JP6468806B2 - 衝突検知装置及び衝突検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、衝突検知装置及び衝突検知方法に関する。
鉄道車両の衝突を検知するための装置が提案されている。例えば、特許文献1には、鉄道車両の加速度を検出する加速度センサを備え、鉄道車両の前後方向の加速度、左右方向の加速度及び上下方向の加速度等のパラメータの内で一つでも閾値を超えた場合に、衝突等の事故が発生したと判断する装置が開示されている。
特開平10‐271604号公報
ところで、鉄道車両においては、客室を設けるために、加速度センサを配置できる場所は限定される。そのため、乗務員室の扉等のドアの開閉時の衝撃を加速度センサが衝突と同等の加速度として検出し、衝突が生じたと誤検出する可能性がある。一方、当該誤検出の対策として、閾値を大きくすると、実際に衝突が生じたときに当該衝突を検知できない可能性がある。
そこで本発明は、鉄道車両の衝突を判定する精度を向上させることができる衝突検知装置及び衝突検知方法を提供することを目的とする。
本発明は、鉄道車両の加速度波形をサンプリングにより検出する加速度センサ部と、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅において解析線で区画される一方の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する波形解析部と、基準空間においてマハラノビス距離を算出するマハラノビス距離算出部と、マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、鉄道車両が衝突したと判定する衝突判定部とを備えた衝突検知装置である。
この構成によれば、加速度センサ部は、鉄道車両の加速度波形をサンプリングにより検出し、波形解析部は、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅において解析線で区画される一方の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する。また、マハラノビス距離算出部は、基準空間においてマハラノビス距離を算出し、衝突判定部は、マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、鉄道車両が衝突したと判定する。このような基準空間におけるマハラノビス距離に基づいて衝突を判定することにより、鉄道車両の衝突を判定する精度を向上させることができる。
この場合、波形解析部は、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上大きい加速度値を示す解析線と、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上小さい加速度値を示す解析線とを用いて基準空間を生成することが好適である。
この構成によれば、波形解析部は、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上大きい加速度値を示す解析線と、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上小さい加速度値を示す解析線とを用いて基準空間を生成する。このため、衝突をドアの開閉等の衝撃から判別し易くなり、鉄道車両の衝突を判定する精度をさらに向上させることができる。
また、波形解析部は、鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1になるように基準空間を生成することが好適である。
この構成によれば、波形解析部は、鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離が0.9〜1.1になるように基準空間を生成する。このため、ドアの開閉等の衝撃が生じているときもマハラノビス距離は衝突を生じていない値を示すことになり、衝突をドアの開閉等の衝撃から判別し易くなり、鉄道車両の衝突を判定する精度をさらに向上させることができる。
また、本発明は、衝突検知装置の加速度センサ部により、鉄道車両の加速度波形をサンプリングにより検出するサンプリング工程と、衝突検知装置の波形解析部により、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅において解析線で区画される一方の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する波形解析工程と、衝突検知装置のマハラノビス距離算出部により、基準空間においてマハラノビス距離を算出するマハラノビス距離算出工程と、衝突検知装置の衝突判定部により、マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、鉄道車両が衝突したと判定する衝突判定工程とを含む衝突検知方法である。
この場合、波形解析工程では、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上大きい加速度値を示す解析線と、加速度波形の加速度の平均値に対して加速度の標準偏差の5倍以上小さい加速度値を示す解析線とを用いて基準空間を生成することが好適である。
また、波形解析工程では、鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1になるように基準空間を生成することが好適である。
本発明の衝突検知装置及び衝突検知方法によれば、鉄道車両の衝突を判定する精度を向上させることができる。
実施形態の衝突検知装置を搭載した車両ごとの構成を示すブロック図である。 図1の衝突検知装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の衝突検知装置の動作を示すフローチャートである。 波形解析工程の例を示すグラフである。 実験例のドア開閉時のマハラノビス距離を示すグラフである。 実験例の衝突時のマハラノビス距離を示すグラフである。 実験例の項目ごとの有効性解析結果を示すグラフである。 実験例の有効性解析により選択された項目により算出されたドア開閉時のマハナノビス距離を示すグラフである。 実験例の有効性解析により選択された項目により算出された衝突時のマハナノビス距離を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る衝突検知装置及び衝突検知方法について説明する。本発明の実施形態に係る衝突検知装置110は、図1に示すように、2両の先頭車両101と、2両の先頭車両101の間に連結された複数の中間車両102とにそれぞれ搭載されている。先頭車両101は、衝突検知装置110、リレー120、防護無線機130、モニタ表示器140及びリセットスイッチ150を備えている。中間車両102は、先頭車両101と同様の衝突検知装置110を備えている。衝突検知装置110は、後述する構成により、先頭車両101及び中間車両102の衝突を検知する。衝突には、先頭車両101の前面が他の鉄道車両等の物体と衝突する前面衝突と、先頭車両101又は中間車両102の側面が他の鉄道車両等の物体と衝突する側面衝突とが含まれる。
衝突検知装置110は、衝突を検知したときに、衝突に関する情報に係る出力信号を送信する。先頭車両101及び中間車両102の衝突検知装置110それぞれは互いに接続されており、中間車両102の衝突検知装置110が衝突を検知したときは、中間車両102の衝突検知装置110は、先頭車両101の衝突検知装置110に、衝突に関する情報に係る出力信号を送信する。衝突に関する情報には、衝突が生じた先頭車両101又は中間車両102を特定する情報が含まれる。
リレー120は、衝突を検知した衝突検知装置110より送信される出力信号を防護無線機130に送るラッチングリレーである。衝突を検知した衝突検知装置110から出力信号が送信されると、リレー120のセットコイルが励磁されて接点が閉じ、防護無線機130により防護無線が送信される。防護無線とは、先頭車両101及び中間車両102のいずれかに衝突が生じたことを無線通信により付近の駅及び付近を走行中の他の鉄道車両に報知するものである。なお、本実施形態では、衝突検知装置110からの出力信号が送出されなくなり、リレー120のセットコイルの励磁が解かれても、リレー120の接点が閉じた状態は保持される。そのため、衝突検知装置110からの出力信号が送出されなくなっても、防護無線機130からの防護無線の送信は継続される。
防護無線機130は、アンテナ106により先頭車両101及び中間車両102のいずれかに衝突が生じたことを付近の駅及び付近を走行中の他の鉄道車両に報知する防護無線を送信する。なお、防護無線機130は、先頭車両101の運転台のスイッチが乗務員により手動操作されることによっても、防護無線を送信することができる。
モニタ表示器140は、先頭車両101の運転台に設置される液晶ディスプレイ等の表示器である。モニタ表示器140は、衝突検知装置110が先頭車両101及び中間車両102のいずれかの衝突を検知したときは、衝突が生じた先頭車両101又は中間車両102を特定する情報を表示する。
リセットスイッチ150は、リレー120及び衝突検知装置110を初期状態に戻すためのリセット入力を行うスイッチである。リセットスイッチ150が押下されると、リレー120のリセットコイルが励磁されて接点が開となり、防護無線機130の防護無線の送信が停止する。また、リセットスイッチ150が押下されると、衝突検知装置110が衝突を検知していない初期状態となり、モニタ表示器140での情報の表示が消去される。
次に、衝突検知装置110の構成について説明する。図2に示すように、衝突検知装置110は、加速度センサ部111、波形解析部112、マハラノビス距離算出部113及び衝突判定部118を備える。加速度センサ部111は、先頭車両101又は中間車両102の前後方向、左右方向及び上下方向の加速度波形を予め設定されたサンプリング周期によるサンプリングにより検出する。加速度センサ部111は、先頭車両101又は中間車両102の前後方向、左右方向及び上下方向の3軸の加速度を検出し、当該加速度に応じた出力信号を出力することが可能な加速度センサから構成されている。
なお、加速度センサ部111により検出されたサンプリングデータは、不図示のローパスフィルタによりフィルタリングされてもよい。ローパスフィルタの遮断周波数は、例えば、40Hzとすることができる。また、上下方向の加速度波形のサンプリングデータについては、例えば、第1の遮断周波数(例えば、20Hz)を有する第1のローパスフィルタでフィルタリングされた値と、第2の遮断周波数(例えば、40Hz)を有する第2のローパスフィルタでフィルタリングされた値との両方を用いることができる。
波形解析部112、マハラノビス距離算出部113及び衝突判定部118は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ及び入出力インターフェイス等を備えた電子計算機として構成される。
波形解析部112は、後述するように、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅において解析線で区画される正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する。なお、波形解析部112は、抽出幅において解析線で区画される正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成してもよい。
マハラノビス距離算出部113は、波形解析部112により生成された基準空間においてマハラノビス距離を算出する。衝突判定部118は、マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、先頭車両101又は中間車両102が衝突したと判定する。
以下、本実施形態の衝突検知装置110の動作について説明する。図3に示すように、サンプリング工程として、衝突検知装置110の加速度センサ部111により、先頭車両101又は中間車両102の加速度波形がサンプリングにより検出される(S11)。加速度センサ部111は、先頭車両101又は中間車両102の前後方向、左右方向及び上下方向の加速度を例えば5ms(200Hz)のサンプリング周期ごとに検出する。
本実施形態では、先頭車両101又は中間車両102の前後方向、左右方向及び上下方向の加速度波形が取得される。また、上述したように本実施形態では、先頭車両101又は中間車両102の前後方向及び左右方向の加速度波形が、例えば、40Hzの遮断周波数のローパスフィルタによりフィルタリングされた加速度波形が取得されてもよい。また、本実施形態では、先頭車両101又は中間車両102の上下方向の加速度波形が、例えば、第1の遮断周波数(例えば、20Hz)を有する第1のローパスフィルタでフィルタリングされた加速度波形と、第2の遮断周波数(例えば、40Hz)を有する第2のローパスフィルタでフィルタリングされた加速度波形がそれぞれ取得されてもよい。
波形解析工程として、衝突検知装置110の波形解析部112により、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅において解析線で区画される一方の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間が生成される(S12)。
図4に示すように、波形解析部112は、時間に対する加速度aの加速度波形Wに対して、加速度aの平均値aAVGを示す解析線L5と、平均値aAVGの±1.25σごとの加速度値を示す解析線L1〜L4,L6〜L9との合計9本の解析線を設定する。σは加速度aの標準偏差である。つまり、波形解析工程では、波形解析部112は、加速度波形Wの加速度aの平均値aAVGに対して加速度aの標準偏差σの5倍大きい加速度値を示す解析線L9と、加速度波形Wの加速度aの平均値aAVGに対して加速度aの標準偏差σの5倍以上小さい加速度値を示す解析線L1とを用いて基準空間を生成する。
波形解析部112は、任意の時間帯である抽出幅wにおいて、解析線L1〜L9を加速度波形Wが横切る回数で定義されるベクトル量を解析する。また、波形解析部112は、抽出幅wにおいて、解析線L1〜L9で区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量を解析する。
波形解析部112は、前後方向の加速度、左右方向の加速度、上下方向の加速度について、上記のようにベクトル量を解析し、当該ベクトル量に基づいて基準空間を生成する。また、波形解析部112は、ローパスフィルタによりフィルタリングされた前後方向の加速度、ローパスフィルタによりフィルタリングされた左右方向の加速度、第1のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度及び第2のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度について、上記のようにベクトル量を解析し、当該ベクトル量に基づいて基準空間を生成してもよい。
なお、本実施形態では、これらのベクトル量の全てを用いる必要は無い。例えば、波形解析工程では、鉄道車両に衝突が生じないときの後述するマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1、より好ましくは1.0になるように基準空間を生成することができる。また、波形解析工程では、鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離と、鉄道車両に衝突が生じたときのマハラノビス距離との差異が、どのようなベクトル量に現れるかの有効性解析を予め行っておき、有効性が任意の閾値を超えるベクトル量のみにより基準空間を生成してもよい。これにより、衝突検知装置110の演算負荷及び演算時間を低減することができる。
マハラノビス距離算出工程として、衝突検知装置110のマハラノビス距離算出部113により、基準空間においてマハラノビス距離が算出される(S13)。マハラノビス距離算出部113は、サンプリング周期である5msごとにマハラノビス距離を算出する。
ここで、マハラノビス距離計算式の導出について、一般的な製品の良否判定におけるマハラノビス距離計算式の導出を例にとって説明を行う。この導出においては、まず、基準空間を作成するため、良品であることが既知の製品n個それぞれについて計測項目X,X…Xを取得し、X,X…Xによってなるベクトルデータをn個の製品それぞれについて生成し、これらn個のベクトルデータによって基準空間を形成する。そして、取得されたそれぞれの計測項目の平均値m,m…m及び標準偏差σ,σ…σを求めておき、n個の製品それぞれの計測項目を以下の式(1)によって基準化する。
Figure 0006468806

なお、式(1)において、添字のiは上記の計測項目へのインデックスであり、jは基準空間の作成に用いたn個の製品それぞれへのインデックスである。
本実施形態では、計測項目X,X…Xとして、例えば、X:前後方向の加速度波形Wの抽出幅wにおいて解析線L1を加速度波形Wが横切る回数で定義されるベクトル量、X:前後方向の加速度波形Wの抽出幅wにおいて解析線L1で区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量、X:前後方向の加速度波形Wの抽出幅wにおいて解析線L2を加速度波形Wが横切る回数で定義されるベクトル量、X:前後方向の加速度波形Wの抽出幅wにおいて解析線L2で区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量、…Xk-1:第2のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度波形Wの抽出幅wにおいて解析線L9を加速度波形Wが横切る回数で定義されるベクトル量、X:第2のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度波形Wの解析線L9で区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量と設定することができる。
また、上記のように基準化されたn個の製品それぞれの計数項目を用いて、相関行列の逆行列aijを求める。そして、相関行列の逆行列aij、平均値m,m…m及び標準偏差σ,σ…σを用いると、マハラノビス距離Dを計算するためのマハラノビス距離計算式が、以下の式(2)として導出できる。この式(2)のX、Xに、被判定対象の製品について計測した上記の計測項目の値を代入すると、マハラノビス距離Dを算出できる。
Figure 0006468806

衝突判定工程として、衝突検知装置110の衝突判定部118により、マハラノビス距離Dが予め設定された閾値を超えているときに、先頭車両101又は中間車両102が衝突したと判定される(S14)。衝突判定部118は、例えば、マハラノビス距離Dが4〜50を超えたときに、先頭車両101又は中間車両102が衝突したと判定することができる。
本実施形態によれば、衝突検知装置110の加速度センサ部111は、鉄道車両の加速度波形Wをサンプリングにより検出し、波形解析部112は、任意の時間帯である抽出幅wにおいて任意の加速度値を示す解析線L1〜L9を加速度波形Wが横切る回数で定義されるベクトル量と、抽出幅wにおいて解析線L1〜L9で区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する。また、マハラノビス距離算出部113は、基準空間においてマハラノビス距離Dを算出し、衝突判定部118は、マハラノビス距離Dが予め設定された閾値を超えているときに、鉄道車両が衝突したと判定する。このような基準空間におけるマハラノビス距離に基づいて衝突を判定することにより、鉄道車両の衝突を判定する精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、波形解析部112は、加速度波形Wの加速度aの平均値aAVGに対して加速度aの標準偏差σの5倍以上大きい加速度値を示す解析線L9と、加速度波形Wの加速度aの平均値aAVGに対して加速度aの標準偏差σの5倍以上小さい加速度値を示す解析線L1とを用いて基準空間を生成する。このため、衝突をドアの開閉等の衝撃から判別し易くなり、鉄道車両の衝突を判定する精度をさらに向上させることができる。
また、本実施形態によれば、波形解析部112は、鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1、好ましくは1.0になるように基準空間を生成する。このため、ドアの開閉等の衝撃が生じているときもマハラノビス距離Dは衝突を生じていない値を示すことになり、衝突をドアの開閉等の衝撃から判別し易くなり、鉄道車両の衝突を判定する精度をさらに向上させることができる。
尚、本発明の実施形態の合流支援システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の実施形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
(実験例)
以下、本発明の実験例について説明する。図2に示した衝突検知装置110を搭載した衝突試験用鉄道車両において、ドア開閉時のマハラノビス距離と衝突時のマハラノビス距離とを算出した。加速度センサ部111は、衝突試験用鉄道車両の加速度波形を200Hzのサンプリング周期ごとに検出した。本実験例においては、前後方向の加速度波形、左右方向の加速度波形、上下方向の加速度波形、ローパスフィルタによりフィルタリングされた前後方向の加速度波形、ローパスフィルタによりフィルタリングされた左右方向の加速度波形、第1のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度波形及び第2のローパスフィルタによりフィルタリングされた上下方向の加速度波形の7つの加速度波形を検出した。
波形解析部112は、上記の7つの加速度波形について、図4に示したように、加速度aの平均値aAVGを示す解析線L5と、平均値aAVGの±1.25σごとの加速度値を示す解析線L1〜L4,L6〜L9との合計9本の解析線を設定した。波形解析部112は、上記の7つの加速度波形Wについて、抽出幅wにおいて解析線L1〜L9それぞれを加速度波形Wが横切る回数で定義される7つのベクトル量を解析した。波形解析部112は、上記の7つの加速度波形Wについて、解析線L1〜L9それぞれで区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義される7つのベクトル量を解析した。
マハラノビス距離算出部113は、サンプリング周期である5msごとにマハラノビス距離を算出した。本実験例では、上記の7つの加速度波形Wについて、解析線L1〜L9それぞれを加速度波形Wが横切る回数で定義されるそれぞれ7つのベクトル量と、解析線L1〜L9それぞれで区画される加速度aの正の側に存在するサンプリングによるデータ数で定義される7つのベクトル量とを計測項目とした。また、上記の7つの加速度波形W自体も計測項目とした。したがって、計測項目は、7(加速度波形の数)×9(ベクトル量の数)+7(加速度波形の数)×9(ベクトル量の数)+7(加速度波形の数)=133項目となった。
図5に本実験例のドア開閉時のマハラノビス距離を示し、図6に本実験例の衝突時のマハラノビス距離を示す。図5のマハラノビス距離の平均値は0.90098であった。一方、図6のマハラノビス距離の平均値は4.128×10であった。したがって、ドア開閉時のマハラノビス距離に比べて衝突時のマハラノビス距離は明らかに大きいため、マハラノビス距離により、ドア開閉時の衝撃と衝突時の衝撃とを明確に判別できることが判る。
次に、上記の133項目の計測項目について、衝突が生じていないときのマハラノビス距離と、衝突が生じているときのマハラノビスとの差異がどのようなベクトル量に現れるかの有効性解析を行った。図7に示すように、133項目の内から、効果が+0.5dBを超える計測項目を選択した。マハラノビス距離算出部113は、選択された計測項目により、ドア開閉時のマハラノビス距離と衝突時のマハラノビス距離とを再度算出した。
図8に本実験例のドア開閉時のマハラノビス距離を示し、図9に本実験例の衝突時のマハラノビス距離を示す。図8のマハラノビス距離の平均値は1.0000であった。一方、図9のマハラノビス距離は369.7739であった。図9の例では、図6に比べてマハラノビス距離の平均値は大幅に小さくなったが、マハラノビス距離が50前後の閾値を超えているときに衝突が生じていると判定することにより、衝突検知が可能となる。また、図8のドア開閉時のマハラノビス距離の平均値は1.0000であるため、ドア開閉時のマハラノビス距離と衝突が生じていないときのマハラノビス距離とは同一となり、ドア開閉時の衝撃を衝突時の衝撃と誤判定することを防ぐことができる。したがって、衝突判定の精度を向上させることができる。
101…先頭車両、102…中間車両、106…アンテナ、110…衝突検知装置、111…加速度センサ部、112…波形解析部、113…マハラノビス距離算出部、118…衝突判定部、120…リレー、130…防護無線機、140…モニタ表示器、150…リセットスイッチ、W…加速度波形、w…抽出幅、L1〜L9…解析線。

Claims (4)

  1. 鉄道車両の加速度波形をサンプリングにより検出する加速度センサ部と、
    任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を前記加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、前記抽出幅において前記解析線で区画される一方の側に存在する前記サンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する波形解析部と、
    前記基準空間においてマハラノビス距離を算出するマハラノビス距離算出部と、
    前記マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、前記鉄道車両が衝突したと判定する衝突判定部と、
    を備え
    前記波形解析部は、前記加速度波形の加速度の平均値に対して前記加速度の標準偏差の5倍以上大きい加速度値を示す前記解析線と、前記加速度波形の加速度の平均値に対して前記加速度の標準偏差の5倍以上小さい加速度値を示す前記解析線とを用いて前記基準空間を生成する、衝突検知装置。
  2. 前記波形解析部は、前記鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1になるように前記基準空間を生成する、請求項に記載の衝突検知装置。
  3. 衝突検知装置の加速度センサ部により、鉄道車両の加速度波形をサンプリングにより検出するサンプリング工程と、
    前記衝突検知装置の波形解析部により、任意の時間帯である抽出幅において任意の加速度値を示す解析線を前記加速度波形が横切る回数で定義されるベクトル量と、前記抽出幅において前記解析線で区画される一方の側に存在する前記サンプリングによるデータ数で定義されるベクトル量とに基づいて基準空間を生成する波形解析工程と、
    前記衝突検知装置のマハラノビス距離算出部により、前記基準空間においてマハラノビス距離を算出するマハラノビス距離算出工程と、
    前記衝突検知装置の衝突判定部により、前記マハラノビス距離が予め設定された閾値を超えているときに、前記鉄道車両が衝突したと判定する衝突判定工程と、
    を含み、
    前記波形解析部は、前記加速度波形の加速度の平均値に対して前記加速度の標準偏差の5倍以上大きい加速度値を示す前記解析線と、前記加速度波形の加速度の平均値に対して前記加速度の標準偏差の5倍以上小さい加速度値を示す前記解析線とを用いて前記基準空間を生成する、衝突検知方法。
  4. 前記波形解析工程では、前記鉄道車両に衝突が生じないときのマハラノビス距離の平均値が0.9〜1.1になるように前記基準空間を生成する、請求項に記載の衝突検知方法。
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