JP6468375B2 - 太陽電池モジュール用の封止材マスターバッチ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の太陽電池モジュール用の封止材マスターバッチ(以下、単に「封止材マスターバッチ」とも言う)について説明する。
本発明の封止材マスターバッチは、太陽電池モジュール用の製造に用いる封止材組成物に所要濃度のシラン変性ポリエチレン系樹脂等を混合するために用いる所謂マスターバッチである。一般に、マスターバッチは、高濃度でシラン変性ポリエチレン樹脂等の添加成分を含有し、又、調整を容易とするためにペレット化されている。ペレットの形状は、円柱状、角柱状、球形、楕円球形等、任意の形状でよいが、円柱状、角柱状であることが好ましく、円形断面の平均直径が1〜10mm、特に2〜5mmであり、平均長さが1〜10mm、特に2〜5mmである円柱状が特に好ましい。
本発明の封止材マスターバッチは、シラン変性ポリエチレン系樹脂を主たる成分とする。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、密度0.900g/cm3以下の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)をベース樹脂とし、同樹脂にシランカップリング剤を添加し、有機過酸化物の存在下で、ベース樹脂を主鎖とし、シランカップリング剤(エチレン性不飽和シラン化合物)を側鎖として、グラフト重合させたグラフト共重合体である。このようなグラフト共重合体であるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける封止材の他の部材への密着性を向上することができる。
マスターバッチ用ベース樹脂と、シランカップリング剤との共重合を促進するために用いる有機過酸化物(以下、これを「マスターバッチ用有機過酸化物」とも言う)としては、アルキルパーオキシエステル、パーオキシカーボネート、ジアルキルパーオキサイド等を用いることができるが、それらのうちでも、特に、ジアルキルパーオキサイド、又は、パーオキシカーボネートを好ましく用いることができる。
本発明の封止材マスターバッチは、更に、耐光安定剤を含有する。そして、本発明の封止材マスターバッチは、従来、十分な混和によるマスターバッチ化が困難とされていたシラン変性ポリエチレン系樹脂と耐光安定剤とを、十分に混和したマスターバッチであることを特徴とする。尚、本明細書において「混和する」とは、各組成物材料間での分級が生じることなく、各組成物材料が十分に分散した状態でそれらの混合物であるマスターバッチを形成している状態にすることを言うものとする。
封止材マスターバッチを製造するには、マスターバッチ用ベース樹脂と、シランカップリング剤と、マスターバッチ用有機過酸化物とを、マスターバッチ用有機過酸化物の存在下で混錬する。混錬を行う混錬機としては、従来公知の混錬機を用いることができる。例えば、バッチ式の加圧ニーダー、オープンニーダー、バンバリーミキサー、一軸押出機、二軸混錬機、ロール混錬機等を例示することができる。各材料の添加量は上述の範囲内で適宜調整すればよい。
次に、本発明の封止材マスターバッチを含んで調整される本発明に係る封止材組成物(以下、単に「封止材組成物」とも言う)について説明する。
本発明の太陽電池モジュール用の封止材は、本発明の封止材マスターバッチを含んでなる上記の封止材組成物を、従来公知の方法で成型加工して得られるものであり、シート状又はフィルム状としたものである。尚、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
図1は、本発明の封止材マスターバッチを用いて製造した封止材の好ましい一実施形態である太陽電池モジュール1について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子4、背面封止材5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。太陽電池モジュール1は、前面封止材3及び/又は背面封止材5として、本発明の封止材マスターバッチを用いて製造した封止材を使用するものである。
下記に記載の材料を、それぞれ表1に記載の組成(重量部換算)で混合し、190〜210℃で溶融、混錬した樹脂をペレット化して、実施例1〜2及び比較例1〜4の封止材マスターバッチを製造した。上記の熔融、混錬の処理には、二軸押出機(日本製鋼所製TEX)用いて混錬して押出し形成した。
マスターバッチ用ベース樹脂(表1中「MBベース樹脂」と記載):エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm3、MFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
シランカップリング剤:ビニルトリメトキシシラン。(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM―1003」)
マスターバッチ用有機過酸化物(表1中「MB有機過酸化物」と記載):ジアルキルパーオキサイド(アルケマ吉富株式会社製、商品名「ルペロックス101」)。1分間半減期温度181℃
耐光安定剤:HALS。ブタン二酸1−[2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ)エチル](BASF社製、商品名「TINUVIN622」)
実施例、比較例の各封止材マスターバッチについて、マスターバッチ化の際の生産性を評価した。評価は以下の基準で行った。
A:全く問題なくマスターバッチ化できた。
B:ややゲル化したものの、マスターバッチ化はできた。
C:ゲル化し流動性がなくなり、マスターバッチ化できなかった。
評価結果を「生産性」として表1中に記した。
上記の実施例1〜2、比較例1〜2の封止材マスターバッチ15重量部と、下記に記載の封止材組成物用ベース樹脂85重量部と、下記に記載の封止材組成物用有機過酸化物5重量部と、下記に記載の、その他添加物とを混合してなる封止材組成物を溶融し、常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように、製膜温度220℃で成膜して、実施例、比較例の各封止材を得た。尚、実施例1の封止材マスターバッチを用いて製造した封止材を実施例1の封止材とし、比較例1のマスターバッチを用いて製造した封止材を比較例1の封止材とした。そして、以下同様に、それぞれの封止材マスターバッチを用いた封止材について、実施例2の封止材、及び、比較例2〜3の封止材とした。比較例3〜4の封止材マスターバッチについては、上記<評価例1>において、マスターバッチの製造段階でその生産性について好ましくない結果が確認できたため封止材の製造と評価は行わなかった。
封止材組成物用ベース樹脂:エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm3、MFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
封止材組成物用有機過酸化物:マスターバッチ用有機過酸化物に同じ。
実施例、比較例の各封止材をガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)に密着させて、150℃、7分で真空加熱ラミネータ処理を行い評価用試料を作成した。上記の評価用試料において、ガラス基板上に密着している封止材を15mm幅にカットし、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、初期ガラス密着強度を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
A:30N/15mm以上
B:20N/15mm以上30N/15mm未満
C:20N/15mm未満
評価結果を「初期密着性」として表1中に記した。
その後、更に、上記の評価用試料について、下記ダンプヒート(D.H.)試験後のガラス密着強度の初期ガラス密着強度に対しての維持率を測定した。D.H.試験は、JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で評価用試料の耐久性試験を1000時間行った。試験後の評価用資料について、上記と同一の試験を行い耐久密着性を測定し評価した。評価は以下の基準で行った。
A:20N/15mm以上
B:10N/15mm以上20N/15mm未満
C:10N/15mm未満
評価結果を「耐久密着性」として表1中に記した。
2 透明前面基板
3 前面封止材
4 太陽電池素子
5 背面封止材
6 裏面保護シート
Claims (6)
- シラン変性ポリエチレン系樹脂と耐光安定剤を含有する太陽電池モジュール用の封止材マスターバッチの製造方法であって、
密度0.900g/cm3以下であって、α−オレフィンの炭素数が6以上8以下である、直鎖低密度ポリエチレンを含有してなるマスターバッチ用ベース樹脂と、
前記マスターバッチ用ベース樹脂100重量部に対して4重量部以上6重量部以下のシランカップリング剤と、
前記マスターバッチ用ベース樹脂100重量部に対して0.08重量部以上0.2重量部以下のマスターバッチ用有機過酸化物と、
前記マスターバッチ用ベース樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5重量部以下の前記耐光安定剤と、を160℃以上260℃以下の温度で、前記マスターバッチ用有機過酸化物の存在下で混錬する工程を含む封止材マスターバッチの製造方法。 - 前記マスターバッチを円柱状又は角柱状にペレット化する工程を更に含む請求項1に記載の封止材マスターバッチの製造方法。
- 前記耐光安定剤が、ヒンダードアミン系耐光安定剤である請求項1又は2に記載の封止材マスターバッチの製造方法。
- 前記マスターバッチ用有機過酸化物が、ジアルキルパーオキサイド又はパーオキシカーボネートである請求項1から3のいずれかに記載の封止材マスターバッチの製造方法。
- 前記シランカップリング剤が、ビニル基を有するシランカップリング剤である請求項1
から4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材マスターバッチの製造方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法によって製造された太陽電池モジュール用
の封止材マスターバッチと、封止材組成物用有機過酸化物と、密度0.900g/cm 3 以下のポリエチレン系樹脂からなる封止材組成物用ベース樹脂と、を含有する封止材組成物を、160℃以上260℃以下で溶融押出成形する太陽電池モジュール用の封止材の製造方法。
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