JPH05272711A - 微粉炭低nox バーナ - Google Patents

微粉炭低nox バーナ

Info

Publication number
JPH05272711A
JPH05272711A JP4097396A JP9739692A JPH05272711A JP H05272711 A JPH05272711 A JP H05272711A JP 4097396 A JP4097396 A JP 4097396A JP 9739692 A JP9739692 A JP 9739692A JP H05272711 A JPH05272711 A JP H05272711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
burner
pulverized coal
primary
flame
tertiary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4097396A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Suzutani
信吾 鈴谷
Toshihiro Kitaguchi
敏弘 北口
Chikatoshi Kurata
親利 蔵田
Yukiya Ito
征矢 伊藤
Kenichi Fujii
健一 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP4097396A priority Critical patent/JPH05272711A/ja
Publication of JPH05272711A publication Critical patent/JPH05272711A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡潔な構成によって安定した燃焼と保炎の強
化を図り、火炎内での脱硝を促進することにより、高い
効率でNOX の排出量を低減させ得る微粉炭低NOX
ーナを提供する。 【構成】 中心部に1次空気流路を有し、その外側に2
次空気流路を、更にその外側に3次空気流路をそれぞれ
同心に形設し、ボルテックス形状の風箱を通じて2次空
気及び3次空気を供給し、1次空気流路の炉内側端部に
曲率を有する複数の曲り羽根からなるスワラを具設し、
3次空気流路がバーナ先端部付近に絞り部を有するとと
もに風箱から上記絞り部ま入口までをバーナ軸に平行な
大口径の円筒形状とし、風箱から絞り部に至る間を横置
円錐台形状にする。また旋回ベーンの空気通過部断面積
が風箱内の旋回ベーン入口部の3次空気流路断面積より
も十分小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微粉炭を燃焼する際に、
簡潔な構成によって安定した燃焼と保炎の強化を図り、
火炎内での脱硝を促進することにより高効率にNOX
排出量を低減し得る微粉炭低NOX バーナに係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】燃焼に伴って排出される環境汚染物質の
中にはNOX ,SOx ,CO及びばいじんなど各種のも
のが存在するが、これらの汚染物質の中でもNOX はそ
の生成量が燃料と空気との混合過程や燃焼プロセスに大
きく依存し、燃焼方式の改善によって大幅な低減効果が
期待出来るものである。NOX は通常NOとNO2 の両
者を合わせた総称として用いられているが、燃焼によっ
て発生するのはその大部分がNOであり、このNOは大
気中に放出されると徐々に酸化されてNO2 に変わり、
更に水に溶解して酸性雨の原因となるため、石炭や重油
等を多量に消費する発電用あるいは産業用の大型ボイラ
等にあっては、これまでにも燃焼改善によるNOX 低減
対策に多大の努力が払われてきている。
【0003】微粉炭燃焼によって発生するNOX はその
生成起源や生成過程から、燃料中のN分が酸化されてN
X に変わるフューエルNOX と、高温の燃焼過程で大
気中のN分が酸化されNOX に変換するサーマルNOX
とに大別されるが、フューエルNOX は更に燃料中のN
分が燃料の熱分解により揮発性のN化合物となって放出
され、燃焼反応過程で最終的にはNOX に転化する揮発
分NOX (Volatile NOX )と、揮発分燃焼
後のチャー中に残留したN分に起因して生成されるチャ
ーNOX (Char NOX )に分けられる。特に石炭
中には多量のN分が含まれるため、微粉炭の通常燃焼過
程におけるフューエルNOX の占める割合は、全NOX
発生量の80〜90%に達すると言われているが、その
中におけるチャーNOX の転換率は一般に低く大部分は
揮発分NOX に起因するものと見做し得る。
【0004】1970年前後から低NOX 燃焼技術に関
して精力的な研究開発が進められ、二段燃焼や遅延燃
焼、排ガス再循環などに代表される新技術が実用に供さ
れてきた。これらの技術は単独で用いられるよりも組み
合わせ技術として使用されるケースが多く、いずれもN
X の発生量が燃焼領域におけるO2 分圧や燃焼温度に
強く依存することに着目したものである。即ち、二段燃
焼は主燃焼領域であるバーナゾーン部を理論空気比以下
の還元状態に保ち、火炎のピーク温度を押さえるべく緩
やかに燃焼させてNOX の生成量を抑制した上、バーナ
ゾーン部で発生する未燃分を別途空気供給下で燃やし、
完全燃焼を期すものである。また排ガス循環は、燃焼用
空気に一部排ガスを混入してO2 分圧を下げた空気をバ
ーナに導入し、緩慢燃焼によって火炎温度を下げること
によりNOX 排出量を低下させるものである。
【0005】図7は、緩慢燃焼型微粉炭焚き低NOX
ーナの例で、特公昭60−26922号公報に記載され
た微粉炭バーナの縦断面図である。図7において、51
は1次空気と微粉炭を供給する1次スロートで、該1次
スロート51内の先端に数枚の平板羽根により構成され
た微粉炭分散用のスワラ52が同心に配設されている。
また前記1次スロート51の先端には外方に末広がりに
拡開する保炎板57が一体に設けられており、1次スロ
ート51の外周側には同心に2次空気を供給する2次ス
ロート53がバーナの軸方向に進退自在に設けられてい
る。更に上記2次スロート53の外周側には3次空気を
供給するバーナスロート54が設けられ、該バーナスロ
ート54はディフューザ型に形成されている。尚58は
旋回ベーンで、これによってバーナスロート54から吹
き出す3次空気に旋回力を与える。
【0006】かかる構造の微粉炭焚き低NOX バーナに
あっては、微粉炭は1次スロート51を通じて1次空気
によって搬送され、スワラ52によってその一部は保炎
板57の内面に沿って放射状に分散する一方、残りの微
粉炭はスワラ52の背後に形成される内部循環渦に捉え
られ1次火炎55を形成する。また、2次空気及び3次
空気はいずれも保炎板57及びディフューザ型のバーナ
スロート54によって外方に向けられ、上記放射状に分
散した微粉炭及び1次火炎55の下流で1次火炎帯より
流出する未燃チャーと徐々に混合しつつ2次火炎56を
形成する。従って1次火炎55は極端にO2 不足の燃焼
になるとともに、2次火炎についても緩慢に低温燃焼す
るためにNOX の生成量は低下する。
【0007】このような状況を図7に示すバーナ構造面
からさらに詳細に説明すると、該構造のバーナにあって
は、3次空気が旋回ベーン58通過後直ちに絞られ、比
較的距離のあるバーナスロート54の最狭部を経由して
流れるため当該部で直進速度成分が増す一方旋回力が減
衰し、火炉内に開放された段階で外周部への拡がりが押
さえられて、放射状に拡がる微粉炭と比較的速やかに接
触し易い。更にスワラ52は平板よりなる数枚の羽根を
オイルガンケース59の周囲に等間隔で、オイルガンケ
ース59の円筒軸に対して特定の取り付け角を有して取
り付けられており、該スワラ52を経由する微粉炭は、
前述のように平板羽根を通過する際に慣性力によって徐
々に羽根の外周先端に向けて流れて行くため、羽根通過
後は保炎板57の内面に沿って放射状に拡がる微粉炭量
が増し、スワラ52の軸中心部付近を流れる微粉炭量が
少なくなる。
【0008】このうち、軸中心部付近を流れる微粉炭量
はスワラ52の背後に形成される着火促進に極めて有効
なトロイダル状の内部循環渦に捉えられ、揮発分を放出
して速やかに着火に移行しつつ1次火炎55を形成する
が、放射状に拡がる微粉炭は着火を促す乱れや渦を伴う
ことなくほぼ直進的に流れる1次空気とともに外周部に
拡がるため、2,3次空気と速やかに接触しつつも徐々
に着火、緩慢燃焼して2次火炎56を形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の微粉
炭燃焼技術においては、これら還元雰囲気における緩慢
燃焼は燃焼反応が緩やかに進行するためサーマルNOX
の抑制に対しては極めて効果的であるものの、フューエ
ルNOX の抑制に対しては必ずしも十分ではなく、かつ
長炎化する傾向にある。これは緩慢燃焼が比較的低温度
の燃焼であるため、燃料中に含まれるN分がバーナ燃焼
領域で十分に揮発・放出されずにチャー中に残存するた
め、バーナ燃焼領域における揮発分NOX 中心の脱硝反
応量が不十分でチャーNOX の生成割合が増え勝手とな
ることによる。特に微粉炭燃焼の場合には、前記のよう
に他の一般燃料に較べて石炭中に含まれるN分が多く、
通常総排出NOX の中でもフューエルNOX の占める割
合が支配的となるため、フューエルNOX の低減に対し
て、より効果的な機能を有する低NOX バーナの開発が
求められている。
【0010】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
もので、従来の緩慢燃焼型低NOXバーナが有していた
NOX 排出量の低限界特性を改善し、微粉炭粒子の着火
・保炎強化によって火炎内での脱硝反応に基づく低NO
X 燃焼炎を形成せしめ、これまで以上のNOX 低減化並
びに短炎化を図り得るバーナを提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、前記特許
請求の範囲に記載された微粉炭低NOX バーナによって
達成される。すなわち、 中心部に微粉炭搬送用の1次空気流路を有し、その
外周側に2次空気流路を同心に形設し、更にその外周側
に3次空気流路を同心に形設し、ボルテックス形状の風
箱を通じて2次空気及び3次空気を供給する微粉炭バー
ナにおいて、上記1次空気流路の炉内側端部に曲率を有
する複数の曲り羽根からなるスワラを具設した微粉炭低
NOX バーナ。 3次空気流路がバーナ先端部付近に絞り部を有する
とともに前記ボルテックス形状の風箱から上記絞り部入
口までをバーナ軸方向に平行な円筒状形状とし、風箱か
ら絞り部に至る間を横置円錐台形状にしたものである
記載の微粉炭低NOX バーナ。 ボルテックス形状の風箱内3次空気流路入口部にラ
ジアル旋回ベーンを具設し、上記旋回ベーンの空気通過
部断面積が上記旋回ベーン入口部の風箱内3次空気流路
断面積よりも小さいものであるまたは記載の微粉炭
低NOX バーナ。 である。以下、本発明の作用等について実施例に基づい
て説明する。
【0012】
【実施例】微粉炭のNOX 排出低減に関する最近の研究
から、燃料過濃な還元雰囲気にあっては極力高温状態を
保ち、可及的速やかにかつ多量に揮発分を放出した方が
総NOX 排出量は低下することが明らかにされている。
これは高温化によって燃料中の窒素分のガス状放出(揮
発分NOX の生成)が増し、チャー中に残存する窒素量
が減少するため、二段燃焼による再燃焼領域でのNOX
(チャーNOX )発生量が減少する一方、揮発分NOX
の分解反応が高温火炎帯で加速的に進行することによ
る。
【0013】微粉炭の高温還元燃焼による脱硝は、NO
X の生成と分解の競合反応の過程で達成され、まず微粉
炭の熱分解により揮発、ガス化した窒素分(Volat
ile N)が低空気比の下で酸素を急速に消費しNO
X を分解生成する一方(下記の式)、これも熱分解時
に発生した活性炭化水素HC・Rが還元雰囲気でNOX
と反応し、HCN,NH3 等の中間N化合物N・Rを生
成する(下記の式)。さらにN・RはNOと反応して
これを還元し、最終的にN2 に無害化脱硝する(下記の
式)。 Volatile N + O・R → NO + ……… 式 NO + HC・R → N・R + ……… 式 N・R + NO → N2 + ……… 式 これら熱分解による揮発分の放出や一連の脱硝反応は温
度が高いほど促進されるため、従来の低温燃焼による低
NOX 化とは逆に、高温燃焼によってNOX 排出量を低
下させ得る。
【0014】かかる脱硝反応を微粉炭バーナで達成する
ためには、当量比λが1以上の還元状態で微粉炭を急速
加熱し、着火、保炎の安定強化を図ることによって、バ
ーナ噴口先端に高温の火炎帯を形成することが不可欠で
ある。
【0015】図1はこのような機能を備えた微粉炭低N
X バーナの縦断面図で、1は1次スロート、2は微粉
炭旋回用スワラ、3は1次保炎板、4は2次スロート、
5は2次保炎板、6はディフューザ型の3次スロート、
7はボルテックス型の風箱、8は旋回ベーン、9は円錐
台形状の3次空気通路、10は1次火炎、11は2次火
炎、12は重油ガンケースである。
【0016】図1において、バーナの円筒軸中央部に微
粉炭とこれを搬送するための1次空気の通路である1次
スロート1が配設されており、該スロート1の先端には
ボスに曲率を有する複数枚の曲り羽根を植設した形状の
スワラ2が同心に配設されており、更に1次スロート先
端には外周に向け末広がりに開いた1次保炎板3が1次
スロート1と一体に取り付けられている。
【0017】図2は微粉炭旋回用スワラ2の一部破断側
面図、図3は図2のa−a線矢視図である。該スワラ2
は軸流旋回羽根の形態を取り、各曲り羽根21は3次元
的な曲率を有して羽根の付け根から先端にかけて特定の
曲率を保って湾曲しており(羽根の出口端部では外周先
端部に近いほど曲率大)、円筒状を成すボス22に同心
軸に対して特定の取り付け角θ23をもって取り付けら
れている。また、ボス22は同心軸に配置される重油ガ
ンケース12に取り付けられる。
【0018】図4および図5は図2,図3のスワラ2と
同様な機能を有する別形状のスワラ2で全体が一様な曲
率をもった曲り羽根24で構成され、ボス25に羽根の
入口部分が図2,図3のスワラ2の取り付け角θ23と
は正負反対の一定のすくい角α26をもって取り付けら
れている。
【0019】1次スロート1の外周側には同心に2次空
気を供給する2次スロート4が配設されており、該2次
スロート4の先端部には1次スロート1先端の1次保炎
板3と同様に、外周に向けて末広がりに拡開する2次保
炎板5が2次スロート4と一体化され設置されている。
更に2次スロート4の外周側には1次,2次スロート
1,4と同心上に3次空気を供給する3次スロート6
が、これも先端部拡開のディフューザ形状を成して取り
付けられている。
【0020】一方、2次,3次空気系のバーナ入口風箱
7部分はボルテックス形状を成し、この内3次空気系に
ついては空気流に沿ってボルテックス旋回通路の出口部
に複数枚の平板から成るラジアル配置の旋回ベーン8が
設けられており、更に旋回ベーン8部から3次スロート
6に至る3次空気通路は2次,3次スロート4,6と同
心の横置円錐台形状の空気通路9を成し、上流側(旋回
ベーン8側)の所定の距離までは空間容積の大きな円筒
状とし、これより下流側のスロート最狭部に向けては口
径を徐々に絞り込む円錐状としている。
【0021】該構造のバーナにあっては、1次スロート
1を経由して図2,図3のスワラ2に達した微粉炭を含
む1次空気はスワラ2の曲り羽根21の曲面に沿って流
れ、スワラ2出口部では曲り羽根21先端部ほど徐々に
曲率が大きくなるため、曲り羽根21の先端部を経由し
てくる微粉炭ほど周方向の運動量が付加され旋回力がつ
くことから、微粉炭は外周部に飛散することなくほぼ円
筒状に纏まって流れる。一方スワラ2の軸中心部付近は
曲り羽根21の曲率が小さく、かつ曲り羽根21が同心
軸に対してθ23の取り付け角を持って設置されている
ため、当該部を通過する1次空気にはさほど旋回力が加
えられず、外周方向に向けて放射状に広がることから、
スワラ2出口端から僅かな距離を置いた同心軸上におい
てはトロイダル状の内部循環渦が形成される。
【0022】なお、形状の異なる図4,図5のスワラ2
も同じようにスワラ2の出口部では羽根先端部の曲率が
大きいため、羽根先端部を経由する微粉炭ほど外周部に
飛散せず円筒状にまとまって流れるものの、軸中心部に
近い羽根取り付け部付近では、その入口部において1次
スロート1内を通過してくる直進の微粉炭流が羽根の取
り付けすくい角α26により羽根面に沿って外周方向に
向け旋回力を付与されつつ拡がるため、図2,図3のス
ワラ2同様、スワラ2出口の同心軸上下流側にトロイダ
ル状の循環渦が形成される。
【0023】また、スワラ2を経由した1次空気流は外
周に広がることなくかつ比較的強い旋回を伴っているた
め、1次保炎板3設置部の1次スロート急拡大部に至る
と1次保炎板3の内周面に沿って剥離し、逆向きの圧力
勾配を生ずる結果、該保炎板3外周を流れる2次空気が
1次スロート先端部を廻り込んで上記剥離領域に逆流
し、乱れ領域が形成されて強力な着火源となる。
【0024】この際、2次保炎板5は旋回を伴う3次空
気と直進する2次空気の流れをバーナ噴出先端部におい
て確実に隔離しつつ外周部に向けて噴出させる働きを有
するため、1次保炎板3先端に達した2次空気は3次空
気の旋回の影響をあまり受けずにほぼ直進性を保つこと
ができ、速やかに上述の1次保炎板3の内面に形成され
る剥離領域に廻り込む。
【0025】更に該逆流、乱れ領域は保炎板内面を起点
として下流側に向け発達するため、該領域に沿って高温
の円筒状火炎帯が内部の1次微粉炭流を包み込むように
発達し、微粉炭と3次空気の接触が遅らされて高還元炎
としての1次火炎10を形成する。
【0026】更に軸中心部に形成される前記の内部循環
渦も微粉炭の着火源となりつつ熱再循環により外周部の
高温火炎帯における熱量を上流側に引き戻す働きをする
ため、バーナ噴口近傍の雰囲気は高温に加熱される。こ
のような状況からバーナ噴口部では微粉炭が急激に加熱
され揮発分Nが十分に放出されるとともに、高温、高還
元雰囲気の下で脱硝反応が極めて速やかに進展するため
総NOX 排出量は相当量低下する上に、微粉炭の着火ゾ
ーン部が急速に加熱され、かつ上述の如く流れ特性を巧
みに利用して強力な逆流、渦領域を形成するため安定し
た着火条件が保たれ、更に急速高温燃焼により火炎は短
くなり、かつ未燃分の低減化も図り得る。
【0027】また、バーナ外周を流れる3次空気は旋回
ベーン8通過後に空間容積の大きな横置円錐台形状の3
次空気通路9の直円筒部に至るため旋回流れの均一化が
図られ、かつ旋回力の低下を防止することが出来るとと
もに、円錐台形状部から出口ディフューザ部に至る3次
スロート6の最狭絞り部の距離が極く短かく旋回力の減
衰を最小限に押さえ得るため、出口ディフューザ部にお
いても3次空気の旋回力が保持される。従ってバーナ噴
口近傍では3次空気が外周部に膨らんで中央部の火炎帯
とさほど接触せずに、距離を置いて火炎帯の背後で接触
していくため、バーナ噴口近傍に形成される火炎帯では
揮発分NOX の生成と分解反応が急速に進み、火炎帯背
後では3次空気混合によりチャー分が効率良く燃焼する
(2次火炎帯11)。
【0028】図6は上述したバーナ噴口部近傍の火炎形
状と、燃焼用空気及び燃焼ガスの流れのパターンを説明
する図で、図6において31は1次保炎板3内面の境界
層剥離を起点(着火源)とする渦放出による外周高温火
炎帯、32は循環渦の発達による内部着火源、33は3
次空気混合による2次火炎帯、34は3次空気の流れで
ある。
【0029】
【発明の効果】このように本発明によれば、上記実施例
において詳述したように、極めてシンプルな構造を取り
ながらも各構成要素が十分にその機能を発揮し、微粉炭
の着火、保炎強化によって火炎内での脱硝反応が十分に
促進されるため、高効率にNOX 排出量を低減させ得る
ほか、短炎化を実現させて燃焼設備のコストを低減する
ことを可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく微粉炭低NOX バーナの縦断面
図である。
【図2】本発明に基づく微粉炭低NOX バーナに使用す
るスワラの一部破断側面図である。
【図3】図2におけるa・a線矢視図である。
【図4】図2、図3とは別形状の本発明に基づく微粉炭
低NOX バーナに使用するスワラの一部破断側面図であ
る。
【図5】図4におけるb・b線矢視図である。
【図6】本発明に基づく微粉炭低NOX バーナの噴口部
近傍の火炎形状及び燃焼用空気及び燃焼ガスのフローパ
ターンを示す図である。
【図7】従来技術の例である。
【符号の説明】
1 1次スロート 2 微粉炭旋回用スワラ 3 1次保炎板 4 2次スロート 5 2次保炎板 6 3次スロート 7 風箱 8 旋回ベーン 9 3次空気通路 10 1次火炎 11 2次火炎 12 重油ガンケース 21 曲り羽根 22 ボス 23 θ(取り付け角) 24 曲り羽根 25 ボス 26 α(入口すくい角) 31 1次保炎板3内面の境界層剥離を起点(着火源)
とする渦放出による外周高温火炎帯 32 循環渦の発達による内部着火源 33 3次空気混合による2次火炎帯 34 3次空気の流れ 51 1次スロート 52 微粉炭分散用スワラ 53 2次スロート 54 バーナスロート 55 1次火炎 56 2次火炎 57 保炎板 58 旋回羽根 59 オイルガンケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵田 親利 東京都江東区南砂2丁目4番25号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 伊藤 征矢 東京都江東区南砂2丁目4番25号 川崎重 工業株式会社東京設計事務所内 (72)発明者 藤井 健一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に微粉炭搬送用の1次空気流路を
    有し、その外周側に2次空気流路を同心に形設し、更に
    その外周側に3次空気流路を同心に形設し、ボルテック
    ス形状の風箱を通じて2次空気及び3次空気を供給する
    微粉炭バーナにおいて、上記1次空気流路の炉内側端部
    に曲率を有する複数の曲り羽根からなるスワラを具設し
    たことを特徴とする微粉炭低NOX バーナ。
  2. 【請求項2】 3次空気流路がバーナ先端部付近に絞り
    部を有するとともに前記ボルテックス形状の風箱から上
    記絞り部入口までをバーナ軸方向に平行な円筒状形状と
    し、風箱から絞り部に至る間を横置円錐台形状にしたも
    のである請求項1記載の微粉炭低NOX バーナ。
  3. 【請求項3】 ボルテックス形状の風箱内3次空気流路
    入口部にラジアル旋回ベーンを具設し、上記旋回ベーン
    の空気通過部断面積が上記旋回ベーン入口部の風箱内3
    次空気流路断面積よりも小さいものである請求項1また
    は請求項2記載の微粉炭低NOX バーナ。
JP4097396A 1992-03-25 1992-03-25 微粉炭低nox バーナ Pending JPH05272711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4097396A JPH05272711A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 微粉炭低nox バーナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4097396A JPH05272711A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 微粉炭低nox バーナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05272711A true JPH05272711A (ja) 1993-10-19

Family

ID=14191362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4097396A Pending JPH05272711A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 微粉炭低nox バーナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05272711A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08312918A (ja) * 1995-03-22 1996-11-26 Babcock & Wilcox Co:The 短炎xclバーナー
WO2006132152A1 (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. ガスタービンの燃焼器
JP2011117635A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Ihi Corp 多燃料用バーナ装置に於ける油バーナ
JP2013545070A (ja) * 2010-11-03 2013-12-19 シーメンス エナジー インコーポレイテッド 水平配列における傾斜可能な多段石炭バーナ
JP2015124990A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 川崎重工業株式会社 石油ピッチ燃料用バーナおよびその使用方法
EP2660520A3 (en) * 2012-04-30 2017-11-15 General Electric Company Fuel/air premixing system for turbine engine
CN108105765A (zh) * 2017-12-11 2018-06-01 上海电力学院 一种用于锅炉中的低NOx稳燃燃烧器
WO2019230165A1 (ja) * 2018-06-01 2019-12-05 株式会社Ihi 液体燃料噴射器
US10563863B2 (en) 2014-12-12 2020-02-18 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Combustion system

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08312918A (ja) * 1995-03-22 1996-11-26 Babcock & Wilcox Co:The 短炎xclバーナー
WO2006132152A1 (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. ガスタービンの燃焼器
US8671690B2 (en) 2005-06-06 2014-03-18 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Combustor of gas turbine
JP2011117635A (ja) * 2009-12-01 2011-06-16 Ihi Corp 多燃料用バーナ装置に於ける油バーナ
JP2013545070A (ja) * 2010-11-03 2013-12-19 シーメンス エナジー インコーポレイテッド 水平配列における傾斜可能な多段石炭バーナ
EP2660520A3 (en) * 2012-04-30 2017-11-15 General Electric Company Fuel/air premixing system for turbine engine
JP2015124990A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 川崎重工業株式会社 石油ピッチ燃料用バーナおよびその使用方法
US10563863B2 (en) 2014-12-12 2020-02-18 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Combustion system
CN108105765A (zh) * 2017-12-11 2018-06-01 上海电力学院 一种用于锅炉中的低NOx稳燃燃烧器
WO2019230165A1 (ja) * 2018-06-01 2019-12-05 株式会社Ihi 液体燃料噴射器
US11649963B2 (en) 2018-06-01 2023-05-16 Ihi Corporation Liquid fuel injector

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910006234B1 (ko) 석탄 연소장치
JP2954480B2 (ja) ガスタービン燃焼器
JP3099109B2 (ja) 微粉炭バーナ
JP2544662B2 (ja) バ―ナ―
US4215535A (en) Method and apparatus for reducing nitrous oxide emissions from combustors
JPH0754162B2 (ja) 低NOx燃焼用バ−ナ
JPS6026922B2 (ja) 微粉炭バ−ナ
CN200955738Y (zh) 一种用于硫磺回收的燃烧器
JP3924089B2 (ja) 微粉炭バーナ及び微粉炭バーナを用いた燃焼装置
JPH05272711A (ja) 微粉炭低nox バーナ
JP3643461B2 (ja) 微粉炭燃焼バーナおよびその燃焼方法
JPS62172105A (ja) NOxを抑制する燃焼方法及び装置
CN115419893A (zh) 一种利用mild燃烧的多级氨气燃烧器
JPH04139312A (ja) ガスタービン燃焼器
JPH0555763B2 (ja)
JP3784587B2 (ja) 低NOx及び燃焼促進器を設けた固体燃料燃焼バーナ
JPS59173633A (ja) ガスタ−ビン燃焼器
KR960012388B1 (ko) 가스버너에 있어서 저 질소산화물(NOx)배출과 화염의 안정성을 기한 연소방법
JPH0820060B2 (ja) 二種燃料低窒素酸化物バーナ
JP2005257255A (ja) 燃焼装置
JPH09159109A (ja) 微粉炭の燃焼方法及び微粉炭燃焼装置及び微粉炭燃焼バーナ
JPH09318014A (ja) 微粉炭燃焼バーナ
CN115342384A (zh) 一种燃气轮机燃烧室贫油预混一体化头部结构
JP3440179B2 (ja) 低NOx 燃焼装置
KR200145483Y1 (ko) 3단 연소에 의한 공해물질 저감형 버너

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040323

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02