JP6465339B2 - 感光性接着剤組成物及び、それを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性接着剤組成物及び、それを用いた半導体装置の製造方法に関する。より詳しくは、半導体チップを積層する際の接着パターン等を形成するために用いられる感光性接着剤組成物及び、それを用いた半導体装置の製造方法に関する。
複数の半導体チップが積層された多層構造を有する半導体装置が実用化されている。
近年、半導体装置の厚みを薄型化する要求がますます強くなっているが、半導体チップ自体の厚みを薄くすることは限界に近づきつつある。
そこで、半導体装置の製造において、半導体チップを積層するために用いられるダイアタッチフィルム分の厚みを減らす目的で、半導体チップの表面に形成されるバッファーコート層へ接着機能を持たせて、ダイアタッチフィルムレスとする製造方法が提案されている。(特許文献1参照)。
特開2012−162676号公報
上記製造方法に用いる感光性接着剤組成物には、優れた感光特性、圧着性及び信頼性が要求される。特に、熱圧着時に架橋が進行すると膜の弾性率が上昇し、熱圧着性が低下するため、形成する接着パターンが熱圧着時までは架橋反応が進行し過ぎず、ある程度の柔軟性を有し、熱圧着後に硬化する必要がある。従って、感光性接着剤組成物はパターン開口後(現像後)の未硬化の状態でドライエッチングに対する耐性を有することが求められる。
また、感光性接着剤組成物の硬化温度は、半導体チップの熱による特性低下を避けるために170〜180℃に設定される場合があるが、このように硬化温度が低い場合に対応するために、感光性接着剤組成物の感度を高めると、保管時に架橋反応が進行してワニスの粘度が上昇し、塗布時の膜厚が増大するという課題があった。
上記課題を解決するため本発明者らは、バッファーコート層として用いられる感光性樹脂組成物と同等の感光特性(感度及び解像度)を有し、ドライエッチング耐性、熱圧着性及び吸湿後リフロー耐性を兼ね備える感光性接着剤組成物に関して鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の具体的態様を提供する。
<1>(A)成分:フェノール樹脂と、(B)成分:光により酸を生成する化合物と、(C)成分:熱架橋剤と、(D)成分:下記一般式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位のみからなるアクリル樹脂と、を含有する感光性接着剤組成物。
Figure 0006465339
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[一般式(1)、(2)、及び(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
>上記(B)成分がo−キノンジアジド化合物を含む<1>に記載の感光性接着剤組成物。
>上記(C)成分が(A)成分と架橋する基を3つ以上有する熱架橋剤を含む<1>又は<2>に記載の感光性接着剤組成物。
><1>〜<>のいずれかに記載の感光性接着剤組成物を半導体ウエハの回路面に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、上記感光性接着剤組成物膜の所定部分へ露光を行う工程と、上記露光後の上記感光性接着剤組成物膜を現像して上記所定部分を除去することによって接着パターンを形成する工程と、上記接着パターンを形成した半導体ウエハを加熱して残存溶媒を除去する工程と、エッチングにより上記感光性接着剤組成物膜の上記所定部分の絶縁膜を除去した後、アッシング処理を行う工程と、上記半導体ウエハを薄化し、半導体チップに個片化する工程と、個片化した半導体チップを上記感光性接着剤組成物膜の未露光部分の上に熱圧着して積層する工程と、上記接着パターンの加熱硬化を行う工程と、を備える半導体装置の製造方法。
本発明によれば、バッファーコート層として用いられる感光性樹脂組成物と同等の感光特性(感度及び解像度)を有し、ドライエッチング耐性、熱圧着性及び吸湿後リフロー耐性を兼ね備える感光性接着剤組成物、並びに、それを用いて得られる半導体装置の製造方法、感光性接着剤組成物層を有する半導体装置を提供することができる。また、本発明のバッファーコート機能を有する感光性接着剤組成物は低温での硬化が可能であるため、半導体装置への熱によるダメージを防止することができ、薄型で信頼性の高い半導体装置を歩留りよく提供することができる。
半導体装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[バッファーコート機能を有する感光性接着剤組成物]
本実施形態に係るバッファーコート機能を有する感光性接着剤組成物は、(A)フェノール樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)下記一般式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位を含むアクリル樹脂であって、該アクリル樹脂中に、アミノ基を有する構造単位を0〜3mol%含むアクリル樹脂とを含有する。
Figure 0006465339
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[一般式(1)、(2)、及び(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
<(A)成分:フェノール樹脂>
フェノール樹脂は、フェノール又はその誘導体とアルデヒド類との重縮合生成物である。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシリレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂及びフェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂等が挙げられる。これらの中でも、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール、メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール、ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール、クロロフェノール等のハロゲン化フェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール、α−又はβ−ナフトール等のナフトール誘導体;p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール;ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物;ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール誘導体;p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール等のカルボキシル基含有フェノール誘導体などが挙げられる。また、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等の上記フェノール誘導体のメチロール化物をフェノール誘導体として用いてもよい。
さらにフェノール樹脂は、上述のフェノール又はフェノール誘導体をm−キシレンのようなフェノール以外の化合物とともにアルデヒド類と縮重合して得られる生成物であってもよい。この場合、縮重合に用いられるフェノール誘導体に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。
フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル等が挙げられる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体;アセトン、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等のケトン類を反応に用いてもよい。
(A)成分の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、500〜150,000であることが好ましく、500〜100,000であることがより好ましく、1000〜50,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
本発明における(A)成分は、不飽和炭化水素基を有さないフェノール樹脂(A1)と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を含むことが好ましい。(A2)成分は、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって変性されていてもよい。(A2)成分を含有することで硬化膜の密着性及び耐熱衝撃性が向上する。
(A2)成分は、一般に、フェノール又はその誘導体と不飽和炭化水素基を有する化合物(好ましくは炭素数が4〜100のもの)(以下場合により単に「不飽和炭化水素基含有化合物」という。)との反応生成物(以下「不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体」という。)と、アルデヒド類との縮重合生成物、又はフェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応生成物である。(A2)成分を得るために用いられるフェノール誘導体としては、フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体及びアルデヒド類と同様のものを用いることができる。
不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基は、パターン硬化膜の密着性及び耐熱衝撃性の観点から、2つ以上の不飽和結合を含むことが好ましく、感光性接着剤組成物の保存安定性の観点から、不飽和結合数は30以下であることが好ましい。また、感光性接着剤組成物とした時の相溶性及び硬化膜の可とう性の観点からは、不飽和炭化水素基含有化合物は炭素数8〜80のものが好ましく、炭素数10〜60のものがより好ましい。
不飽和炭化水素基含有化合物としては、炭素数4〜100の不飽和炭化水素、カルボキシル基を有するポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、リノリルアルコール、オレイルアルコール、不飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸エステルである。好適な不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。これらの中でも(A)成分との相溶性及び機械特性の観点から、不飽和脂肪酸エステルが好ましく、不飽和脂肪酸エステルである植物油がより好ましい。
植物油は、一般にグリセリンと不飽和脂肪酸とのエステルであり、ヨウ素価が100以下の不乾性油、100を超えて130未満の半乾性油又は130以上の乾性油である。
不乾性油としては、オリーブ油、あさがお種子油、カシュウ実油、さざんか油、つばき油、ひまし油、落花生油等が挙げられる。
半乾性油としては、コーン油、綿実油、ごま油等が挙げられる。
乾性油としては、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油、ひまわり油、荏の油、芥子油等が挙げられる。また、これらの植物油を加工して得られる加工植物油を用いてもよい。
これらの植物油の中では、パターン硬化膜の密着性、機械特性及び耐熱衝撃性が向上する観点から乾性油を用いることが好ましい。また、乾性油の中でも、本発明による効果をより有効かつ確実に発揮できることから、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油及びサフラワー油がより好ましく、桐油及び亜麻仁油がさらに好ましい。
(A2)成分を調製するにあたり、まず、上記フェノール誘導体と上記不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させ、不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を調製する。上記反応は、通常50〜130℃で行うことが好ましい。フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との配合割合は、パターン硬化膜の可とう性を向上させることができる点から、フェノール誘導体100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。上記反応は、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。
次いで、前記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体と、アルデヒド類とを反応させ、(A2)成分である不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を調製する。上記アルデヒド類と、上記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体との反応は、重縮合反応であり、従来公知のフェノール樹脂の合成条件を用いることができる。また、(A2)成分は、上述のフェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる化合物と、m−キシレンのようなフェノール以外の化合物とを組み合わせて、アルデヒド類と重縮合することにより得ることもできる。なお、(A2)成分の不飽和炭化水素基は、フェノール樹脂の有するフェノール性水酸基に対してオルト位又はパラ位に存在することが好ましく、パラ位に存在することがより好ましい。
また、(A2)成分は、上述のフェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得ることもできる。フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応は、通常50〜130℃で行うことが好ましい。また、フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との配合割合は、硬化膜の可とう性を向上させることができる点から、フェノール樹脂100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。このとき、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。なお、反応にはトルエン、キシレン、メタノール、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いることができる。
以上のような方法により生成する(A2)成分中に存在するフェノール性水酸基に、さらに多塩基酸無水物を反応させることにより酸変性したフェノール樹脂を(A2)成分として用いることもできる。多塩基酸無水物で酸変性することにより、カルボキシ基が導入され、(A2)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
多塩基酸無水物は、複数のカルボキシ基を有する多塩基酸のカルボキシ基が脱水縮合して形成された酸無水物基を有していれば、特に制限はない。多塩基酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物;
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族四塩基酸二無水物などが挙げられる。
これらの中でも、さらに良好な形状を有するパターン硬化膜を形成できるという観点から、多塩基酸無水物は二塩基酸無水物であることが好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、又はヘキサヒドロ無水フタル酸であることがより好ましい。
フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応は、50〜130℃で行うことができる。この反応において、多塩基酸無水物をフェノール性水酸基1モルに対して、0.1〜0.8モルを反応させることが好ましく、0.15〜0.6モル反応させることがより好ましく、0.2〜0.4モルを反応させることがさらに好ましい。多塩基酸無水物が0.1モル未満では、現像性が低下する傾向にあり、0.8モルを超えると、未露光部の耐アルカリ性が低下する傾向にある。
なお、上記反応には、反応を迅速に行う観点から、必要に応じて、触媒を含有させてもよい。触媒としては、トリエチルアミン等の3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。
多塩基酸無水物で変性したフェノール樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、40〜170mgKOH/gであることがより好ましく、50〜150mgKOH/gであることがさらに好ましい。酸価が30mgKOH/g未満であると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、アルカリ現像に長時間を要する傾向にあり、200mgKOH/gを超えると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、未露光部の耐現像液性が低下する傾向にある。
(A2)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮すると、重量平均分子量で1,000〜500,000が好ましく、2,000〜200,000がより好ましく、2,000〜100,000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)を混合して用いる場合、(A)成分中に、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂(A1)と、不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)の質量比が両者の合計量を100として前者:後者で5:95〜95:5で含まれることが好ましく、10:90〜90:10含まれることがより好ましく、15:85〜85:15含まれることがさらに好ましい。
<(B)成分:光により酸を生成する化合物>
本実施形態の感光性接着剤組成物は、(B)光により酸を生成する化合物を含有する。
(B)成分は、感光性接着剤組成物中で感光剤として用いられる。このような(B)成分は、光照射を受けて酸を生成し、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。
(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中でも、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物としては、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−6−スルホニルクロリド等が挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
これらの中でも吸収波長範囲と反応性の点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものや、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。また、反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物又はアミノ化合物との反応においては、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの配合割合は、0.95/1モル当量〜1/0.95モル当量の範囲であることが好ましい。
なお、上述の縮合反応の温度は0〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
感光性接着剤組成物における(B)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、形成される接着パターンのコントラストがより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。
<(C)成分):熱架橋剤>
本実施形態の感光性接着剤組成物は、熱架橋剤(C)を含有する。これにより、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。(C)熱架橋剤は、(A)成分と架橋する基を3つ以上含有する化合物が好ましく、それらの中でも、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物、又はエポキシ基を有する化合物がより好ましい。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、又はこれらを混合したものを挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。
具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素が好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール系エポキシ架橋剤、ポリアルキレン系エポキシ架橋剤等を挙げることができる。これらの中でも、吸湿リフロー後の吸湿率及び接着強度の観点から、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、又は脂肪族ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
(C)成分は、(A)成分と架橋する基を3つ以上含有する化合物以外の化合物をさらに加えてもよい。具体的には、熱圧着性の観点から、2官能の架橋剤と併用することが好ましく、ポリアルキレングリコール系エポキシ架橋剤を含むことがより好ましい。
ポリアルキレン系エポキシ架橋剤等の2官能の架橋剤は、熱圧着性をより向上させる観点から、(A)成分100質量部に対して5〜20質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。
また、バッファーコート機能を有する感光性接着剤組成物を用いる工程として、パターン形成を行った後に熱圧着工程を経る。この際に、反応温度の異なる少なくとも2種類の熱架橋剤を併用することが好ましい。より具体的には、80〜150℃の圧着温度よりも低温で反応が進行する熱架橋剤と、150〜230℃で反応が進行する2種類の熱架橋剤を併用することが好ましい。
上記の架橋剤を併用することにより、パターン形成後に一度半硬化を行い、圧着までの工程でのパターン変形を防ぎ、且つ圧着に十分な柔軟性を保持することができる。さらに圧着後に硬化を進めることで被着体との接着強度を強化することができる。
このような(C)成分の含有量は、アルカリ現像性、吸湿リフロー後の吸湿率及び接着強度の観点から、(A)成分100質量部に対して12〜50質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましく、20〜40質量部がさらに好ましい。
<(D):下記一般式(1)で表される構造単位を有するアクリル樹脂>
本実施形態の感光性接着剤組成物は、熱圧着性の観点から、微粒子等のように膜中に分散させるよりも、他の樹脂と十分に相溶することが好ましいため、(D)下記一般式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位を含むアクリル樹脂であって、該アクリル樹脂中に、アミノ基を有する構造単位を0〜3mol%含むアクリル樹脂を含有する。
Figure 0006465339
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Figure 0006465339
[一般式(1)、(2)及び(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
上記アクリル樹脂は、アミノ基を有する構造単位を0〜3mol%含むことが好ましく、0〜2mol%含むことがより好ましく、0〜1mol%含むことがさらに好ましく、含まないことが特に好ましい。
上記アミノ基を有する構造単位は、特に制限はなく、1級、2級又は3級アミノ基を有する構造単位を示す。これらの構造単位を与える単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記一般式(1)は、感度、解像度及び耐熱衝撃を向上できる観点から、Rが炭素数4〜16のアルキル基が好ましく、炭素数4〜10のアルキル基がより好ましく、ブチル基がさらに好ましく、n−ブチル基が特に好ましい。一般式(1)で表される構造単位は、対応する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合することにより得ることができる。
で示される炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
(D)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(1)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、50〜95モル%であることが好ましく、60〜90モル%であることがより好ましく、65〜85モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(1)で表される構造単位の組成比が50〜95モル%であることにより、感光性接着剤組成物の硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
上記一般式(2)で表される構造単位を与える単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノナデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエイコシル等が挙げられる。
これらの中でも、(A)成分との相溶性、破断伸びをより向上する観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシルを用いることが好ましい。
アクリル樹脂中の一般式(2)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、5〜30モル%であることが好ましく、5〜25モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(2)で表される構造単位の組成比が0.1〜30モル%であることにより、(A)成分との相溶性及びパターン硬化膜の熱衝撃性をより向上することができる。
上記一般式(3)で表される構造単位を与える単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
アクリル樹脂中の一般式(3)で表される構造単位の割合は、(D)成分の総量に対して、5〜30モル%であることが好ましく、5〜25モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(3)で表される構造単位の割合が5〜30モル%であることにより、(A)成分との相溶性、及び感光性接着剤組成物の現像性をより向上することができる。
(D)成分の重量平均分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜60,000であることがより好ましく、5,000〜50,000であることがさらに好ましく、10,000〜40,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が2,000未満では硬化膜の耐熱衝撃性が低下する傾向があり、100,000を超えると(A)成分との相溶性及び現像性が低下する傾向がある。
(D)成分の配合量は、密着性、機械特性及び耐熱衝撃性、及び感光特性の観点から、(A)成分の総量100質量部に対して1〜60質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましく、5〜40質量部がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の感光性接着剤組成物は必要に応じ、シラン化合物、溶剤、エラストマー、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤又はレベリング剤等のその他の成分を含有することができる。
<(E):シラン化合物>
本発明の感光性接着剤組成物は、基板との密着性を向上させる観点から、(E)成分として、シラン化合物を含んでいてもよい。そのようなシラン化合物としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができるが、(A)成分や(C)成分と反応し、接着性や硬化物の破断伸びが向上する点で、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
(E)成分を用いる場合の含有量は配線への接着性と感光性接着剤組成物の保存安定性の観点から、(A)成分100質量部に対して、(E)成分と(E)成分以外のシラン化合物の総量が0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(F):溶剤>
本発明の感光性接着剤組成物は、基板上への塗布性、及び均一な厚さの樹脂膜を形成できるという観点から、(F)溶剤を含有していてもよい。溶剤の具体例としては、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、又はジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
(F)成分を含有させる場合の含有量は、特に限定されないが、感光性接着剤組成物中の溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
<半導体装置の製造方法>
次に、上述した感光性接着剤組成物を用いて半導体装置を製造する方法について説明する。
本実施形態に係る製造方法は、感光性接着剤組成物を半導体ウエハの回路面に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、上記感光性接着剤組成物膜の所定部分へ露光を行う工程と、上記露光後の上記感光性接着剤組成物膜を現像して上記所定部分を除去することによって接着パターンを形成する工程と、上記接着パターンを形成した半導体ウエハを加熱して残存溶媒を除去する工程と、エッチングにより上記感光性接着剤組成物膜の上記所定部分の絶縁膜を除去した後、アッシング処理を行う工程と、上記半導体ウエハを薄化し、半導体チップに個片化する工程と、個片化した半導体チップを上記感光性接着剤組成物膜の未露光部分の上に熱圧着して積層する工程と、上記接着パターンの加熱硬化を行う工程と、を備える半導体装置の製造方法である。以下、詳細を説明する。
塗布は、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法、インクジェット法等から選ばれる。これらの中でも、薄膜化及び膜厚均一性の観点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法による塗布は、ウエハのうねり、及びエッジ部の盛り上がりを防止するために、500〜5000min−1の回転数で行うことが好ましい。同様の観点から、回転数は600〜4000min−1がより好ましい。現像液に対する露光部の溶解速度、未露光部の残膜率及び感度の観点から、乾燥は80〜150℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。
半導体ウエハに感光性接着剤組成物をスピンコート法によって塗布する際、半導体ウエハのエッジ部分に不要な感光性接着剤組成物が付着する場合がある。このような不要な接着剤をスピンコート後に溶剤等で洗浄して除去することができる。洗浄方法は特に限定されないが、半導体ウエハをスピンさせながら、不要な接着剤が付着した部分にノズルから溶剤を吐出させる方法が好ましい。洗浄に使用する溶剤は接着剤を溶解させるものであればよく、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール及びメタノールから選ばれる低沸点溶剤、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)やNMP(N−メチル−2−ピロリドン)等の高沸点溶剤が用いられる。
半導体ウエハに感光性接着剤組成物を塗布した後、ホットプレートやオーブン等を用いて乾燥させることで、感光性接着剤組成物膜が形成される。次いで、上記感光性接着剤組成物膜の所定部分へ活性光線を照射して、感光性接着剤組成物膜を露光する。本実施形態では、半導体ウエハを複数の半導体チップに個片化する際のダイシングライン部分、及びワイヤボンディング用のボンディングパッド部分の感光性接着剤組成物膜が現像で除去されるように、所定のパターンを有するマスクを介して露光を行う。露光は、真空下、窒素下、空気下等の雰囲気下で行うことができる。露光量は、50〜2000mJ/cmが好ましい。
感光性接着剤組成物膜の膜厚は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましい。
露光後の感光性接着剤組成物膜を現像し、上述したダイシングライン部分、及び電気的接続を行う部分(ボンディングパッド部分)の感光性接着剤組成物膜を除去することで、個片化された接着パターンを形成する。現像は、アルカリ現像液又は有機溶剤を用いて行う。アルカリ現像液としては、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、テトラアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムハイドライド)等のアルカリ水溶液が挙げられる。有機溶剤としては、DMF、NMP等が挙げられる。このように、予めダイシングライン部分、及びボンディングパッド部分の感光性接着剤組成物膜を除去しておくことで、ダイシング時の切りくずの発生を抑制したり、ワイヤボンディング時の接続不良を抑制する効果が得られる。
次いで、接着パターンを形成した基板を加熱して残存する溶媒を除去し、架橋剤の反応を一部進行させる。このときの加熱温度は通常70〜200℃が好ましく、75〜190℃がより好ましい。加熱時間は1〜60分間が好ましく、5〜50分間がより好ましい。この加熱によって残存する溶媒を除くことで、後述する圧着、硬化の際のガス発生を抑制し、良好な圧着性を得ることができる。また、この加熱によって架橋剤の反応を一部進行させることで、後述するエッチング、アッシングの際の接着パターンのダメージを抑制することができる。
上記接着パターンをマスクとして用いて感光性接着剤組成物膜の上記所定部分の絶縁膜を除去するためにエッチングを行う。エッチングする絶縁膜としては、SiOやSiNが挙げられる。エッチングには酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。プラズマアッシングは、酸素ガスを可視光線、マイクロ波等の非電離放射線でプラズマ化し、接着パターン樹脂膜を酸素プラズマ中に置くと、プラズマ中の酸素ラジカルと結合し、二酸化炭素と水になり、表面が清掃される。
上記接着パターンを有する基板を個片化する場合、基板をハーフカットした後、所望の基板厚みまで研磨(バックグラインド)する「先ダイシング法」、又は先に基板を所望の厚さまで研磨(バックグラインド)した後、ダイシングを行う方法がある。ダイシングを行う場合、上記接着パターン面を表面としてダイシングを行うため、ダイシング工程中は冷却水にさらされる。このため、接着パターンは吸水率が低い材料であることが好ましい。このダイシング工程中に接着パターンが吸水すると、後述する圧着工程、硬化工程にて脱ガス発生要因となる。
次いで、接着パターンを有する基板の接着パターン面に被着体を圧着する。圧着工程における処理温度は100〜200℃であり、圧力は0.01〜5MPaであり、処理時間は0.5〜120秒間程度である。
露光及び現像後の接着パターン表面の圧着処理温度100〜200℃におけるタック強度(表面タック力)は、100gf以下であることが好ましい。これにより、ピックアップ時にコレットに接着パターンが付着することを十分に抑制することができ、複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際に、連続圧着が可能となる。このタック強度は、上記の効果がより十分に得られることから、100gf以下であることがより好ましく、80gf以下であることがさらに好ましい。また、複数の半導体チップを積層しやすくなることからタック強度は5gf以上であることが好ましい。
接着パターン表面のタック強度は以下のように測定される。まず、シリコンウエハ上にスピンコータを用いて感光性接着剤組成物からなる感光性接着剤組成物膜を膜厚10μmとなるように形成する。その後、ホットプレートを用いて150℃、10分間加熱を行った後、所定の温度(例えば120℃)における接着剤組成物層表面のタック強度をプローブタッキング試験機(株式会社レスカ製)を用いて、プローブ直径:5.1mm、引き剥がし速度:5mm/s、接触荷重:0.2MPa、接触時間:1sの条件で測定する。
感光性接着剤組成物膜表面の120〜180℃におけるタック強度(表面タック力)は、80gf以下であることが好ましく、50gf以下であることがより好ましい。このタック強度が80gfを超えて高いと、熱圧着時にコレット付着が発生する場合がある。
接着パターン面へ被着体を圧着した後、150〜200℃で1〜9時間加熱処理を行う。
図1に本発明の感光性接着剤組成物を用いて形成した半導体装置120の一例を示した。
図1に示した半導体装置120は、半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)13に個片化した半導体チップ2を、接着部材30を介して積層し、この半導体チップ2にさらに半導体チップ2を本発明の感光性接着剤組成物からなる感光性接着剤組成物膜5を介して積層することを繰り返し、感光性接着剤組成物膜5の硬化を行うことで、複数の半導体チップが積層された多層構造としている。そして、半導体チップ2の開口部51に露出したボンディングパッド17と半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)13の外部接続端子16とをワイヤ14を介して電気的に接続する。その後封止材15にて半導体チップ2を封止して半導体装置120を得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、本実施例で用いた材料について以下に示す。
[(A)成分]
A1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=13000、旭有機材工業株式会社製、商品名「EP4020G」)を準備した。
A2:下記合成例1に記載の方法で準備した。
合成例1:炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(A2)の合成
フェノール100質量部、亜麻仁油43質量部及びトリフロオロメタンスルホン酸0.1質量部を混合し、120℃で2時間撹拌し、植物油変性フェノール誘導体(a)を得た。次いで、植物油変性フェノール誘導体(a)130g、パラホルムアルデヒド16.3g及びシュウ酸1.0gを混合し、90℃で3時間撹拌した。次いで、120℃に昇温して減圧下で3時間撹拌した後、反応液に無水コハク酸29g及びトリエチルアミン0.3gを加え、大気圧下、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温(25℃、以下同様)まで冷却し、反応生成物である炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(以下、A2という。)を得た(酸価120mgKOH/g)。このA2のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約25,000であった。
[(B)成分]
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
[(C)成分]
C1:グリシジルアミン型エポキシ架橋剤(株式会社ADEKA製、商品名「EP−3950s」)
C2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社プリンテック製、商品名「VG−3101」)
C3:脂肪族ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、商品名「ZX−1542」)
C4:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、商品名「SR−16HL」)
C5:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル製、商品名「MW−30HM」)
[(D)成分]
(D)成分として、下記合成例2に記載の方法でアクリル樹脂(D1〜D4)を準備した。
合成例2:アクリル樹脂D1の合成
攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた100mlの三口フラスコに、乳酸エチル25gを秤取し、室温にて約200回転/分(rpm)の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、別途にアクリル酸ブチル(BA)16.8g、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)1.1g、アクリル酸(AA)4.4gの重合性単量体を秤取し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.08gを溶解させて三口フラスコに1ml/min.の速度で滴下した。同温度を4時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は98%であった。また、このD1のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量(Mw)を表1に示した。同様にして表1の配合でD2〜D4を合成した。
Figure 0006465339
BA:アクリル酸n−ブチル
HBA:ヒドロキシブチルアクリレート
AA:アクリル酸
FA−711MM:1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(日立化成株式会社製)
なお、(D)成分の重量平均分子量は、具体的には、以下に示す装置及び条件で測定した。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L−3300 RI
ポンプ:株式会社日立製作所製L−6000
測定条件:カラム 東ソー株式会社製 (商品名「GMHXL−L」) ×2本
溶媒:THF
流速:1.0ml/min
測定する試料0.5mgに対して溶媒1mlの溶液を用いて測定した。
[(E)成分]
(E)成分として、E1のシラン化合物を準備した。
E1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)
<感光性接着剤組成物の調製>
(実施例1〜7及び比較例1及び2)
表2に示した配合量の(A)〜(E)成分(単位:質量部)、溶剤として乳酸エチル120質量部を配合し、これを3μm孔のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターを用いて加圧ろ過し、実施例1〜7及び比較例1及び2の感光性接着剤組成物を調製した。
<保存安定性の評価>
調製直後の感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚を測定した。その後、感光性接着剤組成物の溶液を23℃で保管し、1週間後に再びシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚を測定した。得られた保管前後の膜厚から膜厚の増加率を算出した。表2では、膜厚の増加率が3%未満であるものを「○」、3%以上のものを「×」として評価した。
<感光特性(感度及び解像度)の評価>
感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000i」)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の80〜95%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスし、パターン形成に必要な最小露光量及び開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを求めた。最小露光量を感度として、開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを解像度として評価した。感度、解像度は、その値が小さいほど良好なことを示す。
<ドライプロセス耐性評価>
感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000i」)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、水でリンスして、パターンを形成した。その後、ドライエッチング装置(Applied Materials社(AMAT)製、商品名「e−Max」)を用いてエッチングを行い(使用ガス:CF4/O2=90/10sccm、Press:8Pa、Power:500W、Temp:15℃、Time:400sec.)、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて感光性接着剤組成物の表面状態を確認した。表2では、エッチング後に塗布膜表面に凹凸が生じるものを「×」、生じないものを「○」として評価した。
<熱圧着性の評価>
感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した後、ホットプレート上で150℃、10分加熱を行い、感光性接着剤組成物膜付シリコンウエハを得た。感光性接着剤組成物膜付シリコンウエハへ、シリコンウエハの接着剤組成物膜とは反対側の面に、室温でダイシングテープ(厚み80μm)をラミネートし、ダイシングサンプルを作製した。その後、フルオートダイサー(株式会社ディスコ製、商品名「DFD−6361」)を用いて、感光性接着剤組成物膜、シリコンウエハ及びダイシングテープを積層した上記ダイシングサンプルを切断した。切断は、ブレード1枚で加工を完了するシングルカット方式、ブレードに株式会社ディスコ製、商品名「ダイシングブレードNBC−ZH104F−SE 27HEDD」を用い、ブレード回転数45000min−1、切断速度20mm/sの条件にて行った。切断時のブレードハイトは、ダイシングテープを10μm残す設定とした。半導体ウエハを切断するサイズは3.0mm×3.0mmとした。次に、熱圧着機(日立化成株式会社製)を用いて、縦10mm×横10mm×厚さ400μmのシリコンチップ上に、ダイシングした感光性接着剤組成物膜付シリコンウエハの接着剤組成物膜がシリコンチップ側に来るように積層し、150℃、1s、5Nの条件で圧着を行った。その後、せん断接着力測定器(Dage社製、商品名「DAGE−4000」)で室温のせん断接着力測定を一つのサンプルに対して10回行い、その内0.8MPa以上の値を示したものの数を表2に示した。
<吸湿率の評価>
質量を測定したシリコン基板上に感光性接着剤組成物の溶液をスピンコートして120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの感光性接着剤組成物膜を形成した。その後イナートガスオーブン(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「INH−9SD−S」)に投入し、175℃で4時間窒素下で加熱した。続いて質量を測定し、硬化膜の質量を算出した。質量を計測後、85℃、85%RHの恒温恒湿槽(エスペック株式会社製、商品名「LHL−113」)に投入し、24時間静置した。その後再び質量を測定し、吸湿量、吸湿率を算出した。
<吸湿リフロー後の接着性評価>
感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した後、ホットプレート上で150℃、10分間加熱を行い、感光性接着剤組成物膜を得た。感光性接着剤組成物膜付シリコンウエハへシリコンウエハの接着剤組成物膜とは反対側の面に、室温でダイシングテープ(厚み80μm)をラミネートし、ダイシングサンプルを作製した。その後、フルオートダイサー(株式会社ディスコ製、商品名「DFD−6361」)を用いて、接着剤組成物膜、シリコンウエハ及びダイシングテープを積層した上記ダイシングサンプルを切断した。切断は、ブレード1枚で加工を完了するシングルカット方式、ブレードに株式会社ディスコ製、商品名「ダイシングブレードNBC−ZH104F−SE 27HEDD」を用い、ブレード回転数45000min−1、切断速度20mm/sの条件にて行った。切断時のブレードハイトは、ダイシングテープを10μm残す設定とした。半導体ウエハを切断するサイズは3.0mm×3.0mmとした。その後熱圧着機(日立化成株式会社製)を用いて、縦10mm×横10mm×厚さ400μmのシリコンチップ上に、ダイシングした感光性接着剤組成物膜付シリコンウエハの接着剤組成物膜がシリコンチップ側に来るように積層し、120℃、1s、5Nの条件で圧着を行った。その後、180℃、90s、36Nで加圧し、175℃で4時間硬化した。硬化が終了したチップを85℃、85%RHの恒温恒湿槽(エスペック株式会社製、商品名「LHL−113」)に投入し、24時間静置した。その後、せん断接着力測定器(Dage社製、商品名「DAGE−4000」)で260℃でのせん断接着力測定を一つのサンプルに対して10回行い、その内1.5MPa以上の値を示したものの数を表2に示した。
Figure 0006465339
実施例1〜7は優れた保存安定性、感度、解像度、ドライエッチング耐性、熱圧着性、吸湿率及び吸湿リフロー後接着性を有する。一方、比較例1は柔軟成分であるアクリル樹脂を含まないため、熱圧着性が低い。また、アミノ基を有する構造単位を含むアクリル樹脂を用いた比較例2は保存安定性が悪い。これは、アミノ基を有する構造単位を含むアクリル樹脂に含まれるアミノ基がエポキシ基の架橋反応を促進するため、室温においても徐々に架橋反応が進行してしまい、感光性接着剤組成物の溶液の粘度が増加したためだと推測される。また、実施例1〜7に比べて熱圧着性の低下が見られた。これは架橋による膜の弾性率増加が原因だと推察している。
本発明によれば、保存安定性、感光特性及びドライエッチング耐性に優れ、薄膜かつ高精細な接着剤パターンを形成することができ、さらに複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際に連続圧着が可能である感光性接着剤組成物、並びに、それを用いた半導体装置の製造方法と、それにより得られる感光性接着剤層を有する半導体装置を提供することができる。また、本発明の感光性接着剤は低温での硬化が可能であるため、電子部品への熱によるダメージを防止することができ、さらに、吸湿率が低いことから信頼性の高い電子部品を歩留りよく提供することができ、本発明の感光性接着剤からなるパターン硬化膜を、層間絶縁層として有する電子部品を提供することができる。
2:個片化した半導体チップ、5:感光性接着剤組成物膜、13:半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)、14:ワイヤ、15:封止材、16:外部接続端子、17:ボンディングパッド、30:接着部材、51:開口部、120:半導体装置。

Claims (4)

  1. (A)成分:フェノール樹脂と、
    (B)成分:光により酸を生成する化合物と、
    (C)成分:熱架橋剤と、
    (D)成分:下記一般式(1)、(2)、及び(3)で表される構造単位のみからなるアクリル樹脂と、を含有する感光性接着剤組成物。
    Figure 0006465339
    Figure 0006465339
    Figure 0006465339
    [一般式(1)、(2)、及び(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を、Rは炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
  2. 前記(B)成分が、o−キノンジアジド化合物を含む請求項1に記載の感光性接着剤組成物。
  3. 前記(C)成分が、(A)成分と架橋する基を3つ以上有する熱架橋剤を含む請求項1又は2に記載の感光性接着剤組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を半導体ウエハの回路面に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、
    前記感光性接着剤組成物膜の所定部分へ露光を行う工程と、
    前記露光後の前記感光性接着剤組成物膜を現像して前記所定部分を除去することによって接着パターンを形成する工程と、
    前記接着パターンを形成した半導体ウエハを加熱して残存溶媒を除去する工程と、
    エッチングにより前記感光性接着剤組成物膜の前記所定部分の絶縁膜を除去した後、アッシング処理を行う工程と、
    前記半導体ウエハを薄化し、半導体チップに個片化する工程と、
    個片化した半導体チップを前記感光性接着剤組成物膜の未露光部分の上に熱圧着して積層する工程と、
    前記接着パターンの加熱硬化を行う工程と、を備える半導体装置の製造方法。
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