JP6461577B2 - Rfid用インレットアンテナ及びrfid並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は樹脂製フィルムの片面、もしくは両面に回路を有する回路構成体に関する。
従来のRFIDに用いられるインレットアンテナは樹脂製フィルムの片面又は両面に、接着剤を介して金属の回路を有している。樹脂製フィルムには耐熱性、寸法安定性等を考慮して、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリイミドフィルム(PI)等が用いられる。
一方、インレットアンテナを封止するカバー材は、インレットアンテナとの接着性、カバー材表面への印刷適正、コスト等を考慮して選択される。具体的にはポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、非結晶ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、紙、などが選択され、欧米においては、そのコスト面、性能面からPVCが広く使用されている。
インレットアンテナとカバー材は通常、それらの中間に、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、合成ゴム、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などのホットメルト系の接着剤を用いて接着されるが、経済面、環境面からホットメルト接着剤を使用せずにインレットアンテナとカバー材を接着することが望まれており、以下のようなアンテナコイル構成体すなわちインレットアンテナが提案されている。
特許文献1におけるICカード用アンテナコイル構成体は、樹脂を含む基材シートと、前記基材シートの表面の上に形成された接着層と、前記接着層を介して前記基材シートに固着された金属箔を含むアンテナ回路パターン層とを備え、前記接着層は、前記基材シート側に配置された第1の接着層と、前記アンテナ回路パターン層側に配置された第2の接着層とを含み、前記第2の接着層は、前記アンテナ回路パターン層を覆うように前記基材シートの上に形成されるカバーシートと同系の有機化合物の樹脂を20質量%以上含むことによりカバー材とインレットアンテナの接着を可能にしている。
特許文献2におけるICカード用アンテナコイル構成体は、塩化ビニル樹脂を含む基材と、前記基材の表面の上に接着剤を介在して熱接着により形成された、金属箔を含む回路パターン層とを備え、前記接着剤が、塩化ビニルと酢酸ビニルとマレイン酸との共重合体を含む樹脂であることにより、カバー材との接着を可能にしている。
しかし、特許文献1のアンテナコイル構成体では、2層の接着層を別々に形成する必要がある為、その製造工程が増えてしまうという問題がある。
また、特許文献2では、基材として耐熱性が低い塩化ビニルを使用する為に、回路パターンのエッチング、印刷(スクリーン印刷、オフセット印刷) または蒸着によりアンテナコイル構成体を形成する工程と、ICチップを実装する工程において、加熱温度範囲について制約を受けるおそれ、あるいは変形により平滑なアンテナコイル構成体を得ることができないおそれがある。また低温接着性に優れる塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸共重合体を熱可塑性接着剤として使用しているが、接着剤中における酢酸ビニルの割合が高くなると、高温環境下でアンテナコイル構成体の接着剤の面同士を重ねた状態で保管した場合にブロッキングが発生するという問題点がある。
特開2007-141125号公報 特開2004-46360号公報
本発明は、RFID用インレットアンテナであって、ホットメルト系接着剤を使用せずにカバー材との高い接着強度を実現でき、熱的に安定で高温環境下でもブロッキングが発生しないRFID用インレットアンテナ及びRFIDを提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、RFID用インレットアンテナに使用する樹脂製フィルム、接着剤を以下のとおりに工夫することで、ホットメルト系接着剤を使用せずにカバー材との高い接着強度を実現でき、熱的に安定で高温環境下でもブロッキングが発生しないRFID用インレットアンテナを完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のRFID用インレットアンテナ及びRFID並びにそれらの製造方法に関する。
項1. 樹脂製フィルムの少なくとも片面に1層の接着剤層及び前記接着剤層の上に積層された金属箔による回路が形成されたRFID用インレットアンテナであって、
(1)前記樹脂製フィルムの融点が225℃以上であり、
(2)前記1層の接着剤層は酢酸ビニル系樹脂およびウレタン系樹脂の両方を含み、
(3)前記1層の接着剤層に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)である、
ことを特徴とする、RFID用インレットアンテナ。
項2. 前記金属箔による回路がアルミニウムもしくは銅からなる、項1に記載のRFI D用インレットアンテナ。
項3. 項1または2に記載のRFID用インレットアンテナを用いたRFID。
項4. RFID用インレットアンテナの製造方法であって、
樹脂製フィルムの表面上に1層の接着剤層を介して金属箔を形成する工程と、
パターンを有するレジストインク層を、前記金属箔の露出している表面上に印刷する工程と、
前記レジストインク層をマスクとして用いて前記金属箔の露出している部分をエッチングすることによって前記金属箔による回路を形成する工程とを備え
1)前記樹脂製フィルムの融点が225℃以上であり、
(2)前記1層の接着剤層は、酢酸ビニル系樹脂およびウレタン系樹脂の両方を含み、
(3)前記1層の接着剤層に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)である、
ことを特徴とする、製造方法。
項5. 項1または2に記載のRFID用インレットアンテナの前記金属箔による回路を 被覆するようにカバー材を固着させる工程を備えた、RFIDの製造方法。
本発明のRFID用インレットアンテナは、特定の樹脂製フィルム及び接着剤層を有することによって、高温環境下でもRFID用インレットアンテナ同士のブロッキングの発生が抑制される。さらに、カバー材との接着強度が高く、接着時において熱的に安定であり、回路パターンの形状の歪みを抑えることができる。
本発明のRFID用インレットアンテナの一例の断面構造を模式的に示した図である。 本発明のRFID用インレットアンテナの一例に、カバー材を固着させたRFIDの一例の断面構造を模式的に示した図である。 本発明のRFID用インレットアンテナの一例において、接着剤層同士を張り合わせたものの一例の断面構造を模式的に示した図である。
以下に、本発明のRFID用インレットアンテナに関して詳細に説明する。
<RFID用インレットアンテナ>
本発明におけるRFID用インレットアンテナは、樹脂製フィルム103の少なくとも片面に接着剤層102上に積層された金属箔による回路101が形成されたインレットアンテナにおいて、前記樹脂製フィルム103の融点が225℃以上であり、前記接着剤層102は酢酸ビニル系樹脂およびウレタン系樹脂の両方を含み、前記接着剤層102に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)であることを特徴とする。
<接着剤層>
本発明においては、前記接着剤層に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)であることにより、RFID用インレットアンテナとカバー材との十分な接着が可能となり、高温環境下でのブロッキングも抑制することができる。酢酸ビニル系樹脂には、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。またウレタン系樹脂は、OH系原料とNCO系原料を予め重合させてから酢酸ビニル系樹脂と混合しても、酢酸ビニル系樹脂、OH系原料及びNCO系原料を混合してから重合させてもよい。OH系原料としてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。NCO系原料としてはトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
RFID用インレットアンテナとカバー材を十分に接着する為には(1)「樹脂製フィルム103と接着剤層102」、及び(2)「接着剤層102とカバー材104」のそれぞれの接着強度を高くする必要がある。(A/B)が0.9より小さい場合は(2)の強度が、(A/B)が3.5を超える場合は(1)の強度が不十分になる。また、(A/B)が3.5を超える場合には高温環境下でブロッキングが発生しやすくなる。(A/B)の値は0.9〜3.5の範囲で任意に設定することができるが、1.3〜2.8の範囲がより好ましい。
(A+B)の値は50以上である必要があり、50未満である場合には0.9≦(A/B)≦3.5であってもRFID用インレットアンテナとカバー材104の接着強度が不十分になる。
(A+B)以外の残部には接着剤に使用される一般的な樹脂、添加剤等を含んで良く、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、粘着付与材、着色剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤等が挙げられる。
接着剤層102の厚みは任意に設定することができ、0.5〜7μmの範囲が好ましく、1.5〜4μmの範囲がより好ましい。接着剤層102の厚みが0.5μm未満の場合、樹脂製フィルム103及びカバー材104の凹凸を埋めることができず十分な接着強度が実現できないおそれがある。
<樹脂製フィルム>
本発明によれば、樹脂製フィルム103に融点が225℃以上のものを使用することでRFID用インレットアンテナに十分な耐熱性を持たせることができる。樹脂製フィルムの融点は225℃以上、290℃以下であることが好ましい。融点が225℃以上の樹脂製フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ナイロン、ポリフェニレンスルファイドなどが挙げられる。
樹脂製フィルム103の厚みは任意に設定することができ、12〜75μmの範囲が好ましく、25〜50μmの範囲がより好ましい。樹脂製フィルム103の厚みが12μm未満の場合には、製造工程中の取り扱いが難しくなり、折れ及びシワなどの外観不良を招くおそれがある。厚みが75μmを超える場合には材料コストの上昇を招く。
<金属箔による回路>
本発明における回路を構成する金属箔は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス鋼箔、チタン箔、錫箔等から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。これらの金属箔の中でも経済性、信頼性の点からアルミニウム箔を回路の構成材料に用いるのが最も好ましい。ここで、アルミニウム箔とは、純アルミニウム箔に限定されるものではなく、アルミニウム合金箔も含む。
金属箔による回路101の厚みは任意に設定することができ、7〜60μmの範囲が好ましく、15〜50μmの範囲がより好ましい。金属箔の厚みが7μm未満の場合には、ピンホールが多く発生するとともに製造工程中に破断するおそれがある。一方、金属箔の厚みが60μmを超える場合には、回路101を形成するためのエッチング処理に時間がかかるとともに、材料コストの上昇を招く。
金属箔の純度が97.5質量%未満の場合には、金属箔に含まれる不純物が多くなり、回路101の電気抵抗が高くなるとともに、耐食性が極端に悪くなり、わずかな水分でも腐食が進行する場合がある。一方、金属箔の純度が99.7質量% を超える場合には、金属箔の耐食性が過度に向上するため、エッチング処理に時間がかかる。
具体的には、回路101の材料としては、たとえばJIS(AA)の記号では1030、1N30、1050、1100、8021、8079等の純アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を採用することができる。
本発明において金属箔としてアルミニウム箔を用いる場合の純度とは、鉄(Fe)、シリコン(Si)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)という主要な不純物元素の合計の質量% を100質量% から差し引いた値である。アルミニウム箔を用いる場合、鉄の含有量が0.2〜1.5質量%、シリコンの含有量が0.05〜1.0質量%、銅の含有量が0.3質量% 以下であるのが好ましい。
また、アルミニウム箔の強度の観点では、上記の組成範囲が好ましく、引張り強度は70〜120MPa、伸びは5% 以上が好ましい。金属箔の引張り強度が70MPa未満、または伸びが5% 未満の場合には、製造工程中に撓み、皺等が生じ、回路パターン層の寸法精度が悪くなるおそれがある。金属箔は、軟質箔または半硬質箔が好ましく、箔に圧延した後に250〜550℃ 程度の温度で焼鈍するのが好ましい。引っ張り強度が120MPaを超える硬質箔を用いると、圧延油の残り、柔軟性あるいは巻取り性等の点で問題があり、好ましくない。
<作用>
本発明によると、ホットメルト系接着剤を使用せずに、1層の接着剤層のみにより、RFID用インレットアンテナとカバー材を接着することができ、かつ、高い接着強度を得ることができる。また、RFID用インレットアンテナの接着剤層の面同士を重ね合わて、高温及び高圧条件下で放置した場合であっても、ブロッキングの発生を抑えることができる。さらに、カバー材をRFID用インレットアンテナに貼り付ける際に、熱による回路パターンのズレ、歪み等の発生を抑えることができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
厚さ30μmの東洋アルミ二ウム製アルミ箔の片面に、接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(日本ポリウレタン株式会社製 ノバテック)、ウレタン系接着剤(DIC株式会社製 LX500を100部、及び硬化剤としてKW75を10部)を酢酸エチルで希釈・混合したものを、溶剤揮発後の厚みが3μmになるように塗工した。混合の割合については、溶剤揮発後の接着剤層中におけるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、(A/B)=2.5となるように調整した。
またこの時、(A+B)=70であった。
その後、接着剤層の面に帝人デュポンフィルム株式会社製の厚さ38μmのPETフィルムを貼り合せた後に60℃の条件下で3日間の養生を行い、フォトリソグラフィ法で回路パターンを形成した。
上記で作成したインレットアンテナの回路パターン、接着剤層の面に対して、150℃、40N/cmの条件で温度、圧力を加えて20分間、厚さ200μmの透明PVCシート(住友ベークライト株式会社製)を貼り合わせて、下記の項目について評価を行った。
<評価項目>
接着強度(RFID用インレットアンテナとカバー材)
測定方法:ISO7810に準じた剥離試験方法で接着強度の測定を行った。また、剥離状態を目視で確認した。
判定方法:接着強度についてはISO規格の3.5N/10mm未満の場合を不合格とした。また、剥離状態の確認を行い、樹脂製フィルムと接着剤もしくは接着剤とカバー材の界面で剥離しているものについては、接着強度が3.5N/10mm以上の場合でも不合格とした。
耐ブロッキング性(RFID用インレットアンテナ同士)
測定方法:2枚のRFID用インレットアンテナの接着剤の面同士を重ねて、60℃、1000g/m2の条件で温度、圧力を加えて48時間放置した後、RFID用インレットアンテナを剥がした時の状態を目視で確認した。
判定方法:接着剤同士が貼りついて剥離する時に転写が見られた場合は不合格とした。
熱安定性
測定方法:カバー材(透明PVCシート)を貼りあわせた後に、回路パターンの形状を目視で観察した。
判定方法:カバー材を貼りあわせる前と比較して回路パターンの形状が歪んでいる場合は不合格とした。
実施例2
使用する接着剤の(A/B)が0.9になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例3
使用する接着剤の(A/B)が1.5になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例4
使用する接着剤の(A/B)が3.5になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例5
使用する接着剤の(A+B)が50になるようにポリエステル系樹脂(東洋紡株式会社製 バイロン)を添加して調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例6
使用する接着剤の(A/B)が1.2になるように調整を行った以外は実施例5と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例7
使用する接着剤の(A/B)が3.5になるように調整を行った以外は実施例5と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例8
樹脂製フィルムにナイロン6(PA6)を使用した以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
実施例9
使用する接着剤の(A/B)が2.5、(A+B)が90になるように、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(日本ポリウレタン株式会社製 ノバテック)、OH系原料としてポリエステルポリオール樹脂(東洋紡株式会社製 バイロンUR−1700)、NCO系原料としてヘキサメチレンジイソシアネートを混合した以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例1
使用する接着剤の(A/B)が0.8になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例2
使用する接着剤の(A/B)が0.5になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例3
使用する接着剤の(A/B)が3.6になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例4
使用する接着剤の(A/B)が4.0になるように調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例5
使用する接着剤の(A+B)が40になるようにポリエステル系樹脂(東洋紡株式会社製 バイロン)を添加して調整を行った以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
比較例6
樹脂製フィルムにポリ塩化ビニリデン(PVDC)を使用した以外は実施例1と同様にRFID用インレットアンテナの作成及び評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0006461577
101:金属箔による回路
102:接着剤層
103:樹脂製フィルム
104:カバー材

Claims (5)

  1. 樹脂製フィルムの少なくとも片面に1層の接着剤層及び前記接着剤層の上に積層された金属箔による回路が形成されたRFID用インレットアンテナであって、
    (1)前記樹脂製フィルムの融点が225℃以上であり、
    (2)前記1層の接着剤層は酢酸ビニル系樹脂およびウレタン系樹脂の両方を含み、
    (3)前記1層の接着剤層に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)である、
    ことを特徴とする、RFID用インレットアンテナ。
  2. 前記金属箔による回路がアルミニウムもしくは銅からなる、請求項1に記載のRFID用インレットアンテナ。
  3. 請求項1または2に記載のRFID用インレットアンテナを用いたRFID。
  4. RFID用インレットアンテナの製造方法であって、
    樹脂製フィルムの表面上に1層の接着剤層を介して金属箔を形成する工程と、
    パターンを有するレジストインク層を、前記金属箔の露出している表面上に印刷する工程と、
    前記レジストインク層をマスクとして用いて前記金属箔の露出している部分をエッチングすることによって前記金属箔による回路を形成する工程とを備え
    1)前記樹脂製フィルムの融点が225℃以上であり、
    (2)前記1層の接着剤層は、酢酸ビニル系樹脂およびウレタン系樹脂の両方を含み、
    (3)前記1層の接着剤層に含まれる酢酸ビニル系樹脂の含有量をA質量%、ウレタン系樹脂の含有量をB質量%とした時に、0.9≦(A/B)≦3.5、かつ、50≦(A+B)である、
    ことを特徴とする、製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のRFID用インレットアンテナの前記金属箔による回路を被覆するようにカバー材を固着させる工程を備えた、RFIDの製造方法。
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