JP6466115B2 - セメント系ポリウレタン発泡複合体及びその製造方法 - Google Patents

セメント系ポリウレタン発泡複合体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、セメント系ポリウレタン発泡複合体に関する。更に詳しくは、構造材料としての圧縮強度に優れ、短い脱型時間で成型発泡体が得られ、且つコスト優位性のある素材としてのセメント系ポリウレタン発泡複合体、その製造方法及びその用途に関する。
セメント、モルタル及びコンクリート(以後、「セメント系無機材料」と云うことあり)は建築、土木分野における基礎的構造材料として比較的安価で且つ汎用性のある素材である。一方、セメント系無機材料の軽量化と強度発現の観点から、発泡ポリウレタンとの複合材料が幾つか提案されてきた。発泡ポリウレタンは軽量で且つ高圧縮強度を示すからである。他方、発泡ポリウレタンの側から見れば、その高価格故に、セメント系無機材料への混合割合は軽量化とコストアップとのバランスを勘案し、用途に応じた適切な値が選択されるべきである。
特許文献1では、セメント100重量部、ポリイソシアネート6重量部、ポリオール0.6重量部、砂120重量部、砂利180重量部、水60重量部からなる原料組成物を成型機に入れて凝結させ、72時間後に脱型し、更に28日間養生して、圧縮強度160〜300kg/cm(16〜30MPa)の複合コンクリート材料を得ている。しかしながら、高強度を求めて大量の砂利を含むコンクリートであることもあって、成型物全体に占めるポリウレタン部分は僅か1.4重量%に過ぎず、軽量化には程遠い組成物である。
特許文献2では、ポルトランドセメント250重量部、水290重量部、及びウレタン原料組成物(ジフェニルメタンジイソシアネートとポリプロピレングリコールとの等モル混合物)100重量部とを混合して型枠内に充填し、その後、混合物を養生させて完全に硬化させて10kgf/cm(1MPa)以上の圧縮強度を有するセメント系ポリウレタン複合材を得ている(同文献、実施例3)。ここで、その文献の段落0024の記載によれば、「しかして、上記セメントスラリーとウレタン原料組成物を所定量混合して得られる混合物を型枠内に充填すれば、セメントスラリーの水分によって、ウレタン原料組成物が発泡硬化するとともに、水硬性セメントも水和により硬化し、ウレタン原料組成物と水硬性セメントとを一体に硬化させることができる。この時、ウレタン原料組成物の硬化は、通常10〜30分程で完了して、発泡ポリウレタンが得られる。一方、水硬性セメントの硬化はほぼ同時に開始されるものの、その硬化が完了するまでの養生期間は、通常20〜40日程度である。」とある様に、所望の圧縮強度を得るためには、長期間の養生が必須であり、短期施工での強度を要求される場面で使用する構造材料としては不適である。
特許文献3及び4では、ウレタン系硬化剤主剤(ポリイソシアナート基プレポリマー)300g、ウレタン系硬化剤助剤(ポリオール及び触媒)15g、高炉セメントB種(シリカ系の高炉スラグ30〜60%以下に、ポルトランドセメント及び石膏を加えて混合粉砕した混合セメント)600g及び水240〜360gを含む配合物を混合してスラリーとし、次いでこれを硬化させて発泡性固体を形成している。硬化開始時間は1〜3分であり、硬化時の発熱により76〜78℃に達し、1日養生後の圧縮強度は69.4〜29.0kgf/cm(6.9〜2.9MPa)と高強度を実現している(文献3及び4の実施例1、No.11〜13)。この高強度はウレタン系硬化剤の含有率が高いことに由来すると考えられる(文献3及び4の実施例No.1は、セメントの混合なしの対照値として71.4kgf/cm(7.1MPa)の高強度を示している。)。この組成でのウレタン/高炉セメントB種の構成比は315/600、即ち、約34/66と高ウレタン組成であり、経済性を考慮すると不満足な組成である。加えて、この高強度は養生1日後の値であって、連続的生産ラインを考慮した場合にはタイムサイクル的に不十分と言わざるを得ない。
一方、Letizia Verdolottiらは(非特許文献1)、セメントパウダーとポリオール、触媒、シリコーン界面活性剤、架橋剤と発泡剤としての水を常温で混合し、2分撹拌後にイソシアネート(ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI))を加えてウレタンとセメントの比率は2/3の一定として、ポリウレタン・セメント発泡体組成物(ポリマーセメント)を得た。その組成物を40秒撹拌して、50×50×5cmの木型に充填して常温で20分間、固化した。成型品を水中で、60℃で72時間水和した。水和操作したポリマーセメント(「HIRP−C」)と水和していないポリマーセメント(「P−C」)の圧縮強度は、それぞれ4.31MPa及び3.4Mpaと高強度を示した。しかしながら、固化時間(脱型時間に相当)が20分と長く、生産ラインの効率化の点で更なる改良が求められる。
上記の様に、セメント系無機材料の軽量化と強度発現の観点から発泡ポリウレタンプレポリマーとの複合材料が種々提案されてきたが、所望の低密度と強度とを持った複合材料を短い脱型時間で得ることは未だ達成されていない。
特公昭50−6213号公報 特開2002−38619号公報 特開平06−80483号公報 特開平06−80966号公報
Letizia Verdolotti et al."J.Mater.Sci.(2012)47:6948-6957"
本発明は、上記先行技術の抱える諸問題を解決することを課題とする。即ち、本発明は、セメント系ポリウレタン発泡複合体に於いて、低密度と高い圧縮強度とを短い脱型時間の間に達成し、その結果、多方面への応用展開が可能な複合材料を得、併せてコスト優位性をも達成せんとするものである。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、短い脱型時間で所望の密度と強度を持ったセメント系ポリウレタン発泡複合体を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためになされた本発明は、セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、及びポリオール等を含む混合物を発泡させて得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体であって、所定のポリオール成分を含有することを特徴とする発泡複合体及びその製造方法並びに、その用途を提供するものである。具体的には、本発明は、以下に示される。
<1>本発明は、セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を発泡させて得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体において、
該ポリオールが、水酸基価を5〜300mgKOH/gとし、且つ官能基数を2〜6とするポリエーテルポリオールを含有する、セメント系ポリウレタン発泡複合体である。
<2>本発明は、前記ポリオールが、水溶解性試験において溶解しない及び/又は11以下のデイビス法HLB値を有するポリエーテルポリオールである、<1>に記載の発泡複合体である。
<3>本発明は、前記発泡複合体のセメント系無機充填剤とポリウレタン樹脂との比率が、50:50〜90:10であり、発泡複合体密度が400〜800Kg/mである、<1>又は<2>に記載の発泡複合体である。
<4>本発明は、前記混合物を型に注入し、脱型するまでの時間が型温30〜40℃で5分以内である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の発泡複合体である。
<5>本発明は、前記ポリイソシアネートが、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDIと称することあり)又はその変性体である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の発泡複合体である。
<6>本発明は、セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を混合撹拌して発泡させて、セメント系ポリウレタン発泡複合体を製造する方法であって、
該ポリオールが、水酸基価を5〜300mgKOH/gとし、且つ官能基数を2〜6とするポリエーテルポリオールを含有する、発泡複合体の製造方法である。
<7>本発明は、前記ポリオールが、水溶解性試験において溶解しない及び/又は11以下のデイビス法HLB値を有するポリエーテルポリオールである、<6>に記載の発泡複合体の製造方法である。
<8>本発明は、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の発泡複合体を含んでなる構造材料である。
<9>本発明は、脱型時高強度(圧縮強度が1.0〜1.8MPa)、軽量性(比重が400〜800kg/m)、及び断熱性又は保温性(熱伝導率が0.07〜0.10W/mK)を有する、<8>に記載の構造材料である。
<10>本発明は、断熱材もしくは保温材として用いられる<8>又は<9>に記載の構造材料である。
本発明により、短い脱型時間で、高い脱型時強度、軽量性、及び断熱性若しくは保温性を有するセメント系ポリウレタン発泡複合体を開発することができた。その結果、建築、土木分野における基礎的構造材料として比較的安価で且つ汎用性のある素材であるセメント系無機材料の軽量化と強度向上を達成することができた。一方、軽量で且つ高圧縮強度を示す発泡ポリウレタンの側から見れば、そのコスト低下を達成することができた。こうして得られたセメント系ポリウレタン発泡複合体は、多彩な性能とコストのバランスが取れた発泡複合材料として、断熱材もしくは保温材等の多面的利用が考えられる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体は、セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、本発明所定のポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を発泡させて製造することができる。
前記混合物中の各成分の混合順序に特段の制限はないが、ポリイソシアネートがポリオールと接触するとウレタン形成反応(ウレタン化反応、尿素化反応、ビウレット結合性反応などを含む)が開始することから、通常、両者の接触が混合の最終過程で行なわれる様な混合順序とすることが好ましい。所謂、「二液反応型組成物」である。
即ち、発泡複合体の成形用型枠(「モールド」と称することあり)中でセメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を混合・撹拌してスラリーを形成し、該スラリー中にポリイソシアネート(及び/又は、それらのプレポリマー型変性体)を添加・混合して、該ポリイソシアネートと前記スラリー中の水との反応で生成する炭酸ガスによって発泡させつつ、ポリイソシアネートとポリオールとを重合させ、該重合により形成されるポリウレタン中に前記スラリー中のセメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤粉末を分散した発泡複合体を形成する。
以下、前記混合物の構成成分について説明する。
本発明で用いるセメント系無機充填剤は、セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成る。セメントは、特に限定されるものではないが、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色セメント等の最も一般的に用いられるポルトランドセメントの他、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、アルミナセメント、超速硬セメント、コロイドセメント、油井セメント等の特殊セメント、水硬性石灰、ローマンセメント、天然セメントなどが挙げられる。この中でも、例えば、ポルトランドセメント類が好ましい。
本発明で用いる骨材としての砂は、特に限定されるものではないが、通常細骨材として分類される10mmふるいをすべて通過し、粒径6mm以下のものが重量で85%以上含まれる砂を指す。中でも、粒径0.3〜6mmのモルタル用砂が好ましい。上記セメントと砂に水を加えた混合物が所謂モルタルの主要構成成分である。本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体に於いては、セメントの水和反応の生起の有無に拘らず、本発明所定の良好な物性値を持った発泡複合体が得られる。
セメントと砂の量比、即ちモルタル成分中の両者の重量比率は、用いる用途に応じて変化し得るが、通常モルタル製品で用いられる範囲にあってよく、例えばセメント:砂=1:1.5〜1:5の範囲、好ましくは、1:2〜1:4、例えば、1:3重量比であってよい。
上記の他、通常モルタル成分に添加される混和材(フライアッシュ、スラグ粉末、シリカヒュームなどの粉末)を用途に応じて適宜添加することができる。
本発明で用いる骨材としての砂利は、特に限定されるものではないが、通常粗骨材として分類される粒径5mm以上のものが重量で85%以上含まれる砂利が好ましい。セメントと砂と砂利に水を加えた混合物が所謂コンクリートの主要構成成分である。本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体に於いては、セメントの水和反応の生起の有無に拘らず、本発明所定の良好な発泡複合体が得られる。
セメントと砂と砂利との量比、即ちコンクリート成分中のこれら3成分の重量比率は、用いる用途に応じて変化し得るが、通常コンクリート製品で用いられる範囲にあってよく、例えばセメント:砂:砂利=1:0.5〜3:0.5〜4の範囲、好ましくは、1:1〜2:1.5〜3.5、例えば、1:2:3重量比であってよい。
上記の他、通常コンクリート成分に添加される混和材(フライアッシュ、スラグ粉末、シリカヒュームなどの粉末)を用途に応じて適宜添加することができる。
本発明で用いるポリイソシアネートは、特に限定されるものではないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、又は脂肪族系のポリイソシアネート、それら2種類以上の混合物、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートがある。具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:ポリメリックMDI又はクルードMDIとも称する)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、等のポリイソシアネート及びそれらの変性体、たとえばイソシアヌレート変性体、ウレタン変性体、ウレア変性体、アダクト変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。それらの中でも、ポリメリックMDIや、MDI及び/又はポリメリックMDIをウレタン化反応することにより得られるウレタン変性MDI及び/又はウレタン変性ポリメリックMDIが特に好ましい。
本発明で用いるポリオールは、イソシアネートと反応してポリウレタンを形成すると同時に、ポリオールの官能性に応じて架橋剤としても作用し、得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体の強度に影響を及ぼす。
本発明で用いるポリオールとしては、本発明所定の要件を満たすポリオールであるならば、その種類は特に制限はない。本発明所定の要件とは、即ち、該ポリオールが、水酸基価を5〜300mgKOH/gとし、且つ官能基数を2〜6とするポリエーテルポリオールである。更に好ましくは、該ポリエーテルポリオールが、水溶解性試験において溶解しない及び/又はデイビス法でのHLB値が11以下である、と云う要件を満たすことである。
ここで云う水溶解性試験とは、水/ポリオール=6/1重量比の条件下にポリオールと水とを試験管中にて混合撹拌し、1日放置後の状態を目視で確認する試験方法である。目視の結果、「白濁ないし層分離」している場合を「溶解しない」と評価する。一方、水溶解試験において溶解するとは、1日放置後の状態が「透明ないしやや白濁」する場合を「溶解する」と評価する。
ここで云うデイビス法HLB値とは、官能基の種類によって決まる基数を定め(例えば親油基のメチル基やメチレン鎖の基数は、共に−0.475であり、親水基のエチレンオキシ基や水酸基の基数は、それぞれ0.33及び1.9である(表1参照))、式1で算出する値である(Xiaowen Guo, Zongming Rong, Xugen Ying, “Calculation of hydrophile-lipophile balance for polyethoxylated surfactants by group contribution method” Journal of Colloid and Interface Science 298 (2006) 441-450を参照せよ)。
Figure 0006466115
HLB値=7+親水基の基数の総和−親油基の基数の総和 (式1)。
デイビス法HLB値は、相対的な親水性−親油性の程度を示し、値が大きいほど親水性程度が強く、値が小さいほど親油性程度が強いことを示す。本発明ではHLB値が11以下、好ましくは0〜11、さらに好ましくは5〜11、例えば7〜11であってよい。
上記基準に合致するポリオールが、短い脱型時間で高い圧縮強度を与えることが本発明の大きな特徴の一つである。この本発明の特徴は、その由来する理由によって左右されるものではないが、本発明者らはその理由を以下の様に考察する。即ち、ポリオールの水溶解性が高いと、多量に存在する水にポリオールが溶解してしまい、ポリオールとイソシアネートの反応が阻害されるために、短時間での成型性(脱型性)に不具合が発生することになる。一方、ポリオールの水溶解性が低ければ、ポリオールとイソシアネートの反応がスムースに進み、短時間での成型性(脱型性)が良好となると考えられる。またポリオールが存在しない条件では、やはり成型性(脱型性)が不良である(後述の比較例5)ことから、この反応にポリオールが有効に関与することが重要であると理解できる。
前記基準を充足するポリエーテルポリオールとしては、例えば、グリセリンを出発物質とし、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、官能基数3、水酸基価約28mgKOH/gのポリエーテルポリオール(例えば、住化バイエルウレタン(株)社の「SBU ポリオール 0248」。デイビス法HLB値=10)、プロピレングリコールを出発物質とし、それにアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、官能基数2、水酸基価約110mgKOH/gのポリエーテルポリオール(例えば、住化バイエルウレタン(株)社の「スミフェン1600U」。デイビス法HLB値=9.5)、及び官能基数約2.7、水酸基価約160mgKOH/gのポリエステル系ポリオールであるひまし油(デイビス法HLB値=7.6)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記基準のいずれかを充足しないポリオールを用いた場合には、本発明所定の性能を有するセメント系ポリウレタン発泡複合体を得ることができない。即ち、本発明所定の短時間脱型時にベタツキが残り、硬度が不十分となり、十分な圧縮強度が得られない。
本発明におけるセメント系無機充填剤(セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成る)とポリウレタン樹脂(即ち、ポリイソシアネート+ポリオール)との重量比は、得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体の特性を左右する最も基本的な組成比の一つである。セメント系無機充填剤成分が多すぎると軽量化や強度と云った機能面で不満足な結果になり、一方、ポリウレタン成分が多すぎるとコスト面で不満足となり得る。それらを勘案しつつ所望の混合比を選択することができるが、通常、セメント系無機充填剤:ポリウレタン(重量比)の比率が、40:60〜95:5、好ましくは50:50〜90:10、特に好ましくは55:45〜85:15、例えば、80:20又は、60:40であってよい。
本発明で用いる整泡剤は良好な気泡を形成するための助剤である。気泡は連通孔となって、得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体の縮小を防ぎ、軽量化と強度発現に寄与する。整泡剤としては、特に限定されるものではないが、例えばシリコーン系整泡剤(例として、東レ・ダウコーニング社のSH−193、L−5420A、SZ1325、SF2937F、モメンティブ社のL−580、エボニックデグサ社のB8462)や含フッ素化合物系整泡剤等が挙げられる。整泡剤の量はポリエーテルポリオール100重量部に対して20重量部まで、特に1〜10重量部、例えば0.5重量部であってよい。
本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体の密度は、ポリウレタンとセメント系無機充填剤(セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成る)の比率及び発泡率に依存する。本発明の発泡複合体の密度は、通常、300〜900Kg/m、好ましくは400〜800Kg/m、例えば400〜700Kg/mの範囲で軽量化を達成する。
本発明で用いる触媒は、ポリイソシアネートとポリオールとのウレタン形成反応を促進するものである。触媒としては、ウレタン形成反応を促進するものであれば特に限定されるものではないが、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エ−テル、イミダゾール化合物、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7とその有機酸塩、及びN,N,N−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等が挙げられる。これらの内、例えば、エアプロダクツ社のPolycat8等の三級アミンが触媒として好ましい。
触媒の量はイソシアネート基1当量に対して0.01〜5%当量、好ましくは0.1〜1%当量、例えば0.5%当量であってよい。
本発明で用いる水は、原料を分散してスラリーを形成する媒体として用いられると同時に、一部はイソシアネート基と反応して炭酸ガスを発生させて発泡を形成するための必須成分である。
水の量は、水とセメント系無機充填剤を撹拌混合して分散し、スラリー状態とするために十分な量があれば特に制限されるものではない。水の量は、セメントの水和反応及び使用するポリイソシアネート基と反応して発泡するために必要な量を含むことが求められるが、通常は、良好なスラリー状態とするために必要な水の量は、前記反応に必要な水の量に較べれば大過剰である。
本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体を低密度化するためには、ポリイソシアネートが水と反応して発生する炭酸ガスを発泡源として利用する必要がある。一方、ポリオールなしのポリイソシアネートのみでは、比較例5に示すように成型性に不具合があった。その改良のため、本発明では種々のポリオールの添加効果を評価する中で、特定のポリオールが短い脱型時間で十分な圧縮強度を示すことを見出したものである。この検討過程で、まず、ポリオール:ポリイソシアネートの比率を1:9(重量比)とした。ポリオール比率を高くすることも考えられたがそうすると、ポリオールとポリイソシアネートとの反応が優先し、水とポリイソシアネートとの反応で発生する炭酸ガス量が減少するため好ましくない。そこで、本発明ではポリオール:ポリイソシアネートの比率=1:9(重量比)を標準として他成分の評価を行った。
次いで、ポリオール:ポリイソシアネートの比率を変化させて検討したところ、この比率が5:95〜70:30、好ましくは10:90〜60:40の間であれば、本発明所定の性能が発揮されることを確認した(実施例1〜3を参照のこと)。本発明で特定されたポリオール成分が、その配合量が全体のわずかであるにもかかわらず、成型性を大きく改善するという発見は大きな驚きであった。
次に、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、セメント系無機充填剤(セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成る)、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を混合撹拌して発泡させて、セメント系ポリウレタン発泡複合体を製造する方法であって、該ポリオールが、水酸基価5〜300(mgKOH/g)で且つ官能基数が2〜6のポリエーテルポリオールを含有することを特徴とする、発泡複合体の製造方法である。
更に好ましくは、本発明の製造方法は、前記ポリオールが、水溶解性試験において溶解しない及び/又は11以下のデイビス法HLB値を有するポリエーテルポリオールである発泡複合体の製造方法である。
まず、本発明で使用する各成分の混合方法について説明する。本発明で使用するセメント系無機充填剤(セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成る)、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水は、任意の順序で添加して撹拌・混合して、本発明で用いる混合物とすることができる。但し、触媒の存在下、ポリイソシアネートがポリオール及び/又は水と接触すると直ちに反応が開始することから、製造工程上好ましくは、ポリイソシアネートを最後に添加して混合物とするのがよい。又は、触媒を除く他の成分を混合撹拌後、最後に触媒を添加してもよい。
混合撹拌は、型枠中で直接行なってもよいが、型枠は通常直方体をしていることが多いことから、混合効率を勘案すれば円形のカップ(例えば、小規模実験にあってはポリカップ、大規模製造においてはポリマーライナー円形撹拌槽など)中に成分を添加してミキサー(例えば、小規模実験にあってはハンドミキサー、大規模製造においては電動撹拌装置など)で撹拌・混合した後に、直ちに型枠に移入することが好ましい。前記のとおり、ポリイソシアネート又は触媒の添加と共に直ちにウレタン化反応が開始することから、それらの添加以前に、他の成分を予め添加し十分に撹拌混合してスラリー化しておくことが好ましい。ポリイソシアネート又は触媒の添加撹拌開始後には直ちに反応がスタートすることから、円形カップ中での撹拌は短時間(例えば、数秒間)に止めて、直ちに型枠に移送する。この際、短時間の撹拌で十分な混合効率を得るために、高速回転での撹拌が好ましい。
なお、このカップ内の状態で表面状態を視観察及び指蝕観察して、硬化(重合及び架橋)反応の進捗状況の目安とすることができる。具体的には、スラリーがクリーム状となる時間(クリームタイム)、ゲル状となる時間(ゲルタイム)及びタックフリータイムである。本発明のクリームタイム、ゲルタイム及びタックフリータイムはそれぞれ、通常、数秒〜数十秒以内の短時間である。
次いで、カップ内での短時間(数秒間)の混合後、得られた混合物をモールド(型枠)に移送することで、本発明のセメント系ポリウレタン発泡複合体の形成が開始される。モールドの初期温度設定は常温程度(20℃〜35℃程度)でよい。発泡複合体の形成は、発泡と共にポリウレタン生成の重合熱発生を伴い、モールド内の温度が上昇する。モールドの形状、大きさにもよるが、モールド内の温度は通常30〜40℃程度に上昇する。発泡に伴いモールド内圧力も若干上昇するが、高々0.5MPa程度である。
モールド内に移送して所定時間経過後に脱型し、まず脱型直後の外観を観察する(目視)。表面が均一で平滑性があるものを合格(○印)、表面が不均一で平滑性がないものを不合格(×印)とする。次に硬化状態を指蝕観察する。評価は、ベタツキの有無でキュア(架橋)性の程度を判断する。ベタツキ無しを合格(○印)、ベタツキ有りを不合格(×印)と表記する。一方、爪痕残りの有無で強度発現の目安とする。爪痕残り無しを合格(○印)、爪痕残り有りを不合格(×印)と表記する。本発明では、5分経過後の脱型を標準と定めた。
ベタツキ及び爪痕残りの無し(○印)のサンプルについて、脱型後の物性を測定する。測定項目としては、比重、圧縮強度、モジュラス(引っ張り強度)、熱伝導率、不燃性、透水性、防音性等があり得るが、製品の用途に応じた物性が測定されるべきである。本発明では、基本的物性値として、比重及び圧縮強度を測定して、得られたセメント系ポリウレタン発泡複合体の特徴付けを行なった。
本発明に係るセメント系ポリウレタン発泡複合体は、短時間での脱型が可能であり、しかも脱型直後でも十分に高い硬度を発現することができることを特徴とする。即ち、脱型時間は通常5分程度で可能になり、脱型直後の圧縮強度も1MPa以上の高い値を与える。従って、本発明に係るセメント系ポリウレタン発泡複合体は短時間での生産タイムサイクルを組むことができて、生産効率の高い工程で良好な硬化物性を持つ発泡複合体を得ることが可能となる。圧縮強度は、例えば5分後の脱型直後でほぼ一定値に達し(例えば、1MPa〜1.8MPa程度)、1日〜1週間後でも同程度の圧縮強度である。即ち、極めて短時間で、良好な初期物性値を安定的に得ることができる。
本発明の発泡複合体は、その特徴を生かして構造材料として用いることができる。具体的には、比較的高い圧縮強度(1.0〜1.8MPa)、軽量性(比重が400〜800kg/m)、及び断熱性又は保温性(熱伝導率が0.07〜0.10W/mK)を生かした構造材料である。例えば、補修材、断熱材もしくは保温材、等である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]<セメント・ポリウレタン発泡複合体の製造例>
容量1000mlのポリカップ中に、ポルトランドセメントを324g、ポリオールB(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェン1600U;官能基数2、水酸基価110mgKOH/g)を21.6g、水を259g、整泡剤(東レ・ダウコーニング社のシリコーンSH−193)を2.7g及び触媒(エアプロダクツ社のPolycat8(三級アミン))を2.7g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌して、均一なスラリーとした。次いで、イソシアネートB(ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート);イソシアネート基含有率約31.7%:住化バイエルウレタン(株)社製品 スミジュール44V20)を194g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌した後、得られたスラリーを直ちにモールド(型枠)(縦:210mm×横:210mm×高さ:25mm)に充填し密封した。モールド初期温度(初期型温)は30℃であった。5分後に、型温(「モールド温度」とも称する)は40℃に達していた。直ちに脱型して、得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。
5分で脱型した直後に得られた発泡複合体の圧縮強度をJIS K7220に準拠して測定した結果、1.2MPaの圧縮強度を得た。脱型後1日経過後の圧縮強度は1.4MPa、1週間経過後の圧縮強度は1.5MPaであった。1週間経過後の発泡複合体の熱伝導率をJIS A 1412−2に準拠して、熱伝導率測定装置(製品名:オートラムダHC−074(200)型、英弘精機社製)を用いて測定した結果、0.08W/mKであった。1週間経過後の発泡複合体の密度は584kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。反応性の指標は、以下の通りである。
・クリームタイム:スラリー混合後から混合物が発泡して上昇を始めるまでの時間(秒)
・ゲルタイム:スラリー混合後から混合物がゲル化し始めるまでの時間(秒)
・タックフリータイム:スラリー混合後、上昇してくる発泡体表面を指先で触れたとき、指先に付着しなくなるまでに要する時間(秒)。
観察の結果、スラリーのクリームタイムは13秒、ゲルタイムは43秒、そしてタックフリータイムは48秒であった。
[実施例2]
実施例1に於けるポリオールBの使用量21.6gを64.8gとし、イソシアネートBの使用量194gを151gとする以外は、実施例1に準じてモールド成形を行なった。5分後に脱型した直後の発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。脱型直後の発泡複合体の圧縮強度は1.4MPa、密度は530kg/mであった。
[実施例3]
実施例1に於けるポリオールBの使用量21.6gを108gとし、イソシアネートBの使用量194gを108gとする以外は、実施例1に準じてモールド成形を行なった。5分後に脱型した直後の発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。脱型直後の発泡複合体の圧縮強度は1.3MPa、密度は520kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。スラリーのクリームタイムは12秒、ゲルタイムは40秒、そしてタックフリータイムは45秒であった。
[実施例4]<モルタル・ポリウレタン発泡複合体の製造例>
容量1000mlのポリカップ中に、ポルトランドセメントを145g、モルタル用砂(平均粒径約1mm)を436g、ポリオールA(住化バイエルウレタン(株)社製、SBU ポリオール 0248;官能基数3、水酸基価28mgKOH/g)を14.5g、水を73g、整泡剤(東レ・ダウコーニング社のシリコーンSH−193)を1.2g及び触媒(エアプロダクツ社のPolycat8(三級アミン))を1.2g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌して、均一なスラリーとした。次いで、イソシアネートA(変性ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);イソシアネート基含有率約30.9%;SBU イソシアネート V405;住化バイエルウレタン(株)社製品)を131g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌した後、得られたスラリーを直ちにモールド(型枠)(縦:210mm×横:210mm×高さ:25mm)に充填し密封した。モールド初期温度(型温)は30℃であった。5分後に、モールド内温は40℃に達していた。直ちに脱型して、得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は444kg/mであった。
[実施例5]
実施例4に於いて配合する水の量73gを80gとし、ポリオールAに替えてポリオールB(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェン1600U;官能基数約2、水酸基価約110mgKOH/g)を14.5g用いる以外は、実施例4に準じて実験を行なった。5分後に、型枠内温は40℃に達していた。直ちに脱型して、得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は409kg/mであった。
[実施例6]
実施例4に於いて配合する水の量73gを87gとし、ポリオールAに替えてポリオールB(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェン1600U;官能基数約2、水酸基価約110mgKOH/g)を14.5g用いる以外は、実施例4に準じて実験を行なった。5分後に、型温は40℃に達していた。直ちに脱型して、得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。5分で脱型した直後に得られた発泡複合体の圧縮強度をJIS K7220に準拠して測定した結果、1MPaの圧縮強度を得た。脱型後1日経過後の圧縮強度は1.2MPa、脱型後1週間経過後の圧縮強度は1.2MPaであった。1週間経過後の発泡複合体の熱伝導率は0.09W/mK、密度は618kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。スラリーのクリームタイムは15秒、ゲルタイムは40秒、そしてタックフリータイムは47秒であった。
[実施例7]
実施例6に於けるポリオールBに替えてポリオールA(住化バイエルウレタン(株)社製品のSBUポリオール0248;官能基数約3、水酸基価約28mgKOH/g)を14.5g用いる以外は、実施例6に準じて実験を行なった。5分後に脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は511kg/mであった。
[実施例8]
実施例6に於けるポリオールBに替えてポリオールC(株)豊国製油社製の精製ひまし油;官能基数約2.7、水酸基価約160mgKOH/gのポリエステル系ポリオール)を14.5g用いる以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は468kg/mであった。
[実施例9]
実施例6に於けるイソシアネートAに替えてイソシアネートB(ポリメリックMDI(SBUイソシアネート44V20);イソシアネート基含有率約31.7%)を131g用いる以外は、実施例6に準じて実験を行なった。5分後に脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。脱型直後の圧縮強度は1.2MPa、脱型後1日経過後の圧縮強度は1.0MPa、脱型後1週間経過後の圧縮強度は1.2MPaであった。発泡複合体の密度は600kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。スラリーのクリームタイムは12秒、ゲルタイムは40秒、そしてタックフリータイムは46秒であった。
[実施例10]
容量1000mlのポリカップ中に、ポルトランドセメントを145g、砂(平均粒径1mm)を291g、ポリオールB(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェン1600U;官能基数2、水酸基価約110mgKOH/g)を29g、水を87g、整泡剤(東レ・ダウコーニング社のシリコーンSH−193)を1.2g及び触媒(エアプロダクツ社のPolycat8(三級アミン))を1.2g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌して、均一なスラリーとした。次いで、イソシアネートA(変性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);イソシアネート基含有率約30.9%)を262g添加し、ハンドミキサーにて4,000rpmで4秒間撹拌した後、得られたスラリーを直ちにモールド(縦:210mm×横:210mm×高さ:25mm)に充填し密封した。5分後に、モールド内温(型温)は40℃に達していた。直ちに脱型して、得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ無くキュア性評価は○、爪痕残り無く強度発現評価は○、との定性的評価を得た。5分で脱型直後の発泡複合体の圧縮強度は1.6MPa、1日後の圧縮強度は1.6MPa、1週間後の圧縮強度は1.7MPaであった。1週間後の発泡複合体の熱伝導率は0.08W/mKであった。発泡複合体の密度は600kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。スラリーのクリームタイムは12秒、ゲルタイムは51秒、そしてタックフリータイムは60秒であった。
以上の実験結果を表2−1及び2−2にまとめて示す。
Figure 0006466115
Figure 0006466115
<ポリオールの水溶解性試験>
水/ポリオール=6/1重量比の条件下にポリオールと水とを試験管中にて混合撹拌し、1日放置後の状態を目視で確認して、実施例1〜7で使用したポリオールA〜Cの水溶解性を試験した。目視評価において、1日放置後に「白濁ないし層分離」している場合を「溶解しない」と評価した。一方、1日放置後の状態が「透明ないしやや白濁」している場合を「溶解する」と評価した。得られた結果を表3に示す。
<ポリオールのHLB(デイビス法)>
前記Xiaowen Guo等の文献(Journal of Colloid and Interface Science 298 (2006) 441-450)に記載の方法により、実施例で使用したポリオールのデイビス法HLB値を求めた。例えばポリオールB(ポリオールBは、プロピレングリコールを出発物質として、プロピレンオキシドを開環付加し、分子量を1020とした、末端に水酸基を2個有する2官能性ポリオール)のHLB値は以下のように計算できる:
HLB=7+(−0.475x3)+1.3x2+16.3molx(−0.15)+1.9x2=9.5。得られた結果を表3に併せて示す。
Figure 0006466115
以上の結果から、本発明で使用するポリオールが、水酸基価が5〜300(mgKOH/g)の範囲にあり、且つ官能基数が2〜6の範囲にあるポリエーテルポリオールである場合に、得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体は5分という短い脱型時間で1MPa以上の高い圧縮強度を示すことが分かる。また、発泡複合体の密度が400〜800Kg/mの範囲にあって、十分な軽量化を達成していることも分かる。また、上記ポリオールA〜Cの水溶解性試験結果は、いずれも白濁ないし層分離しており、これらのポリオールは水に溶解しないと判定された(表3)。更に、上記ポリオールA〜Cのデイビス法HLB値は本発明所定の範囲(HLBが11以下)にあることも確認された。
[比較例1]
実施例6に於けるポリオールBをポリオールD(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェンTS;官能基数約5.6、水酸基価約380mgKOH/gのポリエーテルポリオール)14.5gとする以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ有りでキュア性評価は×、爪痕残り有りで強度発現評価は×、との定性的評価を得た。5分で脱型した直後に得られた発泡複合体の圧縮強度をJIS K7220に準拠して測定した結果、0.6MPaの圧縮強度を得た。脱型後1日経過後の圧縮強度は0.6MPa、脱型後1週間経過後の圧縮強度は0.6MPaであった。発泡複合体の密度は605kg/mであった。
[比較例2]
実施例6に於けるポリオールBをポリオールE(住化バイエルウレタン(株)社製品のSBUポリオール0497;官能基数約2、水酸基価約500mgKOH/gのポリエーテルポリオール)14.5gとする以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ有りでキュア性評価は×、爪痕残り有りで強度発現評価は×、との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は620kg/mであった。
[比較例3]
実施例6に於けるポリオールBをポリオールF(住化バイエルウレタン(株)社製品のSBUポリオール0480;官能基数3、水酸基価約550mgKOH/gのポリエーテルポリオール)14.5gとする以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ有りでキュア性評価は×、爪痕残り有りで強度発現評価は×、との定性的評価を得た。発泡複合体の密度は579kg/mであった。
[比較例4]
実施例6に於けるポリオールBをポリオールG(住化バイエルウレタン(株)社製品のスミフェンVB;官能基数4、水酸基価約630mgKOH/gのポリエーテルポリオール)14.5gとする以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ有りでキュア性評価は×、爪痕残り有りで強度発現評価は×、との定性的評価を得た。5分で脱型した直後に得られた発泡複合体の圧縮強度をJIS K7220に準拠して測定した結果、0.6MPaの圧縮強度を得た。脱型後1日経過後の圧縮強度は0.6MPa、脱型後1週間経過後の圧縮強度は0.6MPaであった。発泡複合体の密度は422kg/mであった。
なお、この比較例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)。スラリーのクリームタイムは9秒、ゲルタイムは30秒、そしてタックフリータイムは36秒であった。
[比較例5]
実施例6に於けるポリオールBを0gとし、イソシアネートAを145gとする以外は、実施例6に準じて実験を行なった。脱型して得られた発泡複合体の硬化状態を指蝕評価した結果、ベタツキ有りでキュア性評価は×、爪痕残り有りで強度発現評価は×、との定性的評価を得た。5分で脱型した直後に得られた発泡複合体の圧縮強度をJIS K7220に準拠して測定した結果、0.7MPaの圧縮強度を得た。脱型後1日経過後の圧縮強度は0.7MPa、脱型後1週間経過後の圧縮強度は0.7MPaであった。発泡複合体の密度は605kg/mであった。
なお、この実施例に於いて、別途、ポリカップにおける同一のスラリー混合物をモールドに移送せずに、そのままポリカップ中にてその反応性を観察した(30℃)スラリーのクリームタイムは18秒、ゲルタイムは45秒、そしてタックフリータイムは50秒であった。
以上の比較例の結果を表4にまとめて示す。
Figure 0006466115
<ポリオールの水溶解性試験(比較例)>
比較例で用いた各ポリオールD〜Gについて、水/ポリオール=6/1重量比の条件下にポリオールと水とを試験管中にて混合撹拌し、1日放置後の状態を目視で確認して、比較例1〜5で使用したポリオールD〜Gの水溶解性を試験した。目視評価において、1日放置後に「白濁ないし層分離」している場合を「溶解しない」と評価した。一方、1日放置後の状態が「透明ないしやや白濁」している場合を「溶解する」と評価した。得られた結果を表5に示す。
<ポリオールのHLB(デイビス法)>
前記Xiaowen Guo等の文献(Journal of Colloid and Interface Science 298 (2006) 441-450)に記載の方法により、比較例で使用したポリオールのデイビス法HLB値を求めた。得られた結果を併せて表5に示す。
Figure 0006466115
以上の比較例から明らかなことは、ポリオール原料の官能基数が本発明要件の2〜6の範囲にあったとしても、その水酸基価が5〜300mgKOH/gの範囲を外れた場合、及び/又は水溶性が高い(又はデイビスHLB値が所定値より高い)と、5分脱型時のキュア性(架橋度合い)及び強度の発現が不十分となり、本発明所定の性能が得られないことが判る。
本発明に係るセメント系ポリウレタン発泡複合体は、所望の低密度と強度とを持った複合材料を短い脱型時間で得ることを可能にし、以って、工業的に有利な短いタイムサイクルで、高い圧縮強度(1.0〜1.8MPa)と軽量性(比重が400〜800kg/m)等の特性を生かした新しい構造材料としての展開を可能にした。

Claims (10)

  1. セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を発泡させて得られるセメント系ポリウレタン発泡複合体において、
    該ポリオールが、水酸基価を5〜300mgKOH/gとし官能基数を2〜6と且つ11以下のデイビス法HLB値を有するポリエーテルポリオールを含有する、セメント系ポリウレタン発泡複合体。
  2. 前記ポリオールが、水溶解性試験において溶解しない請求項1に記載の発泡複合体。
  3. 前記発泡複合体のセメント系無機充填剤とポリウレタン樹脂との比率が、50:50〜90:10であり、発泡複合体密度が400〜800Kg/mである、請求項1又は2に記載の発泡複合体。
  4. 前記混合物を型に注入し、脱型するまでの時間が型温30〜40℃で5分以内である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡複合体。
  5. 前記ポリイソシアネートが、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート又はその変性体である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡複合体。
  6. セメント、セメントと砂、又はセメントと砂と砂利、のいずれかから成るセメント系無機充填剤、ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤、触媒及び水を含んでなる混合物を混合撹拌して発泡させて、セメント系ポリウレタン発泡複合体を製造する方法であって、該ポリオールが、水酸基価を5〜300mgKOH/gとし、且つ官能基数を2〜6とするポリエーテルポリオールを含有する、発泡複合体の製造方法。
  7. 前記ポリオールが、水溶解性試験において溶解しない及び/又は11以下のデイビス法HLB値を有するポリエーテルポリオールである、請求項6に記載の発泡複合体の製造方法。
  8. 請求項1〜5に記載の発泡複合体を含んでなる構造材料。
  9. 脱型時高強度(圧縮強度が1.0〜1.8MPa)、軽量性(比重が400〜800kg/m)、及び断熱性又は保温性(熱伝導率が0.07〜0.10W/mK)を有する、請求項8に記載の構造材料。
  10. 前記構造材料が、断熱材もしくは保温材として用いられる、請求項8又は9に記載の構造材料。
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