JP6463232B2 - プリント装置 - Google Patents

プリント装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6463232B2
JP6463232B2 JP2015154352A JP2015154352A JP6463232B2 JP 6463232 B2 JP6463232 B2 JP 6463232B2 JP 2015154352 A JP2015154352 A JP 2015154352A JP 2015154352 A JP2015154352 A JP 2015154352A JP 6463232 B2 JP6463232 B2 JP 6463232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
platen
sheet
absorber
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015154352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017030284A5 (ja
JP2017030284A (ja
Inventor
皓樹 島田
皓樹 島田
淳 甲野藤
淳 甲野藤
吉田 剛
剛 吉田
将一 佃
将一 佃
勇気 江本
勇気 江本
佐藤 邦明
邦明 佐藤
棚網 康文
康文 棚網
歓土 倉澤
歓土 倉澤
横井 克幸
克幸 横井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015154352A priority Critical patent/JP6463232B2/ja
Priority to US15/083,112 priority patent/US20160288505A1/en
Priority to CN201610203816.3A priority patent/CN106042641B/zh
Publication of JP2017030284A publication Critical patent/JP2017030284A/ja
Publication of JP2017030284A5 publication Critical patent/JP2017030284A5/ja
Priority to US15/686,027 priority patent/US10596838B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6463232B2 publication Critical patent/JP6463232B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)

Description

本発明はインクジェット方式のプリント装置に関する。
特許文献1には、フチ無しプリントを行うことができるインクジェットプリント装置が開示されている。シートを支持するプラテンには、シートの搬送方向に沿って設けられた多数のリブにより複数のインク誘導溝が形成されている。そしてインク誘導溝の下流にはインク吸収体が設けられている。フチ無しプリントの際にプラテンに向けて吐出され着弾した余剰インクは、僅かに傾斜したインク誘導溝で誘導されて、プラテン上に設けられたインク吸収体に吸収される。
特開2006−35685号公報
特許文献1のプリント装置では、プラテン上に設けたインク吸収体は、下流側のリブの下方の狭い空間に配置している。このインク吸収体は容量が小さいので、長期間装置を使用するとインク吸収体がインクを吸収しきれなくなる。すると、プラテン上にインクが溜まっていき、そのインク量が多いとプラテンから溢れて装置内部に垂れ落ちて装置内部が汚染される。
また、特許文献1のプリント装置が水平ではない傾いた設置面に設置されると、傾きの角度と方向によっては、上記と同様の問題を引き起こす。すなわち、設置面の傾きがプラテンの傾斜を相殺してプラテンが水平になると、プラテン上に着弾したインクがインク誘導溝で流れずに溜まっていく。設置面の傾きがさらに大きいと、インク誘導溝のインクが吸収体(下流側)に向かわずに重力により逆向き(上流側)に流れてしまう。そのインク量が多いとプラテン上からインクが垂れ落ちて装置内部が汚染される。
上述のように、プラテン上に溜まったインクの上をシートが通過するとシート裏面にインクが付着してシート汚れを引き起こす。さらに、溜まったインクが装置内部に垂れ落ちると、構造的に清掃が困難であり、インクの液体成分により構成部品の腐食や電気部品の短絡などの問題を引き起こす要因となる。
本発明はこのような課題を解決するものであり、従来よりもインク汚れが少ないより改良されたプラテンを備えたインクジェット方式のプリント装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出してシートにプリントを行うプリントヘッドと、シートを搬送する搬送手段と、前記プリントヘッドと対向してシートを支持するプラテンと、前記プラテンに配され前記プリントヘッドから吐出されたインクを受ける受け部と、前記プラテンに配され前記受け部から導かれたインクを吸収する吸収体と、前記プラテンに配されシートの搬送方向において前記受け部の上流に設けられシートを支持する第1リブと、前記プラテンに配され前記搬送方向において前記受け部の下流に設けられシートを支持する第2リブと、前記プラテンを第1の姿勢と該第1の姿勢よりも前記受け部の傾斜角度が大きい第2の姿勢に変更する変更部材と、を備えるプリント装置であって、前記吸収体は、前記プラテンのシートを支持する面側から見たときに前記搬送方向において前記受け部の下流、かつ前記第2リブの上流において前記プラテンから露出する第1部分と、前記プラテンから露出しない第2部分を有することを特徴とする。
本発明によれば、プラテンの上にインクが溜まったり垂れ落ちたりすることが抑制され、シートの裏汚れや装置内部のインク汚れなどの問題が生じにくい。
実施形態のプリント装置の外観を示す斜視図 プリント装置の内部の構成を示す断面図 実施例1にかかるプラテンの構造を示す斜視図 インク受けの詳細な構造を示す断面図(最下流での断面図) インク受けの詳細な構造を示す断面図(横溝での断面図) インク受けの上でインク吸収体に到達するまでの複数のインク経路を示す図 実施例2にかかるプラテンの構造を示す斜視図 プラテンに埋め込んだインク吸収体の構造、ならびにプラテンの傾斜状態の変化を説明するための断面図 大容量インク吸収体ユニットを増設した構成例
図1は本発明の実施形態にかかるプリント装置の外観を示す斜視図、図2はプリント装置の内部の構成を示す断面図である。プリント装置は大きく分けて、プリントユニット100とその上のスキャナユニット101からなり、装置前面には表示器や入力キーを持つ操作パネル10が設けられている。図2に示すように、このプリント装置は使用時には、床や机上などの設置面FLの上に設置される。設置面FLは通常は重力方向に垂直な水平面である。
プリントユニット100は、カセット1、ピックアップローラ2、プリント部4(キャリッジ41、プリントヘッド42を含む)を有する。プリントユニット100はさらに、フィードローラ3、メイン搬送ローラ6、排出ローラ7からなるシート搬送部、ならびに排出口8から排出されたプリント済みのシートを支持するトレイ9を有する。そして、プリント部4に対向して、プリントされるシートを下から支持するプラテン5が設けられている。本発明はこのプラテン5の構造を特徴とするものであり、詳細については後述する。
なおプリント装置は、本例のようにプリント機能とスキャナ機能を併せ持つ複合装置に限らず、ファクシミリ等のさらに別の機能を複合した装置でもよいし、単機能のプリンタであってもよい。また、プリント方式はシリアルプリンタに限らず、長尺のラインヘッドが固定して並べられたラインプリンタであってもよい。
カセット1に積載収容された記録媒体であるシートSは、ピックアップローラ2により1枚ずつ取り出され、シート搬送部によりプラテン5の上を搬送される。そしてプリント部4で画像がプリントされた後にシートSは排出口8からトレイ9の上に排出される。プリントヘッド42は発熱素子やピエゾ素子などを用いたインクジェット方式であり、複数色のインクに対応するノズル列を備えて、カラー画像をプリントする。
シートSは、プラテン5の上において図2の紙面の右から左に向けて搬送される。キャリッジ41が、シートの紙幅方向(図2の紙面垂直方向)に往復移動しながら、1バンドずつプリントとシートSのステップ送りを繰り返り、シリアル方式でプリントを行う。なお本明細書においては、プラテンから見て、シート搬送方向における上流を単に「上流」、シートの搬送方向における下流を単に「下流」と言う場合もある。
このプリント装置は、シートSの端部に余白を設けずにフチ無プリントを行うことができる。搬送されてくるシートSの先端に余白なしに画像をプリントするときには、プリントヘッド42のノズル列から吐出したインク滴の一部はシートSの先端に付与され、残りノズルのインク滴はシートの外側(下流側)にはみ出して、プラテン5の表面に着弾する。インクを受けるためにプラテン5の表面には後述するインク受け50上が設けられている。プリントが進むと、最後のシートSの後端に余白なしに画像をプリントする。その際には、プリントヘッド42のノズル列から吐出したインク滴の一部はシートSの後端に付与され、残りノズルのインク滴はシートの外側(上流側)にはみ出し、インク受け50で受ける。また、シートSの先後端だけでなく、シートの紙幅方向(図の紙面垂直方向)でも、シート端部に余白なしに画像をプリントするときには、同様にシートの外側にはみ出したインクはインク受け50で受ける。
さらに、フチ無しプリントとは別の用途として、プリントヘッドの目詰まりやインク粘度上昇を抑制するための予備吐出の動作時にもインク受け50は利用される。予備吐出動作は、プリント動作の実行前にもしくは実行中に、プリントヘッド42の各ノズルから少数のインク滴をインク受け50に向けて吐出して行う。
<実施例1>
以下、実施例1にかかるプラテン5の詳細を説明する。図3は実施例1におけるプラテンの構造を示す斜め上方から見た斜視図である。図4はインク受け50の詳細な構造を示す断面図であって、シート搬送方向下流側(後述するインク吸収体)から見た最下流での断面図である。
プラテン5の表面には、搬送されるシートSを下から支持する複数のリブ51a(上流側)およびリブ51b(下流側)が設けられている。シート搬送方向においてこれらリブの間には、プリントヘッドから吐出されたインク滴を受けるインク受け50が形成されている。
このインク受け50は、インク吸収体54、およびインク受け50に着弾した余剰インクをインク吸収体54に向けて下流側に誘導するインク誘導部52(縦溝群)を備える。インク吸収体54は、余剰インクを吸収する繊維質や多孔質の材料からなる、シート幅方向に長い直方体の形状を有し、使用する最大シート幅よりも広い範囲をカバーする。インク吸収体54は、インク受け部50に接してその下流側にてプラテン凹部に埋め込まれて保持される。
さらに、図8(a)に示すように、プラテンの内部空間、すなわちプラテン表面に形成したインク誘導溝やリブの下側(裏側あるいは背面とも言う)には、インク吸収体55が埋め込まれている。インク吸収体55は、肉厚の多孔質シートからなるインク吸収体54と同様の材質であり、且つ、インク吸収体54と同様のシート幅方向に長い範囲をカバーする。この例ではインク吸収体54とインク吸収体55は一体化された1枚のシートであるが、分割した部材として両者を密着させて接続するようにしてもよい。
シート搬送方向において、インク吸収体54は、インク受け50と下流側のリブ51bの間に設けられており、プラテンを上から見たときインク吸収体54の表面がプラテンの表側に露出している。一方、インク吸収体55は、上流側のリブ51aの下側(裏側)、ならびにインク受け50の下側(裏側)に渡って広く配置されており、上から見てもこれら部材の下に隠れていて露出していない。
このようにプラテンの内部空間を利用して、プラテンに大容量のインク吸収体を設けている。プリントヘッドから吐出されインク受け部50で受けたインクは、最初にインク吸収体54にて吸収され、徐々にインク吸収体55の方に移行する。これらインク吸収体54とインク吸収体55を合わせたものは、多量のインクを吸収することができる。したがって、長期間の装置稼働でも多量のインクを漏らさず受容することができ、プラテン上にインクが溜まってインク汚れを生じることが抑制される。
なおこの例では、インク吸収体55は、インク受け50の下側から上流側のリブ51aの下側までカバーする広い範囲に設けているが、この構造には限定されない。少なくともインク受け50の下にインク吸収体55を設ければ、従来以上の容量増大が得られるので上述の作用効果を奏する。
インク吸収体のさらなる大容量化を求めるなら、図9に示すように、プラテン5から離れた下方に大容量のインク吸収体ユニット56を増設してもよい。インク吸収体ユニット56の内部には大容量インク吸収体57が内蔵されており、チューブ58によりプラテン5の下部と接続されている。一旦プラテン上のインク吸収体54で受けてプラテン内部の下部に溜まった廃インクは、チューブ58を通してインク吸収体ユニット56に移送される。ポンプ59は移送の効率を高めるために設けているが必須ではない。このように、プラテンの下に別途のインク吸収体ユニット57を増設した構成であれば、インク吸収体55は省略することもできる。
インク誘導部52は、インク吸収体54が設けられた下流側にインクを、重力および毛細管現象により誘導するための、多数の小傾斜溝522(第1のインク溝)と、少数の大傾斜溝521(第2のインク溝)からなる。見方を変えれば、同じ高さの多数のリブが等間隔に設けられ、隣り合うリブの間に溝底が傾斜した傾斜溝が形成されている。多数のリブの頭部は一律の高さを持つが、プラテンでシートを支持するリブ51a、リブ51bの頭部よりは低く、搬送されるシートSの裏面がインク受け50において多数のリブの頭部には触れないようにしている。これによりシートの裏汚れが防止される。
大傾斜溝521は小傾斜溝522よりも、シート搬送方向に関して傾斜角度が大きく、且つ、溝の数が多い。この例では、シート幅方向において、6つの小傾斜溝522ごとに、隣接する2つの大傾斜溝521が設けられている。プラテンの表面において、上流の1つのリブ51a、隣接する大傾斜溝521の間の1つのリブ、下流の1つのリブ51bは一直線に並んでいる。このように、シートSを支持するためのリブ51a、51bの数よりも、インク誘導部52を構成する傾斜溝の数の方が多い。
大傾斜溝521および小傾斜溝522は、いずれも水平に対して傾斜を持って形成されているので、インク受け50に着弾した余剰インクは重力の作用によりインク吸収体54が位置する下流方向にスムーズに誘導される。大傾斜溝521の水平に対する傾斜角度10度、小傾斜溝522は水平に対する傾斜角度3度である。なお、複数の小傾斜溝522は、いずれも10度よりも小さい異なる複数の傾斜角度の溝が混在する形態であってもよい。また、大傾斜溝521、小傾斜溝522は、1つの溝が途中で傾斜角度が変化するような形状であってもよい。
インク受け50はさらに、インク誘導部52と略直交する方向(シート幅方向)にインクを誘導するためインク誘導部53(横溝群)が形成されている。インク誘導部53は、それぞれが水平に対して傾斜角度を持った横溝531および横溝532(第3のインク溝)が交互に全体として直線的に設けられている。横溝531、532は、シート幅方向に沿って複数の小傾斜溝522の中央付近(シート搬送方向の中央)を横切るように設けられている。また、インク受け50の最上流には、上流側に流れたインクがプラテンの表面に溢れることを防止するためのリブ533が、シート幅方向に沿って途切れなく設けられている。そしてリブ533のさらに上流のプラテン表面にはリブ51aが設けられ、インク吸収体54のさらに下流のプラテン表面にはリブ51bが設けられた構造となっている。
図5はインク誘導部53の構造を示す断面図である。同図はシート搬送方向の中央付近におけるプラテンの断面図である。1つの大傾斜溝521に対応して横溝531あるいは横溝532が設けられている。横溝531と横溝532は傾斜の向きが違うが、いずれも対応する大傾斜溝521に向かって重力の作用でインクが流れように、大傾斜溝521に近づくほど低くなる下向きの傾斜となっている。
なお、毛細管現象によるインクの流れを良くするために、大傾斜溝521と小傾斜溝522は、誘導溝の断面形状がV字形状とすることが好ましい。さらにインク吸収体54に向かうに従って誘導溝の断面積が小さくなるように溝幅が非一律に形成してもよい。横溝531、532も同様に断面形状がV字形状とすることが好ましいく、さらに大傾斜溝521に向かうに従って誘導溝の断面積が小さくなるように形成してもよい。また、インクの流れをさらに良くするために、小傾斜溝522、大傾斜溝521、横溝531、532は表面に撥水性のフッ素コーティングを施す、もしくは表面を光沢仕上げとすると好ましい。
図6は、インク受け50の上でインク吸収体に到達するまでの複数のインク経路を示す図である。インク受け50に着弾したインクは、3つのルートを通ってインク吸収体54に誘導される。第1(ルート1として示す点線)は、大傾斜溝521からインク吸収体54に流れる経路である。第2(ルート2として示す点線)は、小傾斜溝522から横溝531または横溝532(図6では横溝532)を経て大傾斜溝521に移動して、大傾斜溝521からインク吸収体54に流れる経路である。第3(ルート3として示す点線)は、インク誘導部53よりも下流側にある小傾斜溝522からインク吸収体54に流れる経路である。
なお、図6では理解を容易にするため、3種類のルートはそれぞれ代表的な1経路だけを点線で描いて、同等の他の経路は図示を省略している。例えば、ルート2では、複数の1つの大傾斜溝521に対して複数(この例では3つ)の小傾斜溝522が割り当てられているので、割り当てられたいずれの小傾斜溝522であっても同様にインク吸収体54にインクが流れ込む。
フチ無しプリントもしくは予備吐出の際にプリントヘッドからシートの外側に吐出されたインク滴の多くは、インク受け50における面積比率の大きい小傾斜溝522の上に着弾する。したがって、多くのインクはルート2およびルート3を経てインク吸収体54に導かれる。プリントヘッドからのインク滴の一部は、大傾斜溝521の上に着弾し、そのまま大傾斜溝521を伝ってインク吸収体54に導かれる。通常は、プリント装置が設置される設置面FLは水平であるので、意図通りにインクは流れる。
もしプリント装置が若干傾いて設置されると、小傾斜溝522でのインクの流れが滞る場合がある。その場合も、インクは横溝531、532によって大傾斜溝521に移動して、大傾斜溝521で確実にインク吸収体54へと誘導される。そのため、インク受け50にインクが残ってシートの汚れになることがない。
上述したように、大傾斜溝521の水平に対する傾斜角度10度、小傾斜溝522は水平に対する傾斜角度3度としている。仮に、プリント装置の下流側が高くなるような向きで且つ3度以上の傾きの設置面であると、小傾斜溝522は上流側が下がる傾きとなる。そのため、小傾斜溝522に着弾したインクは上流に向かって逆流することになる。小傾斜溝522のうち、横溝よりも下流側に着弾したインクは、僅かに上流に流れると横溝531または横溝532を経て大傾斜溝521に移行する。大傾斜溝521は設置面が10度以上の傾きにならない限り下流側が低いので、インクは下流に向けって流れてインク吸収体54に吸収される。一方、小傾斜溝522のうち、横溝よりも上流側に着弾したインクは上流に向かって流れるが、せき止め用の壁であるリブ533によりせき止められて、さらに上流側のプラテン面にインクが溢れることはない。使用者が10度以上に大きく傾いた設置面にプリント装置を置くことは現実には想定しにくいので、10度とすれば問題は起きない。なお、これらの設定角度は一例であって、小傾斜溝522よりも大傾斜溝521の方が大きな傾斜角度を持つという条件を満たせば、それぞれの角度はこの限りではない。
ここで、大傾斜溝521だけでなく小傾斜溝522も傾斜角度を大きく(例えば10度)すれば、インクが逆流することはないが、インクミストが増大するという別の問題を引き起こす。すなわち、プリントヘッド42のノズルとインク溝底部との隙間が全ての領域で大きくなり、吐出されたインク滴が着弾するまでの飛翔距離が長くなって、それがインクミストの発生量の増加を招く。発生したインクミストは装置内部に浮遊して、装置の構成部品やシートに付着して汚れとなるので、ミスト発生はできるだけ抑えることが要求される。そこで本実施形態では、小傾斜溝522と大傾斜溝521に機能分離するとともに、大多数を小傾斜溝522としてインクミストが発生しやすい大傾斜溝521の数を少なくしている。これにより殆どのインク滴は小傾斜溝522で受けることになり、インク飛翔距離が短いのでインクミストの発生が少ない。
<実施例2>
以下、プラテン5に関する実施例2について説明する。実施例2ではインク受け50の傾斜角度を変える機構を設けて所定のタイミングでインク受け50からインクを強制的に排出することで、先の実施例1と同様の作用効果を得るものである。
図7はプラテンの傾斜角度を変えるための駆動機構の構造を示す斜視図である。図8(a)(b)はプラテンの傾斜状態の変化を説明するための断面図である。なお、プリント装置全体としては、先の図1および図2で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
プラテン5は先の実施例1と異なり、インク受け50はすべて小傾斜溝522で構成され、その下流側にインク吸収体54が埋め込まれている。インク受け50の最上流にはリブ533が設けられて、さらにその上流のプラテン表面にはリブ51aが、インク吸収体54の下流のプラテン表面にはリブ51bが設けられた構造は、実施例1と同様である。また、プラテン内部空間で、リブ51aとインク受け50の下側にインク吸収体55が配置されている構造も、実施例1と同様である。なお、図9のように、さらに別の大容量インク吸収体をチューブで接続した構成としてもよい。
プラテン5は、その両脇で且つ上流側に設けられた軸51eを中心に回転して、プラテンの下流側が上下に昇降することができるように回転自在に支持されている。この駆動のために、モータ60と、モータの回転により横にスライド移動するスライドプレート61からなる駆動機構がプラテン5の下方に設けられている。スライドプレート61には2カ所に半円柱形状のリブ61aが形成されている。そして、これと対向するプラテン5の下流側の裏面51dには、2カ所にV字形状のカム部51cが形成されている。
2か所のリブ61aが2カ所のカム部51cと当接するようにスライドプレート61が位置しているときは、プラテン5の下流側が持ち上がり、プラテン5は図8(a)に示す水平姿勢となる。プラテン5に形成されたインク受け50はプリントヘッド42に対してほぼ平行になり、インク受け50の小傾斜溝522は先の実施例と同様は水平に対して傾斜角度θ1(ここでは3度)となる。ここで、モータ60を回転させてスライドプレート61を横にスライドさせると、2カ所のリブ61aがカム部51cから外れて、これに伴ってプラテン5が回転して下流側が降下する。この結果、プラテン5は図8(b)に示す傾斜姿勢となる。この状態では、インク受け50の小傾斜溝522は水平に対してより大きな傾斜角度θ2(ここでは10度)となる。つまり、θ1<θ2の関係となっている。なお、図8では理解を容易にするため、実際のθ1、θ2よりも傾斜角度を誇張して描いている。
標準状態あるいは少なくともシートに対してインクを吐出する際には、プラテン5は図8(a)の水平姿勢にされる。プリントヘッドとプラテンのインク受け50との間の距離は最短となるため、インクミストの発生も最小となる。プリント動作中にフチ無プリントや予備吐出などでインク受け50に向けて吐出されたインク滴はインク受け50にて受ける。プリント動作中はインク受け50の小傾斜溝522は水平に対して傾斜角度θ1(ここでは3度)であり、インクは下流方向に流れる。
ただし、先にも説明したように、プリント装置の設置面FLが傾いていたら、小傾斜溝522においてインクの流れが悪くなり、場合によっては上流側に逆流して排出されなくなる。そこで、溜まったインクを強制的に排出するために、所定のタイミングにおいて一時的にプラテン5は図8(b)の傾斜姿勢にされる。この傾斜姿勢では、小傾斜溝522の傾斜姿勢がθ1よりも大きなθ2となって、仮に設置面FLが水平でなくともインクは確実に下流側のインク吸収体54に誘導され、インクはインク受け50から強制的に排出される。
このインク排出動作は、インク受け50に溜まったインクを排出するのが目的であるから、プリント動作あるいは予備吐動作などインクを吐出する動作が終わった後に所定のタイミングで行う。たとえば1ジョブまたは複数のジョブの画像のプリントが終わった後に一回、さらにインク受け50に対する予備吐動作を行った後に一回、インク排出動作を行なえばよい。なお、プリント動作および予備吐動作の期間以外にはずっと傾斜姿勢を維持するようにしてもよい。さらにプリント装置に傾きセンサを設けて、装置に傾きがあることが検知されたときに限って排出動作を行うように制御してもよい。これらもインク排出動作を行う所定のタイミングの一例である。
なお、プラテン5を傾斜させる方向は実施例2の形態に限らず、これを直交するシート幅方向に対して駆動機構によりプラテン5を傾斜させるようにしてもよい。さらに、実施例2では駆動機構によりプラテン5全体の姿勢を変えるようにしているが、プラテン5の外枠は固定して、内側のインク受け50の部分だけ姿勢を変えるような機構としてもよい。
また、実施例2ではインク受け50は小傾斜溝522だけで構成しているが、先の実施例1のように傾斜角度の違う複数のインク溝を有する構造としてもよい。すなわち、実施例1と実施例2を複合した形態であってもよい。実施例1では、設置面FLが10度を超える大きな傾きを持っているとインクを排出し切れなくなる場合があるが、実施例2の機構を組み合わせることでインクの排出が可能となる。
4 プリント部
5 プラテン
50 インク受け
52 インク誘導部(縦溝群)
53 インク誘導部(横溝群)
54 インク吸収体
55 インク吸収体
521 大傾斜溝(第2のインク溝)
522 小傾斜溝(第1のインク溝)
531、532 横溝(第3のインク溝)
FL プリント装置の設置面
S シート

Claims (5)

  1. インクを吐出してシートにプリントを行うプリントヘッドと、シートを搬送する搬送手段と、前記プリントヘッドと対向してシートを支持するプラテンと、前記プラテンに配され前記プリントヘッドから吐出されたインクを受ける受け部と、前記プラテンに配され前記受け部から導かれたインクを吸収する吸収体と、前記プラテンに配されシートの搬送方向において前記受け部の上流に設けられシートを支持する第1リブと、前記プラテンに配され前記搬送方向において前記受け部の下流に設けられシートを支持する第2リブと、前記プラテンを第1の姿勢と該第1の姿勢よりも前記受け部の傾斜角度が大きい第2の姿勢に変更する変更部材と、を備えるプリント装置であって、
    前記吸収体は、前記プラテンのシートを支持する面側から見たときに前記搬送方向において前記受け部の下流、かつ前記第2リブの上流において前記プラテンから露出する第1部分と、前記プラテンから露出しない第2部分を有することを特徴とするプリント装置。
  2. 前記吸収体の前記第2部分は、前記受け部及び前記第1リブの下方に配されていることを特徴とする請求項に記載のプリント装置。
  3. 前記受け部には、第1の傾斜溝と、該第1の傾斜溝よりも傾斜角度の大きい第2の傾斜溝と、が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント装置。
  4. 前記プリントヘッドはシート端部に余白のないフチ無しプリントが可能であり、前記受け部はフチ無しプリントのときに前記プリントヘッドからシートの外側に吐出されたインクを受けることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のプリント装置。
  5. 前記プラテンが前記第1の姿勢のときに前記プリントヘッドによってプリント動作が行われ、プリント動作が終了した後に前記プラテンは前記変更部材によって前記第2の姿勢に変更されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のプリント装置。
JP2015154352A 2015-04-02 2015-08-04 プリント装置 Active JP6463232B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015154352A JP6463232B2 (ja) 2015-08-04 2015-08-04 プリント装置
US15/083,112 US20160288505A1 (en) 2015-04-02 2016-03-28 Printing apparatus
CN201610203816.3A CN106042641B (zh) 2015-04-02 2016-04-01 打印设备
US15/686,027 US10596838B2 (en) 2015-04-02 2017-08-24 Printing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015154352A JP6463232B2 (ja) 2015-08-04 2015-08-04 プリント装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017030284A JP2017030284A (ja) 2017-02-09
JP2017030284A5 JP2017030284A5 (ja) 2017-06-08
JP6463232B2 true JP6463232B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57986967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015154352A Active JP6463232B2 (ja) 2015-04-02 2015-08-04 プリント装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6463232B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220203711A1 (en) * 2020-12-28 2022-06-30 Seiko Epson Corporation Recording device

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6981144B2 (ja) 2017-09-28 2021-12-15 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3649392B2 (ja) * 2001-07-26 2005-05-18 シャープ株式会社 インクジェット画像形成装置
JP2008094086A (ja) * 2006-09-11 2008-04-24 Seiko Epson Corp 液体誘導装置及び液体噴射装置
JP4924551B2 (ja) * 2008-06-30 2012-04-25 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用プラテン及びインクジェット記録装置
JP6020241B2 (ja) * 2013-02-18 2016-11-02 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP6150653B2 (ja) * 2013-07-30 2017-06-21 キヤノン株式会社 インクジェットプリント装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220203711A1 (en) * 2020-12-28 2022-06-30 Seiko Epson Corporation Recording device
US11845264B2 (en) * 2020-12-28 2023-12-19 Seiko Epson Corporation Recording device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017030284A (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7204577B2 (en) Waste liquid treating device and liquid ejecting apparatus incorporating the same
US10596838B2 (en) Printing apparatus
JP6921662B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2002187261A (ja) インクジェット記録装置
US8955961B2 (en) Platen and image recording apparatus
JP2019014147A (ja) インクジェット記録装置および吐出方法
JP4375552B2 (ja) 画像記録装置
JP2009208245A (ja) プラテン及び画像記録装置
JP4420247B2 (ja) 画像形成装置
JP5812799B2 (ja) インクジェット記録装置
JP6463232B2 (ja) プリント装置
JP6545040B2 (ja) プリント装置
JP2010173205A (ja) インクジェット記録装置
JP6391736B2 (ja) プリント装置
JP6104305B2 (ja) プリント装置
JP6932982B2 (ja) 記録装置
JP2007216420A (ja) 画像記録装置
JP5849831B2 (ja) 記録装置
US8616679B2 (en) Inkjet printer
JP2018134824A (ja) 記録ヘッドの回復システム及びそれを備えたインクジェット記録装置
JP6024440B2 (ja) 空吐出受けと画像形成装置
JP4900284B2 (ja) プラテン及び画像記録装置
JP2016221742A (ja) 液体を吐出する装置
JP6172585B2 (ja) 記録装置
JP2002144650A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170419

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6463232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151