JP6462403B2 - 湿式分散器 - Google Patents

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Description

本発明は、混合物中に含まれる、1次粒子、及び凝集体からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子と、分散媒とを少なくとも含む混合物中の微粒子を分散させる湿式分散器に関する。更に詳しくは、コンタミネーション(異物混入)がほとんどなく、短時間で微粒子を均一に分散させることができ、省エネルギー・省スペースで運転できる湿式分散器に関する。
メジアン径が1〜500nmである微粒子は、比表面積が極めて大きいこと、また、バルクとは異なる特有の物性を示すことなどから触媒、触媒担体、導電性インク、センサー、発光材料、薬剤等に使用される機能性材料、又は、機能性材料の中間体、前駆体として広く用いられている。
微粒子特有の機能(大比表面積、バルクと異なる物性等)を有効に発現させるためには、微粒子の粒子径の制御、微粒子の凝集状態の制御、粒子径分布の制御等が重要となる。粒子径分布の制御とは、分散系において、微粒子の粒子径が揃った状態に制御することである。
従来、微粒子を分散媒中に分散させる方法として、高回転型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル等の分散器が用いられてきた。
しかしながら、高回転型ホモジナイザーを用いて、微粒子を分散媒中に分散させる方法では、微粒子を均一に分散することができず、微粒子の粒子径の制御、凝集状態の制御、及び粒子径分布の制御を行うことができないことがあった。
また、高圧ホモジナイザーを用いて、微粒子を分散媒中に分散させると、高圧により微粒子が加熱され、微粒子の物性が変わる等のリスクがあることがあった。例えば、高圧ホモジナイザーを用いて、3.5〜275MPa処理圧力で乳化処理してなる、平均粒子径が10nm〜1000nmである薬物超砥粒粒子の製造方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1の製造方法で用いられる高圧ホモジナイザーは、エネルギー消費が高く、冷却作業を必要とするものである。このため、多量のエネルギーを消費する点、冷却作業をする際の冷却設備等を必要とする点で問題が生じていた。
また、ボールミル、ビーズミルを用いて、微粒子を分散媒中に分散させる方法では、ビーズ同士等が接触してビーズの磨耗が生じ、磨耗により生じたビーズ片が原料に混入するという、コンタミネーションの問題が生じていることがあった。また、装置の運転時間が長く、微粒子を効率よく生産することができないという問題も生じていることがあった。そして、ジェットミルを用いて、微粒子を分散媒に分散させる方法では、ジェットミルが高圧の気体を使用するため、エネルギー消費が高いことが問題となっていた。
また、上記のような問題を解決するために、短時間で高度かつ均一な分散を行うことができ、母体となる微粒子をコーティングしたコーティング粒子の製造等、微粒子の分散工程を有する各種の製品を高効率で製造する湿式分散器が開示されている(特許文献2)。この湿式分散器は、スラリー流路に設けられたオリフィスを超高速通過させることにより微粒子を分裂分散させ、更に、分裂分散した微粒子を、超音波を用いて侵食分散させるものである。したがって、ビーズミル等のように、粉砕メディアであるビーズ同士が、接触し磨耗することによるコンタミネーションの問題がほとんど生じず、また消費エネルギーも少ない。
国際公開第2005/013938号 特開平05−168888号公報
しかしながら、特許文献2の湿式分散器は、特許文献2の実施例にみられるように、1μm〜10μmの微粒子に分散することはできるが、分散媒中に混合された、メジアン径が1〜500nmのナノ微粒子を均一に分散することが困難であることがあった。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものである。本発明によれば、混合物中の微粒子を分散させる湿式分散器が提供される。本発明の湿式分散器は、粉砕メディアレスであるため、ほとんどコンタミネーションの無い分散処理が可能であり、短時間で微粒子を分散させることが可能であり、且つ、微粒子の粒子径、及び粒子径分布を一定に制御できる。また、本発明の湿式分散器は、短時間で微粒子を分散媒中に分散させることができる。また、本発明の湿式分散器は、冷却作業をするための冷却設備を必要としないため、狭いスペースにも設置することができる。更に、微粒子と分散媒とを少なくとも含む混合物に生じる複雑流れ場、即ち混在された収縮流、せん断流、伸長流、振動流等が同時利用でき、分散媒中の微粒子を均一に分散できる。本発明は、比較的低加圧で、凝集粒子を、そのサイズに応じて、通常では制御不可能なナノからミクロンの間隙を通し、極めて急激な流速変動を与える分散原理で分散させるものを全て含む。
本発明によれば、以下に示す、湿式分散器が提供される。
[1] 1次粒子、及び凝集体からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子と、分散媒とを少なくとも含む混合物中の、前記微粒子を分散させる湿式分散器であって、前記混合物の流路となる流入口及び流出口を有し、前記流入口から前記流出口まで延びる流路を備え、前記流路は、前記流路の途中に設けられた分散部を有し、前記分散部は、前記流路の一部を形成する分散部内流路を有し、前記分散部内流路は、前記分散部内流路の混合物が流れる方向において当該分散部内流路の間隙を狭くすることにより、前記混合物の流速を変化させる変速区域を含み、前記変速区域内の前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下であり、前記変速区域は、前記分散部内流路の間隙を狭くする、前記分散部内流路中に設けられた凸部を有し、前記分散部は、前記混合物の流れる方向Fに平行な面であって、その周縁の全てが前記変速区域によって画定された面D1を有し、前記分散部は、前記変速区域よりも外周側に面D2を更に有する、湿式分散器。
[2] 前記面D2は、前記混合物の流れ方向に平行な前記面D1と平行である、前記[1]に記載の湿式分散器。
] 前記微粒子を分散処理後の混合物中にメジアン径500nm〜10μmの分散処理後微粒子として、又は、前記微粒子を前記分散処理後の混合物中に繊維径が1〜100nmであるナノファイバーとして、分散させる、前記[1]又は[2]に記載の湿式分散器。
[4] 前記分散部には、オリフィス状の通過孔が設けられており、前記通過孔は、前記分散部の周囲と前記通過孔との長さが等しくなる位置に設けられている、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の湿式分散器。
[5] 前記分散部は、前記変速区域よりも下流側に前記通過孔が設けられたものであ、前記[]に記載の湿式分散器。
[6] 前記変速区域を除く、前記分散部内流路の間隙が、前記混合物が流れる方向において漸減する、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の湿式分散器。
[7] 前記分散部内流路は、前記混合物が流れる方向において、複数の前記変速区域を含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の湿式分散器。
[8] 前記混合物が流れる方向の上流側の一の前記変速区域における前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、前記一の変速区域よりも下流側に設けられた他の前記変速区域における前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙よりも広い、前記[7]に記載の湿式分散器。
[9] 前記分散部は、前記変速区域よりも上流側に前記通過孔が設けられたものであ、前記[]に記載の湿式分散器。
[10] 前記分散部は、前記混合物が流れる方向に少なくとも1以上の前記変速区域を含む変速区域ユニットを、複数有し、複数の前記変速区域ユニットのそれぞれに、前記変速区域ユニット相互間を前記混合物が通過する変速区域ユニット通過孔が設けられており、複数の前記変速区域ユニットは、前記混合物が流れる方向が互いに平行となるように積層された状態で配設されている、前記[9]に記載の湿式分散器。
[11] 複数の前記変速区域ユニットは、前記通過孔が形成されている面に対して平行な面に設けられている、前記[10]に記載の湿式分散器。
本発明の湿式分散器によれば、粉砕メディアが不要であり、省エネルギー、且つ短時間でほとんどコンタミネーションの無い、微粒子の分散処理が可能である。そして、微粒子と分散媒とを少なくとも含む混合物に生じる複雑流れ場、即ち混在された収縮流、せん断流、伸長流、振動流等が同時利用できるため、微粒子の粒子径、及び粒子径分布を一定に制御できる。更に、従来の高圧ホモジナイザーによる分散処理のように、分散処理に伴い、微粒子が高温になることがないため、微粒子の物性が変化するおそれがほとんどなく、微粒子を冷却する手段等の設備も不要であるため、限られたスペースにも設置が可能である。そして、短時間、且つ、省エネルギーで湿式分散器を運転できるため、生産性及び作業性に優れる。
また、本発明の湿式分散器は、例えば、微粒子の凝集状態によって、微粒子と分散媒とを少なくとも含む混合物を、一の湿式分散器に対して、複数回通過させることも可能である。また、本発明の湿式分散器は、複数個の湿式分散器を、直列につなげて使用するようにすることも可能である。即ち、混合物は、第一の湿式分散器、第二の湿式分散器、第三の湿式分散器と、順に直列につながった各々の湿式分散器を通過する。また、本発明の湿式分散器は、複数個の湿式分散器を、並列に並べることにより、多量の混合物を処理する等、種々の設計が可能である。
また、本発明の湿式分散器は、乳化分散にも用いることができる。即ち、共に液体である分散媒と分散質とを少なくとも含み、ホモミキサー等で予め乳化処理された分散処理前混合物を、例えば、分散質の液滴の平均粒子径が50μm以下である分散質が分散媒中に分散された、均一なエマルジョン(分散処理後混合物)とすることができる。ここで、「分散質の液滴」とは、その全表面が分散質と分散媒との界面である分散媒の液相を指す。
また、本発明の湿式分散器は、微生物、細胞等のバイオセルの分散や、破壊にも用いることができる。
更に、本発明の湿式分散器は、焼結や融結等により弱く固結された微粒子(固結微粒子)の凝集体についても、解砕することができる。固結微粒子とは、粒子間に電解質、凝集剤の分子を含まず、同じ組成の化学結合によるネッキングが成長し凝集粒子のように見える同一体である粒子のことである。
本発明の湿式分散器の第一実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。 図1Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、流路の一部を透視した図である。 図1Aにおいて、破線で囲われた領域αの拡大図である。 図1Aに示す第一実施形態の湿式分散器に分散処理前混合物を送液した時の様子を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。 本発明の湿式分散器の第二実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。 本発明の湿式分散器の第三実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。 図3Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、流路の一部を透視した図である。 図3Aにおいて、破線で囲われた領域βの拡大図である。 本発明の湿式分散器の第四実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。 本発明の湿式分散器の第五実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。 本発明の湿式分散器の第六実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。 図6Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、奇数段目の変速区域ユニットを透視した図である。 図6Aを、矢印Xの方向から見た平面図であり、偶数段目の変速区域ユニットを透視した図である。 図6Aにおいて、破線で囲われた領域γの拡大図である。 本発明の湿式分散器が、振動体を更に備えたものである場合を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。 本発明の湿式分散器を用いた分散処理を模式的に示す、説明図である。 本発明の湿式分散器により分散処理する前の混合物、本発明の湿式分散器により分散処理した後の混合物、従来の超音波ホモジナイザーにより分散処理した後の混合物の粒子径分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)湿式分散器:
本発明の湿式分散器の第一実施形態は、図1A〜図1Dに示すような湿式分散器1である。図1Aは、本発明の湿式分散器の第一実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。図1Bは、図1Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、流路の一部を透視した図である。図1Cは、図1Aにおいて、破線で囲われた領域αの拡大図である。図1Dは、図1Aに示す第一実施形態の湿式分散器に分散処理前混合物を送液した時の様子を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。
図1A〜図1Dに示すように、第一実施形態の湿式分散器1は、混合物の流路13となる流入口3及び流出口5を有し、流入口3から流出口5まで延びる流路13を備えたものである。流路13は、流路13の途中に設けられた分散部11を有し、分散部11は、流路13の一部を形成する分散部内流路15を有する物である。また、分散部内流路15は、分散部内流路15の混合物が流れる方向Fにおいて当該分散部内流路の間隙を狭くすることにより、混合物の流速を変化させる変速区域7を含む。また、変速区域7内の分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tが、100μm以下である。更に、変速区域7の混合物が流れる方向Fにおける前後の分散部内流路15の間隙が、変速区域7内の分散部内流路15の間隙よりも広い。なお、図1Bにおいては、分散部の周囲16から、通過孔の幾何学的な重心Oに向けて混合物が流れるように図示したが、混合物が流れる方向Fについて制限はない。例えば、図1Bに示す矢印Fの方向とは逆向きに混合物が流れるように構成されていてもよい。
本実施形態の湿式分散器は、変速区域7において、分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tが、100μm以下である。また、当該間隙tは、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。そして、当該間隙tは、圧力条件にもよるが、少なくとも分散処理前混合物が流れる幅の間隙である。このように構成することにより、分散処理前混合物の粘性により、分散処理前混合物に対して均一に複雑流れ場が生じる。変速区域7において、分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tが広すぎると、分散処理前混合物の粘性により生じる複雑流れ場が、分散処理前混合物の一部にしか生じないことがある。ここで、「分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙t」とは、湿式分散器1の垂直断面の混合物が流れる方向Fに垂直な方向における、分散部内流路15の幅が最も狭くなっている部分のことである。
本実施形態の湿式分散器によれば、分散処理する前の微粒子を粉砕するための粉砕メディアが不要であり、短時間で、且つ、ほとんどコンタミネーションを生じさせることなく、分散処理する前の微粒子を分散処理し、分散処理した後の微粒子を、ナノ微粒子又はナノファイバーとして分散媒中に分散させることが可能である。以下、分散処理する前の微粒子を「分散処理前微粒子」ということがあり、分散処理前微粒子を分散処理した後の微粒子を「分散処理後微粒子」ということがある。また、分散処理後微粒子がメジアン径1〜500nmの粒子状物質である場合は、「ナノ微粒子」ということがあり、分散処理後粒子が繊維状物質である場合は、「ナノファイバー」ということがある。また、分散処理をする前の、「1次粒子、及び凝集体からなる群から選択される少なくとも一種の分散処理前微粒子と、分散媒とを少なくとも含む混合物」を、「分散処理前混合物」ということがある。また、混合物を分散処理した後の混合物を、「分散処理後混合物」ということがある。また、分散処理後微粒子、及び分散処理後混合物とは、分散処理前微粒子、及び分散処理前混合物が、湿式分散器を通過し、流出口から排出された後の微粒子、及び混合物のことである。なお、分散処理前の微粒子、分散処理中の微粒子、及び、分散処理後の微粒子を総じて、単に「微粒子」ということがある。また、同様に、分散処理前の混合物、分散処理中の混合物、及び、分散処理後の混合物を総じて、単に「混合物」ということがある。
図1A〜図1Dに示すように、分散部内流路15は、変速区域7を含んでいる。混合物は、分散部内流路15が狭くなっている変速区域7を通過する際に、混合物の流速が速くなる。そして、当該変速区域内の分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tを通過する時に、混合物の流速は、混合物の変速区域7に流入する直前の流速に比べて、最も速くなる。このような分散処理前混合物の流速の変化により、分散処理前混合物に複雑流れ場が生じ、複雑流れ場の作用により、分散処理前混合物中の分散処理前微粒子が、一定の微粒子径、及び粒子径分布である分散処理後微粒子として、分散媒中に分散される。本実施形態の湿式分散器1においては、従来のボールミル、ビーズミルに用いられるような粉砕メディアを必要としないため、粉砕メディアの磨耗により生じる粉砕メディア片が、分散処理後混合物に混入(コンタミネーション)することがほとんどない。そして、本実施形態の湿式分散器1においては、従来のジェットミル、高圧ホモジナイザー等の湿式分散器のように高圧の気体等を用いる必要がないので、大きなエネルギーを要することがなく、省エネルギーで運転することができる。更に、本実施形態の湿式分散器1においては、従来の高圧ホモジナイザーによる分散処理前混合物の分散処理のように、分散処理後微粒子が高温になることがないため、微粒子の物性が変化するおそれがほとんどなく、且つ、微粒子を冷却する設備等も不要であるため、限られたスペースにも設置することができる。
本実施形態の湿式分散器は、変速区域通過前と、変速区域通過後とで、混合物に対して圧力差を生じさせ、混合物の流速を変化させるように構成されている。このため、変速区域の混合物が流れる方向における前後の分散部内流路の間隙u(例えば、変速区域を除く分散部内流路の間隙)が、分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙tよりも広くなるように構成されている。また、圧力や分散処理前混合物の粘度等の条件にもよるが、例えば、変速区域を含む分散部内流路内において、分散部内流路を流れる混合物の流速の変化は、100〜1000倍程度である。
ここで、変速区域とは、分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が100μm以下である部分を含む区域を指す。図1Cにおいては、破線により囲まれた区域が変速区域7である。変速区域7は、変速区域7に流入する前の分散部内流路15における分散処理前混合物の流速に比して、分散処理前混合物の流速が増大する部分から、分散部内流路15が最も狭くなっている部分における分散処理前混合物の流速に比して、分散処理前混合物の流速が減少する部分までを含む。
変速区域7は、分散部内流路15のうち、最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下となる部分を含む、特定の分散部内流路15である。変速区域7の形状等については、特に制限はない。変速区域7としては、分散部内流路15の間隙を狭くするための、凸部を有するものを好ましい態様として挙げることができる。例えば、図1A、図1C、及び図1Dに示す変速区域7は、凸部Pを有している。この凸部Pを有することにより、凸部Pの形状に沿って分散部内流路15の間隙が狭くなり、当該凸部Pの頂部にて、分散部内流路15の間隙が最も狭く(すなわち、100μm以下に)なる。変速区域7がこのような凸部Pを有する場合には、凸部Pの一方の谷部(裾部)から、凸部Pのもう一方の谷部(裾部)までの範囲を、変速区域7とすることができる。また、分散部内流路15における混合物の流れる方向Fに垂直であり、且つ、通過孔9の幾何学的な重心Oを含む断面(図1BにおけるA−A’に垂直な方向における断面)における、当該凸部Pの断面形状が、以下のような形状であることが好ましい。凸部Pの断面形状が、三角形、断面形状の一部が三角形、台形、階段形状、断面形状の一部が台形、半円形、及び、断面形状の一部が半円形であることが好ましい。また、強度の観点からは、凸部が三角形、及び台形であることが好ましい。台形とは、少なくとも1組の対辺が平行である四角形のことである。また、凸部Pの断面形状が三角形、断面形状の一部が三角形、台形、階段形状、及び断面形状の一部が台形である場合、角部Tは、頂点を形成していてもよく、曲線状に形成されていてもよい。以下、「分散部内流路における混合物の流れる方向に垂直であり、且つ、通過孔9の幾何学的な重心Oを含む断面」のことを、単に、「A−A’断面」ということがある。
分散処理前混合物の流入口は、分散処理前の混合物を湿式分散器に導入しやすい形状、構造であれば特に限定されるものではなく、公知のものを利用できる。また、分散処理後混合物の流出口は、分散処理後混合物を湿式分散器の外部に排出しやすい形状、構造であれば特に限定されるものではなく、公知のものを利用できる。
分散処理前混合物を流入口から流路に送り込む送液速度は、5〜500cm/sであることが好ましく、10〜100cm/sであることが更に好ましい。送液速度が5cm/sよりも遅いと、分散処理前微粒子が沈降して、流路に堆積することがある。送液速度が500cm/sよりも早いと、送液する際に必要な圧力が高くなるため、流路の耐圧性やポンプの送液圧力の性能を高くしなければならない。
分散処理前混合物を流入口から流路に送り込む送液圧力は、30MPa以下であることが好ましい。
湿式分散器の材質については、分散処理前混合物(分散処理後混合物)に対して十分な耐食性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、セラミック、鉄、ステンレス、アクリル樹脂等が好ましい。
本実施形態の湿式分散器における、分散処理前微粒子としての1次粒子は、粒子状物質、又は繊維状物質を含むことが好ましい。また、1次粒子は、単結晶の結晶子、又は単結晶に近い結晶子が集まったものであることが好ましく、メジアン径が1〜500nmであることが好ましい。凝集体は、メジアン径が1〜500nmである1次粒子がファンデルワールス力やクーロン力等により、数個から数千個凝集したものであることが好ましい。
本実施形態の湿式分散器は、分散処理前微粒子を、メジアン径1〜500nmのナノ微粒子(分散処理後微粒子)として、分散媒中(分散処理後混合物中)に分散させることができる。ナノ微粒子は、メジアン径が1〜500nmの1次粒子、及び、メジアン径が1〜500nmの1次粒子が凝集したものであるメジアン径が1〜500nmの凝集体である。
本実施形態の湿式分散器は、分散処理後微粒子よりも大きな粒子、例えば、メジアン径が数百μm〜数mmの分散処理前微粒子を含む分散処理前混合物の分散処理を行うこともできる。このような分散処理前混合物の分散処理を行うことにより、例えば、メジアン径が500nm〜10μmの分散処理後微粒子を含む分散処理後混合物を得ることができる。このような分散処理後微粒子を、分散媒中に分散させる場合においても、変速区域内の分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下である。
本実施形態の湿式分散器は、分散処理前微粒子が、ナノファイバーの凝集体である場合に、ナノファイバーの凝集(絡み合い)の少なくとも一部を解離させ、ナノファイバーとして、分散媒中(分散処理後混合物中)に分散させることもできる。ナノファイバーとしては、繊維径が1〜100nmであり、長さが繊維径の100倍以上であるものが好ましい。このような分散処理後微粒子を、分散媒中に分散させる場合においても、変速区域内の分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下である。
また、本発明の湿式分散器は、乳化分散にも用いることができる。即ち、共に液体である分散媒と分散質とを少なくとも含み、ホモジナイザー等で予め乳化処理された分散処理前混合物を、例えば、分散質の液滴の平均粒子径が50μm以下である分散質が分散媒中に分散された、均一なエマルジョン(分散処理後混合物)とすることができる。ここで、「分散質の液滴」とは、その全表面が分散質と分散媒との界面である分散媒の液相を指す。乳化分散としては、例えば、ラテックス粒子の合成が挙げられる。
また、本実施形態の湿式分散器は、微生物、細胞等のバイオセルの分散や、破壊にも用いることができる。即ち、本実施形態の湿式分散器は、バイオセルやバイオセルの凝集体を分散質として含む分散処理前混合物についても、省エネルギー、且つ短時間でほとんどコンタミネーションの無い、分散処理が可能である。また、バイオセルやバイオセルの凝集体を分散質として含む分散処理前混合物については、その分散過程において、バイオセルの少なくとも一部を破壊させることもできる。
本実施形態の湿式分散器1における分散部11は、図1Bに示すように、混合物の流れる方向Fに平行な面であって、その周縁12の少なくとも一部が変速区域7によって画定された面D1を有するものであることが好ましい。また、本実施形態の湿式分散器1における分散部11は、混合物の流れ方向に平行な面であって、その周縁12の全てが変速区域7によって画定された面D1を有するものであることも好ましい。そして、面D1の形状が円形状、又は多角形状であることが好ましい。このように構成することによって、混合物が変速区域7を通過することにより、混合物に生じる複雑流れ場、即ち混在された収縮流、せん断流、伸長流、振動流等を、同時に、効率よく利用し、分散処理前微粒子を分散媒(分散処理後混合物)中に分散することができる。
図1Bに示すように、本実施形態の湿式分散器1における分散部11は、変速区域7よりも外周側において、混合物の流れ方向に平行な面D1と平行である面D2を更に有していてもよい。分散部11が、上記面D2を更に有する場合は、面D2の周縁14から幾何学的な重心Oに向かう方向にむけて、複数のスリット(図示せず)が形成されていてもよい。このようなスリットを形成することにより、混合物を混合物の流れ方向Fに向けて送り出しやすくなる(ガイドしやすくなる)。
本実施形態の湿式分散器1における分散部11は、図1A〜図1D、及び図3A〜図3Cに示すように、変速区域7よりも下流側に通過孔9が設けられたものであり、通過孔9は、分散部の周囲16から通過孔9までの長さLが等しくなる位置に設けられていることが好ましい。「分散部11の周囲16から通過孔9までの長さL」とは、通過孔9の幾何学的な重心Oから、通過孔9と対向する分散部内流路15に対して下した垂線の足Mから、分散部の周囲16までの長さLのことである。分散処理前混合物は、分散部11の周囲16から分散部内流路15に流入するため、このように構成することにより、分散処理前混合物に対して、変速区域7により、複雑流れ場、即ち混在された収縮流、せん断流、伸長流、振動流等を、均一に生じさせることができる。
また、図6A〜図6Dに示すように、本実施形態の湿式分散器における分散部11fは、変速区域7fよりも上流側に通過孔9fが設けられたものであり、通過孔9fは、分散部11fの周囲と通過孔9fとの長さが等しくなる位置に設けられていることも好ましい。「分散部11fの周囲から通過孔9fまでの長さL」とは、通過孔9fの幾何学的な重心Oから、通過孔9fと対向する分散部内流路15fに対して下した垂線の足から、分散部11fの周囲までの長さLのことである。分散処理前混合物は、分散部11fの周囲から分散部内流路15fに流入するため、このように構成することにより、分散処理前混合物に対して、変速区域7fにより、複雑流れ場、即ち混在された収縮流、せん断流、伸長流、振動流等を、均一に生じさせることができる。
本実施形態の湿式分散器1における、分散部に通過孔が設けられている場合は、分散処理前混合物にかかる圧力を調整することができる。通過孔は、円柱状、ノズル状、及びオリフィス状に形成されていることが好ましく、オリフィス状に形成されていることが特に好ましい。通過孔がオリフィス状に形成されている場合は、通過孔が円柱状、ノズル状に形成されている場合に比して、分散処理前混合物が通過孔を通過する際に生じる背圧を小さくすることができる。ここで、「通過孔が円柱状に形成されている」とは、通過孔の開口部が円柱状、即ち、通過孔の開口部の大きさが、当該通過孔の上流側から下流側に向かって、一定であるという意味である。また、「通過孔がノズル状に形成されている」とは、以下のことを意味する。通過孔が形成されている流路が、通過孔の開口面積が大である第一の面と、通過孔の開口面積が第一の面よりも小である第二の面とを有し、第一の面から第二の面に向かう方向の少なくとも一部において、通過孔の開口面積が漸増するように形成されている。そして、第一の面側が、分散処理前混合物の流れる方向の上流側になるように形成されている。更に、「通過孔がオリフィス状に形成されている」とは、以下のことを意味する。通過孔が形成されている流路が、通過孔の開口面積が大である第一の面と、通過孔の開口面積が第一の面よりも小である第二の面とを有し、第一の面から第二の面に向かう方向の少なくとも一部において、通過孔の開口面積が漸増するように形成されている。そして、第二の面側が、分散処理前混合物の流れる方向の上流側になるように形成されている。
これまでに説明した、第一実施形態において好ましいとされる種々の構成は、特筆しない限り、以下で説明する第二実施形態〜第五実施形態においても好ましい構成である。
ここで、本発明の湿式分散器の第二実施形態について説明する。本発明の湿式分散器の第二実施形態は、図2に示すような湿式分散器1bである。図2は、本発明の湿式分散器の第二実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。図2において、第一実施形態の湿式分散器と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図2に示すように、第二実施形態の湿式分散器1bにおいては、変速区域7bを除く、分散部内流路15bの間隙uが、混合物の流れる方向Fにおいて漸減するように構成されている。
ここで、変速区域とは、分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下である部分を含む区域を指す。図2においては、破線により囲まれた区域が変速区域7bである。変速区域7bは、変速区域7bに流入する前の分散部内流路15bにおける分散処理前混合物の流速に比して、分散処理前混合物の流速が増大する部分から、分散部内流路15bが最も狭くなっている部分における分散処理前混合物の流速に比して、分散処理前混合物の流速が減少する部分までを含む。
ここで、本発明の湿式分散器の第三実施形態について説明する。本発明の湿式分散器の第三実施形態は、図3A〜図3Cに示すような湿式分散器1cである。図3Aは、本発明の湿式分散器の第三実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。図3Bは、図3Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、流路の一部を透視した図である。図3Cは、図3Aにおいて、破線で囲われた領域βの拡大図である。
第三実施形態の湿式分散器1cにおける分散部11cは、混合物が流れる方向Fにおいて、複数の変速区域7cを含んでいる。変速区域7cは、変速区域7c内の分散部内流路15cが最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下となるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、図3Aに示すように、変速区域7cが凸部Pを有し、凸部Pが分散部内流路15cの間隙を狭くするような構成とすることができる。複数の変速区域7cにおける凸部Pは、A−A’断面における断面の形状が、それぞれ異なる(相似形を含む)断面形状であってもよく、すべて同じ断面形状であってもよい。
図3A〜図3Cに示すように、第三実施形態の湿式分散器1cにおける、分散部内流路15cは、混合物の流れる方向Fにおいて、複数の変速区域7cを含んでいる。このように構成すると、分散処理前混合物に対して複雑流れ場が複数回与えられ、分散処理前微粒子をより高度に分散させることができる。なお、図3Bにおいては、分散部の周囲16から、通過孔の幾何学的な重心Oにむけて混合物が流れるように図示したが、混合物が流れる方向Fについて制限はない。例えば、図3Bに示す矢印Fの方向とは逆向きに混合物が流れるように構成されていてもよい。
ここで、本発明の湿式分散器の第四実施形態について説明する。本発明の湿式分散器の第四実施形態は、図4に示すような湿式分散器1dである。図4は、本発明の湿式分散器の第四実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。
第四実施形態の湿式分散器1dにおける分散部は、混合物が流れる方向Fにおいて、複数の変速区域7dを含んでいる。複数の変速区域7dは、変速区域7d内の分散部内流路15dが最も狭くなっている部分の間隙が、それぞれ100μm以下となるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、図4に示す湿式分散器1dにおいては、それぞれの変速区域7dが、凸部Pを個々に有している。この湿式分散器1dは、図4の紙面の右側から左側に向かって混合物が流れるように構成されており(混合物の流れる方向F)、それぞれの変速区域7dにおける凸部Pが、混合物が流れる方向Fに沿って配列している。また、図4に示す湿式分散器1dにおいては、分散部内流路15d内の凸部Pに対向する内面に、凹凸が設けられている。図4においては、凸部Pに対向する内面に設けられる凹凸は、連続して配列した凸部Pに対して、相補的な位置関係で配置されている。ただし、凹凸の位置は、これに限定されるものではない。例えば、凸部Pの頂点と、凹凸における凸の頂点とが対向するように配置されていてもよい。凸部Pに複数の変速区域7dにおける凸部Pは、A−A’断面における断面の形状が、それぞれ異なる(相似形を含む)断面形状であってもよく、すべて同じ断面形状であってもよい。また、凸部Pに対向する面に設けられる凹凸は、A−A’断面における断面の形状が、連続して配列した凸部Pに対して、非相補的な形状であってもよいし、相補的、又は略相補的な形状であってもよい。また、変速区域7dの数については、特に制限はない。
図4に示すように、第四実施形態の湿式分散器1dにおける分散部内流路15dは、混合物の流れる方向Fにおいて、複数の変速区域7dを含んでいる。このように構成すると、分散処理前混合物に対して複雑流れ場が複数回与えられ、分散処理前微粒子をより高度に分散させることができる。また、凸部Pに対向する分散部内流路15dに設けられた凹凸により、分散処理前混合物に対して、更に複雑流れ場が与えられる。
ここで、本発明の湿式分散器の第五実施形態について説明する。本発明の湿式分散器の第五実施形態は、図5に示すような湿式分散器1eである。本発明の湿式分散器の第五実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面の部分拡大図であり、流路の一部を透視した図である。図5において、第一実施形態の湿式分散器と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図5に示すように、第五実施形態の湿式分散器1eは、以下のように構成されている。混合物が流れる方向Fの上流側の一の変速区域7eにおける分散部内流路15eが最も狭くなっている部分の間隙tが、当該一の変速区域7eよりも下流側に設けられた他の変速区域7eにおける分散部内流路15eが最も狭くなっている部分の間隙tよりも広い。ここで、複数の変速区域7eが設けられている場合は、分散処理前混合物が通過する際に、上流側の変速区域7eに対して、下流側の変速区域7eよりも大きな圧力がかかる。したがって、上記のように構成することにより、複数の変速区域7eの破損、磨耗等を低減することができる。
ここで、本発明の湿式分散器の第六実施形態について説明する。本発明の湿式分散器の第六実施形態は、図6A〜図6Dに示すような湿式分散器1fである。図6Aは、本発明の湿式分散器の第六実施形態を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。図6Bは、図6Aを、矢印Xの方向からみた平面図であり、奇数段目の変速区域ユニットを透視した図である。図6Cは、図6Aを、矢印Xの方向から見た平面図であり、偶数段目の変速区域ユニットを透視した図である。図6Dは、図6Aにおいて、破線で囲われた領域γの拡大図である。図6A〜図6Dにおいて、第一実施形態の湿式分散器と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図6A〜図6Dに示すように、第六実施形態の湿式分散器1fにおける変速区域7fは、混合物が流れる方向Fに少なくとも1以上の変速区域7fを含む変速区域ユニット17を複数有し、複数の変速区域ユニット17のそれぞれに、複数の変速区域ユニット17相互間を混合物が通過する変速区域ユニット通過孔19が設けられている。そして、複数の変速区域ユニット17は、混合物が流れる方向Fが互いに平行となるように積層された状態で配設されている。このように構成することにより、分散部内流路15fが長い場合にも装置をコンパクトにまとめることができる。なお、図6B及び図6Cにおいては、それぞれ実線の円及び破線の円で、それぞれ8つの変速区域ユニット通過孔19を図示している。また、図6Dにおいては、紙面中央部の通過孔9fの下に2つの変速区域ユニット通過孔19を示し、紙面左右にそれぞれ3つの変速区域ユニット通過孔19を示している。また、最も下流側にある変速区域ユニット17に設けられた変速区域ユニット通過孔19から、分散部11fを通過した混合物が排出される。
第六実施形態の湿式分散器における複数の変速区域ユニットは、通過孔が形成されている面に対して平行な面に設けられていることが好ましい。このように構成することにより、複数の変速区域ユニット(変速区域)に対して、分散処理前混合物を均一に流入させることができる。
図6B及び図6Cに示すように、奇数段目(1段目、3段目、・・・)の変速区域ユニット通過孔19は、変速区域ユニット17の外周部に設けられていることが好ましく、偶数段目(2段目、4段目、・・・)の変速区域ユニット通過孔19は、通過孔9fの開口部の幾何学的な重心Oに垂直である直線上に設けられていることが好ましい。このように構成することにより、分散前混合物が十分に変速区域ユニット17(変速区域7f)を通過する(ショートパスしない)。
変速区域7fは、変速区域7f内の分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下となるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、図6Aに示すように、変速区域7fが凸部Pを有し、凸部Pが分散部内流路15fの間隙を狭くするような構成とすることができる。複数の変速区域7fにおける凸部Pは、A−A’断面における断面の形状が、それぞれ異なる(相似形を含む)断面形状であってもよく、すべて同じ断面形状であってもよい。
また、第六実施形態の湿式分散器が複数の変速区域を有し、変速区域において、分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、混合物が流れる方向Fにおいて漸減することも好ましい。
(その他の構成)
図7は、本発明の湿式分散器が、更に振動体を備えたものである場合を模式的に示す、湿式分散器の垂直断面図であり、流路の一部を透視した図である。図7において、第一実施形態の湿式分散器と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。図7に示すように、本発明の湿式分散器は、分散部11を振動させる振動体21を更に有していてもよい。振動体21は、変速区域7において、分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tを連続的に変化させるように、分散部11を振動させてもよい。このように構成することにより、分散処理前混合物の分散を更に促進することができる。図7に示す振動体21は、弾性体であるラバープレート23と、ラバープレート23の第一の面R1と第二の面R2とを挟み込むように設けられた振動子(ピストン)25と、バイブレータ27とを有する振動体21である。そして、当該振動体21は、分散部内流路15が最も狭くなっている部分の間隙tを、連続的に変化させるように、分散部11を振動させるものであるが、振動体21は、この例に限定されるものではない。
本発明の湿式分散器が、分散部を振動させる振動体を有している場合は、通過孔の開口部に垂直な方向における振動体の振幅が、10μm〜10mmであることが好ましく、通過孔の開口部に垂直な方向における振動体の振動数が、10〜10000Hzであることが好ましい。また、本発明の湿式分散器は、複数の振動体を有していてもよく、複数の振動体の通過孔の開口部に垂直な方向における振幅、及び複数の振動体の通過孔の開口部に垂直な方向における振動数は、それぞれ異なっていてもよい。
本発明の湿式分散器は、通過孔の下流側に超音波発生手段を有することも好ましい。このような超音波発生手段を設けることで、分散処理後混合物中の分散処理後微粒子の再凝集を防ぐことができる。分散処理後微粒子は、分散媒中で再凝集しやすい傾向があるが、このような超音波発生手段により分散処理後混合物に超音波による振動を与えると、分散処理後微粒子の再凝集を抑制することができる。更に、分散処理後混合物中において、分散が十分でない分散処理後微粒子が存在した場合にも、上記超音波発生手段により、分散が十分でない分散処理後微粒子を十分に分散させることができる。超音波発生手段は特に限定されるものではなく、公知の超音波発生手段を用いることができるが、超音波発信部と、分散処理後混合物が流れる流路内に配置される超音波発生ホーンとを備えていることが好ましい。また、超音波発信部は、発生する超音波を制御可能であることが好ましく、超音波の周波数が20kHz〜10MHzであることが好ましい。更に、超音波発生手段により、分散処理後混合物に対して、十分に振動を与えるために、流路の超音波ホーンが配置される領域は、流路が広径した空間部が設けられていることが好ましい。
図8は、本発明の湿式分散器を用いた分散処理を模式的に示す、説明図である。図8に示すように、本発明の湿式分散器1における、流入口3の前段には、分散処理前混合物を貯留する貯留槽29を設けてもよい。また、当該貯留槽29と湿式分散器1とを、送液管31で接続すると共に、流入口3側に分散処理前混合物を供給する送液ポンプ33等を接続してもよい。また、貯留槽29には、分散処理前混合物を攪拌する攪拌機44を取り付けてもよい。更に、流出口5の後段には、分散処理後混合物を回収する回収槽37を設け、当該回収槽37と湿式分散器1とを、送液管31で接続すると共に、流出口5側に吸引ポンプ39等を接続してもよい。
本発明の湿式分散器は、例えば、微粒子の凝集状態によって、微粒子と分散媒とを少なくとも含む混合物を、一の湿式分散器に対して、複数回通過させることも可能である。分散処理前微粒子、及び分散媒の物性にもよるが、本発明の湿式分散器を1回通過(1パス)させた分散処理後混合物を、更に複数回、本発明の湿式分散器を通過(2パス、3パス・・・nパス n:正の整数)させることにより、微粒子の粒子径を制御できる度合、及び粒子径分布を一定に制御できる度合を高めることもできる。また、本発明の湿式分散器は、複数個の湿式分散器を、直列につなげて使用するようにすることでも、同様の効果を得ることが可能である。即ち、混合物は、第一の湿式分散器、第二の湿式分散器、第三の湿式分散器と、順に直列につながった各々の湿式分散器を通過する。直列につなげた湿式分散器どうしの間には、適宜、貯留槽等を設けてもよい。また、本発明の湿式分散器は、複数個の湿式分散器を、並列に並べることにより、多量の混合物を処理する等、種々の設計が可能である。
(混合物)
本発明における湿式分散器において、分散処理をする前の「混合物」とは、主に、1次粒子、及び凝集体(なお、凝集体には弱く固結された固結粒子も含む)からなる群から選択される少なくとも一種の微粒子と、分散媒とを少なくとも含むものとして構成される。即ち、当該「混合物」には、(1)1次粒子と分散媒とを少なくとも含むもの、(2)凝集体と分散媒とを少なくとも含むもの、(3)1次粒子及び凝集体と、分散媒とを少なくとも含むもの、が含まれる。したがって、本明細書における、「1次粒子、及び凝集体からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子」とは、(1’)1次粒子、(2’)凝集体、(3’)1次粒子及び凝集体、のいずれかに当てはまるものとなる。
なお、上記「混合物」は、微粒子、分散媒の他に、分散処理で用いられる公知の添加剤等を含むものであってもよく、例えば、界面活性剤、帯電制御剤等の分散処理後微粒子の分散安定剤等を含むものであってもよい。
また、本発明の湿式分散器を利用して分散される微粒子の、分散媒に含まれる割合(体積比、質量比等)は、特に限定されるものではなく、分散処理前微粒子の粒子径、求める分散処理後微粒子の粒子径及び粒子径分布、並びに、分散処理後微粒子の用途等に応じて適宜決定される。
(分散質)
混合物に含まれる分散処理前微粒子の材質に、特に制限はない。分散処理に用いられる公知の分散質を分散処理前微粒子として用いてもよく、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛等を用いることができる。また、本発明の湿式分散器により、分散処理をする前の微粒子と、分散処理をした後の微粒子とにおいて、微粒子の材質が変化することはない。即ち、分散処理をする前の微粒子と、分散処理をした後の微粒子は、メジアン径、繊維径、及び繊維の長さが異なるだけであり、微粒子を構成する元素は、化学反応しない。
(分散媒)
混合物中に含まれる分散媒に、特に制限はない。分散処理に用いられる公知の分散媒をも用いてもよく、例えば、水、エチルアルコール、メチルアルコール、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン等を用いることができる。
混合物は、上述したような分散質である微粒子と、分散媒とを所定の混合比で混合することにより得ることができる。混合物には、界面活性剤、帯電制御剤等の分散処理後微粒子の分散安定剤等を添加してもよい。このようにして得られた分散処理前微粒子と分散媒とを少なくとも含む混合物は、本発明の湿式分散器に送液され、分散処理される。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
図3A〜図3Cに示されるような湿式分散器1cを用いるとともに、凝集粒子(アモルファス状のフュームドシリカ)を、分散媒中に予め混合したサンプル(分散処理前混合物)を用い、分散処理前と分散処理後の微粒子の分散媒中における分散状態を確認する実験を行った。
具体的には、図8に示されるように、サンプル(分散処理前混合物)が貯留されている貯留槽29から、湿式分散器1へ分散処理前混合物を送液できるように、送液管31で接続し、当該貯留槽29と湿式分散器1の間に、送液ポンプ33を配置した。
送液ポンプは、ダイアフラムポンプ(プロミネント社製、型番:BT4b1602S)を使用した。送液ポンプの振動数は3.1Hzとし、ストローク長は100%となるようにセッティングした。分散処理前混合物の送液量は27.62〜34.72g/分であり、その平均値が32.91g/分であった。また、送液ポンプの送液圧力は1.0〜2.0MPaであり、その平均値が1.5〜1.8MPaであった。更に、送液管は、4mmの径のものを使用した。
湿式分散器としては、大川原化工機(株)製の分散モデル1を使用した。当該湿式分散器は、分散処理前混合物が流れる方向において、流路中に5つの変速区域を含み、変速区域には凸部Pが設けられている。そして、変速区域において、分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙tが5μmである。
サンプルには、分散処理前の凝集粒子として、(株)トクヤマ製 REOLOSIL QS−102を用い、分散媒にはイオン交換水を用いた。サンプルの調整は、イオン交換水にレオロシールが0.5質量%含まれるように、イオン交換水300mlに対して、レオロシール1.5075gを懸濁させ、攪拌機で10分間、230rpmの回転数で攪拌することにより行った。攪拌機の攪拌翼は、攪拌槽と直接接することがないように回転させた。次に、100μmふるいを用いて濾過したものを分散処理前混合物とした。
上記のように構成した湿式分散器により分散処理する前の混合物と、分散処理した後の混合物について、分散媒中に分散している微粒子の粒子径と粒度分布(粒子径分布)について、多角度動的光散乱装置(大塚電子(株)製、型番:MCLS−1000)により測定した。分散媒であるイオン交換水の物性値としては、屈折率を1.3313とし、粘度を0.8847(MPa・s)とし、温度を25.0(℃)とした。また、測定は、180秒間の測定を2回行った。また、使用プローブは希薄系とし、解析方法はcumulant法とした。なお、分散処理した後の微粒子については、湿式分散器を1回通過させた1パス後の微粒子について評価した。結果を図9に示す。なお、図9においては、実施例1の結果を実線で示した。また、測定した微粒子の粒度分布(粒子径分布)より、メジアン径と、累積90%径の値D90を、累積10%径の値D10で除した値である、D90/D10とを求めた。メジアン径が小さく、且つ、D90/D10の値が小さいほど、分散処理後微粒子の分散度合が高いことを意味する。結果を表1に示す。
(比較例1)
湿式分散器で分散処理をしない分散処理前混合物(サンプル)について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。結果を図9及び表1に示す。なお、図9においては、比較例1の結果を短破線で示した。
(比較例2)
分散処理前混合物(サンプル)を、超音波ホモジナイザー(Qsonica社製、型番:アストラソン S4000)を用いて分散処理したこと以外は、実施例1と同様に測定及び評価を行った。超音波ホモジナイザーによる分散処理は、ダイアフラムポンプ1回の振動で湿式分散器1を通過する質量と同じ質量が超音波ホモジナイザーを通過するごとに、振幅15μmの超音波を1回照射することにより行った。結果を図9及び表1に示す。なお、図9においては、比較例2の結果を長破線で示した。
(結果)
本発明の湿式分散器により分散処理された分散処理後微粒子のメジアン径は、分散処理前微粒子のメジアン径に比して0.58倍であり、従来の超音波ホモジナイザーにより分散処理された分散処理後微粒子のメジアン径に比して0.72倍であった。また、本発明の湿式分散器により分散した分散処理後微粒子のD90/D10の値は、分散処理前微粒子のD90/D10の値に比して2.1倍高く、従来の超音波ホモジナイザーにより分散した分散処理後微粒子のD90/D10の値に比して1.2倍高かった。このため、本発明の湿式分散器により分散処理された分散処理後微粒子の分散度合は、本発明の湿式分散器により分散処理されていない分散処理後微粒子よりも良好であった。
(考察)
上記結果から、本発明の湿式分散器は、分散処理前微粒子を、メジアン径1〜500nmの分散処理後微粒子として、分散媒中に、分散度合が高い状態で分散させることができることが分かった。
本発明は、コンタミネーション(異物混入)がほとんどなく、短時間で微粒子を均一に分散させることができ、省エネルギー・省スペースで運転できる湿式分散器として、種々の微粒子の分散に用いることができる。
1、1b、1c、1d、1e、1f:湿式分散器、3:流入口、5:流出口、7、7b、7c、7d、7e、7f:変速区域、9、9c、9e、9f:通過孔、11、11c、11f:分散部、12:周縁(D1の周縁)、13:流路、14:周縁(D2の周縁)、15、15b、15c、15d、15e、15f:分散部内流路、16:分散部の周囲、17:変速区域ユニット、19:変速区域ユニット通過孔、21:振動体、23:ラバープレート、R1:ラバープレートの第一の面、R2:ラバープレートの第二の面、25:振動子(ピストン)、27:バイブレータ、29:貯留槽、31:送液管、33:送液ポンプ、37:回収槽、39:吸引ポンプ、44:攪拌機、t:変速区域内の分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙、u:分散部内流路の間隔、D1:混合物の流れ方向に平行な面であって、その周縁の全てが変速区域によって画定された面、D2:変速区域よりも外周側に形成される混合物の流れ方向に平行な面D1と平行である面、F:混合物の流れ方向、O:通過孔の幾何学的な重心、T:角部、M:垂線の足、L:分散部の周囲から通過孔までの長さ、P:凸部。

Claims (11)

  1. 1次粒子、及び凝集体からなる群から選択される少なくとも1種の微粒子と、分散媒とを少なくとも含む混合物中の、前記微粒子を分散させる湿式分散器であって、
    前記混合物の流路となる流入口及び流出口を有し、前記流入口から前記流出口まで延びる流路を備え、
    前記流路は、前記流路の途中に設けられた分散部を有し、
    前記分散部は、前記流路の一部を形成する分散部内流路を有し、
    前記分散部内流路は、前記分散部内流路の混合物が流れる方向において当該分散部内流路の間隙を狭くすることにより、前記混合物の流速を変化させる変速区域を含み、
    前記変速区域内の前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、100μm以下であり、
    前記変速区域は、前記分散部内流路の間隙を狭くする、前記分散部内流路中に設けられた凸部を有し、
    前記分散部は、前記混合物の流れる方向Fに平行な面であって、その周縁の全てが前記変速区域によって画定された面D1を有し、
    前記分散部は、前記変速区域よりも外周側に面D2を更に有する、湿式分散器。
  2. 前記面D2は、前記混合物の流れ方向に平行な前記面D1と平行である、請求項1に記載の湿式分散器。
  3. 前記微粒子を分散処理後の混合物中にメジアン径500nm〜10μmの分散処理後微粒子として、又は、前記微粒子を前記分散処理後の混合物中に繊維径が1〜100nmであるナノファイバーとして、分散させる、請求項1又は2に記載の湿式分散器。
  4. 前記分散部には、オリフィス状の通過孔が設けられており、前記通過孔は、前記分散部の周囲と前記通過孔との長さが等しくなる位置に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式分散器。
  5. 前記分散部は、前記変速区域よりも下流側に前記通過孔が設けられたものである、請求項4に記載の湿式分散器。
  6. 前記変速区域を除く、前記分散部内流路の間隙が、前記混合物が流れる方向において漸減する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿式分散器。
  7. 前記分散部内流路は、前記混合物が流れる方向において、複数の前記変速区域を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿式分散器。
  8. 前記混合物が流れる方向の上流側の一の前記変速区域における前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙が、前記一の変速区域よりも下流側に設けられた他の前記変速区域における前記分散部内流路が最も狭くなっている部分の間隙よりも広い、請求項7に記載の湿式分散器。
  9. 前記分散部は、前記変速区域よりも上流側に前記通過孔が設けられたものであ、請求項4に記載の湿式分散器。
  10. 前記分散部は、前記混合物が流れる方向に少なくとも1以上の前記変速区域を含む変速区域ユニットを、複数有し、
    複数の前記変速区域ユニットのそれぞれに、前記変速区域ユニット相互間を前記混合物が通過する変速区域ユニット通過孔が設けられており、
    複数の前記変速区域ユニットは、前記混合物が流れる方向が互いに平行となるように積層された状態で配設されている、請求項9に記載の湿式分散器。
  11. 複数の前記変速区域ユニットは、前記通過孔が形成されている面に対して平行な面に設けられている、請求項10に記載の湿式分散器。
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