位置におけるインダクタンスの平均値と、同様の各位置における2次元電磁界解析によって得られたインダクタンスの平均値とを比較することによって、補正係数Kiを算出する。同様にして、トルクの補正係数Kt及び鎖交磁束の補正係数Kmを算出する。
図6中、破線の丸印で示した電流振幅及び電流位相におけるトルクの補正係数Ktは、2次元電磁界解析の結果と、3次元電磁界解析の結果との乖離が小さいと考えられるため、「1.0」とする。代表点P1における補正係数Ktは「0.90」、代表点P2における補正係数Ktは「0.94」、代表点P3における補正係数Ktは「0.95」、代表点P4における補正係数Ktは「1.0」である。
同様に、図7中、破線の丸印で示した電流振幅及び電流位相におけるインダクタンス及び鎖交磁束の補正係数Ki,Kmは、2次元電磁界解析の結果と、3次元電磁界解析の結果との乖離が小さいと考えられるため、「1.0」とする。代表点P1における補正係数Ki,Kmはそれぞれ「1.25」及び「0.99」、代表点P2における補正係数Ki,Kmは「1.24」及び「0.99」、代表点P3における補正係数Ki,Kmは「1.24」及び「0.99」、代表点P4における補正係数Ki,Kmは「0.93」及び「0.91」である。
代表点以外の各電流振幅及び位相における補正係数は、代表点における補正係数を補間することよって求める。補間方法は特に限定されるものでは無いが、例えば線形補間を利用すれば良い。
なお数値は補正係数の一例であり、2次元解析モデルに基づく特性を、3次元解析モデルに基づく特性に変換する関数を規定する数値であっても良い。
次いで、演算部11は、2次元解析モデルに基づいて算出された特性を、ステップS18にて算出した補正係数を用いて補正する(ステップS19)。例えば、2次元電磁界解析によって得られたインダクタンスL(Iam,β,θm)の各成分Lijに、補正係数Ki(Iam,β)を乗算することによって、インダクタンスLを補正する。同様に、2次元電磁界解析によって得られた鎖交磁束Ψmag(Iam,β,θm)の各成分に、補正係数Km(Iam,β)を乗算することによって、鎖交磁束Ψmagを補正する。また、2次元電磁界解析によって得られたトルクT(Iam,β,θm)の各成分に、補正係数Kt(Iam,β)を乗算することによって、トルクTを補正する。
次いで、演算部11は、ステップS19で補正したインダクタンスL(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納したインダクタンス特性DB12bを作成する(ステップS20)。
次いで、演算部11は、ステップS19で補正した各コイル42における鎖交磁束、特に回転子43の永久磁石43aによる鎖交磁束ψmag(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納した鎖交磁束特性DBを作成する(ステップS21)。
次いで、演算部11は、ステップS19で補正したトルクT(Iam,β,θm)と、コイル42に流れる電流の振幅Iam、位相β及び回転子43の機械角θmとを対応付けて格納したトルク特性DB12dを作成し(ステップS22)、処理を終える。
図8は連成解析に係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。演算部11は、コイル42に印加される電圧、電流、回転子43の位置、回転速度等の初期値を設定する(ステップS31)。
次いで、演算部11は、現シミュレーションステップでモータ4に印加される電圧、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流、回転子43の位置及び速度等に基づいて、モータ4の挙動をシミュレートし、各コイル42に流れる電流、回転子43の機械角及び回転速度を算出する(ステップS32)。ステップS32の処理は、モータ挙動シミュレータによって実行され(図4参照)、シミュレーション結果であるコイル42の電流[I]=[Iu,Iv,Iw]及び回転子43の機械角θmは、駆動回路シミュレータに引き渡される。ステップS32の詳細な処理は後述する。
次いで、演算部11は、コイル42の電流及び回転子43の機械角に基づいて、次シミュレーションステップにおいてコイル42に印加される電圧を算出する(ステップS33)。ステップS33の処理は、駆動回路シミュレータによって実行され(図4参照)、シミュレーション結果である電圧[V]=[Vu、Vv、Vw]をモータ挙動シミュレータに与える。
次いで、演算部11はシミュレーションの終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS34)。例えば、所定の実時間に相当する所定回数のシミュレーションステップを実行した場合、演算部11はシミュレーションを終了する。シミュレーションの終了条件を満たさないと判定した場合(ステップS34:NO)、演算部11は処理をステップS32へ戻し、ステップS32及びステップS33の処理を反復実行する。シミュレーションの終了条件が満たされたと判定した場合(ステップS34:YES)、演算部11は処理を終了する。
図9はモータ挙動シミュレーションに係る演算部11の処理手順を示すフローチャートである。以下、ステップS32の処理内容を説明する。なお、以下の処理では、各コイル42に流れる電流を振幅及び位相によって表現するものとする。また、シミュレーション開始時は、参照する電流を0(A)としても良い。演算部11は、駆動回路シミュレータから各コイル42に印加される電圧を取得する(ステップS51)。例えば、駆動回路シミュレータがシミュレーション結果をファイルとして出力する構成の場合、演算部11は該ファイルから各コイル42の印加電圧を読み出す。
次いで、演算部11は、取得した各コイル42の電圧と、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流と、回転子43の機械角と、インダクタンス特性DB12bと、鎖交磁束DB12cとの情報とに基づいて、各コイル42の電流、即ち電流の振幅及び位相を算出する(ステップS52)。具体的には、演算部11は、インダクタンス特性DB12bから、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流の振幅及び位相と、回転子43の機械角とに対応するインダクタンス、特に微分インダクタンスを特定し、抽出する。また、演算部11は、鎖交磁束DB12cから、前回のシミュレーションステップで算出した各コイル42の電流の振幅及び位相と、回転子43の機械角とに対応する鎖交磁束を特定し、抽出する。そして、演算部11は、抽出した微分インダクタンス及び鎖交磁束と、各コイル42に印加される電圧とに基づいて、現シミュレーションステップにおける各コイル42の電流を算出する。特に微分インダクタンスを利用する場合、各コイル42の電流は、例えば上記式(16)で表される。
なお、ここで、コイル42の電気抵抗及び磁石による鎖交磁束を、温度によって補正しても良い。例えば、コイル42の電気抵抗が、現在のコイル42の温度と、基準温度との温度差によって線形的に増加するものと仮定して、コイル42の電気抵抗を補正すると良い。鎖交磁束も、現在の磁石の温度と、基準温度との温度差によって線形的に増減するものと仮定して、磁石による鎖交磁束を補正すると良い。
次いで、演算部11は、ステップS52で算出した各相の電流と、前回のシミュレーションステップで算出した回転子43の機械角と、トルク特性DB12dの情報とに基づいて、回転子43に作用するトルクを算出する(ステップS53)。
次いで、演算部11は、ステップS53で算出したトルクと、前回のシミュレーションステップにおける回転子43の機械角及び回転速度とに基づいて、運動方程式を解くことによって、現シミュレーションステップにおける回転子43の機械角及び回転速度を算出する(ステップS54)。
そして、演算部11は、ステップS52で算出して得た各コイル42の電流と、ステップS54で算出して得た回転子43の機械角とを駆動回路シミュレータへ出力し(ステップS55)、処理を終える。
以下、本実施形態に係るシミュレーション装置1の作用効果を示すべく、実際に行ったシミュレーション結果について説明する。シミュレーションは、図2に示した形状のモータ4を用いて行った。モータ4の型はPMSM、出力は100kW、電源電圧及び電流は500V、400A、回転子43はIPM型、固定子41の外径は400(mm)、固定子41の内径は260(mm)、コイル42は集中巻、固定子41及び回転子43の厚みは40.5(mm)、磁石の種類はネオジム焼結磁石、慣性モーメントは0.173(kg・m2 )、重量は76.95(kg)、最大電流値は483(A)である。
図10は電流位相30度におけるトルクの補正結果を示すグラフ、図11は電流位相90度におけるトルクの補正結果を示すグラフである。横軸は時間、縦軸はトルクを示す。図10に示すように、3次元電磁界解析で得られたトルクと、補正前の2次元電磁界解析で得られたトルクとは大きく乖離しているが、補正後の2次元電磁界解析で得られたトルクは、3次元電磁界解析で得られたトルクと精度良く一致している。しかも、本実施形態に係るシミュレーション装置1は、僅か8点の代表点における3次元電磁界解析の結果から得られた補正係数を用いるだけで、3次元電磁界解析と同等のトルク再現性を実現している。
図12は3次元電磁界解析に対する2次元電磁界解析のコイル線間電圧の振幅誤差を示す棒グラフ、図13は3次元電磁界解析に対する2次元電磁界解析のコイル線間電圧の位相誤差を示す棒グラフである。図12及び図13に示すように、3次元電磁界解析で得られたインダクタンスを用いて算出された線間電圧と、補正前の2次元電磁界解析で得られたインダクタンスに用いて算出された線間電圧とは、振幅の誤差が約7.5〜9%超、電流振幅が300Aのときの位相の誤差が約12.5%である。しかし、補正後の2次元電磁界解析で得られたインダクタンスを用いて算出された線間電圧は、3次元電磁界解析で得られたインダクタンスを用いて算出された線間電圧と精度良く一致しており、振幅の誤差は約2〜3%、電流振幅が300Aのときの位相の誤差は約2%である。
しかも、トルクと同様、本実施形態に係るシミュレーション装置1は、僅か4点の代表点における3次元電磁界解析の結果から得られた補正係数を用いるだけで、3次元電磁界解析と同等の解析結果を実現している。
図14は電流位相45度及び電流振幅300Aにおける線間電圧の補正結果を示すグラフである。横軸は時間、縦軸は線間電圧を示す。図14に示すように、3次元電磁界解析で得られた線間電圧と、補正前の2次元電磁界解析で得られた線間電圧とは乖離があるが、補正後の2次元電磁界解析で得られた線間電圧は、3次元電磁界解析で得られた線間電圧と精度良く一致している。しかも、本実施形態に係るシミュレーション装置1は、僅か4点の代表点における3次元電磁界解析の結果から得られたインダクタンスの補正係数を用いるだけで、3次元電磁界解析と同等の解析結果を実現している。
また、本実施形態のシミュレーション方法によれば、従来手法に比べて計算時間を大幅に短縮することができる。具体的には、特性データベースの作成に20889ステップ要し、2次元電磁界解析の1ステップの計算時間を0.9秒、3次元電磁界解析の1ステップの計算時間を82.3秒とすると、特性データベースの作成に要する計算時間は、従来の2次元電磁界解析の場合、5時間13分20秒、従来の3次元電磁界解析の場合、19日21時間32分45秒である。なお、20889ステップは、9通り(無負荷時の回転子の位置)+9通り(回転子の位置)×29通り(電流振幅分解能)×4回(微分インダクタンスの算出用)×20通り(電流位相分解能)である。
従来手法に対して、本実施形態の場合、特性データベースの作成に要する時間は12時間26分47秒=5時間13分20秒+7時間13分27秒である。5時間13分20秒は2次元電磁界解析に要する計算時間、7時間13分27秒は補正用の3次元電磁界解析に要する計算時間である。トルクの補正時に必要な3次元電磁界解析は、4通り(回転子の位置)×4通り(代表点の数)=16ステップである。インダクタンス及び鎖交磁束の補正時に必要な3次元電磁界解析は、25通り(回転子の位置)×4通り(代表点の数)×3回(インダクタンス用2回、鎖交磁束用1回)=300通りである。従って、3次元電磁界解析に要する計算時間は316ステップ×82.3秒=7時間13分27秒である。
以上の通り、本実施形態に係るシミュレーション装置1、シミュレーション方法及びコンピュータプログラムにあっては、2次元解析モデルに基づいて作成されるモータ4又は発電機の特性を、3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出することによって、特性テーブルの作成に要する計算量を抑えながら、モータ4又は発電機の3次元的要素を反映させた特性を算出することができる。
本実施形態では2次元電磁界解析で得られた特性を、補正係数によって補正し、補正後の特性を各種特性DBに格納する例を説明したが、2次元電磁界解析で得られた補正前の特性と、各特性を補正するための補正係数とを記憶部12に記憶しておき、必要に応じて各種特性DBの内容を補正係数にて補正するように構成しても良い。
特性DB作成時に補正を行わず、補正前の特性と、補正係数とを記憶部12に記憶させる場合、シミュレーション実行時に補正量を適宜調整することが可能になる。
また、本実施形態では、モータ4の各種特性DBを作成する例を説明したが、発電機の各種特性DBも同じ処理手順で作成することができる。発電機の挙動をシミュレートする際に使用する解析モデル、処理手順は上述の実施形態と同様である。例えば、各コイルに流れる電流及び回転子に入力するトルクをモータ挙動シミュレータに与え、各コイルに誘起される電圧を算出し、出力するように構成しても良い。また、回転型のモータ4を説明したが、リニアモータ4の解析モデル12aについても、解析モデル12aの形状が異なるだけで、同様の処理手順で該リニアモータ4の特性DBを作成することができる。更に、3相の永久磁石同期モータについて説明したが、言うまでもなく単相、又はその他の多相交流モータ、誘導機等のモータについても本発明を適用することができる。更に、解析対象として回転機及び直動機等、可動子を有する対象を説明したが、構成部材が静止した電磁部品、例えば、トランスの挙動解析にも本発明を適用することができる。
更にまた、本実施形態では、駆動回路シミュレータからモータ挙動シミュレータへ電圧を引き渡し、モータ挙動シミュレータから駆動シミュレータへ電流及び回転子43の機械角を戻す例を説明したが、各シミュレータ間でやり取りする物理量はこれに限定されるものでは無く、やり取りする物理量は適宜選択すれば良い。また、モータ4又は発電機の状態を表す物理定数を交換するように構成しても良い。例えば、モータ挙動シミュレータは、駆動回路シミュレータから電圧及び電流、又は電圧若しくは電流を取得し、コイル42のインダクタンス及び電気抵抗を算出し、算出して得たインダクタンス及び電気抵抗を駆動回路シミュレータに与えるように構成しても良い。駆動回路シミュレータは、更新されたインダクタンス及び電気抵抗を用いて、駆動回路及びモータに流れる電流及び電圧を算出する。このように構成することによって、駆動回路シミュレータ内の閉じた同シミュレーションステップにおいて、電圧及び電流を算出することができる。電圧又は電流を受け渡して解析を行う場合、算出される電圧及び電流の算出タイミングがずれてしまうが、インダクタンス及び電気抵抗等の回路定数を駆動回路シミュレータへ引き渡すように構成すれば、電圧及び電流の算出タイミングのずれを無くすことができ、解析精度を向上させることができる。
以下、本実施形態に関連する技術を付記する。
シミュレーション装置1は、記憶部12が記憶する各種特性DBの内容を、3次元グラフ、2次元グラフ、2次元等高線図、3次元等高線図、各種一覧表として、出力装置14から出力できるように構成しても良い。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 シミュレーション装置
2 記録媒体
3 サーバコンピュータ
4 モータ
11 演算部
12 記憶部
12a 解析モデル
12b インダクタンス特性DB
12c 鎖交磁束DB
12d トルク特性DB
13 入力装置
14 出力装置
15 通信インタフェース
41 固定子
42 コイル
42u U相コイル
42v V相コイル
42w W相コイル
43 回転子

Claims (4)

  1. コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、前記コイルの電流及び前記可動子の位置毎に前記モータ又は発電機の特性を示す特性テーブルを作成する特性テーブル作成装置であって、
    前記解析モデルは、前記モータ又は発電機の2次元形状及び3次元形状を表す2次元解析モデル及び3次元解析モデルを有し、
    密な間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記2次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第1特性算出部と、
    粗い間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記3次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第2特性算出部と、
    前記第1特性算出部及び第2特性算出部にて算出した特性に基づいて、前記2次元解析モデルに基づく各特性を、前記3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出する補正係数算出部と
    を備える特性テーブル作成装置。
  2. 前記モータ又は発電機の特性は、
    前記コイルのインダクタンス又は前記可動子に作用する電磁力を含む
    請求項1に記載の特性テーブル作成装置。
  3. 前記第1特性算出部は、
    前記2次元解析モデルに基づく数値解析によって、各コイルの電流及び前記可動子の位置に応じて前記可動子に作用する電磁力を表す電磁力特性を算出する電磁力算出部と、
    該電磁力算出部にて算出した電磁力に基づいて、前記コイルの電流及び前記可動子の位置を特定する特定部と
    を備え、
    前記第2特性算出部は、
    前記特定部が特定した前記コイルの電流及び前記可動子の位置で前記モータ又は発電機の特性を算出する
    請求項2に記載の特性テーブル作成装置。
  4. コンピュータに、コイルが設けられた固定子及び可動子を有するモータ又は発電機の形状及び電磁特性を表す解析モデルに基づいて、前記コイルの電流及び前記可動子の位置毎に前記モータ又は発電機の特性を示す特性テーブルを作成させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    密な間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記モータ又は発電機の2次元形状を表す2次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第1特性算出ステップと、
    粗い間隔で選択される複数の前記電流及び前記位置毎に、前記モータ又は発電機の3次元形状を表す3次元解析モデルに基づく数値解析によって、前記モータ又は発電機の特性を算出する第2特性算出ステップと
    前記第1及び第2特性算出ステップにて算出した特性に基づいて、前記2次元解析モデルに基づく各特性を、前記3次元解析モデルに基づく特性に補正する補正係数を算出するステップと
    を実行させるコンピュータプログラム。
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