JP6468416B2 - クロスフローファン及びこれを備える空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
図1は、第1参考形態及び本発明の第2実施形態に係る空気調和機9を示す斜視図である。この空気調和機9は、室内機1と室外機8を備える。図1に示す形態では、室内機1が壁掛けタイプであるが、これに限られない。室内機1は、例えば床置きタイプ、天井設置タイプなどであってもよい。室内機1は、冷媒配管14によって室外機8と接続されている。室外機8は、図略の蒸発器、熱交換器、ファンなどを備える。空気調和機9は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う図略の冷媒回路を備える。
図1及び図2に示すように、室内機1は、ケーシング10、ケーシング10内に収納されたクロスフローファン2、熱交換器7、ドレンパン11、フィルタ15などを備える。ケーシング10は、前面パネル10F、背面パネル10R、天面パネル10T、底面パネル10Bなどを有する。ケーシング10は、空気の吸込口12と空気の吹出口13とを有する。第1参考形態では、吸込口12は、前面パネル10Fと天面パネル10Tとの間に形成されており、吹出口13は、前面パネル10Fと底面パネル10Bとの間に形成されているが、これに限られない。吹出口13には、室内への空気の吹出方向を調節するフラップ16が設けられている。
次に、第1参考形態のクロスフローファン2に設けられた逆流抑制手段5について説明する。図13に示すように、参考例のクロスフローファン102では、羽根車3と最近接部41との隙間において、回転方向Dとは逆方向に流れる空気の流れである逆流Frが生じやすい。このような逆流は騒音の原因となる。
図5は、第1参考形態のクロスフローファン2の変形例1を示す断面図である。図4に示した前記第1参考形態では、複数の線状突出部51A,51,51のうち巻き始め部Sに最も近い線状突出部51Aは最近接部41となっており、これ以外の線状突出部51,52が逆流抑制手段5を構成していた。図5に示す変形例1では、複数の線状突出部51,51,51すべてが逆流抑制手段5を構成している点で、図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図6は、第1参考形態のクロスフローファン2の変形例2を示す正面図である。この変形例2では、線状突出部同士の間隔が不均一である点で、図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図7は、前記第1参考形態のクロスフローファン2の変形例3を示す正面図である。この変形例3は、線状突出部51の延びる方向が回転軸3Aに対して傾斜した方向である点で、図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図8(A)は、前記第1参考形態のクロスフローファン2の変形例4を示す断面図であり、図8(B)は、変形例4におけるリアガイダ4を示す正面図である。変形例4は、逆流抑制手段5の構成が図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図9(A)は、前記第1参考形態のクロスフローファン2の変形例5を示す断面図であり、図9(B)は、変形例5におけるリアガイダ4を示す正面図である。変形例5は、逆流抑制手段5の構成が図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図10(A)は、前記第1参考形態のクロスフローファン2の変形例6を示す断面図であり、図10(B)は、変形例6におけるリアガイダ4を示す正面図である。変形例6は、逆流抑制手段5の構成が図4に示す第1参考形態と異なっており、それ以外の構成は、図4に示す第1参考形態と同様である。
図10(C)は、変形例7におけるリアガイダ4を示す正面図である。この変形例7は、逆流抑制手段5が対向面40に設けられた多数の突起54によって構成されている点で図10(A),(B)に示す変形例6と同じであるが、突起54の配列が変形例6と相違いしている。
図11は、図3及び図4に示す前記第1参考形態のクロスフローファン2の特性と、図13に示す参考例のクロスフローファン102の特性とを比較したグラフである。図11に示すように、逆流抑制手段5が対向面40に設けられた第1参考形態に係るクロスフローファン2は、参考例に比べて、同じ風量のときの送風音が約0.3dBA低減されていることがわかる。なお、図11において、横軸の目盛りは、図11に矢印で示す大きさが0.5m3/minであり、縦軸の目盛りは、図11に矢印で示す大きさが1dBAである。
前記第1参考形態及び各変形例のクロスフローファン2では、リアガイダ4の対向面40において最近接部41よりも回転方向Dの下流側に逆流抑制手段5が設けられているので、羽根車3と最近接部41との隙間において逆流が生じるのを抑制することができる。すなわち、第1参考形態では、最近接部41よりも回転方向Dの下流側に設けられた逆流抑制手段5が、羽根車3とリアガイダ4との間の空間において回転方向Dの逆方向に最近接部41に向かう空気の流れを生じにくくさせ、その結果、最近接部41と羽根車3との隙間を通過する逆流も生じにくくなる。よって、逆流が最近接部41と羽根車3との隙間を通過するときに生じる圧力変動が小さくなるので、騒音を低減することができる。
図14は、空気調和機9の室内機1において、通風抵抗が増加したときの空気の流れを示している。室内機1では、例えばフィルタ15の目詰まり、吹出口13におけるフラップ16の向きなどに起因して通風抵抗が増加することがある。通風抵抗が増加した高静圧低風量の状態では、吹出口13の近傍においてリアガイダ4における対向面40に沿った逆流Fr’が発生しやすくなる。このような逆流Fr’が発生すると、吹出口13から吹き出される空気の風量や圧力が不安定となる。空気の風量や圧力が不安定となると、サージングが生じることがある。サージングは、空気の風量や圧力が不安定になることに起因して、例えば「バサバサ」という騒音が発生する現象である。
図16は、第2実施形態のクロスフローファン2の変形例1を示す断面図である。図16に示す第2実施形態の変形例1では、複数の線状突出部71における羽根車3側への突出長さは、回転方向Dの下流側に向かうにつれて次第に大きくなっている。
図17は、第2実施形態のクロスフローファン2の変形例2を示す断面図であり、図18は、第2実施形態のクロスフローファンの変形例3を示す断面図である。
図19は、第2実施形態のクロスフローファンの変形例4を示す断面図であり、図20は、第2実施形態のクロスフローファンの変形例5を示す断面図である。これらの変形例4及び変形例5では、複数の線状突出部71における羽根車3側への突出長さは、回転方向Dの下流側に向かうにつれて次第に大きくなっている。
図21は、第2実施形態のクロスフローファンの変形例6を示す断面図である。図21に示す第2実施形態の変形例6は、毛状体72の長さに関する特徴が図8(A),(B)に示す第1参考形態の変形例4の毛状体52とは異なっており、それ以外の構成は、図8(A),(B)に示す第1参考形態の変形例4と同様である。
図22は、第2実施形態のクロスフローファンの変形例7を示す断面図である。図22に示す第2実施形態の変形例7は、粗面部73の表面粗さに関する特徴が図9(A),(B)に示す第1参考形態の変形例5の粗面部53とは異なっており、それ以外の構成は、図9(A),(B)に示す第1参考形態の変形例5と同様である。
図23は、クロスフローファン2における風量と静圧との関係を示すグラフである。図23に示すグラフにおいて、横軸は風量Q[m3/min]であり、縦軸は静圧Ps[mmAq]である。図16に示す第2実施形態の変形例1は、図4に示す第1参考形態及び図13に示す参考例に比べて、サージングを抑制する効果が高いことがわかる。具体的には次の通りである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
2 クロスフローファン
3 羽根車
3A 回転軸
4 リアガイダ
5 逆流抑制手段
6 スタビライザ
7 熱交換器
8 室外機
9 空気調和機
10 ケーシング
12 吸込口
13 吹出口
31 羽根
40 対向面
41 最近接部
51 線状突出部
52 毛状体
53 粗面部
54 突起
70 逆流抑制手段
71 線状突出部
D 羽根車の回転方向
Fr 逆流
Claims (11)
- 所定の回転方向(D)に回転する羽根車(3)と、
前記羽根車(3)に対してその径方向に対向する対向面(40)を有するリアガイダ(4)と、を備えるクロスフローファンであって、
前記羽根車(3)は、
その軸方向の両端に設けられた第1の端板(33)及び第2の端板(33)と、
前記第1の端板(33)と前記第2の端板(33)との間において前記軸方向に間隔をあけて設けられた複数の仕切り(32)と、
前記複数の仕切り(32)のうち前記第1の端板(33)に最も近い仕切り(32)と当該第1の端板(33)との間に配置された複数の羽根(31)と、
前記複数の仕切り(32)のうち前記第2の端板(33)に最も近い仕切り(32)と当該第2の端板(33)との間に配置された複数の羽根(31)と、
前記複数の仕切り(32)のうち隣り合う仕切り(32)の間に配置された複数の羽根(31)と、を有し、
前記対向面(40)には、前記対向面(40)に沿って前記回転方向(D)とは逆方向に流れる気流である逆流が生じるのを抑制する逆流抑制手段(70)が設けられており、
前記逆流抑制手段(70)は、前記回転方向(D)の下流側の部分における前記羽根車(3)側への長さが上流側の部分における前記羽根車(3)側への長さよりも大きくなるように構成され、
前記逆流抑制手段(70)は、前記隣り合う仕切り(32)の間に配置された前記複数の羽根(31)に対して前記径方向に対向する位置に設けられている、クロスフローファン。 - 前記逆流抑制手段(70)は、前記羽根車(3)側に突出するとともに前記逆流と交わる方向に線状に延びる複数の線状突出部(71)を含み、前記複数の線状突出部(71)のうち、前記回転方向(D)の最も下流側にある線状突出部(71)における前記羽根車(3)側への突出長さが他の線状突出部(71)における前記羽根車(3)側への突出長さよりも大きくなるように構成されている、請求項1に記載のクロスフローファン。
- 前記複数の線状突出部(71)における前記羽根車(3)側への突出長さは、前記回転方向(D)の下流側に向かうにつれて次第に大きくなる、請求項2に記載のクロスフローファン。
- 前記交わる方向が前記羽根車(3)の回転軸(3A)に平行な方向である、請求項2又は3に記載のクロスフローファン。
- 前記交わる方向が前記羽根車(3)の回転軸(3A)に対して傾斜した方向である、請求項2又は3に記載のクロスフローファン。
- 前記線状突出部(71)の表面が前記羽根車(3)側に凸の凸曲面である、請求項2〜5の何れか1項に記載のクロスフローファン。
- 前記複数の線状突出部(71)は、
第1の線状突出部(71)と、
前記第1の線状突出部(71)に対して前記回転方向(D)の下流側の隣にある第2の線状突出部(71)と、
前記第2の線状突出部(71)に対して前記回転方向(D)の下流側の隣にある第3の線状突出部(71)と、を含み、
前記第1の線状突出部(71)と前記第2の線状突出部(71)との間隔は、前記第2の線状突出部(71)と前記第3の線状突出部(71)との間隔と異なっている、請求項2〜6の何れか1項に記載のクロスフローファン。 - 前記逆流抑制手段(70)は、前記対向面(40)から前記羽根車(3)側に向かって延びる多数の毛状体(72)を含む、請求項1〜7の何れか1項に記載のクロスフローファン。
- 前記逆流抑制手段(70)は、前記対向面(40)を部分的に粗面化した粗面部(73)を含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のクロスフローファン。
- 前記羽根車(3)の回転軸(3A)に直交する断面において、前記対向面(40)におけるスクロール形状の始点である巻き始め部(S)と前記回転軸(3A)とを通る直線を第1直線(L1)とし、前記対向面(40)における前記巻き始め部(S)よりも前記回転方向(D)の下流側の点と前記回転軸(3A)とを通る直線を第2直線(L2)とするとき、前記第1直線(L1)と前記第2直線(L2)とのなす角度(θ1)が45度以下となる領域に、前記逆流抑制手段(70)の一部又は全部が設けられている、請求項1〜9の何れか1項に記載のクロスフローファン。
- 請求項1〜10の何れか1項に記載のクロスフローファン(2)を備えた空気調和機の室内機。
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