以下に、本願に係る取引制御装置、取引制御方法及び取引制御プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る取引制御装置、取引制御方法及び取引制御プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.第1の実施形態〕
〔1−1.第1の実施形態に係る取引制御処理の一例〕
図1及び図2を用いて、第1の実施形態に係る取引制御処理の一例について説明する。まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る取引制御処理の一例の流れについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る取引制御処理の一例を示す図である。図1では、第1の実施形態に係る取引制御装置100によって、配送品に関する取引制御処理が行われる例を示す。
図1に示す取引制御装置100は、配送業者とユーザとの間で行われる所定の取引を制御するサーバ装置である。取引制御装置100は、配送業者が管理する配送業者装置50や、ユーザが所有する情報処理端末であるユーザ端末10等と通信を行い、以下で説明する種々の処理を実行する。
配送業者装置50は、配送業者によって利用されるサーバ装置である。図1の例では、配送業者装置50は、配送業者の配送拠点の一例である宅配センターに設置される。配送業者装置50は、配送元から配送の依頼を受け付けた場合に、配送先(ユーザ)の宛名や、住所や、氏名や、電話番号や、配送品の内容等を取得する。そして、配送業者装置50は、配送品を配送する予定の日時や配送先等が登録された情報である配送情報を生成する。配送業者は、配送業者装置50によって生成された配送情報に基づいて、配送先への配送を行う。なお、図1での図示は省略しているが、ユーザに配送を行う配送業者は複数存在してもよい。また、以下では、配送業者を配送業者装置50と読み替える場合がある。例えば、「配送業者が情報を送信する」という記載は、実際には、「配送業者が利用する配送業者装置50が情報を送信する」という状況を示す場合がある。
図1に示すユーザ端末10は、ユーザに利用されるスマートフォン等の情報処理端末である。図1に示すユーザU01は、配送品の配送先であるユーザの一例である。図1に示す例では、ユーザ端末10は、ユーザU01によって利用されるものとする。なお、図1での図示は省略しているが、第1の実施形態に係るユーザ端末10は1台に限らず、複数台存在していてもよい。例えば、ユーザU01は、複数台のユーザ端末10を所持していてもよい。また、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替える場合がある。例えば、「ユーザU01が取引制御装置100にアクセスする」という記載は、実際には、「ユーザU01が利用するユーザ端末10が取引制御装置100にアクセスする」という状況を示す場合がある。
上記のように、配送業者は、ユーザU01に配送品を配送する。ここで、配送業者にとっては、ユーザU01自らが宅配センターまで配送品を受け取りに出向いてくれるのであれば、配送の手間や、ユーザU01が不在のために発生する再配送の手間等を軽減することができる。
そこで、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、以下に説明する取引制御処理により、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与える。具体的には、取引制御装置100は、ユーザU01が宅配センターで配送品を受け取るために負担するコストを算出する。そして、取引制御装置100は、算出したコストに基づいて、配送品受け取りのための対価をユーザU01に支払う取引処理を実行する。言い換えれば、取引制御装置100は、ユーザU01自らが宅配センターに出向いて配送品を受け取る場合でも、ユーザU01に損をさせることがないよう、ユーザU01が負担したコストがユーザU01に還元されるような取引を制御する。さらに、取引制御装置100は、配送品受け取りのための対価に加えて、所定の特典をユーザU01に付与してもよい。これにより、取引制御装置100は、ユーザU01自らが配送品を拠点まで受け取りに来るような動機付けを与え、ユーザU01の受け取りを促し、配送業者による配送の手間を軽減させることができる。以下、図1を用いて、取引制御装置100による第1の実施形態に係る取引制御処理の流れについて説明する。
まず、取引制御装置100は、配送業者装置50から、配送品に関する情報を取得する。具体的には、取引制御装置100は、ユーザU01宛の配送品(荷物)が宅配センターに到着した旨の通知を受信することで、配送品に関する情報を取得する(ステップS11)。
続いて、取引制御装置100は、ユーザU01に対して、配送品の受け取り依頼を示す通知を送信する(ステップS12)。具体的には、取引制御装置100は、ユーザU01宛の配送品が保管されている宅配センターの場所や、ユーザU01が宅配センターに出向いて配送品を受け取ることで所定の特典が付与されること等が記載された通知をユーザ端末10に送信する。例えば、取引制御装置100は、ユーザ端末10にインストールされたアプリケーション(以下、単に「アプリ」と表記する)を介して、ユーザ端末10に通知を送信する。
ユーザU01は、宅配センターに立ち寄って配送品を受け取る意思がある場合、取引制御装置100から送信された配送品の受け取り依頼に応答する(ステップS13)。なお、図1の例では、ユーザU01は、通知を受け取った際には、タクシーを利用して帰宅する途中であったものとする。
ユーザU01は、配送品の受け取り依頼に応答した後、配送品受け取りのために宅配センターに移動する(ステップS14)。このとき、取引制御装置100は、ユーザ端末10に対して、ユーザU01の移動に関する情報(以下、「移動情報」と表記する)を要求する。ユーザ端末10は、かかる要求に応答して、移動の最中の移動情報を継続的に取引制御装置100に送信する(ステップS15)。
移動情報は、例えば、ユーザ端末10が備えるGPS(Global Positioning System)機能に基づく位置情報の推移等を含む。また、取引制御装置100は、ユーザ端末10内で実行される地図アプリや、クラウドサービス等を介して、ユーザU01が移動した地点や移動距離を含む移動情報を取得してもよい。
さらに、取引制御装置100は、可能な場合には、ユーザ端末10以外の対象から移動情報を取得してもよい。例えば、ユーザU01がタクシーに乗車している場合には、取引制御装置100は、タクシーの車載端末、あるいはタクシー会社のサーバ装置等に対応する交通機関装置30(図1での図示は省略する)から移動情報を取得してもよい。例えば、取引制御装置100は、交通機関装置30が有するカーナビ機能に基づいて、ユーザU01が移動した地点や距離を含む移動情報を取得する。また、取引制御装置100は、移動情報として、交通機関装置30を介して、ユーザU01が支払うタクシーの乗車料金の具体的な額を取得してもよい。
そして、取引制御装置100は、ユーザ端末10や交通機関装置30から取得した移動情報に基づいて、ユーザU01が負担した配送品受け取りのコストを算出する(ステップS16)。
詳細は後述するが、取引制御装置100は、例えば、ユーザU01が依頼に応答して宅配センターに立ち寄った場合の乗車料金と、自宅に直行していたと仮定したときの乗車料金との差額を、ユーザU01が負担したコストと算出する。この場合、取引制御装置100は、移動情報として、通知に応答した際のユーザ端末10の位置情報を取得する。また、取引制御装置100は、通知に応答した後にユーザU01が宅配センターまで移動すると想定される経路情報を取得する。さらに、取引制御装置100は、取得した経路情報に基づいて、ユーザU01が依頼に応答して宅配センターに立ち寄った場合の乗車料金を算出する。なお、取引制御装置100は、宅配センターに立ち寄るというユーザU01の手間に掛かる所定の手数料をコストに含めてもよい。また、取引制御装置100は、必ずしもコストを算出する処理を行わなくてもよい。例えば、取引制御装置100は、ユーザU01が乗車したタクシーの乗車料金を取得し、取得した乗車料金をユーザU01が負担したコストとして取り扱ってもよい。
ユーザU01は、宅配センターで配送品を受け取り、さらに自己の当初の目的地(例えば、ユーザU01の自宅)まで移動した後、タクシー代の支払処理を行う(ステップS17)。具体的には、ユーザU01は、ユーザ端末10にインストールされた所定のアプリ(例えば、取引制御装置100やタクシー会社が提供するタクシー配車アプリ等)を介して、タクシー代の支払処理を実行する。
ユーザ端末10は、ユーザU01がタクシー代の支払いを行った旨の通知を取引制御装置100に送信する(ステップS18)。具体的には、ユーザ端末10は、上記のアプリにおいてタクシー代の支払処理が実行された場合に、タクシー会社に対して乗車料金を振り込む決済要求を送信する。なお、タクシー代の決済処理は、取引制御装置100を介して行われてもよいし、ユーザU01と交通機関装置30との間で行われてもよい。決済処理がユーザU01と交通機関装置30との間で行われた場合には、ユーザ端末10は、支払処理を行った旨、及び支払額等の支払に関する情報を取引制御装置100に送信する。
取引制御装置100は、ユーザU01がタクシー会社に乗車料金を支払ったことを契機として、算出したコストに基づいて、配送業者がユーザU01に支払う対価を算出する。例えば、取引制御装置100は、ユーザU01が配送品を宅配センターで受け取ったことによる手間賃と、ユーザU01が配送品を受け取るために負担したコストとに基づいて、配送業者がユーザU01に支払う対価を算出する。より具体的には、取引制御装置100は、ユーザU01が負担したコストと、手間賃に対応する所定の手数料とを加算して、配送業者がユーザU01に支払う対価を算出する。
続けて、取引制御装置100は、算出したコストに基づく対価の額を配送業者装置50に通知する(ステップS19)。配送業者装置50は、取引制御装置100から対価の額が通知された場合に、通知された額の対価の支払処理を実行する(ステップS20)。
取引制御装置100は、配送業者装置50による取引(支払処理)を制御する。例えば、取引制御装置100は、配送業者装置50が有する口座から、ユーザU01が有する口座への入金が行われるような取引処理を制御する。このようにして、取引制御装置100は、配送品受け取りの対価をユーザU01に還元する(ステップS21)。具体的には、取引制御装置100は、ユーザU01がタクシー会社に対して支払ったタクシー代の一部又は全部をキャッシュバックすることで、配送品受け取りの対価をユーザU01に還元する。なお、取引制御装置100は、対価の還元とともに、ユーザU01に通知した特典の付与に関する処理等を行ってもよい。
以上、図1を用いて説明してきたように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、所定の拠点である宅配センターに配送された配送品に関する通知をユーザU01に送信する。そして、取引制御装置100は、通知に係る配送品の受け取りに際して、ユーザU01が宅配センターまで移動する場合の移動に関する情報である移動情報を取得する。さらに、取引制御装置100は、取得した移動情報に基づいて、ユーザU01が配送品を宅配センターにおいて受け取るために負担したコストを算出する。
また、取引制御装置100は、コストに関する情報に基づいて、配送品の受け取りに対する対価が配送品の配送を担う配送業者(図1の例では、配送業者装置50)からユーザU01に対して支払われる取引処理を実行する。
このように、取引制御装置100は、ユーザU01が実際に負担したコストを算出し、算出したコストに基づいてユーザU01に対価を還元する。また、取引制御装置100は、配送品受け取りによる手数料や、所定の特典をユーザU01が得られるような取引処理を実行する。これにより、取引制御装置100は、ユーザU01が宅配センターに立ち寄る動機付けを与え、配送品を宅配センターで受け取らせるようにできるため、配送業者による配送の手間を軽減させたり、再配送の発生を抑制させたりすることができる。
次に、図2を用いて、図1で説明した取引制御処理の流れについて、ユーザ端末10上でのユーザU01の操作に焦点を当てて説明する。図2は、第1の実施形態に係る取引制御処理の一例を説明する図である。図2では、ユーザ端末10が、取引制御装置100から通知される配送品受け取りの依頼に関する情報や、対価に関する情報を表示する例を示す。
取引制御装置100は、配送品が宅配センターに到着した旨を配送業者装置50から受信した場合に、配送品の到着をユーザ端末10に通知する(ステップS31)。図2に示すように、ユーザ端末10は、取引制御装置100から送信された通知を画面上に表示する。
図2で示す例では、ユーザ端末10は、「最寄りの宅配センターにお客様宛のお荷物が届きました。受け取りに来てくださいますか?受け取りに来られた場合には特典が付与されます!」といったテキストを含む通知71を画面上に表示する。
取引制御装置100は、例えば、ユーザ端末10上で動作する宅配サービスアプリを介して、通知71をユーザ端末10に送信する。なお、取引制御装置100は、アプリに限らず、例えば、SMS(Short Message Service)等の通信機能を利用して、ユーザ端末10に通知を送信してもよい。
ユーザU01は、ユーザ端末10に表示された通知71を閲覧したのち、宅配センターで配送品(荷物)を受け取る旨を取引制御装置100に応答する(ステップS32)。例えば、ユーザU01は、指90で「宅配センターで受け取る」という内容が示された表示ボタン72を押下することで、宅配センターで配送品を受け取る旨を取引制御装置100に応答する。なお、ユーザU01は、宅配センターで配送品を受け取らない旨を応答する場合には、指90で「自宅まで配送を希望」という内容が示された表示ボタン73を押下する。
その後、ユーザ端末10は、ユーザU01の移動に伴って移動する。このとき、ユーザ端末10は、ユーザU01の移動情報を取引制御装置100に送信する。例えば、ユーザ端末10は、所定時間ごと(例えば10秒ごと)、定期的に移動情報を取引制御装置100に送信する。
また、ユーザ端末10は、ユーザU01がタクシーを利用する場合、タクシー配車アプリ等を介して、ユーザU01へのタクシー配車を交通機関装置30に要求する。例えば、ユーザU01は、タクシー配車アプリ上で、現在地を示す位置情報と、目的地(例えばユーザU01の自宅)と、目的地までの移動中に立ち寄る拠点(例えば宅配センター)を入力する。ユーザU01によって入力された情報は、交通機関装置30に送信され、タクシーが配車される。なお、タクシー配車アプリは、例えばクラウド上の地図情報に基づいて、宅配センターに立ち寄る場合の経路情報や、宅配センターに立ち寄る場合の乗車料金の加算額等を表示する機能を有していてもよい。また、タクシー配車アプリで表示される情報は、取引制御装置100を介してユーザ端末10に取得される情報であってもよいし、交通機関装置30を介してユーザ端末10に取得される情報であってもよい。
また、ユーザU01は、タクシー配車アプリ等を介して、利用したタクシーのタクシー代を決済してもよい。例えば、ユーザ端末10は、タクシー配車アプリを介して、利用したタクシー代の通知を受信する。具体的には、ユーザ端末10は、「ご利用ありがとうございました。今回のご利用金額は、3000円です。」という内容が示される通知75を交通機関装置30から受信する。
ユーザU01は、指90で「OK」という内容が示される表示ボタン76を押下する。これにより、例えばユーザU01が事前に登録しておいた口座やクレジットカードから、交通機関装置30への支払処理が実行される。このとき、ユーザ端末10は、交通機関装置30への決済処理を要求するとともに、ユーザU01が支払うタクシー代や、タクシー代を精算するまでの移動情報等を取引制御装置100に送信する(ステップS33)。なお、かかる決済処理に関する情報は、交通機関装置30から取引制御装置100に送信されてもよい。
取引制御装置100は、ユーザ端末10から取得した移動情報等に基づいて、ユーザU01が負担したコストを算出する。また、取引制御装置100は、配送業者からユーザU01にキャッシュバックされる対価の額を算出する。そして、取引制御装置100は、ユーザ端末10からタクシー代の支払いが行われたことを契機として、配送品の受け取りに対する対価が配送品の配送を担う配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
そして、取引制御装置100は、かかる取引処理を実行した後に、ユーザU01に対して、キャッシュバックされる料金や付与される特典の内容を通知する(ステップS34)。
ユーザ端末10は、例えば、「お荷物の受け取りありがとうございました。受け取りに利用したタクシー費用のうち、2000円をキャッシュバックいたします。」という内容を示す通知77を表示する。このことは、取引制御装置100が、ユーザU01に還元する対価として「2000円」を算出したことを意味している。より具体的には、取引制御装置100が、ユーザU01の配送品の受け取りという行為に対して、配送業者装置50から「2000円」が対価として支払われる取引処理を制御したことを意味している。また、ユーザ端末10は、「お荷物の受け取りにより、お客様に500ポイントが付与されました。」といった、所定のサービス等で利用可能なポイント等の特典が付与された旨の内容を示す通知79を表示する。
以上、図1及び図2を用いて説明してきたように、取引制御装置100は、ユーザ端末10や、交通機関装置30や、配送業者装置50等と連動した取引処理を行うことにより、配送品の受け取りで生じるユーザU01の負担を還元できる取引処理を実行する。以下、このような処理を行う取引制御装置100、及び取引制御装置100を含む取引制御システム1の構成等について、詳細に説明する。
〔1−2.取引制御システムの構成〕
図3を用いて、第1の実施形態に係る取引制御装置100が含まれる取引制御システム1の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る取引制御システム1の構成例を示す図である。図3に例示するように、第1の実施形態に係る取引制御システム1には、ユーザ端末10と、交通機関装置30と、配送業者装置50と、取引制御装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図3に示した取引制御システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の交通機関装置30や、複数台の配送業者装置50が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。さらに、ユーザ端末10には、情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、ユーザ端末10には、TV(Television)や設置型スピーカなどのスマート家電や、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)や、ドローン(drone)、家庭用ロボットなどが含まれてもよい。
交通機関装置30は、交通機関によって利用される情報処理装置である。例えば、交通機関装置30は、タクシーやバス等の交通手段に搭載される端末や、交通機関の運営者によって管理されるサーバ装置、あるいはそれらの組合せによって実現される。また、交通機関装置30は、取引制御装置100と連動して、種々の処理を実行する。例えば、ユーザがタクシー配車アプリを利用してタクシー代の決済を行った場合、交通機関装置30は、かかる決済の情報を取引制御装置100に送信してもよい。
配送業者装置50は、配送業者によって利用される情報処理装置である。例えば、配送業者装置50は、配送業者が所定の場所に設置するサーバ装置や、配送業者の各々(配達員等)が利用する端末である。また、配送業者装置50は、1台の装置として構成されるのではなく、サーバ装置と端末の組合せであってもよい。
配送業者装置50は、配送品の発注に基づいて配送情報を生成する。また、配送業者装置50は、配送情報に含まれる配送先の識別情報を取引制御装置100に送信する。例えば、配送業者装置50は、配送先となるユーザが利用するユーザ端末10の識別情報や、ユーザの連絡先等を取引制御装置100に送信する。
取引制御装置100は、所定の拠点に配送された配送品に関する通知をユーザに送信するサーバ装置である。上述のように、取引制御装置100は、送信した通知に係る配送品の受け取りに際して、ユーザが所定の拠点まで移動する場合の移動情報を取得する。そして、取引制御装置100は、移動情報に基づいて、ユーザが配送品を所定の拠点において受け取るために負担したコストを算出する。さらに、取引制御装置100は、コストに関する情報に基づいて、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
〔1−3.取引制御装置の構成〕
次に、図4を用いて、第1の実施形態に係る取引制御装置100の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る取引制御装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、取引制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、取引制御装置100は、取引制御装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、交通機関装置30や、配送業者装置50との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、配送情報記憶部121と、移動情報記憶部122と、算出条件記憶部123と、取引履歴記憶部124とを有する。
(配送情報記憶部121について)
配送情報記憶部121は、個々の配送に関する情報である配送情報を記憶する。ここで、図5に、第1の実施形態に係る配送情報記憶部121の一例を示す。図5は、第1の実施形態に係る配送情報記憶部121の一例を示す図である。図5に示した例では、配送情報記憶部121は、「配送ID」、「配送業者ID」、「配送先ユーザ」、「配送先情報」、「配送拠点情報」といった項目を有する。
「配送ID」は、個々の配送を識別する識別情報を示す。配送IDは、例えば、発送の依頼が行われ、配送が発生する度に配送業者によって生成される。「配送業者ID」は、配送業者を識別する識別情報を示す。なお、本明細書中では、図5乃至図8で示すような識別情報を参照符号として用いる場合がある。例えば、配送ID「F01」によって識別される配送を「配送F01」と表記する場合がある。
「配送先ユーザ」は、配送先となるユーザを示す。「配送先情報」は、個々の配送において登録された配送先の情報を示す。「配送拠点情報」は、ユーザに配送品が配送される前に配送品が到着する拠点を示す。例えば、拠点は、各配送業者が設置した宅配センターであって、配送先の最寄りの宅配センターである。なお、拠点は、ユーザが出向いて配送品を受け取ることのできる場所であれば、宅配センターでなくてもよい。例えば、拠点は、配送品を一時的に預かるコンビニエンスストア等であってもよい。
すなわち、図5に示したデータの一例では、配送ID「F01」で識別される配送F01は、配送業者ID「G01」で識別される配送業者G01が行う配送であることを示している。また、配送F01は、配送先ユーザが「ユーザU01」であり、配送先情報として、配送先の「住所」や「連絡先」や「配送予定日時」が登録されていることを示している。また、配送F01において、配送品が届けられるユーザU01の最寄りの拠点は、「宅配センターXXX」であることを示している。
(移動情報記憶部122について)
移動情報記憶部122は、ユーザや交通機関装置30から取得した移動情報に関する情報を記憶する。ここで、図6に、第1の実施形態に係る移動情報記憶部122の一例を示す。図6は、第1の実施形態に係る移動情報記憶部122の一例を示す図である。図6に示した例では、移動情報記憶部122は、「配送ID」、「配送先ユーザ」、「端末ID」、「移動情報」といった項目を有する。また、「移動情報」は、「通知日時」、「拠点」、「通知時の位置情報」、「交通手段」、「拠点迄の移動距離」といった小項目を有する。
「配送ID」及び「配送先ユーザ」は、図5で示した同一の項目に対応する。「端末ID」は、ユーザが利用するユーザ端末10を識別する識別情報である。端末IDは、例えば、ユーザ端末10の固有の識別情報(デバイスID等)である。配送業者装置50や取引制御装置100は、端末IDを用いて、ユーザ端末10を一意に識別することが可能である。なお、端末IDとして登録される情報には、端末の機種情報等が含まれてもよい。
「移動情報」は、ユーザの移動に関する情報を示す。「通知日時」は、ユーザに対して、配送品の受け取り依頼が通知された日時を示す。「拠点」は、配送品の受け取りが行われる拠点を示す。
「通知時の位置情報」は、取引制御装置100からユーザ端末10へ通知が行われた際のユーザ端末10の位置情報を示す。図6では、通知時の位置情報を「B01」のように概念的に表記しているが、実際には、通知時の位置情報の項目には、ユーザ端末10によって検知された具体的な位置情報(例えば、経度及び緯度を示す具体的な数値)が記憶される。なお、通知時の位置情報の項目には、経度や緯度の数値ではなく、例えば、ユーザ端末10の所在位置を示す住所や地域名、あるいは、「ユーザの自宅」であるといったような具体的な場所を示す情報が記憶されてもよい。例えば、取引制御装置100は、ユーザの自宅に設置されたIoT(Internet of Things)機器等とユーザ端末10とが通信を行っている等の情報が取得された場合に、通知時にユーザ端末10が所在する位置が「ユーザの自宅」であると推定する。
「交通手段」は、通知が行われた後に、ユーザが拠点まで移動を行った際の交通手段を示す。取引制御装置100は、例えば、ユーザ端末10や交通機関装置30からユーザの交通手段に関する情報を取得する。具体的には、取引制御装置100は、ユーザ端末10が利用するタクシー配車アプリを介して、ユーザが交通手段としてタクシーを利用しているという情報を取得する。あるいは、取引制御装置100は、レンタカーに搭載されている交通機関装置30から、ユーザが交通手段としてレンタカーを利用しているという情報を取得する。なお、取引制御装置100は、移動に利用する交通手段について、ユーザによる申告を受け付けてもよい。
「拠点迄の移動距離」は、通知時のユーザ端末10の所在位置から拠点迄の移動距離を示す。図6では、拠点までの移動距離を「D01」のように概念的に表記しているが、実際には、拠点までの移動距離の項目には、ユーザ端末10によって検知された具体的な距離を示す数値が記憶される。例えば、ユーザ端末10は、取引制御装置100から通知が行われ、配送品の受け取りを了承したタイミングで、地図アプリやカーナビアプリ等の経路や距離情報が取得可能なアプリを起動させる。そして、ユーザ端末10は、地図アプリの機能等を利用して、拠点迄の移動距離を取得し、取得した情報を取引制御装置100に送信する。取引制御装置100は、ユーザ端末10から取得した情報を拠点までの移動距離の項目に記憶する。なお、取引制御装置100は、ユーザ端末10の位置情報と拠点の位置情報とを取得し、所定の地図情報と照らし合わせることにより、ユーザ端末10と拠点との距離を計測することで、拠点までの移動距離を取得してもよい。
すなわち、図6に示したデータの一例は、配送F01はユーザU01を配送先とする配送であり、ユーザU01が所有するユーザ端末10の端末IDは「A01」であることを示している。また、配送F01におけるユーザU01の移動情報は、通知日時が「2017年6月1日 12:00」であり、拠点が「宅配センターXXX」であり、通知時の位置情報が「B01」であり、交通手段が「タクシー」であり、拠点迄の移動距離が「D01」であることを示している。
(算出条件記憶部123について)
算出条件記憶部123は、コスト算出を行う際の条件に関する情報を記憶する。ここで、図7に、第1の実施形態に係る算出条件記憶部123の一例を示す。図7は、第1の実施形態に係る算出条件記憶部123の一例を示す図である。図7に示した例では、算出条件記憶部123は、「条件ID」、「交通手段」、「算出コスト」、「算出手法」、「条件」といった項目を有する。
「条件ID」は、条件を識別する識別情報を示す。「交通手段」は、条件に対応する交通手段を示す。「算出コスト」は、ユーザが負担したコストとして認められる料金の種別を示す。「算出手法」は、ユーザが負担したコストを算出する際に用いる手法を示す。「条件」は、配送品受け取りに際してユーザが支払った料金において、当該料金がユーザの負担したコストとして認められるための条件を示す。なお、条件は、例えば取引制御装置100の管理者等によって任意に入力されたり、更新されたりするものとする。
すなわち、図7に示したデータの一例は、条件ID「J01」で識別される条件J01は、交通手段が「タクシー」である場合に適用されるものであり、ユーザの負担として算出されるコストは、「乗車料金」と「手数料」であることを示している。また、コストを算出するにあたって利用される算出手法は、「走行距離」と「乗車時間」を用いるものであることを示している。また、算出されたコストがユーザの負担した料金として認められるための条件の一つは、「自宅から最寄りの拠点であること」を示している。この条件は、例えば、自宅から最寄りの拠点でない拠点でユーザが配送品を受け取っても、その受け取りにおいてユーザが負担した料金はコストとして算出されないことを意味している。また、条件の他の一つは、「拠点までの距離が所定距離以下であること」を示している。この条件は、例えば、所定距離を超えてタクシーを利用して配送品を受け取ったとしても、所定距離迄の乗車料金までしかコストとして認められないことを意味している。また、条件の他の一つは、「アプリとの連動(位置情報)」を示している。この条件は、例えば、タクシー代がコストとして算出されるためには、取引制御装置100が提供する所定のアプリを利用してタクシーの配車を行い、位置情報を継続的に取引制御装置100に送信したこと等が条件になることを示している。
(取引履歴記憶部124について)
取引履歴記憶部124は、取引制御装置100によって実行された取引に関する履歴を記憶する。ここで、図8に、第1の実施形態に係る取引履歴記憶部124の一例を示す。図8は、第1の実施形態に係る取引履歴記憶部124の一例を示す図である。図8に示した例では、取引履歴記憶部124は、「取引ID」、「配送ID」、「取引対象」、「ユーザの支払額」、「算出されたコスト」、「対価の支払額」、「キャッシュバック」、「特典」といった項目を有する。
「取引ID」は、個々の取引を識別する識別情報を示す。「配送ID」は、図5に示した同一の項目に対応し、取引に対応する配送を識別する識別情報を示す。「取引対象」は、個々の配送において取引制御装置100が実行する取引の対象となる主体を示す。
「ユーザの支払額」は、ユーザが負担した料金を示す。具体的には、ユーザの支払額は、配送品の受け取りのために拠点まで移動した際のユーザの負担金額を示す。「算出されたコスト」は、配送品の受け取りのためにユーザが負担したとして算出されたコストを示す。算出されたコストは、移動情報に基づいて、取引制御装置100によって算出される。
「対価の支払額」は、配送品の受け取りの対価として、配送業者が取引制御装置100側に支払う対価の額を示す。なお、対価の支払額は、算出されたコストと同一であってもよいし、算出されたコストに所定の手数料を加味した料金であってもよい。
「キャッシュバック」は、配送品の受け取りの対価として、ユーザに還元される金額を示す。キャッシュバックの額は、算出されたコストと同一であってもよいし、算出されたコストに所定の手数料を加味した料金であってもよい。
「特典」は、配送品を拠点で受け取ったことに対して、ユーザに付与される特典を示す。特典は、例えば、所定のサービスで利用可能なポイント等である。なお、特典は、図8で示す例に限られず、例えば、タクシー券や、ショッピングクーポン券等であってもよい。
すなわち、図8に示したデータの一例は、取引ID「T01」で識別される取引T01は、配送F01に係る取引であり、その取引対象は「配送業者G01」と、「ユーザU01」と、「タクシー会社M01」であることを示している。また、取引T01において、ユーザU01からタクシー会社M01への支払額は「3000円」であり、ユーザU01の負担として算出されたコストは「2000円」であることを示している。また、取引T01において、拠点における配送品の受け取りの対価として、配送業者G01が支払う対価の支配額は「2200円」であることを示している。そして、取引T01において、ユーザU01にキャッシュバックされた額は「2000円」であり、ユーザU01に付与された特典は「500ポイント」であることを示している。
なお、図8での図示は省略したが、取引履歴記憶部124は、個々の取引において各ユーザが配送品を受け取った回数等の履歴を記憶してもよい。また、取引履歴記憶部124は、あるユーザを配送先とする複数の配送において、どのくらいの割合でユーザが拠点で受け取りに来たか等の履歴を記憶してもよい。また、取引履歴記憶部124は、拠点で配送品を受け取る傾向に基づくユーザの評価値等を記憶してもよい。例えば、取引履歴記憶部124は、拠点で配送品を受け取る傾向が比較的高いユーザに対して、高い評価値が付与されているといった情報を記憶してもよい。
(制御部130について)
図4に戻って説明を続ける。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、取引制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(取引制御プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、第1取得部131と、送信部132と、第2取得部133と、受信部134と、算出部135と、第3取得部136と、取引制御部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(第1取得部131について)
第1取得部131は、所定の拠点に配送された配送品に関する情報、及び、当該配送品の受取人であるユーザに関する情報を取得する。例えば、第1取得部131は、配送業者装置50から送信される情報に基づいて、配送品に関する情報や受取人であるユーザに関する情報を取得する。
具体的には、第1取得部131は、所定の拠点(例えばユーザの最寄りの宅配センター等)に配送品が配送されたことを示す情報を取得する。この場合、第1取得部131は、取得した情報を送信部132へ送る。また、第1取得部131は、取得した情報を配送情報記憶部121等に格納する。
(送信部132について)
送信部132は、所定の拠点に配送された配送品に関する通知をユーザに送信する。例えば、送信部132は、取引制御装置100が提供する宅配サービスアプリ等の所定のアプリを介して、通知をユーザに送信する。なお、送信部132は、例えば、SMS等の機能を利用してユーザに通知を送信してもよい。
なお、送信部132は、ユーザに通知を行う場合、所定の拠点に配送された配送品に関する情報をあわせて送信してもよい。例えば、送信部132は、配送品の発送元や、配送品が配送される予定日時や、及び配送品が配送される場所等の情報を送信してもよい。具体的には、送信部132は、所定の定型文ファイル等に、上記の発送元等の情報を埋め込むことにより、配送情報を記載した通知を生成する。
また、送信部132は、通知を受信したユーザ端末10において、ユーザが種々の要求を返信可能な態様で通知を行ってもよい。例えば、送信部132は、配送予定日時や、配送先となる場所等の変更要求をユーザが返信できるような態様で通知を行ってもよい。
また、送信部132は、所定の拠点において配送品をユーザが受け取った場合に、ユーザに与えられる特典に関する情報が含まれる通知をユーザに送信してもよい。これにより、送信部132は、積極的に拠点で配送品を受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
(第2取得部133について)
第2取得部133は、送信部132によって送信された通知に係る配送品の受け取りに際して、ユーザが所定の拠点まで移動する場合の移動に関する情報である移動情報を取得する。
例えば、第2取得部133は、移動情報として、ユーザが利用する交通手段に関する情報を取得する。より具体的には、第2取得部133は、交通手段として、タクシー、レンタカー、レンタルサイクル、電車、バス、及びその他の交通機関の少なくともいずれか一つの利用に関する情報を取得する。なお、交通手段は、上記に例示したものに限られず、上記に例示した交通手段に類するものが含まれてもよい。
例えば、第2取得部133は、利用する交通手段に関する情報をユーザから取得してもよいし、各交通手段に対応する交通機関装置30から取得してもよい。具体的には、第2取得部133は、ユーザがタクシー配車アプリを利用している場合には、かかる利用履歴に基づいて、ユーザがタクシーを交通手段として利用した旨の情報を取得する。また、第2取得部133は、ユーザが改札を通過した情報等をユーザ端末10から取得した場合(例えば、交通費の支払処理や改札の通過にユーザ端末10が利用された場合等)、ユーザが電車等の公共交通機関を利用した旨の情報を取得する。
また、第2取得部133は、交通手段として、ユーザが所有する自家用車の利用に関する情報を取得してもよい。例えば、第2取得部133は、ユーザが利用するカーナビアプリから送信される情報に基づいて、ユーザが日常的に利用している自家用車に関する情報を取得する。
また、第2取得部133は、移動情報として、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離を取得する。この場合、ユーザが所在する地点とは、例えば、ユーザに通知が行われ、ユーザが配送品を受け取るために拠点に向かう旨を取引制御装置100に応答した時点においてユーザが所在する位置を示す。
例えば、第2取得部133は、通知を送信したタイミングや、ユーザから応答を受け取るタイミングでユーザ端末10から位置情報を取得することにより、ユーザが所在する地点を特定する。また、第2取得部133は、所定の地図情報等に基づいて、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの経路を導出し、導出した経路の距離を取得する。なお、第2取得部133は、地図情報等に限らず、所定の既知の技術を用いて、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離を取得してもよい。例えば、第2取得部133は、ユーザ端末10の位置情報と拠点の位置情報とを所定の検索エンジンに入力することにより、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離を取得してもよい。
なお、第2取得部133は、配送先の場所となりうる、ユーザの自宅の位置を示す位置情報や、勤務先の位置を示す位置情報等を取得してもよい。例えば、第2取得部133は、配送情報に記載されたユーザの配送先の住所や勤務先を参照して、ユーザの自宅の位置を示す位置情報や、ユーザの勤務先の位置を示す位置情報等を取得してもよい。かかる位置情報は、ユーザが拠点までの移動を行う際の経路情報や距離情報の導出に利用されてもよい。
ここで、第2取得部133は、位置情報の取得を継続することにより、ユーザの拠点となる箇所の位置情報を推定してもよい。例えば、第2取得部133は、ユーザ端末10から取得された位置情報のうち、深夜から早朝にかけて日常的に取得される位置情報を、ユーザの自宅を示す位置情報と推定してもよい。あるいは、第2取得部133は、ユーザ端末10から取得された位置情報のうち、平日の日中にかけて日常的に取得される位置情報を、ユーザの勤務先を示す位置情報と推定してもよい。
また、第2取得部133は、ユーザが配送品を拠点で受け取る旨の応答が受信部134によって受信されたことを契機として移動情報を取得してもよいし、任意のタイミングで移動情報を取得してもよい。例えば、第2取得部133は、ユーザに通知が送信される前であっても、ユーザが宅配サービスアプリやタクシー配車アプリ等のアプリを起動させるたびに移動情報(ユーザ端末10の位置情報等)を取得してもよい。
なお、第2取得部133は、ユーザ端末10のみならず、交通機関装置30から移動情報を取得してもよい。例えば、第2取得部133は、交通機関装置30がタクシー会社によって管理される場合、交通機関装置30から、ユーザが配車したタクシーの運行情報やタクシーの乗車料金に関する情報を移動情報として取得してもよい。この場合、交通機関装置30は、ユーザがタクシー配車アプリを介してタクシーの配車を依頼した情報、及び、取引制御装置100との通信処理により、ユーザが乗車しているタクシーを特定する。そして、交通機関装置30は、特定したタクシーに関する運行情報や乗車料金、また、ユーザがタクシーに乗車していた情報等の各種情報を取引制御装置100側に送信する。
(受信部134について)
受信部134は、各種の通信や応答を受信する。例えば、受信部134は、ユーザが配送品を拠点で受け取る旨の応答をユーザ端末10から受信する。
また、受信部134は、ユーザが配送品の受け取りに際して費用を負担した旨の通知を受信する。具体的には、受信部134は、交通機関装置30から、ユーザによって交通費等の支払処理が行われた旨の通知を受信する。
また、受信部134は、ユーザが所有するユーザ端末10内で実行されるアプリを介して通知を受信してもよい。例えば、図1で示したように、ユーザ端末10が利用するタクシー配車アプリによれば、ユーザは、アプリを介してタクシー代の支払処理を実行する。この場合、ユーザ端末10は、交通機関装置30に対する決済処理を行うとともに、取引制御装置100に当該決済に関する情報(支払額等)を送信する。そして、受信部134は、ユーザ端末10から送信された当該決済に関する情報を受信する。
(算出部135について)
算出部135は、第2取得部133によって取得された移動情報に基づいて、ユーザが配送品を所定の拠点において受け取るために負担したコストを算出する。
例えば、算出部135は、ユーザが利用する交通手段に関する情報に基づいてコストを算出する。算出部135は、算出条件記憶部123を参照し、交通手段ごとに設定されたコストとして算出する内容に基づいて、コストを算出する。
具体的には、算出部135は、交通手段を利用することによって生じた交通費であって、ユーザが所定の拠点において配送品を受け取るために生じた交通費に基づいて、コストを算出する。例えば、算出部135は、交通手段がタクシーである場合には、タクシーを利用することによって生じた乗車料金(タクシー代)に基づいて、コストを算出する。
なお、算出部135は、ユーザが支払った交通費等の金額の全てをコストとして算出してもよいし、一部をコストとして算出してもよい。例えば、算出部135は、ユーザがタクシーを利用した場合であって、ユーザが通知に応答した時点の位置情報と、当初の目的地の位置情報と、拠点の位置情報とが取得されている場合、これらの情報に基づいてコストを算出する。具体的には、算出部135は、ユーザが通知に応答して拠点に立ち寄った場合の乗車料金と、当初の目的先に直行していたと仮定したときの乗車料金との双方を算出する。
例えば、算出部135は、算出条件記憶部123を参照し、交通手段がタクシーである場合には、走行距離と乗車時間とに基づく算出手法によって乗車料金を算出する。この場合、算出部135は、必要に応じて交通機関装置30への問い合わせを行い、乗車料金の算出手法や、乗車料金の設定価格等を取得してもよい。そして、算出部135は、ユーザが通知に応答して拠点に立ち寄った場合の乗車料金と、当初の目的先に直行していたと仮定したときの乗車料金との差額を、ユーザが負担したコストとして算出する。
また、算出部135は、ユーザが所有する自家用車が交通手段となる場合には、自家用車を利用することによって生じた燃料費であって、ユーザが所定の拠点において配送品を受け取るために生じた燃料費に基づいて、コストを算出してもよい。例えば、算出部135は、ユーザが通知に応答した時点の位置から拠点までの距離と、算出時点における距離あたりの燃料費(具体的には、自家用車のガソリン代)を乗算することにより、ユーザが負担したコストを算出する。
また、算出部135は、交通手段に対応して、種々の算出手法を用いてコストを算出してもよい。例えば、算出部135は、交通手段がレンタカーやレンタルサイクルである場合には、レンタル料金の全部又は一部をコストとして算出してもよい。また、算出部135は、レンタカーについては燃料費等を加味してコストを算出してもよい。
なお、算出部135は、移動情報として、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離が取得された場合には、取得された距離に基づいてコストを算出してもよい。例えば、算出部135は、取得された移動情報において、交通手段等が明確でない場合や、交通費等を算出することが困難な場合等には、ユーザの位置と拠点までの距離に所定の値を乗算する等の手法により、ユーザの負担したコストを算出してもよい。
この場合、算出部135は、距離が所定の条件を満たすか否かを判定し、判定した結果に基づいてコストを算出してもよい。例えば、算出部135は、ユーザが所在する現在位置(例えば、タクシーに乗車した位置や、通知に応答した時点の位置)と、宅配センター等の拠点と、ユーザの目的地(例えば、ユーザの自宅)との各々を示す位置情報に基づいて、ユーザが実際に移動した距離を算出する。さらに、算出部135は、ユーザの実際の移動距離から、現在位置から拠点に寄らずに自宅まで移動したと仮定した場合の移動距離を差し引いた距離を算出する。そして、算出部135は、算出された距離が所定の条件を満たす場合に、算出された距離に基づいてユーザの負担したコストを算出する。言い換えれば、算出部135は、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定された分量の距離に基づいて、コストを算出してもよい。
上記の例において、算出部135は、種々の条件を設定してもよい。例えば、条件の一例は、ユーザの実際の移動距離が、現在位置から拠点に寄らずに自宅まで移動したと仮定した場合の移動距離と比較して、1.2倍以下の距離であること等である。算出部135は、距離の分量に関する条件を設定することで、コスト算出のために用いる距離を調整することができるので、ユーザが負担したコストとして過度に高い数値を算出しないようにすることができる。あるいは、条件は、ユーザの実際の移動距離から、現在位置から拠点に寄らずに自宅まで移動したと仮定した場合の移動距離を差し引いた距離が所定の値以下であること等であってもよい。すなわち、算出部135は、過度に長い距離の移動が行われた場合には、当該移動の全ての距離を用いて算出を行うのではなく、条件を満たす分量だけの距離を用いてコストを算出するようにしてもよい。また、算出部135は、距離のみならず、拠点までの移動に費やす所要時間等に基づいて、コストを算出してもよい。算出部135は、所要時間に関しても、上記の距離と同様に所定の条件を設定し、条件を満たす分量の時間のみを用いて、コストを算出するようにしてもよい。また、算出部135は、距離のみならず、拠点までの移動に費やす所要時間等に基づいて、コストを算出してもよい。また、算出部135は、距離のみならず、拠点までの移動に費やす所要時間等に基づいて、コストを算出してもよい。
さらに、算出部135は、拠点に立ち寄るというユーザの手間に掛かる所定の手数料をコストに含めてもよい。具体的には、算出部135は、上記の交通費や燃料費等の実費とは別に、ユーザの手間に掛かる所定の手数料を含めて、ユーザが配送品の受け取りのために費やしたコストを算出する。ユーザの手間に掛かる所定の手数料は、固定額であってもよいし、動的な額であってもよい。例えば、算出部135は、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離が長いほど、より多くの額の手数料をコストに含めてもよい。
また、算出部135は、算出条件記憶部123を参照し、所定の条件に適合する状況下で発生した費用のみをユーザが負担したコストとして算出するようにしてもよい。例えば、算出部135は、ユーザがタクシーを利用する場合、「ユーザが配送品を受け取る拠点は自宅から最寄りの拠点であること」や、「拠点までの距離が所定距離以下であること」や、「アプリとの連動によって位置情報が取得されていること」等を条件として、コストを算出してもよい。なお、上記で列挙した条件はあくまで一例であり、算出部135は、種々の条件を設定したうえで、コストを算出してもよい。
算出部135は、算出したコストに関する情報を取引履歴記憶部124に格納する。また、算出部135は、算出条件に関して、例えば取引制御装置100の管理者や、交通機関装置30から入力や更新を受け付けた場合には、算出条件記憶部123に情報を格納したり、格納された情報を更新したりする。また、算出部135は、算出したコストに関する情報を第3取得部136に送る。
なお、算出部135は、任意のタイミングでコストの算出処理を行ってもよい。例えば、算出部135は、拠点においてユーザが配送品を受け取った旨の情報を配送業者装置50から受信したことを契機として、コストの算出処理を行ってもよい。あるいは、算出部135は、ユーザがタクシー代等の費用を支払った旨の情報を交通機関装置30から受信したことを契機として、コストの算出処理を行ってもよい。
さらに、算出部135は、算出したコストに基づいて、配送業者が取引制御装置100側に支払う対価を算出してもよい。例えば、算出部135は、ユーザが負担したコストの額に所定の手数料を加算した額を、配送業者が取引制御装置100側に支払う対価として算出してもよい。
(第3取得部136について)
第3取得部136は、所定の拠点に配送された配送品をユーザが受け取る場合に、配送品の受け取りに際してユーザが負担したコストに関する情報を取得する。例えば、第3取得部136は、ユーザが負担したコストに関する情報として、算出部135が算出した金額を取得する。
ここで、第3取得部136は、算出部135によって算出された金額以外の情報を、ユーザが負担したコストに関する情報として取得してもよい。具体的には、第3取得部136は、コストに関する情報として、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費に関する情報を取得する。例えば、第3取得部136は、ユーザが利用した交通機関の交通費自体をユーザから取得し、取得した交通費をユーザが負担したコストとして推定してもよい。
より具体的には、第3取得部136は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用したタクシーの代金に関する情報を取得してもよい。この場合、第3取得部136は、交通機関装置30を介してタクシーの代金を取得してもよいし、ユーザからの自己申告によってタクシーの代金を取得してもよい。また、交通機関装置30とユーザ端末10内のタクシー配車アプリが連動する場合には、第3取得部136は、当該アプリを介してタクシーの代金に関する情報を取得してもよい。
なお、第3取得部136は、ユーザが負担したタクシー代の全額をコストに関する情報として取得してもよいし、一部の金額をコストに関する情報として取得してもよい。具体的には、第3取得部136は、一部の金額として、ユーザが所定の拠点を訪れることにより生じるタクシーの代金に関する情報を取得する。すなわち、第3取得部136は、ユーザが拠点を訪れる場合に生じる額のみを、ユーザが負担したコストとして取得してもよい。
また、第3取得部136は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費に関する情報を取得するとともに、当該ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費に関する情報を取得してもよい。上記のように、算出部135は、タクシー配車アプリの機能に基づいて、ユーザが入力した目的地に応じて、目的地までユーザがタクシーに乗車した場合の交通費や、仮に拠点に立ち寄った場合の交通費を推定したりすることができる。すなわち、算出部135は、実際にユーザが移動した場合の交通費のみならず、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費を算出することができる。なお、算出部135は、例えば所定の乗換案内アプリ等に基づいて、ユーザが移動しようとする目的地や拠点までの交通費(例えば、電車やバスの交通費)を算出してもよい。第3取得部136は、このように算出部135が算出した交通費に関する情報を取得する。
また、第3取得部136は、ユーザが所定の拠点に移動する前に、ユーザが配送品の受け取りに際して利用する交通機関の交通費に関する情報から、当該ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費を差し引いた額を取得してもよい。上記のように、算出部135は、タクシー配車アプリの機能に基づいて、ユーザが実際に移動する前に、ユーザから指定された目的地や拠点までの交通費を算出することができる。このため、第3取得部136は、ユーザが所定の拠点に移動する前に、ユーザが配送品の受け取りに際して利用する交通機関の交通費に関する情報(例えば、具体的な交通費の額)を取得することができる。
(取引制御部137について)
取引制御部137は、第3取得部136によって取得されたコストに関する情報に基づいて、配送品の受け取りに対する対価が配送品の配送を担う配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
具体的には、取引制御部137は、配送業者が取引制御装置100に支払った対価に基づいてユーザにキャッシュバックを行うことを介して、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
例えば、取引制御部137は、ユーザが配送品の受け取りに際して費用を負担した旨の通知が受信部134によって受信されたことを契機として取引処理を実行する。具体的には、取引制御部137は、ユーザが所有するユーザ端末10内で実行されるアプリ(上述したタクシー配車アプリ等)を介して通知が受信された場合に、取引処理を実行する。この場合、取引制御部137は、アプリを介して、取引処理が実行された旨をユーザに通知する。例えば、取引制御部137は、図2で示した通知77や通知79等を送信することで、取引処理が実行された旨をユーザに通知する。
例えば、取引制御部137は、第3取得部136によって取得されたコスト(例えば交通費)の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。すなわち、取引制御部137は、ユーザが負担した分だけの金額を還元するような取引を行うことで、ユーザが拠点まで移動して配送品を受け取ることのデメリットをなくすことができる。
具体的には、取引制御部137は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用したタクシーの代金の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。この場合、取引制御部137は、タクシー代金として支払った額の全てをコストとして扱うのではなく、ユーザが所定の拠点を訪れることにより生じるタクシーの代金の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行してもよい。より具体的には、取引制御部137は、ユーザが拠点に向かうために費やしたタクシー代金がユーザに還元されるような取引処理を実行する。
また、取引制御部137は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費から、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費を差し引いた額を超える額の対価が、配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行してもよい。この場合、取引制御部137は、ユーザが直接目的地に向かうよりも、配送の拠点を経由することで、実質的に安い料金でユーザが移動を行うことができるように対価が還元されるような取引を制御することができる。具体的には、ユーザは、配送の拠点を経由したことにより還元される対価に鑑みると、実質的には、直接目的地に向かうよりも拠点を経由した方が得になるような額の対価を受け取ることができる。なお、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費等は、上述のように、算出部135によって予め算出され、第3取得部136によって取得される。
さらに、取引制御部137は、第3取得部136によって取得された額を通知されたユーザから当該額に了承する旨の応答を受け付けている場合に、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行するようにしてもよい。すなわち、送信部132は、どのくらいの額の対価がユーザに還元される予定であるか、といった情報を含んだ通知をユーザに送信する。そして、当該額に了承した旨をユーザが応答したという履歴(ログ)がある場合に、取引制御部137は、上記の取引処理を実行する。これにより、取引制御部137は、ユーザが対価の額に納得したうえで取引処理を実行することができる。このため、取引制御部137は、より積極的にユーザが拠点まで配送品を受け取りに行くための動機付けを与えることができる。
ここで、取引制御部137は、所定の拠点における配送品の受け取りに際してユーザによって利用された交通機関に対する手数料が、配送業者から交通機関の運営者に対して支払われる取引処理を実行してもよい。例えば、取引制御部137は、配送品を受け取りに来てくれたユーザのみならず、当該ユーザを輸送したタクシー会社等に所定の手数料を配送業者が支払うような取引処理を実行してもよい。これにより、取引制御部137は、配送業者の配送の手間を減らすことができるとともに、ユーザを輸送したタクシー会社等の交通機関にもメリットを与えるような取引処理を実行することができる。
なお、取引制御部137は、上記の取引処理と併せて、配送品を受け取ったユーザに対して特典を付与する処理を実行してもよい。例えば、取引制御部137は、ユーザにキャッシュバックされる金額に基づいて、所定のサービスで利用することのできるポイント数やクーポンの内容を算出する。そして、取引制御部137は、ユーザにキャッシュバックを行う取引処理と併せて、ポイントやクーポンをユーザに付与する処理を実行する。
取引制御部137は、実行した取引の結果を取引履歴記憶部124に格納する。なお、取引制御部137は、例えば所定の配送業者が未払いを発生させたこと等の取引の詳細な情報を記憶してもよい。また、取引制御部137は、取引の状況に伴い、配送業者や交通機関ごとの評価情報等を取引履歴記憶部124に格納してもよい。
〔1−4.ユーザ端末の構成〕
次に、図9を用いて、第1の実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。図9は、第1の実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。図9に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。なお、ユーザ端末10が有する各処理部の接続関係は、図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、交通機関装置30や配送業者装置50や取引制御装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、ユーザ端末10に備えられた操作キー等によって実現される。また、入力部12には、画像を撮影するための撮像装置(カメラ等)や、音声を集音する集音機器(マイク等)が含まれてもよい。
表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。表示部13は、例えば、取引制御装置100から送信される通知(メッセージ)を表示する。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、ユーザ端末10に対する各種操作や、ユーザ端末10の周囲の環境情報等を検知する。例えば、検知部14は、各種情報を検知するセンサやアンテナにより実現される。具体的には、検知部14は、ユーザ端末10と接続されている機器に関する通信状況や、ユーザ端末10の周囲の照度や騒音、ユーザ端末10の物理的な動き、ユーザ端末10の位置情報等を検知する。
例えば、検知部14は、入力部12に入力された情報に基づいて、ユーザの操作を検知する。すなわち、検知部14は、入力部12に画面をタッチする操作の入力があったことや、音声の入力があったこと等を検知する。また、検知部14は、ユーザによって所定のアプリが起動されたことを検知してもよい。かかるアプリがユーザ端末10内の撮像機能(例えば、カメラ)を動作させるアプリである場合、検知部14は、ユーザによって撮像機能が利用されていることを検知する。また、検知部14は、ユーザ端末10内に備えられた加速度センサやジャイロセンサ等で検知されたデータに基づき、ユーザ端末10自体が動かされているといった操作を検知してもよい。例えば、検知部14は、ジャイロセンサ等で検知されたデータに基づき、ユーザ端末10がユーザの手の中にあることや、ユーザが片手でユーザ端末10を取り扱っていること等を検知する。
また、検知部14は、ユーザ端末10の現在位置を検知する。具体的には、検知部14は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてユーザ端末10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。
なお、検知部14は、GPS以外の種々の手法により位置情報を取得してもよい。例えば、ユーザ端末10が駅改札や商店等で使用される非接触型ICカードと同等の機能を備えている場合(もしくは、ユーザ端末10が非接触型ICカードの履歴を読み取る機能を備えている場合)、ユーザ端末10によって駅での乗車料金の決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。検知部14は、かかる情報を検知し、位置情報として取得する。また、検知部14は、ユーザ端末10が特定のアクセスポイントと通信を行う際には、アクセスポイントから取得可能な位置情報を検知してもよい。また、位置情報は、ユーザ端末10が備える光学式センサや、赤外線センサや、磁気センサ等によって取得されてもよい。
また、検知部14は、ユーザ端末10に接続される外部装置を検知する。例えば、検知部14は、外部装置との相互の通信パケットのやり取りや、外部装置が発する信号等に基づいて、外部装置を検知する。具体的には、検知部14は、外部装置が利用しているWifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の電波を検知する。また、検知部14は、外部装置と通信が確立する場合に、外部装置との接続の種類を検知してもよい。例えば、検知部14は、外部装置と有線で接続されているか、無線通信で接続されているかを検知する。また、検知部14は、無線通信で用いられている通信方式等を検知してもよい。また、検知部14は、外部装置が発する電波を検知する電波センサや、電磁波を検知する電磁波センサ等によって取得される情報に基づいて、外部装置を検知してもよい。外部装置の一例は、ユーザ端末10を利用するユーザが利用する他のデバイス(他のユーザ端末10)であり、例えば、ウェアラブルデバイスや、設置型のIoT(Internet of Things)機器等である。
また、検知部14は、ユーザ端末10における環境を検知する。検知部14は、ユーザ端末10に備えられた各種センサや機能を利用し、環境に関する情報を検知する。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の周囲の音を収集するマイクロフォンや、ユーザ端末10の周囲の照度を検知する照度センサや、ユーザ端末10の物理的な動きを検知する加速度センサ(又は、ジャイロセンサなど)や、ユーザ端末10の周囲の湿度を検知する湿度センサや、ユーザ端末10の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を利用する。そして、検知部14は、各種センサを用いて、種々の情報を検知する。例えば、検知部14は、ユーザ端末10の周囲における騒音レベルや、ユーザ端末10の周囲がユーザの虹彩を撮像に適する照度であるか等を検知する。さらに、検知部14は、カメラで撮影された写真や映像に基づいて周囲の環境情報を検知してもよい。
また、ユーザ端末10は、検知部14によって検知された情報に基づいて、ユーザ端末10のコンテキストを示すコンテキスト情報を取得するようにしてもよい。上述のように、ユーザ端末10は、内蔵された各種センサにより、位置、加速度、温度、重力、回転(角速度)、照度、地磁気、圧力、近接、湿度、回転ベクトルといった、種々の物理量をコンテキスト情報として取得する。また、ユーザ端末10は、内蔵する通信機能を利用して、各種装置との接続状況(例えば、通信の確立に関する情報や、利用している通信規格)などを、コンテキスト情報として取得してもよい。
(記憶部15について)
記憶部15は、各種情報を記憶する。記憶部15は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部15には、サービス情報記憶部151が含まれる。
サービス情報記憶部151は、例えば、ユーザが利用したサービスに関する情報を記憶する。具体的には、サービス情報記憶部151は、ユーザが利用したサービスにおける行動履歴(ログ)を記憶する。例えば、サービス情報記憶部151は、所定のサービスサーバ(ウェブサーバ等)から提供されるショッピングサイトに購入要求を送信したログ等を記憶する。また、サービス情報記憶部151は、所定のサービスサーバに送信した注文情報等の内容を記憶してもよい。例えば、サービス情報記憶部151は、ユーザが注文した商品の配送先を指定した情報を記憶する。かかる情報は、例えば、注文を受け付けた所定のサービスサーバを介して、配送業者装置50に送信される。
制御部16は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
制御部16は、ユーザ端末10において行われる各種処理を制御する。図9に示すように、制御部16は、受信部161と、取得部162と、送信部163とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
受信部161は、各種情報を受信する。例えば、受信部161は、交通機関装置30や取引制御装置100から送信される情報を受信する。また、受信部161は、検知部14が検知する各種情報を受信する。また、受信部161は、取引制御装置100から通知される配送情報を受信する。
取得部162は、各種情報やデータを取得する。例えば、取得部162は、所定のサービスサーバにアクセスすることで、ユーザが閲覧を所望するウェブページを取得する。また、取得部162は、アプリのダウンロードサイト等を介して、取引制御装置100が提供する所定のアプリを取得してもよい。例えば、取得部162は、図2で示したタクシー配車アプリや、宅配サービスアプリ等を取得する。
送信部163は、各種情報を送信する。例えば、送信部163は、サービスにおいてユーザが商品等を注文した場合、所定のサービスサーバに注文情報を送信する。また、送信部163は、検知部14によって検知された情報を取引制御装置100に送信する。例えば、送信部163は、取引制御装置100から要求を受け付けた場合や、所定のアプリを起動したタイミングや、所定時間ごと(例えば1分ごと)に、ユーザ端末10の位置情報を取引制御装置100に送信する。
〔1−5.処理手順〕
次に、図10、図11及び図12を用いて、第1の実施形態に係る処理の手順について説明する。まず、図10を用いて、第1の実施形態に係る算出処理の手順を説明する。図10は、第1の実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(1)である。
図10に示すように、取引制御装置100は、配送品が拠点に到着した旨の情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。配送品が拠点に到着した旨の情報を取得していない場合(ステップS101;No)、取引制御装置100は、取得するまで待機する。
一方、配送品が拠点に到着した旨の情報を取得した場合(ステップS101;Yes)、取引制御装置100は、配送品に関する通知をユーザに送信する(ステップS102)。その後、取引制御装置100は、ユーザから通知への応答を受けたか否かを判定する(ステップS103)。ユーザから通知への応答を受けていない場合(ステップS103;No)、取引制御装置100は、応答を受けるまで待機する。
一方、ユーザから通知への応答を受けた場合(ステップS103;Yes)、取引制御装置100は、ユーザの移動情報を継続的に取得する(ステップS104)。なお、移動情報を取得する処理は、ステップS104に先立って(例えば通知をユーザに送信した時点から)行われていてもよい。
その後、取引制御装置100は、拠点において配送品をユーザが受け取った旨の情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。拠点において配送品をユーザが受け取った旨の情報を受信していない場合(ステップS105;No)、取引制御装置100は、情報を受信するまで待機する。
一方、拠点において配送品をユーザが受け取った旨の情報を受信した場合(ステップS105;Yes)、取引制御装置100は、配送品の受け取りに関するコストを算出する(ステップS106)。そして、取引制御装置100は、算出したコストを記憶部120内に格納する(ステップS107)。その後、取引制御装置100は、取引が実行される契機となる事象(例えば、ユーザがタクシー代等を支払った旨の情報を受信したこと等)が発生するまで、取引制御装置100は待機する。
次に、図11を用いて、実施形態に係る取引制御処理の手順を説明する。図11は、第1の実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(2)である。
図11に示すように、取引制御装置100は、配送品の受け取りに関してユーザが費用を負担した旨の情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。ユーザが費用を負担した旨の情報を受信していない場合(ステップS201;No)、取引制御装置100は、情報を受信するまで待機する。
一方、ユーザが費用を負担した旨の情報を受信した場合(ステップS201;Yes)、取引制御装置100は、ユーザが負担したコストに基づいて配送業者が支払う対価の額を算出し、配送業者が支払う対価の額を配送業者に通知する(ステップS202)。具体的には、取引制御装置100は、対価の額を示した通知を配送業者装置50に送信する。
その後、取引制御装置100は、配送業者から対価の支払いを受け付ける(ステップS203)。例えば、取引制御装置100は、所定の決済処理において、配送業者装置50から取引制御装置100への対価の額の振込を受け付ける。続いて、取引制御装置100は、ユーザに対して対価の還元及び特典の付与を実行する(ステップS204)。
次に、図12を用いて、取引制御システム1における処理の流れを説明する。図12は、第1の実施形態に係る処理手順を示すシーケンス図である。
まず、配送業者装置50は、配送品が到着した旨を取引制御装置100に通知する(ステップS301)。取引制御装置100は、配送品の受け取り依頼を含む通知をユーザ端末10に送信する(ステップS302)。ユーザ端末10は、ユーザの操作に従って、依頼に対して応答を行う(ステップS303)。
このとき、取引制御装置100は、例えばタクシー配車アプリ等を介してユーザがタクシーを利用していることを参照した場合、交通機関装置30(図12の例ではタクシー会社に相当する)に移動情報を要求してもよい(ステップS304)。交通機関装置30は、要求された移動情報を取引制御装置100に送信する(ステップS305)。また、ユーザ端末10も、取引制御装置100に移動情報を送信する(ステップS306)。なお、ステップS305及びステップS306の処理は、どちらが先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
取引制御装置100は、取得した移動情報に基づいて、ユーザが負担するコストを算出する(ステップS307)。その後、ユーザ端末10は、交通機関装置30に乗車料金の支払い処理を行う(ステップS308)。交通機関装置30は、ユーザから支払いが行われた旨を取引制御装置100に通知する(ステップS309)。なお、ステップS309の処理は、ユーザ端末10によって行われてもよい。
取引制御装置100は、ステップS309の処理を契機として、配送品受け取りの対価を算出する(ステップS310)。そして、取引制御装置100は、配送品受け取りの対価の額を配送業者装置50に通知する(ステップS311)。配送業者装置50は、通知された額の対価の支払い処理を実行する(ステップS312)。続けて、取引制御装置100は、ユーザ端末10に対して対価を還元する処理を実行する(ステップS313)。
〔1−6.処理のバリエーション〕
上述した取引制御処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第1の実施形態に係る取引制御処理のバリエーションについて説明する。
〔1−6−1.配送業者の要望に応じた算出処理〕
取引制御装置100は、所定の拠点においてユーザに配送品を受け取ってもらうことを配送業者が要望する度合いに関する情報を取得してもよい。また、取引制御装置100は、配送業者が要望する度合いに基づいてコストを算出してもよい。
例えば、宅配センターのような拠点では、配送に従事する人員が足りなかったり、配送品を格納しておくスペースが足りなかったりするなどの事情から、ユーザに配送品を受け取ってもらうことを強く要望するような状況が起こり得る。このとき、配送業者装置50は、ユーザに配送品を受け取ってもらうことを要望する度合いを取引制御装置100に通知してもよい。
そして、取引制御装置100は、配送業者が要望する度合いを取得した場合、度合いに基づいて、例えば算出処理において所定の調整処理を行ってもよい。具体的には、取引制御装置100は、度合いが高いほど、ユーザが負担したコストの額を高く算出してもよい。これにより、取引制御装置100は、配送業者が支払う対価の額や、ユーザに還元される額を高く算出することができる。
すなわち、ユーザに対して配送品を拠点まで受け取りにきてほしいという配送業者の要望が達成された場合に、取引制御装置100は、かかる要望に応えるかたちで、算出処理を行うことができる。これにより、取引制御装置100は、配送品を受け取りに来たことによる還元をより手厚くユーザに対して行うことができるため、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けを強く与えることができる。また、取引制御装置100は、配送業者の要望に応えることができる。
この場合、取引制御装置100は、ユーザに送信する通知に、「いま配送品を取りに来てくれれば特典アップ!」など、ユーザの行動を促す内容を含めてもよい。
〔1−6−2.受け取りの回数等に応じた算出処理〕
また、取引制御装置100は、ユーザが拠点で受け取った回数等に応じて、算出処理において所定の調整処理を行ってもよい。例えば、取引制御装置100は、ユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数、又は、所定の拠点で配送品を受け取った割合に関する情報を取得する。そして、取引制御装置100は、ユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数、又は、所定の拠点で配送品を受け取った割合に関する情報に基づいて、コストを算出してもよい。
具体的には、取引制御装置100は、拠点まで受け取りに来る回数の多いユーザに対して、算出したコストに所定の上乗せを行う算出処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、拠点まで出向いて配送品を受け取る回数の多いユーザほど高い還元を受けることができるため、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに強く与えることができる。
また、取引制御装置100は、所定の期間においてユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数又は頻度に関する情報を取得し、回数又は頻度に関する情報に基づき調整された対価が、配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行してもよい。具体的には、取引制御装置100は、頻繁に拠点に受け取りに訪れるユーザに対しては、対価の額を増量したり、より優遇された特典を付与したりするなどの調整処理を行うよう制御してもよい。これにより、取引制御装置100は、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
〔1−6−3.関係者の移動情報に基づく算出処理〕
また、取引制御装置100は、ユーザ本人のみならず、ユーザの家族や友人などの関係者が配送品を受け取る場合にも、その移動に費やした負担を還元するような処理を行ってもよい。
例えば、取引制御装置100は、通知の送信先となるユーザの関係者がユーザ宛ての配送品を所定の拠点において受け取る場合には、関係者に関する移動情報を取得する。また、取引制御装置100は、関係者に関する移動情報に基づいてコストを算出する。
例えば、配送品受け取りの依頼の通知を受けたユーザは、その通知を関係者の所有する端末に転送する旨の要求を取引制御装置100に送信する。そして、取引制御装置100から転送された通知を受信した関係者は、ユーザの代わりに拠点に立ち寄り、配送品を受け取る。この場合、取引制御装置100は、当該関係者の端末や交通機関装置30から、関係者に係る移動情報を取得する。そして、取引制御装置100は、関係者に係る移動情報に基づいて、関係者が負担したコストを算出する。さらに、取引制御装置100は、算出したコストに基づいて、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。なお、取引制御装置100は、配送業者が関係者に対して対価を支払う取引処理を実行してもよい。
このように、取引制御装置100は、必ずしもユーザ本人が配送品を受け取る場合に限らず、ユーザの家族や友人等の関係者が配送品を受け取った場合にも対価や特典が与えられるような処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、拠点で配送品を受け取る動機付けをユーザに与えることができる。
〔1−6−4.取引処理の対象〕
取引制御装置100は、配送業者からユーザに対価が還元される取引のみならず、配送業者から交通機関に対価が還元される取引を制御してもよい。
例えば、取引制御装置100は、所定の拠点における配送品の受け取りに際してユーザによって利用された交通機関に対する手数料が、配送業者から当該交通機関の運営者に対して支払われる取引処理を実行する。
これにより、交通機関側は、拠点に立ち寄ることによる手間に掛かる料金を配送業者から受け取ることができる。また、取引制御装置100によれば、交通機関側が積極的に配送品を受け取るための動機付けを与えることになるので、配送業者が行う配送の数を減らし、配送に掛かる負担を軽減させることができる。
〔1−7.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、送信部132と、第2取得部133と、算出部135とを有する。送信部132は、所定の拠点に配送された配送品に関する通知をユーザに送信する。第2取得部133は、送信部132によって送信された通知に係る配送品の受け取りに際して、ユーザが所定の拠点まで移動する場合の移動に関する情報である移動情報を取得する。算出部135は、第2取得部133によって取得された移動情報に基づいて、ユーザが配送品を所定の拠点において受け取るために負担したコストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、配送品の受け取りに際してユーザが所定の拠点まで移動した際の移動情報に基づいてコストを算出するため、移動に際する負担を的確に算出することができる。言い換えれば、取引制御装置100は、配送品を拠点で受け取るという手間に相当する額を算出することで、配送品の受け取りにおける負担をなくすことができる。これにより、取引制御装置100は、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、第2取得部133は、移動情報として、ユーザが利用する交通手段に関する情報を取得する。算出部135は、交通手段に基づいてコストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザの交通手段に応じたコストを算出する。これにより、取引制御装置100は、実情に即した的確なコスト算出処理を行うことができる。
また、第2取得部133は、交通手段として、タクシー、レンタカー、レンタルサイクル、電車及びバスの少なくともいずれか一つの利用に関する情報を取得する。算出部135は、交通手段を利用することによって生じた交通費であって、ユーザが所定の拠点において配送品を受け取るために生じた交通費に基づいて、コストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、種々の交通手段に応じた算出手法に基づいてコスト算出を行う。これにより、取引制御装置100は、実情に即した的確なコスト算出処理を行うことができる。
また、第2取得部133は、交通手段として、ユーザが所有する自家用車の利用に関する情報を取得する。算出部135は、自家用車を利用することによって生じた燃料費であって、ユーザが所定の拠点において配送品を受け取るために生じた燃料費に基づいて、コストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、自家用車のような明示的な交通費が発生しない交通手段に対しても、燃料費等に基づく算出処理を行うことで、適切なコストの算出処理を行うことができる。
また、第2取得部133は、移動情報として、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離を取得する。算出部135は、第2取得部133によって取得された距離に基づいてコストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、距離に応じた算出処理を行うことで、実際にユーザが移動において負担したコストを的確に算出することができる。
また、第2取得部133は、所定の拠点においてユーザに配送品を受け取ってもらうことを配送業者が要望する度合いに関する情報を取得する。算出部135は、配送業者が要望する度合いに基づいてコストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、配送業者の要望の度合いを要素にして算出を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、配送業者側の事情に即した算出処理を行うことになるため、需要と供給のバランスに鑑みた算出処理を行うことができる。
また、算出部135は、ユーザが所在する地点から所定の拠点までの距離が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定される分量の距離に基づいて、コストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、コスト算出のために用いる距離に関する条件を判定し、判定結果に基づいた算出処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、過度に高額な対価をユーザに支払うことのないよう、取引を的確に制御することができる。
また、第2取得部133は、ユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数、又は、所定の拠点で配送品を受け取った割合に関する情報を取得する。算出部135は、ユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数、又は、所定の拠点で配送品を受け取った割合に関する情報に基づいて、コストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザの行動履歴に基づいて調整された算出処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、配送品を受け取る傾向にあるユーザほど優遇されたコスト算出を行うことができるため、より配送品を拠点で受け取ろうとする動機付けをユーザに強く与えることができる。
また、第2取得部133は、通知の送信先となるユーザの関係者がユーザ宛ての配送品を所定の拠点において受け取る場合には、関係者に関する移動情報を取得する。算出部135は、関係者に関する移動情報に基づいてコストを算出する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザ以外の関係者等の行動に基づいて算出処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、ユーザ本人が拠点を訪れることのできない場合であっても、配送品の拠点での受け取りを促進させることができるため、結果として、配送業者による配送の手間を軽減させることができる。
また、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、第3取得部136と、取引制御部137とを有する。第3取得部136は、所定の拠点に配送された配送品をユーザが受け取る場合に、当該配送品の受け取りに際してユーザが負担したコストに関する情報を取得する。取引制御部137は、第3取得部136によって取得されたコストに関する情報に基づいて、配送品の受け取りに対する対価が当該配送品の配送を担う配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザが負担したコストに基づいて、配送業者からユーザへ還元が行われるような取引処理を実行する。言い換えれば、取引制御装置100は、拠点で配送品を受け取るという手間を掛けたユーザに対して、その手間に応じた金額が渡るような取引処理を実行する。これにより、取引制御装置100は、配送品の受け取りに関するユーザの負担を解消することができるため、結果として、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザが配送品の受け取りに際して費用を負担した旨の通知を受信する受信部134をさらに備える。取引制御部137は、受信部134によって通知が受信されたことを契機として、取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザが費用を負担したことを契機として取引処理を実行することで、費用を負担したユーザに対して迅速な還元を行うことができる。
また、受信部134は、ユーザが所有する端末装置(ユーザ端末10)内で実行されるアプリを介して通知を受信する。取引制御部137は、アプリを介して、取引処理が実行された旨をユーザに通知する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、アプリを介して取引処理の通知を行うことにより、手続の手間や取引上の複雑な処理等をユーザに感じさせることなく、取引処理を実行することができる。言い換えれば、取引制御装置100は、ユーザを煩わせることなく対価の還元等を行うことができるため、ユーザビリティの高い処理を提供することができる。
また、第3取得部136は、コストに関する情報として、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費に関する情報を取得する。取引制御部137は、第3取得部136によって取得された交通費の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザが負担した交通費が配送業者からユーザに支払われるような取引処理を実行する。これにより、取引制御装置100は、配送品の受け取りに係るユーザの負担を軽減させるので、配送品の拠点での受け取りを促進させることができる。
また、第3取得部136は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用したタクシーの代金に関する情報を取得する。取引制御部137は、タクシーの代金の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザの利用したタクシー代が還元されるような取引処理を実行することで、ユーザがタクシーを利用したついでに配送品を受け取らせるといった行動を促進させることができる。これにより、取引制御装置100は、配送業者による配送の数を減らし、配送の手間を軽減させることができる。
また、第3取得部136は、ユーザが所定の拠点を訪れることにより生じるタクシーの代金に関する情報を取得する。取引制御部137は、ユーザが所定の拠点を訪れることにより生じるタクシーの代金の全部又は一部が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、配送品の受け取りに係る移動のタクシー代を配送業者が負担するような取引処理を実行する。これにより、取引制御装置100は、配送業者が過度にユーザの移動代を負担することのないよう取引金額を抑制しつつ、配送業者の配送の手間を減らすことができる。
また、第3取得部136は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費に関する情報を取得するとともに、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費に関する情報を取得する。取引制御部137は、ユーザが配送品の受け取りに際して利用した交通機関の交通費から、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費を差し引いた額を超える額の対価が、配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、実質的に拠点を経由した方がユーザにとって得をする額を還元するような取引処理を実行する。これにより、取引制御装置100は、拠点に立ち寄ろうとするユーザのモチベーションを向上させることができる。
また、第3取得部136は、ユーザが所定の拠点に移動する前に、ユーザが配送品の受け取りに際して利用する交通機関の交通費に関する情報から、ユーザが拠点に立ち寄らずに目的地まで移動した場合に発生すると推定される交通費を差し引いた額を取得する。取引制御部137は、第3取得部136によって取得された額を通知されたユーザから当該額に了承する旨の応答を受け付けている場合に、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザの移動の前に還元される対価を通知したうえで、取引処理を実行してもよい。これにより、取引制御装置100は、ユーザが額に納得した上で取引処理を実行することができるため、ユーザにとって満足度の高い取引を提供することができる。
また、取引制御部137は、所定の拠点における配送品の受け取りに際してユーザによって利用された交通機関に対する手数料が、配送業者から当該交通機関の運営者に対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、配送の手間を減らした対価として、配送業者が交通機関に手数料を払うような取引を実行してもよい。これにより、取引制御装置100は、配送の手間を減らすための行動を交通機関に促すことができるため、配送業者のみならず、交通機関が協力して配送の手間を減らすような状況を導くことができる。
また、第3取得部136は、通知の送信先となるユーザの関係者がユーザ宛ての配送品を所定の拠点において受け取る場合には、当該配送品の受け取りに際して当該関係者が負担したコストに関する情報を取得する。取引制御部137は、関係者が負担したコストに関する情報に基づいて、配送品の受け取りに対する対価が配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、ユーザ以外の関係者等の行動に基づいて対価の還元に係る取引処理を行ってもよい。これにより、取引制御装置100は、ユーザ本人が拠点を訪れることのできない場合であっても、配送品の拠点での受け取りを促進させることができるため、結果として、配送業者による配送の手間を軽減させることができる。
また、第3取得部136は、所定の期間においてユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数又は頻度に関する情報を取得する。取引制御部137は、所定の期間においてユーザが所定の拠点で配送品を受け取った回数又は頻度に関する情報に基づき調整された対価が、配送業者からユーザに対して支払われる取引処理を実行する。
このように、第1の実施形態に係る取引制御装置100は、頻繁に拠点で配送品を受け取る傾向にあるユーザほど、優遇された対価や特典を受け得るような調整処理を行うことにより、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
〔2.第2の実施形態〕
〔2−1.第2の実施形態に係る取引制御処理の一例〕
次に、第2の実施形態に係る取引制御処理の一例について説明する。第1の実施形態に係る取引制御処理では、取引制御装置100が、配送品が拠点に到着した時点でユーザに通知を送信する例を示した。第2の実施形態に係る取引制御装置200は、配送品に関する情報や、ユーザに関する情報に基づいて、ユーザに通知を送信するタイミングを判定し、ユーザに対してより適切なタイミングで通知を送信する。具体的には、取引制御装置200は、所定の拠点に配送される配送品に関する情報、及び、当該配送品の受取人であるユーザに関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、所定の拠点においてユーザに配送品を受け取ってもらうことを要望する旨の通知を送信するタイミングを判定する。かかる処理について、図13及び図14を用いて説明する。
まず、図13を用いて、第2の実施形態に係る取引制御処理の一例の流れについて説明する。図13は、第2の実施形態に係る取引制御処理の一例を示す図である。図13では、第2の実施形態に係る取引制御装置200によって、配送品受け取りの依頼の通知をユーザに送信するタイミングを判定する処理が行われる例を示す。なお、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と共通する処理及び構成については説明を省略する。
図13に示すように、配送業者装置50は、所定の拠点に配送される配送品に関する情報を取引制御装置200に送信する(ステップS41)。なお、所定の拠点に配送される配送品とは、既に拠点に到着している配送品のみならず、将来、拠点に到着する予定である配送品を含む。すなわち、配送業者装置50は、拠点に配送品が到着する予定を示す予定情報を含んだ配送品に関する情報を取引制御装置200に送信してもよい。また、配送品の配送先であるユーザU01が所有するユーザ端末10は、ユーザがタクシーで移動していることや現時点の位置情報等を含むユーザの移動情報等を送信する(ステップS42)。
取引制御装置200は、取得した情報に基づいて、ユーザU01に配送品受け取りの依頼の通知を送信するか否かを判定する。具体的には、取引制御装置200は、取得した情報に基づいて、ユーザU01に配送品受け取りの依頼の通知を送信するタイミングを判定する(ステップS43)。
詳細は後述するが、取引制御装置200は、拠点においてユーザU01に配送品を受け取ってもらうことを要望する旨の通知に対して、ユーザU01が応答しやすいと想定されるタイミングを判定し、判定した結果に基づいて通知を送信する。あるいは、取引制御装置200は、ユーザU01に配送品を受け取ってもらうことを配送業者が要望する度合いに応じて、通知を送信するタイミングを判定してもよい。なお、取引制御装置200は、取得した情報に基づき、通知を送信するタイミングが到来していないと判定する場合には、現時点ではユーザU01に通知を送信しないと判定する。
例えば、取引制御装置200は、拠点となる宅配センターとユーザの現在位置とが所定の範囲内であるタイミングで通知を送信するよう判定する。あるいは、取引制御装置200は、ユーザが自家用車で移動しているか、又はタクシーで移動しているなど、配送品を運搬しやすい環境にあるタイミングで、通知を送信するよう判定してもよい。
また、取引制御装置200は、配送品に関する情報として、拠点である宅配センターの状況に基づいて通知を送信するタイミングを判定してもよい。例えば、取引制御装置200は、宅配センターにおいて配送品を格納しておくスペースが足りなかったり、配送品の量が多過ぎて配送員が足りなかったりするなどの事情がある場合に、通知を送信するタイミングと判定する。あるいは、取引制御装置200は、配送業者が配送を行おうとするルートにおいて、ユーザU01の自宅まで配送を行った場合に比較的効率が悪くなる(例えば、同程度の配送日時予定において、ユーザU01の自宅が他の配送先とは逆の方向に所在している場合など)という情報を得たタイミングで、通知を送信するよう判定する。
ステップS43の処理を経て、取引制御装置200は、ユーザU01に通知を送信すべきタイミングと判定した場合に、配送品の受け取り依頼をユーザ端末10に送信する(ステップS44)。ユーザU01は、配送品の受け取り依頼に応答する(ステップS45)。そして、ユーザU01は、配送品受け取りのために、拠点である宅配センターへ移動する(ステップS46)。ステップS46以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、図14を用いて、図13で説明した第2の実施形態に係る取引制御処理の流れについて、ユーザ端末10上でのユーザU01の操作に焦点を当てて説明する。図14は、第2の実施形態に係る取引制御処理の一例を説明する図である。図14では、ユーザ端末10が、取引制御装置200から通知される配送品受け取りの依頼に関する情報を表示する例を示す。
取引制御装置200は、所定のタイミングで配送品の受け取り依頼を通知する(ステップS51)。図13で説明したように、取引制御装置200は、通知に対してユーザU01が応答しやすいと想定されるタイミングや、ユーザU01に配送品を受け取ってもらうことを配送業者が要望する度合いに応じたタイミングで、通知を送信する。図14の例では、取引制御装置200は、ユーザU01がタクシー配車アプリを起動させ、自宅を目的地としてタクシーの配車を依頼したタイミングで通知を送信するものとする。なお、取引制御装置200は、ユーザU01を宛先とする配送品が宅配センターに保管されているという配送品に関する情報を配送業者装置50から予め取得しているものとする。
図14に示すように、ユーザ端末10は、取引制御装置200から送信された通知を画面上に表示する。図14で示す例では、ユーザ端末10は、「目的地までの移動の途中で、お客様宛のお荷物を受け取ることができます。受け取りに来てくださいますか?受け取りに来られた場合には特典が付与されます!」といったテキストを含む通知81を画面上に表示する。
ユーザU01は、ユーザ端末10に表示された通知81を閲覧したのち、宅配センターで配送品を受け取る旨を取引制御装置200に応答する(ステップS52)。例えば、ユーザU01は、指90で「宅配センターで受け取る」という内容が示された表示ボタン82を押下することで、宅配センターで配送品を受け取る旨を取引制御装置200に応答する。なお、ユーザU01は、宅配センターで配送品を受け取らない旨を応答する場合には、指90で「自宅まで配送を希望」という内容が示された表示ボタン83を押下する。
なお、取引制御装置200は、ユーザU01に対して、宅配センターに寄った場合の経路を示す情報等を通知してもよい。例えば、取引制御装置200は、地図情報を利用して、ユーザU01が宅配センターに寄って、当初の目的地に向かう経路情報を送信する。具体的には、取引制御装置200は、図14に示す通知85のように、経路を視覚的に示す地図情報をユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、ユーザU01が視認可能なように、通知85を画面上に表示する。ユーザU01は、通知85において示された経路について了承する場合に、表示ボタン84を押下する。
そして、ユーザ端末10は、ユーザU01の移動に伴って移動し、継続的に移動情報を取引制御装置200に送信する。この後の処理は、第1の実施形態と同様である。具体的には、図14で示すステップS53は図2で示したステップS33に対応し、図14で示すステップS54は図2で示したステップS34に対応する。また、図14で示す通知86は図2で示した通知77に対応し、図14で示す通知87は図2で示した通知79に対応する。
以上、図13及び図14を用いて説明してきたように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、所定の拠点に配送される配送品に関する情報、及び、配送品の受取人であるユーザU01に関する情報を取得する。そして、取引制御装置200は、取得した情報に基づいて、所定の拠点においてユーザU01に配送品を受け取ってもらうことを要望する旨の通知を送信するか否かを判定する。さらに、取引制御装置200は、判定した結果に基づいて、所定の拠点において配送品を受け取った場合にユーザU01に与えられる特典に関する情報が含まれる通知をユーザU01に送信する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、通知を送信するか否かを判定するとともに、ユーザU01に対して通知を行う際に、ユーザU01が配送品を受け取る負荷が少なくなると想定されるタイミングや、配送業者が配送品をユーザU01に受け取りに来てほしいと所望するタイミング等を判定して、判定結果に基づいて通知を行う。すなわち、取引制御装置200は、ユーザU01が拠点で配送品を受け取り易い環境であるか、あるいは、配送品を受け取ろうとする意欲のある状況であるか等の判定基準に基づいて、ユーザU01に通知を送信するか否かを判定する。そして、取引制御装置200は、判定結果に基づいたタイミングで通知を送信することで、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができるとともに、配送業者の要望に応えた通知処理を行うことができる。
〔2−2.取引制御装置の構成〕
次に、図15を用いて、第2の実施形態に係る取引制御装置200の構成について説明する。図15は、第2の実施形態に係る取引制御装置200の構成例を示す図である。図15に示すように、取引制御装置200は、取引制御装置100と比較して判定部238をさらに備えた制御部230を有する。以下、第1の実施形態と異なる各処理部の処理について説明する。
(第1取得部131について)
第2の実施形態において、第1取得部131は、所定の拠点に配送される配送品に関する情報、及び、当該配送品の受取人であるユーザに関する情報を取得する。
例えば、第1取得部131は、所定の拠点から配送品がユーザに配送される日時に関する情報を取得する。さらに、第1取得部131は、配送業者装置50から、各配送品の配送予定日時や、配送先に関する情報や、どの配送品がどの配送品とともに配送される予定であるかといった配送に関する情報を取得してもよい。
また、第1取得部131は、所定の拠点に格納されている物量に関する情報を配送業者装置50から取得する。例えば、第1取得部131は、所定の拠点にあとどのくらいの配送品を格納する容量があるかといった具体的な数値や、拠点における配送品の占有率等を取得する。さらに、第1取得部131は、今後の配送において、格納できる容量を超えた配送品が拠点に届けられるといった配送に関する情報を取得してもよい。言い換えれば、第1取得部131は、拠点における配送品のキャパシティに関する種々の情報を取得する。
また、第1取得部131は、配送品が配送先に配送される場合のルートに関する情報を取得する。例えば、第1取得部131は、配送先の場所に対応する位置情報と、拠点の位置情報との関係性に基づいて、当該配送品が配送先に配送される場合のルートに関する情報を取得する。さらに、第1取得部131は、同時に配送がおこなわれる配送品については、複数の配送品を配送先に届ける場合のルートに関する情報を取得してもよい。
また、第1取得部131は、配送品の受取人であるユーザに関する情報として、ユーザの位置情報を取得する。さらに、第1取得部131は、取得した位置情報に基づいて、ユーザと拠点までの距離や、ユーザが拠点に向かう場合の経路に関する情報等を取得してもよい。
また、第1取得部131は、ユーザの交通手段を取得してもよい。例えば、第1取得部131は、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報を取得する。例えば、第1取得部131は、ユーザがタクシーに乗車していることや、ユーザが自家用車に乗車しているということを示す情報を取得する。
第1取得部131は、例えば、ユーザが利用する地図アプリ、カーナビアプリ、又はタクシー配車アプリの利用に基づいて、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報を取得する。具体的には、第1取得部131は、ユーザ端末10が起動しているカーナビアプリから、ユーザが移動している速度や、経路や、位置情報等を取得し、取得した情報に基づいて、ユーザが自動車に乗車しているという状況を示す情報を導出する。また、第1取得部131は、交通機関装置30を介して、ユーザがタクシーに乗車しているという状況を示す情報を取得してもよい。
さらに、第1取得部131は、ユーザが利用する地図アプリ、カーナビアプリ、又はタクシー配車アプリの利用に基づいて、ユーザが所定の拠点に立ち寄る場合の距離又は経路を取得してもよい。例えば、第1取得部131は、地図情報等を利用して、現在位置から当初の目的地までの間に、拠点に立ち寄ったと仮定した場合の経路を作成する。そして、第1取得部131は、作成した経路や、ユーザが所定の拠点に立ち寄ると仮定した場合に、当初の経路に対して増加する距離等の情報を取得する。第1取得部131は、取得した情報を、適宜、記憶部120内に格納する。
(判定部238について)
判定部238は、第1取得部131によって取得された情報に基づいて、所定の拠点においてユーザに配送品を受け取ってもらうことを要望する旨の通知を送信するか否かを判定する。また、判定部238は、第1取得部131によって取得された情報に基づいて、通知を送信するタイミングを判定する。
例えば、判定部238は、所定の拠点から配送品がユーザに配送される日時に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。拠点に配送前の配送品が増え続けた場合、拠点の容量を圧迫することになる。このため、配送業者にとっては、配送予定日時が先に設定された配送品については、ユーザが受け取りに来てくれることが望ましい。このため、判定部238は、配送品が拠点に届いたのち、ユーザに配送される予定日時までに所定の期間(例えば2日間など)が設けられている配送品があることを取得したタイミングで、ユーザに通知を送信するよう判定してもよい。なお、判定部238は、配送品がユーザに配送される日時が直近(例えば6時間以内等)に迫っている場合には、配送品を受け取りに来るユーザと、配送品とが行き違いになる可能性もあるため、通知をユーザに送信しないと判定してもよい。
また、判定部238は、所定の拠点に格納されている物量に関する情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。例えば、判定部238は、所定の拠点が配送品を格納できるキャパシティを超えると推定されたタイミングで、ユーザに通知を送信するよう判定してもよい。この場合、判定部238は、配送業者装置50から送信される、拠点におけるキャパシティに関する情報等に基づいて、ユーザに通知を送信するか否かを判定してもよい。なお、判定部238は、拠点において配送品を格納するスペースに余裕がある場合等には、通知をユーザに送信しないと判定してもよい。
また、判定部238は、配送品が配送先に配送される場合のルートに関する情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。例えば、配送業者にとって、配送品の配送ルートにおいて、他の配送先から所定の範囲を超えて離れた位置に配送先がある場合には、配送の効率が悪くなる。このため、判定部238は、例えば他の配送先から所定の範囲を超えて離れた位置に配送先が所在するという情報を取得したタイミングで、当該配送品の配送先であるユーザに対して通知を送信するよう判定してもよい。
また、判定部238は、ユーザの位置情報が示す位置と、所定の拠点までの距離又は経路との関係性に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。例えば、判定部238は、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザが拠点までの距離から所定の範囲内に所在していると判定したタイミングで、ユーザに対して通知を送信するよう判定してもよい。あるいは、判定部238は、ユーザが採りうる経路に基づいて、経路上に拠点が所在することや、拠点が経路上の特定の位置から所定範囲内(例えば数十メートル以内など)に所在すると判定したタイミングで、ユーザに対して通知を送信するよう判定してもよい。
また、判定部238は、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。例えば、判定部238は、ユーザが自動車に乗車しているという状況を示す情報が取得されたタイミングで、ユーザに対して通知を送信するよう判定してもよい。
さらに、判定部238は、ユーザが利用する地図アプリ、カーナビアプリ、又はタクシー配車アプリの利用に基づいて、ユーザが所定の拠点に立ち寄る場合の距離又は経路を取得した場合には、距離又は経路に基づいて、ユーザが所定の拠点に立ち寄る場合に負担するコストが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。具体的には、判定部238は、タクシーに乗車中のユーザにおいて、タクシーの今後の経路情報と、仮に拠点に立ち寄った場合の経路情報とにおける乗車料金の差額が、所定の金額を超えるか否かを判定する。そして、判定部238は、拠点に立ち寄ったとしても、本来の目的地に直行した場合と比較して、乗車料金が所定の金額を超えないと判定した場合に、通知をユーザに送信するようにしてもよい。言い換えれば、判定部238は、拠点に立ち寄ることによって過度のコストの負担が発生する場合にはユーザに対して通知を行わないと判定し、拠点に立ち寄ることによって過度のコストの負担が発生しない場合にはユーザに対して通知を行うと判定する。
〔2−3.処理手順〕
次に、図16を用いて、第2の実施形態に係る処理の手順について説明する。図16は、第2の実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、取引制御装置200は、配送品が拠点に到着した旨の情報を取得したか否かを判定する(ステップS401)。配送品が拠点に到着した旨の情報を取得していない場合(ステップS401;No)、取引制御装置200は、取得するまで待機する。
一方、配送品が拠点に到着した旨の情報を取得した場合(ステップS401;Yes)、取引制御装置200は、配送品に関する情報を取得する(ステップS402)。また、取引制御装置200は、配送品の宛先であるユーザに関する情報を取得する(ステップS403)。
そして、取引制御装置200は、取得した情報に基づいて、当該配送品の受け取りを依頼する旨の通知をユーザに行うタイミングであるか否かを判定する(ステップS404)。通知をユーザに行うタイミングでないと判定した場合(ステップS404;No)、取引制御装置200は、配送品に関する情報や、ユーザに関する情報を取得する処理を継続する(ステップS402)。
一方、通知をユーザに行うタイミングであると判定した場合(ステップS404;Yes)、取引制御装置200は、配送品の受け取り依頼の通知をユーザに送信する(ステップS405)。
〔2−4.処理のバリエーション〕
上述した取引制御処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第2の実施形態に係る取引制御処理のバリエーションについて説明する。
〔2−4−1.ユーザに応じた通知処理〕
取引制御装置200は、ユーザの行動履歴に基づいて、通知を行うタイミング等を調整する処理を行ってもよい。例えば、配送業者にとっては、不在であることが多く再配送を発生させやすいユーザに対しては、拠点に配送品を受け取りに来てもらえる方が望ましい。また、配送業者にとっては、再配送を頻繁に発生させるようなユーザに対しては配送の負担が大きいため、拠点に配送品を受け取りに来てもらえる方が望ましい。
そこで、取引制御装置200は、過去にユーザへの配送において再配送が発生した回数もしくは割合、又は、ユーザが再配送を依頼した回数もしくは割合を取得する。そして、取引制御装置200は、過去にユーザへの配送において再配送が発生した回数もしくは割合、又は、ユーザが再配送を依頼した回数もしくは割合に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
具体的には、取引制御装置200は、再配送を発生させやすいユーザに対しては、配送品が拠点に到着してから、他のユーザと比較して早いタイミングで通知を送信するようにしてもよい。すなわち、取引制御装置200は、再配送を発生させやすいユーザについては、比較的早めに通知を送信するよう判定することで、拠点における受け取りを積極的に促す。これにより、取引制御装置200は、再配送の発生を減らすよう調整を行う。なお、取引制御装置200は、過去にユーザへの配送において再配送が発生した回数もしくは割合、又は、ユーザが再配送を依頼した回数もしくは割合に基づいて、再配送を発生させやすいユーザをリスト化するような処理を行ってもよい。また、取引制御装置200は、通知を送信してから宅配センターに配送品を取りに来るまでの時間が短かかったユーザほど、高い額の還元を行ったり有用な特典を付与したりするなどの調整処理を行ってもよい。このような種々の調整処理により、取引制御装置200は、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをより強くユーザに与えることができる。
〔2−4−2.再配送に関する通知処理〕
取引制御装置200は、ユーザの自宅等の配送先に対して配送を行ったのち、再配送が発生した場合に、拠点での配送品の受け取りを依頼する通知を送信してもよい。例えば、取引制御装置200は、ある配送品に関して再配送が行われた回数を取得する。そして、取引制御装置200は、再配送が行われた回数が所定の閾値を超えたタイミングで、ユーザに通知を送信すると判定する。これにより、取引制御装置200は、再配送の過剰な発生を抑制することができる。
また、取引制御装置200は、ある配送品に関して配送が行われ、ユーザが不在のため配送が完了しなかった場合に、ユーザから再配送の連絡(例えば、再配送を希望する日時の指定など)が行われるまでの時間を示す情報を取得してもよい。そして、取引制御装置200は、ユーザから再配送の連絡がないまま所定期間(例えば、48時間など)が経過したタイミングで、ユーザに通知を送信すると判定する。これにより、取引制御装置200は、再配送の連絡を自主的に行わないユーザに対して、配送品の受け取りを積極的に促すことができる。
〔2−4−3.サービスの利用履歴に応じた通知〕
取引制御装置200は、ユーザのサービスの利用履歴に基づいて、ユーザに通知を送信するタイミングを判定してもよい。例えば、取引制御装置200は、タクシーを頻繁に利用する傾向にあるユーザに対しては、他のユーザと比較して早いタイミングで通知を送信するようにしてもよい。上述のように、ユーザは、タクシー代の還元を受けたり、特典の付与を受けたりすることができる。このため、取引制御装置200は、タクシーを利用するユーザについて積極的に通知を行うことで、ユーザが特典を得る機会を増やすことができる。また、取引制御装置200は、積極的に通知を行うことで、配送業者の配送の手間を軽減させることができるので、ユーザ及び配送業者の双方にとってメリットのある処理を提供することができる。
〔2−5.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、第1取得部131と、判定部238と、送信部132とを有する。第1取得部131は、所定の拠点に配送される配送品に関する情報、及び、当該配送品の受取人であるユーザに関する情報を取得する。判定部238は、第1取得部131によって取得された情報に基づいて、所定の拠点においてユーザに配送品を受け取ってもらうことを要望する旨の通知を送信するか否かを判定する。送信部132は、判定部238によって判定された結果に基づいて、所定の拠点において配送品を受け取った場合にユーザに与えられる特典に関する情報が含まれる通知を当該ユーザに送信する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、配送品やユーザの置かれた状況等に基づいてユーザに通知を行うか否かを判定することで、よりユーザが拠点で配送品を受け取ることに同意しやすい状況での通知を行うことができる。これにより、取引制御装置200は、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、判定部238は、通知をユーザに送信すると判定する場合には、第1取得部131によって取得された情報に基づいて、通知をユーザに送信するタイミングを判定する。送信部132は、判定部238によって判定されたタイミングに基づいて、所定の拠点において配送品を受け取った場合にユーザに与えられる特典に関する情報が含まれる通知をユーザに送信する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、配送品やユーザの置かれた状況等に基づいて通知のタイミングを判定することで、よりユーザが拠点で配送品を受け取ることに同意しやすい状況での通知を行うことができる。これにより、取引制御装置200は、配送品を自発的に受け取ろうとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、第1取得部131は、所定の拠点から配送品がユーザに配送される日時に関する情報を取得する。判定部238は、所定の拠点から配送品がユーザに配送される日時に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、配送品の配送スケジュールに応じた通知処理を行うことで、拠点に多数の配送品が蓄積する前に早めにユーザに通知を行うなど、柔軟な対応を行うことができる。
また、第1取得部131は、所定の拠点に格納されている物量に関する情報を取得する。判定部238は、所定の拠点に格納されている物量に関する情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、拠点における物量に基づいて通知処理を行うことで、拠点がキャパシティオーバーにより窮している場合には積極的にユーザに通知を行うなど、状況に即した対応を行うことができる。
また、第1取得部131は、配送品が配送先に配送される場合のルートに関する情報を取得する。判定部238は、配送品が配送先に配送される場合のルートに関する情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、配送ルートを検証し、非効率な配送先がある場合には積極的にユーザに通知を行うなど、配送の効率化に寄与するための処理を行うことができる。
また、第1取得部131は、ユーザの位置情報を取得する。判定部238は、ユーザの位置情報が示す位置と、所定の拠点までの距離又は経路との関係性に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、ユーザの位置情報を参照したうえで通知を行うタイミングを判定してもよい。これにより、取引制御装置200は、よりユーザが配送品を受け取りやすいタイミングを見計らった通知を行うことができる。
また、第1取得部131は、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報を取得する。判定部238は、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、ユーザの乗車状況を参照したうえで通知を行うタイミングを判定してもよい。ユーザは、例えば、徒歩の状態では拠点に立ち寄ることに難色を示していても、乗車の状態であれば拠点に立ち寄ることもあると想定される。取引制御装置200は、ユーザの状況をふまえて通知を行うタイミングを見計らうことで、ユーザが拠点に立ち寄る確率を上昇させるタイミングで通知を行うことができる。
また、第1取得部131は、ユーザが利用する地図アプリ、カーナビアプリ、又はタクシー配車アプリの利用に基づいて、ユーザが自動車に乗車しているか否かの状況を示す情報を取得する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、アプリの使用状況に基づいて通知を行うタイミングを判定してもよい。かかる処理により、取引制御装置200は、詳細なユーザの状況を参照したうえで判定を行うことができるため、より適切なタイミングで通知を行うことができる。
また、第1取得部131は、ユーザが利用する地図アプリ、カーナビアプリ、又はタクシー配車アプリの利用に基づいて、ユーザが所定の拠点に立ち寄る場合の距離又は経路を取得する。判定部238は、ユーザが所定の拠点に立ち寄る場合の距離又は経路に基づいて、当該ユーザが当該所定の拠点に立ち寄る場合に負担するコストが所定の閾値を超えるか否かを判定する。送信部132は、判定部238によってコストが所定の閾値を超えないと判定された場合に、通知をユーザに送信する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、仮にユーザが拠点に立ち寄る場合であっても、その移動に係る状況を参照し、配送業者が過度にユーザの移動代を負担することのないよう、状況を把握したうえで通知を行うことができる。
また、第1取得部131は、過去にユーザへの配送において再配送が発生した回数もしくは割合、又は、ユーザが再配送を依頼した回数もしくは割合を取得する。判定部238は、過去にユーザへの配送において再配送が発生した回数もしくは割合、又は、ユーザが再配送を依頼した回数もしくは割合に基づいて、通知を送信するか否かを判定する。
このように、第2の実施形態に係る取引制御装置200は、ユーザの配送に係る履歴に基づき、例えば、再配送を発生させやすいユーザに対しては早めに通知を行うなどの調整を行う。これにより、取引制御装置200は、再配送の発生を未然に防ぐことができるため、配送全体の効率化を図ることができる。
〔3.変形例〕
上述した取引制御装置100及び200は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、取引制御装置100及び200の他の実施形態について説明する。なお、以下では、取引制御装置100及び200を区別する必要のない場合、取引制御装置100とのみ記載する。
〔3−1.識別情報の種別〕
取引制御装置100は、ユーザへの通知に用いる識別情報として、種々の情報を用いてもよい。例えば、取引制御装置100は、ユーザが所有するユーザ端末10に対応付けられた電話番号を識別情報として用いてもよい。また、取引制御装置100は、ユーザ端末10のデバイスIDや、メールアドレス等を識別情報として用いてもよい。
あるいは、取引制御装置100は、所定の通信アプリ等で用いられるアカウント等を識別情報として用いてもよい。この場合、アカウントとユーザ端末10との対応付け情報は、例えば、当該所定の通信アプリを提供するサービス事業者によって保持される。取引制御装置100は、かかるサービス事業者が管理するサーバ等にアクセスするか、あるいは、かかるサービス事業者からの提供を受けて、対応付け情報を取得してもよい。
このように、取引制御装置100は、種々の識別情報を用いてユーザ端末10への通知を送信することができるため、処理に柔軟性を持たせることができる。
〔3−2.ユーザ端末〕
上記実施形態では、図9を用いてユーザ端末10の構成例を示したが、ユーザ端末10は、図9で示した構成を必ずしも全て有していなくてもよい。ユーザ端末10には、上述のように、スマートフォンやタブレット端末のようなスマートデバイスのみならず、通信機能を有する眼鏡型端末や、あるいは、ユーザの心拍を記憶する心拍測定器など、種々のウェアラブルデバイスが含まれる。この場合、ユーザ端末10は、必ずしも表示画面に通知を表示するのではなく、例えば、音声によって取引制御装置100から通知されたメッセージを再生したり、振動によって取引制御装置100からメッセージが通知されたことをユーザに伝えたりしてもよい。すなわち、ユーザ端末10は、所定の通信機能を有するデバイスであれば、必ずしも図9で示した構成を有していなくてもよい。
〔3−3.拠点の例〕
ユーザが配送品を受領する場所となる拠点は、宅配センターに限られない。例えば、拠点は、配送品を一時的に保管することのできる施設であれば、どのようなものであってもよい。例えば、拠点は、コンビニエンスストア等であってもよい。
〔4.ハードウェア構成〕
上述してきた取引制御装置100やユーザ端末10等は、例えば図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、取引制御装置100を例に挙げて説明する。図17は、取引制御装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図3に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る取引制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図4に示した第1取得部131と、第2取得部133と、第3取得部136とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
また、上記実施形態では、取引制御装置100が、例えば、通知をユーザに送信する送信処理と、移動情報を取得する取得処理と、ユーザが負担したコストを算出する算出処理とを行う例を示した。しかし、上述した取引制御装置100は、送信処理を行う送信装置と、取得処理を行う取得装置と、算出処理を行う算出装置とに分離されてもよい。この場合、送信装置は、少なくとも送信部132を有する。取得装置は、少なくとも第1取得部131を有する。算出処理は、少なくとも算出部135を有する。そして、上記の取引制御装置100による処理は、送信装置と、取得装置と、算出装置との各装置を有する取引制御システム1によって実現される。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、算出部は、算出手段や算出回路に読み替えることができる。