JP2009028752A - トランスファ装置及びトランスファ装置の把持不良検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多段式プレス装置に備えられるワークのトランスファ装置及び該トランスファ装置の把持不良検出方法であって、搬送されるワークの「斜め掴み」現象をも検出して、斜め打ち不良の発生の防止を図る技術を提案する。
【解決手段】複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、成形ステージ間に渡ってワークを搬送するトランスファ装置に、ワークを掴む一組の開閉式の把持爪と、前記一組の把持爪の開閉ストローク量を検出する変位検出手段と、前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を得る波形算出手段と、前記波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定する判定手段とを備えた。前記類似度としてマハラノビス距離に基づく値を算出した。
【選択図】図11
【解決手段】複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、成形ステージ間に渡ってワークを搬送するトランスファ装置に、ワークを掴む一組の開閉式の把持爪と、前記一組の把持爪の開閉ストローク量を検出する変位検出手段と、前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を得る波形算出手段と、前記波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定する判定手段とを備えた。前記類似度としてマハラノビス距離に基づく値を算出した。
【選択図】図11
Description
本発明は、多段式プレス装置に備えられてワーク(素材)を移送するトランスファ装置及びトランスファ装置の把持不良検出方法に関する。
ボルト・ナットや自動車用機構部品などは、棒状の金属素材からプレス鍛造(圧造)により製造されている。鍛造に用いるプレス装置の一形態として、パンチとダイとを備えた成形ステージが複数備えられ、これらの成形ステージでワーク(金属素材)を所望の形状となるまで段階的に鍛造成形する、多段式プレス装置がある。この多段式プレス装置には、ワークを成形ステージ間に渡って移送するトランスファ装置が備えられ、前記多段式プレス装置はトランスファプレスとも呼ばれる。
多段式プレス装置には、パンチが上下往復動する縦型多段式プレス装置と、パンチが略水平方向に往復動する横型多段式プレス装置とがある。特に横型多段式プレス装置に備えられるトランスファ装置では、或成形ステージでワークを正常な姿勢で捉えて、次成形ステージに移送することにより、当該次成形ステージに正常な姿勢でセットすることができる。なお、前記「正常な姿勢」とは、トランスファ装置により定まる略一定の姿勢のことである。
前記トランスファ装置で、ワークを捉えることができない場合には、ワークを移送することができずに二個のワークが上記或成形ステージで一度に圧造され、「二個打ち」と呼ばれる不良が生じる。また、前記トランスファ装置で、ワークが正常な姿勢で捉えられなかった場合には、前記次成形ステージにて異常な姿勢でワークがセットされて圧造され、「斜め打ち」と呼ばれる不良が生じる。
そこで、多段式プレス装置に備えられるトランスファ装置には、ワークの二個打ちを防止するために、ワークの把持不良(ミスグリップ)の検知装置を備えたものがある。
例えば、特許文献1に記載のワーク搬送装置(トランスファ装置)は、導電性のワークを把持する複数のチャック部と、これらチャック部を往復動させる往復動装置と、チャック部のそれぞれがワークを把持しているか否かを検出するワーク把持検出部とを備えたものである。前記ワーク搬送装置では、通電の有無によりチャック部によるワークの捉えミスが検出される。
例えば、特許文献1に記載のワーク搬送装置(トランスファ装置)は、導電性のワークを把持する複数のチャック部と、これらチャック部を往復動させる往復動装置と、チャック部のそれぞれがワークを把持しているか否かを検出するワーク把持検出部とを備えたものである。前記ワーク搬送装置では、通電の有無によりチャック部によるワークの捉えミスが検出される。
また、トランスファ装置においては、クランパの把持爪とワークとの位置ズレが把持不良発生の一因となることから、把持爪とワークとの位置ズレを解消するために、クランパの位置を自動調整する(調芯する)機構を備えたトランスファ装置がある。
例えば、特許文献2に記載のトランスファ装置は、ワークを把持する開閉可能な把持爪を有するクランパと、クランパを所定の方向に移動させる移動手段と、自動調芯機構とを備え、自動調芯機構は、把持爪を閉駆動して調芯対象であるパンチに当接させたときの把持爪の開き量を検出する開き量検知手段と、この開き量検知手段による検知結果に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定し、これに従って移動手段を制御する制御手段とを、有するものである。
例えば、特許文献2に記載のトランスファ装置は、ワークを把持する開閉可能な把持爪を有するクランパと、クランパを所定の方向に移動させる移動手段と、自動調芯機構とを備え、自動調芯機構は、把持爪を閉駆動して調芯対象であるパンチに当接させたときの把持爪の開き量を検出する開き量検知手段と、この開き量検知手段による検知結果に基づいてクランパを配置させるべき位置を設定し、これに従って移動手段を制御する制御手段とを、有するものである。
上記特許文献1に記載の技術によれば、多段式プレス装置の成形ステージ間をワークが正常に搬送されないことに基づく「二個打ち」を解消することができる。また、特許文献2に記載の技術によれば、搬送されるワークの傾きの抑制を図ることができる。しかし、上記特許文献1又は特許文献2に記載の技術では、把持爪で把持されるワークが傾く現象(「斜め掴み」現象)を検出して、ワークの「斜め打ち」不良の発生を解消することはできない。つまり、トランスファ装置におけるワークの斜め掴み現象の検出は、作業者の目視による官能的な判断にて行うしかなかった。
特開2004−136377号公報
特開2004−344937号公報
ところで、上記のような構成のトランスファ装置では、ワークを把持する左右いずれかの把持爪の移動量が不安定に乱れたときに、「斜め掴み」現象が発明者等により確認された。「斜め掴み」現象が生じると、多段式プレス装置では「斜め打ち」不良が生じる。つまり、多段式プレス装置の「斜め打ち」不良の原因となるトランスファ装置の「斜め掴み」現象が、トランスファ装置でワークを把持する把持爪の移動量の時系列変化を示す波形の乱れとして表れることとなる。よって、トランスファ装置でワークを把持する把持爪の移動量の時系列変化を示す波形を解析すれば、トランスファ装置でのワークの把持不良を検出することができると発明者等は考えた。しかしながら、トランスファ装置でワークを把持する把持爪の移動量に対して閾値を設けて判断することによれば、ワークの把持・不把持の判定はできるが、トランスファ装置自体の動作誤差や個体差、或いは周辺環境の変化等を受けて検出精度がばらつくことがあるため、ワークの「斜め掴み」現象を検出して判定することは困難である。
そこで、本発明では、多段式プレス装置に備えられるワークのトランスファ装置及び該トランスファ装置の把持不良検出方法であって、ワークを把持する把持爪の移動量の時系列変化を示す波形を解析することにより、搬送されるワークの有無だけでなく、搬送されるワークの「斜め掴み」現象をも検出して、多段式プレス装置における斜め打ち不良の発生の防止を図る技術を提案する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、前記複数の成形ステージ間でワークを搬送するトランスファ装置であって、ワークを掴む一組の開閉式の把持爪と、前記一組の把持爪の開閉ストローク量を検出する変位検出手段と、前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を算出する波形算出手段と、前記波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定する判定手段とを、包含するものである。
請求項2においては、前記類似度は、検出された把持爪の開閉ストローク量より得られる波形と、予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得られる波形との、マハラノビス距離に基づく値とするものである。
請求項3においては、複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、一組の開閉式の把持爪にてワークを掴んで、掴んだワークを前記複数の成形ステージ間で搬送するトランスファ装置の把持不良検出方法であって、前記一組の開閉式の把持爪の開閉ストローク量を検出するステップ;検出した前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を得るステップ;検出した前記開閉ストローク量より得た波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出するステップ;及び、算出した前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定するステップ;を包含するものである。
請求項4においては、前記類似度は、検出された把持爪の開閉ストローク量より得られる波形と、予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得られる波形との、マハラノビス距離に基づく値とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明によれば、ワークを把持する把持爪の移動量の時系列変化を示す波形を解析することにより、搬送されるワークの「斜め掴み」現象をはじめとする把持不良を検出することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る多段式プレス装置の構成を示す図、図2は多段式プレス装置の動作を説明する図、図3は本発明の一実施例に係るトランスファ装置の構成を示す図である。図4はトランスファ装置のクランパの構成を示す図である。図5は把持不良検出機構の構成を示すブロック図、図6はコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図、図7はクランプストローク波形の一例を示す図、図8はマハラノビス距離の算出式を説明する図、図9はクランプストローク波形の特徴量の一例を示す図、図10はトランスファ装置での把持不良検出処理の流れ図、図11はクランプストローク波形とMD値との相関を示す図である。
図1は本発明の一実施例に係る多段式プレス装置の構成を示す図、図2は多段式プレス装置の動作を説明する図、図3は本発明の一実施例に係るトランスファ装置の構成を示す図である。図4はトランスファ装置のクランパの構成を示す図である。図5は把持不良検出機構の構成を示すブロック図、図6はコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図、図7はクランプストローク波形の一例を示す図、図8はマハラノビス距離の算出式を説明する図、図9はクランプストローク波形の特徴量の一例を示す図、図10はトランスファ装置での把持不良検出処理の流れ図、図11はクランプストローク波形とMD値との相関を示す図である。
本発明の実施例に係るトランスファ装置9は、多段式プレス装置7に備えられる。
図1に示すように、多段式プレス装置7には、ボルスタ62と、前記ボルスタ62に対して進退往復動するスライド61と、前記スライド61の駆動手段63とが具備される。本実施例においては、ボルスタ62とスライド61とは略水平方向に並設され、スライド61は略水平方向に往復動する。前記スライド61にはパンチ65が取り付けられ、前記ボルスタ62にはダイ66が取り付けられる。前記スライド61のボルスタ62に対する進退移動に伴って、パンチ65がダイ66に対して進退移動される。
図1に示すように、多段式プレス装置7には、ボルスタ62と、前記ボルスタ62に対して進退往復動するスライド61と、前記スライド61の駆動手段63とが具備される。本実施例においては、ボルスタ62とスライド61とは略水平方向に並設され、スライド61は略水平方向に往復動する。前記スライド61にはパンチ65が取り付けられ、前記ボルスタ62にはダイ66が取り付けられる。前記スライド61のボルスタ62に対する進退移動に伴って、パンチ65がダイ66に対して進退移動される。
前記多段式プレス装置7には、パンチ65とダイ66とを備えた成形ステージが略水平方向に複数備えられ、これらの成形ステージでワーク(金属素材)Wが所望の形状となるまで段階的に成形される。
前記多段式プレス装置7に備えられるトランスファ装置9は、ワークWを成形ステージ間に渡って、略水平方向である搬送方向に順次自動送りするためのものである。
まず、図2(a)に示すように、トランスファ装置9のクランパ11に把持されたワークWがダイ66の成形部68の開口まで搬送されると、パンチ65がダイ66側へ動いて、パンチ65によりワークWが成形部68に押し込まれるとともに前記パンチ65とダイ66との間でワークWが加圧成形される。そして、図2(b)に示すように、パンチ65がダイ66から後退し、さらに、ダイ66に設けられたノックアウトピン67にてワークWが成形部68より押し出され、前記成形部68の開口近傍で待機しているクランパ11にワークWが把持される。このように或成形ステージにて成形後のワークWを把持したクランパ11は、次の成形ステージまで移動し、ワークWをダイ66の成形部68の開口まで搬送する。
まず、図2(a)に示すように、トランスファ装置9のクランパ11に把持されたワークWがダイ66の成形部68の開口まで搬送されると、パンチ65がダイ66側へ動いて、パンチ65によりワークWが成形部68に押し込まれるとともに前記パンチ65とダイ66との間でワークWが加圧成形される。そして、図2(b)に示すように、パンチ65がダイ66から後退し、さらに、ダイ66に設けられたノックアウトピン67にてワークWが成形部68より押し出され、前記成形部68の開口近傍で待機しているクランパ11にワークWが把持される。このように或成形ステージにて成形後のワークWを把持したクランパ11は、次の成形ステージまで移動し、ワークWをダイ66の成形部68の開口まで搬送する。
図3〜5に示すように、前記トランスファ装置9には、搬送対象であるワークWを把持する一組の把持爪10・10を有するクランパ11と、該クランパ11を搬送方向などの所定の方向に移動させる移動機構12と、クランパ11によるワークWの把持不良(ミスグリップ)を検出する把持不良検出機構8が、少なくとも具備される。
図4に示すように、前記クランパ11には爪間の距離が可動である一組の把持爪10・10が設けられる。前記把持爪10は、一つのクランパ11に一組備えられた略く字状のグリップ21の一側(下側)の端部に、位置微調整可能に設けられる。
前記グリップ21・21は略く字状の屈曲した部分でクランパベース27に立設された支軸22・22に回動可能に支承され、また、グリップ21・21は前記支軸22・22と把持爪10・10との間で交差して鋏状に組み合わされる。前記二つのグリップ21・21の間には、一組の把持爪10・10を相互に近づける方向にグリップ21・21を付勢する付勢手段23が備えられる。本実施例においては、圧縮バネが付勢手段23として、グリップ21のうち支軸22を介して把持爪10と反対側の部分を押圧するように設けられる。
前記グリップ21・21は略く字状の屈曲した部分でクランパベース27に立設された支軸22・22に回動可能に支承され、また、グリップ21・21は前記支軸22・22と把持爪10・10との間で交差して鋏状に組み合わされる。前記二つのグリップ21・21の間には、一組の把持爪10・10を相互に近づける方向にグリップ21・21を付勢する付勢手段23が備えられる。本実施例においては、圧縮バネが付勢手段23として、グリップ21のうち支軸22を介して把持爪10と反対側の部分を押圧するように設けられる。
また、前記クランパ11の対として、爪間の距離が固定された一組の固定爪25・25を備えた下クランパ14が設けられる。前記固定爪25・25は、把持爪10・10の下方にそれぞれ配置され、これら四つの爪10・10・25・25でワークWが把持される。
前記固定爪25・25は固定爪ベース26に位置微調整可能に固定され、該固定爪ベース26は進退駆動手段74にて伸縮駆動される伸縮ロッド28に固定される。上記構成により、前記下クランパ14は、クランパ11に対して進退移動可能となる。
前記固定爪25・25は固定爪ベース26に位置微調整可能に固定され、該固定爪ベース26は進退駆動手段74にて伸縮駆動される伸縮ロッド28に固定される。上記構成により、前記下クランパ14は、クランパ11に対して進退移動可能となる。
前記移動機構12は、多段式プレス装置7の或成形ステージにおけるワークWの把持位置からその次のステージのワークWの開放位置まで、クランパ11を移動させるためのものである。
前記移動機構12は、平行に配置された二本のスライドバー71・72と、当接部77・77を有し揺動可能なレバー76と、前記当接部77・77に当接可能なカム79と、前記カム79の駆動軸78aと、前記駆動軸78aの駆動手段78と、前記レバー76とスライドバー71・72とを連結する連結部材75等で構成される。
前記スライドバー71・72のうち、一方のスライドバー71には、複数のクランパ11・11・11が並設されたクランパベース27が固定される。また、他方のスライドバー72には、下クランパベース73が固定される。前記下クランパベース73には、下クランパ14・14・14をクランパ11・11・11に対して進退移動可能に支持する進退駆動手段74が固定される。
前記二本のスライドバー71・72は、ガイド部材70・70・70に支持されるとともに、その軸方向に往復移動するようにガイドされる。また、前記二本のスライドバー71・72は、連結部材75にて連結されることによって一体的に移動する。これにより、スライドバー71に固定されたクランパ11と、スライドバー72に固定された下クランパ14とは、同期して移動し、クランパ11と下クランパ14とのスライドバー71・72の軸方向に対する相対位置は常に一定に保持される。
前記駆動手段78にて駆動軸78aが回転駆動されると、該駆動軸78aに固設されたカム79が回転する。カム79が回転すると、該カム79がレバー76の当接部77・77に当接して前記レバー76を揺動させる。このレバー76の揺動により、連結部材75を介して連結されたスライドバー71・72がその軸方向に移動し、これにより、クランパ11が把持位置から開放位置へ或いは開放位置から把持位置へ移動することとなる。
前記把持不良検出機構8は、例えば、ワークWの傾きや、ワークWの不把持などの、把持爪10・10によるワークWの把持不良を検出するためのものである。
前記把持不良検出機構8には、各把持爪10・10の開閉ストローク量を検出(測定)する変位検出手段81と、検出された各把持爪10・10の開閉ストローク量を時系列で並べた波形を算出する波形算出手段82と、前記波形算出手段82にて算出された波形と予め設定された正常動作時の波形との類似度を算出する類似度算出手段83と、算出された類似度に基づいて前記把持爪10・10によるワークWの把持状態の良否を判定する判定手段84とが、具備される。但し、前記「開閉ストローク量」とは、把持爪10の或点の変位(例えば、距離、回転角、及び行程のうち何れか一つ若しくはその組み合わせ)のことである。
前記変位検出手段81は、クランパベース27に設けられたセンサプローブ81L・81Rとセンサ本体81Cとで構成される。前記センサプローブ81L・81Rの検出信号は、センサ本体81Cに伝達されてここで変位に換算される。
前記センサプローブ81L・81Rは、各把持爪10・10の開閉ストローク量を独立して個別に検出できるように、それぞれについて設けられる。本実施例においては、グリップ21の把持爪10が設けられない側の端部に被検出部21aが形成され、該被検出部21aを検出対象としてセンサプローブ81L・81Rが配置され、センサプローブ81L・81Rと被検出部21a・21aとの距離DL・DRの変位が検出される。
前記センサプローブ81L・81Rは、各把持爪10・10の開閉ストローク量を独立して個別に検出できるように、それぞれについて設けられる。本実施例においては、グリップ21の把持爪10が設けられない側の端部に被検出部21aが形成され、該被検出部21aを検出対象としてセンサプローブ81L・81Rが配置され、センサプローブ81L・81Rと被検出部21a・21aとの距離DL・DRの変位が検出される。
上述の通り、本実施例においては、各グリップ21・21に設けられた被検出部21a・21aの変位にて、把持爪10・10の開閉ストローク量を間接的に検出することとしている。但し、把持爪10・10の変位を直接検出するようにセンサプローブ81L・81Rを設けて、把持爪10・10の開閉ストローク量(変位)を直接的に検出する構成ともできる。また、本実施例においては、変位検出手段81として磁気式変位計が採用される。但し、非接触式の変位計であれば、超音波式、レーザー式等各種の変位計を変位検出手段81として用いることができる。把持爪10・10の開閉ストローク量を検出するに際し、どこを被検出部とするか、また、どのような変位検出手段を選択するかは、クランパ11の形態に応じて決定することが望ましい。
前記変位検出手段81は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ;シーケンス回路)87を介してコンピュータ(電子計算機)88に接続される。前記トランスファ装置9の移動機構12もPLC87を介してコンピュータ88に接続される。また、前記コンピュータ88には前記PLC87を介してラム回転角検出手段86が接続される。前記ラム回転角検出手段86は、多段式プレス装置7のスライド61の駆動手段63に設けられ、多段式プレス装置7におけるプレスのタイミングを検出するものである。
図6は、前記コンピュータ88のハードウェア構成の一例を示す図である。
図示の例のコンピュータ88は、演算部91、制御部92、記憶部94、出入力部95、操作入力部96、出力部97等を有し、これらはバス98を介して相互に接続されており、制御部92による管理の元で相互にデータのやりとりを行うことができる。
図示の例のコンピュータ88は、演算部91、制御部92、記憶部94、出入力部95、操作入力部96、出力部97等を有し、これらはバス98を介して相互に接続されており、制御部92による管理の元で相互にデータのやりとりを行うことができる。
前記演算部91は、コンピュータ88において各種の演算処理を行う手段である。前記制御部92は、記憶部94に格納されているプログラムを読み出して演算部91にて演算処理させたり、演算部91の演算結果を出力部97に出力させたり、操作入力部96から入力された情報を記憶部94に格納したりする処理を行う手段である。
前記記憶部94は、コンピュータ88で実行される各種プログラムや、パラメータ、データなどを格納する手段である。記憶部94に格納される各種プログラムには、把持不良検出プログラム、波形算出プログラム、類似度算出プログラム(特徴量算出プログラム・MD値算出プログラム)、及び判定プログラム等が含まれる。
前記出入力部95は、任意のネットワークを介して外部の他の装置とデータ送受信を行う為の通信制御部である。本実施例においては、PLC87から当該出入力部95を介して、変位検出手段81やラム回転角検出手段86で検出された情報を取り込むこととなる。
操作入力部96は、例えばキーボード、マウス等の操作入力手段である。表示部97は、例えば、ディスプレイやプリンタであり、コンピュータ88での演算処理結果を表示又は印字出力する手段である。
前記記憶部94は、コンピュータ88で実行される各種プログラムや、パラメータ、データなどを格納する手段である。記憶部94に格納される各種プログラムには、把持不良検出プログラム、波形算出プログラム、類似度算出プログラム(特徴量算出プログラム・MD値算出プログラム)、及び判定プログラム等が含まれる。
前記出入力部95は、任意のネットワークを介して外部の他の装置とデータ送受信を行う為の通信制御部である。本実施例においては、PLC87から当該出入力部95を介して、変位検出手段81やラム回転角検出手段86で検出された情報を取り込むこととなる。
操作入力部96は、例えばキーボード、マウス等の操作入力手段である。表示部97は、例えば、ディスプレイやプリンタであり、コンピュータ88での演算処理結果を表示又は印字出力する手段である。
前記コンピュータ88は、把持不良検出機構8の波形算出手段82、類似度算出手段83、及び判定手段84として機能する。
つまり、前記コンピュータ88の記憶部94に格納された、波形算出プログラム、類似度算出プログラム(特徴量算出プログラム・MD値算出プログラム)、判定プログラムが該コンピュータ88にて実行されることにて、前記コンピュータ88は、波形算出手段82、類似度算出手段83、及び判定手段84として機能するのである。但し、把持不良検出機構8の波形算出手段82、類似度算出手段83、及び判定手段84の各手段は別個独立したコンピュータ(電子計算機)として構成することもできる。
つまり、前記コンピュータ88の記憶部94に格納された、波形算出プログラム、類似度算出プログラム(特徴量算出プログラム・MD値算出プログラム)、判定プログラムが該コンピュータ88にて実行されることにて、前記コンピュータ88は、波形算出手段82、類似度算出手段83、及び判定手段84として機能するのである。但し、把持不良検出機構8の波形算出手段82、類似度算出手段83、及び判定手段84の各手段は別個独立したコンピュータ(電子計算機)として構成することもできる。
前記波形算出手段82は、変位検出手段81にて検出された把持爪10・10の開閉ストローク量(変位量)に係る情報を取得し、これを時系列に並べて波形(クランプストローク波形)を得る処理を行うものである。例えば、図7に示すように、クランプストローク波形は、クランパ11が、ワークWを把持して把持位置から開放位置まで移動したのち、前記ワークWを開放するまでが、1サイクルとして表れる波形である。なお、波形算出手段82では、それぞれの把持爪10・10についてクランプストローク波形が算出される。
前記類似度算出手段83は、前記波形算出手段82にて算出されたクランプストローク波形と、クランパ11が正常に動作しているときのクランプストローク波形との類似度を算出する処理を行うものである。
前記「クランパ11が正常に動作しているとき(以下、「正常動作時」とする)」とは、ワークWが予定された正常な姿勢でクランパ11の爪10・10・25・25に把持されて搬送されている状態のときであり、この状態で搬送される結果、多段式プレス装置7にて「二個打ち」や「斜め打ち」の不良が生じないときである。正常動作時のクランプストローク波形は、予め試験的に求められ、コンピュータ88の記憶部94に格納される。このようにコンピュータ88に予め設定された正常動作時のクランプストローク波形は、記憶部94より読み出されて、検出されたクランプストローク波形との比較の対象とされる。
前記「クランパ11が正常に動作しているとき(以下、「正常動作時」とする)」とは、ワークWが予定された正常な姿勢でクランパ11の爪10・10・25・25に把持されて搬送されている状態のときであり、この状態で搬送される結果、多段式プレス装置7にて「二個打ち」や「斜め打ち」の不良が生じないときである。正常動作時のクランプストローク波形は、予め試験的に求められ、コンピュータ88の記憶部94に格納される。このようにコンピュータ88に予め設定された正常動作時のクランプストローク波形は、記憶部94より読み出されて、検出されたクランプストローク波形との比較の対象とされる。
前記「類似度」とは、検出されたクランプストローク波形と、正常動作時のクランプストローク波形との、波形形状の傾向の類似度である。本実施例においては、前記類似度の基準として、マハラノビス距離(以下「MD値」とする)に基づく値を採用している。なお、「マハラノビス距離に基づく値」には、MD値、MD値の二乗値、MD値に所定の演算処理を施すなど加工して扱いやすい数とした値等が含まれる。
MD値は、対象データから任意の特徴量を算出し、この特徴量をMD値の算出式に当てはめることにて算出できる。つまり、類似度算出手段83は、クランプストローク波形から特徴量を算出し、この特徴量をMD値の算出式に当てはめることにてMD値を算出する処理を行うのである。
前記特徴量は対象データに応じて定められるものである。本実施例の場合、前記特徴量とは、クランプストローク波形の特徴を数値として表したものであり、詳細には、特徴量として予め設定した標本値ごとの変化量(周波数に相当する量)と存在量(波長に相当する量)とを採用する。
前記変化量とは、図7に示すように、開閉ストローク量の大きさ方向に予め設定された標本線とクランプストローク波形との交点の数である。即ち、開閉ストローク量の大きさ方向に略等間隔で標本値を設定し、1サイクルあたりの開閉ストローク量が標本値となる数が変化量となる。標本線は少なくとも複数設定され、標本線ごとに変化量が算出される。
前記存在量とは、図7に示すように、クランプストローク波形が前記標本線より大きくなる1サイクル当たりの時間である。つまり、1サイクル当たりの開閉ストローク量が前記標本値よりも大きくなっている時間の総計が存在量である。存在量は標本線ごとに算出される。
前記変化量とは、図7に示すように、開閉ストローク量の大きさ方向に予め設定された標本線とクランプストローク波形との交点の数である。即ち、開閉ストローク量の大きさ方向に略等間隔で標本値を設定し、1サイクルあたりの開閉ストローク量が標本値となる数が変化量となる。標本線は少なくとも複数設定され、標本線ごとに変化量が算出される。
前記存在量とは、図7に示すように、クランプストローク波形が前記標本線より大きくなる1サイクル当たりの時間である。つまり、1サイクル当たりの開閉ストローク量が前記標本値よりも大きくなっている時間の総計が存在量である。存在量は標本線ごとに算出される。
上述のように算出した特徴量である変化量と存在量とを用いて、MD値が算出される。図8では、MD値の算出式が示されている。図9は、図7に示すクランプストローク波形より算出された特徴量(変化量と存在量)の一例であり、これらの特徴量は図8に示すMD値の算出式において対象データYに該当する。また、本実施例の場合、変化量と存在量とを変数とするため、変数kは2である。
MD値を算出するに際して、正常動作時のクランパ11の開閉ストローク量が試験的に計測されてクランプストローク波形が算出され、設定された各標本値について特徴量(変化量と存在量)が算出され、コンピュータ88の記憶部94に格納される。この正常動作時のクランプストローク波形より得られた特徴量から、相関行列Rが算出される。
そして、MD値(D)は、対象データ(検出されたクランプストローク波形の特徴量)Yと、対象データYの転置行列YTと、相関行列Rの逆行列R−1と、変数kとから算出される。
そして、MD値(D)は、対象データ(検出されたクランプストローク波形の特徴量)Yと、対象データYの転置行列YTと、相関行列Rの逆行列R−1と、変数kとから算出される。
上記のように算出されるMD値には、正常動作時のクランプストローク波形の特徴量に基づいて生成された基準空間から、対象となる波形がどれだけ離れているかについて、相対的な値が表れる。そして、このMD値によれば、類似性によって、既知の標本(正常動作時のクランプストローク波形)と、新たな標本(検出された開閉ストローク量に基づき算出されたクランプストローク波形)との関係を明らかにすることができる。
判定手段84は、類似度算出手段83にて算出された類似度に基づいて、前記把持爪10・10によるワークWの把持状態の良否を判定する処理を行うものである。
予め実験的に求められたMD値に関する閾値がコンピュータ88の記憶部94に設定されており、判定手段84では、類似度算出手段83にて算出されたMD値のうち前記閾値を超えるものがあるか否かを判断し、閾値を超えるものがある場合に、把持爪10・10によるワークWの把持不良(ミスクランプ)が発生したと判定する。
なお、上記トランスファ装置9の判定手段84では、前記MD値から、トランスファ装置9における「斜め掴み」現象だけでなく、把持爪10・10にワークWが把持されない把持不良も検出することができる。
予め実験的に求められたMD値に関する閾値がコンピュータ88の記憶部94に設定されており、判定手段84では、類似度算出手段83にて算出されたMD値のうち前記閾値を超えるものがあるか否かを判断し、閾値を超えるものがある場合に、把持爪10・10によるワークWの把持不良(ミスクランプ)が発生したと判定する。
なお、上記トランスファ装置9の判定手段84では、前記MD値から、トランスファ装置9における「斜め掴み」現象だけでなく、把持爪10・10にワークWが把持されない把持不良も検出することができる。
前記コンピュータ88では、PLC87に多段式プレス装置7の駆動手段63及びトランスファ装置9の移動機構12とを接続するとともに前記PLC87に回路を組むことで、上記判定手段84にて把持不良が発生したと判定された場合に、該PLC87を介して、多段式プレス装置7及びトランスファ装置9に把持不良情報を伝達して、これらの動作を停止させる制御を行うこともできる。
ここで、図10を用いて、前記トランスファ装置9に具備されるコンピュータ88の把持不良検出処理の流れを説明する。コンピュータ88では、記憶部94に格納された把持不良検出プログラム、波形算出プログラム、特徴量算出プログラム、MD値算出プログラム、及び判定プログラムを実行することにて、把持不良検出処理が行われる。
予めコンピュータ88の記憶部94には、波形算出手段82にて特徴量を算出するための標本値、及び判定手段84にて良否判定するためのMD値に関する閾値、MD値を算出するために用いる各種パラメータ、正常動作時のクランプストローク波形とこれに基づいて算出された相関行列等、処理に必要な値・式が多段式プレス装置7にて成形される製品ごと格納されており、コンピュータ88ではこれらのなかから当該処理に用いる値・式が読み出され設定される。
コンピュータ88は、ラム回転角検出手段86からの検出信号を取得して、多段式プレス装置7によるプレスの1サイクルが終了したことを検知すると(S01)、トランスファ装置9の移動機構12にてクランパ11を把持位置に移動させ、変位検出手段81による開閉ストローク量の検出を開始させる(S02)。
トランスファ装置9のクランパ11が把持位置に移動すると、多段式プレス装置7では、ノックアウトピン67にてワークWを、前記クランパ11の把持爪10・10間に押し出す。これにより、トランスファ装置9のクランパ11の把持爪10及び固定爪25・25にてワークWが把持され、開閉ストローク量が初期値から急激に増大する(図7、参照)。
クランパ11にてワークWが把持されると、トランスファ装置9の移動機構12にてクランパを次の成形ステージの開放位置まで移動させる(S03)。次の成形ステージの開放位置までワークWが搬送されると、多段式プレス装置7では、次の成形サイクルが開始されて把持爪10・10の開閉ストローク量は初期値となる(図7、参照)。
上記のようにトランスファ装置9による搬送の1サイクルが終了すると(S04)、コンピュータ88は波形算出手段82にて、検出された把持爪10・10の開閉ストローク量を時系列で並べたクランプストローク波形を算出する(S05)。
さらに、コンピュータ88は前記類似度算出手段83にて、検出された波形と、予め設定された正常動作時の波形との類似度を算出する。類似度算出手段83にて算出される類似度は、検出された波形と正常動作時の波形とのマハラノビス距離(MD値)である。
類似度算出手段83では、まず、前記波形算出手段82にて算出されたクランプストローク波形に基づいて、特徴量である変化量及び存在量を算出する(S06)。そして、類似度算出手段83では、これらの特徴量を用いてMD値を算出する(S07)。
類似度算出手段83では、まず、前記波形算出手段82にて算出されたクランプストローク波形に基づいて、特徴量である変化量及び存在量を算出する(S06)。そして、類似度算出手段83では、これらの特徴量を用いてMD値を算出する(S07)。
そして、コンピュータ88は前記判定手段84にて、算出されたMD値(類似度)に基づいて前記把持爪10・10によるワークWの把持状態の良否を判定する。
判定手段84では、予め設定されたMD値に対する閾値と、前記類似度算出手段83にて算出されたMD値とを比較して(S08)、算出されたMD値が閾値よりも大きい場合にワークWの把持状態が不良であると判定し(S09)、算出されたMD値が閾値以下である場合にワークWの把持状態が正常であると判定する(S10)。
判定手段84では、予め設定されたMD値に対する閾値と、前記類似度算出手段83にて算出されたMD値とを比較して(S08)、算出されたMD値が閾値よりも大きい場合にワークWの把持状態が不良であると判定し(S09)、算出されたMD値が閾値以下である場合にワークWの把持状態が正常であると判定する(S10)。
上記判定手段84にてワークWの把持不良と判定された場合には、コンピュータ88は、把持不良が発生したことを記録するとともに(S11)、PLC87を介して多段式プレス装置7及びトランスファ装置9に、ワークWの把持不良発生情報を送信する(S12)。この把持不良発生情報を受けた多段式プレス装置7又はトランスファ装置9では、運転を停止するなどして「斜め打ち」不良や「二個打ち」不良の発生を防止するための対処が採られる。
図11では、変位検出手段81にて検出されて波形算出手段82にて作成されたクランプストローク波形と、これらのクランプストローク波形に基づいて類似度算出手段83にて算出されたMD値との相関が示されている。この図から、クランプストローク波形が乱れ、他と比較してMD値が著しく大きい場合が存在することがわかり、また、このように他と比較してMD値が著しく大きい場合に多段式プレス装置7にて斜め打ち不良が発生していたことが確認された。このように、トランスファ装置9の把持不良検出方法による判定結果と、実際のミスクランプ(斜め掴み)により生じた斜め打ち不良の官能的な判定との整合性が確認された。
上記実施例に係る、複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置9に備えられ、一組の開閉式の把持爪10・10にてワークWを掴んで、掴んだワークWを前記複数の成形ステージ間で搬送するトランスファ装置9の把持不良検出方法では、把持不良検出機構8にて、前記一組の開閉式の把持爪10・10の開閉ストローク量を検出するステップ;波形算出手段82にて、検出した前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形(クランプストローク波形)を得るステップ;類似度算出手段83にて、検出した前記開閉ストローク量より得た波形と予め設定された正常動作時の把持爪10・10の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出するステップ;及び、判定手段84にて、算出した前記類似度に基づいて前記把持爪10・10によるワークWの把持状態の良否を判定するステップ;を実行するので、ワークWを把持する把持爪10・10の開閉ストローク量(移動量)の時系列変化を示す波形(クランプストローク波形)を解析して、搬送されるワークWが傾いていることや、ワークWが存在しないことを検出することができる。これにより、多段式プレス装置7における「斜め打ち」不良や「二個打ち」不良の発生を防止することができる。
そして、前記類似度は、検出された把持爪10・10の開閉ストローク量より得られる波形(クランプストローク波形)と、予め設定された正常動作時の把持爪10・10の開閉ストローク量より得られる波形との、マハラノビス距離に基づく値とするので、把持爪10・10の移動量の上下限閾値を設定するだけでは判断が困難である、ワークWの「斜め掴み」現象をも検出して判定することができる。
なお、クランプストローク波形のような時間変化するパターンに対して簡易に精度良く良否判別可能となるマハラノビス距離を用いることは、判定までのデータ処理速度が早く、定量的な評価・判定が短時間で可能となるので、好適である。
なお、クランプストローク波形のような時間変化するパターンに対して簡易に精度良く良否判別可能となるマハラノビス距離を用いることは、判定までのデータ処理速度が早く、定量的な評価・判定が短時間で可能となるので、好適である。
7 多段式プレス装置
8 把持不良検出機構
9 トランスファ装置
10 把持爪
11 クランパ
12 移動機構
8 把持不良検出機構
9 トランスファ装置
10 把持爪
11 クランパ
12 移動機構
Claims (4)
- 複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、前記複数の成形ステージ間でワークを搬送するトランスファ装置であって、
ワークを掴む一組の開閉式の把持爪と、
前記一組の把持爪の開閉ストローク量を検出する変位検出手段と、
前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を算出する波形算出手段と、
前記波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定する判定手段とを、
包含することを特徴とするトランスファ装置。 - 前記類似度は、検出された把持爪の開閉ストローク量より得られる波形と、予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得られる波形との、マハラノビス距離に基づく値とすることを特徴とする、請求項1に記載のトランスファ装置。
- 複数の成形ステージを設けた多段式プレス装置に備えられ、一組の開閉式の把持爪にてワークを掴んで、掴んだワークを前記複数の成形ステージ間で搬送するトランスファ装置の把持不良検出方法であって、
前記一組の開閉式の把持爪の開閉ストローク量を検出するステップ;
検出した前記開閉ストローク量を時系列で並べた波形を得るステップ;
検出した前記開閉ストローク量より得た波形と予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得た波形との類似度を算出するステップ;及び、
算出した前記類似度に基づいて前記把持爪によるワークの把持状態の良否を判定するステップ;
を包含することを特徴とするトランスファ装置の把持不良検出方法。 - 前記類似度は、検出された把持爪の開閉ストローク量より得られる波形と、予め設定された正常動作時の把持爪の開閉ストローク量より得られる波形との、マハラノビス距離に基づく値とすることを特徴とする、請求項3に記載のトランスファ装置の把持不良検出方法。
Priority Applications (1)
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JP2007195220A JP2009028752A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | トランスファ装置及びトランスファ装置の把持不良検出方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104517027A (zh) * | 2013-10-07 | 2015-04-15 | 横河电机株式会社 | 状态诊断方法和状态诊断装置 |
JP2016092909A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社総合車両製作所 | 衝突検知装置及び衝突検知方法 |
JP2017209764A (ja) * | 2016-05-26 | 2017-11-30 | 大同特殊鋼株式会社 | トランスファ装置の把持機構 |
US10576530B2 (en) | 2016-05-26 | 2020-03-03 | Daido Steel Co., Ltd. | Holding mechanism |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007195220A patent/JP2009028752A/ja active Pending
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