JP6150653B2 - インクジェットプリント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリント装置において、フチなしプリントのためにプラテンに設けられているインク受け部の構造に関する。
シートの端部に余白を設けずにプリントを行うフチなしプリントが知られている。特許文献1に開示されるプリント装置は、シートの端部よりも外側にはみ出してインクジェットヘッドから吐出されたインクを回収するために、プラテン上にインク受け部(縁無し溝)が設けられている。インク受け部には負圧が供給される吸引孔が設けられている。吸引孔から吸引することによって、受けたインクの回収、ならびにインク吐出に伴って発生するインクミストの回収を行う。これにより、シート裏面にインクミストが付着して汚れるのを低減することができる。
特開2006‐231612号公報
インクジェットプリント装置では、インクミストによるシートや機内の汚れをいかに減らすかが大きな課題である。一般的には、吸引の負圧を大きくすればより多くのインクミストを回収することができる。しかし、負圧を大きくするほどに、インクジェットヘッドから吐出したインク滴が、飛翔の最中に吸引孔の方向に引き寄せられてしまう。これにより、シート端部におけるシート上のインクの着弾の位置精度が低下し、シート端部における画像品位の低下につながる。
本発明はこのような課題の認識に基づいてなされた。本発明の目的は、フチなしプリントが可能なインクジェットプリント装置において、打ち捨てられたインクの確実な回収、インクミストによるシート汚れの低減、高品位の画像プリントを、高い次元でバランスさせることが可能なプラテン機構の提供である。
本発明は、インクジェットヘッドでプリントされるシートを支持するプラテンを備えたプリント装置であって、前記プラテンには、前記インクジェットヘッドでシートの外側に打たれたインクを受ける受け部が設けられており、前記受け部には、負圧が供給される長孔と、受けたインクを前記長孔の所定部分に誘導する誘導部とが形成されており、前記長孔は、前記所定部分を端部としてシートの搬送方向の下流に延びたスリット部を有し、且つ、前記誘導部は、受けたインクが前記スリット部に流れ込むことを制限する形状を有していることを特徴とする。
本発明によれば、フチなしプリントが可能なプリント装置において、打ち捨てられたインクの確実な回収、インクミストによるシート汚れの低減、高品位の画像プリントを、高い次元でバランスさせることが可能となる。
実施形態のインクジェットプリント装置の全体構成図。 プラテンの構造を示す図。 インク回収の作用を説明する図。 シート汚れ軽減の作用を説明する図。 誘導部の変形例を示す図。 誘導部の別の変形例を示す図。 長孔の変形例を示す図。 長孔の別の変形例を示す図。 支持リブの変形例を示す図。
以下に、本発明の実施形態を例示する。ただし本実施形態に記載されている構成はあくまで例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
図1は、本実施形態のインクジェットプリント装置の全体構成を示すもので、図1(a)は斜視図、図1(b)は側面図である。
プリント装置100は大まかに、シートを供給する供給部と、シートを搬送する搬送部と、シートにプリントを行うプリント部の3ユニットから構成される。
供給部は、連続シートがロール状に巻かれたシート3を取り付けるスプール18と、スプール18の回転を制限するトルクリミッタ19とから構成される。スプール18は、シート3の両端と勘合するフランジ18a、18b、および、フランジ18aと18bとを連結させるための軸18cから構成される。スプール18はフランジ18a、18bによってシート3に固定されるため、シート3の回転に合わせて、スプール18も回転する。トルクリミッタ19は、スプール18の回転にブレーキをかけるために設けられている。
搬送部は、搬送ローラ11、ピンチローラ16、ベルト12、搬送モータ13、ロータリエンコーダ14、読取部15から構成される。供給部から供給されたシート3は、搬送ローラ11とピンチローラ16によって挟持され、プリント部に搬送される。搬送ローラ11の駆動は、ベルト12を介して搬送モータ13で行われる。搬送ローラ11の搬送精度は、ロータリエンコーダ14のパターンを読取部15で読み取らせることで保証している。パターンおよび読取部15の検知方式は、光学、磁気あるいは機械のいずれでもよい。
プリント部は、筐体1、プラテン2、メインレール5、キャリッジ6、インクジェットヘッド7、キャリッジモータ8、ベルト9、リニアエンコーダ10から構成される。搬送ローラ11の軸方向と平行に設けられたメインレール5に沿って、キャリッジ6は往復動作する。キャリッジ6には、インクジェットヘッド7が搭載されており、搬送ローラ11によって搬送されたシート3に向けてインクジェットヘッド7のノズルからインクを吐出し、シートに記録を行う。インクジェットヘッド7は、発熱体を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式など、いずれのインクジェット方式を用いてもよい。キャリッジ6の駆動は、ベルト9を介してキャリッジモータ8で行っている。キャリッジ6の動作精度は、直線状のリニアエンコーダ10のパターンを不図示の読取部に読み取らせることで保証している。
キャリッジ6と対向する位置には、プリントの際にシートを支持するプラテン2が設けられている。プラテン2の下には、プラテン2を支持するための筐体1が設けられている。さらに、プラテン2の吸着部に負圧を発生させるために、プラテン2は負圧発生部4と連通している。負圧発生部4はシロッコファンなどが用いられる。負圧発生部4は筐体1の内部に設けられている。プラテン2と負圧発生部4とで囲まれる空間は負圧に保たれる。プラテン2は、キャリッジの往復方向に3分割されており、図1(a)の右からプラテン2a、2b、2cとする。このプラテン2の構造が本実施例の特徴であり、詳細については後述する。
次に、一連のプリント動作について説明する。まず、ユーザはスプール18に装着されたシート3の先端を引き出し、J方向へシート先端を押し進める。シート先端は、シート経路に沿って搬送ローラ11まで誘導される。搬送ローラ11とピンチローラ16のローラ対にシート先端が到達すると、搬送ローラ11が駆動を開始し、シート3はプラテン2の上に搬送される。このとき搬送される方向を「搬送方向」と定義する(図1(b)のK方向)。プラテン2の上に搬送されたシート3は、プラテン2に吸着される。このときの吸着力は強固ではなく、シートの浮き上がりが防止され且つシートが搬送できる程度の弱い力である。プラテン2に吸着されたシート3の上を、キャリッジ6を搭載したインクジェットヘッド7が往復動作することによってプリントが行われる。
図2を用いて、プラテンの構造を説明する。プラテン2はプラテン2a、2b、2cに3分割されているが、いずれのユニットも基本的な構造に差異は無い。以後は、プラテン2aを用いて説明する。
図2(a)は、プラテン2aを上から見た図である。プラテン2aの表面には、シート3を吸着するシート吸着部23(吸着部)と、フチなしプリントを行う際にシート3の端部から外側にはみ出したインクを受けるインク受け部25(受け部)とが、隣接して設けられている。シート吸着部23とインク受け部25の間には、吸引によってシート3が沈み込まないようにシート下面を支持するための支持リブ30が設けられている。シート吸着部23は、負圧が供給される複数の吸引孔24によって負圧に保たれる。吸引孔24は、プラテン2と筐体1によって囲まれた空間を通じて負圧発生部4と連通している。吸引孔24によって負圧に保たれたシート吸着部23を通じて、シート3は吸着される。インク受け部25とシート吸着部23それぞれへの負圧の供給は、本実施形態では単一の負圧発生部で行う。しかし、これに限定されず複数の負圧発生部を設けて、インク受け部25とシート吸着部23に個別に負圧を供給するようにしてもよい。
周知のとおり、フチなしプリントはシート端部に余白を設けずにプリントを行う方法である。確実に余白を設けないようにするため、プリント時にはシート3の端部よりも僅かに外側にはみ出した領域でもインクをノズルから吐出させる。はみ出したインクは当然シート上には乗らず、インク受け部25で受けて回収される。
図2(b)はインク受け部25の詳細な構造を示す上面図、図2(c)は図2(b)のA―A断面図である。インク受け部25の内部には、負圧が供給される長孔27が設けられている。長孔27は、吸引孔24と同様に、プラテン2と筐体1によって囲まれた空間を通じて負圧発生部4と連通している。長孔27は、インク受け部25の中央に設けられた所定部分27a(液体回収部)と、所定部分27aを端部として搬送方向の下流にスリット状に細長く延びたスリット部27b(気体回収部)とから形成される。所定部分27aとスリット部27bとは連通しており、1つの孔となっている。所定部分27aは負圧によりインク(液体)を回収する液体回収機能を持つ。また、スリット部27bはシート裏面の汚れ低減のために、負圧によりインクミストを含む気体を吸い込む気体回収機能を持つ。それぞれの機能の詳細については、後述する。
インク受け部25は、シート3の端部からはみ出したインクが着地する受け面25aと誘導部25bとを含む。受け面25aの表面に着地したインクは、誘導部25bによって長孔27の所定部分27aに誘導される。つまり誘導部25bは、インクが長孔27のスリット部27bに流れ込むことを制限する機能を有している。受け面25aは、所定部分27aに向かって下向きに傾斜しており、重力の作用によりインクは所定部分27aへ流れ込む。誘導部25bは、図2(c)に示す如く細長い溝形状を有しており、溝により段差を形成している。誘導部25bの溝は上方からみたとき、シートの搬送方向に対して傾いて所定部分27aに向けて延び、端部でつながっている。受け面25aが傾斜しているので、斜めに形成された誘導部25bも所定部分27aに向かって下向きに傾斜している。そのため、誘導部25bの溝に入り込んだインクは重力の作用で所定部分27aへ流れ込む。
ここで、インク受け部25に打ち捨てられたインクが長孔27へ速やかに回収されないと、インクがインク受け部25に徐々に堆積する。堆積したインクは、いずれシート裏面やインクジェットヘッドと接触し、汚れや装置故障の原因となる。そのため、速やかなインク回収が要求される。
図3を用いて、インク受け部25に打ち捨てられたインクが回収される作用について説明する。図3(a)は、プリント中のインク受け部25を示した上面図、図3(b)は図3(a)のB―B断面図である。
インクジェットヘッド7から吐出され、シート3の端部の外側にはみ出したインク50は、シートに着弾せずにインク受け部25の受け面25aの上に着地する。インクジェットヘッド7のノズル列から吐出されたインクは、図3(a)のように、直線状のインク50となって受け面25aの上に着地する。着地したインク50は、傾斜した受け面25aを下方に向かって重力の作用で流れる。長孔の所定部分27aに到達したインクは、孔の内部に吸い込まれる。所定箇所27aには負圧が供給されているため、受け面25aのインク50の各位置に着地したインクは、負圧である所定部分27aに向かって図3(a)の矢印で示すような方向に流れる。
所定部分27aの孔の大きさは、インクが流れ込むための大きさがあればよい。所定部分27aの孔が大きすぎると、インク受け部25の負圧が大きくなり、インクの着弾を乱してしまうおそれがある。たとえば、5mm×2mmの四角形ほどの大きさがあれば、インクを流し込むことが可能で且つインクの着弾を乱す可能性も低い。なお、スリット部27bのスリット幅は所定部分の幅2mmよりも狭い、例えば1〜1.5mmの範囲とする。
所定部分27aは、シートの搬送方向においてインク50の真中付近に設けられており、着地したインク50との平均的な距離が最短になる。仮に、搬送方向において中央より上流側に所定部分27aを配置すると、下流側のインク50の着地位置から遠くなってしまい、下流側のインク50の速やかな回収が行えない。
また、所定部分27aは、インクジェットヘッド7側から見て、シート3の裏に隠れる位置に配置することが好ましい。なぜなら、シート3の端部よりも外側に所定部分27aを設けると、所定部分27aの負圧が直接影響し、インクの着弾を乱してしまうためである。そこで、図3(a)の例では、シート3の裏に隠れつつ、インク50の真中に近い位置に所定部分27aを設け、打ち捨てられたインクの速やかな回収と高品位の画像プリントを両立させている。
誘導部25bの役割の一つは、所定部分27aと遠い位置にある搬送方向下流側のインク50を速やかに回収することである。インク50が誘導部25bに入り込むと、細溝の毛管現象によってインク50の回収が加速されるため、速やかな回収が可能となる。後述するように、搬送方向の上流側にも同様の誘導部を設けるとさらに好ましい。
また、誘導部25bの別の役割は、スリット部27bにインクが流れ込むことを防止し、インクミストの回収効果を高めることである。ここで、インクミストによるシート裏面の汚れの原因および発生箇所について説明する。
図4(a)は、プリント中のインク受け部25の断面図(図3(a)のB−B断面)である。インクジェットヘッド7からは、吐出されたインクとともに、インクミストと呼ばれるインク微粒子が発生し、インク受け部25の近傍に浮遊する。インクミスト51の大半は、経路r1をたどって、負圧を有する長孔27に回収される。ここで、シート3を支持する支持リブ30とシート3との間に隙間Sが存在すると、インクミスト51の一部は隙間を抜けて経路r2をたどってシート吸着部23へ到達し、吸引孔24に回収される。このとき、隙間Sを通過するインクミスト51によって、シート3の裏面が汚れる。これがシート裏面の汚れの原因である。
発明者の知見によれば、隙間Sが0.2〜0.3mmに達すると、シート裏面の汚れが発生しやすくなる。シート裏面の汚れを軽減するには、長孔27を単純に広げ負圧を大きくすることで、経路r2をたどるインクミスト51を経路r1へ誘導する方法が考えられる。しかし、長孔27の負圧を大きくするほどに、インク受け部25の負圧が大きくなり、インクの着弾精度を低下させてしまう。したがって、長孔27の位置および大きさを適正化し、効率的なインクミスト回収を行う必要がある。
次に、汚れの発生箇所、すなわち隙間Sの発生箇所について説明する。図4(b)および図4(c)は、プリント装置100の側面図である。搬送ローラ11に対してピンチローラ16は、プラテン2側に角度θだけ傾けて配置されている。そのため、搬送ローラ11とピンチローラ16に挟持されるシート3は、プラテン2に押しつけられる。加えて、プラテン2によってシート3は吸着されている。そのため、搬送方向上流側の領域Uにおいては、シート種類に関わらず、隙間Sは発生しにくい。一方で、搬送方向下流側の領域Lにおいては、プラテン2の吸着のみで隙間Sの発生を防いでいる。剛性の小さいシートであれば、領域Lにおいても、隙間Sは発生しにくい。これに対して、本実施形態のように、ロール状のシートを用いる場合、巻き解かれた後のシートには巻き癖が残っている。そのため、プリント中にシート3はCW方向へカールする。このカールによって図4(b)で示すように、領域Lで隙間Sが発生する場合がある。また、巻き癖のないカットシートなどを用いる場合も、周りの環境条件(温度、湿度)によって、CW方向やCCW方向へカールし隙間Sが発生してしまうことがある。また、シート種類によっては、インクがシートに浸み込むとシートが伸び、シワ(コックリング)が発生する。領域Uでプリントされたシートの一部は、領域Lに到達するときにはインクが十分浸み込んでいる。そのため、領域Lでシートにシワが発生しやすい。そのシワによって、領域Lでは隙間Sが発生する。このように、搬送方向下流側の領域Lで隙間Sが発生すると、インクミスト51が領域Lを通過する際にシート裏面の汚れが発生する。
シート裏面の汚れの原因および発生箇所を踏まえ、インクミストを回収する構成について説明する。図4(d)はプリント中のプラテン2aの上面図である。領域Lの近傍には、負圧を有するスリット部27bが設けられている。汚れの原因となる領域Lの近傍に負圧を集中させることで、必要最小限の負圧で、シート裏面の汚れの原因となるインクミスト51を最大限に回収することができる。一方で、上流側の領域Uは隙間Sが発生しないため、シート裏面の汚れも生じにくい。インクの着弾精度を乱さないためにも、領域Uにはスリット部を設けないものとする。
加えて、誘導部25bを設けることで、打ち捨てられたインク50がスリット部27bに流れ込むことを防いでいる。そのため、スリット部27bがインク50の液滴によって塞がれる可能性も低い。したがって、スリット部27bのスリット幅はインクミスト51、すなわち空気が通過できる幅で足りる。これによって、スリット部27bの開口面積を必要以上に大きくする必要がなくなり、インク受け部25の負圧を抑えることができる。インク受け部25の負圧が抑えられると、インクの着弾精度も安定する。
このような構成によって、高品位の画像プリントとシート裏面の汚れの低減とを両立している。結果として、打ち捨てられたインクの確実な回収、シート汚れの低減、高品位の画像プリントを、高い次元でバランスさせることが可能となる。
図5は、誘導部の変形例を示すもので、図5(a)はプリント中のプラテン2aの上面図、図5(b)は図5(a)のC−C断面図である。
先の例での誘導部25bは溝形状による段差であったが、本変形例でインクの受け面29aから隆起したリブ29bにより段差を形成している。それ以外の構成は、これまで説明してきた実施形態と同様である。受け面29aに打ち捨てられたインク50は、傾斜した受け面29aを下方に流れてリブ29bまで到達すると、受け面29aとリブ29bとの稜線に沿って所定部分27aに流れ込む。つまり、インク50は経路r4をたどって流れる。このとき、毛管現象によってインク50の回収が加速され、速やかな回収が可能となる。リブ29bは、インクを所定部分27aに向けて誘導するとともに、インク50がスリット部27bに流れ込むことを防止する機能を持っている。
図5(b)に示すように、インク受け部29に浮遊するインクミスト51は、リブ29bに当たると経路r3のように跳ね返され、リブ29bの近傍には小さな気流の渦が生じる。この渦はインクミスト51の流れの抵抗となり、リブ29bを乗り越えて領域Lへ到達するインクミスト51を減らすことができる。本変形例によれば、領域Lに到達するインクミスト51の量を減らすことができるため、高品位の画像プリントを維持しつつ、シート裏面の汚れを更に低減させることが可能となる。
以上は、誘導部をインク受け部25の下流側に一つだけ設けた例を示してきたが、複数の箇所に誘導部を設けてもよい。図6(a)は、搬送方向の下流側のリブ200aに加えて、上流側にも同様のリブ200bを追加した例である。図6(b)は、搬送方向の下流側の溝部201aに加えて、上流側にも溝部201bを追加した例である。搬送方向の上流側に着地したインク50も、リブ200bまたは溝部201bの段差に沿って、長孔の所定部分27aに誘導されて回収されるため、より速やかな回収が可能となる。なお、一方が溝部で他方がリブの組み合わせでもよい。たとえば、搬送方向の下流側にリブ200aを設け、搬送方向の上流側に溝部201bを設けてもよい。
図6(c)は、インクの受け面に複数の溝部202a、202b、202c、202d、202eを形成した例である。複数の溝部それぞれは、インクを吸い込む所定部分302aに誘導するような方向性を持った段差となるよう形成されている。
図6(d)は、インク受け面に溝部を設けることなく、インク受け面自体を、インクを長孔の所定部分に誘導する曲面の形状とした例である。インク50は、インク受け面304の曲面に沿って矢印の方向へ誘導され所定部分303aに吸い込まれる。インク50がスリット部303bへ向かったとしても、曲面で跳ね返される。そのため、溝部を設けなくとも、インク50がスリット部303bへ流れ込むことがない。
図7は長孔の変形例を示す図である。図7(a)の例では所定部分203と受け面204との境界を円弧形状とし、図7(b)の例では所定部分205と受け面206の境界を三角形状としている。このような形状によって、インク50を短時間で一箇所に集めやすくなる。集まったインク50は大きな液滴となり自重で流れる。
図7(c)の例では、所定部分208aとスリット部208bの間に遮へい部207を設けて、2つの孔に分割している。所定部分208aに流れ込んだインク50が、スリット部208bに流れ込む可能性が低減し、スリット部208bがインク50の液滴によって塞がる可能性が低くなる。所定部分208aの液体回収機能とスリット部208bの気体機能とは明確に機能分離され、インクミストの回収をより確実に行うことができる。なお、樹脂成型でプラテン2を作る場合は、近接した孔同士の精度にバラツキが生じることがある。その場合は、所定部分208aとスリット部208bとを連通させて1つの長孔とすればよい。
図7(d)は、スリット部のスリット幅を下流にいくほど狭くした例である。スリット幅を狭くすることで結果的に負圧が抑制され、インクの着弾精度をより安定させることができる。空気中に滞留するインクミスト51の密度は、所定部分209aの近くで最も大きく、外側のスリット部209bへ向かうほど小さくなる。外側の密度が小さい理由は、外気と混ざりやすいためである。そこで、密度の大きい箇所は負圧を大きくし、密度の小さい箇所は負圧を小さくすると効率的にインクミスト51を回収できる。したがって、インクミストの密度に応じて、搬送方向下流へいくほどスリット部209bのスリット幅を狭くする本変形例は効果的である。
図8は、長孔のさらに別の変形例を示す。図8(a)はプラテン2aの上面図、図8(b)は図8(a)のD−D断面図である。スリット部に回収されるインクミスト51は、渦を巻くことなくスムーズに回収されることが望ましい。渦が発生すると、インクミスト51スリット部の本来の回収機能が低下するおそれがあるためである。そこで、スリット部210bに回収されるインクミスト51が渦を巻かないように、スリット部210bに吸引する気体を整流する整流手段として、複数の仕切り板33を設けている。仕切り板33に沿って、インクミスト51は吸い込まれるため、吸い込まれる空気が整流され安定する。図8(c)は、先の図7(d)をさらに改良したもので、スリット部211bのスリット幅が搬送方向下流に向かうほど狭くなり、且つここに整流手段として複数の仕切り板34を設けて整流効果を高めている。
図9は、支持リブの変形例を示す。上述したとおり、領域Lを通過するインクミスト51が原因となってシート裏面の汚れが発生する。本変形例では、支持リブ250のうちスリット部251bに対応した下流側リブ250aのスリット幅を広くする。また、下流に向かうほど下流側リブ250aのスリット幅を広くする形状でもよい。これによって、下流側リブ250aとシート3とで形成される隙間へインクミスト51が入りにくくなる。領域Lを通過するインクミスト51が低減するため、シート裏面の汚れも低減する。また、支持リブ250の下流側リブ250aのリブ幅は上流側リブ250bのリブ幅よりも広い。シート3の端部とシート吸着部23との距離(図9の距離V)が大きいと、シート3の端部が浮いて、インクジェットヘッド7とシート3が触れる可能性が高まる。そこで、上流側リブ250bではリブ幅を維持してシート浮き抑止し、下流側リブ250aではリブ幅を広くしてシート裏面の汚れを抑止している。
2 プラテン
7 インクジェットヘッド
25 インク受け部
25b 誘導部
27 長孔
27a 所定部分
27b スリット部

Claims (10)

  1. インクジェットヘッドでプリントされるシートを支持するプラテンを備えたプリント装置であって、
    前記プラテンには、前記インクジェットヘッドでシートの外側に打たれたインクを受ける受け部が設けられており、
    前記受け部には、負圧が供給される長孔と、受けたインクを前記長孔の所定部分に誘導する誘導部とが形成されており、
    前記長孔は、前記所定部分を端部としてシートの搬送方向の下流に延びたスリット部を有し、且つ、前記誘導部は、受けたインクが前記スリット部に流れ込むことを制限する形状を有していることを特徴とするプリント装置。
  2. 前記誘導部は、前記長孔に向けて傾斜した受け面と、前記スリット部にインクが流れ込まないように前記受け面に設けられた段差とを有し、前記段差は前記所定部分に向けて傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記受け面には、前記所定部分よりも前記搬送方向の上流側にも、前記所定部分に向けて傾斜している段差が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のプリント装置。
  4. 前記誘導部は、前記長孔に向けて傾斜した受け面を有し、前記受け面は受けたインクが前記スリット部にインクが流れ込むことを制限する曲面の形状を有していることを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
  5. 前記長孔は、前記スリット部のスリット幅に比べて前記所定部分の幅が広いことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のプリント装置。
  6. 前記スリット部のスリット幅は下流にいくほど狭くなることを特徴とする、請求項5に記載のプリント装置。
  7. 前記スリット部には、吸い込む空気を整流する手段が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のプリント装置。
  8. 前記所定部分と前記スリット部との間には、前記所定部分からインクが前記スリット部に流れ込むことを防ぐ遮へい部が形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のプリント装置。
  9. 前記プラテンには、負圧によりシートを吸着する吸着部が前記受け部に隣接して設けられており、前記吸着部と前記受け部との間にはシートを支持する支持リブが設けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のプリント装置。
  10. 前記支持リブは、下流側のほうが上流側よりも幅が広いことを特徴とする、請求項9に記載のプリント装置。
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