JP6460861B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は液晶表示素子に関する。
液晶分子が基板面に対して略垂直に配向する液晶層が、透明基板間に配置された垂直配向型液晶表示素子は、液晶層内のリタデーションがほぼ0である。このため偏光板を、両基板の液晶層とは反対側に、クロスニコルに配置することにより、2枚の偏光板をクロスニコルに重ねた場合と同等の透過率を獲得することができる。すなわち簡便に、高コントラストのノーマリブラック表示を実現することができる。
垂直配向型液晶表示素子においては、誘電率異方性が負の液晶材料を用いて液晶層が構成され、液晶層に近接する基板面に垂直配向膜が配置される。液晶層を挟持する両基板に配設された電極間に、液晶材料の閾値電圧以上の電圧を印加すると、たとえば液晶層の厚さ方向の中央に位置する液晶分子は、基板面に対して傾斜する。しかし液晶分子が電圧無印加時、基板に対して完全に垂直配向する場合は、液晶表示素子面内で均一な配向状態が得られず、表示が不均一となる。
たとえばこのような表示の不均一に対し、電極にスリット状開口部を設けることで、表示均一性を実現する液晶表示素子の発明が開示されている(たとえば特許文献1〜4参照)。
近年のカラーTFT液晶表示素子においては、TFTアレイ基板と対向するカラーフィルタ基板側に、両基板間を一定の間隔に保持する樹脂製柱状スペーサが、規則的、周期的に配置される。柱状スペーサは、たとえば基板上にカラーフィルタを形成する工程で、カラーフィルタと同時に形成される。カラーフィルタを用いないモノクロ表示型液晶表示素子の場合は、球状または円柱状のスペーサを、基板面内に均一に、単位面積当たりの数量が適切となるように分散配置する。
スペーサは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン共重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリルエステル共重合体、ジアリルフタレート、アリルイソシアヌレート重合体、及び、ベンゾグアナミン重合体などの架橋性合成樹脂等で形成される(たとえば特許文献5参照)。
水平配向型液晶表示素子においては、電圧無印加時、スペーサの周囲に光抜け現象が生じることが知られている。この光抜け現象は、スペーサ表面を垂直配向性に改質することによって低減することができる(たとえば特許文献6参照)。垂直配向性への改質は、たとえばポリイミドや有機シラン系化合物でスペーサ表面にコーティング層を形成することで可能である(たとえば特許文献7参照)。
しかしコーティング層の形成は、リードタイムの増加やコスト上昇の要因となる。
一方、本願発明者は、スリット状開口部が形成された電極を有する垂直配向型液晶表示素子において、基板間隔が3μm以下の場合、基板面内に散布されたスペーサが部分的に凝集しやすくなり、その凝集部分が電圧印加時に表示むらを引き起こすという課題に対し、特定のカイラル剤を添加した液晶材料を用い、更に、特定のマルチプレックス駆動条件で動作させることにより、外観観察における表示むらを抑制する発明を行っている(たとえば特許文献8参照)。
しかしカイラル剤の添加は、液晶層の電気光学特性における急峻性を劣化させるため、液晶表示素子の明表示時透過率及びコントラストが低下する。また、最良のコントラストが得られる最適バイアス駆動からはずれた条件でマルチプレックス駆動を行うため、液晶表示素子の表示品質が一層低下する。
特許4107978号公報 特許4884176号公報 特開2012−63711号公報 中国特許101477280号公報 特開平5−333348号公報 特開平5−232478号公報 特開平6−11719号公報 特開2011−22486号公報
本願発明者は、少なくとも一方基板の電極面にスリット状の開口部が形成された垂直配向型液晶表示素子(電圧印加時に開口部周辺に発生する斜め電界を用いて、液晶層内の液晶分子の配向制御を行うマルチドメイン垂直配向型液晶表示素子)において、電圧印加時(明表示時)、外観観察上の表示むら(ざらつき感等)が発生し、この表示むらがスペーサ近傍の帯状暗領域に起因することを発見した。この表示不均一は、たとえば表面を垂直配向性に改質したスペーサを用いた場合には生じず、改質が施されていないスペーサを使用した液晶表示素子で発生する。
図1に、本願発明者の発見に係る帯状暗領域を示す。垂直配向型液晶表示素子がクロスニコル偏光板間に配置される構成においては、電圧印加時、スペーサの配設位置に、スペーサの形状を反映した暗領域、たとえば球状スペーサが用いられる場合は円形状(点状、粒状)の暗領域Dが形成される。スペーサ配設位置では光が透過されないためである。
これとは別に本願発明者は、暗領域Dの周囲、すなわちスペーサの周囲の少なくとも一部に、暗領域Dが帯状に発生していることを発見した。帯状暗領域Dは、すべての暗領域D(スペーサ)の周囲に形成されるのではなく、一部の暗領域D(スペーサ)の周囲に形成される。
帯状暗領域Dの発生理由に関し、本願発明者は以下のように考察した。図2A〜図2Dを参照し、本願発明者の考察を説明する。
図2Aは、垂直配向型液晶表示素子の製造過程において、裏表基板間に液晶材料を注入する途中の液晶分子配向を示す概略的な断面図である。
裏表基板は、それぞれ、たとえば(i)ガラス基板、(ii)ガラス基板上に形成され、スリット状開口部を備える透明電極、及び、(iii)透明電極を覆うように形成された垂直配向膜を有する。本図においては、ガラス基板51、ガラス基板51上に形成され、スリット状開口部52aを備える透明電極52、及び、透明電極52を覆うように形成された垂直配向膜53を有する表側基板50のみを示し、裏側基板は省略した。
裏表基板間にはスペーサ54が配置され、裏表基板間を、たとえば一定間隔に保持する。液晶材料は、スペーサ54が配置された裏表基板間に、一例として真空注入法を用いて注入される。注入された液晶材料により、裏表基板間に液晶層55が形成される。
たとえば真空状態の空間56に液晶材料が注入される。本図においては、液晶注入方向を矢印で示した。
液晶注入時は、裏表基板面に配置される垂直配向膜により液晶分子の配向状態が決定されることから、液晶層55内の配向状態は均一(基板面に対して垂直)になっていると考えられる。
図2Bは、裏表基板間への液晶材料注入が完了した直後の液晶分子配向を示す概略的な断面図である。液晶分子は、スペーサ54表面では水平に(表面に平行となるように)配向する。液晶分子の配向均一領域A(電圧無印加時において、液晶分子が基板面に垂直に配向する領域)と、スペーサ54表面に沿って配向する領域Bの間には、その中間の配向状態となる領域Cが形成される。
図2Cに、電圧印加時における液晶層55内の液晶分子配向状態を示す。電圧印加時、スリット状開口部52a近傍には斜め電界(矢印で図示)が生じ、液晶分子は電界方向に直交するように傾く。
たとえば本図に示すように、スリット状開口部52aとの間の距離が相対的に短い位置にあるスペーサ54の周囲の液晶層55においては、斜め電界の影響がスペーサ54の表面近傍まで及び、電圧印加時の配向均一領域Aがスペーサ54の表面近傍まで形成される。この結果、スペーサ54表面に沿って配向する領域B、及び、領域Aと領域Bの間の配向状態となる領域Cが縮小する(スペーサ54による液晶分子の配向規制の影響が小さくなる)。このため外観観察上、表示むらは認識されない。
しかし図2Dに示すように、スリット状開口部52aとの間の距離が相対的に長い位置にあるスペーサ54の周囲の液晶層55においては、斜め電界(矢印で図示)の影響がスペーサ54の表面近傍まで及ばない。このため配向不均一領域Cが、スペーサ54の表面近傍で形成され、領域C周辺(スペーサ54とは反対側)には、電圧の印加にもかかわらず、液晶分子が傾斜しない領域Dが形成される。この領域Dが原因となって、スペーサ54の周囲の少なくとも一部に、暗領域Dが発生し、外観観察上の表示むらを生じさせる。
このように、帯状暗領域Dは、たとえばスリット状開口部52aとの間の距離が相対的に長い位置にあるスペーサ54の周囲に形成されると考えられる。
本発明の目的は、表示品質の高い液晶表示素子を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサとを有し、前記第1の電極と前記第2の電極は、開口部を備え、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部の少なくとも一方で、全体として第1の方向に延在するジグザグ形状の開口部が複数形成され、前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接する2つのジグザグ形状の開口部のエッジ間距離は30μm以下であり、前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜6.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている4ドメインの液晶表示素子が提供される(たとえば、図3B、及び、図4A〜図4C参照)。
この4ドメインの液晶表示素子には、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、ともに、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状の開口部であり、ジグザグ形状の屈曲部を前記第2の方向に揃え、前記第2の方向に沿って交互に配置されている液晶表示素子が含まれ(たとえば、図4A参照)、更に、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、更に、ジグザグ形状の各屈曲部から、該屈曲部の凸方向に、前記第2の方向と平行に延びる枝状開口部を備え、該枝状開口部は、前記第2の方向に隣接するジグザグ形状の開口部の屈曲部に重なる液晶表示素子が含まれる(たとえば、図3B参照)。
また、上記の4ドメインの液晶表示素子には、前記第1及び第2基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、ともに、前記第2の方向が凸方向となるV字形状開口部を、重心が市松模様状となるように配置した開口部であり、前記第1の電極のV字形状開口部と前記第2の電極のV字形状開口部は、前記第1の方向に交互に、端部において重なるように配置されて、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状開口部が形成される液晶表示素子が含まれる(たとえば、図4B参照)。
更に、上記の4ドメインの液晶表示素子には、前記第1の電極の開口部と、前記第2の電極の開口部は、ともに、第3の方向に延びる第1の枝状開口部と、第4の方向に延びる第2の枝状開口部を用いて構成され、前記第1及び第2の枝状開口部は、前記第1、第2の電極上に、前記第1の方向に沿って見るとき、前記第1の枝状開口部のみが配置される列と、前記第2の枝状開口部のみが配置される列が交互に現れ、前記第2の方向に沿って見るとき、前記第1の枝状開口部のみが配置される行と、前記第2の枝状開口部のみが配置される行が交互に現れるように形成され、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の前記第1の枝状開口部と、前記第2の電極の前記第2の枝状開口部が交互に端部で重なって、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状の第1の開口部が形成され、該第1の開口部と、前記第2の方向に隣接するジグザグ形状の第2の開口部は、前記第1の電極の前記第2の枝状開口部と、前記第2の電極の前記第1の枝状開口部が交互に端部で重なって形成される液晶表示素子が含まれる(たとえば、図4C参照)。
また、本発明の他の観点によれば、第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサとを有し、前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の開口部と、前記第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の開口部が、前記第1の方向、前記第2の方向の双方について、交互に配置されるように、前記第1及び第2の方向にそれぞれ一定ピッチで形成され、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、前記第2の電極には、前記複数の矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、前記矩形状領域の4辺の一部を構成する、前記第1の電極の開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、20μm以下であり、前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子が提供される(たとえば、図4D参照)。
更に、本発明の他の観点によれば、第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサとを有し、前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の枝状開口部が、該第1の枝状開口部の長さ方向の一方エッジの中央と、該第2の枝状開口部の長さ方向の端部が結合されて構成されるT字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで、かつ、前記第1の方向に隣接する2つの開口部列について見るとき、前記第2の方向に半ピッチずれるように形成され、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、前記第2の電極には、前記矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、前記矩形状領域の4辺の一部を構成する前記第1の電極のT字形状開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、35μm以下であり、前記球状スペーサは、直径が3.0μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜105個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子が提供される(図4E参照)。
また、本発明の他の観点によれば、第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサとを有し、前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の枝状開口部が、該第1の枝状開口部の長さ方向の一方エッジの中央と、該第2の枝状開口部の長さ方向の端部が結合されて構成されるT字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで、かつ、前記第1の方向に隣接する2つの開口部列について見るとき、列単位で前記第2の方向に沿って相互に逆向きに配置された上で、前記第2の方向に所定ピッチずれるように形成され、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、前記第2の電極には、前記矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、前記矩形状領域の4辺の一部を構成する前記第1の電極のT字形状開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、35μm以下であり、前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜6.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子が提供される(たとえば、図4F参照)。
更に、本発明の他の観点によれば、第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサとを有し、前記第1の電極には、第1の方向に延びる第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に延びる第2の枝状開口部とで構成されるL字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで格子状に形成され、前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、前記矩形状領域の対向辺を構成する開口部のエッジ間距離は、50μm以下であり、前記球状スペーサは、直径が3.0μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜105個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子が提供される(たとえば、図4G参照)。
本発明によれば、表示品質の高い液晶表示素子を提供することができる。
図1は、本願発明者の発見に係る帯状暗領域を示す概略的な平面図である。 図2A〜図2Dは、帯状暗領域Dの発生理由に関する本願発明者の考察を説明する概略的な断面図である。 図3Aは、実施例による液晶表示素子を示す概略的な断面図であり、図3Bは、表側透明電極12、裏側透明電極22を示す概略的な平面図であり、図3Cは、実施例による液晶表示素子の電圧印加時における顕微鏡観察像(配向組織像)である。 図4A〜図4Cは、作製した液晶表示素子の電極パターン(開口部パターン)例を示す概略的な平面図である。 図4D〜図4Fは、作製した液晶表示素子の電極パターン(開口部パターン)例を示す概略的な平面図である。 図4G及び図4Hは、作製した液晶表示素子の電極パターン(開口部パターン)例を示す概略的な平面図である。 図5は、図4A〜図4Hに示す電極構造を有する垂直配向型液晶表示素子の表示について、外観観察結果を示す表である。 図6は、図3B及び図4D〜図4Hに示す電極構造を有する垂直配向型液晶表示素子の表示について、外観観察結果を示す表である。 図7は、図3B、図4D、図4G、及び、図4Hの電極構造をもつ垂直配向型液晶表示素子に電圧を印加したときの顕微鏡観察像(配向組織像)である。
図3Aは、実施例による液晶表示素子を示す概略的な断面図である。実施例による液晶表示素子は、基板の電極面にスリット状の開口部が形成された垂直配向型液晶表示素子(電圧印加時に開口部周辺に発生する斜め電界を用いて、液晶層内の液晶分子の配向制御を行うマルチドメイン垂直配向型液晶表示素子)である。
図3Aに示す液晶表示素子は、離間して略平行に対向配置された表側基板10、裏側基板20、両基板10、20間を一定の間隔に保持する球状スペーサ31、及び両基板10、20間に配置された液晶層30を含んで構成される。
表側基板10は、表側透明基板11、表側透明基板11上に形成された表側透明電極12、及び、表側透明電極12を覆うように形成された表側垂直配向膜13を含む。同様に、裏側基板20は、裏側透明基板21、裏側透明基板21上に形成された裏側透明電極22、及び、裏側透明電極22を覆うように形成された裏側垂直配向膜23を含む。透明基板11、21は、たとえばガラスで形成される。透明電極12、22は、たとえばITO等の透明導電材料で形成される。透明電極12、22は、それぞれスリット状開口部12a、22aを備えるようにパターニングされている。透明電極12、22上に絶縁膜が形成されていてもよい。
液晶表示素子の基板10、20面内に画定される表示領域においては、たとえば所望の図柄や数字の表示が行われる。なお、スリット状開口部12a、22aは、表示領域の透明電極12、22にのみ形成される。
表側垂直配向膜13及び裏側垂直配向膜23には、ラビング処理などの配向処理は施されていない。このため電圧無印加時、基板10、20(垂直配向膜13、23)に接する液晶分子は完全に垂直配向する。
液晶層30は、誘電率異方性が負で、カイラル剤が添加されていないネマティック液晶材料を用いて構成される。
表側基板10と裏側基板20との間に配置されるスペーサ31は、たとえば合成樹脂で形成される球状の微粒子である。スペーサ31には、垂直配向性への表面改質処理等は行われていない。すなわちスペーサ31表面においては、液晶分子は水平に(スペーサ31表面に平行となるように)配向する。実施例においてはスペーサ31として、ibonding社製の粒子径4μmのスペーサを使用した。スペーサ31は、均一な密度で基板10、20面内に配置される。実施例においては、スペーサ31の分散密度を56個/mmφとした。
表側基板10、裏側基板20の液晶層30と反対面に、表側偏光板41、裏側偏光板42がクロスニコルに配置される。
両基板10、20(両電極12、22)間に、液晶層30の液晶分子配列をスイッチングさせる駆動回路43が接続される。駆動回路43は、両電極12、22間に電気信号を印加し、たとえば最良のコントラストが得られる最適バイアス駆動で、液晶表示素子をマルチプレックス駆動する。
図3Bは、表側透明電極12、裏側透明電極22を示す概略的な平面図である。電極12、22には、それぞれ複数のスリット状開口部12a、22aが形成されている。スリット状開口部12a、22aは、互いに等しい形状を有する。基板10、20の面内方向に、X軸方向(0°−180°方向、行方向)、Y軸方向(90°−270°方向、列方向)、基板10、20の法線方向にZ軸方向を規定するとき、各スリット状開口部12a、22aは、全体としてX軸方向に延在する。なお本願明細書においては、表側透明電極12のスリット状開口部12aを実線で、裏側透明電極22のスリット状開口部22aを破線で示す。
各スリット状開口部12a、22aは、規則的に配置される、幅10μmの枝部(矩形状開口部)br〜brから構成される。枝部brは、135°−315°方向に延びる長さ約150μmの開口部である。枝部brは、45°−225°方向に延びる長さ約150μmの開口部である。枝部brと枝部brは、互いの端部で交互に結合している。枝部brと枝部brの結合位置(スリット状開口部12a、22aの屈曲部)には、更に、該屈曲部の凸方向に、Y軸方向に延びる長さ約42μmの開口部(枝部br)が配置される。各スリット状開口部12a、22aの各屈曲部からは、枝部br〜brが、互いに120°をなす方向に延びている。
表側透明電極12には、複数のスリット状開口部12aが、Y軸方向に沿って屈曲部の位置が揃うように、一定間隔で規則的に配置される。具体的には、Y軸方向に沿って見るとき、枝部br間(枝部br間)に約100μmの距離を隔てて、一定周期で配置される。
裏側透明電極22におけるスリット状開口部22aの形成態様は、表側透明電極12におけるスリット状開口部12aの形成態様と等しい。
Z軸方向(基板10、20法線方向)から見るとき、スリット状開口部12aとスリット状開口部22aは、Y軸方向に沿って交互に配置される。また、スリット状開口部12aの屈曲部と、スリット状開口部22aの屈曲部は、Y軸方向に沿って揃っている。更に、Y軸方向に隣接するスリット状開口部12aの屈曲部と、スリット状開口部22aの屈曲部との間隔は一定(Y軸方向に約42μm)である。すなわちスリット状開口部12aとスリット状開口部22aは、Y軸方向に半ピッチずれるように配置される。相互に隣接するスリット状開口部12a(枝部br、枝部br)とスリット状開口部22a(枝部br、枝部br)の距離(スリットエッジ間距離)は、30μm(45°−225°方向、または、135°−315°方向)となる。スリット状開口部12aとスリット状開口部22aの枝部brは、それぞれ対向する電極22、12のスリット状開口部22a、12aの屈曲部に重なる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、スリット状開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、液晶分子の配向方位が相互に異なる領域R〜Rが形成される。領域R〜Rは、たとえば相互に面積が等しく、規則的に配置される領域である。
なお、実施例による液晶表示素子においては、表側偏光板41の吸収軸方位は、0°−180°方位、裏側偏光板42の吸収軸方位は、90°−270°方位である。
実施例による液晶表示素子は、たとえば電圧印加時に明表示を行う、モノクロ表示タイプのノーマリブラック型マルチドメイン(4ドメイン)液晶表示素子である。
実施例による液晶表示素子は、たとえば以下のように作製する。
一方の面に研磨加工、及び、SiOアンダーコートが施され、スパッタ法等によりITO膜が約400Åの厚さに形成された青板ガラス基板(外形300mm×200mm×0.7t)を準備する。アルカリ薬液等によりウェット洗浄し、低圧UVランプによりドライ洗浄した後、ITO膜上全面に東京応化製フォトレジストPMERをロールコータにより塗布して、110℃で約10分仮焼成する。所望の図柄や文字等が表示できるように設計されたフォトマスクを用い、高圧水銀ランプ光を露光して、フォトレジスト上にパターンを転写した後、KOH0.7wt%水溶液でフォトレジストの現像を行う。第2塩化鉄と塩酸の重量比2:1の混合薬液によるITO膜のエッチング、NaOH2.9wt%水溶液によるフォトレジスト剥離を行うことにより、パターニングされ、スリット状開口部12a、22aが形成されたITO電極12、22付きガラス基板11、21を得る。
ITO電極12、22付きガラス基板11、21を、アルカリ薬液等でウェット洗浄する。基板11、21乾燥後、大気圧プラズマ洗浄装置でドライ洗浄し、フレキソ印刷機を用いて日産化学製垂直配向膜SE4811をフレキソ版のパターンに従った位置にのみ塗布する。クリーンオーブン内で90℃、15分仮焼成した後、180℃で30分の本焼成を行い、垂直配向膜13、23を得る。垂直配向膜13、23には、ラビング処理などの配向処理は施さない。こうして表側及び裏側基板10、20が作製される。
なお、必要に応じ、配向膜材料の塗布前に、絶縁膜を一方、又は双方基板の電極12、22上に形成してもよい。絶縁膜は、たとえばスパッタ法でSiO膜を成膜し、または有機シラン系絶縁膜をフレキソ印刷で塗布した後、高圧水銀ランプ光を照射、270℃で30分焼成することにより得られる。
一方の基板10、20面にスペーサ31を均一に分散配置し、他方の基板20、10にスペーサが混合されたシール材を印刷した後、両基板10、20の電極12、22面が対向するように貼り合わせる。この際、両電極12、22面のスリット状開口部12a、22a位置が適切となるよう位置合わせを行う。
具体的には、一方の基板10、20上に日本電気硝子製のロット状ガラスファイバースペーサが約2wt%添加された三井化学株式会社製熱焼成硬化型シール材HC1920をディスペンサ装置により所望の位置に塗布し、クリーンオーブン内で90℃、5分仮焼成する。なお、実施例による液晶表示素子を作製するに当たっては、1つの液晶セルのサイズを35mm×25mm(外部取り出し端子部を含む。)とし、300mm×200mmの面内に56面取る構成とした。
他方の基板20、10には合成樹脂微粒子により形成され、表面コーティングなどによる表面処理が一切施されていないスペーサ(ibonding社製粒子径4μmスペーサ)を、たとえば特開2002−148635号公報に示される乾式微粒子散布法により、基板20、10表面に均質に分散配置し、クリーンオーブンにおいて120℃、10分間の基板焼成を行う。
一方の基板10と他方の基板20の電極12、22面を対向させ、所望の表示パターンが得られるよう両基板10、20を位置合わせした後、両基板10、20を均一な圧力でプレスする。両基板10、20間の隙間をスペーサ径相当に接近させた状態で150℃、1時間以上の焼成を行ってシール材を硬化させる。
多面付けされた空セルをスクライブおよびブレーキング工程にて分断した後、カイラル材が添加されていない、誘電率異方性が負、屈折率異方性(複屈折率)Δnが約0.08であるメルク株式会社製ネマティック液晶材料を真空注入法で注入する。注入口に株式会社スリーボンド製紫外線硬化樹脂を塗布し、当該樹脂を注入口よりわずかに内側へ浸透させた後、高圧水銀ランプ光にて硬化し封止する。封止したセルをクリーンオーブンにて120℃で60分間アニールし、液晶セルの外部取り出し端子の面取り研磨を行った後、中性洗剤等で洗浄する。乾燥後、液晶セルの両面にクロスニコルになるよう偏光板41、42を貼り合わせることにより液晶表示素子が完成する。外部取り出し端子にはクリップピンなどを取り付け、外部の駆動装置(駆動回路43)に接続し、所望の領域の明暗状態をスイッチングできるようにする。
図3Cは、実施例による液晶表示素子の電圧印加時における顕微鏡観察像(配向組織像)である。
本図に明らかなように、実施例による液晶表示素子においては、図1に示す帯状暗領域Dは認められない。
実施例による液晶表示素子は、液晶分子が水平に(表面に平行となるように)配向するスペーサを使用しているにもかかわらず、たとえば暗領域Dの発生が抑制された、表示均一性の高い液晶表示素子であることがわかる。実施例による液晶表示素子は、低コスト及び短いタクトタイムで製造可能な、高い表示品質を備える液晶表示素子であり、たとえば最良のコントラストが得られる最適バイアス駆動でマルチプレックス駆動される。
本願発明者は、実施例による液晶表示素子の他にも多くの液晶表示素子を作製し、暗領域D等の抑制、及び、表示品質の向上に関し、鋭意研究を行った。
図4A〜図4Hは、作製した液晶表示素子の電極パターン(開口部パターン)例を示す概略的な平面図である。
図4Aに示すのは、実施例における開口部パターンから枝部brを除いたジグザグ形状のスリット状開口部12a、22aを備える電極12、22の例である。
すなわち図4Aに示す例においては、スリット状開口部12a、22aは、互いに等しい形状を有し、各スリット状開口部12a、22aは、全体としてX軸方向に延在する。
スリット状開口部12a、22aは、規則的に配置される、幅10μmの枝部(矩形状開口部)br、brから構成される。枝部brは、135°−315°方向に延び、長さは約150μmである。枝部brは、45°−225°方向に延び、長さは約150μmである。枝部brと枝部brは、互いの端部で交互に結合している。
表側透明電極12には、複数のスリット状開口部12aが、Y軸方向に沿って屈曲部の位置が揃うように、一定間隔で規則的に配置される。具体的には、Y軸方向に沿って見るとき、枝部br間、または、枝部br間に約100μmの距離を隔てて、一定周期で配置される。
スリット状開口部22aは、裏側透明電極22に、表側透明電極12におけるスリット状開口部12aと等しい態様で配置される。
Z軸方向から見るとき、スリット状開口部12aとスリット状開口部22aは、Y軸方向に沿って交互に、Y軸方向に半ピッチずれるように配置される。スリット状開口部12aの屈曲部と、スリット状開口部22aの屈曲部は、Y軸方向に沿って揃っている。Y軸方向に隣接するスリット状開口部12aの屈曲部と、スリット状開口部22aの屈曲部との間隔は一定(約42μm)である。相互に隣接するスリット状開口部12a(枝部br、枝部br)とスリット状開口部22a(枝部br、枝部br)の距離(スリットエッジ間距離)は、30μmとなる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、スリット状開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、液晶分子の配向方位が相互に異なる領域R〜Rが形成される。領域R〜Rは、たとえば相互に面積が等しく、規則的に配置される領域である。
図4Bを参照する。図4Aには、枝部brと枝部brが互いの端部で交互に結合するスリット状開口部12a、22aを示したが、図4Bに示すのは、1つの枝部brと1つの枝部brが互いの端部で結合するV字状のスリット状開口部12a、22aである。
枝部brは、135°−315°方向に延びる長さ約150μm、幅10μmの矩形状開口部である。枝部brは、45°−225°方向に延びる長さ約150μm、幅10μmの矩形状開口部である。枝部br、brは、90°方向がV字の凸方向となるように配置される。
表側透明電極12には、スリット状開口部12aが、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、一定ピッチで配置される。X軸方向に沿って見るとき、スリット状開口部12aは、X軸方向に沿うスリット状開口部12aの長さよりわずかに(たとえば数μm)短い距離を隔てて一定周期で配置される。また、Y軸方向に沿って見るとき、スリット状開口部12aは、約100μmの距離を隔てて一定周期で配置される。X軸方向に隣接する2つの開口部12a列について見るとき、スリット状開口部12aは、Y軸方向に相互に半ピッチずれるように配置される。すなわち表側透明電極12上において、各スリット状開口部12aの重心は、市松模様状に配置される。
裏側透明電極22のスリット状開口部22aは、表側透明電極12のスリット状開口部12aと同形状である。スリット状開口部22aは、裏側透明電極22に、表側透明電極12におけるスリット状開口部12aと等しい態様で配置される。
Z軸方向から見るとき、スリット状開口部12aとスリット状開口部22aは、X軸方向、Y軸方向のいずれか一方に半ピッチずれるように配置される。このため、X軸方向に沿って見るとき、スリット状開口部12a(枝部br、枝部br)とスリット状開口部22a(枝部br、枝部br)とは、交互に配置され、端部において重なる。また、Y軸方向に沿って見るとき、隣接するスリット状開口部12a(枝部br、枝部br)とスリット状開口部22a(枝部br、枝部br)は、約42μmの距離を隔てて配置される。すなわち、Y軸方向に隣接するスリット状開口部12a(枝部br、枝部br)とスリット状開口部22a(枝部br、枝部br)のスリットエッジ間距離は、30μmとなる。スリット状開口部12aとスリット状開口部22aとで、全体としてX軸方向に延在するジグザグ形状が、Y軸方向に約42μmの距離を隔てて、一定周期で配置される。
電極12、22間に電圧を印加したとき、スリット状開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、液晶分子の配向方位が相互に異なる領域R〜Rが形成される。領域R〜Rは、たとえば相互に面積が等しく、規則的に配置される領域である。
図4Cを参照する。図4A及び図4Bには、枝部brと枝部brが互いの端部で結合するスリット状開口部12a、22aを示したが、図4Cに示すのは、枝状(矩形状)開口部brと枝状(矩形状)開口部brが各電極12、22で結合されずに配置される例である。
スリット状開口部12aは、2種類の枝状開口部br、brから構成される。枝状開口部brは、135°−315°方向に延びる長さ約150μm、幅10μmの開口部であり、枝状開口部brは、45°−225°方向に延びる長さ約150μm、幅10μmの開口部である。
表側透明電極12には、枝状開口部br、brがともに、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、具体的には、X軸方向、Y軸方向について、それぞれ一定ピッチで配置される。枝状開口部br、brの配置ピッチは同一である。
X軸方向に沿って見るとき、枝状開口部brのみが配置される列と、枝状開口部brのみが配置される列が交互に現れる。また、Y軸方向に沿って見るとき、枝状開口部brのみが配置される行と、枝状開口部brのみが配置される行が交互に現れる。すなわち枝状開口部br、brの重心は、市松模様状に配置される。
X軸方向に沿って見るとき、枝状開口部br、brは、X軸方向に沿う枝状開口部br、brの長さよりわずかに(たとえば数μm)短い距離を隔てて一定周期で配置される。また、Y軸方向に沿って見るとき、枝状開口部br、brは、約100μmの距離を隔てて一定周期で配置される。
裏側透明電極22のスリット状開口部22a(枝状開口部br、br)は、表側透明電極12のスリット状開口部12a(枝状開口部br、br)と同形状である。スリット状開口部22a(枝状開口部br、br)は、裏側透明電極22に、表側透明電極12におけるスリット状開口部12a(枝状開口部br、br)と等しい態様で配置される。
Z軸方向から見るとき、表側透明電極12のスリット状開口部12a(枝状開口部br、br)と裏側透明電極22のスリット状開口部22a(枝状開口部br、br)は、Y軸方向に半ピッチずれるように配置される。このため、X軸方向に沿って相互に隣接するスリット状開口部12a(枝状開口部br、枝状開口部br)とスリット状開口部22a(枝状開口部br、枝状開口部br)とは、端部において重なる。また、Y軸方向に沿って相互に隣接するスリット状開口部12a(枝状開口部br、枝状開口部br)とスリット状開口部22a(枝状開口部br、枝状開口部br)のスリットエッジ間距離は、30μmとなる。スリット状開口部12aとスリット状開口部22aとで、全体としてX軸方向に延在するジグザグ形状が、Y軸方向に約42μmの距離を隔てて一定周期で配置される。
なお、図4Cに示す例においては、電極12の枝状開口部brと電極22の枝状開口部brとが交互に端部で結合される行と、電極12の枝状開口部brと電極22の枝状開口部brとが交互に端部で結合される行とが、Y軸方向に交互に現れることとなる。また、電極12の枝状開口部brと電極22の枝状開口部brとが交互に配置される列と、電極12の枝状開口部brと電極22の枝状開口部brとが交互に配置される列とが、X軸方向に交互に現れることとなる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、スリット状開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、液晶分子の配向方位が相互に異なる領域R〜Rが形成される。領域R〜Rは、たとえば相互に面積が等しく、規則的に配置される領域である。
図3B、及び、図4A〜図4Cに示す例は、基板10、20法線方向から、基板10、20の電極12、22のスリット状開口部12a、22aを見るとき、スリット状開口部12a、22aの少なくとも一方で、全体としてX軸方向に延在するジグザグ形状のスリット状開口部を形成する、マルチドメイン(4ドメイン)の液晶表示素子である。全体として形成されるジグザグ形状のスリット状開口部は、Y軸方向に沿って等間隔に、具体的には、スリットエッジ間距離(ドメインの幅)が30μmとなるように配置される。
図4D〜図4Fを参照する。図4D〜図4Fにおいては、表示領域を、液晶分子が放射状に配向する複数の小領域(副画素)に分割する例を示す。各図においては、小領域の1つに斜線を付して示してある。小領域は、たとえばX軸方向とY軸方向にそれぞれ2辺を有する正方形状である。各例において、複数の小領域は相互に等しい形状を有し、X軸方向及びY軸方向に隣接して配置される。
図4Dに示す例を説明する。図4Dに示す例においては、小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、60μm×60μmの正方形状である。
表側透明電極12の開口部12aは、10μmφの円形開口部である。X軸方向及びY軸方向に、それぞれ一定ピッチ(重心間の距離が60μm)で格子状に配置される。
裏側透明電極22のスリット状開口部22aは、2種類の枝状開口部br、brから構成される。枝状開口部brは、X軸方向に延びる長さ70μm、幅10μmの矩形状開口部であり、枝状開口部brは、Y軸方向に延びる長さ70μm、幅10μmの矩形状開口部である。
枝状開口部brは、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、一定ピッチ(重心間の距離が、ともに120μm)で配置される。X軸方向に隣接する2つの列について見るとき、枝状開口部brは、Y軸方向に相互に半ピッチずれるように配置される。すなわち裏側透明電極22上において、各枝状開口部brの重心は、市松模様状に配置される。
枝状開口部brも、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、一定ピッチ(重心間の距離が、ともに120μm)で配置される。X軸方向に隣接する2つの列について見るとき、枝状開口部brは、Y軸方向に相互に半ピッチずれるように配置される。すなわち裏側透明電極22上において、各枝状開口部brの重心も、市松模様状に配置される。
枝状開口部br、brは、枝状開口部brの重心が、枝状開口部brの重心に対し、X軸方向、Y軸方向のいずれか一方に半ピッチずれるように配置される。このため、スリット状開口部22aは、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに一定ピッチ(重心間の距離が、ともに60μm、すなわち円形開口部12aと同一ピッチ)で格子状に、かつ、X軸方向、Y軸方向の双方について、枝状開口部brと枝状開口部brが交互に配置されるように形成される。
基板10、20の法線方向から見るとき、円形開口部12aとスリット状開口部22aは、X軸方向、Y軸方向の双方に半ピッチずれるように配置される。
上述した60μm×60μmの各正方形状小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってX軸方向に延在する仮想直線と、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってY軸方向に延在する仮想直線とで画定される。各正方形状小領域においては、X軸方向及びY軸方向に隣接する4つの枝状開口部br、brの一部と、その延長線上の電極22部分とで輪郭(4辺)が構成される。たとえば図4Dに斜線を付した小領域においては、反時計回り方向に見るとき、まず開口部br、br部分が現れ、その後電極22部分が現れる。
各小領域は、正方形の角部(頂点部)を挟む一方の辺において、隣接する小領域と電極22が接続されている。対向辺は電極22部分を、一方の対角線方向のみに備える。
各小領域の中央部に円形開口部12aが配置される。円形開口部12aの直径は10μmであるため、円形開口部12aのエッジと、正方形状小領域の4辺に配置される枝状開口部br、brのエッジ(スリットエッジ)との間の距離は20μmとなる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、各小領域においては、開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、開口部12aを中心に、液晶分子が放射状に(360°全方位に)配向するマルチドメイン配向状態が実現される。
図4Eを参照する。図4Eに示す例においては、小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、90μm×90μmの正方形状である。
表側透明電極12の開口部12aは、10μmφの円形開口部である。X軸方向及びY軸方向に、それぞれ一定ピッチ(重心間の距離が90μm)で格子状に配置される。
裏側透明電極22の開口部22aは、T字形状である。X軸方向に延びる長さ150μm、幅10μmの枝状(矩形状)開口部brと、Y軸方向に延びる長さ160μm、幅10μmの枝状(矩形状)開口部brとで構成される。開口部brの長さ方向の一方エッジの中央と、開口部brの長さ方向の端部とが結合されている。
T字状の開口部22aは、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、一定ピッチ(重心間の距離が、ともに180μm)で配置される。X軸方向に隣接する2つの開口部22a列について見るとき、開口部22aは、Y軸方向に相互に半ピッチずれるように配置される。すなわち裏側透明電極22上において、各開口部22aの重心は、市松模様状に配置される。
上述した90μm×90μmの各正方形状小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってX軸方向に延在する仮想直線と、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってY軸方向に延在する仮想直線とで画定される。各正方形状小領域においては、T字状開口部22a(枝状開口部br、br)の一部と、その延長線上の電極22部分とで輪郭(4辺)が構成される。
正方形状小領域は、たとえばT字状開口部22a(第1のT字状開口部)の枝状開口部br、br結合部を1つの角部(頂点部)とする。その角部から延びる枝状開口部brが構成する一辺(第1の辺)には電極22部分がない。すなわち、枝状開口部brの一部のみで辺が構成される。その角部を挟む他の一辺(第2の辺)は、枝状開口部brの一部、及び、その延長線上の電極22部分を含んで構成される。
第1の辺の対向辺(第3の辺)は、X軸負方向側で隣接する列のT字状開口部22a(第2のT字状開口部)の枝状開口部brの一部、及び、その延長線上の電極22部分を含んで構成される。また、第2の辺の対向辺(第4の辺)は、第2のT字状開口部22aとY軸負方向側で隣接するT字状開口部22a(第3のT字状開口部)の枝状開口部brの一部、及び、その延長線上の電極22部分を含んで構成される。
図4Eに示す例では、正方形状小領域の3つの角部において、角部を挟む一方の辺で、隣接する小領域と電極22が接続されている。残る1つの角部(第1の辺と第2の辺が挟んで構成する角部)においては、電極22が、隣接する小領域の電極22と、開口部22aによって分断されている。
各小領域の中央部に円形開口部12aが配置される。円形開口部12aの直径は10μmであるため、円形開口部12aのエッジと、正方形状小領域の4辺に配置される枝状開口部br、brのエッジ(スリットエッジ)との間の距離は35μmとなる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、各小領域においては、開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、開口部12aを中心に、液晶分子が放射状に(360°全方位に)配向するマルチドメイン配向状態が実現される。
図4Fを参照する。図4Fに示す例においては、小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、90μm×90μmの正方形状である。基板10、20の法線方向から見るとき、図4Dの正方形状小領域は、4つの辺のすべてが、開口部22a(枝状開口部br、br)の一部と、その延長線上の電極22部分とで構成される。図4Eの正方形状小領域は、3辺が、枝状開口部br、brの一部と、その延長線上の電極22部分を含んで構成され、1辺が、枝状開口部brの一部のみで構成される。図4Fの例においては、2辺が、枝状開口部brの一部と、その延長線上の電極22部分を含んで構成され、2辺が、枝状開口部brの一部のみで構成される正方形状小領域と、4辺すべてが開口部22a(枝状開口部br、br)の一部と、その延長線上の電極22部分とで構成される正方形状小領域とが現れる。
図4Fの表側透明電極12の開口部12aは、10μmφの円形開口部である。X軸方向及びY軸方向に、それぞれ一定ピッチ(重心間の距離が90μm)で格子状に配置される。
図4Fに示す裏側透明電極22の各開口部22aは、図4Eの開口部22aと同一のT字形状である。開口部22aが、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、一定ピッチ(重心間の距離が、ともに180μm)で配置される点も等しい。図4Eに示す例では、X軸方向に隣接する2つの開口部22a列について見るとき、T字状開口部22aが、向きを揃えてY軸方向に相互に半ピッチずれるように配置されるのに対し、図4Fに示す例においては、X軸方向に隣接する2つの開口部22a列について見るとき、T字状開口部22aが、列単位で相互に逆向き(Y軸方向に沿って相互に反対向き)に配置された上で、Y軸方向に所定ピッチだけずれるように配置される。
上述した90μm×90μmの各正方形状小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってX軸方向に延在する仮想直線と、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってY軸方向に延在する仮想直線とで画定される。
たとえば斜線を付した小領域については、基板10、20の法線方向から見るとき、X軸方向に隣接する2つのT字状開口部22a(枝状開口部br、br)と、その延長線上の電極22部分とで輪郭(4辺)が構成される。
斜線を付した正方形状小領域は、T字状開口部22a(第1のT字状開口部)の枝状開口部br、br結合部を1つの角部(第1の角部)とする。第1の角部から延びる枝状開口部brが構成する一辺(第1の辺)には電極22部分がない。すなわち、枝状開口部brの一部のみで辺が構成される。第1の角部を挟む他の一辺(第2の辺)は、枝状開口部brの一部、及び、その延長線上の電極22部分を含んで構成される。
更に、斜線を付した正方形状小領域は、第1のT字状開口部とX軸方向に隣接するT字状開口部22a(第2のT字状開口部)の枝状開口部br、br結合部を1つの角部(第2の角部)とする。第1の角部と第2の角部は、対向する角部である。第2の角部から延びる枝状開口部brが構成する一辺(第3の辺)には電極22部分がない。すなわち、枝状開口部brの一部のみで構成される辺である。第2の角部を挟む他の一辺(第4の辺)は、枝状開口部brの一部、及び、その延長線上の電極22部分を含んで構成される。
斜線を付した正方形状小領域とY軸方向に隣接する正方形状小領域は、これとは構造が異なり、基板10、20の法線方向から見るとき、X軸方向及びY軸方向に隣接する4つのT字状開口部22a(枝状開口部br、br)の一部と、その延長線上の電極22部分とで輪郭(4辺)が構成される。4辺すべてが開口部22a(枝状開口部br、br)の一部と、その延長線上の電極22部分とで構成される正方形状小領域である。
したがって、図4Fに示す例では、正方形状小領域の対向する2つの角部(第1の角部及び第2の角部)において、電極22が、隣接する小領域の電極22と、開口部22aによって分断されており、他の2つの対向角部においては、角部を挟む一方の辺で、隣接する小領域と電極22が接続されている正方形状小領域(斜線を付した小領域)のみが現れる行と、正方形の角部を挟む一方の辺において、隣接する小領域と電極22が接続され、かつ、対向辺は電極22部分を、一方の対角線方向のみに備える構造の正方形状小領域(斜線を付した小領域とY軸方向に隣接する正方形状小領域)のみが現れる行とが、Y軸方向に交互に現れる。
各小領域の中央部に円形開口部12aが配置される。円形開口部12aの直径は10μmであるため、円形開口部12aのエッジと、正方形状小領域の4辺に配置される枝状開口部br、brのエッジ(スリットエッジ)との間の距離は35μmとなる。
電極12、22間に電圧を印加したとき、各小領域においては、開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、開口部12aを中心に、液晶分子が放射状に(360°全方位に)配向するマルチドメイン配向状態が実現される。
図4Gを参照する。図4Gに示すのは、表側透明電極12が開口部をもたない例である。図4Gに示す例においても、表示領域は、複数の小領域(副画素)に分割される。小領域は、たとえばX軸方向とY軸方向にそれぞれ2辺を有する正方形状である。各小領域は相互に等しい形状を有し、X軸方向及びY軸方向に隣接して配置される。本図においても、小領域の1つに斜線を付して示した。図4Gの小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、60μm×60μmの正方形状である。
図4Gの裏側透明電極22には、開口部22aがX軸方向及びY軸方向に、それぞれ一定ピッチ(重心間の距離が60μm)で格子状に形成されている。開口部22aは、X軸方向及びY軸方向に、50μmの長さをもつL字状の開口部である。L字状開口部22aの幅は、10μmである。L字状開口部22aのうち、X軸方向に延びる部分(長さ50μm)を枝状(矩形状)開口部br、Y軸方向に延びる部分(長さ40μm)を枝状(矩形状)開口部brとする。
上述した60μm×60μmの各正方形状小領域は、基板10、20の法線方向から見るとき、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってX軸方向に延在する仮想直線と、枝状開口部brの幅方向の中心を通ってY軸方向に延在する仮想直線とで画定される。各正方形状小領域においては、L字状開口部22a(枝状開口部br、枝状開口部br)と、その延長線上の電極22部分とで輪郭(4辺)が構成される。X軸方向及びY軸方向に隣接する4つ(2行2列)のL字状開口部22aの角部が、正方形状小領域の4つの角部となる。
図4Gに示す例では、正方形状小領域の3つの角部において、隣接する小領域と電極22が接続され、1つの角部において、電極22が、隣接する小領域の電極22と、開口部22aによって分断されている。
正方形状の小領域の各辺を構成する開口部22aについて見るとき、対向辺を構成する開口部22aのスリットエッジ間距離は、50μmである。
電極12、22間に電圧を印加したとき、開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、各正方形状小領域においては、4辺に配置されるスリット状開口部の内側に向かって、液晶分子が360°方位に配向分布するマルチドメイン配向状態が実現される。
図4Hを参照する。図4Hに示す例においては、表側透明電極12に形成されるスリット状開口部12aは、Y軸方向に長い矩形状(長さ100μm、幅10μm)である。スリット状開口部12aは、X軸方向、Y軸方向のそれぞれに規則的、周期的に、具体的には、X軸方向、Y軸方向について、それぞれ一定ピッチで(X軸方向には90μmの距離を隔てて、Y軸方向には7μmの距離を隔てて)表側透明電極12に格子状に配置される。
裏側透明電極22のスリット状開口部22aは、表側透明電極12のスリット状開口部12aと同形状である。スリット状開口部22aは、裏側透明電極22に、表側透明電極12におけるスリット状開口部12aと等しい態様で配置される。
Z軸方向から見るとき、表側透明電極12のスリット状開口部12aと裏側透明電極22のスリット状開口部22aは、X軸方向に半ピッチずれるように、交互に配置される。このため、X軸方向に沿って相互に隣接するスリット状開口部12aとスリット状開口部22aのスリットエッジ間距離は、40μmである。
電極12、22間に電圧を印加したとき、スリット状開口部12a、22a周辺に発生する斜め電界により、液晶分子の配向方位が相互に180°異なる領域R、Rが形成される。領域R、Rは、たとえば相互に面積が等しく、規則的に配置される領域である。図4Hに示すスリット状開口部12a、22aを有する電極12、22構造により、マルチドメイン(2ドメイン)の液晶表示素子が実現される。
図5は、図4A〜図4Hに示す電極構造を有する垂直配向型液晶表示素子の表示について、外観観察結果を示す表である。液晶表示素子には、合成樹脂微粒子により形成され、表面コーティングなどによる表面処理が施されていない球状スペーサ(早川ゴム株式会社製3DS)を用い、球状スペーサの直径ごとに表示の評価を行った。本表において、丸印は、帯状暗領域等がほぼ認められない良好な表示、三角印は、帯状暗領域等による表示むらがわずかに認められる表示、バツ印は、帯状暗領域等による表示むらが明らかに認められる表示であることを示す。
なお、外観観察に用いた液晶表示素子は、電極12、22のパターニング、及び、球状スペーサとして直径2.5μm〜6.0μmの早川ゴム株式会社製3DSを使用する点以外は、実施例による液晶表示素子と同様の方法で作製した。球状スペーサは、表示面内に約100個/mmφの均一な散布密度で散布した。早川ゴム株式会社製3DS表面においては、液晶分子は水平に(スペーサ表面に平行となるように)配向する。
液晶表示素子の外部取り出し端子には、1/4duty、1/3biasの最適バイアス駆動条件の駆動波形を出力する駆動装置(駆動回路43)を接続し、明表示時の駆動電圧が適切になるように調整して、液晶表示素子の表示領域をすべて明表示にしたときの外観を観察した。液晶表示素子には、7セグメント表示を含む特定の図形や文字が表示(セグメント表示)される。
図4A〜図4Cの欄を参照する。全体としてX軸方向にジグザグ形状の開口部が延在し、4ドメイン配向を実現する図4A〜図4Cの電極構造においては、2.5μm〜6.0μmのすべてのスペーサ径において、良好な表示が得られている。観察結果の共通性から、図3B(実施例)に示す電極構造を用いても等しい結果が得られるであろう。
図4D〜図4Gの欄を参照する。表示領域が複数の小領域(副画素)に分割され、液晶分子が電圧印加時に、各小領域において360°方位に配向する図4D〜図4Gの電極構造においては、観察結果が一致しているわけではない。
図4Dに示す構造においては、2.5μm〜4.0μmのスペーサ径において、良好な表示が得られたが、直径6.0μmのスペーサを用いた場合には、明らかな表示むらが観察された。
図4E及び図4Gに示す構造においては、3.0μm〜4.0μmのスペーサ径において、良好な表示が得られたが、直径2.5μmのスペーサを用いた場合にはわずかに、直径6.0μmのスペーサを用いた場合には明らかに、表示むらが観察された。
図4Fの電極構造においては、2.5μm〜6.0μmのすべてのスペーサ径において、良好な表示が得られた。
図4Hの欄を参照する。電圧印加時に2ドメイン配向が実現される図4Hの電極構造においては、3.0μmのスペーサ径においてのみ、良好な表示が得られたが、他の径のスペーサを用いた場合には、明らかに表示むらが観察された。
このように表示品質は、電極構造及びスペーサ径(セル厚)に依存する。
次に、表示品質のスペーサ散布密度依存性について説明する。
図6は、図3B及び図4D〜図4Hに示す電極構造を有する垂直配向型液晶表示素子の表示について、外観観察結果を示す表である。液晶表示素子には、実施例で用いた球状スペーサ(ibonding社製粒子径4μmスペーサ)を使用し、スペーサの散布密度(個/mmφ)ごとに表示の評価を行った。本表における丸印、三角印、バツ印は、図5の表におけるそれらと等しい評価を示す。
なお、図7に、図3B、図4D、図4G、及び、図4Hの電極構造をもつ垂直配向型液晶表示素子に電圧を印加したときの顕微鏡観察像(配向組織像)を示す。
ここで、外観観察に用いた液晶表示素子は、電極12、22のパターニング、及び、球状スペーサの散布密度を56個/mmφ〜315個/mmφ(なお、実施例においては56個/mmφ)とする点以外は、実施例による液晶表示素子と同様の方法で作製した。球状スペーサは、表示面内に均一な散布密度で散布した。散布密度は、顕微鏡観察下における計測値である。既述したように、ibonding社製粒子径4μmスペーサ表面においては、液晶分子は水平に(スペーサ表面に平行となるように)配向する。
液晶表示素子の外部取り出し端子には、図5に示した評価の場合と同様に、1/4duty、1/3biasの最適バイアス駆動条件の駆動波形を出力する駆動装置(駆動回路43)を接続し、駆動電圧5Vで液晶表示素子の表示領域をすべて明表示にしたときの外観を観察した。
更に、本表には参考として、積水化学工業株式会社製EX004AC2(粒子径約4μmの球状スペーサ)を、214個/mmφの散布密度で用いたとき、及び、早川ゴム株式会社製3DS−XD(粒子径4μmの球状スペーサ)を、76個/mmφの散布密度で用いたときの表示品質の評価も付してある。この2種類の球状スペーサは、合成樹脂の表面に垂直配向性への表面処理(コーティング層の形成)が行われたスペーサである。すなわち液晶分子は、スペーサ表面に対し垂直に配向する。
なお、これらの液晶表示素子を作製する際、スペーサを散布し、基板を120℃で焼成した後、基板のプレス前に、0.6kgf/cmのNブローを基板表面より約15cm離れた位置からあてたところ、ibonding社製粒子径4μmスペーサはNブロー前後における単位面積当たりのスペーサ数(散布密度)に大きな差が観察された。一方、積水化学工業株式会社製EX004AC2、及び、早川ゴム株式会社製3DS−XDにおいては、差は軽微であった。このことから、積水化学工業株式会社製EX004AC2、及び、早川ゴム株式会社製3DS−XDを用いた場合は、基板を焼成することにより、スペーサ表面のコーティング層(垂直配向性への改質層)の一部が溶解され、スペーサが基板表面に固着されたと考えられる。他方、ibonding社製粒子径4μmスペーサは、表面にコーティング層が存在しないため、基板表面に固着されにくいことがわかる。
図6を参照すると、参考として記載したスペーサ(垂直配向性への表面処理が施されたスペーサ)を用いた場合、図3B及び図4D〜図4Hのすべての電極構造で良好な表示が得られる。しかし、液晶分子が表面で水平に(表面に平行となるように)配向するスペーサ(ibonding社製粒子径4μmスペーサ)を使用した液晶表示素子においては、電極構造及びスペーサの面内散布密度によって、表示品質が大きな影響を受けることがわかる。
図6の図3Bの欄を参照する。図3Bに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、散布密度が56個/mmφ〜191個/mmφのとき、良好な表示が得られたが、315個/mmφのときには、わずかに表示むらが観察された。
図7の図3Bの欄を参照すると、散布密度が56個/mmφ〜191個/mmφのときには、たとえば帯状暗領域が観察されない、またはほぼ観察されないが、315個/mmφのときには、スペーサの周囲に、帯状暗領域が多数観察されることがわかる。
なお、図3Bと同様の構造をもつ図4A〜図4Cの電極構造(全体としてX軸方向にジグザグ形状の開口部が延在し、4ドメイン配向を実現する電極構造)においても、同様の結果が得られるであろう。
図3B、及び、図4A〜図4Cの電極構造は、広いスペーサ径(2.5μm〜6.0μm)の範囲(図5参照)、及び、広い散布密度(56個/mmφ〜191個/mmφ)の範囲(図6参照)で良好な表示が得られることがわかる。すなわち、スペーサ径依存性、スペーサ散布量依存性が小さい電極構造といえるであろう。
図6の図4Dの欄を参照する。図4Dに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、散布密度が56個/mmφ〜191個/mmφのとき、良好な表示が得られたが、315個/mmφのときには、わずかに表示むらが観察された。
図7の図4Dの欄を参照すると、散布密度が315個/mmφのときには、各小領域(副画素)の内部において、十字状の暗領域の交差する点が小領域の中央からずれているところが多数観察される。56個/mmφ〜191個/mmφのときには、十字状暗領域の交差点のずれが軽微であるか、観察されず、表示は良好である。ここで十字状暗領域は、小領域内の液晶分子配向方位が両偏光板吸収軸に平行または直交する方位に形成され、小領域内部の液晶配向方位が連続的に変化していることを示すものである。
図6の図4Eの欄を参照する。図4Eに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、散布密度が56個/mmφ〜105個/mmφのとき、良好な表示が得られたが、191個/mmφ〜315個/mmφのときには、明らかな表示むらが観察された。
図6の図4Fの欄を参照する。図4Fに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、散布密度が56個/mmφ〜191個/mmφのとき、良好な表示が得られたが、315個/mmφのときには、明らかな表示むらが観察された。
図4Fの電極構造も、広いスペーサ径(2.5μm〜6.0μm)の範囲(図5参照)、及び、広い散布密度(56個/mmφ〜191個/mmφ)の範囲(図6参照)で良好な表示が得られる、スペーサ径依存性、スペーサ散布量依存性が小さな電極構造といえるであろう。
図6の図4Gの欄を参照する。図4Gに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、散布密度が56個/mmφ〜105個/mmφのとき、良好な表示が得られたが、191個/mmφ〜315個/mmφのときには、わずかに表示むらが観察された。
図7の図4Gの欄を参照すると、散布密度が315個/mmφのときには、十字状暗領域の交差点が中央からずれている小領域(副画素)が多数観察される。このずれが少なくなることにより、外観観察時の表示均一性が確保できることがわかった。
図6の図4Hの欄を参照する。図4Hに示す電極構造をもつ液晶表示素子においては、56個/mmφ〜315個/mmφのすべての散布密度で、明らかな表示むらが観察された。
図7の図4Hの欄を参照する。両電極12、22面の開口部12a、22a間に配置されるスペーサの一部の周囲において、帯状の暗領域が観察され、この暗領域が外観上の表示むらとして認識されることがわかった。帯状暗領域は、ibonding社製粒子径4μmスペーサのすべての散布密度(56個/mmφ〜315個/mmφ)で観察される。
なお、たとえば図3B、及び、図4A〜図4Cに示す構造と比較したとき、図4Hの構造は、基板10、20法線方向から見たときのスリットエッジ間距離が40μmと相対的に広い(図3B、及び、図4A〜図4Cに示す構造は30μm)。そこで本願発明者は、図4Hにおけるスリットエッジ間距離を狭くした素子を別途作製し、観察した。しかし、図3B等の電極構造の場合とは異なり、56個/mmφ〜315個/mmφのすべての散布密度で表示均一性が実現されるというわけではなかった。
図5、図6に示す観察結果、及び、図7に示す顕微鏡観察像から、たとえば以下のことが理解されるであろう。
図4Hに示す、2ドメイン配向状態を実現する電極構造は、表示のスペーサ径依存性やスペーサ散布量依存性が大きく、表示均一性の得られる条件が極めて狭い。液晶分子が表面に平行となるように配向するスペーサを用いた場合、広範囲の条件で良好な表示状態を実現することは困難であると考えられる。
図3B、及び、図4A〜図4Cに示す、4ドメイン配向を実現する電極構造(全体としてX軸方向にジグザグ形状の開口部が延在する電極構造)は、スペーサ径依存性、及び、スペーサ散布量依存性が小さく、明表示時の表示均一性の得られる条件が広い。このため、液晶分子が表面に平行となるように配向するスペーサを用いた場合であっても、比較的広範囲の条件で良好な表示状態を実現することができる。したがって、液晶表示素子の低コスト化やタクトタイムの短縮が可能な電極構造であるといえる。
図4D〜図4Gに示す、表示領域が複数の小領域(副画素)に分割され、電圧印加時に、液晶分子を各小領域において360°方位に配向させる電極構造は、図4Hの構造よりも広い範囲で良好な表示状態を実現することができるが、図4Fの構造を除けば、図3B、及び、図4A〜図4Cの構造よりも、良好な表示状態を実現することができる範囲は狭い。しかし図4D〜図4Gの電極構造も、液晶分子が表面に平行となるように配向するスペーサを用いた場合でも、良好な表示状態を実現することができ、液晶表示素子の低コスト化やタクトタイムの短縮が可能な電極構造である。
更に、液晶分子を表面に平行となるように配向させるスペーサを、315個/mmφ以上の散布密度で散布した場合、図3B、図4A〜図4Hのいずれの電極構造でも良好な表示は得られないことがわかる。
以上、実施例等に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されない。
たとえば、実施例においては、基板10、20法線方向から見るとき、相互に隣接するスリット状開口部12aとスリット状開口部22aの距離(スリットエッジ間距離)は、30μmであったが、「発明が解決しようとする課題」に記したように、帯状暗領域Dは、スリット状開口部との間の距離が相対的に長い位置にあるスペーサの周囲に形成されると考えられる。したがって、スリットエッジ間距離が30μm以下であれば、少なくとも実施例と同様の効果(帯状暗領域の抑制、及び、高い表示品質)を得ることができる。
図4A〜図4Cに示す電極構造の場合も、同様に、スリットエッジ間距離が30μm以下であれば高い表示品質を得ることができる。
図4D、図4E、図4Fの構造においても、円形開口部12aのエッジと、小領域の4辺に配置される枝状開口部br、brのエッジ(スリットエッジ)との間の距離が、それぞれ20μm以下、35μm以下、35μm以下であれば高い表示品質を得ることができる。
図4Gの構造においても、小領域の各辺を構成する開口部22aについて見るとき、対向辺を構成する開口部22aのスリットエッジ間距離が50μm以下であれば高い表示品質を得ることができる。
また、図4D〜図4Gに示す例においては、小領域の形状を正方形状としたが広く矩形状とすることができる。
更に、図4D〜図4Fに示す例においては、円形状の開口部12aを用いたが、小領域内で液晶分子を放射状に配向させる開口部であれば円形状に限らず、たとえば矩形状とすることができる。
実施例等による液晶表示素子は、たとえばスペーサの周囲の少なくとも一部に発生する暗領域が抑制され、高い表示品質を実現する液晶表示素子である。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
垂直配向型液晶表示素子及び垂直配向型液晶表示装置全般に利用可能である。車載用表示機、表示装置、計器や、産業機器の表示機、計器、更には、輸送機器の表示機、計器、一例として、鉄道車両の表示機、機器等に、好適に利用可能である。
10、20 基板
11、21 透明基板
12、22 透明電極
12a、22a 開口部
13、23 垂直配向膜
30 液晶層
31 スペーサ
41、42 偏光板
43 駆動回路
50 表側基板
51 ガラス基板
52 透明電極
52a スリット状開口部
53 垂直配向膜
54 スペーサ
55 液晶層
56 空間
A、A、A、B、C、D、R〜R 領域
、D 暗領域
br〜br 枝部

Claims (9)

  1. 第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、
    前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサと
    を有し、
    前記第1の電極と前記第2の電極は、開口部を備え、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部の少なくとも一方で、全体として第1の方向に延在するジグザグ形状の開口部が複数形成され、前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接する2つのジグザグ形状の開口部のエッジ間距離は30μm以下であり、
    前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜6.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている4ドメインの液晶表示素子。
  2. 前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、ともに、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状の開口部であり、ジグザグ形状の屈曲部を前記第2の方向に揃え、前記第2の方向に沿って交互に配置されている請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、更に、ジグザグ形状の各屈曲部から、該屈曲部の凸方向に、前記第2の方向と平行に延びる枝状開口部を備え、該枝状開口部は、前記第2の方向に隣接するジグザグ形状の開口部の屈曲部に重なる請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第1及び第2基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の開口部と前記第2の電極の開口部は、ともに、前記第2の方向が凸方向となるV字形状開口部を、重心が市松模様状となるように配置した開口部であり、
    前記第1の電極のV字形状開口部と前記第2の電極のV字形状開口部は、前記第1の方向に交互に、端部において重なるように配置されて、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状開口部が形成される請求項1に記載の液晶表示素子。
  5. 前記第1の電極の開口部と、前記第2の電極の開口部は、ともに、第3の方向に延びる第1の枝状開口部と、第4の方向に延びる第2の枝状開口部を用いて構成され、
    前記第1及び第2の枝状開口部は、前記第1、第2の電極上に、前記第1の方向に沿って見るとき、前記第1の枝状開口部のみが配置される列と、前記第2の枝状開口部のみが配置される列が交互に現れ、前記第2の方向に沿って見るとき、前記第1の枝状開口部のみが配置される行と、前記第2の枝状開口部のみが配置される行が交互に現れるように形成され、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の電極の前記第1の枝状開口部と、前記第2の電極の前記第2の枝状開口部が交互に端部で重なって、全体として前記第1の方向に延在するジグザグ形状の第1の開口部が形成され、
    該第1の開口部と、前記第2の方向に隣接するジグザグ形状の第2の開口部は、前記第1の電極の前記第2の枝状開口部と、前記第2の電極の前記第1の枝状開口部が交互に端部で重なって形成される請求項1に記載の液晶表示素子。
  6. 第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、
    前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサと
    を有し、
    前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の開口部と、前記第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の開口部が、前記第1の方向、前記第2の方向の双方について、交互に配置されるように、前記第1及び第2の方向にそれぞれ一定ピッチで形成され、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、
    前記第2の電極には、前記複数の矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、
    前記矩形状領域の4辺の一部を構成する、前記第1の電極の開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、20μm以下であり、
    前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子。
  7. 第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、
    前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサと
    を有し、
    前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の枝状開口部が、該第1の枝状開口部の長さ方向の一方エッジの中央と、該第2の枝状開口部の長さ方向の端部が結合されて構成されるT字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで、かつ、前記第1の方向に隣接する2つの開口部列について見るとき、前記第2の方向に半ピッチずれるように形成され、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、
    前記第2の電極には、前記矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、
    前記矩形状領域の4辺の一部を構成する前記第1の電極のT字形状開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、35μm以下であり、
    前記球状スペーサは、直径が3.0μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜105個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子。
  8. 第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、
    前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサと
    を有し、
    前記第1の電極には、第1の方向に長い第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に長い第2の枝状開口部が、該第1の枝状開口部の長さ方向の一方エッジの中央と、該第2の枝状開口部の長さ方向の端部が結合されて構成されるT字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで、かつ、前記第1の方向に隣接する2つの開口部列について見るとき、列単位で前記第2の方向に沿って相互に逆向きに配置された上で、前記第2の方向に所定ピッチずれるように形成され、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、
    前記第2の電極には、前記矩形状領域の各々の中央部に配置されるように開口部が形成され、
    前記矩形状領域の4辺の一部を構成する前記第1の電極のT字形状開口部のエッジと、前記矩形状領域の中央部に配置される前記第2の電極の開口部のエッジとの間の距離は、35μm以下であり、
    前記球状スペーサは、直径が2.5μm〜6.0μmであり、56個/mmφ〜191個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子。
  9. 第1の電極、及び、該第1の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第1の垂直配向膜を備える第1の基板と、
    前記第1の基板に略平行に対向配置され、第2の電極、及び、該第2の電極を覆うように形成され、配向処理が施されていない第2の垂直配向膜を備える第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置される液晶層と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間を一定の間隔に保持し、表面において前記液晶層の液晶分子を水平配向させる球状スペーサと
    を有し、
    前記第1の電極には、第1の方向に延びる第1の枝状開口部と、該第1の方向と直交する第2の方向に延びる第2の枝状開口部とで構成されるL字形状開口部が、前記第1の方向、及び、前記第2の方向のそれぞれに一定ピッチで格子状に形成され、
    前記第1及び第2の基板の法線方向から見るとき、前記第1の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第1の方向に延在する仮想直線と、前記第2の枝状開口部の幅方向の中心を通って前記第2の方向に延在する仮想直線とで、前記第1の方向と前記第2の方向にそれぞれ2辺を有し、前記第1の方向と前記第2の方向に隣接して配置される複数の矩形状領域が画定され、
    前記矩形状領域の対向辺を構成する開口部のエッジ間距離は、50μm以下であり、
    前記球状スペーサは、直径が3.0μm〜4.0μmであり、56個/mmφ〜105個/mmφの密度で、前記第1の基板と前記第2の基板の間に配置されている液晶表示素子。
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