JP6468759B2 - 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置 - Google Patents

伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6468759B2
JP6468759B2 JP2014174513A JP2014174513A JP6468759B2 JP 6468759 B2 JP6468759 B2 JP 6468759B2 JP 2014174513 A JP2014174513 A JP 2014174513A JP 2014174513 A JP2014174513 A JP 2014174513A JP 6468759 B2 JP6468759 B2 JP 6468759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission control
control device
vehicle
master
communication unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014174513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016052150A (ja
Inventor
貴之 荒木
貴之 荒木
幸士 矢吹
幸士 矢吹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Electric IndustriesLtd
Original Assignee
Koito Electric IndustriesLtd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Electric IndustriesLtd filed Critical Koito Electric IndustriesLtd
Priority to JP2014174513A priority Critical patent/JP6468759B2/ja
Publication of JP2016052150A publication Critical patent/JP2016052150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6468759B2 publication Critical patent/JP6468759B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/16Information or communication technologies improving the operation of electric vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)

Description

本発明は伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置に関する。
一群の車両からななる車両編成を構成する各車両を適切に運転するには、各車両に搭載される機器の情報を集め、制御する必要がある。そのために、各機器には個別の識別情報が設定され、この識別情報を用いて各機器をネットワーク化する。また各車両の機器を適切に制御するには、その機器が車両編成の何番目の車両に搭載されているかを意味する車号番号を知る必要がある。
車両編成を構成する車両に搭載された機器をネットワーク化するためにはネットワークに接続される各機器の識別情報や、ネットワークを制御するマスターとなる装置を設定するために車両に搭載された機器を識別するスイッチ等を設定する必要がある。
ネットワークの構成としてバス型のスタブ接続のネットワークを用いた場合は信号線に端末は並列に接続されていて前後の接続の順序関係が見えないのでネットワークの信号線と別に、隣の車両を判別するための隣接確認線が必要であった。この隣接確認線を使用して例えば端部の車両に配置されたマスターとなる装置から隣接車両へ指令し、その車両に配置された装置だけがマスターである装置からのブロードキャストパケットに応答することで車号番号を順番に認識して各機器の識別情報を設定していた。
この隣接確認線を使わずに、信号線のみでネットワークを構成する場合は、各車両にルータを搭載して車両ごとに個別のネットワークを構成させ、ルータをカスケード接続(縦続接続)する方法もある。こうすることで、 端末は隣接車両の情報を収集できる。そしてその情報を編成内の全てのルータに送信することで各端末は編成全体の構成を設定できる。ただし、ルータの処理時間が掛かるので伝送速度を速めるには高速のルータが必要になりコストの増大につながる。
車両に搭載される機器のネットワーク化を行うには各機器を識別する識別情報の設定が必要になる。隣接確認線やルータを使わないで車両編成のネットワークに必要な識別情報としてのIP(Internet Protocol)アドレスの設定を自動で行うことが行われている(特許文献1及び2を参照)。特許文献1では、隣接車両との交信を中継装置が行い、自装置の並び順やデータの方向性を表すのにIPアドレスを使い、ソフトウェアによる処理を行っている。
また、特許文献2では、IPアドレスの割り付けにDHCPサーバを用意して動的なアドレス管理をソフトウェア処理で行っている。一般に処理をソフトウェアで行うと処理時間が掛かる。このソフトウェア処理に伴う処理速度の遅れを改善するためにL2スイッチを用いる例が特許文献3に開示されている(特許文献3を参照)。
従来行われていた手動での各機器の識別情報の設定には誤設定の問題があった。また誤設定を避けるための自動設定の処理をソフトウェアにて行う場合は処理時間が掛かり、車両の制御を行う上での障害となっている。
特開2013−102624号公報 特開平10−276217号公報 特開2011−205777号公報
誤設定をさけるために自動での車両編成情報の設定をなるべく自動で行うことが求められている。また、車両編成のネットワークを制御に使うために短時間での車両編成情報の設定が望まれている。そこで、発明者らは車両編成に必要な車両情報の自動設定をなるべく短時間で行い、機器制御の時間遅れを避けることを目的として車両編成情報の自動設定を行う伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置の開発を行った。その結果、本願の伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置の発明を完成するに至ったものである。
本発明は、自動での車両編成情報の設定をなるべく短時間で行う伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、少なくとも2つの交信部を有する伝送制御装置と、複数の車両にそれぞれ1以上設置される前記伝送制御装置がそれぞれの前記交信部を介して縦続接続され、前記伝送制御装置及びそれが置かれる車両の並び順を識別する識別情報が前記複数の伝送制御装置のそれぞれに順次に設定される伝送制御システムであって、前記複数の伝送制御装置のうち、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る前記伝送制御装置が、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る旨と、自身の前記車両の固有の番号である車両番号と、を含む端点通知情報を他の伝送制御装置に送信し、他の前記伝送制御装置との接続状態及び前記端点通知情報に基づいてマスターとなる伝送制御装置を決定し、前記マスターとなる伝送制御装置以外の前記伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を停止させ、前記マスターとなる伝送制御装置は、自身に隣接する前記伝送制御装置から順次前記識別情報を設定させ、前記識別情報が設定された伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を回復させる、ことを特徴とする伝送制御システムである。
複数の伝送制御装置が縦続接続されている伝送制御システムにおいて、それら複数の伝送制御装置の中から、他の伝送制御装置との接続状態から車両編成の一番端にあるかを識別でき、更に加えて所定の条件にしたがってマスターとなる伝送制御装置を決定する。次に、マスターとなった伝送制御装置以外の伝送制御装置の交信部の送信機能を停止させる。これで伝送制御システムに伝送される情報が中継されなくなる。そして、マスターとなった伝送制御装置が、隣接する伝送制御装置から順次識別情報を設定させて、識別情報が設定された伝送制御装置は交信部の送信機能を回復させる。したがって、マスターとなった伝送制御装置からは宛先を指定しなくても順次マスター以外の伝送制御装置に識別情報を設定させることができる。
マスターとなる伝送制御装置を、車両内の両端のうちいずれに置かれたかを示す端部符号、および、車両の固有の番号である車両番号といった属性に基づいて決定する。例えば他の伝送制御装置との接続の有無や、1位、2位といった端部符号のいずれであるか、あるいは車両番号の大小の比較などで決定することができるようになる。
請求項に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記識別情報が設定された伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を回復させた後は、前記マスターとなる伝送制御装置から送信された前記識別情報を設定するための情報を中継して、隣接する前記伝送制御装置へ伝送することを特徴とするものである。
送信機能が回復した交信部は、他の伝送制御装置の識別情報の設定のためにマスターとなった伝送制御装置から送信される情報等を中継する。
請求項に記載された発明は、それぞれ異なる他の伝送制御装置と信号の送受信を行う第1の交信部及び第2の交信部を備え、固有の車両番号を有して、前記車両番号に基づいて自身及び自身が置かれる車両の並び順を識別する識別情報が設定される車両に設置される伝送制御装置であって、自身が置かれる前記車両の前記車両番号と、他の伝送制御装置が置かれる前記車両の前記車両番号と、に基づいて自身をマスターとするか否かを判定する判定部と、前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、前記他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る場合に、前記判定部において前記マスターとするか否かを判定する前に、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る旨と、自身の前記車両番号と、を含む端点通知情報を他の伝送制御装置に送信する通信制御部と、を有し、前記通信制御部は、前記判定部の判定結果が前記マスターとなった場合は、自身の前記識別情報を設定した後に、前記他の伝送制御装置に対して前記識別情報の設定要求情報を送信し、前記マスターと判定されない場合は、前記第1及び第2の交信部の送信機能を停止させ、前記識別情報の設定要求情報を受信して、当該識別情報の設定要求情報に基づいて自身の前記識別情報を設定した後に、前記第1及び第2の交信部の送信機能を回復させる、ことを特徴とする伝送制御装置である。
本発明は、自身以外の他の伝送制御装置の交信部と信号の送受信を行う第1及び第2の交信部を備え固有の車両番号を有する車両に設置される伝送制御装置である。この伝送制御装置は、判定部が、自身が置かれる車両番号及び当該車両内の両端のうちいずれに置かれたかを示す端部符号と、他の伝送制御装置の車両番号及び交信部が置かれる車両の位置を示す端部符号と、に基づいて自身をマスターとするか否かを判定する。そして、通信制御部が、判定部の判定結果がマスターとなった場合は、自身の識別情報を設定した後に、他の伝送制御装置に対して識別情報の設定要求情報を送信し、マスターと判定されない場合は、第1及び第2の交信部の送信機能を停止させ、識別情報の設定要求情報を受信して、当該識別情報の設定要求情報に基づいて自身の識別情報を設定した後に、第1及び第2の交信部の送信機能を回復させる。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記判定部は、前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が無い場合に前記マスターとしない旨の判定を行うことを特徴とするものである。
判定部は、2つの交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が無い場合は、自身が車両の端部に無いと判断できる。したがって、この場合にマスターとしない旨の判定を行うことで、端部に置かれていない伝送制御装置をマスターの候補から外すことができる。
車両編成の端部であることを他の伝送制御装置に通知するために、通信制御部は、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が有る場合に、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が有る旨と、自身の車両番号並びに該交信部が検出された側の端部を示す端部符号と、を含む端点通知情報を送信する。
請求項に記載された発明は、請求項3または4に記載された発明において、通信制御部は、前記マスターと判定された場合は、自身の前記識別情報を設定した後に、識別情報設定開始情報を送信後、前記他の伝送制御装置に対して前記識別情報の設定要求情報を送信し、前記マスターと判定されない場合は、前記識別情報設定開始情報を受信した際に前記第1及び第2の交信部の送信機能を停止させることを特徴とするものである。
マスターと判定された場合は、自身が他の伝送制御装置の識別情報設定動作を主導して行い、マスターと判定されない場合は、交信部の送信機能を停止させ、各種情報の中継を遮断してマスターからの識別情報設定開始情報の受信を待つ。
請求項に記載された発明は、請求項3乃至5のいずれか一項に記載された発明において、前記通信制御部は、前記マスターと判定されない場合に、前記第1及び第2の交信部の送信機能を回復させた後に、前記識別情報設定の完了を示す応答情報を前記マスターに送信することを特徴とするものである。
マスターと判定されない場合は、交信部の送信機能を回復されて識別情報の設定の完了をマスターに通知する。
請求項に記載された発明は、請求項に記載された発明において、前記通信制御部は、前記マスターと判定されず、かつ、前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が有る場合は、前記応答情報を全ての前記伝送制御装置の前記識別情報の設定が完了したことを示す最終応答情報として前記マスターに送信することを特徴とするものである。
マスターと判定されず、かつ、第1の交信部及び第2の交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が有る場合は、自身を最後に識別情報が設定される伝送制御装置と判断して、識別情報の設定が完了したことを示す最終応答情報としてマスターに送信する。
請求項に記載の発明は、請求項3乃至7のいずれか一項に記載の発明において、前記第1の交信部と第2の交信部とを接続して情報を伝送するバイパス手段を備えることを特徴とするものである。
伝送制御装置が動作不能の場合に、第1の交信部と第2の交信部とが直結されて情報の伝送が可能になる。バイパス手段はリレーなどの機械的なものが好ましい。
請求項1に記載された発明によれば、少なくとも、他の伝送制御装置との接続状態から車両編成の端部にある伝送制御装置をマスターとし、マスターとなる伝送制御装置が他の伝送制御装置の識別情報の設定の制御を主導することができる。また、マスターとなる伝送制御装置以外の交信部の送信機能を停止させて、識別情報設定後に送信機能を回復させることで、識別情報の設定をする伝送制御装置を明示しなくても、マスターとなる伝送制御装置に近い伝送制御装置から順に識別情報を設定することができる。したがって、各伝送制御装置の識別情報の設定作業の効率化を図ることができる。また、隣接確認線が不要になり艤装線が減るので軽量化を図れる。
また、車両番号を比較することで、二つの端部に置かれた伝送制御装置のいずれか一方をマスターとして選択することができる。即ち、車両編成の端部に置かれる二つの伝送制御装置の何れかがマスターとなる伝送制御装置であるかを明確に決めることができる。
請求項に記載された発明によれば、識別情報の設定が完了した伝送制御装置から順に中継機能が回復し、識別情報が設定されていない伝送制御装置にマスターとなった伝送制御装置から送信される識別情報設定にかかる情報を伝送することができる。したがって、車両編成内の全ての伝送制御装置での設定作業が漏れなく行われる。
請求項に記載された発明によれば、判定部によって、自身をマスターとするか否かを判定できる。また、通信制御部によって、マスターの場合は他の伝送制御装置の識別情報の設定の制御を主導することができ、マスター以外の場合は、自身の識別情報の設定までは交信部の送信機能を停止させることで、自身以外に誤って識別情報が設定されることを防止できる。つまり、識別情報の設定をする伝送制御装置を明示しなくても、マスターに近い伝送制御装置から順に識別情報が設定することができる。したがって、マスターとなる伝送制御装置が必ず決まり、マスター伝送制御装置とそれ以外の伝送制御装置の間の無駄な情報のやり取りが減少して各伝送制御装置での設定作業の効率化を図れる。また、車両編成の両端にある伝送制御装置が、それぞれの情報を端点通知情報として互いに通知することができる。したがって、端部をマスターとする場合に、二つの端部のうちどちらをマスターとするかを容易に判定可能とできる。
請求項に記載された発明によれば、自身が車両の端部に無いと判断でき、自身をマスターの候補から除外することができる。
請求項に記載された発明によれば、識別情報設定開始情報によって、第1及び第2の交信部の送信機能の停止タイミングを特定することができる。
請求項に記載された発明によれば、識別情報設定の完了を示す応答情報によって、マスターとなる伝送制御装置は識別情報の設定が完了したことを知ることができる。したがって、マスターとなる伝送制御装置は、次の伝送制御装置の識別情報の設定動作を行うことができる。
請求項に記載された発明によれば、マスターとなる伝送制御装置は、全ての伝送制御装置の識別情報の設定が完了したことを知ることができる。したがって、以降、通常の動作を行うことができる。
請求項に記載された発明によれば、伝送制御装置が正常な動作をできない場合に第1及び第2の交信部を接続するバイパス手段を備えるので伝送制御装置の故障による伝送制御システムのダウンを避けることができる。
本発明の第1の実施形態にかかる伝送制御システムに使われる伝送制御装置の構成図である。 IEC61375に準拠したIPアドレス体系の説明図である。 1車両に一台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(0)〜状態(2)の説明図である。 1車両に一台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(3)〜状態(5)の説明図である。 1車両に一台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(6)〜状態(8)の説明図である。 1車両に一台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(9)〜状態(11)の説明図である。 交信部を有する伝送制御装置の状態遷移図である。 車両編成の端部に位置する交信部を有する伝送制御装置の状態遷移図である。 車両編成の中間部に位置する交信部を有する伝送制御装置の状態遷移図である。 本発明の第2の実施形態にかかる1車両に2台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(0)〜状態(3)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(4)〜状態(7)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれた場合の設定作業の進行を示す状態(8)〜状態(9)の説明図である。 本発明の第3の実施形態にかかる1車両に2台の伝送制御装置が置かれ車両が結合された場合の設定作業の進行を示す状態(0)〜状態(2)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれ車両が結合された場合の設定作業の進行を示す状態(3)〜状態(5)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれ車両が結合された場合の設定作業の進行を示す状態(6)〜状態(8)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれ車両が結合された場合の設定作業の進行を示す状態(9)〜状態(11)の説明図である。 1車両に2台の伝送制御装置が置かれ車両が結合された場合の設定作業の進行を示す状態(12)〜状態(13)の説明図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態として鉄道車両に適用した場合の発明の内容を図1乃至図9を参照して詳細に説明する。図1は、本願発明の第1の実施形態にかかる伝送制御装置1の構成図である。主にスイッチングハブ(Hub)2とルータ3で構成される。スイッチングハブ2は外部との交信を行う交信部として少なくともH1,H2,H3のポートを備える。交信部H1は車両に搭載される各種機器へ接続されるルータ3へ繋がる。交信部H2は幹線ポートA、交信部H3は幹線ポートBとなり、送信・受信動作の停止、回復の制御が可能である。即ち、幹線ポートA及びBは第1の交信部及び第2の交信部として機能する。幹線ポートA及びBの間はバイパス手段であるリレー(バイパスリレー)4などで接続可能とされる。伝送制御装置が故障した場合には、このリレー4が閉じて幹線ポートA(交信部H2)と幹線ポートB(交信部H3)とが直接接続されることで、伝送制御装置1の故障の影響でネットワークがダウンすることを防止する。
ルータ3は例えば内蔵するソフトウェアで制御されており、外部から車種、1位、2位などの伝送制御装置が置かれる場所を示す位置及び車両番号などの情報が設定されている。ルータは接続部R1を介してスイッチングハブ2の交信部H1と接続され主信号のやり取りを行う。また、スイッチングハブ2の動作をルータ3で制御するための制御通信線が、スイッチングハブ2とルータ3の間に設けられている。ルータ3はスイッチングハブ2のH2ポートとH3ポートを介して隣接する伝送制御装置1の有無を認識する。また幹線(幹線ポートAやBに接続される通信線)を経由して他のルータ3(他の伝送制御装置1)を認識して編成全体の構成を認識することができる。即ち、ルータ3が判定部、通信制御部として機能する。なお、隣接する伝送制御装置1の有無を判別し、後述する送信機能の停止及び回復の作業をスイッチングハブ2に組み込まれたASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで行うことでさらなる高速化が図れる。つまり、スイッチングハブ2を判定部、通信制御部として機能させてもよい。
ルータ3の接続部R2は、伝送制御装置1の外部との交信部である支線ポートCとなり、車両内に設置される各種機器と接続される。各種機器の識別情報として例えばIPアドレスはルータ3によりアドレス変換されて幹線ポートとのやり取りが行われるので各車両の支線側の端末のアドレス設定を共通化できる。
伝送制御装置1を含む各種機器をネットワークへ接続するためにネットワーク識別情報としてIPアドレスを使うことが簡便であり汎用性を増すことができる。鉄道車両におけるIPアドレスの割り当て方の例としてIEC61375が制定されている(図2を参照)。以下の実施例では、IEC61375に準拠したIPアドレスの設定を行う。
図2の下側は凡例、上側は符号体系がECN、編成IDが1、車両IDが0の場合の設定例である。図2の左から3ビット目は、符号体系の種類(ECN又はETB)の何れかを示す。この例ではECNなので0が設定されている。次のbで示される2ビットはIPアドレスを使う目的が設定されている。ここでは、TCMS(Train Control and. Monitoring System)なので、0が設定されている。
次のSで示される6ビットは編成IDなどに使われ、ここでは編成ID=1が設定されている。次のVで示される1ビットは、障害に備えた2重系での1系又は2系の選択を示す。次のCで示される5ビットは車両IDを示し、次のhで示される8ビットは車両内の位置を示す位及び機器IDを示す。この車両IDは、IPアドレスの初期値を設定するために必要とする情報であり、各車両で同じ値が設定されていてもよい。なお、複数の車両が連結された場合(複数の伝送制御装置1がある場合)は、後述する方法により、適切なIPアドレスに変更される。
次に、車両に1台の伝送制御装置1が置かれた場合の識別情報の設定について図3〜図6を用いて説明する。状態(0)〜状態(2)において、3台の車両(イ、ロ、ハ)を示す外枠で囲まれた中に伝送制御装置1が1台ずつ置かれている。状態(0)は初期状態を示し、各車両は互いに未結合であり伝送制御装置1の交信部は互いに接続されていない。この状態では各伝送制御装置1はマスター伝送制御装置となっている。
初期状態では各伝送制御装置1は編成番号1、車号番号=0、に設定されている。また、各車両には固有の車両番号が与えられており、左から、車両番号=0000、車両番号=1234、車両番号=3210となっている。伝送制御装置1のIPアドレスは全て10.0.64.254であり、図示しないルータ3へ接続されるポート(交信部H1)のアドレスは全て192.168.0.254となっている。
ここで、図中枠の左上に1位と記載され、右上に2位と記載されるのは、車両の端を見分けるための端部符号であり、交信部の属性の一つである。また図中左端の車両は1位が未接続となる車両イ、中間の車両は1位と2位が共に接続される車両ロ、右端の車両は2位が未接続となる車両ハとする。
次に状態(1)において、車両が結合されると伝送制御装置1の交信部H2と他の伝送制御装置1の交信部H3とが接続されて物理的に交信可能な状態になるとともに全ての伝送制御装置1がスレーブ状態(後述するマスターから制御される状態)になる。本発明の一実施形態にかかる伝送制御システム100は、図3等に示したような複数台の伝送制御装置1が順次縦続接続(カスケード接続)された状態で構成される。隣接する伝送制御装置1の存在を認識すると各伝送制御装置1は接続直後の不安定状態を避けるために適宜な、例えば1秒程度の待ち時間経過後に初期化要求パケットをブロードキャストにて送信する。車両イの伝送制御装置1からは初期化要求パケットA、車両ロの伝送制御装置1からは初期化要求パケットB、車両ハの伝送制御装置1からは初期化要求パケットCが送信され、これらの初期化要求パケットは自分以外の全ての伝送制御装置1へ到達する。
状態(2)において、各車両の伝送制御装置1は他の伝送制御装置1からの初期化要求パケットを受信すると、それぞれ自分のIPアドレスを0.0.0.0に設定する。また、この時点では車両編成の中での順番を示す車号は未定なので車号番号=?と表現する。本実施形態では、IPアドレスが伝送制御装置1を識別する識別情報、車号番号が伝送制御装置1が置かれる車両の並び順を識別する識別情報となる。
次に図4を用いて設定作業を説明する。状態(3)において、車両編成の端に位置する車両イと車両ハの伝送制御装置1は他の伝送制御装置1を認識しない交信部(H2またはH3)を有するので、車両編成の端に有ることが分かる。即ち、他の伝送制御装置1との接続状態が分かる。車両イと車両ハに置かれた伝送制御装置1は他の伝送制御装置1を認識しない交信部の送受信機能を停止し、車両イに置かれた伝送制御装置1から端点通知パケットD、車両ハに置かれた伝送制御装置1から端点通知パケットEをブロードキャストで送信する。この端点通知パケット(端点通知情報)には、それぞれの車両番号と他の伝送制御装置1を認識しない車両編成間の交信に使われる交信部が置かれる位置情報(1位または2位)を含む端部符号が含まれる。即ち、車両内の両端のうちいずれに置かれたかを示す端部符号のうち他の伝送制御装置1を検出しない側の端部符号である。例えば車両イの場合は1位が相当し、車両ハの場合は2位が相当する。
状態(4)において、左端の車両イに置かれた伝送制御装置1は右端の車両ハに置かれた伝送制御装置1からの端点通知パケットEを受信する。また、右端の車両ハに置かれた伝送制御装置1は左端の車両イに置かれた伝送制御装置1からの端点通知パケットDを受信する。
端点通知パケットEを受信した車両イに置かれた伝送制御装置1は、端点通知パケットEの中の車両番号(3210)を読む。これを自分が置かれた車両イの車両番号(0000)と対比して複数の伝送制御装置1の識別情報の設定制御を司るマスターとなるか判定する。予め、値の小さい方が優位となりマスターとなるように判定する場合は、車両イに置かれた伝送制御装置1が優位となり車両イに置かれた伝送制御装置1がマスター伝送制御装置(Train Master)となる。また、自分のIPアドレスを予め定めた10.0.64.254に設定する。以後、マスター伝送制御装置は1Mの符号を付し、マスター伝送制御装置1M以外の伝送制御装置(スレーブ伝送制御装置)は1Sの符号を付す。
また、車両ハにおいても同様な処理が行われ、車両番号(3210)を有する車両ハの伝送制御装置1Sはスレーブのままになり、マスター伝送制御装置1Mからの指令を待つことになる。なお、本実施形態では車両番号の値の小さい方を優位としているが、勿論大きい方を優位としてもよい。また、車両番号の比較ではなく、1位、2位などの端部符号に基づいて判定してもよい。
次に状態(5)において、マスター伝送制御装置1Mは自らが置かれた車両の車号を0(車号番号=0)とし、識別情報設定開始情報としての車号設定開始パケットFをブロードキャストで送信する。他のスレーブ伝送制御装置1SはこのパケットFを受信する。
図5の状態(6)において、車号設定開始パケットFを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは、それぞれの交信部(H2、H3)の送信機能を停止させる。
状態(7)において、マスター伝送制御装置1Mはスレーブ伝送制御装置1Sがその交信部の送信機能を停止するまでの時間(例えば500ms)を待って、予め設定される車両IDに対応するIPアドレス10.0.64.254、自らが置かれた車両の車両番号(0000)、そして自らに設定した車号番号0を含む設定要求情報としての車号設定要求パケットGをブロードキャストで送信する。送信はブロードキャストで行われるので全ての伝送制御装置1Sで受信可能であるが、状態(6)で交信部の送信機能を停止しているので、車両イのマスター伝送制御装置1Mに直接接続される車両ロのスレーブ伝送制御装置1Sより下流へは、車号設定要求パケットGは伝送されない。
マスター伝送制御装置1Mから送信された車号設定要求パケットGを受信した車両ロのスレーブ伝送制御装置1Sは、車号設定要求パケットGに含まれる車両番号(0000)を自分の車両番号(1234)と比べる。
状態(8)において、車両ロの伝送制御装置1Sは車両番号を対比して車両番号が異なるので、自らのIPアドレスを車号設定要求パケットに含まれるIPアドレスに所定の値(ここでは、下位2バイト目に1)を加算して10.0.65.254とする。また、送られて来た車号設定要求パケットGに含まれる車号番号0に1を加算して自らの車号番号を1とする。自装置での全ての設定が終わると車両ロの伝送制御装置1Sは交信部の送信機能を回復させてマスター伝送制御装置1Mへ識別情報設定の完了を示す応答情報としての車号設定応答パケットHを送信する。
図6の状態(9)において、車両ロの伝送制御装置1Sからの車号設定応答パケットHを受信したマスター伝送制御装置1Mは、続けて、車両ロの伝送制御装置1Sに設定済みのIPアドレス10.0.65.254、車両ロの車両番号(1234)、そして車両ロに設定された車号番号1を含む車号設定要求パケットIをブロードキャストで送信する。つまり、直前に設定された車号番号とIPアドレスを車号設定要求パケットに含めて送信する。
車両ロの伝送制御装置1Sは既に自分の設定が終わっているのでマスター伝送制御装置1Mからの車号設定要求パケットIを無視する。マスター伝送制御装置1Mからの車号設定要求パケットIは車両ロの伝送制御装置1Sの交信部の送信機能が回復しているので、車号設定要求パケットIを中継して隣接する車両ハの伝送制御装置1Sへ転送される。
車号設定要求パケットIを初めて受信した車両ハの伝送制御装置1Sは、車両イのマスター伝送制御装置1Mからの車号設定要求パケットIに含まれる車両番号(1234)を自分の車両番号(3210)と対比する。
状態(10)において、車両ハの伝送制御装置1Sは、車号設定要求パケットに含まれる車両番号と自らの車両番号を対比して自分の車両番号が送られて来た車両番号と異なるので、自らのIPアドレスを車号設定要求パケットに含まれる車両ロの伝送制御装置のIPアドレス10.0.65.254に所定の値(ここでは、下位2バイト目に1)を加算して10.0.66.254とする。また、送られて来た車号設定要求パケットIに含まれる車号番号1に1を加算して自らの車号番号を2とする。
車両ハの伝送制御装置1Sは、自装置での全ての設定が終わると交信部の送信機能を回復させる。車両ハは端の車両であり、状態(3)で他の伝送制御装置1を認識しない交信部の送受信機能を停止したことから、これより下流の伝送制御装置1Sは存在しないのが判明しているのでマスター伝送制御装置1Mへ全ての伝送制御装置の識別情報の設定が完了したことを示す最終応答情報としての車号設定最終応答パケットJを送信する。車両ロに置かれた伝送制御装置1Sはこの車号設定最終応答パケットJを車両イのマスター伝送制御装置1Mへ転送し、マスター伝送制御装置1Mは車号設定最終応答パケットJを受信する。
状態(11)において、車号設定最終応答パケットJを受信したマスター伝送制御装置1Mは車号設定完了パケットKをブロードキャストで送信する。また停止していた交信部の送受信機能を回復する。以上でマスター伝送制御装置1Mの設定作業は終了する。停止していた交信部の送受信機能を回復することで、車両編成の両端に新たな車両編成の併結作業に備えることができる。
車号設定完了パケットKを受信した車両ロ及び車両ハの伝送制御装置1Sは、設定作業を終了する。さらに、車両ハの伝送制御装置1Sは、送受信機能を停止した交信部の送受信機能を回復する。この送受信機能を回復も上記と同様に車両編成の両端に新たな車両編成の併結作業に備えることができる。
以上のように動作させることで、マスターとなる伝送制御装置1Mは、自身に隣接する伝送制御装置1Sから順次IPアドレスや車号番号を設定するための情報(車号設定要求パケット)を送信して、伝送制御装置1Sが受信した車号設定要求パケットに基づいてIPアドレスや車号番号を設定している。つまり、マスターとなる伝送制御装置1Mは、自身に隣接する伝送制御装置1Sから順次識別情報を設定させている。
次に、伝送制御装置1の動作を図7〜図9に示した状態遷移図を参照して説明する。まず、電源投入直後の初期状態S1では他の伝送制御装置1の接続を検出がなく接続されるのを待っている状態である。
そして、他の伝送制御装置へいずれか一方の交信部(H2またはH3)を介しての接続が検出される(LinkUp)と、状態S4に遷移する(図8参照)。
図8の状態S4において、初期化要求パケットを送信して(send init)、状態S5に遷移する。
次に、状態S5において、初期化要求パケットを受信した結果、H2、H3のうち一方の交信部の接続のみの検出であるので、車両編成の端に位置する伝送制御装置1であると判定し、端点通知パケットを送信し(send end)、状態S6に遷移する。即ち、他の伝送制御装置1との接続が検出されない交信部が有る場合に、他の伝送制御装置1との接続が検出されない交信部が有る旨と、自身の車両番号並びに交信部が置かれる車両の位置を示す端部符号と、を含む端点通知情報を他の伝送制御装置1に送信している。
次に、状態S6において、自身以外の伝送制御装置1から受信した端点通知パケットに基づいて、自身がマスターとなるかを判定する。即ち、第1の交信部及び第2の交信部のうち、他の伝送制御装置1との接続が検出されない交信部が有る場合にマスターとするか否かの判定を行っている。マスターとなるかの判定は、上述した図4の(4)の車両番号のみに限らず、1位、2位などの端部符号も参照して判定してもよい。判定の結果マスターと判定した場合は状態S7に遷移し、スレーブと判定した場合は状態S11に遷移する。なお、状態S6において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する。また、自身以外の伝送制御装置1からの端点通知パケットが10秒間受信されない場合は状態S4に遷移する(Timeout)。
次に、状態S7において、上述した図4、図5の(4)〜(7)に示したように、自身のIPアドレスと車号番号を設定した後、車号設定開始パケットを送信して(send start)、状態S8に遷移する。
次に、状態S8において、車号設定要求パケットを送信して(send req)、状態S9に遷移する。即ち、車号設定開始パケット送信後に車号設定要求パケットを送信する。
次に、状態S9において、スレーブの伝送制御装置1から車号設定応答パケットを受信した場合は状態S8に遷移し、車号設定最終応答パケットを受信した場合は状態S10に遷移する。なお、状態S9において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する。また、状態S9に遷移後3秒間車号設定応答パケットまたは車号設定最終応答パケットまたは初期化要求パケットを受信しない場合は状態S4に遷移する(Timeout)。
次に、状態S10において、車号設定完了パケットを送信し(send comp)、状態S3に遷移する(図7参照)。状態S3に遷移後は、マスターとしての設定動作が完了し、以後の定常状態における動作を行う。
一方、状態S11においては、スレーブとして車号設定開始パケットの受信を待ち、受信した場合(recv start)は状態S12に遷移する。なお、状態S11において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する。また、状態S11に遷移後5秒間車号設定開始パケットを受信しない場合は状態S4に遷移する(Timeout)。
次に、状態S12において、交信部の送信機能を停止させて(Tx port close)、状態S13に遷移する。
次に、状態S13において、車号設定要求パケットの受信を待ち、受信した場合(recv req)は上述した図5の(8)に示したように、自身のIPアドレスと車号番号を設定して状態S14に遷移する。なお、状態S13において、初期化要求パケットを受信した場合は、状態S5に遷移する。また、状態S13に遷移後60秒間車号設定要求パケットを受信しない場合は状態S4に遷移する(Timeout)。
次に、状態S14において、交信部の送信機能を回復させて(Tx port open)、状態S15に遷移する。
次に、状態S15において、車号設定最終応答パケットを送信して(send last resp)、状態S16に遷移する。本状態の場合、交信部がH2、H3のいずれか一方のみしか接続が検出されてなく、かつ、マスターではないので、最後に車号設定がなされる伝送制御装置1となる。したがって、車号設定最終応答パケットを送信する。
次に、状態S16において、車号設定完了パケットの受信を待ち、受信した場合(recv comp)は状態S2に遷移する(図7参照)。S2に遷移後は、スレーブとしての設定動作が完了し、以後の定常状態における動作を行う。なお、状態S16において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する。また、状態S16に遷移後60秒間車号設定完了パケットを受信しない場合は状態S5に遷移する(Timeout)。
なお、状態S4〜S16において、各処理の前に交信部のうち残りの他方(H3またはH2)の接続が検出された場合(Linkup)は状態S18に遷移する(図9参照)。また、接続されている交信部(H2またはH3)の接続が検出されなくなった場合(Linkdown)は状態S1に遷移する(図7参照)。
図9に示した状態S18において、初期化要求パケットを送信して(send init)、状態S19に遷移する。
次に、状態S19において、状態S18に遷移した時点で、2つの交信部(H2、H3)の両方に接続が検出されているので、車両編成の端部に位置する伝送制御装置1ではないと判定し、端部に位置する伝送制御装置1から送信された端点通知パケットを中継し、状態S20に遷移する。なお、状態S19に遷移後10秒間車号設定要求パケットを受信しない場合は状態S18に遷移する(Timeout)。
次に、状態S20において、スレーブとして車号設定開始パケットの受信を待ち、受信した場合(recv start)は状態S21に遷移する。なお、状態S20において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S19に遷移する。また、状態S20に遷移後5秒間車号設定開始パケットを受信しない場合は状態S18に遷移する(Timeout)。
次に、状態S21において、交信部の送信機能を停止させて(Tx port close)、状態S22に遷移する。
次に、状態S22において、車号設定要求パケットの受信を待ち、受信した場合(recv req)は、上述した図5の(8)に示したように、自身のIPアドレスと車号番号を設定して状態S23に遷移する。なお、状態S22において、初期化要求パケットを受信した場合は状態S19に遷移する。また、状態S22に遷移後60秒間車号設定要求パケットを受信しない場合は状態S18に遷移する(Timeout)。
次に、状態S23において、交信部の送信機能を回復させて(Tx port open)、状態S24に遷移する。
次に、状態S24において、車号設定応答パケットを送信して(send resp)、状態S25に遷移する。
次に、状態S25において、車号設定完了パケットの受信を待ち、受信した場合(recv comp)は状態S17に遷移する(図7参照)。なお、状態S25に遷移後60秒間車号設定完了パケットを受信しない場合は状態S18に遷移する(Timeout)。
なお、状態S18〜S25において、接続されている交信部(H2またはH3)のうちいずれか一方の接続が検出されなくなった場合(Linkdown)は状態S4に遷移する(図8参照)。
状態S2においては、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する(図8参照)。また、交信部のうち残りの他方(H3またはH2)の接続が検出された場合(Linkup)は状態S18に遷移する(図9参照)。また、接続されている交信部(H2またはH3)の接続が検出されなくなった場合(Linkdown)は状態S1に遷移する。
状態S3においては、初期化要求パケットを受信した場合は状態S5に遷移する(図8参照)。また、交信部のうち残りの他方(H3またはH2)の接続が検出された場合(Linkup)は状態S18に遷移する(図9参照)。また、接続されている交信部(H2またはH3)の接続が検出されなくなった場合(Linkdown)は状態S1に遷移する。
状態S17においては、初期化要求パケットを受信した場合は状態S18に遷移する(図9参照)。また、接続されている交信部(H2またはH3)のいずれか一方の接続が検出されなくなった場合(Linkdown)は状態S4に遷移する(図8参照)。
なお、上述した状態遷移図において、タイムアウトや待ち時間等の時間及び同じパケットを送信する回数は一例であり、記載の値に限らない。
本実施形態によれば、マスターとなる伝送制御装置1Mがスレーブとなる伝送制御装置1SのIPアドレスや車号番号の設定の制御を主導して行うことができる。また、マスターとなる伝送制御装置1M以外である伝送制御装置1Sの交信部(H2、H3)の送信機能を停止させて、IPアドレスや車号番号設定後に送信機能を回復させることで、マスターとなる伝送制御装置1MがIPアドレスや車号番号の設定をする伝送制御装置1Sを明示しなくても、マスターとなる伝送制御装置1Mに隣接する伝送制御装置1Sから順にIPアドレスや車号番号を設定することができる。したがって、各伝送制御装置1の識別情報の設定作業の効率化を図ることができる。隣接確認線が不要になり艤装線が減るので軽量化を図れる。
また、交信部H2、H3のうち、いずれか一方のみが他の伝送制御装置と接続されていることを検出して自身が車両編成の端部にあるか判定している。また、1位、2位を示す端部符号から、端部のうちいずれ側に置かれているかを判定できる。また、固有の車両番号を比較して大小を判定して2つの端部のいずれか一方をマスターとして選択している。即ち、車両編成の端部に置かれる二つの伝送制御装置1の何れかがマスターとなる伝送制御装置1Mであるかを明確に決めることができる。
また、IPアドレスや車号番号の設定が完了した伝送制御装置1Sから順に中継機能が回復し、IPアドレスや車号番号が設定されていない伝送制御装置1Sにマスターとなった伝送制御装置1Mから送信される車号設定要求パケットを伝送することができる。したがって、車両編成内の全ての伝送制御装置1での設定作業が漏れなく行われる。
また、マスターとなる伝送制御装置1が車両編成の両端のいずれか一方であるので、端から順次IPアドレスや車号番号を設定することができる。また、他方の端部に置かれた伝送制御装置1まで設定が完了すれば、全ての設定が完了したことを容易に知ることができる。
また、車両編成の両端にある伝送制御装置1が、それぞれの情報を端点通知パケットとして互いに通知することで、端部にある伝送制御装置1をマスターとする場合に、どちらの端部をマスターとするかを容易に判定可能とできる。
また、車号設定開始パケットによって、交信部H2,H3の送信機能の停止タイミングを特定することができる。
また、車号設定応答パケットによって、マスターとなる伝送制御装置1MはIPアドレスや車号番号の設定が完了したことを知ることができる。したがって、マスターとなる伝送制御装置1Mは、次の伝送制御装置1SのIPアドレスや車号番号の設定動作を行うことができる。
また、マスターとなる伝送制御装置は、車号設定最終応答パケットを受信することによって、全ての伝送制御装置1のIPアドレスや車号番号の設定が完了したことを知ることができる。したがって、以降、通常の動作を行うことができる。
また、伝送制御装置1が正常な動作をできない場合に交信部H2と交信部H3とを接続するバイパスリレーを備えるので伝送制御装置1の故障による伝送制御システム100のダウンを避けることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる伝送制御装置および伝送制御システムについて、図10乃至図12を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、1車両に2台の伝送制御装置1(伝送制御装置A1a、伝送制御装置B1b)が搭載される。即ち、2つの伝送制御装置1から伝送制御システム101を構成している。なお、本実施形態では、1編成が1両のみの場合の例である。基本的な動作は第1の実施形態と同様である。図10の状態(0)は初期状態で、車両を示す外枠で囲まれた中に設置された2台の伝送制御装置は互いに接続されている。図中枠の左上に1位と記載され、右上に2位と記載されるのは、車両の端を見分けるための端部符号であり交信部の属性を示す。図の左側の伝送制御装置A(1a)は1位に位置し、右側の伝送制御装置B(1b)は2位に位置する。
初期状態では伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)は編成番号1、車号番号=0、に設定されている。また、車両には固有の車両番号=0000が付与されている。伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)のIPアドレスは全て10.0.64.254であり、図示しないルータ3へ接続されるポート(交信部H1)のアドレスは全て192.168.0.254となっている。
次に状態(1)において、伝送制御装置A(1a)の交信部(H2またはH3)は接続されているので伝送制御装置B(1b)の交信部(H3またはH2)を検出して物理的に交信可能な状態になり伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)はスレーブ状態になる。隣接する伝送制御装置1の存在を認識すると伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)は接続直後の不安定状態を避けるために適宜な、例えば1秒位の待ち時間を経過後に初期化要求パケットをブロードキャストにて送信して設定作業を開始する。伝送制御装置A(1a)からは初期化要求パケットA,伝送制御装置B(1b)からは初期化要求パケットBが送信され、自分以外の全ての伝送制御装置1へ到達する。
状態(2)において、伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)は初期化要求パケットを受信して、それぞれ自分のIPアドレスを0.0.0.0に設定する。また、車両編成の中での順番を示す車号は未定なので車号番号=?と表現する。
次に設定作業を説明する。状態(3)において、車両編成の端に位置する交信部を有する伝送制御装置A(1a)と伝送制御装置B(1b)は他の伝送制御装置1を認識しない交信部を有するので、車両編成の端に有ることが分かる。そこで伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b)は他の伝送制御装置1を認識しない交信部の送受信機能を停止し、端点通知パケットC及び端点通知パケットDをそれぞれブロードキャストで送信する。この端点通知パケットには、それぞれの車両番号と他の伝送制御装置1を認識しない交信部が置かれる位置情報(1位または2位)を示す端部符号が含まれる。
図11の状態(4)において、車両の左端に置かれた交信部を有する伝送制御装置A(1a)は右端に置かれた交信部を有する伝送制御装置B(1b)からの端点通知パケットDを受信する。また、右端に置かれた伝送制御装置B(1b)は左端に置かれた伝送制御装置A(1a)からの端点通知パケットCを受信する。
端点通知パケットDを受信した伝送制御装置A(1a)は、端点通知パケットDの中の車両番号(0000)を読む。これを自分が置かれた自車両の車両番号(0000)と対比する。両者を対比すると車両番号が等しいため優劣が決まらないので位置情報を示す端部符号を対比する。予め、値の小さい方が優位となりマスターとなるように決める場合は、1位に位置する伝送制御装置A(1a)が優位となり伝送制御装置A(1a)がマスター伝送制御装置1Mとなり、マスター伝送制御装置1Mは自分のIPアドレスを予め定めた10.0.64.254に設定する。この点が第1の実施形態との主な相違点である。
また、車両の2位に位置する交信部を有する伝送制御装置B(1b)はスレーブ(スレーブ伝送制御装置1S)のままになりマスター伝送制御装置1Mとなった伝送制御装置A(1a)からの指令を待つことになる。
次に状態(5)において、マスター伝送制御装置1Mは自らが置かれた車両の車号を0とし、車号設定開始パケットEをブロードキャストで送信する。スレーブ伝送制御装置1SはこのパケットEを受信する。
状態(6)において、車号設定開始パケットEを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは、交信部(H2、H3)の送信機能を停止させる。
状態(7)において、マスター伝送制御装置1Mはスレーブ伝送制御装置1Sがその交信部の送信機能を停止するまでの時間(例えば500ms)を待って、予め設定される車両IDに対応するIPアドレス10.0.64.254、自らが置かれた車両の車両番号(0000)、そして自らに設定した車号番号0を含む車号設定要求パケットFをブロードキャストで送信する。送信はブロードキャストで行われるので全てのスレーブ伝送制御装置1Sで受信可能であるが、状態(6)で交信部の送信機能を停止しているので、マスター伝送制御装置1Mに直接接続されるスレーブ伝送制御装置1Sより下流へは、車号設定要求パケットは伝送されない。
マスター制御装置1Mから送信された車号設定要求パケットFを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは、車両番号が等しいので、自分のIPアドレスを受信したIPアドレスの下位2バイトに所定の数(ここでは−10)を加算して、10.0.64・244に設定する。
図12の状態(8)において、右端の2位に位置する交信相手のない交信部を有する伝送制御装置B(1b)は、自装置での全ての設定が終わるとマスター伝送制御装置1Mへ車号設定最終応答パケットGを送信する。また交信部の送信機能を回復させる。
状態(9)において、マスター伝送制御装置1Mは車号設定最終応答パケットGを受信して車号設定完了パケットHをブロードキャストで送信し、停止していた交信部の送受信機能を回復する。以上でマスター伝送制御装置1Mの設定作業は終了する。
車号設定完了パケットHを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは、送受信機能を停止していた交信部の送受信機能を回復し設定作業を終了する。
本実施形態によれば、1両の両端に伝送制御装置1が置かれている場合であって、かつ、1両編成の場合であっても、マスターとなる伝送制御装置1を決定できる。また、IPアドレスや車号番号の設定も基本的に複数の車両が連結された場合と共通の動作で行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる伝送制御装置および伝送制御システムについて、図13乃至図17を参照して説明する。なお、前述した第1、第2の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、1車両に2台の伝送制御装置1(伝送制御装置A(1a)、伝送制御装置B(1b))が搭載された状態で2両が連結される際の設定作業を説明する。即ち、4つの伝送制御装置1から伝送制御システム102を構成している。基本的な動作は第1の実施形態と同様である。図13の状態(0)〜状態(2)において、車両を示す外枠で囲まれた中に伝送制御装置1が2台ずつ置かれている。状態(0)は初期状態を示し、各車両は互いに未結合であり車両間の伝送制御装置1の交信部は互いに接続されていない。
初期状態では各伝送制御装置は編成番号1、車号番号=0、に設定されている。また、各車両には固有の車両番号が与えられていて、車両イの車両番号=0000、車両ロの車両番号=3210となっている。伝送制御装置のIPアドレスは図中左側の伝送制御装置A(1a)は10.0.64.254であり図中右側の伝送制御装置B(1b)は10.0.64.244である。図示しないルータ3へ接続されるポート(交信部H1)のアドレスは全て192.168.0.254となっている。
ここで、図中枠の左上に1位と記載され、右上に2位と記載されるのは、車両の端を見分けるための端部符号である。また図中左端の車両は1位が未接続となる車両イ、右端の車両は2位が未接続となる車両ハとする。
次に状態(1)において、車両が結合されると車両間の伝送制御装置1の交信部が接続されて物理的に交信可能な状態になり全ての伝送制御装置1がスレーブ状態になる。隣接する伝送制御装置1の存在を認識する車両イの伝送制御装置B(1b)と車両ロの伝送制御装置A(1a)は、接続直後の不安定状態を避けるために適宜な、例えば1秒程度の待ち時間経過後に初期化要求パケットをブロードキャストにて送信する。車両イの伝送制御装置B(1b)からは初期化要求パケットA,車両ロの伝送制御装置A(1a)からは初期化要求パケットBが送信され、これらの初期化要求パケットは自分以外の全ての伝送制御装置1へ到達する。
状態(2)において、伝送制御装置1は他の伝送制御装置1からの初期化要求パケットを受信すると、それぞれ自分のIPアドレスを0.0.0.0に設定する。また、この時点では車両編成の中での順番を示す車号は未定なので車号番号=?と表現する。
次に図14を用いて設定作業を説明する。状態(3)において、車両編成の端に位置する車両イの伝送制御装置A(1a)と車両ハの伝送制御装置B(1b)は他の伝送制御装置を認識しない交信部(H2またはH3)を有するので、車両編成の端に有ることが分かる。そこでこれらの伝送制御装置1は他の伝送制御装置1を認識しない交信部の送受信機能を停止し、端点通知パケットC及びDをブロードキャストで送信する。この端点通知パケットには、それぞれの伝送制御装置が置かれた車両の車両番号と他の伝送制御装置1を認識しない交信部が置かれる位置情報(1位または2位)である端部符号が含まれる。
状態(4)において、左端の車両イに置かれた伝送制御装置A(1a)は右端の車両ロに置かれた伝送制御装置B(1b)からの端点通知パケットDを受信する。また、右端の車両ロに置かれた伝送制御装置B(1b)は左端の車両イに置かれた伝送制御装置A(1a)からの端点通知パケットCを受信する。
端点通知パケットDを受信した車両イに置かれた伝送制御装置A(1a)は、端点通知パケットDの中の車両番号(3210)を読む。これを自分が置かれた車両イの車両番号(0000)としてマスターとなるか判定する。予め、値の小さい方が優位となりマスターとなるように判定する場合は、車両イに置かれた伝送制御装置が優位となり車両イに置かれた伝送制御装置1がマスター伝送制御装置1Mとなる。また、マスター伝送制御装置1Mは自分のIPアドレスを予め定めた10.0.64.254に設定する。
そして車両ロにおいても同様な処理が行われ、車両番号(3210)を有する車両ロの伝送制御装置B(1b)はスレーブ(スレーブ伝送制御装置1S)のままになり、マスター伝送制御装置1Mからの指令を待つことになる。
次に状態(5)において、マスター伝送制御装置1Mは自らが置かれた車両の車号を0とし、車号設定開始パケットEをブロードキャストで送信する。他のスレーブ伝送制御装置1Sはこの車号設定開始パケットEを受信する。
図15の状態(6)において、車号設定開始パケットEを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは、それぞれの交信部(H2、H3)の送信機能を停止させる。
状態(7)において、マスター伝送制御装置1Mはスレーブ伝送制御装置1Sがその交信部の送信機能を停止するまでの時間(例えば500ms)を待って、予め設定される車両IDに対応するIPアドレス10.0.64.254、自らが置かれた車両の車両番号(0000)、そして自らに設定した車号番号0を含む車号設定要求パケットFをブロードキャストで送信する。送信はブロードキャストで行われるので全てのスレーブ伝送制御装置1Sで受信可能であるが、状態(6)で交信部の送信機能を停止しているので、車両イのマスター伝送制御装置1Mに直接接続される車両イのスレーブ伝送制御装置1S(伝送制御装置B(1b))より下流へは、車号設定要求パケットFは伝送されない。
マスター制御装置1Mから送信された車号設定要求パケットFを受信した車両イのスレーブ伝送制御装置1Sは、車号設定要求パケットFに含まれる車両番号(0000)が自分の車両番号と同じなのでそのIPアドレスの下位2バイトについて、所定の数(ここでは−10)を加算して、IPアドレスとして10.0.64.244に設定する。
状態(8)において、車両イのスレーブ伝送制御装置1Sは停止していた交信部の送信機能を回復するとともに自装置での全ての設定が終わると設定済みのIPアドレス10.0.64.244、設定済みの車両番号0000、設定済みの車号番号0を含む車号設定応答パケットGをマスター伝送制御装置1Mへ送信する。
図16の状態(9)において、スレーブ伝送制御装置1Sからの車号設定応答パケットを受信したマスター伝送制御装置1Mは、続けて、スレーブ伝送制御装置1S(車両イの伝送制御装置B(1b))へ設定済みのIPアドレス10.0.64.244、車両番号(0000)、そして車号番号0を含む車号設定要求パケットHをブロードキャストで送信する。
車両イの伝送制御装置B(1b)は既に自分の設定が終わっているので車号設定要求パケットHを無視する。また車両イの伝送制御装置B(1b)の交信部の送信機能が回復しているのでマスター伝送制御装置1Mからの車号設定要求パケットHは車両ロのスレーブ伝送制御装置1S(伝送制御装置A(1a))へ転送される。
状態(10)において、車両ロのスレーブ伝送制御装置1Sは、車号設定要求パケットHを初めて受信し、その中に含まれる車両番号を対比する。送られて来た車両番号と自分の車両番号が異なるので、自らのIPアドレスを車号設定要求パケットHに含まれるIPアドレスに所定の値(ここでは、下位1バイト目に10、下位2バイト目に1、)を加算して10.0.65.254とする。また、送られて来た車号設定要求パケットHに含まれる車号番号0に1を加算して自らの車号番号を1とする。そして、自装置での全ての設定が終わると交信部の送信機能を回復して、マスター伝送制御装置1Mへ設定されたIPアドレス10.0.65.254、車両番号(3210)、車号番号1を含む車号設定応答パケットIを送信し、マスター伝送制御装置1Mはこの車号設定応答パケットIを受信する。
状態(11)において、車両ロのスレーブ伝送制御装置(伝送制御装置A(1a))からの車号設定応答パケットIを受信したマスター伝送制御装置1Mは、続けて、車号設定応答パケットIに含まれる車両ロの伝送制御装置A(1a)へ設定済みのIPアドレス10.0.65.254、車両番号(3210)、そして車号番号1を含む車号設定要求パケットJをブロードキャストで送信する。
車両ロの伝送制御装置A(1a)は既に設定を終わっているので、車号設定要求パケットJを伝送制御装置B(1b)へ転送する。車両ロの伝送制御装置B(1b)はパケットJの中の車両番号と自分の置かれた車両の車両番号を対比して、車両番号が同じで、自分が2位に位置するのでIPアドレスの最下位の2バイトに所定の数(ここでは−1)を加算して、10.0.65.244とする。
図17の状態(12)において、車両ロの伝送制御装置B(1b)は端部に置かれる交信部を有するので、設定済みのIPアドレス10.0.65.244、車両番号3210、車号番号1を含む車号設定最終応答パケットKをマスター伝送制御装置1Mへ送信する。
状態(13)において、車号設定最終応答パケットKを受信したマスター伝送制御装置1Mは車号設定完了パケットLをブロードキャストで送信する。また停止していた交信部の送受信機能を回復し、設定作業を終了する。
車号設定完了パケットLを受信したスレーブ伝送制御装置1Sは車号設定を終了する。また車両ロの端に位置する伝送制御装置B(1b)の交信部はその送受信機能を回復する。
本実施形態によれば、1両の両端に伝送制御装置1が置かれている場合であって、かつ、複数車両編成の場合であっても、マスターとなる伝送制御装置1を決定し、IPアドレスや車号番号の設定を行うことができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の伝送制御システムや伝送制御装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1 伝送制御装置
2 スイッチングハブ(判定部、通信制御部)
3 ルータ(判定部、通信制御部)
4 バイパスリレー(バイパス手段)
100、101、102 伝送制御システム

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの交信部を有する伝送制御装置と、複数の車両にそれぞれ1以上設置される前記伝送制御装置がそれぞれの前記交信部を介して縦続接続され、前記伝送制御装置及びそれが置かれる車両の並び順を識別する識別情報が前記複数の伝送制御装置のそれぞれに順次に設定される伝送制御システムであって、
    前記複数の伝送制御装置のうち、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る前記伝送制御装置が、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る旨と、自身の前記車両の固有の番号である車両番号と、を含む端点通知情報を他の伝送制御装置に送信し、他の前記伝送制御装置との接続状態及び前記端点通知情報に基づいてマスターとなる伝送制御装置を決定し、
    前記マスターとなる伝送制御装置以外の前記伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を停止させ、
    前記マスターとなる伝送制御装置は、自身に隣接する前記伝送制御装置から順次前記識別情報を設定させ、
    前記識別情報が設定された伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を回復させる、
    ことを特徴とする伝送制御システム。
  2. 前記識別情報が設定された伝送制御装置は、前記交信部の送信機能を回復させた後は、前記マスターとなる伝送制御装置から送信された前記識別情報を設定するための情報を中継して、隣接する前記伝送制御装置へ伝送することを特徴とする請求項1に記載の伝送制御システム。
  3. それぞれ異なる他の伝送制御装置と信号の送受信を行う第1の交信部及び第2の交信部を備え、固有の車両番号を有して、前記車両番号に基づいて自身及び自身が置かれる車両の並び順を識別する識別情報が設定される車両に設置される伝送制御装置であって、
    自身が置かれる前記車両の前記車両番号と、他の伝送制御装置が置かれる前記車両の前記車両番号と、に基づいて自身をマスターとするか否かを判定する判定部と、
    前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、前記他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る場合に、前記判定部において前記マスターとするか否かを判定する前に、他の伝送制御装置との接続されない前記交信部が有る旨と、自身の前記車両番号と、を含む端点通知情報を他の伝送制御装置に送信する通信制御部と、を有し、
    前記通信制御部は、前記判定部の判定結果が前記マスターとなった場合は、自身の前記識別情報を設定した後に、前記他の伝送制御装置に対して前記識別情報の設定要求情報を送信し、前記マスターと判定されない場合は、前記第1及び第2の交信部の送信機能を停止させ、前記識別情報の設定要求情報を受信して、当該識別情報の設定要求情報に基づいて自身の前記識別情報を設定した後に、前記第1及び第2の交信部の送信機能を回復させる、
    とを特徴とする伝送制御装置。
  4. 前記判定部は、前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が無い場合に前記マスターとしない旨の判定を行うことを特徴とする請求項に記載の伝送制御装置。
  5. 前記通信制御部は、前記マスターと判定された場合は、自身の前記識別情報を設定した後に、識別情報設定開始情報を送信後、前記他の伝送制御装置に対して前記識別情報の設定要求情報を送信し、前記マスターと判定されない場合は、前記識別情報設定開始情報を受信した際に前記第1及び第2の交信部の送信機能を停止させることを特徴とする請求項3または4に記載の伝送制御装置。
  6. 前記通信制御部は、前記マスターと判定されない場合に、前記第1及び第2の交信部の送信機能を回復させた後に、前記識別情報設定の完了を示す応答情報を前記マスターに送信することを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか一項に記載の伝送制御装置。
  7. 前記通信制御部は、前記マスターと判定されず、かつ、前記第1の交信部及び前記第2の交信部のうち、他の伝送制御装置との接続が検出されない交信部が有る場合は、前記応答情報を全ての前記伝送制御装置の前記識別情報の設定が完了したことを示す最終応答情報として前記マスターに送信することを特徴とする請求項に記載の伝送制御装置。
  8. 前記第1の交信部と第2の交信部とを直接接続して情報を伝送するバイパス手段を備えることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の伝送制御装置。
JP2014174513A 2014-08-28 2014-08-28 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置 Active JP6468759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014174513A JP6468759B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014174513A JP6468759B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016052150A JP2016052150A (ja) 2016-04-11
JP6468759B2 true JP6468759B2 (ja) 2019-02-13

Family

ID=55659324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014174513A Active JP6468759B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6468759B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102085196B1 (ko) * 2019-09-17 2020-03-05 (주)대연씨앤아이 자가 식별을 지원하는 태양광 패널 및 이의 동작 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0191601A (ja) * 1987-09-30 1989-04-11 Toshiba Corp 車両用号車番号設定装置
JP2001088704A (ja) * 1999-09-27 2001-04-03 Niigata Eng Co Ltd 車両制御用信号伝送装置
EP2043303A4 (en) * 2006-07-05 2013-06-05 Toshiba Kk TRANSMISSION SYSTEM FOR RAILWAY VEHICLE
JP5595768B2 (ja) * 2010-03-25 2014-09-24 コイト電工株式会社 車両編成用の車両ネットワークシステムおよび車両ネットワーク制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016052150A (ja) 2016-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4991254B2 (ja) 二重リング・ネットワークの通信制御方法及び二重リング・ネットワークの伝送局
JP6451546B2 (ja) 通信ネットワーク及び中継装置
CN104378291A (zh) 用于在工业通信网络中进行冗余的信息传输的方法和通信设备
US7885181B2 (en) Ring node apparatus
JPH09321821A (ja) プロトコル変換システム及びプロトコル変換方法
JP2017005617A (ja) 中継装置、電子装置および通信システム
CN110324375B (zh) 一种信息备份方法及相关设备
CN109586958B (zh) 双系统装置的配置管理方法及双系统装置
JP2017188793A (ja) 通信制御用コントローラ及び通信制御用システム
EP2211509A2 (en) Network communication node
CN103986610A (zh) 通讯接口匹配方法、装置及控制器
US9455867B2 (en) Automatic configuration of a repeater
JP6468759B2 (ja) 伝送制御システム及びこれに使われる伝送制御装置
CN104104596A (zh) 一种irf分裂处理方法和装置
US9692636B2 (en) Relay system and relay device
CN104536853B (zh) 一种保障双控制器存储设备资源连续可用性的装置
CN102918809A (zh) 网络和扩展单元以及运行网络的方法
JP2005277978A (ja) 識別番号自動設定方法及び識別番号自動設定装置
JP6138282B2 (ja) 通信装置、列車ネットワークシステムおよびネットワーク設定方法
JP4850704B2 (ja) データ伝送方法および装置
JP5169798B2 (ja) ブリッジ装置及び仮想ネットワーク障害切替え方法
US7565166B2 (en) Non-interacting transmission of identification information on communication lines
JP5586760B2 (ja) ネットワークシステム、ネットワークシステムの制御方法、伝送局、伝送局のプログラム
CN101917291A (zh) 一种串行总线流媒体传输系统及该系统中的终端设备
CN103152262B (zh) 一种连接建立的方法和设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170824

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180727

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6468759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250