JP6461588B2 - 燃焼システム - Google Patents

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Description

本発明は、石油ピッチ(石油残渣)燃料を使用可能な燃焼システムに関する。
従来の燃焼炉の代表例として、火力発電プラントにおけるボイラがあげられる。そこで用いられるボイラは、大部分が、微粉炭を燃料とする石炭焚きボイラか、石油を燃料とする石油焚きボイラである。
石炭焚きボイラにおいては、石炭を微粉状に粉砕した微粉炭を、搬送用気体を用いて、微粉炭バーナの微粉炭供給管を介して燃焼炉内に投入する。一方、燃焼用空気が、微粉炭供給管の周囲の通路を通って、同じく燃焼炉内に投入される。なお、微粉炭を搬送するための搬送用気体として、通常は圧縮空気が使用されるので、この圧縮空気も燃焼炉内での燃焼に寄与する
微粉炭バーナは通常、その着火・保炎性を向上させるために、微粉炭供給管の先端側部分の内部に、気流の流れに影響を与えるための気流影響部(後述するスワラやリブ)が設けられている。このように微粉炭供給管の先端内部に気流影響部を設けることにより、燃焼炉内に微粉炭を分散して供給したり、燃焼炉内に比較的大きな逆流領域を発生させることができる。
微粉炭バーナにおける気流影響部の従来例としては、例えば特許文献1には、図13に示したように、微粉炭バーナ40の微粉炭供給管41の先端内部に、旋回度調整羽根(リブ)42が設けられている。また、この例においては、微粉炭供給管41内の流路の途中に、旋回羽根43が設けられている。
図13に示した従来例においては、微粉炭供給管41内に流入した微粉炭・搬送空気44に対して、まずは旋回羽根43によって旋回成分が付与される。旋回成分が付与された微粉炭・搬送空気44は、微粉炭供給管41の先端内部に設けられた旋回度調整羽根(リブ)42によってその旋回度を減少され、旋回度が調整された後に燃焼炉45内に投入される。
微粉炭供給管41から燃焼炉45内に供給される微粉炭・搬送空気44の流速が早すぎると、燃焼炉45内で微粉炭が燃えにくくなる。この点において、図13に示した従来例においては、燃焼炉45内に投入される微粉炭・搬送空気44の旋回度を、旋回度調整羽根42によって調整するようにしたので、微粉炭・搬送空気44の速度が減少し、微粉炭の着火・保炎性を向上させることができる。
また、他の従来例として、特許文献2にも、搬送空気によって微粉炭を搬送するための1次スロートの先端内部に、微粉炭旋回用スワラ(旋回羽根)を設けた構成が示されている。
ところで、ボイラなどの燃焼炉の燃料としては、上記の通り微粉炭および石油が代表的であるが、これに代えて、石油ピッチ(石油残渣)を燃料として使用する場合もある。石油ピッチのうち、重質なものは微粉炭と同様に固体燃料であり、固体状の石油ピッチを燃料として使用する場合でも、ボイラの基本的な構造は石炭焚きボイラと大きく変わるところはない。
特開平9−26112号公報 特開平5−272711号公報
ところが、石油ピッチ燃料には、その軟化点の温度が比較的低いものが存在し(150℃〜350℃)、そのような低軟化点の石油ピッチ燃料を従来の石炭焚きボイラで使用すると、その特殊な性状に起因して以下のような問題が生じる。
即ち、ボイラの燃料として石油ピッチ燃料を使用する場合も、微粉炭焚きボイラの場合と同様、石油ピッチ燃料が、圧縮空気により燃料供給管を介して燃焼炉内に投入される。そして、燃料供給管内をその先端出口に向かって流れる石油ピッチ燃料は、先端出口に近付くにつれて、即ち燃焼炉に近付くにつれて、燃焼炉からの輻射熱を受けてその温度が上昇する。
ここで、低軟化点の石油ピッチ燃料の場合、温度が上昇するにつれて軟化してペースト状になり、周囲の構造物に付着し易くなる。特に、燃料供給管の内部に、石油ピッチおよび搬送空気の流れを調節する構造物、例えば従来技術におけるスワラ(旋回羽根)やリブ(旋回度調整羽根)などが存在すると、この構造物に衝突したときにペースト状の石油ピッチ燃料がその表面に付着する傾向がある。
ボイラの運転の経過とともに石油ピッチが燃料供給管の内部などに付着・固化して、その堆積物の厚みが大きくなると、バーナの内部に適切な気流を形成することができなくなり、その使用が不可能となる。
石油ピッチが堆積してバーナが使用できなくなるとボイラは運転できないので、石油ピッチ燃料の堆積によりバーナが使用不可となった場合には、一旦ボイラを停止してバーナを交換する必要があった。
本発明は、上述した従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、石油ピッチを燃料として用いた場合でも、バーナの内部に石油ピッチが付着・固化してバーナが使用不可となることがなく、燃焼運転を長時間継続することを可能とする燃焼システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、石油ピッチ燃料を使用可能な燃焼システムであって、先端に保炎板が形成された燃料供給管を有するバーナと、運転中における前記保炎板の近傍の雰囲気温度を、前記石油ピッチ燃料の軟化点よりも高い温度に維持するための高温維持手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記高温維持手段は、運転中における前記保炎板の近傍の雰囲気温度を400℃以上に維持する、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記高温維持手段は、前記バーナが設置された燃焼領域を囲む耐火材を有する、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様において、前記高温維持手段は、一方の前記バーナの火炎によって他方の前記バーナの前記保炎板の近傍を加熱するように、前記一方のバーナおよび前記他方のバーナを配置することにより構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記燃料供給管は、前記保炎板がその前端に形成された筒状本体部を有し、前記バーナは、前記筒状本体部の内周面の温度を前記石油ピッチ燃料の前記軟化点よりも低い温度に維持するための冷却手段を有する、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記冷却手段は、前記燃料供給管の前記筒状本体部の内周面の温度を100℃以下に維持する、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第5または第6の態様において、前記冷却手段は、前記燃料供給管の外壁面の周囲に環状に形成された冷却材流路を有する、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記冷却材流路は、前記燃料供給管の前記筒状本体部の前端を超えて前記保炎板の途中まで延在している、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1乃至第8のいずれかの態様において、前記保炎板は、前記バーナの先端側に向かうにつれて径方向外側に拡開して形成されている、ことを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記保炎板の内周面に、燃料を搬送する気体の流れに影響を与えて燃焼効率を向上させるための環状の段部が形成されている、ことを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第1乃至第10のいずれかの態様において、前記バーナは、倒立型低NOxボイラの高温還元燃焼ゾーンに配置される、ことを特徴とする。
本発明の第12の態様は、第1乃至第11のいずれかの態様において、前記バーナは、前記燃料供給管の上流側に設けられ、燃料を前記燃料供給管の内周壁側に集中的に濃縮させるとともに前記燃料供給管の周方向の前記燃料の濃度分布を均一化させる燃料濃度調整手段を有する、ことを特徴とする。
本発明の第13の態様は、第1乃至第12のいずれかの態様において、前記保炎板を除く前記燃料供給管の先端側部分の内側には、燃料を搬送する気体の流れを妨げる障害物が存在しない開放空間が形成されている、ことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、第1乃至第13のいずれかの態様において、前記燃料供給管の内壁面の少なくとも一部が、電解研磨処理されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、石油ピッチを燃料として用いた場合でも、バーナの内部に石油ピッチが付着・固化してバーナが使用不可能となることがなく、ボイラの運転を長時間継続することを可能とする燃焼システムを提供することができる。
本発明の一実施形態による燃焼システムの概略構成を示した縦断面図。 図1に示した燃焼システムの概略構成を示した斜視透視図。 図1および図2に示した燃焼システムにおける石油ピッチ燃料用バーナの縦断面図。 図3に記載の石油ピッチ燃料用バーナの燃料供給管の先端側部分を拡大して示した縦断面図。 図4の2−2線矢視図。 図3に示した石油ピッチ燃料用バーナの一変形例を示した部分縦断面図。 図3に示した石油ピッチ燃料用バーナの他の変形例を示した部分縦断面図。 図3に示した石油ピッチ燃料用バーナの他の変形例を示した部分縦断面図。 図3に示した石油ピッチ燃料用バーナの他の変形例を示した部分縦断面図。 ユリカピッチの性質に関するコールド試験の結果を示したグラフ。 ユリカピッチの性質に関するホット試験の第1の結果を示したグラフ。 ユリカピッチの性質に関するホット試験の第2の結果を示したグラフ。 従来の微粉炭焚きボイラ用バーナを示した縦断面図。
以下、本発明の一実施形態による燃焼システムについて、図面を参照して説明する。
本実施形態による燃焼システムにおいて使用されるバーナは、石油ピッチ(石油残渣)を燃料とする燃焼炉で用いられるものであり、特に、低軟化点を有する石油ピッチを燃料とする燃焼炉で用いられるものである。
低軟化点石油ピッチの一つとして、ユリカピッチ(「ユリカ」は登録商標である。)があげられる。ユリカピッチは、例えば180℃〜200℃の範囲に軟化点があり、この温度範囲或いはそれ以上の温度になると、その固体状態が軟化する。
上記の通りユリカピッチは、微粉炭とは異なる特有の性質を有するので、本件発明者は、ユリカピッチの軟化と付着のメカニズムを解明すべく試験研究を行った。
まず、ユリカピッチが軟化して付着するメカニズムとしては、下記のいずれかないしそれらの組合せ(重畳)と考えられる。
(1)ユリカピッチが、バーナ内で炉内に向かって搬送・噴出過程において、炉内の燃焼ガスからの輻射熱により加熱され(温度上昇し)軟化する。
(2)ユリカピッチが、炉内の燃焼ガスにより加熱された噴射部(口)の構造物(ノズル先端部、スワラ等)に接触し、加熱され(温度上昇し)軟化する。
(3)前記(1)と(2)の相乗効果により、ユリカピッチが軟化し、軟化したユリカピッチが接触した構造物に付着する。
次に、上記メカニズム(1)〜(3)のうち、ユリカピッチの軟化・付着においていずれが支配的であるかについて検討する。
まず、旋回度調整羽根等の構造物がノズル先端部付近に設置されている場合(特許文献1参照)について考察すると、ノズル上流側においては、ノズルが輻射熱を遮るため、ユリカピッチの温度上昇は少なく、軟化のメカニズムは、主として(2)が支配的と考えられる。
以下、本件発明者が実施した付着性基礎試験(コールド&ホット)の結果に基づいて検討する。
1)表面粗さの影響(図10:重力の影響を無視して、流速の影響のみで考える)
一般的には、付着量は、表面粗さが大きいほど多いが、実機の流速(19m/s程度)および燃焼試験における流速では、付着量は、表面粗さがその影響に小さいとの結果が得られている(図10)。この理由としては、低流速の場合には、一度付着したユリカピッチがそのまま付着され続けるが、高流速の場合には、ユリカピッチが付着しても容易に剥離する(コールド試験)ためと考えられる。
2)構造物温度の影響(図11、図12)
表面荒さの大小に関わらず温度が高くなるほど、付着量は増加(150℃以上では、全面付着)。逆に100℃以下では、流速が20m/s以下でも、容易に剥離して(図12)、付着量は減少する。
具体的に説明すると、下記のとおりであった。
プレート温度が150℃を超えた状態でパウダー状のユリカピッチを篩うと、プレート全面にパウダーが付着した。また、この付着したパウダーは流速100m/sの空気を吹き付けてもほとんど剥離しない。
一方、プレート温度が100℃以下の場合は、20m/s程度の空気を吹き付けるだけで、そのほとんどが剥離した。このことから、構造物の温度が非常に大きな要因であると判断できる。
3)結論
付着性基礎試験結果も総合すると、ユリカピッチの軟化と付着のメカニズムは、前記(2)が支配的と考えられる。従って、ユリカピッチを炉内に投入するまでのバーナ内部において、温度上昇を抑制することにより軟化およびバーナへの付着を防止することが重要となる。
その一方で、バーナ先端部は火炎からの輻射熱を強く受けるため、バーナ先端部を十分に冷却することが難しいという事情がある。特に、バーナ先端部に設けられた保炎板は、末広がりに拡開したラッパ状に形成されているので、ストレートの筒状部分に比べて火炎からの輻射熱を受けやすい。
そこで、バーナの保炎板の部分については、むしろ火炎からの輻射熱を利用して、保炎板に付着したユリカピッチを加熱し、その温度を軟化点よりも高くすることで、ユリカピッチを低粘度化して除去することが考えられる。
本発明は、上述の新たに得られた知見に基づいてなされたものであり、以下に述べるような特徴を備えている。
図1および図2に示したように本実施形態による燃焼システム1は、倒立形低NOxボイラ2を備えている。倒立型低NOxボイラ2は、その内部で燃料を燃焼させ、燃焼ガスから熱エネルギを回収する火力ボイラである。燃料としては、液状、ガス状、微粉状の炭素燃料を使用できると共に、微粉状の石油ピッチ(石油残渣)燃料を使用することもできる。本実施形態による燃焼システム1においては、石油ピッチを燃料として使用する。
倒立型低NOxボイラ2は、縦型の燃焼室101の上端部に高温還元燃焼ゾーン102、中段部に低温酸化燃焼ゾーン103が形成されており、高温還元燃焼ゾーン102と低温酸化燃焼ゾーン103は、絞り部104から2段燃焼用空気ノズル107までのガス冷却ゾーン105にて区切られており、低NOxを達成するため適切な2段燃焼(低酸化燃焼)温度を達成する。高温還元燃焼ゾーン102には、側壁にバーナ100が設けられており、側壁と上壁は1500℃以上の炉内温度に対応する程度の耐火材106で覆われている。
絞り部104は、燃焼室101の内面全周囲に鍔状の突起が突出し、燃焼室101に対してガス通過断面積が20〜50%程度絞られている。また、絞り部104の高温還元燃焼ゾーン102に面する側は高温還元燃焼ゾーン102と同様に耐火材で覆われている。バーナ100は、燃焼室101の高温還元燃焼ゾーン102における対向する2側面に水平方向に並列して備わり、火炎軸が正対しないよう軸平行かつ間隔を開けて配されている。
絞り部104の下方には2段燃焼用空気ノズル107が開口し、低温酸化燃焼ゾーン103となっている。低温酸化燃焼ゾーン103の下部は燃焼室壁が鉛直線に対して35°程度のテーパ状に狭搾しており、テーパ底部に灰排出口108が設けられている。テーパの角度は、堆積する物質と壁との間の臨界接触角により最適値が異なるが、崩れやすい物体を扱うときは45°程度でも使用できる。
低温酸化燃焼ゾーン103は、側壁に図中境界として示された冷却管が配された水冷壁構造となっていて、水冷されている。冷却管は燃焼室101の底部で非加熱降水管110に接続され、燃焼室101より高い位置に設けられた汽水胴109により非加熱降水管110を介して高温還元燃焼ゾーン101に十分高圧な冷却水を確実に供給できるように構成されている。
低温酸化燃焼ゾーン103の下側面にガス流出口111が設けられ、ガス導通路112に通じている。ガス導通路112は、蒸気過熱器管113、エコノマイザ114を通った後、後処理工程に燃焼ガスを搬送する。蒸気過熱器管113、エコノマイザ114部の底部に灰排出口115が備わっている。
倒立形低NOxボイラは、燃焼室101の上端部に燃料を供給して還元雰囲気で燃焼させ、燃焼を上端部から下方に向かって進行させ、酸化雰囲気中で燃焼を完結させ、燃焼ガスを下部から取り出すように構成されている。
倒立型低NOxボイラ2において燃焼運転を行なう際には、まず、高温還元ゾーン102におけるバーナ100に燃料と空気を導入して燃焼を開始する。高温還元燃焼ゾーン2では、空気の導入を抑制し、空気比を1以下の、たとえば0.6〜0.8程度の還元雰囲気に維持して、燃料に応じて選択される約1500℃程度の高温度で燃料を燃焼させる。
高温還元燃焼ゾーン102では、水平に軸をずらせて配されたバーナ100からの火炎により、燃焼ガスが水平方向に渦を巻いて対流する。さらに、高温還元燃焼ゾーン102が高温のため燃焼ガスの密度が低いことと相俟って、燃焼ガスは高温還元燃焼ゾーン102に長時間留まり、耐火材106に保温されて安定的に燃焼が行き渡る。
高温還元燃焼ゾーン102での燃焼を経て十分に熱せられた燃焼ガスは、新たに投入される燃料により燃焼ガスが増加するため高温還元燃焼ゾーン102から押し出されて絞り部104を通って低温酸化燃焼ゾーン103に流下する。低温酸化燃焼ゾーン103では、2段燃焼用空気ノズル107から比較的低温の2段燃焼用空気が十分に供給され、燃焼ガスの未燃分が酸化雰囲気で完全に燃焼される。
燃焼ガスは、燃焼が完結したのち、燃焼室内を降下してガス流出口111からガス導通路112に流出する。ガス導通路112では、蒸気過熱器管113およびエコノマイザ114においてボイラ給水と熱交換を行い、後処理工程に流出する。
上記の通り本実施形態の倒立形低NOxボイラ2では、高温還元燃焼ゾーン102において高温還元雰囲気で燃料が初期燃焼され、さらに低温酸化燃焼ゾーン103において低温酸化雰囲気で2段燃焼される。
なお、本実施形態の倒立形低NOxボイラ2では、高温還元燃焼ゾーン102の温度が従来型のボイラより高くなる。したがって、冷却性能を向上させるため、汽水胴109を燃焼室101の上端より高い位置に設置して非加熱降水管110を燃焼室101高より長くし、非加熱降水管110内の冷却水圧を大きくして冷却水の循環を促進している。
図3乃至図5に示したように、本実施形態による燃焼システム1における石油ピッチ燃料用バーナ100は、搬送用気体と共に石油ピッチを燃焼炉101に供給するための燃料供給管(バーナスロート)3を有する。燃焼炉101には、上述の高温還元燃焼ゾーン102が形成されている。
搬送用気体として典型的には空気が使用され、空気を使用する場合には、搬送用気体は、石油ピッチの搬送として利用されると共に、燃焼にも寄与する。搬送用気体は、好ましくは常温で燃料供給管3の内部に導入される。
本実施形態においては、燃料供給管3の内壁面5の少なくとも一部が電解研磨処理されており、これにより、その平滑度が高められている。その結果、石油ピッチが燃料供給管3の内壁面5に付着し難くなっている。
燃料供給管3の内部中心には、管軸方向に沿って副燃料噴射管6が設けられている。副燃料噴射管6は、噴射管挿入管7の内部に挿入されており、噴射管挿入管7に沿って前後に移動可能となっている。
燃料供給管3の管軸方向の中央部には、燃料濃度調整手段としての旋回羽根(スワラ)8が設けられており、この旋回羽根8によって石油ピッチ・搬送用気体9に旋回成分が付与される。
燃料供給管3の中央外周部には、燃焼炉101に二次空気10を供給するための二次空気供給機構11が設けられている。二次空気供給機構11は、二次空気10に旋回成分を付与するための旋回羽根(スワラ)12を有する。
旋回羽根8で構成される燃料濃度調整手段は、燃料を燃料供給管3の内周壁側に集中的に濃縮させるとともに燃料供給管3の周方向の燃料の濃度分布を均一化させる機能を有する。
燃料供給管3の先端外周部には、燃焼炉101に三次空気13を供給するための三次空気供給機構14が設けられている。三次空気供給機構14は、三次空気13に旋回成分を付与するための旋回ベーン15を有する。
図4および図5に示したように石油ピッチ燃料用バーナ100は、燃料供給管3の先端側部分(後述の保炎板17を除く)の内側に、石油ピッチ・搬送用気体9の流れを妨げる障害物が存在しない開放空間16が形成されている。
即ち、本実施形態による石油ピッチ燃料用バーナ100は、従来の微粉炭焚きバーナの燃料供給管の先端側部分に設けられていた気流影響部(スワラやリブ)を備えておらず、石油ピッチ・搬送用気体9の流れが、燃料供給管3の先端側部分(保炎板17を除く)で妨げられることがない。
なお、燃料比2.5程度までの低軟化点石油ピッチであれば、燃料供給管の先端側部分からリブ(旋回度調整羽根)などを除去しても燃焼炉内においてその適切な燃焼を確保できる。
図4に示したように、本実施形態による石油ピッチ燃料用バーナ100の燃料供給管3は、筒状本体部3Aと、筒状本体部3Aの前端を径方向外側に末広がりに拡開して形成された保炎板17とを有している。ラッパ状の保炎板17は、バーナ100で形成した炎を燃焼炉101内で適切に保持する上で有効である。
保炎板17の内周面には、断面三角形状の環状の段部17Aが形成されている。環状の段部17Aは、燃料供給管3の先端開口から放出される石油ピッチ・搬送用気体9の気流に影響を与え、燃焼の渦を形成することにより、石油ピッチ燃料の燃焼効率を向上させる。また、環状の段部17Aの存在による気流の変化により、バーナ100の前方に形成される火炎が保炎板17に近づくことになる。
環状の段部17Aによる石油ピッチ燃料の燃焼効率の向上と、火炎が保炎板17に近づくことにより、保炎板17の近傍の雰囲気温度が上昇する。
本実施形態による燃焼システム1における石油ピッチ燃料用バーナ100は、燃料供給管3の先端側部分の外壁面18に冷却材19を接触させて、燃料供給管3の先端側部分の内壁面5を冷却するための冷却手段20を備える。冷却材19としては、好ましくは液体を使用し、さらに好ましくは水を使用する。
冷却手段20は、燃料供給管3の外壁面18の周囲に環状に形成された冷却材流路21を有する。冷却材流路21は、燃料供給管3の先端側部分の外周に配置された内側管状部材22によって形成されている。冷却材流路21の入口側には、冷却材導入口23が形成されている。
内側管状部材22の外周面の周囲には外側管状部材24が配置されており、燃料供給管3の保炎板17の外面と外側管状部材24の先端との間隙が、環状封止部材25によって封止されている。
内側管状部材22の外周面と外側管状部材24の内周面とで冷却材の還流流路26が形成されている。還流流路26の出口側には、冷却材排出口27が形成されている。図5に示したように、冷却材導入口23および冷却材排出口27は、周方向に90°間隔でそれぞれ4個ずつ配置されている。
本実施形態においては、冷却材流路21が、燃料供給管3の筒状本体部3Aの前端を超えて保炎板17の途中まで延在している。より具体的には、保炎板17の内周面に形成された環状の段部17Aの途中の位置まで、冷却材流路21が延在している。このように燃料供給管3の筒状本体部3Aの前端を超えて保炎板17の途中まで冷却材流路21を形成することにより、燃料供給管3の筒状本体部3Aをその前端まで確実に冷却することができる。
特に、本実施形態による燃焼システム1においては、ボイラとして倒立型低NOxボイラ2を用いており、バーナ100が配置される高温還元ゾーン102が、従来のボイラの燃焼室よりも高温である。これにより、バーナ100の保炎板17の近傍の雰囲気温度が十分に高く維持される。具体的には、保炎板17の近傍の雰囲気温度が、石油ピッチの軟化点よりも高い温度に維持される。
例えば、低負荷運転時においては炉内温度が低下するが、倒立型低NOxボイラ2であれば、低負荷運転時においても、バーナ100が配置された高温還元ゾーン102の温度を十分に高く維持することができる。従って、保炎板17の内周面に石油ピッチが付着したとしても、周囲の雰囲気温度が十分に高いため、低粘度化して除去されるので、保炎板17の内周面上で付着物が成長することがない。
本実施形態においては、倒立型低NOxボイラ2が、本発明における温度維持手段を構成している。すなわち、倒立型低NOxボイラ2は、運転中におけるバーナ100の保炎板17の近傍の雰囲気温度を、石油ピッチ燃料の軟化点よりも高い温度に維持する手段として機能する。
具体的には、高温還元燃焼ゾーン102の温度が、耐火材106の存在によって高く維持されている。また、複数のバーナ100が千鳥状に対向配置されていることも、高温還元燃焼ゾーン2の高温化に寄与している。対向配置されたバーナ100同士が、互いにそれらの保炎板17の近傍を加熱することも、保炎板17の近傍の雰囲気温度の高温化に寄与している。
本実施形態における温度維持手段である倒立型低NOxボイラ2は、好ましくは、バーナ100の保炎板17の近傍の雰囲気温度を400℃以上に維持する。
一方、石油ピッチ燃料用バーナ100の筒状本体部3Aにおいては、冷却材導入口23を介して冷却材流路21内に冷却材19を供給しながら、還流流路26および冷却材排出口27を介して冷却材19を排出することにより、燃料供給管3の外壁面18から熱を連続的に除去する。これにより、燃料供給管3の筒状本体部3Aの管壁が冷却され、その内壁面5も所定の温度以下に維持される。
ここで、燃料供給管3の筒状本体部3Aの内壁面5の上記所定の温度は、燃料供給管3の内壁面5近傍での石油ピッチの温度が軟化点以下となるような温度である。好ましくは、燃料供給管3の内壁面5の温度を、冷却手段20による冷却によって100℃以下に維持する。
また、試験により得られた知見に基づいて、石油ピッチが燃料供給管3の先端側部分に付着するのを防止するため、或いは(付着しないとしても)接触時間を短くするため、燃料供給管3内の流速を15m/s以上に維持する。
上記の通り、本実施形態による燃焼システム1における石油ピッチ燃料用バーナ100においては、燃料供給管3の筒状本体部3Aの内壁面5の温度を所定の温度以下に維持することにより、石油ピッチがその軟化点に達してペースト状になることを防止できる。これにより、燃料供給管3の筒状本体部3Aの内壁面5にペースト状の石油ピッチが付着して堆積することを防止でき、バーナ100が使用不可になる事態を回避できる。
また、本実施形態による石油ピッチ燃料用バーナ100は、燃料比2.5程度までの低軟化点の石油ピッチの場合、バーナ先端部の旋回度調整機構が燃焼上必ずしも必須ではないという点に着目し、燃料供給管3の先端側部分(保炎板17を除く)の内側に、石油ピッチ・搬送用気体9の流れを妨げる障害物が存在しない開放空間16を形成したので、上述した冷却効果と相まって、搬送用気体により搬送中の石油ピッチが燃料供給管3の内部に付着し難い。
また、本実施形態による石油ピッチ燃料用バーナ100においては、燃料供給管3の内壁面5が電解研磨処理されているので、石油ピッチがより一層付着し難いものとなっている。電解研磨処理は、保炎板17および環状の段部17Aを含んで実施しても良い。
また、燃料供給管3内の流速を15m/s以上とすることにより、石油ピッチが燃料供給管2の先端側部分に付着することをより確実に防止することができる。
なお、濃度調整機構(旋回羽根8)は、簡潔な構成によって,燃料供給管3の上流側の配管ベンド部等で発生した燃料濃度の周方向の片寄りを是正して周方向の濃度分布を均一化するとともに、燃料供給管内における空気/燃料比が中心側が高く周壁側が低くなる分布を形成させることができるものである。
この濃度調整機構は、燃料供給管3の上流部にあり、ボイラの火炎の輻射熱の受けにくい位置に存在するため、温度は比較的低温に維持され、低軟化点の石油ピッチが接触しても石油ピッチが軟化温度になることはない。
これに対して、旋回度調整機構は、燃料供給管3の内周部の気流の通過部分にあるため、燃料が最も衝突ないし接触する構造物である一方、供給管先端部にあるため、温度が高くなっており、低軟化点の石油ピッチが接触すると直ちに軟化温度以上になり、付着する。
一方、燃料比2.5程度までの低軟化点の石油ピッチは、濃度調整機構により適切な濃度を確保できるため、旋回度調整機構が設けられていなくても、ボイラ内で適切な燃焼が確保できる。
本実施形態における冷却手段20の作用についてさらに説明すると、冷却機構により、燃料供給管3の内周面5の温度が低軟化点石油ピッチの軟化温度以下に維持することができるため、固体(粉体)状の石油ピッチが、燃料供給管3に接触しても軟化せずにそのまま高速気流に乗ってボイラ炉内に投入される。また、石油ピッチが接触して多少軟化しても、固着するほどの状態とはならないため、高速気流により燃料供給管内面から簡単に剥離してボイラ炉内に投入される。
さらに、濃度調整機構により、気流が燃料供給管3内で旋回流を形成するため、石油ピッチは、遠心力により外周部に集まるため、燃料供給管外周部で燃料供給管3に接触する。したがって、燃料供給管3の外周部を冷却することは、石油ピッチが燃料供給管3に接触して軟化しかつ付着を防止するために効果的である。すなわち、濃度調整機構と冷却機構との重畳効果により、石油ピッチの供給管付着防止の効果が大きくなる。
また、低軟化点石油ピッチは、総じて燃焼性が悪いものであるが、倒立型低NOxボイラ2は、そのような燃焼性の悪い燃料を高効率かつ低環境負荷で燃焼することができる。すなわち、水冷機能を備えたバーナ100と倒立型低NOxボイラ2とを組み合わせた本実施形態による燃焼システム1は、低軟化点石油ピッチを安定的かつ高効率、さらに低環境負荷で燃焼することを可能とする。
特に、本実施形態による燃焼システム1においては、バーナ100の筒状本体部3Aの温度を、冷却により石油ピッチの軟化点よりも低く維持すると共に、バーナ100の保炎板17近傍の雰囲気温度を、石油ピッチの軟化点よりも高く維持するようにしたので、例えばボイラ低負荷運転時においても、保炎板17を含むバーナ100の先端側部分の全体の温度を、石油ピッチの軟化点よりも高温側または低温側に外すことができる。
これにより、本実施形態による燃焼システム1は、ボイラ定格運転時においても、またボイラ低負荷運転時においても、石油ピッチ燃料を使用した燃焼運転を安定的に継続することができる。
なお、上記実施形態の一変形例としては、冷却手段20の冷却効率を高めるために、図6に示したように、冷却材流路21に沿って、燃料供給管3の筒状本体部3Aに、冷却フィン28を設けても良い。
また、上記実施形態の他の変形例としては、図7に示したように、冷却手段20の冷却材流路21の折り返し部の内壁面21Aの形状を、滑らかに変化する形状とすることで、冷却材の流れによどみが生じないようにすることもできる。冷却材の流れによどみが生じると、その部分で熱伝達が低下するのでホットスポットが生じてしまい、石油ピッチが付着しやすくなる。
そこで、本例においては、冷却材流路21においてよどみが生じやすい折り返し部の内壁面21Aを滑らかな形状として、冷却材のよどみによるホットスポットの発生を防止するようにした。
なお、図7に示した本例の構造と、図6に示した冷却フィン28の構造とを組み合わせることで、冷却手段20による冷却効果をさらに高めることができる。
また、他の変形例としては、図8に示したように、冷却手段20の冷却材流路21において、バーナ先端部をラビリンス構造としても良い。ラビリンス構造への冷却材の流入口として、冷却材流路21の断面積を一定として決定された寸法(径)を有する連絡孔(図示せず)を、バーナ先端部の冷却手段20の流路壁に形成する。本例においては、冷却材流路21が、点対称に2つ設けられている。
冷却材流路21の中で冷却材の流れに偏りが生じると、局所的に熱伝達が低下するが、図8に示したようにラビリンス構造を設けることにより、冷却材の流れが偏らないようして、ホットスポットの発生を防止することができる。
なお、図8に示した本例の構造と、図6に示した冷却フィン28の構造とを組み合わせることで、冷却手段20による冷却効果をさらに高めることができる。
また、他の変形例としては、冷却媒体として空気を使用して、冷却用空気をそのまま炉内に放出するようにしても良い。例えば、図6に示した冷却フィン28と組み合わせることで、空気を冷却媒体としても十分な冷却効果を維持できるようにして、冷却構造の簡素化を図ることができる。
また、他の変形例としては、バーナ先端部のみを交換できる構造として、冷却手段などの対策を施してもなお石油ピッチが付着した場合には、バーナ先端部ごと交換するようにしても良い。
また、他の変形例としては、冷却材流路21を、保炎板17の全体ではなく途中まで形成することにより、保炎板17の冷却を制限するようにしても良い。例えば、図9に示したように、保炎板17の基端部に冷却材流路21の折り返し部が位置するように構成することができる。これにより、軟化した石油ピッチが保炎板17の内周面に付着した場合でも、保炎板17の近傍に存在する火炎により、石油ピッチが軟化点よりも高い温度に加熱されやすくなり、粘度の低下により保炎板17から除去される。
1 燃焼システム
2 倒立型低NOxボイラ
3 燃料供給管
3A 燃料供給管の筒状本体部
4 燃料供給管の先端側部分
5 燃料供給管の先端側部分の内壁面
6 副燃料噴射管
7 噴射管挿入管
8 旋回羽根(スワラ)
9 石油ピッチ・搬送用気体
10 二次空気
11 二次空気供給機構
12 旋回羽根(スワラ)
13 三次空気
14 三次空気供給機構
15 旋回ベーン
16 開放空間
17 保炎板
17A 保炎板の内周面の環状段部
18 燃料供給管の外壁面
19 冷却材
20 冷却手段
21 冷却材流路
21A 冷却材流路の折り返し部の内壁面
22 内側管状部材
23 冷却材導入口
24 外側環状部材
25 環状封止部材
26 冷却材の還流流路
27 冷却材排出口
28 冷却フィン
100 石油ピッチ燃料用バーナ
101 燃焼室
102 高温還元燃焼ゾーン
103 低温酸化燃焼ゾーン
104 絞り部
105 ガス冷却ゾーン
106 耐火材
107 2段燃焼用空気ノズル
108 灰排出口
109 汽水胴
110 非加熱降水管
111 ガス流出口
112 ガス導通路
113 蒸気過熱器管
114 エコノマイザ
115 灰排出口

Claims (10)

  1. 石油残渣燃料を使用可能な燃焼システムであって、
    先端に保炎板が形成された燃料供給管を有するバーナと、
    運転中における前記保炎板の近傍の雰囲気温度を、前記石油残渣燃料の軟化点よりも高い温度に維持するための高温維持手段と、を備え、
    前記燃料供給管は、前記保炎板がその前端に形成された筒状本体部を有し、
    前記バーナは、前記筒状本体部の内周面の温度を前記石油残渣燃料の前記軟化点よりも低い温度に維持するための冷却手段を有し、
    前記冷却手段は、前記燃料供給管の前記筒状本体部の内周面の温度を100℃以下に維持し、
    前記冷却手段は、前記燃料供給管の外壁面の周囲に環状に形成された冷却材流路を有し、
    前記冷却材流路は、前記燃料供給管の前記筒状本体部の前端を超えて前記保炎板の途中まで延在している、燃焼システム。
  2. 前記高温維持手段は、運転中における前記保炎板の近傍の雰囲気温度を400℃以上に維持する、請求項1記載の燃焼システム。
  3. 前記高温維持手段は、前記バーナが設置された燃焼領域を囲む耐火材を有する、請求項1または2に記載の燃焼システム。
  4. 前記高温維持手段は、一方の前記バーナの火炎によって他方の前記バーナの前記保炎板の近傍を加熱するように、前記一方のバーナおよび前記他方のバーナを配置することにより構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃焼システム。
  5. 前記保炎板は、前記バーナの先端側に向かうにつれて径方向外側に拡開して形成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃焼システム。
  6. 前記保炎板の内周面に、燃料を搬送する気体の流れに影響を与えて燃焼効率を向上させるための環状の段部が形成されている、請求項記載の燃焼システム。
  7. 前記バーナは、倒立型低NOxボイラの高温還元燃焼ゾーンに配置される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃焼システム。
  8. 前記バーナは、前記燃料供給管の上流側に設けられ、燃料を前記燃料供給管の内周壁側に集中的に濃縮させるとともに前記燃料供給管の周方向の前記燃料の濃度分布を均一化させる燃料濃度調整手段を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃焼システム。
  9. 前記保炎板を除く前記燃料供給管の先端側部分の内側には、燃料を搬送する気体の流れを妨げる障害物が存在しない開放空間が形成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃焼システム。
  10. 前記燃料供給管の内壁面の少なくとも一部が、電解研磨処理されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃焼システム。
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