JP6468074B2 - フッ素樹脂積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含フッ素重合体の層を有するフッ素樹脂積層体およびその製造方法に関する。
フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンに代表されるように、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、低摩擦性、低誘電特性等の特性に優れる。そのため、ケミカルプラント耐食配管材料、農業用ビニールハウス材料、厨房器用離型コート材料、電子機器用被覆材料および耐熱難燃電線用被覆材料等として、幅広い分野に用いられている。特に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下、「ETFE」ともいう。)は、上述の特性に優れ、溶融成形が可能であることから、その用途は多岐にわたる。
このようにフッ素樹脂は優れた特性を有するが、高価であるため、近年、他の安価な汎用樹脂材料等との積層体とすることが試みられている。
ところが、フッ素樹脂は表面エネルギーが小さく、他材料との親和性が低いため、他の材料との層間における接着性は不充分である。そのため、フッ素樹脂と他の材料との積層体から得られるシート、チューブ等を屈曲させると、これらの層間が容易に剥離するという問題があった。
上記課題に対して、特許文献1では、アミノシランカップリング剤を付与したポリウレタン系エラストマーの層とフッ素樹脂の層との積層体について検討がなされている。
また、特許文献2では、フッ素樹脂の層とポリウレタン系エラストマーの層との間に、接着層としてポリアミド系樹脂を用いた積層体が提案されている。
国際公開第2006/134764号 特許第4832081号公報
本発明者の検討によれば、特許文献1の積層体は、層間の接着性が充分ではなく、これを用いて得られるシート、チューブを屈曲させると、層間が剥離することがある。
また、特許文献2の積層体は、ポリアミド系樹脂の層とポリウレタン系エラストマーの層との接着性が不充分である。
本発明は、フッ素樹脂の層と他の材料からなる層が直接、強固に接着したフッ素樹脂積層体、該フッ素樹脂積層体を用いて得られた多層シートおよび多層チューブ、該フッ素樹脂積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献1の積層体の接着性が不充分であるのは、アミノシランカップリング剤とポリウレタン系エラストマーとを溶融混練する工程や、溶融混練して得られた組成物をプレス成形してフィルム状にする工程において、アミノシランカップリング剤が加熱により揮発したり分解したりすることに起因するものと考え、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]カルボニル基含有基を有し、融点が230℃未満である含フッ素重合体(i)の層(I)と、前記層(I)に接して設けられる層(II)とを有し、
前記層(II)は、アミノ基を有し、かつ、下記で定義される5%質量減少温度が200℃以上である添加剤(α)が、非フッ素熱可塑性重合体(ii)に分散した組成物からなり、前記組成物における前記添加剤(α)の含有量は、前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)の100質量部に対して0.01〜10質量部であることを特徴とするフッ素樹脂積層体。
〔5%質量減少温度〕
示差熱熱重量同時測定装置を用いて、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分で昇温した際に、質量減少率が5質量%となる時の温度。
[2]前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーである、[1]のフッ素樹脂積層体。
[3]前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、アミド基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ウレタン基、カルボニル基、酸無水物残基からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1種を有する、[1]または[2]のフッ素樹脂積層体。
[4]前記添加剤(α)は、メラミンを含有する、[1]〜[3]のフッ素樹脂積層体。
[5]前記添加剤(α)は、さらに、イソシアヌル酸、シアヌル酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種を含有する、[4]のフッ素樹脂積層体。
[6]前記含フッ素重合体(i)は、フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンに基づく単位とを有し、かつ、カルボニル基含有基を有する共重合体である、[1]〜[5]のフッ素樹脂積層体。
[7]前記含フッ素重合体(i)は、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位およびカルボニル基含有基を有する主鎖末端基の少なくとも一方を有する、[1]〜[6]のフッ素樹脂積層体。
[8]前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレンに基づく単位(A)と、エチレンに基づく単位(B)と、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C1)、および2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C2)の少なくとも一方からなる単位(C)とを含有し、前記単位(A)と前記単位(B)と前記単位(C)との合計モル量に対して、前記単位(A)が25〜79.99モル%、前記単位(B)が20〜74.99モル%、前記単位(C)が0.01〜5モル%であり、
融点が100〜220℃である、[7]のフッ素樹脂積層体。
[9]前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレン、エチレン、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外の、その他のモノマーに基づく単位(D)をさらに含有し、前記単位(D)に対する前記単位(A)のモル比が、70/30〜99.9/0.1である、[8]のフッ素樹脂積層体。
[10]前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレン、エチレン、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外の、その他のモノマーに基づく単位(D)をさらに含有し、
前記単位(A)と前記単位(B)との合計に対する前記単位(D)のモル比が、1/99〜20/80である、[8]または[9]のフッ素樹脂積層体。
[11]前記単位(D)は、前記その他のモノマーであるヘキサフルオロプロピレンに基づく単位(D1)を含む、[9]または[10]のフッ素樹脂積層体。
[12]前記単位(D)は、前記その他のモノマーであるCH=CH(CFQ1F(ただし、Q1は2〜10の整数。)に基づく単位(D2)をさらに含む、[11]のフッ素樹脂積層体。
[13][1]〜[12]のフッ素樹脂積層体から得られる多層チューブまたは多層シート。
[14][1]〜[12]のフッ素樹脂積層体の製造方法であって、
前記含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満の温度範囲で、少なくとも前記層(I)と前記層(II)とを1秒間以上60分間未満の範囲で熱融着させる熱積層工程を有する、フッ素樹脂積層体の製造方法。
本発明のフッ素樹脂積層体は、フッ素樹脂の層と他の材料からなる層が直接、強固に接着している。
本発明のフッ素樹脂積層体の製造方法によれば、フッ素樹脂の層と他の材料からなる層が直接、強固に接着したフッ素樹脂積層体を製造できる。
本明細書における「単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに基づく単位を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であっても、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「モノマー」とは、重合性不飽和結合、すなわち重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「主鎖」とは、モノマーが重合することによって形成される炭素鎖の中で、炭素数が最大となる部分を指す。
本発明のフッ素樹脂積層体は、層(I)と、該層(I)に接して設けられる層(II)とを有する。層(I)は、含フッ素重合体(i)の層であり、層(II)は、特定の添加剤(α)が非フッ素熱可塑性重合体(ii)に分散した組成物からなる。
〔含フッ素重合体(i)の層(I)〕
層(I)を構成する含フッ素重合体(i)は、カルボニル基含有基を有し、融点が230℃未満の重合体である。
含フッ素重合体(i)の融点が上記上限値未満であれば、フッ素樹脂積層体を製造する際の、層(I)と層(II)とを熱融着させる熱積層工程において、たとえば押し出し機のダイス温度、加熱プレスにおけるプレス板の温度等を低温に設定できる。そのため、層(I)を構成する含フッ素重合体(i)、層(II)を構成する非フッ素熱可塑性重合体(ii)および添加剤(α)が熱積層工程で熱分解されにくく、含フッ素重合体(i)および非フッ素熱可塑性重合体(ii)の発泡等を抑制できる。含フッ素重合体(i)の融点は、100〜220℃が好ましく、120〜205℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。融点が上記範囲の上限値以下であれば、上述の熱積層工程において含フッ素重合体(i)、非フッ素熱可塑性重合体(ii)および添加剤(α)がより熱分解されにくく、発泡等をより抑制できる。融点が上記範囲の下限値以上であれば、層(I)と層(II)とが強固に接着したフッ素樹脂積層体が得られやすい。
含フッ素重合体(i)は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本明細書において「融点(℃)」とは、結晶構造を有する樹脂において、固体が融解し液体化する温度のことをいい、具体的には、示差走査熱量計を用いて、試料を一定速度で昇温したときの融解ピークを記録し、その極大値に対応する温度(℃)を融点とする。
含フッ素重合体(i)としては、下記(a)〜(d)の重合体が好ましい。
(a)カルボニル基含有基と、フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンに基づく単位とを有する共重合体、
(b)カルボニル基含有基を有するポリビニリデンフルオライド、
(c)カルボニル基含有基を有するポリクロロトリフルオロエチレン、
(d)カルボニル基含有基と、フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンに基づく単位と、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位と、フッ化ビニリデンに基づく単位とを有する共重合体。
上記(a)〜(d)の重合体のなかでも、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、低摩擦性、低誘電特性、機械強度等の特性に優れている点から上記(a)の共重合体が好ましい。上記(a)の共重合体は、後述するように、その他のモノマーに基づく単位(D)を含有していてもよい。
ペルハロフルオロエチレンとは、エチレンの水素原子の全てがハロゲン原子で置換されており、かつ、ハロゲン原子の少なくとも1つがフッ素原子である化合物を意味する。フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンとしては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」ともいう。)、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられ、なかでもTFEが好ましい。フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
カルボニル基含有基とは、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を含む基である。
カルボニル基含有基としては、たとえば、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有してなる基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基等が挙げられる。
上記炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有してなる基における炭化水素基としては、たとえば炭素数2〜8のアルキレン基等が挙げられる。なお、該アルキレン基の炭素数は、カルボニル基を含まない状態での炭素数である。該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、他基材との反応性の点から、フッ素原子が好ましい。すなわちハロホルミル基としてはフルオロホルミル基(カルボニルフルオリド基ともいう。)が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、他基材との反応性の点から、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
カルボニル基含有基は、下記の(1)〜(4)の方法により、含フッ素重合体(i)に導入することができる。
(1)重合反応で含フッ素重合体(i)を製造する際に、カルボニル基含有基を有するモノマーを使用する方法。該方法によれば、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位を有する含フッ素重合体(i)が得られる。
(2)重合反応で含フッ素重合体(i)を製造する際に、カルボニル基含有基を有するラジカル重合開始剤、およびカルボニル基含有基を有する連鎖移動剤の少なくとも一方を使用する方法。該方法によれば、カルボニル基含有基を有する主鎖末端基を備えた含フッ素重合体(i)が得られる。
(3)熱分解によりカルボニル基含有基を生成する熱分解部位を有する含フッ素重合体を加熱し、該含フッ素重合体を部分的に熱分解することで、カルボニル基含有基を生成させる方法。
(4)カルボニル基含有基を有しない含フッ素重合体に、カルボニル基含有基を有するモノマーをグラフト重合して、該含フッ素重合体にカルボニル基含有基を導入する方法。
なかでも、含フッ素重合体(i)は、上記(1)の方法により得られる、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位を有するものが、熱安定性に優れる点で好ましい。
含フッ素重合体(i)としては、TFEに基づく単位(A)と、エチレンに基づく単位(B)と、単位(C)とを有する共重合体が特に好ましい。単位(C)は、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位であり、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C1)、および2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C2)の少なくとも一方からなる。
上記単位(C1)を構成する酸無水物残基を有する非フッ素モノマーとしては、無水イタコン酸(以下、「IAH」ともいう。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」ともいう。)、および無水シトラコン酸(以下、「CAH」ともいう。)等が挙げられる。酸無水物残基を有する非フッ素モノマーは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記単位(C2)を構成する2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマーとしては、イタコン酸(以下、「IAC」ともいう。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸(以下、「NAC」ともいう。)、およびシトラコン酸(以下、「CAC」ともいう。)等が挙げられる。2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマーは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
IAH、NAHおよびCAHからなる群より選ばれる1種以上に基づく単位(C1)や、IAC、NACおよびCACからなる群より選ばれる1種以上に基づく単位(C2)であれば、従来、たとえば特開平11−193312号公報に記載の無水マレイン酸を用いた場合に必要となるような特殊な重合方法を用いることなく、単位(C)を含有する含フッ素重合体(i)を容易に製造できる。
なかでも重合性に優れる点から、IAHに基づく単位が好ましい。
含フッ素重合体(i)における各単位(A)〜(C)の含有量は、単位(A)と単位(B)と単位(C)との合計モル量に対して、単位(A)が25〜79.99モル%であり、単位(B)が20〜74.99モル%であり、単位(C)が0.01〜5モル%であることが好ましく、単位(A)が50〜64.97モル%であり、単位(B)が35〜49.97モル%であり、単位(C)が0.03〜3モル%であることがより好ましく、単位(A)が50〜59.95モル%であり、単位(B)が40〜49.95モル%であり、単位(C)が0.05〜1モル%であることが最も好ましい。
各単位(A)〜(C)の含有量が上記範囲内であれば、含フッ素重合体(i)が耐薬品性、耐熱性に優れる。特に、単位(C)の含有量が上記範囲内であれば、耐薬品性、耐熱性に加え、層(I)と後述の層(II)との接着性がより高くなる。
また、各単位(A)〜(C)の含有量が上記範囲内であれば、含フッ素重合体(i)の融点を100〜220℃に制御しやすい。
含フッ素重合体(i)における単位(B)に対する単位(A)のモル比((A)/(B))は、25/75〜80/20が好ましく、50/50〜65/35がより好ましく、50/50〜61/39がさらに好ましく、50/50〜60/40が最も好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の機械的強度がより優れる。下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の耐熱性がより優れる。上記範囲内であれば、含フッ素重合体(i)の機械的強度と耐熱性がともに優れる。
含フッ素重合体(i)は、融点を上記範囲に制御しやすくなる点から、単位(A)〜(C)に加えて、その他のモノマーに基づく単位(D)をさらに有することが好ましい。含フッ素重合体(i)を構成するすべての単位に対する単位(D)の含有割合が多いと、含フッ素重合体(i)の融点が低くなる傾向にある。
その他のモノマーは、TFE、エチレン、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外のモノマーであって、含フッ素モノマーと非フッ素モノマーとに分けられる。
その他のモノマーのうち含フッ素モノマーは、TFE以外の含フッ素モノマーであり、たとえば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(以下、「VDF」ともいう。)、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」ともいう。)、クロロトリフルオロエチレン、CH=CH(CFQ1F(ただし、Q1は2〜10の整数。)、CH=CF(CFQ2H(ただし、Q2は2〜10の整数。)等の含フッ素オレフィン、CF=CFOR(ただし、Rは、エーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のフルオロアルキル基を表す。)等のフルオロ(アルキルビニルエーテル)、CF=CFORSO(ただし、Rはエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のフルオロアルキレン基を表し、Xはハロゲン原子または水酸基を表す。)、CF=CFORCO(ただし、Rはエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のフルオロアルキレン基を表し、Xは水素原子または炭素数3以下のアルキル基を表す。)、CF=CF(CFOCF=CF(ただし、Pは1または2を表す。)、およびペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等が挙げられる。含フッ素モノマーは直鎖状でも、分岐状でもよい。また、含フッ素モノマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
は、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフルオロアルキル基であることがより好ましい。
およびRは、炭素数1〜6のフルオロアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のフルオロアルキレン基であることがより好ましい。
フルオロアルキル基としては、CF基、C基、C基等のペルフルオロアルキル基が特に好ましく、フルオロアルキレン基としては、CF基、C基、C基等のペルフルオロアルキレン基が特に好ましい。
CH=CH(CFQ1FのQ1は、重合性、連続運転の点で、2〜6の整数であることが好ましい。
CF=CFORの具体例としては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、CF=CFOCFCFCFが好ましい。
CH=CF(CFQ2Hの具体例としては、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH等が挙げられる。
その他のモノマーのうち非フッ素モノマーは、エチレン、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外の非フッ素モノマーであり、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;プロピレン、ブテン、イソブテン等のα−オレフィン等が挙げられる。なかでも、含フッ素重合体(i)の熱安定性、加工性の点から、プロピレンが好ましい。
非フッ素モノマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
単位(D)としては、含フッ素重合体(i)の耐熱性の点から、含フッ素モノマーに基づく単位が好ましい。
含フッ素重合体(i)は、単位(D)として少なくともHFPに基づく単位(D1)を有することが好ましい。含フッ素重合体(i)が単位(D1)を含むと、該含フッ素重合体(i)の耐熱性を低下させることなく、含フッ素重合体(i)の融点を上記範囲に制御しやすくなる。
含フッ素重合体(i)は、単位(D)として単位(D1)の他に、上述したVDF、CF=CFOR、CH=CH(CFQ1FおよびCH=CF(CFQ2Hからなる群より選ばれる1種のモノマーに基づく単位をさらに含有することが好ましく、なかでもCH=CH(CFQ1Fに基づく単位(D2)を有することがより好ましい。含フッ素重合体(i)が、単位(D)として、単位(D1)とともに単位(D2)を含有すると、含フッ素重合体(i)の融点を上記範囲に制御しやすくなるとともに、含フッ素重合体(i)の耐ストレスクラック性、成形性および生産性に優れる。
単位(D)に対する単位(A)のモル比((A)/(D))は、70/30〜99.9/0.1であることが好ましく、75/25〜98/2がより好ましく、80/20〜95/5が最も好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の融点が低下し、該融点を上記範囲に制御しやすくなる。下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の耐薬品性、耐熱性がより優れる。
また、単位(A)と単位(B)との合計に対する単位(D)のモル比((D)/((A)+(B)))は、1/99〜20/80であることが好ましく、2/98〜15/85がより好ましく、4/96〜12/88が最も好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の耐薬品性、耐熱性がより優れる。下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の融点が低下し、該融点を上記範囲に制御しやすくなる。
上述のとおり、含フッ素重合体(i)が、単位(D)を含有する場合、含フッ素重合体(i)を構成するすべての単位に対する単位(D)の含有割合が多いと、含フッ素重合体(i)の融点が低くなる傾向にある。
含フッ素重合体(i)を構成するすべての単位に対する単位(D1)の含有割合は、6〜15モル%が好ましく、7〜12モル%がより好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の融点が高くなりすぎず、成形性に優れる。下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)製造時の重合反応が問題なく進行し、生産性に優れるとともに、含フッ素重合体(i)の耐熱性、成形性がより優れる。上記範囲内であれば、含フッ素重合体(i)の生産性、耐熱性および成形性が優れる。
含フッ素重合体(i)が単位(D)として単位(D1)および単位(D2)を含む場合、単位(D2)に対する単位(D1)のモル比((D1)/(D2))は、75/25〜97/3が好ましく、80/20〜96/4がより好ましく、85/15〜95/5が最も好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の耐ストレスクラック性および成形性がより優れる。下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の融点を上記範囲により制御しやすくなる。
含フッ素重合体(i)が単位(D)としてプロピレンに基づく単位(P)を含有する場合、含フッ素重合体(i)を構成するすべての単位に対する単位(P)の含有割合は、6〜20モル%が好ましく、7〜15モル%がより好ましい。上限値以下であれば、含フッ素重合体(i)の融点が高くなりすぎず、成形性に優れ、下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の重合反応が問題なく進行し、生産性に優れるとともに、含フッ素重合体(i)の耐熱性、成形性がより優れる。
含フッ素重合体(i)としては、たとえば下記(1)〜(5)の単位からなる共重合体が挙げられ、なかでも、下記(5)の共重合体が好ましい。
(1)単位(A)/単位(B)/単位(C);
(2)単位(A)/単位(B)/単位(C)/単位(D1);
(3)単位(A)/単位(B)/単位(C)/プロピレンに基づく単位;
(4)単位(A)/単位(B)/単位(C)/単位(D2)/プロピレンに基づく単位;
(5)単位(A)/単位(B)/単位(C)/単位(D1)/単位(D2)。
重合反応で含フッ共重合体(i)を製造する場合、重合方法としては、特に制限はなく、たとえば特許文献1に記載のような、公知のラジカル重合開始剤および連鎖移動剤を用いる公知の重合方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、その半減期が10時間である温度が、0〜100℃であることが好ましく、20〜90℃であることがより好ましい。具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の非フッ素系ジアシルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル、(Z(CFCOO)(ここで、Zは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、rは1〜10の整数である。)で表される化合物等の含フッ素ジアシルペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤として、カルボニル基含有基を有する開始剤を用いると、カルボニル基含有基を含フッ素重合体(i)の主鎖末端基として導入できる。そのようなラジカル重合開始剤としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボンが挙げられる。
連鎖移動剤として、カルボニル基含有基を有する連鎖移動剤を用いると、カルボニル基含有基を含フッ素重合体(i)の主鎖末端基として導入できる。そのような連鎖移動剤としては、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル等が挙げられる。
連鎖移動剤を使用すると、含フッ素重合体(i)のメルトフローレート(MFR)および後述の容量流速を制御できる。
重合方法としては、塊状重合、フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合、水性媒体及び必要に応じて適当な有機溶剤を使用する懸濁重合、水性媒体及び乳化剤を使用する乳化重合等が挙げられる。好ましくは、溶液重合である。
重合条件は特に限定されず、重合温度は0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。重合時間は1〜30時間が好ましい。
重合中における、単位(C1)および単位(C2)を構成する非フッ素モノマーの濃度は、全モノマーの合計に対して0.01〜5モル%とすることが好ましく、0.1〜3モル%とすることがより好ましく、0.1〜1モル%とすることが特に好ましい。上記非フッ素モノマーの濃度が上記範囲内であれば、重合速度が良好であり、該濃度が高すぎると、重合速度が低下する傾向がある。
重合中、上記非フッ素モノマーが重合で消費されるにしたがって、消費された量を連続的または断続的に重合槽内に供給し、該非フッ素モノマーの濃度を上記範囲内に維持することが好ましい。
含フッ素重合体(i)は、その融点よりも20〜50℃高い温度において、容量流速(以下、「Q値」ともいう。)が、0.1〜1000mm/秒となる温度が存在することが好ましく、0.1〜500mm/秒となる温度が存在することがより好ましく、0.1〜200mm/秒となる温度が存在することがさらに好ましく、0.2〜100mm/秒となる温度が存在することが最も好ましい。なお、Q値は重合体の分子量の目安になる。Q値が大きいほど分子量は小さいことを示し、Q値が小さいほど分子量が大きいことを示す。
Q値が上記下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)の成形性に優れ、一方、Q値が上記上限値以下であれば、フッ素樹脂積層体が充分な強度を有する。
なお、本明細書におけるQ値は、融点よりも20〜50℃高い温度、荷重68.6Nの条件下で測定した値である。具体的には、高化式フローテスターにおいて、直径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間に流出する樹脂の速度(mm/秒)である。
層(I)は、含フッ素重合体(i)以外に、充填剤(たとえば、カーボンブラック、カーボンファイバー、ガラスファイバー、カーボンナノチューブ等。)等の含フッ素重合体(i)以外の成分を層(I)中、50質量%未満の範囲で含んでもよい。層(I)中の含フッ素重合体(i)以外の成分の含有量は、20質量%未満が好ましく、15質量%未満がより好ましい。
〔添加剤(α)が非フッ素熱可塑性重合体(ii)に分散した組成物の層(II)〕
層(II)は、添加剤(α)が非フッ素熱可塑性重合体(ii)に分散した組成物からなり、上述の層(I)に接して設けられる。
(添加剤(α))
添加剤(α)は、アミノ基を有し、かつ、下記の5%質量減少温度が200℃以上である添加剤である。添加剤(α)は組成物中に分散している。
〔5%質量減少温度〕
示差熱熱重量同時測定装置を用い、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分で試料を昇温した際に、試料の質量減少率が5質量%となる時の温度。
示差熱熱重量同時測定装置としては、たとえば「TG/DTA7200」(セイコーインスツル社製)を使用できる。試料の質量は、10±0.2mg程度とする。
なお、試料を70℃のオーブン中で10時間乾燥してから、5%質量減少温度の測定を行った。
添加剤(α)は、5%質量減少温度が200℃以上であって熱的に安定である。そのため、後述の非フッ素熱可塑性重合体(ii)と添加剤(α)とを溶融混練して組成物を得る工程、得られた組成物をシート(層(II))に成形する工程の際、得られたシート等を用いてフッ素樹脂積層体を製造する工程等における加熱により、揮発したり分解したりしにくい。そのため、添加剤(α)は、フッ素樹脂積層体の層(II)中で安定に存在する。そして、該添加剤(α)の有するアミノ基は、層(I)を構成する含フッ素重合体(i)のカルボニル基含有基と反応する。このように層(II)がアミノ基を有する熱的に安定な添加剤(α)を含むことにより、層(I)と層(II)とが強固に接着する。
アミノ基は、1〜3級のいずれでもよいが、反応性の点から、1級または2級が好ましい。
添加剤(α)の5%質量減少温度は、230℃以上が好ましく、280℃以上がより好ましく、320℃以上が最も好ましい。5%質量減少温度が上記下限値以上であると、該添加剤(α)が熱安定性により優れ、そのため、揮発、分解等がより起こりにくく、層(I)と層(II)とはさらに強固に接着する。5%質量減少温度の上限には特に制限はないが、通常550℃以下である。
アミノ基を有し、かつ、上記測定方法で測定された5%質量減少温度が上記下限値以上である添加剤(α)としては、熱安定性に優れる点および非フッ素熱可塑性重合体(ii)に対する分散性に優れる点から、メラミンを含有する添加剤(α1)が好ましい。
該添加剤(α1)としては、メラミンのみからなる添加剤(α11)、メラミンと、イソシアヌル酸、シアヌル酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種とを含有する添加剤(α12)が好ましい。添加剤(α1)において、メラミンの一部は、メラミンの脱アンモニア縮合物であるメラムおよびメレムの少なくとも一方に変換されていてもよい。また、メラミン、メラムおよびメラムと、イソシアヌル酸、シアヌル酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種とは、水素結合していてもよい。
添加剤(α12)としては、層(I)と層(II)とがより強固に接着する点から、メラミン、メラムおよびメレムと、ポリリン酸とが水素結合している混合物からなる添加剤、およびメラミンとシアヌル酸とが水素結合しているメラミンシアヌレートからなる添加剤の少なくとも1種が好ましい。添加剤(α)は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
添加剤(α)の分子量は、たとえば100〜3000が好ましい。分子量が上記下限値以上であれば、熱安定性により優れる。上記上限値以下であれば、組成物中での分散性が良好となり、得られるフッ素樹脂積層体の機械物性、耐薬品性、電気特性等の物性を良好にすることができる。
添加剤(α)の平均粒子径は、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、15μm以下が最も好ましい。平均粒子径が上記上限値以下であると、添加剤(α)は凝集しにくく、非フッ素熱可塑性重合体(ii)に対する分散性が優れる。分散性が不充分な場合、層(I)と層(II)の接着性が低下し、層間剥離やクラックの原因になる。
本明細書において、平均粒子径は、島津製作所社製「SALD−3000 レーザー回折式粒度分布測定装置」で測定した場合の粒子径分布において、小径側から体積累積分布曲線を描いた場合に、累積50体積%となる粒子径である。
メラミン、メラムおよびメレムと、ポリリン酸とが水素結合している混合物の市販品としては、日産化学工業社製のポリリン酸メラミン・メラム・メレムである「ホスメル(登録商標) 200」等が挙げられる。
(非フッ素熱可塑性重合体(ii)
非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、フッ素原子を有しない熱可塑性重合体である。非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、フッ素樹脂積層体の用途等に応じて、1種以上を適宜選択できる。
非フッ素熱可塑性重合体(ii)としては、たとえば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等。)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、α−オレフィン−エチレン共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/エチレン共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリレート樹脂;ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のポリスチレン系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体等のポリニトリル系樹脂、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン66,ナイロン46等のポリアミド系樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性のポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルニトリル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、ポリアリレート等の樹脂が挙げられる。
また、非フッ素熱可塑性重合体(ii)としては、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ニトリル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーも挙げられる。
熱可塑性エラストマーのなかでは、強度および柔軟性に優れる点から、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましく、なかでも、ポリエーテル系ポリウレタン熱可塑性エラストマー、ポリエステル系ポリウレタン熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート系ポリウレタン熱可塑性エラストマーがより好ましく、ポリエーテル系ポリウレタン熱可塑性エラストマーが特に好ましい。
非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、添加剤(α)の有するアミノ基と反応する官能基を有していなくてもよいが、有していることが好ましい。このような官能基としては、アミド基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ウレタン基、カルボニル基および酸無水物残基等が挙げられ、非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、これらのうちの1種以上の官能基を有することが好ましい。
非フッ素熱可塑性重合体(ii)が該官能基を有していなくても、溶融混練により非フッ素熱可塑性重合体(ii)中に添加剤(α)が分散していれば、添加剤(α)を含む層(II)と、添加剤(α)のアミノ基と反応するカルボニル基含有基を含む層(I)とは、良好に接着するが、非フッ素熱可塑性重合体(ii)が官能基を有すると、該官能基と添加剤(α)のアミノ基とが反応するため、より強固に、層(I)と層(II)とが接着する。特に非フッ素熱可塑性重合体(ii)が、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーであると、該ポリウレタン系熱可塑性エラストマーが官能基を有することによる、層(I)と層(II)との接着力向上効果が大きい。
(層(II)を構成する組成物)
組成物における添加剤(α)の含有量は、非フッ素熱可塑性重合体(ii)の100質量部に対して0.01〜10質量部であり、0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。添加剤(α)の含有量が上記範囲の下限値以上であれば、添加剤(α)による層(I)と層(II)とを良好に接着する効果が充分に得られる。上記範囲の上限値以下であれば、添加剤(α)を含む層(II)に発泡が生じたり、層(II)自体が脆くなったりすることがなく、層(I)と層(II)とが良好に接着する。
組成物は、たとえば溶融混練押し出し機を用い、非フッ素熱可塑性重合体(i)と添加剤(α)とを混練する方法等で製造でき、溶融混練押し出し機としては、二軸押し出し機が好ましい。
混練温度は150℃〜400℃が好ましく、滞留時間は10秒〜20分間が好ましく、スクリュー回転数は30〜1500rpmであることが好ましい。混練温度は170℃〜260℃がより好ましく、滞留時間は15秒〜5分間がより好ましく、スクリュー回転数は75rpm〜1000rpmがより好ましい。各上限が上記範囲内であれば、添加剤(α)が、非フッ素熱可塑性重合体(ii)に良好に分散し、その結果、層(I)と層(II)とが良好に接着する。
層(II)を構成する組成物は、非フッ素熱可塑性重合体(ii)および添加剤(α)以外に、充填剤、安定剤、滑剤、可塑剤、着色剤およびポリマー改質材等の成分を組成物中、50質量%未満の範囲で含んでもよい。組成物中の該成分の含有量は、30質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましい。
〔フッ素樹脂積層体〕
フッ素樹脂積層体における各層の厚みには特に制限はないが、たとえば、層(I)は3〜2000μmで、層(II)は50〜100000μmであることが好ましい。また、層(II)における層(I)が設けられていない側には、さらに1層以上の他の層が設けられていてもよい。このように設けられる1層以上の他の層の総厚みは、75〜100000μmが好ましい。
フッ素樹脂積層体の総厚みには特に制限はなく、各層の厚みが上記範囲内であればよいが、たとえば100〜100000μmが好ましい。
フッ素樹脂積層体の形状は、シート状でも、シートが立体成形された立体形状でも、チューブ状等であってもよく、その形状に制限はない。なかでも、層間の剥離強度を維持でき、フッ素樹脂積層体の形状保持性が優れる点で、シート状(多層シート)、チューブ状(多層チューブ)が好ましい。
多層チューブは、その用途に応じて、層(I)が内周側に位置していても外周側に位置していてもよいが、多層チューブがたとえば薬液チューブ、食料品搬送チューブ等である場合には、内周側に層(I)が位置していることが好ましい。
多層チューブが薬液チューブの場合、内周側に層(I)が位置していると、層(I)に含まれる含フッ素重合体(i)に基づき、強アルカリ性または酸性の薬液に対する耐薬品性に優れる。
多層チューブが食料品搬送チューブの場合、内周側に層(I)が位置していると、層(I)に含まれる含フッ素重合体(i)に基づき、食料品として果汁、ペースト状食品等を搬送する場合の耐菌性に優れる。また、食料品搬送チューブを洗浄する洗浄剤に対する耐性にも優れる。
フッ素樹脂積層体における層(I)と層(II)との剥離強度(JIS K 6854−2:1999)は、5N/cm以上であることが好ましく、7N/cm以上であることが好ましく、10N/cm以上であることがより好ましい。
〔フッ素樹脂積層体の製造方法〕
本発明のフッ素樹脂積層体は、成形の簡便性、生産性から、多層押し出し成形(共押し出し成形)、押し出しラミネート成形、加熱ロール、加熱プレスを用いた多層ラミネート成形、多層射出成形、多層ブロー成形等を用いた熱積層工程を有する方法により、好適に製造できる。該熱積層工程により、層(I)と層(II)とが少なくとも積層され、その他に、さらに他の層が積層されてよい。
熱積層工程の温度は、含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満が好ましい。
たとえば、複数の押し出し機を用いる多層押し出し成形により熱積層工程を行って、フッ素樹脂積層体を製造する場合、該押し出し機のダイス温度は、含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満が好ましい。該温度は、170〜320℃がより好ましく、200〜280℃がさらに好ましく、200〜240℃が最も好ましい。ダイス温度が上記下限値以上であれば、含フッ素重合体(i)が充分に軟化して加工性、接着性に優れ、上記上限値以下であれば、熱積層工程で層(I)を構成する含フッ素重合体(i)、層(II)に含まれる非フッ素熱可塑性重合体(ii)および添加剤(α)の分解、発泡等を抑制でき、接着性に優れる。
加熱プレスにより熱積層工程を行う場合には、熱積層工程として、予備溶融工程と該予備溶融工程の後の加圧工程とを行うことが好ましい。予備溶融工程は、層(I)を形成するシートと層(II)を形成するシートとを少なくとも重ねあわせて、含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満の温度において、圧力(プレス圧力)を加えずに保持する工程である。具体的には、たとえば加熱プレスに用いるプレス板を備えた金型を融点以上400℃未満の温度に制御し、該金型内で、層(I)を形成するシートと層(II)を形成するシートとを少なくとも重ねあわせて保持する。これにより各シートを溶融状態とする。該予備溶融工程後に、金型に圧力(プレス圧力)を加え、含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満の温度において加熱プレスすることにより、加圧工程を行う。
プレス板の温度(熱積層工程の温度)は、上述のとおり含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満が好ましく、170〜320℃がより好ましく、170〜280℃がさらに好ましく、200〜280℃が特に好ましく、200〜240℃が最も好ましい。プレス板の温度が上記下限値以上であれば、フッ素樹脂積層体の表面の平滑性、フッ素樹脂成形体の薄肉成形性に優れ、上記上限値以下であれば、熱積層工程で層(I)を構成する含フッ素重合体(i)、層(II)に含まれる非フッ素熱可塑性重合体(ii)および添加剤(α)の分解、発泡等を抑制でき、接着性に優れる。
熱積層工程における加熱保持時間は、予備溶融工程と該予備溶融工程の後の加圧工程との合計として、1秒間以上60分間未満が好ましい。1秒間以上であれば各層間の接着力がより安定し、60分間未満であれば生産性に優れる。
加圧工程のプレス時間は0.1秒間〜30分間以下が好ましい。0.1秒間以上であれば各層間の接着力がより安定し、30分間以下であれば生産性に優れる。
加圧工程のプレス圧力は0.1MPa〜50MPaが好ましい。0.1MPa以上であれば各層間の接着力がより安定し、50MPa以下であれば生産性に優れる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<製造例1>
以下のようにして、層(I)に用いた含フッ素重合体(i−1)を製造した。
まず、内容積が430Lの撹拌機付き重合槽を脱気し、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサンの237.2kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK225cb、以下「AK225cb」という。)の49.5kg、HFPの122kg、CH=CH(CFFの1.31kgを仕込み、重合槽内を66℃に昇温し、TFEとエチレンの混合ガス(TFE/エチレン=89/11(モル比))で、1.5MPa/Gまで昇圧した。重合開始剤としてtert−ブチルペルオキシピバレートの2質量%1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の2.5Lを仕込み、重合を開始させた。
重合中、圧力が一定になるようにTFEとエチレンのモノマー混合ガス(TFE/エチレン=54/46(モル比))を連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むTFEとエチレンの合計モル数に対して1モル%に相当する量のCH=CH(CFFと0.4モル%に相当する量のIAHを連続的に仕込んだ。
重合開始9.3時間後、モノマー混合ガスの29kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに、常圧までパージした。
得られたスラリ状の含フッ素重合体(i−1)を、水の300kgを仕込んだ860Lの造粒槽に投入し、撹拌下に105℃まで昇温して溶媒を留出除去しながら造粒した。得られた造粒物を150℃で15時間乾燥することにより、33.2kgの含フッ素重合体(i−1)の乾燥造粒物を得た。
含フッ素重合体(i−1)についての溶融NMR分析、フッ素含有量分析および赤外吸収スペクトル分析の結果から、含フッ素重合体(i−1)における各単位の含有割合を求めた。その結果、含フッ素重合体(i−1)は、TFEに基づく単位/HFPに基づく単位/CH=CH(CFFに基づく単位/IAHに基づく単位/エチレンに基づく単位の比が、46.2/9.4/1.0/0.4/43.0(モル比)であった。
また、島津製作所社製フローテスターを用いて含フッ素重合体(i−1)のQ値を、測定温度220℃、荷重68.6Nの条件で測定した。その結果、含フッ素重合体(i−1)のQ値は、7.2mm/秒であった。
また、示差走査熱量計(SII株式会社製、DSC−7020)を用いて、含フッ素重合体(1)を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とした。その結果、含フッ素重合体(i−1)の融点は、170℃であった。
<非フッ素熱可塑性重合体(ii)>
非フッ素熱可塑性重合体(ii)としては、ポリエーテル系ポリウレタン熱可塑性エラストマーである、BASFジャパン社製「エラストラン(登録商標) 1180AD」を使用した。
「エラストラン(登録商標) 1180AD」:末端にヒドロキシ基を有するポリオールと、2官能以上のイソシアネートとの反応物であり、分子鎖中にアミド基、ウレア基、ウレタン基、ヒドロキシ基等の官能基を有する。上記官能基はフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、核磁気共鳴装置(NMR)などの分析により確認できる。
<添加剤(α)>
添加剤(α)としては以下の市販品を使用した。
(α−1):ポリリン酸メラミン・メラム・メレム「ホスメル(登録商標) 200」(日産化学社製)、比重=1.81、下記の5%質量減少温度:376℃。メラミン、メラムおよびメラムと、ポリリン酸とは、水素結合している。平均粒子径は2.0μm未満である。
(α−2):メラミンシアヌレート「MC6000」(日産化学社製)、比重=1.52、分子量=255、下記の5%質量減少温度:338℃。メラミンと、シアヌル酸とは、水素結合している。平均粒子径は2.0μm未満である。
〔5%質量減少温度〕
示差熱熱重量同時測定装置を用い、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分で試料を昇温した際に、試料の質量減少率が5質量%となる時の温度(試料の質量:10±0.2mg)。示差熱熱重量同時測定装置として、「TG/DTA7200」(セイコーインスツル社製)を使用。
なお、試料は、測定前に70℃のオーブン中で10時間乾燥した。
<組成物の調製>
φ15mm、L/D=45の二軸押し出し機を用いて、以下の溶融混練条件にて、表1に示す配合にて、非フッ素熱可塑性重合体(ii)に、添加剤(α−1)または(α−2)を分散させ、組成物を得た。
混練温度:210℃、
滞留時間:90分間、
スクリュー回転数:200rpm。
<各層を構成するシートの作製>
テスター産業社製プレス成形機を用いて、下記条件にて各プレスシートを作成した。
「含フッ素重合体(i−1)のプレスシートの作製」
予備溶融時間:10min、プレス時間:3min、プレス圧力:10MPa、成形温度:240℃の条件にて13×13×0.02t(cm)のプレスシートを作製した。
「上記組成物のプレスシートの作製」
予備溶融時間:10min、プレス時間:3min、プレス圧力:10MPa、成形温度:220℃の条件にて13×13×0.03t(cm)のプレスシートを作製した。
<実施例1〜5、比較例1〜2>
層(I)および層(II)として、表1に示すように、上記の方法で製造したプレスシートをそれぞれ用いフッ素樹脂積層体を製造した。熱積層工程は、テスター産業社製プレス成形機を用いて、表1に示す温度で各シートを熱積層する熱積層工程(予備溶融工程および加圧工程)を行った。
温度以外の条件は、予備溶融工程の加熱保持時間:2min、加圧工程の保持時間(プレス時間):2min、加圧工程のプレス圧力:5MPaとした。
各層の厚みは、層(I)は0.02cm、層(II)は0.03cmであった。
得られたフッ素樹脂積層体について、以下の剥離試験により剥離強度を測定した。
結果を表1に示す。
<評価>
(剥離試験)
フッ素樹脂積層体について、JIS K 6854−2:1999に準じて剥離接着強さ試験方法を行い、各層間の剥離強度を測定した。
具体的には、フッ素樹脂積層体を10×1×0.05t(cm)の長方形状のサンプルとし、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度30mm/分の条件下で剥離したときの荷重を試験片幅(1cm)で除して、剥離強度(N/cm)を算出した。
Figure 0006468074
表1に示すように、カルボニル基含有基を有する含フッ素重合体(i)の層(I)と、特定の添加剤(α)を非フッ素熱可塑性重合体(ii)中に特定量含む組成物の層(II)からなる各実施例のフッ素樹脂積層体は、層間剥離強度が高く、強固に接着していた。
一方、層(II)を構成する組成物中の添加剤(α)の量が過剰である比較例1の場合には、添加剤(α)を含む層(II)に発泡が生じて層(II)自体が脆くなり、層(I)と層(II)とは接着せず、フッ素樹脂積層体を製造できなかった。
また、層(II)が添加剤(α)を含まない比較例2の場合にも、層(I)と層(II)とは接着せず、フッ素樹脂積層体を製造できなかった。
本発明のフッ素樹脂積層体は、フッ素樹脂の層に他の材料からなる層が強固に接着している。また、耐候性、電気絶縁性、耐酸・アルカリ性、難燃性、気体透過率に優れる。そのため、たとえば、積層型プリント配線基板、配線・配管カバーダクト(保護管)、航空機部品、車両部品、エクステリアと呼ばれる建築用部材の屋外部品の保護、外壁保護や内層壁等の建築部材、電気部品用、油類、薬液、塗料、果汁、ペースト状食品等の輸送用等の工業用ホース、ガソリン、軽油、アルコール等の燃料輸送用ホース、給湯用ホース、薬液タンク、燃料タンク、包装、農業用ハウス等の工業用フィルム、キャストフィルム製造用離型フィルム、半導体グリーンシート、ICチップ製造用離型フィルム等の離型フィルム、食品フィルム、電線被覆、ゴム加工用芯材等に使用できる。

Claims (12)

  1. カルボニル基含有基を有し、融点が230℃未満である含フッ素重合体(i)の層(I)と、前記層(I)に接して設けられる層(II)とを有し、
    前記層(II)は、アミノ基を有し、かつ、下記で定義される5%質量減少温度が200℃以上である添加剤(α)が、非フッ素熱可塑性重合体(ii)に分散した組成物からなり、
    前記添加剤(α)は、メラミンを含有し、
    前記添加剤(α)は、さらに、イソシアヌル酸、シアヌル酸およびポリリン酸から選ばれる少なくとも1種を含有し、
    前記組成物における前記添加剤(α)の含有量は、前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)の100質量部に対して0.01〜10質量部であることを特徴とするフッ素樹脂積層体。
    〔5%質量減少温度〕
    示差熱熱重量同時測定装置を用いて、空気雰囲気中、昇温速度10℃/分で昇温した際に、質量減少率が5質量%となる時の温度。
  2. 前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載のフッ素樹脂積層体。
  3. 前記非フッ素熱可塑性重合体(ii)は、アミド基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ウレタン基、カルボニル基および酸無水物残基からなる群より選ばれる官能基の少なくとも1種を有する、請求項1または2に記載のフッ素樹脂積層体。
  4. 前記含フッ素重合体(i)は、フッ素原子数が3または4のペルハロフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンに基づく単位とを有し、かつ、カルボニル基含有基を有する共重合体である、請求項1〜のいずれか一項に記載のフッ素樹脂積層体。
  5. 前記含フッ素重合体(i)は、カルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位およびカルボニル基含有基を有する主鎖末端基の少なくとも一方を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のフッ素樹脂積層体。
  6. 前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレンに基づく単位(A)と、エチレンに基づく単位(B)と、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C1)、および2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマーに基づく単位(C2)の少なくとも一方からなる単位(C)とを含有し、前記単位(A)と前記単位(B)と前記単位(C)との合計モル量に対して、前記単位(A)が25〜79.99モル%、前記単位(B)が20〜74.99モル%、前記単位(C)が0.01〜5モル%であり、
    融点が100〜220℃である、請求項に記載のフッ素樹脂積層体。
  7. 前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレン、エチレン、酸無水物残基を有
    する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外の、
    その他のモノマーに基づく単位(D)をさらに含有し、
    前記単位(D)に対する前記単位(A)のモル比が、70/30〜99.9/0.1で
    ある、請求項に記載のフッ素樹脂積層体。
  8. 前記含フッ素重合体(i)は、テトラフルオロエチレン、エチレン、酸無水物残基を有する非フッ素モノマーおよび2つ以上のカルボキシ基を有する非フッ素モノマー以外の、その他のモノマーに基づく単位(D)をさらに含有し、
    前記単位(A)と前記単位(B)との合計に対する前記単位(D)のモル比が、1/99〜20/80である、請求項またはに記載のフッ素樹脂積層体。
  9. 前記単位(D)は、前記その他のモノマーであるヘキサフルオロプロピレンに基づく単位(D1)を含む、請求項またはに記載のフッ素樹脂積層体。
  10. 前記単位(D)は、前記その他のモノマーであるCH=CH(CFQ1F(ただし、Q1は2〜10の整数。)に基づく単位(D2)をさらに含む、請求項に記載のフッ素樹脂積層体。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のフッ素樹脂積層体から得られる多層チューブまたは多層シート。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のフッ素樹脂積層体の製造方法であって、
    前記含フッ素重合体(i)の融点以上400℃未満の温度範囲で、少なくとも前記層(I)と前記層(II)とを1秒間以上60分間未満の範囲で熱融着させる熱積層工程を有する、フッ素樹脂積層体の製造方法。
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