JP2002186271A - 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム - Google Patents

電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム

Info

Publication number
JP2002186271A
JP2002186271A JP2000378645A JP2000378645A JP2002186271A JP 2002186271 A JP2002186271 A JP 2002186271A JP 2000378645 A JP2000378645 A JP 2000378645A JP 2000378645 A JP2000378645 A JP 2000378645A JP 2002186271 A JP2002186271 A JP 2002186271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
values
discrete
rotating machine
value
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000378645A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nakai
英雄 中井
Yukio Inaguma
幸雄 稲熊
Toshifumi Arakawa
俊史 荒川
Hiroko Otani
裕子 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2000378645A priority Critical patent/JP2002186271A/ja
Publication of JP2002186271A publication Critical patent/JP2002186271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータと制御系とを含む電気系の性能を解析
モデルを用いて解析する方法において、電気系全体の性
能の解析および評価を短時間で終了可能とする。 【解決手段】 解析モデルとしてのFEMモデルのもと
にモータの磁束鎖交数を、それの回転角と電流とがそれ
ぞれ適当な刻みで離散化された離散回転角と離散電流値
とに関して解析する。離散回転角の離散化は、磁束鎖交
数の回転角に関する微分値の絶対値が大きい場合におい
て小さい場合におけるより細かい刻みで行い、それに準
じて、複数の離散電流値の離散化は、磁束鎖交数の電流
に関する微分値の絶対値が大きい場合において小さい場
合におけるより細かい刻みで行うる。したがって、この
方法によれば、磁束鎖交数を計算するためにFEMモデ
ルに依存しなければならない程度が従来より軽減され、
その結果、電気系の解析、評価および設計に必要な時間
を容易に短縮し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルとロータと
を有して作動させられる回転機とその回転機を制御する
制御系とを含む電気系を解析する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上述の電気系を設計して製造しようとす
る際、その電気系が所期の性能を発揮するように設計さ
れることが要求される。電気系の構成が最適化されるよ
うに設計されることが要求されるのである。
【0003】そして、従来においては、例えば、図10
にブロック図で示すように、回転機としてのモータの構
造・構成の設計が、モータについて試作された実機の評
価結果を考慮しつつモータの構成が最適化されるように
行われていた。さらに、この従来例においては、電気系
のうちの制御系がインバータ等の駆動回路とコントロー
ラとを含むように構成される場合には、駆動回路につい
ては、モータの設計に応じて設計(仕様の決定)が行わ
れた後、その設計を実現する製品としてメーカから購入
されるか、または試作される場合が多かった。また、こ
の従来例においては、コントローラについては、駆動回
路の設計(またはモータの設計)に応じて設計が行われ
た後、試作が行われ、それにより取得された実機の評価
結果を考慮しつつコントローラが最適化されるように、
コントローラの設計が変更される場合が多かった。
【0004】以上要するに、この従来例においては、モ
ータおよび制御系のそれぞれについて実機が試作され、
その実機の評価結果を考慮して電気系全体が評価される
ことが行われていたのである。
【0005】図11は、別の従来例を示している。これ
は、モータについても制御系についても実機を用いるこ
となくそれらの設計案を評価し、その結果を考慮してモ
ータおよび制御系を最適化する例である。この従来例
は、磁場解析による評価に基づく例であると分類するこ
とができる。この従来例においては、具体的には、モー
タについては、解析モデルの一例であるFEMモデルが
実機に代えて用いられ、そのFEMモデルによる評価結
果を考慮しつつモータの構成が最適化される。また、こ
の従来例においては、駆動回路およびコントローラを含
むように構成された制御系については、モータの設計に
応じて設計が行われるとともに、モータのFEMモデル
のもとに駆動回路およびコントローラの各設計案に対し
て評価が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
を用いて説明した従来例においては、モータと制御系と
について実機を製作しなければそれらを評価することが
不可能であったため、それらモータと制御系との設計お
よび評価に長い時間と多くの労力とが必要であった。
【0007】また、図11を用いて説明した従来例にお
いては、モータおよび制御系の評価をそれの一連の手続
の全体においてモータのFEMモデルであって多くのデ
ータにより記述されるものを用いて行わなければならな
かったため、解析および評価に長い時間が必要であっ
た。
【0008】以上の説明から明らかなように、いずれの
従来例においても、電気系の評価に長い時間が必要であ
ったという問題があったのである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】それら
の事情に鑑み、本発明は、回転機の解析モデルを用いて
電気系の評価を行うにもかかわらず、適当な数値近似に
よって解析モデルの利用を部分的に省略することによ
り、電気系全体の評価を短時間で終了可能とすることを
課題としてなされたものであり、本発明によって下記各
態様が得られる。各態様は、請求項と同様に、項に区分
し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引
用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術
的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの理
解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特
徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈さ
れるべきではない。
【0010】(1) コイルとロータとを有して作動さ
せられる回転機とその回転機を制御する制御系とを含む
電気系をコンピュータにより解析する方法であって、前
記回転機の磁場解析を行うための解析モデルを前記コン
ピュータ上で用いることにより、前記回転機の磁気的物
理量を、前記ロータの回転角に関する複数の離散値であ
る離散回転角の各々と、前記コイルの電流に関する複数
の離散値である離散電流値の各々とに関して計算し、そ
れにより、前記磁気的物理量に関して複数の計算値を離
散回転角ごとに取得するとともに離散電流値ごとに取得
する第1ステップであって、前記複数の離散回転角は、
前記磁気的物理量の前記回転角に関する微分値である第
1微分値の絶対値が大きい場合において小さい場合にお
けるより細かい刻みで前記回転角が離散化されて取得さ
れ、前記複数の離散電流値は、前記磁気的物理量の前記
電流に関する微分値である第2微分値の絶対値が大きい
場合において小さい場合におけるより細かい刻みで前記
電流が離散化されて取得されたものと、その第1ステッ
プにおいて取得された複数の計算値と、前記回転機を電
気回路として記述する回転機記述方程式であってその回
転機の特性の非線形性を表現可能なものと、前記制御系
を電気回路として記述する制御系記述方程式とに基づ
き、前記電気系を前記コンピュータにより解析する第2
ステップとを含む電気系解析方法[請求項1]。この方
法においては、回転機の磁気的物理量を計算するために
回転機の解析モデルが用いられるが、その磁気的物理量
は、ロータの回転角とコイルの電流とに関してそれぞ
れ、実質的に連続的に解析されるわけではない。回転角
と電流とがそれぞれ適当な刻みで離散化された離散回転
角と離散電流値とに関して解析されるのである。この方
法においては、複数の離散回転角は、磁気的物理量の回
転角に関する微分値の絶対値が大きい場合において小さ
い場合におけるより細かい刻みで回転角が離散化されて
取得される。また、それに準じて、複数の離散電流値
は、磁気的物理量の電流に関する微分値の絶対値が大き
い場合において小さい場合におけるより細かい刻みで電
流が離散化されて取得される。したがって、この方法に
よれば、磁気的物理量を計算するために解析モデルに依
存しなければならない程度が従来より軽減され、その結
果、電気系の解析、評価および設計に必要な時間を容易
に短縮し得る。回転機の特性については、回転機を通常
レベルの負荷で使用する場合には、線形を示す傾向が強
い。これに対して、通常より重い負荷で使用する場合に
は、非線形性を示す傾向が強い。一方、同じ回転機を通
常より重い負荷で使用する場合には、耐久性の問題を無
視すれば、重負荷用の回転機より安価に同じ性能が実現
されることとなり、経済的である。したがって、安価な
回転機を通常より重い負荷で使用したいという要望が存
在する。そして、この要望を満たすためには、回転機を
評価する際、回転機の特性が非線形性を示すことが反映
されるように回転機を解析することが必要になる。これ
に対して、本項に係る方法においては、解析モデルを用
いて取得された複数の計算値と、回転機を電気回路とし
て記述する回転機記述方程式であってその回転機の特性
の非線形性を表現可能なものと、制御系を電気回路とし
て記述する制御系記述方程式とに基づき、電気系がコン
ピュータにより解析される。したがって、この方法によ
れば、回転機の非線形性を考慮することが電気系の正確
な評価に必要である場合であっても、電気系の正確な評
価を容易に行い得る。この方法における「回転機」は、
電力を機械的動力に変換するモータとしたり、機械的動
力を電力に変換する発電機とすることができる。このよ
うな解釈は、下記の各項においても適用される。 (2) 前記第2ステップが、前記取得された複数の計
算値と、前記取得された複数の第1微分値と、前記取得
された複数の第2微分値との少なくとも一部を、前記回
転機記述方程式と前記制御系記述方程式とに代入して予
め定められた計算を行うことにより、前記電気系を前記
コンピュータにより解析するものである(1)項に記載
の電気系解析方法[請求項2]。 (3) 前記第1ステップが、前記回転角と前記電流と
をそれぞれ変数とし、各変数を一定の刻みで変化させる
ことによって前記複数の計算値の暫定値である暫定計算
値を取得する暫定計算値取得ステップを含むものである
(1)または(2)項に記載の電気系解析方法[請求項
3]。 (4) 前記第1ステップが、さらに、前記取得された
複数の暫定計算値に基づいて前記第1微分値を計算し、
その計算結果に基づき、前記取得された複数の暫定計算
値の中からそれらを代表する複数の代表計算値を、それ
らに対応する複数の離散回転角が、それらの第1微分値
の絶対値が大きい場合において小さい場合におけるより
細かい刻みで回転角が離散化されたものとなるように選
択する第1選択ステップと、前記取得された複数の暫定
計算値に基づいて前記第2微分値を計算し、その計算結
果に基づき、前記取得された複数の暫定計算値の中から
それらを代表する複数の代表計算値を、それらに対応す
る複数の離散電流値が、それらの第2微分値の絶対値が
大きい場合において小さい場合におけるより細かい刻み
で電流が離散化されたものとなるように選択する第2選
択ステップとを含むものである(3)項に記載の電気系
解析方法[請求項4]。この方法においては、各変数の
刻みが、回転機の磁気的物理量の各変数に関する微分値
の絶対値が大きい場合において小さい場合におけるより
小さくなるように決定される。各変数の変化に対して磁
気的物理量が敏感に応答する場合においてそうでない場
合におけるより、各変数の刻みが小さくされるのであ
る。したがって、この方法によれば、各変数の刻みを磁
気的物理量の目標計算精度との関係において容易に適正
化し得、その結果、各変数が無駄に多くの離散値に変化
させられることを容易に回避し得る。 (5) さらに、前記回転角と前記電流とに関してそれ
ぞれ、前記取得された複数の計算値のうち互いに隣接し
た2つの計算値を補間する少なくとも1つの補間値を前
記コンピュータにより計算して取得する第3ステップを
含み、かつ、前記第2ステップが、その第3ステップに
おいて取得された複数の補間値と、前記第1ステップに
おいて取得された複数の計算値と、前記回転機記述方程
式と、前記制御系記述方程式とに基づき、前記電気系を
前記コンピュータにより解析するものである(1)ない
し(4)項のいずれかに記載の電気系解析方法[請求項
5]。回転機の磁気的物理量の計算値が、回転角と電流
とをそれぞれ変数とし、各変数を離散的に変化させるご
とに取得される場合、磁気的物理量の目標計算精度を最
初から実現すべく、各変数の刻みを各変数の変化領域全
体において一律に比較的小さく設定した場合には、回転
機の評価のためにそれの解析モデルに依存しなければな
らない程度が増してしまう。これに対して、各変数の刻
みは比較的大きい大きさで可変に設定する一方で、その
ような刻みのもとに取得された複数の計算値に対して補
間を行うこととすれば、解析モデルへの依存度の割りに
高い精度で磁気的物理量を計算し得る。このような知見
に基づき、本項に係る方法においては、回転角と電流と
に関してそれぞれ、既に取得されている複数の計算値の
うち互いに隣接した2つの解析値を補間する少なくとも
1つの補間値が計算により取得され、さらに、そのよう
にして取得された複数の補間値と、先に取得された複数
の計算値と、回転機記述方程式と、制御系記述方程式と
に基づき、電気系がコンピュータによりシミュレートさ
れて解析される。 (6) 前記磁気的物理量が、前記回転機の磁束鎖交数
を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の電気系
解析方法[請求項6]。 (7) (1)ないし(6)項のいずれかに記載の電気
系解析方法を実施するためにコンピュータにより実行さ
れるプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記
録媒体[請求項7]。この記録媒体に記録されているプ
ログラムがコンピュータにより実行されれば、前記の各
項に係る方法と同じ作用効果が実現され得る。本項にお
ける「記録媒体」は種々の形式を採用可能であり、例え
ば、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒
体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁
気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ
等の少なくとも1つを採用可能である。 (8) コイルとロータとを有して作動させられる回転
機とその回転機を制御する制御系とを含む電気系をコン
ピュータにより解析するシステムであって、前記回転機
の磁場解析を行うための解析モデルを前記コンピュータ
上で用いることにより、前記回転機の磁気的物理量を、
前記ロータの回転角に関する複数の離散値である離散回
転角の各々と、前記コイルの電流に関する複数の離散値
である離散電流値の各々とに関して計算し、それによ
り、前記磁気的物理量に関して複数の計算値を離散回転
角ごとに取得するとともに離散電流値ごとに取得する第
1手段であって、前記複数の離散回転角は、前記磁気的
物理量の前記回転角に関する微分値である第1微分値の
絶対値が大きい場合において小さい場合におけるより細
かい刻みで前記回転角が離散化されて取得され、前記複
数の離散電流値は、前記磁気的物理量の前記電流に関す
る微分値である第2微分値の絶対値が大きい場合におい
て小さい場合におけるより細かい刻みで前記電流が離散
化されて取得されたものと、その第1手段により取得さ
れた複数の計算値と、前記回転機を電気回路として記述
する回転機記述方程式であってその回転機の特性の非線
形性を表現可能なものと、前記制御系を電気回路として
記述する制御系記述方程式とに基づき、前記電気系を前
記コンピュータにより解析する第2手段とを含む電気系
解析システム[請求項8]。このシステムによれば、前
記(1)項に係る発明と同じ作用効果が実現され得る。
このシステムに対しては、前記(1)項に係る方法に対
して前記(2)ないし(5)項のいずれかに係る方法が
具体的実施態様として存在する関係と同様の関係を有す
るシステムが具体的実施態様として存在し得る。 (9) 前記磁気的物理量が、前記回転機の磁束鎖交数
を含む(8)項に記載の電気系解析システム[請求項
9]。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な一
実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1には、本実施形態である電気系解析方
法(以下、単に「解析方法」という)を含む電気系設計
方法(以下、単に「設計方法」という)が概念的にブロ
ック図で示されている。
【0013】図2には、この設計方法により設計される
電気系がブロック図で示されている。この電気系は、モ
ータ10と、そのモータ10を駆動するとともにその駆
動を制御する制御系12とが互いに接続されて構成され
ている。
【0014】モータ10は、図示しないが、コイルとロ
ータとを含むように構成されている。コイルは、よく知
られているように、供給された電流により磁気力を発生
させて磁場を形成し、その影響をロータに及ぼさせる。
コイルは、U相個別コイルと、V相個別コイルと、W相
個別コイルとより構成されている。それら個別コイルの
全体に供給される電流は、3相交流電流であり、各個別
コイルに供給される電流はそれぞれ、U相電流と、V相
電流と、W相電流とである。ロータは、コイルの磁気力
の影響を受けて回転させられる。
【0015】モータ10は例えば、インダクションモー
タ、パーマネントマグネットロータ型モータ(例えば、
パーマネントマグネット同期モータ、インダクタ型同期
モータ)、リラクタンスロータ型モータとすることがで
きる。
【0016】図2に示すように、制御系12は、コント
ローラ14と駆動回路16とが互いに接続されて構成さ
れている。本実施形態においては、駆動回路16が、電
源としてのバッテリ18に接続されるとともに、そのバ
ッテリ18からの直流電流を交流電流に変換するインバ
ータ(図示しない)を備えている。コントローラ14
は、駆動回路16を制御することにより、バッテリ18
から駆動回路16を経てモータ10に供給される電流
(電気エネルギー)を制御する。
【0017】以上のように構成された電気系は、駆動系
20を駆動するために使用される。そのため、電気系
は、図2に示すように、モータ10において駆動系20
に連携させられる。
【0018】この解析方法は、図3に示す電気系解析シ
ステム(以下、単に「解析システム」という)により実
施される。この解析システムはコンピュータ30を主体
として構成されている。
【0019】コンピュータ30は、よく知られているよ
うに、プロセシングユニット(以下、「PU」と略称す
る)32とメモリ34とがバス36により互いに接続さ
れて構成されている。メモリ34は、ROM、RAM、
磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体を含むように構
成される。このメモリ34には、各種プログラムとして
複数のアプリケーションが予め記憶されているととも
に、それら複数のアプリケーションの実行を管理(指
令)する管理プログラムも予め記憶されている。このメ
モリ34には、それら複数のアプリケーションの実行に
必要なデータが随時記憶される。このメモリ34には、
さらに、後述のFEMモデルを定義するためのFEMモ
デルデータ、モータ10の磁束鎖交数Φを定義するため
の磁束鎖交数データ(2次元マップ)、モータ10の特
性を定義するためのモータ特性データ(4次元マップ)
等が記憶される。
【0020】このように構成されたコンピュータ30に
は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等
の入力装置40が接続されている。これにより、そのコ
ンピュータ30のユーザである解析者、設計者または評
価者は、必要な指令、データ等を入力装置40を介して
コンピュータ30に入力し得る。コンピュータ30に
は、さらに、LCD、CRT等の表示器、プリンタ、プ
ロッタ等の出力装置50も接続されている。これによ
り、ユーザは、コンピュータ30による計算結果、解析
結果、評価結果等を出力装置50を介して視覚的に確認
可能となる。
【0021】ここで、この設計方法の内容を図1を参照
しつつ説明する。
【0022】この設計方法は、モータ10の構造・構成
設計(以下、単に「モータ10の設計」という)と、駆
動回路16の設計と、コントローラ14の設計とを含ん
でいる。この設計方法は、図10に示す従来例とは異な
り、それらモータ10、駆動回路16およびコントロー
ラ14について実機を試作せずに実施可能である。
【0023】この設計方法は、それらモータ10等の構
成(設計)を最適化するために、それらモータ10等の
設計を評価する工程を含んでいる。この工程を実施する
ために、それらモータ10等の解析が行われる。この解
析は、本実施形態である解析方法により行われる。この
解析内容の詳細は後述する。
【0024】モータ10の設計においては、数値解析手
法の一例であるFEM(有限要素法)により各種解析が
行われる。本実施形態においては、各種解析が、モータ
10における磁気回路を解析する磁気回路解析と、モー
タ10の構造を解析する構造解析と、モータ10の熱に
対する特性を解析する熱解析とを含んでいる。
【0025】この設計方法においては、図1に示すよう
に、駆動回路16の設計がモータ10の設計に関連して
行われ、また、コントローラ14の設計が駆動回路16
の設計に関連して行われるようになっている。
【0026】それらモータ10等の設計をそれらの実機
なしで評価するために、図4にフローチャートで概念的
に表されている前記解析方法が実施される。この解析方
法は複数のステップから構成されており、それら複数の
ステップのすべてまたは一部がコンピュータ30により
実行される。
【0027】この解析方法においては、まず、ステップ
S1(以下、単に「S1」で表す。他のステップにおい
ても同じとする)において、モータ10の回路方程式が
誘導されるとともに、その誘導された回路方程式から状
態方程式が導出される。回路方程式は、モータ10を電
気回路として見た場合のその電気回路の特性を記述する
方程式である。その導出されたモータ10の状態方程式
は、後述の連成解析(電気系全体の性能解析)において
使用される。このS1は、コンピュータ30を用いない
でユーザにより行うことも、ユーザによる必要なデータ
の入力を条件に、コンピュータ30により行うことも可
能である。
【0028】本実施形態においては、モータ10の回路
方程式が、そのモータ10への負荷が大きいためにモー
タ10に磁気飽和が生じてモータ10の特性(例えば、
電圧特性、トルク特性)が非線形性を示す場合でも、モ
ータ10の特性を忠実に反映し得る形態として誘導され
る。図1においては、その回路方程式が「非線形回路方
程式」として記載されている。
【0029】さらに、そのような回路方程式からの状態
方程式の導出は、回路方程式の形態を後述の連成解析に
適用可能な形態に変換するために行われる。
【0030】3相のモータ10においては、U相電流と
V相電流とW相電流との3電流の和が0となる。したが
って、モータ10にはみかけ上、電流が3つ存在する
が、独立な電流は2つしかない。そこで、モータ10の
状態方程式においては、独立な2つの電流をそれぞれア
ルファ相電流Iαおよびベータ相電流Iβとし、かつ、
それら2つの電流を状態量として扱うこととする。
【0031】以上のようにしてモータ10の状態方程式
が導出された後、S2において、磁場解析が行われる。
この磁場解析は、モータ10(少なくとも、コイル等、
磁場形成部位)を表現するFEMモデルをコンピュータ
30上で用いるとともに、図3に示す磁場解析プログラ
ム(有限要素法によりモータ10の磁場を解析するプロ
グラム)をコンピュータ30により実行させることによ
り、実施される。
【0032】このS2の詳細が図5にフローチャートで
概念的に表されている。
【0033】この磁場解析においては、まず、S101
において、互いに直交する2つの電気角θe(deg)
(ロータ回転角ともいう)が選択される。例えば、0度
と90度とが選択される。
【0034】次に、S102において、その選定された
2つの電気角θeの各々について、コイルのベータ相電
流Iβ(A)を0とした状態で、アルファ相電流Iα
(A)を一定の刻みで仮想的に変化させることを繰り返
し、その都度、アルファ相電流Iαに対する磁束鎖交数
Φα(Wb T)を、コンピュータ30による磁場解析
プログラムの実行により、計算する。これにより、離散
アルファ相電流値Iαごとに磁束鎖交数Φαに関する暫
定計算値が取得される。その取得された磁束鎖交数Φα
に関する暫定計算値を表すデータは、離散アルファ相電
流値Iαとの関係において磁束鎖交数データ(2次元マ
ップ)を構成する。
【0035】その後、S103において、その取得され
た複数の暫定計算値の中から複数の代表計算値が選出さ
れる。その選択は、磁束鎖交数Φαのアルファ相電流I
αに関する微分値の絶対値に基づき、アルファ相電流I
αの変化に対して磁束鎖交数Φαが敏感に変化する位置
が反映されるように行われる。具体的には、複数の暫定
計算値のうち、各暫定計算値に関して取得された各微分
値の絶対値が設定値以上である複数の暫定計算値のみが
複数の代表計算値として選択される。この選択の結果、
アルファ相電流Iαの変化領域が、その選択された複数
の代表計算値にそれぞれ対応する複数の離散アルファ相
電流値Iαにより、アルファ相電流Iαの変化に対する
磁束鎖交数Φαの感度が高いほど細かい刻みで分割され
ることになる。
【0036】図6には、磁束鎖交数Φαについての複数
の代表計算値の一例が2つのグラフで示されている。一
方のグラフは、電気角θeが0度である場合における磁
束鎖交数Φαの変動を示し、他方のグラフは、90度で
ある場合における磁束鎖交数Φαの変動を示している。
【0037】ただし、同図には、それら複数の代表計算
値が、後述の複数の補間値と一緒に示されている。同図
において、電気角θeが0度であるグラフについては、
そのグラフ上の複数の白丸のうち、アルファ相電流Iα
がそれぞれ、−2000,−240,−160,−8
0,0,160,240,720,2000Aであると
きに取得されたものが、複数の代表計算値である。これ
に対して、電気角θeが90度であるグラフについて
は、そのグラフ上の複数の白丸のうち、アルファ相電流
Iαがそれぞれ、−2000,−480,−400,−
320,−80,0,80,320,2000Aである
ときに取得されたものが、複数の代表計算値である。
【0038】続いて、S104において、S102にお
けると同様にして、離散ベータ相電流値Iβごとに磁束
鎖交数Φβに関する暫定計算値が取得される。その取得
された磁束鎖交数Φβに関する暫定計算値を表すデータ
は、離散ベータ相電流値Iβとの関係において磁束鎖交
数データ(2次元マップ)を構成する。
【0039】その後、S105において、S103にお
けると同様にして、磁束鎖交数Φβに関する複数の代表
計算値が選択される。
【0040】続いて、S106において、アルファ相電
流Iαとベータ相電流Iβとをそれぞれ予め定められた
値に固定した状態で、電気角θeを一定の刻みで0度か
ら360度まで仮想的に変化させることを繰り返し、そ
の都度、電気角θeに対する磁束鎖交数Φα、Φβを、
コンピュータ30による磁場解析プログラムの実行によ
り、計算する。これにより、離散電気角θeごとに磁束
鎖交数Φα、Φβの暫定計算値が取得される。
【0041】図7には、磁束鎖交数Φα、Φβについて
の複数の暫定計算値(刻みの大きさは4度)の一例が2
つのグラフで示されている。一方のグラフは、磁束鎖交
数Φαの変動を説明の便宜上、連続線として示し、他方
のグラフは、磁束鎖交数Φβの変動を説明の便宜上、連
続線として示している。
【0042】その後、S107において、S103およ
びS105におけると同様にして、その取得された複数
の暫定計算値の中から複数の代表計算値が選択される。
その選択は、磁束鎖交数Φα、Φβの電気角θeに関す
る微分値の絶対値に基づき、電気角θeの変化に対して
磁束鎖交数Φα、Φβが敏感に変化する位置が反映され
るように行われる。具体的には、複数の暫定計算値のう
ち、各暫定計算値に関して取得された各微分値の絶対値
が設定値以上である複数の暫定計算値のみが、複数の代
表計算値として選択される。この選択の結果、電気角θ
eの変化領域が、その選択された複数の代表計算値にそ
れぞれ対応する複数の離散電気角θeにより、電気角θ
eの変化に対する磁束鎖交数Φα、Φβの感度が高いほ
ど細かい刻みで分割されることになる。
【0043】続いて、S108において、先に取得され
た各種計算結果に基づき、コンピュータ30による磁場
解析プログラムの実行により、モータ特性データが作成
される。モータ特性データは、磁束鎖交数データと、ト
ルクデータとを含んでいる。
【0044】磁束鎖交数データは、電気角θeと相電流
Iα、Iβと磁束鎖交数Φαとの関係を4次元マップと
して表すデータと、電気角θeと相電流Iα、Iβと磁
束鎖交数Φβとの関係を4次元マップとして表すデータ
とを含んでいる。
【0045】ところで、S101ないしS107におい
て取得された計算値は、例えば図6および図7にそれぞ
れグラフで表されているように、電気角θeと相電流I
α、Iβと磁束鎖交数Φαとの関係についても、電気角
θeと相電流Iα、Iβと磁束鎖交数Φβとの関係につ
いても、4次元マップを構成するには不十分である。
【0046】そこで、このS108においては、モータ
10のFEMモデルのもと、電気角θeとアルファ相電
流Iαとベータ相電流Iβとをそれぞれ変数として仮想
的に離散的に変化させつつ、コンピュータ30に磁場解
析プログラムを実行させることにより、4次元マップが
作成される。ただし、各変数を一定の細かい刻みで変化
させたのでは、4次元マップの作成に長い時間がかかっ
てしまう。
【0047】したがって、このS108においては、S
101ないしS107において取得された計算値が各変
数に対して敏感に変化する領域においては細かい刻み
で、それ以外の領域においては粗い刻みで、各変数が変
化させられつつ、磁束鎖交数Φα、Φβに関して複数の
離散値が計算される。
【0048】以上、磁束鎖交数Φα、Φβに関する4次
元マップ、すなわち、磁束鎖交数データの作成手法を説
明したが、トルクデータは、磁束鎖交数データに準じ
て、電気角θeと相電流Iα、IβとトルクTとの関係
を4次元マップとして表すデータを含んでいる。トルク
データについても、磁束鎖交数データの場合と同様にし
て、S101ないしS107において取得された計算値
が各変数に対して敏感に変化する領域においては細かい
刻みで、それ以外の領域においては粗い刻みで、各変数
が変化させられつつ、トルクTに関して複数の離散値が
計算される。
【0049】以上で、一連の磁場解析が終了する。
【0050】その後、図4のS3において、S108に
おいて作成されたモータ特性データに対して補間が、コ
ンピュータ30による補間プログラム(図3参照)の実
行により、行われる。モータ特性データのうちの磁束鎖
交数データにより表される複数の計算値(代表計算値)
については、それら複数の計算値のうち、電気角θe、
アルファ相電流Iαおよびベータ相電流Iβの各座標軸
の方向において互いに隣接した2つの計算値ずつ補間が
行われることにより、複数の補間値が取得される。ま
た、モータ特性データのうちのトルクデータにより表さ
れる複数の計算値についても、同様にして、それら複数
の計算値のうち、電気角θe、アルファ相電流Iαおよ
びベータ相電流Iβの各座標軸の方向において互いに隣
接した2つの計算値ずつ補間が行われることにより、複
数の補間値が取得される。補間の一例は、曲線補間であ
り、その一例は、スプライン近似による補間である。
【0051】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、4次元のモータ特性データを作成するた
めに、まず、FEMモデルのもと、電気角θeをそれの
代表値に固定した状態で、アルファ相電流Iαとベータ
相電流Iβとを仮想的にかつ離散的に変化させ、それに
より、各相電流Iα、Iβと磁束鎖交数Φα、Φβとの
2次元の関係が取得される。次に、FEMモデルのも
と、アルファ相電流Iαとベータ相電流Iβとをそれら
の代表値に固定した状態で、電気角θeを仮想的にかつ
離散的に変化させ、それにより、電気角θeと磁束鎖交
数Φα、Φβとの2次元の関係が取得される。その後、
FEMモデルのもと、4次元のモータ特性データが作成
されるのであるが、その作成に際し、アルファ相電流I
αとベータ相電流Iβと電気角θeとをそれぞれ変数と
して一定の細かい刻みで変化させるのではなく、先に取
得された2次元の関係(その関係を表すグラフの変化勾
配が緩やかであるか、急であるか)に基づき、刻みを細
かく設定して精度を確保することが必要である変数変化
領域においては細かい刻みで、その必要がない変数変化
領域においては粗い刻みで、各変数を変化させる。
【0052】したがって、本実施形態によれば、刻みを
細かく設定することが必要である変数変化領域であるか
否かを問わず、すべての変数変化領域において画一的に
刻みを細かく設定して4次元のモータ特性データを作成
する従来例に比較し、FEMモデルに依存しなければな
らない程度が低くなり、その結果、モータ特性データの
作成に必要な時間を容易に短縮可能となる。
【0053】そのようにして作成されたモータ特性デー
タをそのまま用いて後述の電気系の解析・評価を行うこ
とは可能である。しかし、本実施形態においては、前述
のように、そのモータ特性データに対して補間が行わ
れ、これにより、部分的にしかFEMモデルを使用しな
いことによるモータ特性データの精度低下量ができる限
り少なくなるようにされている。
【0054】図8および図9には、本実施形態による解
析精度を、図11を用いて説明した従来例であってFE
Mモデルに完全に依存してモータ特性データを作成する
ものによる解析精度との比較において説明するためのグ
ラフが示されている。
【0055】図8には、U相個別コイルの電圧Vu
(V)の、電気角θeに対する変動(電流は一定)の解
析結果であってモータ特性データに基づいて解析された
ものが、そのモータ特性データが上記従来例により作成
されたものである場合については実線グラフで示される
一方、本実施形態により作成されたものである場合につ
いては破線グラフで示される。
【0056】これに対して、図9には、モータ10のト
ルクT(Nm)の、電気角θeに対する変動(電流は一
定)の解析結果であってモータ特性データに基づいて解
析されたものが、そのモータ特性データが上記従来例に
より作成されたものである場合については実線グラフで
示される一方、本実施形態により作成されたものである
場合については破線グラフで示される。
【0057】図8および図9から明らかなように、本実
施形態における解析、すなわち、FEMモデルに完全に
は依存しない形式の解析によれば、上記従来例における
解析、すなわち、FEMモデルに完全に依存する形式の
解析による場合とほぼ同等な高さで解析精度を確保し得
る。
【0058】以上のようにしてモータ特性データの補間
が行われた後、図4のS4において、上記作成された磁
束鎖交数データにより表される磁束鎖交数Φα、Φβの
電気角θeに関する微分値と、アルファ相電流Iα、ベ
ータ相電流Iβに関する微分とが、コンピュータ30に
よる微分値計算プログラム(図3参照)の実行により、
計算されて取得される。それらの計算値は、後述の連成
解析において使用される。
【0059】その後、S5において、S1におけるに準
じて、制御系12の回路方程式が誘導されるとともに、
その誘導された回路方程式から状態方程式が導出され
る。回路方程式は、制御系12を電気回路として見た場
合のその電気回路の特性を記述する方程式である。
【0060】同ステップにおいては、続いて、前記作成
されたモータ特性データ(計算値と補間値とを含む)
と、前記計算された複数の微分値と、前記導出されたモ
ータ10の状態方程式と、上記導出された制御系12の
状態方程式とに基づき、コンピュータ30によるシミュ
レーションプログラム(図3参照)の実行により、モー
タ10と制御系12とを含む電気系が連成解析される。
このシミュレーションプログラムは、モータ特性データ
により表される数値と、複数の微分値とをそれら状態方
程式に代入することにより、電気系全体の特性を解析す
るプログラムである。
【0061】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、モータ10が請求項1ないし9のいずれ
かにおける「回転機」の一例を構成しているのである。
さらに、図4におけるS2が請求項1における「第1ス
テップ」の一例を構成し、S4およびS5が互いに共同
して同請求項における「第2ステップ」の一例を構成
し、磁束鎖交数Φα、Φβが同請求項における「磁気的
物理量」の一例を構成しているのである。さらに、磁束
鎖交数Φα、Φβの電気角θeに関する微分値が同請求
項における「第1微分値」の一例を構成し、各磁束鎖交
数Φα、Φβの各アルファ相電流Iα、ベータ相電流I
βに関する微分値が同請求項における「第2微分値」の
一例を構成しているのである。さらに、モータ10の回
路方程式とそれの状態方程式とがそれぞれ同請求項にお
ける「回転機記述方程式」の一例を構成し、制御系12
の回路方程式とそれの状態方程式とがそれぞれ同請求項
における「制御系記述方程式」の一例を構成しているの
である。
【0062】さらに、本実施形態においては、図4にお
けるS4およびS5が互いに共同して請求項2における
「第2ステップ」の一例を構成しているのである。
【0063】さらに、本実施形態においては、図5にお
けるS101,S102,S104およびS106が互
いに共同して請求項3における「暫定計算値取得ステッ
プ」の一例を構成しているのである。
【0064】さらに、本実施形態においては、図5にお
けるS107が請求項4における「第1選択ステップ」
の一例を構成し、S103とS105とが互いに共同し
て同請求項における「第2選択ステップ」の一例を構成
しているのである。
【0065】さらに、本実施形態においては、図4にお
けるS3が請求項5における「第3ステップ」の一例を
構成し、S4とS5とが互いに共同して同請求項におけ
る「第2ステップ」の一例を構成しているのである。
【0066】さらに、本実施形態においては、図3にお
ける磁場解析プログラムと補間プログラムと微分値計算
プログラムとシミュレーションプログラムとが互いに共
同して請求項7における「プログラム」の一例を構成
し、メモリ34が同請求項における「記録媒体」の一例
を構成しているのである。
【0067】さらに、本実施形態においては、解析シス
テムが請求項8または9に係る「電気系解析システム」
の一例を構成し、コンピュータ30のうちS2を実行す
る部分が同請求項における「第1手段」の一例を構成
し、S4およびS5を実行する部分が同請求項における
「第2手段」の一例を構成しているのである。
【0068】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、これは例示であり、前記[課題を
解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態
様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、
改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電気系解析方法を含
む電気系設計方法を概念的に説明するためのブロック図
である。
【図2】上記電気系解析方法により解析が行われる電気
系の構成をそれの周辺機器の構成と共に概念的に示すブ
ロック図である。
【図3】上記電気系解析方法を実施するために使用され
る電気系解析システムの構成をそれの周辺機器の構成と
共に概念的に示すブロック図である。
【図4】上記電気系解析方法の手順を示すフローチャー
トである。
【図5】図4におけるS2の詳細を示すフローチャート
である。
【図6】図4におけるS2およびS3の内容を説明する
ためのグラフである。
【図7】図4におけるS2の内容を説明するための別の
グラフである。
【図8】本実施形態による解析精度を従来例による解析
精度と比較して説明するためのグラフである。
【図9】本実施形態による解析精度を従来例による解析
精度と比較して説明するための別のグラフである。
【図10】電気系設計方法の一従来例を説明するための
ブロック図である。
【図11】電気系設計方法の別の従来例を説明するため
のブロック図である。
【符号の説明】
10 モータ 12 制御系 14 コントローラ 16 駆動回路 30 コンピュータ 34 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 俊史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大谷 裕子 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H550 BB10 JJ03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルとロータとを有して作動させられ
    る回転機とその回転機を制御する制御系とを含む電気系
    をコンピュータにより解析する方法であって、 前記回転機の磁場解析を行うための解析モデルを前記コ
    ンピュータ上で用いることにより、前記回転機の磁気的
    物理量を、前記ロータの回転角に関する複数の離散値で
    ある離散回転角の各々と、前記コイルの電流に関する複
    数の離散値である離散電流値の各々とに関して計算し、
    それにより、前記磁気的物理量に関して複数の計算値を
    離散回転角ごとに取得するとともに離散電流値ごとに取
    得する第1ステップであって、前記複数の離散回転角
    は、前記磁気的物理量の前記回転角に関する微分値であ
    る第1微分値の絶対値が大きい場合において小さい場合
    におけるより細かい刻みで前記回転角が離散化されて取
    得され、前記複数の離散電流値は、前記磁気的物理量の
    前記電流に関する微分値である第2微分値の絶対値が大
    きい場合において小さい場合におけるより細かい刻みで
    前記電流が離散化されて取得されたものと、 その第1ステップにおいて取得された複数の計算値と、
    前記回転機を電気回路として記述する回転機記述方程式
    であってその回転機の特性の非線形性を表現可能なもの
    と、前記制御系を電気回路として記述する制御系記述方
    程式とに基づき、前記電気系を前記コンピュータにより
    解析する第2ステップとを含む電気系解析方法。
  2. 【請求項2】 前記第2ステップが、前記取得された複
    数の計算値と、前記取得された複数の第1微分値と、前
    記取得された複数の第2微分値との少なくとも一部を、
    前記回転機記述方程式と前記制御系記述方程式とに代入
    して予め定められた計算を行うことにより、前記電気系
    を前記コンピュータにより解析するものである請求項1
    に記載の電気系解析方法。
  3. 【請求項3】 前記第1ステップが、前記回転角と前記
    電流とをそれぞれ変数とし、各変数を一定の刻みで変化
    させることによって前記複数の計算値の暫定値である暫
    定計算値を取得する暫定計算値取得ステップを含むもの
    である請求項1または2に記載の電気系解析方法。
  4. 【請求項4】 前記第1ステップが、さらに、 前記取得された複数の暫定計算値に基づいて前記第1微
    分値を計算し、その計算結果に基づき、前記取得された
    複数の暫定計算値の中からそれらを代表する複数の代表
    計算値を、それらに対応する複数の離散回転角が、それ
    らの第1微分値の絶対値が大きい場合において小さい場
    合におけるより細かい刻みで回転角が離散化されたもの
    となるように選択する第1選択ステップと、 前記取得された複数の暫定計算値に基づいて前記第2微
    分値を計算し、その計算結果に基づき、前記取得された
    複数の暫定計算値の中からそれらを代表する複数の代表
    計算値を、それらに対応する複数の離散電流値が、それ
    らの第2微分値の絶対値が大きい場合において小さい場
    合におけるより細かい刻みで電流が離散化されたものと
    なるように選択する第2選択ステップとを含むものであ
    る請求項3に記載の電気系解析方法。
  5. 【請求項5】 さらに、 前記回転角と前記電流とに関してそれぞれ、前記取得さ
    れた複数の計算値のうち互いに隣接した2つの計算値を
    補間する少なくとも1つの補間値を前記コンピュータに
    より計算して取得する第3ステップを含み、かつ、 前記第2ステップが、その第3ステップにおいて取得さ
    れた複数の補間値と、前記第1ステップにおいて取得さ
    れた複数の計算値と、前記回転機記述方程式と、前記制
    御系記述方程式とに基づき、前記電気系を前記コンピュ
    ータにより解析するものである請求項1ないし4のいず
    れかに記載の電気系解析方法。
  6. 【請求項6】 前記磁気的物理量が、前記回転機の磁束
    鎖交数を含む請求項1ないし5のいずれかに記載の電気
    系解析方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の電
    気系解析方法を実施するためにコンピュータにより実行
    されるプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した
    記録媒体。
  8. 【請求項8】 コイルとロータとを有して作動させられ
    る回転機とその回転機を制御する制御系とを含む電気系
    をコンピュータにより解析するシステムであって、 前記回転機の磁場解析を行うための解析モデルを前記コ
    ンピュータ上で用いることにより、前記回転機の磁気的
    物理量を、前記ロータの回転角に関する複数の離散値で
    ある離散回転角の各々と、前記コイルの電流に関する複
    数の離散値である離散電流値の各々とに関して計算し、
    それにより、前記磁気的物理量に関して複数の計算値を
    離散回転角ごとに取得するとともに離散電流値ごとに取
    得する第1手段であって、前記複数の離散回転角は、前
    記磁気的物理量の前記回転角に関する微分値である第1
    微分値の絶対値が大きい場合において小さい場合におけ
    るより細かい刻みで前記回転角が離散化されて取得さ
    れ、前記複数の離散電流値は、前記磁気的物理量の前記
    電流に関する微分値である第2微分値の絶対値が大きい
    場合において小さい場合におけるより細かい刻みで前記
    電流が離散化されて取得されたものと、 その第1手段により取得された複数の計算値と、前記回
    転機を電気回路として記述する回転機記述方程式であっ
    てその回転機の特性の非線形性を表現可能なものと、前
    記制御系を電気回路として記述する制御系記述方程式と
    に基づき、前記電気系を前記コンピュータにより解析す
    る第2手段とを含む電気系解析システム。
  9. 【請求項9】 前記磁気的物理量が、前記回転機の磁束
    鎖交数を含む請求項8に記載の電気系解析システム。
JP2000378645A 2000-12-13 2000-12-13 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム Pending JP2002186271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000378645A JP2002186271A (ja) 2000-12-13 2000-12-13 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000378645A JP2002186271A (ja) 2000-12-13 2000-12-13 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002186271A true JP2002186271A (ja) 2002-06-28

Family

ID=18847177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000378645A Pending JP2002186271A (ja) 2000-12-13 2000-12-13 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002186271A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008141835A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Denso Corp モータの制御方法及びそれを利用するモータ制御装置
JP2013119295A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Jfe Steel Corp ハイブリッド自動車用モータの性能解析方法
JP2016118831A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社Jsol 特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008141835A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Denso Corp モータの制御方法及びそれを利用するモータ制御装置
JP2013119295A (ja) * 2011-12-07 2013-06-17 Jfe Steel Corp ハイブリッド自動車用モータの性能解析方法
JP2016118831A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社Jsol 特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Briz et al. Analysis and design of current regulators using complex vectors
JP6468826B2 (ja) シミュレーション装置及びコンピュータプログラム
Pilat Analytical modeling of active magnetic bearing geometry
CN110112974B (zh) 电机控制方法、控制器、存储介质及电机驱动系统
Guo et al. Self organizing fuzzy sliding mode controller for the position control of a permanent magnet synchronous motor drive
Rojas et al. Multiobjective fuzzy predictive torque control of an induction machine fed by a 3L-NPC inverter
Gouda et al. Artificial intelligence based torque ripple minimization of switched reluctance motor drives
Gangl et al. Multi-objective free-form shape optimization of a synchronous reluctance machine
Forstner et al. Fault-tolerant torque control of a three-phase permanent magnet synchronous motor with inter-turn winding short circuit
Figueroa et al. Simplified simulation methods for polyphase brushless DC motors
Tekgun et al. FEA based fast topology optimization method for switched reluctance machines
Ma et al. Topology optimization of ferromagnetic components in electrical machines
CN103378793A (zh) 生成用于控制永磁电机操作的电压指令的方法、系统和设备
JP2002186271A (ja) 電気系解析方法、記録媒体および電気系解析システム
Mohr et al. An improved physical phase variable model for permanent magnet machines
JP6441661B2 (ja) 特性テーブル作成装置及びコンピュータプログラム
Bonifacio et al. Online maximum torque per ampere control of interior permanent magnet synchronous machines (IPMSM) for automotive applications
Wu et al. Model-free predictive current control for IPMSMs with multiple current difference updating technique
KR101861023B1 (ko) 모델예측제어 기반의 유도 전동기의 토크 제어 장치 및 방법
Krim et al. Modeling and hardware implementation on the FPGA of a variable structure control associated with a DTC-SVM of an induction motor
Wang et al. Continuum shape design sensitivity analysis of magnetostatic field using finite element method
Tikkani et al. A fuzzy-2 indirect vector control of induction motor using space vector fuzzy-2 based PWM
Vasudevan et al. Different viable torque control schemes of induction motor for electric propulsion systems
Wang et al. Multiphysics field co-simulation research based on electric drive system for a specific type of car
Metwaly Direct torque and flux control of a four-switch three-phase inverter-fed synchronous reluctance motor drives