JP6463087B2 - 露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、露光装置、および物品の製造方法に関する。
露光装置は、物品としての液晶表示デバイスなどを製造する工程に含まれるリソグラフィ工程において、原版(マスク等)のパターンを、投影光学系を介して感光性の基板(表面にレジスト層が形成されたガラスプレート等)に転写する装置である。このうち、特許文献1は、より光学性能を向上させるために、投影光学系が、凹面ミラーと凸面ミラーとの間に屈折光学部材であるメニスカスレンズ(非球面レンズ)を含む反射屈折型である露光装置を開示している。一方、露光結像特性の観点から、周囲環境に起因する光学特性の悪化や、投影光学系内の部材が露光光を吸収することに起因して発生しうるフォーカス差または非点収差(アス)等の収差などを低減させることが望ましい。そこで、特許文献2は、投影光学系内の部材が露光光を吸収することで生じた投影光学系内部全体の温度上昇に合わせて、投影光学系を収容する鏡筒内に温度調節された気体を供給することで、投影光学系内の温度分布変化を低減させる露光装置を開示している。
特開2008−89832号公報 特許第5517847号公報
ここで、特に反射屈折型の投影光学系を備える露光装置では、投影光学系の瞳近傍に設置されているメニスカスレンズに露光光のエネルギーが集中する。そして、メニスカスレンズが露光光のエネルギーの一部を吸収し、その内部に温度分布が生じることで屈折率分布や面形状が変化し、結果として、投影光学系の光学特性(主に縦横アスまたは斜めアス)を劣化させうる。このような劣化を低減させるために、特許文献2に開示されている技術を応用すれば、常時同一の給気口からメニスカスレンズ側に向かう一定方向で気体を流入させることになる。
しかしながら、リソグラフィ工程によっては、原版は頻繁に(例えば28枚/Lotに1回程度)交換される。一方、原版のパターンは、縦線、横線または斜め線で形成されており、露光光が照射されると、パターンを形成している線の方位に合わせて回折光が生じる。また、個々の原版では、それぞれパターンを形成する線の方位が異なる。これは、原版が交換されるたびに、露光の際に光が回折する方位が異なることになり、メニスカスレンズにおける露光光のエネルギーが吸収される位置も変化し、結果として、メニスカスレンズ内部での温度分布も変化することになる。したがって、上記のように常時同一の給気口から一定方向で気体を供給するだけでは、パターンを形成している線の方位によっては温度分布の変化が大きくなり、上記光学特性に悪い影響を及ぼす場合もありうる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、非点収差を低減し、光学特性の安定化に有利な露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、投影光学系を介して原版のパターンを基板上に露光する露光装置であって、投影光学系の瞳位置近傍に配置された光学素子の温度を制御するための気体を供給する気体供給手段と、気体供給手段を制御する制御手段と、を備え、気体供給手段は、光学素子の光軸を中心としてそれぞれ異なる角度となる位置に配置され、気体を供給可能な給気口を複数有するとともに、複数の給気口のうち気体を供給する給気口を切替可能とする切替手段を有し、制御手段は、露光光の照射により生じる光学素子の温度分布に応じて、気体を供給する方向を変更させるように、気体供給手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、非点収差を低減し、光学特性の安定化に有利な露光装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を示す図である。 第2給気口および第2排気口の配置を示す図である。 切替制御部の構成を示すブロック図である。 凸面ミラーとメニスカスレンズとの間の空間の温度分布を示す図である。 第2給気機構の給気方向を切り替える第1例を説明する図である。 第2給気機構の給気方向を切り替える第2例を説明する図である。 本発明を適用しない場合の給気機構の構成を示す図である。 図7に示す給気機構を用いた場合の給気状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る露光装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、例えば、液晶表示デバイスや有機ELデバイスなどのフラットパネルの製造工程におけるリソグラフィ工程にて使用されうる。特に本実施形態では、露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式にて、マスク20に形成されているパターンの像をプレート30上(基板上)に転写(露光)する走査型投影露光装置とする。露光装置100は、まず、照明光学系43と、マスクステージ21と、投影光学系60と、プレートステージ33と、制御部88とを備える。なお、図1以下の各図では、鉛直方向であるZ軸に垂直な平面内で露光時のマスク20およびプレート30の走査方向にY軸を取り、Y軸に直交する非走査方向にX軸を取っている。また、プレート30は、例えば硝材製で、表面に感光剤(レジスト)が塗布されている被処理基板である。さらに、マスク20は、例えば硝材製で、プレート30に転写されるべきパターン(微細な凹凸パターン)が形成されている原版である。
照明光学系43は、光源42からの光束を用いて、マスクステージ21に保持されているマスク20を照明する。光源42としては、例えば、Hgランプが使用可能であるが、i線、h線、g線等のHgランプの出力波長の一部を用いる場合もある。また、照明光学系43は、照明条件切替機構44を用いて、マスク20に形成されているパターンの条件に応じて適切な照明条件に切り替えうる。マスクステージ21は、マスク20を保持し、例えば、X、Y軸方向に移動可能である。
投影光学系60は、複数の光学素子により構成されたミラープロジェクション方式を採用し、プレートステージ33に保持されているプレート30にマスク20からのパターン像を投影する。投影光学系60は、平板型透過素子66と、平面ミラー67と、凹面ミラー68と、凸面ミラー69と、メニスカスレンズ65とを含む。平板型透過素子66は、投影光学系60の入射側および射出側の2箇所に配置され、投影光学系60の結像性能を補助的に改善するために用いられる透過光学素子である。平板型透過素子66の材質は、例えば、露光光に対して内部吸収がほぼゼロとなる硝材としうる。平面ミラー67、凹面ミラー68および凸面ミラー69は、それぞれ、パターン像を反射する部材であり、その材質は、線膨張係数の小さい硝材としうる。メニスカスレンズ65は、光学性能を向上させるために用いられる屈折光学部材としての非球面レンズである。メニスカスレンズ65の材質は、例えば、露光光に対して内部吸収がほぼゼロとなる硝材としうる。なお、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とは、投影光学系60の瞳位置近傍に設置される光学素子である。また、メニスカスレンズ65は、光学性能を向上させる点で設置することが望ましいが、例えば、要求される露光精度が低い場合には必ずしも設置する必要はない。ここで、投影光学系60の投影倍率を等倍とすると、露光装置100は、マスク20とプレート30とを同期移動させながら走査露光を行うことで、マスク20に形成されているパターンの像を感光剤が塗布されているプレート30上に転写することができる。また、投影光学系60を構成する各要素は、鏡筒61の内部に収容されている。
また、露光装置100は、鏡筒61の内部に気体を供給する気体供給手段として、少なくとも2種類の給気機構(第1給気機構および第2給気機構)を備える。まず、第1給気機構は、鏡筒61内の温度安定化のために、不図示の温度調整装置により温調された気体を供給する。第1給気機構は、鏡筒61の露光光射出側の下壁部に設置され、鏡筒61の内部に給気する第1給気口72と、鏡筒61の露光光入射側の上壁部に設置され、鏡筒61の外部へ排気する第1排気口73とを含む。第1給気口72と第1排気口73とは、共に温度調整装置に配管を介して接続されている。温度調整装置は、制御部88からの指示に基づいて供給する気体の温度を制御することで、鏡筒61の内部を一定の所望の温度に維持しうる。
一方、第2給気機構は、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間に向けて、すなわちそれらのレンズに接触するように気体を供給可能とする第2給気口85を有する。また、第2給気機構は、第2給気口85から供給された気体を鏡筒61の外部へ排気可能する第2排気口86を有する。
図2は、投影光学系60の光軸62に沿って凹面ミラー68側から凸面ミラー69側を見た場合の、第2給気口85および第2排気口86の配置を示す概略平面図である。ここで、図中、八角形で示される領域63は、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間における、光軸62に直交する平面(YZ平面)領域を模式的に示している。第2給気口85と第2排気口86とは、それぞれ複数有り、1つの給気口85と1つの排気口86とは、それぞれ、領域63を含む平面内で、光軸62を基準として対称となるように配置されている。本実施形態では、第2給気機構は、一例として4つの第2給気口85a〜85dと4つの第2排気口86a〜86dとを含み、それぞれが光軸62を中心に角度が45度間隔で配置されているものとする。例えば、第2給気口85aは、第2排気口86aに向けて給気し、第2排気口86aは、第2給気口85aから供給された気体を排気するようにそれぞれ配置される。その他の第2給気口85b〜85dと第2排気口86b〜86dとの各配置関係も同様である。
このような構成によれば、第2給気機構が可能とする給気方向(気体を供給する方向)は、領域63を含む平面内において1つの方向に限られず、複数の方向(本実施形態では4つの方向)となる。また、図2に示す構成では、第2給気口85および第2排気口86の配置のうち、4つの第2給気口85a〜85dは、光軸62よりも下側に並び、それに対する4つの第2排気口86a〜86dは、光軸62よりも上側に並ぶものとしている。ただし、これとは逆に、第2給気口85と第2排気口86とを上下逆側に並ぶものとしてもよい。または、給気口と排気口とを区別せず、すべて給排気口としてもよい。また、図2に示す構成では、給気方向が4つの方向となる構成としているが、第2給気口85と第2排気口86とは、少なくとも2つの給気方向が成立する構成であればよい。さらには、第2給気機構が、第2排気口86を設けず、第2給気口85のみで構成される場合もありうる。
なお、ここでは、投影光学系60の瞳近傍に凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とが設置されていることを前提としている。これに対して、例えば、投影光学系60がメニスカスレンズ65を有しない場合には、第2給気口85は、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれた空間ではなく、凸面ミラー69に向けて、または凸面ミラー69に接触するように給気することになる。
また、第2給気口85および第2排気口86は、それぞれ、温度調整手段としての温度調整装置81に配管を介して接続されている。温度調整装置81は、制御部88からの指示に基づいて供給する気体の温度を制御する。さらに、第2給気機構は、温度調整装置81と第2給気口85および第2排気口86との間に設置される切替機構84と、切替機構84による切り替えを制御する制御手段としての切替制御部90とを含む。その上で、切替制御部90は、制御部88から露光情報を取得し、該露光情報に基づいて、第2給気口85a〜85dおよび第2排気口86a〜86dの中から使用する第2給気口85および第2排気口86を選択し、切替機構84に対して切替指示を送信する。切替機構84は、切替制御部90から受信した切替指示に基づいて、使用する第2給気口85と第2排気口86とを切替可能とする切替手段である。
図3は、切替制御部90の詳細構成を示すブロック図である。切替制御部90は、切替箇所決定部91と、切替実行判断部95と、情報保持部92とを含む。切替箇所決定部91は、制御部88から取得したマスク情報に基づいて、使用する第2給気口85および第2排気口86(切替箇所情報)を決定する。切替実行判断部95は、制御部88から取得した装置状態信号に基づいて、切替を実行するタイミング信号を情報保持部92に送信する。情報保持部92は、切替箇所決定部91から取得した切替箇所情報と、切替実行判断部95から取得したタイミング信号とに基づいて、切替箇所情報を保持しつつ、切替機構84へ切替箇所情報を送信する。
プレートステージ33は、本体定盤31上に設置され、プレート30をチェック32を介して保持し、例えば、X、Y、Z、ωx、ωy、ωzの6方向に移動可能である。露光時には、マスクステージ21に保持されているマスク20と、プレートステージ33に保持されているプレート30とは、投影光学系60を介して共役な位置関係(投影光学系60の物体面および像面)に配置される。
制御部88は、例えばコンピューターなどで構成され、露光装置100の各構成要素に回線を介して接続されて、プログラムなどに従って各構成要素の動作および調整などを制御しうる。特に本実施形態では、制御部88は、使用するマスク20に関する情報(マスク情報)と装置状態信号とを露光情報として管理し、切替制御部90に適宜送信しうる。なお、本実施形態では、第2給気機構の動作を制御する制御手段の一例として、制御部88とは別に切替制御部90を有する構成としているが、切替制御部90が制御部88内に構成され、制御部88が第2給気機構の動作を制御するものとしてもよい。また、制御部88は、露光装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、露光装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
また、露光装置100は、レーザー干渉測長器50と、第1計測機構40と、第2計測機構41とを備える。レーザー干渉測長器50は、マスクステージ21およびプレートステージ33のそれぞれの位置を計測する。レーザー干渉測長器50は、例えば、レーザーヘッド51と、2つの干渉計ミラー52、53と、プレートステージ33に取り付けられる第1反射ミラー54と、マスクステージ21に取り付けられる第2反射ミラー55とを含む。第1計測機構40は、マスクステージ21の上方に配置され、マスク20とプレート30との重ね合わせ位置を投影光学系60を介して計測する。第2計測機構41は、プレートステージ33の上方に配置され、マスク20とプレート30とのフォーカス位置を投影光学系60を介して計測する。ここで、照明光学系43がマスク20を照明するときに、照明光が第1計測機構40により遮られることがないよう、第1計測機構40は、その一部または全体を移動可能とする駆動系を有し、照明光束外に適宜退避しうる。なお、上記説明した各構成要素は、チャンバ10の内部に収容されている。
次に、本実施形態における鏡筒61の内部の温調に関し、特に凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間における温調(温調気体の供給)について説明する。露光の際、投影光学系60の瞳近傍に設置されているメニスカスレンズ65または凸面ミラー69では、投影光学系60の光学特性(主にフォーカス差または非点収差)の劣化を抑える観点から、それらのレンズにおいては、温度がおおよそ均一であることが望ましい。しかしながら、上記のとおり、メニスカスレンズ65が露光光のエネルギーの一部を吸収し、その内部に温度分布の変化が生じて屈折率分布や面形状が変化すると、投影光学系60の上記光学特性を劣化させうる。このことは、メニスカスレンズ65に光軸方向で隣り合う凸面ミラー69についても同様であり、線膨脹係数の小さい硝材を用いたものであっても、ミラー膜の露光光吸収によりミラー面形状が変化し、投影光学系60の上記光学特性を劣化させうる。
ここで、本実施形態に係る露光装置100の特徴を明確にするために、参考として、上記のような投影光学系60の光学特性の劣化のおそれに対する、本発明を適用しない露光装置における対策について説明する。マスク20に形成されているパターンは、縦線、横線または斜め線で描画されている線パターンである。このパターンに光が照射されると、露光光は、パターンを形成している線の方位に合わせて回折し、メニスカスレンズ65の位置において、光軸62を中心として、大まかにいえば、例えば、0度、90度、45度または135度の方位への光の回折として表れる。そして、このような光が回折する方位により、露光光がメニスカスレンズ65で吸収される位置が異なってくる。
図4は、メニスカスレンズ65における温度分布64を示す概略平面図である。このうち、図4(a)は、主に横線で形成されたパターンで光が回折しているときの温度分布を示し、図4(b)は、主に縦線で形成されたパターンで光が回折しているときの温度分布を示している。なお、図中、八角形で示される領域63は、図2に示す領域63と同一である。主に横線で形成されたパターンで光が回折しているときに生じる温度分布64は、図4(a)に示すように、角度が90度、すなわちZ軸方向に沿って延びるように拡がる(温度が上昇する)。一方、主に縦線で形成されたパターンで光が回折しているときに生じる温度分布64は、図4(b)に示すように、角度が0度、すなわちY軸方向に沿って延びるように拡がる。
図7は、本発明を適用しない露光装置において考えられる、本実施形態に係る露光装置100でいう凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間に向けて気体を供給しうる給気機構の構成を示す概略平面図である。図中、露光装置100に関する説明で用いた部分と同一部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。本発明を適用しない露光装置では、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間に重点的に気体を供給する給気機構が存在しないか、存在したとしても図7に示すように、1つの給気口82と1つの排気口83とが配置され、常に給気方向が一定である。なお、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれる空間に重点的に気体を供給する給気機構が存在しない場合には、例えば、本実施形態における第1給気機構のように、鏡筒61の内部全体を温調する気体の一部がその空間を通過するのみとなる。
図8は、図4に示すような温度分布に対して図7に示すような給気機構を用いた場合の給気状態(冷却状態)を示す概略平面図である。このうち、図8(a)は、メニスカスレンズ65における温度分布64が図4(a)に示すような場合の給気状態を示している。一方、図8(b)は、温度分布64が図4(b)に示すような場合の給気状態を示している。まず、図4(a)に示すような温度分布の場合には、図8(a)に示すように温度分布が給気口82から排気口83に向かう給気方向と合うので、温度が上昇する部分全体を効率良く冷却することができ、温度分布変化を低減させることができる。しかしながら、図4(b)に示すような温度分布の場合には、図8(b)に示すように給気口82から排気口83に向かう給気方向は変わらず、温度分布の一部にしか気体が通過しないので、温度が上昇する部分の一部しか冷却することができない。したがって、温度分布の変化を低減させることが難しく、それのみならず、温度分布の変化が逆に大きくなり、上記光学特性をさらに劣化させてしまう可能性もある。
これに対して、フォーカス差または非点収差(縦横アスまたは斜めアス)の個々の光学特性について考える。まず、フォーカス差に関しては、第2計測機構41を用いてフォーカス変化を計測し、その計測結果に基づいてプレートステージ33を移動させることで補正することができる。しかしながら、非点収差に関しては、プレートステージ33を移動させても補正することはできない。
そこで、本実施形態では、凸面ミラー69とメニスカスレンズ65とに挟まれた空間に対しては、予測した温度分布に合わせて給気方向を可変とする第2給気機構を用いることで、温度分布の変化を低減させる。
図5は、本実施形態において、メニスカスレンズ65における温度分布に対する第2給気機構の給気方向を切り替える第1例を説明する概略平面図である。ここでは、主に縦線のパターンが形成されたマスク20からの露光光を投影光学系60に連続照射する場合について例示する。この場合、露光光を単に連続照射しただけでは、図4(b)に示すように、メニスカスレンズ65において0度の方位に光が回折し、回折する方向の温度が周囲よりも高くなるような温度分布となる。そこで、本実施形態では、制御部88は、予め管理している今回使用するマスク20に関するマスク情報を切替箇所決定部91に送信するとともに、装置状態信号を切替実行判断部95に送信する。特に、ここで送信されるマスク情報には、マスク20に形成されているパターンのうちの少なくとも1つのパターン(線パターン)の方位、例えば、パターンが主に縦線で形成されている旨の情報が含まれている。次に、切替箇所決定部91は、制御部88から取得したマスク情報に基づいて切替箇所情報を決定する。このとき、切替箇所決定部91は、マスク情報からメニスカスレンズ65における温度分布が図4(b)に示すような温度分布64となると予測する。そして、切替箇所決定部91は、その温度分布64と給気方向とが合うように、切替箇所情報として第2給気口85dと第2排気口86dとを選択し、決定する。一方、切替実行判断部95は、上記のとおり、制御部88から取得した装置状態信号に基づいてタイミング信号を情報保持部92に送信する。ここで、タイミング信号は、次のような装置状態、すなわち露光が終了した後から次の露光が開始されるまでの間、例えば、マスク交換(数分)や定期メンテナンス(数十分)のときに送信されることが望ましい。次に、情報保持部92は、上記のとおり、切替箇所決定部91から取得した切替箇所情報と、切替実行判断部95から取得したタイミング信号とに基づいて、切替箇所情報を保持しつつ、切替機構84へ切替箇所情報を送信する。そして、切替機構84は、タイミング信号に基づくタイミングで、第2給気機構において用いる給気口と排気口とを第2給気口85dと第2排気口86dとに切り替える。これにより、第2給気機構による給気方向が、メニスカスレンズ65における温度分布(形状)と合うことになるので、より効率良くメニスカスレンズ65における温度分布の変化を抑え、温度を均一化させることができる。
図6は、本実施形態において、メニスカスレンズ65における温度分布に対する第2給気機構の給気方向を切り替える第2例を説明する概略平面図である。ここでは、主に複数のパターン、例えば、光軸62を中心として45度および135度の2つの斜め線のパターンが形成されたマスク20からの露光光を投影光学系60に連続照射する場合について例示する。この場合、切替箇所決定部91は、上記説明と同様に、メニスカスレンズ65における2つの温度分布に合わせて第2給気口85と第2排気口86とを選択し、切替箇所情報を決定すればよい。具体的には、この場合に切替箇所情報として決定される複数の給気口および排気口は、第2給気口85bと第2排気口86bとの組、および、第2給気口85cと第2排気口86cとの組である。さらに、使用するマスク20に形成されているパターンが複数ある場合には、切替箇所決定部91は、これとは別に、温度分布が延びる方位が最も多い方向に合わせて第2給気口85と第2排気口86とを切替箇所情報として決定してもよい。
このように、露光装置100は、第2給気機構を用いることで、投影光学系60の瞳近傍に設置され、露光光のエネルギーが集中するメニスカスレンズ等に生じうる温度分布の変化を抑えることができるので、光学特性を安定させることができる。さらに、露光装置100は、例えばマスク20を交換しても、第2給気機構がマスク20のパターンを形成している線の方位を考慮して給気方向を切り替えるので、光学特性の中でも特に非点収差(縦横アスまたは斜めアス)に関しての劣化を抑えるのに好適となる。
以上のように、本実施形態によれば、非点収差を低減し、光学特性の安定化に有利な露光装置を提供することができる。
なお、上記説明では、切替箇所決定部91は、制御部88から取得したマスク情報に基づいて切替箇所を決定するものとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、照明光学系43では、照明条件切替機構44は、使用するマスク20に合わせて適切な照明条件に切り替える。ここで、照明条件とは、輪帯照明、小σ照明または大σ照明などの各条件をいう。この照明条件が変わると、投影光学系60に入射する露光光のエネルギーや、メニスカスレンズ65に照射される露光光の形状も変わる。したがって、非点収差は、露光時の照明条件によっても発生しうる。そこで、切替箇所決定部91は、この照明条件も考慮して切替箇所を決定するものとしてもよい。
この場合、制御部88は、マスク情報および装置状態信号に加え、照明条件も露光情報として管理する。さらに、制御部88は、予め実露光結果より求められた、その照明条件のもとで露光光を連続照射することで生じうる光学特性(主に非点収差)の変化に関する情報も合わせて管理する。ここで、切替箇所決定部91は、制御部88から取得したマスク情報から特定されるマスク20に関して、制御部88より取得した露光情報に基づいて切替箇所情報を決定する。このとき、切替箇所決定部91は、上記予め露光結果より求められている光学特性の変化に関する情報と、使用する照明条件とを比較参照し、特に縦横アスまたは斜めアスのうち変化が大きい方向に合う給気方向となるように切替箇所情報を決定する。なお、使用する照明条件で露光光を連続照射することで発生する光学特性(非点収差)の変化に関する情報は、第2計測機構41を用いて計測して得られた結果としてもよい。一方、切替実行判断部95は、上記説明と同様に装置状態信号に基づいてタイミング信号を情報保持部92に送信する。このとき、タイミング信号は、次のような装置状態、すなわち露光が終了した後から次の露光が開始されるまでの間、例えば、マスク交換(数分)や、照明条件変更(数分)や、定期メンテナンス(数十分)などのときに送信されることが望ましい。これによれば、例えば、マスク20が変更となった以外に、投影光学系60に照射される露光エネルギーが変化した場合でも、好適に上記説明と同様の効果を奏する。
(物品の製造方法)
本発明の一実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、液晶表示デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、係る工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。さらに、係る製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態に係る物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
60 投影光学系
65 メニスカスレンズ
69 凸面ミラー
85 第2給気口
86 第2排気口
90 切替制御部
100 露光装置

Claims (10)

  1. 投影光学系を介して原版のパターンを基板上に露光する露光装置であって、
    前記投影光学系の瞳位置近傍に配置された光学素子の温度を制御するための気体を供給する気体供給手段と、
    前記気体供給手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記気体供給手段は、前記光学素子の光軸を中心としてそれぞれ異なる角度となる位置に配置され、前記気体を供給可能な給気口を複数有するとともに、前記複数の給気口のうち前記気体を供給する給気口を切替可能とする切替手段を有し、
    前記制御手段は、露光光の照射により生じる前記光学素子の温度分布に応じて、前記気体を供給する方向を変更させるように、前記気体供給手段を制御することを特徴とする露光装置。
  2. 前記気体供給手段は、前記給気口とは前記光学素子の位置を基準として対称となる位置に配置され、前記給気口から供給された前記気体を排気する排気口を複数有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記複数の給気口に接続され、前記気体の温度を調整する温度調整手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 前記制御手段は、前記切替手段に対して、前記原版を他の原版と交換するとき、前記原版を照明するときの照明条件を変更するとき、または、メンテナンスのときに、前記給気口を切り替えさせることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の露光装置。
  5. 投影光学系を介して原版のパターンを基板上に露光する露光装置であって、
    前記投影光学系の瞳位置近傍に配置された光学素子の温度を制御するための気体を供給する気体供給手段と、
    前記気体供給手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、露光光の照射により生じる前記光学素子の温度分布を前記パターンの形状に基づいて予測し、該温度分布に基づいて前記気体を供給する方向を変更させるように、前記気体供給手段を制御することを特徴とする露光装置。
  6. 前記制御手段は、前記原版を照明するときの照明条件に基づいて前記温度分布を予測することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記光学素子は、非球面レンズと、該非球面レンズと光軸方向で隣り合う凸面ミラーとを含み、
    前記気体供給手段は、前記非球面レンズと前記凸面ミラーとに挟まれる空間に向けて前記気体を供給する、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 前記光学素子は、凸面ミラーを含み、
    前記気体供給手段は、前記凸面ミラーに向けて前記気体を供給する、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 投影光学系を介して、原版に形成された、少なくとも1つの線パターンを含むパターンを基板上に露光する露光装置であって、
    前記投影光学系の瞳位置近傍に配置された光学素子の温度を制御するための気体を供給する気体供給手段と、
    前記気体供給手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記パターンが形成された前記原版を通過した露光光が前記光学素子に入射することで生じる前記光学素子の温度分布に応じて、前記気体を供給する方向を変更させるように、前記気体供給手段を制御し、
    前記気体供給手段は、前記少なくとも1つの線パターンの方位に応じた方向に前記気体を供給することを特徴とする露光装置。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、前記工程で露光された前記基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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